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JP7220164B2 - 故障復旧支援システム及び方法 - Google Patents
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JP7220164B2 - 故障復旧支援システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は故障復旧支援システム及び方法に関し、特に、故障した昇降機の復旧作業を支援する故障復旧支援システムに適用して好適なものである。
従来、複数の機器から構成される昇降機に故障が発生した場合、故障状態や昇降機自身が発報するエラーコードを元に故障の原因となった機器の候補をリストアップして、故障対応を行う保守員にそのリストを提供することが行われている。なお、以下においては、昇降機を構成する個々の機器を昇降機構成機器と呼ぶものとする。
この場合、故障の原因となった昇降機構成機器のリストアップは、故障対応後に保守員が作成する報告書(以下、これを故障日報と呼ぶ)が蓄積されたデータベースから類似度の高い故障を検出し、故障原因となった可能性の高い昇降機構成機器を抽出することにより行われる。
なおエラーコードを元に故障原因となった機器を推定する装置として、特許文献1には、故障履歴記録装置内に故障コードと使用頻度履歴データを記録し、故障コード発生時の使用頻度履歴データとその故障発生要因からサービスツールが初期型故障か偶発型故障か摩耗型故障か等の故障型の発生確率を抽出し、発生確率が最も高い故障発生要因とその故障型を表示し、さらには該発生確率が高い順にその点検手順を表示するようになされた故障診断装置が開示されている。
特開2002-304215号公報
ところで、かかる特許文献1に開示された発明では、発生確率が高い昇降機構成機器をその発生確率の順番で並べるだけのものであり、作業位置についての考慮はなされていない。このため、特許文献1に開示された装置により提示される復旧手順によると、故障対応を行う保守員が、昇降路の最上部に設けられた機械室から昇降路の最下部に設けられたピットに移動し、その後、再び機械室に移動しなければならないような事態が発生するおそれがある。
そして、このような事態が発生した場合、作業位置間の移動や、各作業位置での工具及び計測器の準備等に相応の時間を要することとなるために、作業効率が低下し、昇降機の復旧時間が長くなる問題があった。特に、保守員が最初に行う故障原因となった昇降機構成機器の特定作業では、作業員は階段を歩いて上階や下階に移動しなければならないために作業位置の移動に多くの時間を要する傾向にある。
また、かかる特許文献1に開示された発明では、使用頻度履歴に基づいて故障の型の特定と、発生確率の抽出を行うこととしているが、季節による故障の発生確率の変動に関しては何らの考慮もない。このため適切な順序を保守員に提示できずに昇降機の復旧作業時間が長引くおそれがあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、保守員による昇降機の故障対応の作業効率を向上させ、昇降機の復旧時間の長期化を抑制し得る故障復旧支援システム及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、故障した昇降機の復旧作業を支援する故障復旧支援システムにおいて、過去に前記昇降機に発生した個々の故障事例ごとの情報である故障事例情報がそれぞれ格納された第1のデータベース、及び、前記昇降機を構成する機器ごとの当該機器を調査する際の作業位置がそれぞれ格納された第2のデータベースを保持する記憶装置と、今回の前記昇降機の故障状態と故障状態が類似する前記故障事例を前記第1のデータベース上で検索し、当該検索により検出した各前記故障事例の前記故障事例情報を前記第1のデータベースから抽出する類似故障事例検索部と、前記類似故障事例検索部により前記第1のデータベースから抽出された前記故障事例情報に基づいて、前記昇降機を構成する機器の中から、前記昇降機の今回の故障の原因として推定される前記機器を故障原因候補機器としてすべて抽出すると共に、前記故障原因候補機器ごとに、当該故障原因候補機器が今回の故障の原因である確率を故障原因確率としてそれぞれ算出する故障原因候補機器抽出部と、前記故障原因候補機器抽出部により算出された前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率、及び、前記第2のデータベースに格納された前記機器ごとの前記作業位置に基づいて、故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する調査順序最適化部と、前記調査順序最適化部により決定された前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序及び各前記作業位置において調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器をそれぞれ表示する表示部とを設け、前記調査順序最適化部が、前記作業位置ごとに、当該作業位置で調査可能な各前記故障原因候補機器の前記故障原因確率の合計値をそれぞれ算出し、算出した前記合計値が大きいものほどより順序が早くなるように前記作業位置の順序をそれぞれ決定するようにした。
