JP7220902B2