また本発明においては、故障した昇降機の復旧作業を支援する故障復旧支援システムにより実行される故障復旧支援方法において、過去に前記昇降機に発生した個々の故障事例ごとの情報である故障事例情報がそれぞれ格納された第1のデータベース、及び、前記昇降機を構成する機器ごとの当該機器を調査する際の作業位置がそれぞれ格納された第2のデータベースを保持する第1のステップと、今回の前記昇降機の故障状態と故障状態が類似する前記故障事例を前記第1のデータベース上で検索し、当該検索により検出した各前記故障事例の前記故障事例情報を前記第1のデータベースから抽出する第2のステップと、前記第1のデータベースから抽出した前記故障事例情報に基づいて、前記昇降機を構成する機器の中から、前記昇降機の今回の故障の原因として推定される前記機器を故障原因候補機器としてすべて抽出すると共に、前記故障原因候補機器ごとに、当該故障原因候補機器が今回の故障の原因である確率を故障原因確率としてそれぞれ算出する第3のステップと、算出した前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率、及び、前記第2のデータベースに格納された前記機器ごとの前記作業位置に基づいて、故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する第4のステップと、決定した前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序及び各前記作業位置において調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器をそれぞれ表示する第5のステップとを設け、前記第4のステップにおいて、前記故障復旧支援システムが、前記作業位置ごとに、当該作業位置で調査可能な各前記故障原因候補機器の前記故障原因確率の合計値をそれぞれ算出し、算出した前記合計値が大きいものほどより順序が早くなるように前記作業位置の順序をそれぞれ決定するようにした。
本発明の故障復旧支援システム及び方法によれば、作業位置を考慮して故障原因候補機器及びその順序を決定するため、故障対応を行う保守員が作業位置ごとにその作業位置で原因調査可能な故障原因候補機器を一括して調査することができる。よって、保守員による昇降機の故障対応の作業効率を向上させることができる。
本発明によれば、昇降機の復旧時間の長期化を抑制し得る故障復旧支援システム及び方法を実現できる。
第1の実施の形態による故障復旧支援システムの物理構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態による故障復旧支援システムの論理構成を示すブロック図である。 機器別作業位置データベースの構成例を示す図表である。 調査順序最適化部の処理内容の説明に供する図表である。 調査順序最適化部の処理内容の説明に供する図表である。 調査順序最適化部の処理内容の説明に供する図表である。 第1の実施の形態による調査作業位置順序最適化機能に関連して故障復旧支援装置において実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。 図5の処理の説明に供する概念図である。 第2の実施の形態による故障復旧支援システムの物理構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態による故障復旧支援システムの論理構成を示すブロック図である。 季節係数データベースの構成例を示す図表である。 第2の実施の形態による調査作業位置順序最適化機能に関連して故障復旧支援装置において実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1-1)本実施の形態による故障復旧支援システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態による故障復旧支援システムを示す。この故障復旧支援システム1は、故障(異音等の不具合を含む)した昇降機2の復旧作業を支援するためのシステムであり、監視センタ3に設置された故障復旧支援装置4と、昇降機2の復旧作業を行う保守員5Aが携帯する携帯端末6とを備えて構成される。
昇降機2は、昇降機2全体の運転制御を司る制御盤10と、制御盤10の異常信号出力端子に接続された通信装置11とを備える。制御盤10は、昇降機2に故障が発生した場合に自機の個体番号や型式及び製造番号等の識別情報と、現在の故障状態を表すエラーコードとを含む異常信号を図示しない異常信号出力端子から出力する。
通信装置11は、専用回線、インターネット、その他の有線又は無線の通信回線からなる第1のネットワーク7を介して故障復旧支援装置4と接続された汎用の通信機器から構成される。通信装置11は、制御盤10から出力された異常信号を第1のネットワーク7を介して故障復旧支援装置4に送信する。
故障復旧支援装置4は、後述する調査作業位置順序最適化機能が搭載されたサーバ装置であり、CPU(Central Processing Unit)20、メモリ21、記憶装置22及び通信装置23を備えて構成される。
CPU20は、故障復旧支援装置4全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ21は、例えば揮発性の半導体メモリから構成され、CPU20のワークメモリとして利用される。メモリ21には、故障復旧支援装置4の起動時や必要時に記憶装置22から読み出された後述する類似故障履歴検索プログラム24、故障原因候補機器抽出プログラム25及び調査作業位置順序最適化プログラム26などが格納される。
記憶装置22は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、プログラムやデータを長期間保持するために利用される。記憶装置22には、後述する昇降機情報データベース27、故障事例データベース28及び機器別作業位置データベース29などが格納される。
通信装置23は、第1のネットワーク7を介して行われる昇降機2との通信時や、第1のネットワーク7及び第2のネットワーク8を介して行われる携帯端末6との通信時におけるプロトコル制御を行う汎用の通信機器から構成される。故障復旧支援装置4は、この通信装置23を介して昇降機2や携帯端末6との通信を行う。
携帯端末6は、CPU30、メモリ31、通信装置32、入力装置33及び表示装置34を備えたスマートフォンやタブレットなどの汎用の携帯型通信端末装置から構成される。CPU30は、携帯端末6全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ31は、例えば、揮発領域及び不揮発領域を有する半導体メモリから構成され、揮発領域がCPU30のワークメモリとして利用される。メモリ31の不揮発領域には、後述する表示編集処理プログラム35が格納される。
通信装置32は、専用回線、インターネット、その他の有線又は無線の通信回線からなる第2のネットワーク8と、第1のネットワーク7とを介して行われる故障復旧支援装置4との通信時におけるプロトコル制御を行う汎用の通信機器である。携帯端末6は、この通信装置32を介して故障復旧支援装置4との通信を行う。
入力装置33は、例えばタッチパネルなどから構成され、保守員5Aが携帯端末6に必要な情報を入力するために利用される。表示装置34は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどから構成され、必要な情報を表示するために利用される。
(1-2)調査作業位置順序最適化機能
次に、故障復旧支援装置4に搭載された調査作業位置順序最適化機能について説明する。この調査作業位置順序最適化機能は、昇降機2から異常信号が送信されてきた場合などに、その昇降機2の昇降機構成機器のうちの故障原因と推定される1又は複数の昇降機構成機器(以下、これを故障原因候補機器と呼ぶ)を抽出し、これら故障原因候補機器に対する故障原因の調査作業を行うべき順序を決定して携帯端末6に通知する機能である。この際、故障復旧支援装置4は、作業位置が同じ故障原因候補機器については、その作業位置において一度にすべて調査できるように各故障原因候補機器の調査順序を決定する。
図2は、このような調査作業位置順序最適化機能に関する故障復旧支援装置4及び携帯端末6の論理構成を示す。この図2に示すように、故障復旧支援装置4は、昇降機情報データベース27、故障事例データベース28及び機器別作業位置データベース29と、第1の通信部40、第2の通信部41、類似故障事例検索部42、故障原因候補機器抽出部43及び調査順序最適化部44とを備えて構成される。
昇降機情報データベース27は、監視センタ3で監視している昇降機2ごとの個体番号、設置場所(住所)、機種、型式、納入年月、機器構成、製造番号及び号機番号などの情報(以下、これを昇降機情報と呼ぶ)がそれぞれ格納されたデータベースである。
また故障事例データベース28は、過去に昇降機2に発生した個々の故障事例に関する情報(以下、これを故障事例情報と呼ぶ)がそれぞれ記録されたすべての故障日報のデータが格納されたデータベースである。故障日報には、例えば、かかる故障事例情報として、故障が発生した昇降機の個体番号、機種、型式及び製造番号等の識別情報と、そのときその昇降機2から得られたエラーコード、そのときのその昇降機2の故障状態、故障原因となった機器、故障原因、復旧作業の内容、原因調査時間及び対策時間などの情報とが記録される。
機器別作業位置データベース29は、昇降機2の各昇降機構成機器について、その昇降機構成機器を調査したり、復旧作業を行う際の作業位置が登録されたデータベースであり、例えば図3に示すように、機器欄29A及び作業位置欄29Bを備えたテーブル(以下、これを機器別作業位置テーブルと呼ぶ)を備えて構成される。そして、機器欄29Aには、昇降機2を構成する各昇降機構成機器の名称がそれぞれ格納され、作業位置欄29Bには、対応する昇降機構成機器を調査したり、復旧作業を行う際の作業位置が格納される。
従って、図3の例の場合、「コンペンチェーン」、「テンションプーリ」又は「秤装置」に対する調査作業や復旧作業の作業位置が「ピット」であり、「ロータリーエンコーダ」、「ディスクブレーキ」又は「プリント板」に対する調査位置や復旧作業位置が「機械室」であることが示されている。
なお昇降機2を構成する各昇降機構成機器の配置位置は、昇降機2の機種や型式等の種類に応じて違いがあるため機器別作業位置データベース29には、昇降機の種類ごとの機器別作業位置テーブルが格納される。
第1及び第2の通信部40,41は、故障復旧支援装置4の通信装置23(図1)の一部の機能を表す機能部である。
このうち第1の通信部40には、昇降機2から上述の異常信号が第1のネットワーク7を介して与えられる。また第1の通信部40には、昇降機2が設置された建物の住人・管理人5Bからの連絡に応じて図示しないサポートセンタのオペレータが自己のコンピュータ装置に入力した昇降機2の異常(「異常音がする」など)を表す情報と、当該昇降機2の識別情報とが故障状態情報として当該コンピュータ装置から第1のネットワーク7を介して送信される。さらに第1の通信部40には、現地に赴いた保守員5Aが携帯端末6に入力した昇降機2の故障状態に関する情報及び当該昇降機2の識別情報も、故障状態情報として第2及び第1のネットワーク8,7を介して送信される。そして第1の通信部40は、かかる異常信号や故障状態情報を受信すると、これを類似故障事例検索部42に転送する。
類似故障事例検索部42は、故障復旧支援装置4のCPU20(図1)がメモリ21(図1)に格納された類似故障事例検索プログラム24(図1)を実行することにより具現化される機能部である。類似故障事例検索部42は、かかる異常信号や故障状態情報を受領すると、その異常信号又は故障状態情報に含まれる故障した昇降機の識別情報及び故障状態を表す情報(エラーコードを含む)と、昇降機情報データベース27に登録されている各昇降機2の昇降機情報とに基づいて、同一機種及び同一型式の昇降機2の過去の故障事例のうち、故障状態が今回の故障状態と類似する故障事例(以下、これを類似故障事例と呼ぶ)を故障事例データベース28上で検索する機能を有する。類似故障事例検索部42は、かかる検索により検出したすべての類似故障事例について、その類似故障事例の故障事例情報を故障事例データベース28から読み出して故障原因候補機器抽出部43に出力する。
故障原因候補機器抽出部43は、故障復旧支援装置4のCPU20がメモリ21に格納された故障原因候補機器抽出プログラム25(図1)を実行することにより具現化される機能部である。この故障原因候補機器抽出部43は、類似故障事例検索部42から与えられた各類似故障事例の故障事例情報に基づいて、今回の故障の原因として推定される機器(故障原因候補機器)をすべて抽出すると共に、抽出した故障原因候補機器ごとにその故障原因候補機器が今回の故障の原因である確率(以下、これを故障原因確率と呼ぶ)をそれぞれ算出する機能を有する。
実際上、故障原因候補機器抽出部43は、類似故障事例検索部42から与えられた各故障事例の故障事例情報から、これらの故障事例ごとにその故障原因候補機器をそれぞれ抽出する。また故障原因候補機器抽出部43は、抽出した故障原因候補機器ごとに、それぞれその故障原因候補機器が故障原因であった故障事例の数を、類似故障事例検索部42が上述のようにして検出した故障事例の総数で除算し、さらに除算結果に100を乗算するようにして、かかる故障原因確率を百分率で算出する。そして故障原因候補機器抽出部43は、このようにして算出した各故障原因候補機器の種別及びこれら故障原因候補機器の故障原因確率を調査順序最適化部44に通知する。
調査順序最適化部44は、故障復旧支援装置4のCPU20がメモリ21に格納された調査作業位置順序最適化プログラム26(図1)を実行することにより具現化される機能部である。この調査順序最適化部44は、故障原因候補機器抽出部43から通知された各故障原因候補機器及びこれら故障原因候補機器ごとの故障原因確率に基づいて、これら故障原因候補機器の最適な調査順序を決定する機能を有する機能部である。
実際上、調査順序最適化部44は、例えば図4Aに示すように、機器別作業位置データベース29(図3)を参照して、故障原因候補機器抽出部43から通知された故障原因候補機器を、その調査を行う作業位置ごとに分類する。また調査順序最適化部44は、図4Bに示すように、作業位置ごとに、その作業位置で調査可能なすべての故障原因候補機器の故障原因確率の合計値を算出する。
さらに調査順序最適化部44は、図4Cに示すように、かかる合計値がより大きい作業位置で調査可能であり、かつその作業位置で調査可能な故障原因候補機器のうちでより故障原因確率が大きい故障原因候補機器ほどより早い順番となるように各故障原因候補機器の調査順序を決定する。
そして調査順序最適化部44は、各故障原因候補機器と、これら故障原因候補機器の調査順序と、これら故障原因候補機器の作業位置とを含む原因調査指示を第2の通信部41を介して携帯端末6に送信する。
携帯端末6は、機能部として通信部50及び表示処理部51を備えて構成される。通信部50は、携帯端末6の通信装置32(図1)の一部の機能を表す機能部であり、表示処理部51は、携帯端末6のCPU30(図1)がメモリ31(図1)に格納された表示編集処理プログラム35を実行することにより具現化される機能部である。表示処理部51は、調査順序最適化部44から送信されてきた原因調査指示に含まれる各故障原因候補機器と、これら故障原因候補機器の調査順序と、これら故障原因候補機器の作業位置とを所定の形式で表示装置34に表示する。
(1-3)調査作業位置順序最適化機能に関する処理の流れ
図5は、以上のような調査作業位置順序最適化機能に関連して故障復旧支援装置4において実行される一連の処理の流れを示す。この処理は、類似故障事例検索部42(図2)が第1の通信部40(図1)を介して上述の異常信号や故障状態情報を受信すると開始される。
そして、まず、類似故障事例検索部42が、受信した異常信号や故障状態情報に含まれる故障した昇降機2の識別情報に基づいて、その昇降機(以下、これを対象昇降機と呼ぶ)2の機種及び型式等の昇降機情報を昇降機情報データベース27(図2)から抽出する(S1)。
続いて、類似故障事例検索部42は、ステップS1で取得した対象昇降機2の昇降機情報と、異常信号や故障状態情報に基づいて、図6に示すように、同一機種及び同一型式の昇降機2の過去の類似故障事例を故障事例データベース28上で検索する(S2)。ただし、類似故障事例検索部42が、同一機種及び同一型式の昇降機2以外のすべての昇降機2の故障状態が類似する過去の故障事例を類似故障事例として昇降機情報データベース27上で検索するようにしてもよい。この後、類似故障事例検索部42は、ステップS2の検索により類似故障事例を検出できたか否かを判断する(S3)。
そして類似故障事例検索部42は、この判断で否定結果を得た場合には、その旨をサポートセンタに通報する(S4)。この結果、このような場合には、専門技術者と、現地の保守員5Aとが相談しながら対象昇降機2の復旧作業を行うことになる。
これに対して、類似故障事例検索部42は、ステップS3の判断で肯定結果を得ると、故障事例データベース28からすべての類似故障事例の故障事例情報を抽出し、抽出した故障事例情報をすべて故障原因候補機器抽出部43に出力する(S5)。
故障原因候補機器抽出部43は、かかる故障事例情報を受領すると、受領した故障事例情報に基づいて、今回の故障の原因として推定される故障原因候補機器をすべて抽出する(S6)。また故障原因候補機器抽出部43は、ステップS6で抽出した故障原因候補機器が複数あるか否かを判断する(S7)。そして故障原因候補機器抽出部43は、この判断で否定結果を得ると、その故障原因候補機器及びその作業位置情報を含む原因調査指示を第2の通信部41(図2)を介して携帯端末6(図2)に送信する(S12)。
これに対して、故障原因候補機器抽出部43は、ステップS7の判断で肯定結果を得ると、類似故障事例検索部42から故障事例情報が与えられた各故障事例を故障原因候補機器ごとに分類し、図6のように故障原因候補機器ごとの故障原因確率をそれぞれ算出する(S8)。そして故障原因候補機器抽出部43は、各故障原因候補機器の種別及びこれら故障原因候補機器の故障原因確率を調査順序最適化部44に通知する。
調査順序最適化部44は、故障原因候補機器抽出部43から通知された各故障原因候補機器及びこれら故障原因候補機器ごとの故障原因確率に基づいて、各故障原因候補機器の故障原因確率を作業位置ごとに合計し(S9)、合計値が大きいものほどより順序が早くなるように、保守員5Aが原因調査作業を行うべき作業位置の順序を決定する(S10)。
また調査順序最適化部44は、この後、作業位置ごとに、その作業位置で原因調査を行う各故障原因候補機器の順序を、故障原因確率が大きいものほどより順序が早くなるようにそれぞれ決定する(S11)。以上により、すべての故障原因候補機器の原因調査の順序が決定される。
そして調査順序最適化部44は、この後、各故障原因候補機器と、これら故障原因候補機器の調査順序と、これら故障原因候補機器の作業位置とを含む原因調査指示を第2の通信部41を介して携帯端末6に送信する(S12)。
この結果、原因調査指示に含まれる各故障原因候補機器と、これら故障原因候補機器の調査順序と、これら故障原因候補機器の作業位置とが携帯端末6の表示装置34に表示される(S13)。かくして、保守員5Aは、表示された各故障原因候補機器を指示された調査順序に従って順番に調査することになる。
なお、この際、携帯端末6の表示装置34に、図4Cのように原因調査を行うべき作業位置の順序で、かつ、作業位置ごとにその作業位置において原因調査を行うべき各故障原因候補機器及びその作業順序を纏めて表示するようにしてもよい(図4Cをそのまま表示するようにしてもよい)。このようにすることによって、作業すべき作業位置の順序及びこれらの作業位置で原因調査すべき各故障原因候補機器及びその順序を保守員5Aに分かり易く提示することができ、その分、保守員5Aによる原因調査作業の作業効率を向上させて、昇降機2の復旧までの時間をより短縮化させることができる。
この後、対象昇降機2が故障から復旧し(S14;YES)、保守員5Aがその故障に対する故障日報を作成し、これを故障事例データベース28に登録すると(S15)、この一連の処理が終了する。
(1-4)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の故障復旧支援システム1によれば、作業位置を考慮して故障対応を行う保守員5Aの作業位置を決定するため、保守員5Aが作業位置ごとにその作業位置で原因調査可能な故障原因候補機器を一括して調査することができる。よって、保守員5Aによる昇降機2の故障対応の作業効率を向上させることができ、かくして昇降機の復旧時間の長期化を抑制することができる。
また本故障復旧支援システム1では、作業位置の順番だけでなく、作業位置ごとにその作業位置において原因調査可能な各故障原因候補機器の調査順序をも表示するため、各作業位置における原因調査の作業効率をも向上させることができ、かくしてより一層と昇降機の復旧時間の長期化を抑制することができる。
(2)第2の実施の形態
冬季にはロープの油が固化してプーリ溝に付着するなど、昇降機2には季節特有の故障原因がある。従って、昇降機2に異常が発生した場合、季節特有の故障原因を考慮することで故障原因候補機器をより精度良く抽出することができ、この結果として故障した昇降機2の復旧を迅速化できるものと考えられる。そこで、本実施の形態においては、このような季節特有の故障原因を考慮して故障原因を抽出する機能が搭載された故障復旧支援システムについて説明する。
図1との対応部分に同一符号を付した図7は、第2の実施の形態による故障復旧支援システム60を示す。この故障復旧支援システム60は、故障復旧支援装置61のメモリ21に格納された調査順序最適化プログラム62の構成が異なる点と、記憶装置22に季節係数データベース63が格納されている点とを除いて第1の実施の形態による故障復旧支援システム1と同様に構成されている。
図2との対応部分に同一符号を付した図8は、本実施の形態による故障復旧支援システム60の論理構成を示す。この図8において、季節係数データベース63は、故障原因候補機器抽出部43により算出された故障原因候補機器ごとの故障原因確率を現在の季節に応じてそれぞれ補正するための係数(以下、これを季節係数と呼ぶ)が予め格納されたデータベースであり、図9に示すように、機器欄63A及び季節係数欄63Bを備えたテーブル構成を有する。
そして機器欄63Aには、昇降機2を構成する各昇降機構成機器の名称がそれぞれ格納される。また季節係数欄63Bは、春の季節(4~6月)に対応する春欄63BAと、夏の季節(7~9月)に対応する夏欄63BBと、秋の季節(10~12月)に対応する秋欄63BCと、冬の季節(1~3月)に対応する冬欄63BDとに分割されており、これら春欄63BA、夏欄63BB、秋欄63BC及び冬欄63BDのそれぞれに、対応する季節に対応する昇降機構成機器に対して適用すべき季節係数が格納される。
従って、図9の例の場合、「コンペンチェーン」については、春、秋及び冬の各季節における季節係数が「1」であるのに対して、夏の季節における季節係数が「1.1」に設定されていることが示されている。
調査順序最適化部64は、故障原因候補機器抽出部43から通知されてきた各故障原因候補機器の故障原因確率を、対応する季節係数を用いて補正する点を除いて第1の実施の形態による調査順序最適化部44(図2)と同様の機能を有する機能部である。実際上、調査順序最適化部64は、故障原因候補機器抽出部43から通知されてきた各故障原因候補機器の故障原因確率について、対応する故障原因候補機器の現在の季節の季節係数を季節係数データベース63から取得し、取得した季節係数を乗算するようにして、各故障原因候補機器の故障原因確率をそれぞれ補正する。
図10は、このような本実施の形態の調査作業位置順序最適化機能に関連して故障復旧支援装置61(図7)において実行される一連の処理の流れを示す。この処理は、類似故障事例検索部42(図8)が上述の異常信号や故障状態情報を第1の通信部40(図7)を介して受信すると開始され、ステップS20~ステップS27の処理が図5について上述した第1の実施の形態のステップS1~ステップS8と同様に実行される。
この後、調査順序最適化部64(図8)が、故障原因候補機器抽出部43(図8)から通知されてきた各故障原因候補機器の故障原因確率について、対応する現在の季節係数を季節係数データベース63(図9)からそれぞれ読み出し、読み出したこれらの季節係数をそれぞれ対応する故障原因候補機器の故障原因確率に乗算するようにして、これら故障原因確率を補正する(S30)。
そして、この後、ステップS31~ステップS35の処理が図5について上述した第1の実施の形態のステップS9~ステップS15と同様に実行される。
以上の構成を有する本実施の形態の故障復旧支援システム60によれば、季節特有の故障原因を考慮して故障原因を抽出するため、より故障原因となり易い故障原因候補機器の調査順序が上位となるように各故障原因候補機器の調査順序を決定することができる。これにより保守員5Aによる昇降機2の故障対応の作業効率を向上させることができ、かくして第1の実施の形態に比べてより一層と昇降機の復旧時間の長期化を抑制することができる。
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明による故障復旧支援システム1,60を図1及び図2や、図7及び図8のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、第1の実施の形態であれば、類似故障事例検索部42、故障原因候補機器抽出部43及び調査順序最適化部44の各機能、第2の実施の形態であれば類似故障事例検索部42、故障原因候補機器抽出部43及び調査順序最適化部64の各機能を保守員5Aが携帯する携帯端末6側に持たせるようにしてもよい。
また上述の実施の形態においては、各作業位置に対する保守員5Aの作業順序を、その作業位置で調査可能な各故障原因候補機器の故障原因確率の合計により決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、作業位置の順番に決定方法としては、この他種々の方法を広く適用することができる。例えば、その作業位置で調査可能な各故障原因候補機器の故障原因確率のうちの最も高い故障原因確率の順番で各作業位置の調査順序を決定するようにしたり、さらには各故障原因候補機器の故障原因確率に基づいて、保守員5Aの移動距離が最も少なくなるように各作業位置の順序を決定するようにしても良い。
さらに上述の第2の実施の形態においては、季節係数を春、夏、秋及び冬の4つの季節にそれぞれ対応させて用意するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、より細かい期間(例えば、1ヶ月ごと、2ヶ月ごと又は3ヶ月ごと)の季節係数又はより長い期間(例えば半年ごと)の季節係数を用意するようにしてもよい。
本発明は、故障した昇降機の復旧作業を支援する種々の構成の故障復旧支援システムに広く適用することができる。
1,60……故障復旧支援システム、2……昇降機、3……監視センタ、4,61……故障復旧支援装置、5A……保守員、6……携帯端末、20……CPU、21……メモリ、22……記憶装置、24……類似故障事例検索プログラム、25……故障原因候補機器抽出プログラム、26,62……調査順序最適化プログラム、27……昇降機情報データベース、28……故障事例データベース、29……機器別作業位置データベース、34……表示装置、35……表示編集処理プログラム、42……類似故障事例検索部、43……故障原因候補機器抽出部、44,64……調査順序最適化部、63……季節係数データベース。

Claims (8)

  1. 故障した昇降機の復旧作業を支援する故障復旧支援システムにおいて、
    過去に前記昇降機に発生した個々の故障事例ごとの情報である故障事例情報がそれぞれ格納された第1のデータベース、及び、前記昇降機を構成する機器ごとの当該機器を調査する際の作業位置がそれぞれ格納された第2のデータベースを保持する記憶装置と、
    今回の前記昇降機の故障状態と故障状態が類似する前記故障事例を前記第1のデータベース上で検索し、当該検索により検出した各前記故障事例の前記故障事例情報を前記第1のデータベースから抽出する類似故障事例検索部と、
    前記類似故障事例検索部により前記第1のデータベースから抽出された前記故障事例情報に基づいて、前記昇降機を構成する機器の中から、前記昇降機の今回の故障の原因として推定される前記機器を故障原因候補機器としてすべて抽出すると共に、前記故障原因候補機器ごとに、当該故障原因候補機器が今回の故障の原因である確率を故障原因確率としてそれぞれ算出する故障原因候補機器抽出部と、
    前記故障原因候補機器抽出部により算出された前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率、及び、前記第2のデータベースに格納された前記機器ごとの前記作業位置に基づいて、故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する調査順序最適化部と、
    前記調査順序最適化部により決定された前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序及び各前記作業位置において調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器をそれぞれ表示する表示部と
    を備え
    前記調査順序最適化部は、
    前記作業位置ごとに、当該作業位置で調査可能な各前記故障原因候補機器の前記故障原因確率の合計値をそれぞれ算出し、算出した前記合計値が大きいものほどより順序が早くなるように前記作業位置の順序をそれぞれ決定する
    ことを特徴とする故障復旧支援システム。
  2. 前記調査順序最適化部は、
    故障原因の調査作業を行うべき作業位置の順序に加えて、前記作業位置ごとに、当該作業位置において前記調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器の順序をもそれぞれ算出し、
    前記表示部は、
    前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序に加えて、前記調査順序最適化部により算出された前記作業位置ごとの前記調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器の順序をもそれぞれ表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障復旧支援システム。
  3. 前記表示部は、
    前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序で、かつ前記作業位置ごとに当該作業位置において原因調査を行うべき各前記故障原因候補機器及び当該故障原因候補機器の作業順序を纏めて表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の故障復旧支援システム。
  4. 前記調査順序最適化部は、
    前記故障原因候補機器抽出部により算出された前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率を現在の季節に応じて補正した上で、前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率に基づいて故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障復旧支援システム。
  5. 故障した昇降機の復旧作業を支援する故障復旧支援システムにより実行される故障復旧支援方法において、
    過去に前記昇降機に発生した個々の故障事例ごとの情報である故障事例情報がそれぞれ格納された第1のデータベース、及び、前記昇降機を構成する機器ごとの当該機器を調査する際の作業位置がそれぞれ格納された第2のデータベースを保持する第1のステップと、
    今回の前記昇降機の故障状態と故障状態が類似する前記故障事例を前記第1のデータベース上で検索し、当該検索により検出した各前記故障事例の前記故障事例情報を前記第1のデータベースから抽出する第2のステップと、
    前記第1のデータベースから抽出した前記故障事例情報に基づいて、前記昇降機を構成する機器の中から、前記昇降機の今回の故障の原因として推定される前記機器を故障原因候補機器としてすべて抽出すると共に、前記故障原因候補機器ごとに、当該故障原因候補機器が今回の故障の原因である確率を故障原因確率としてそれぞれ算出する第3のステップと、
    算出した前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率、及び、前記第2のデータベースに格納された前記機器ごとの前記作業位置に基づいて、故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する第4のステップと、
    決定した前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序及び各前記作業位置において調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器をそれぞれ表示する第5のステップと
    を備え
    前記第4のステップにおいて、前記故障復旧支援システムは、
    前記作業位置ごとに、当該作業位置で調査可能な各前記故障原因候補機器の前記故障原因確率の合計値をそれぞれ算出し、算出した前記合計値が大きいものほどより順序が早くなるように前記作業位置の順序をそれぞれ決定する
    ことを特徴とする故障復旧支援方法。
  6. 前記第4のステップでは、
    故障原因の調査作業を行うべき作業位置の順序に加えて、前記作業位置ごとに、当該作業位置において前記調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器の順序をもそれぞれ算出し、
    前記第5のステップでは、
    前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序に加えて、算出した前記作業位置ごとの前記調査作業を行うべき各前記故障原因候補機器の順序をもそれぞれ表示する
    ことを特徴とする請求項5に記載の故障復旧支援方法。
  7. 前記第5のステップでは、
    前記調査作業を行うべき前記作業位置の順序で、かつ前記作業位置ごとに当該作業位置において原因調査を行うべき各前記故障原因候補機器及び当該故障原因候補機器の作業順序を纏めて表示する
    ことを特徴とする請求項6に記載の故障復旧支援方法。
  8. 前記第4のステップでは、
    算出した前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率を現在の季節に応じて補正した上で、前記故障原因候補機器ごとの前記故障原因確率に基づいて故障原因の調査作業を行うべき前記作業位置の順序をそれぞれ決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の故障復旧支援方法。
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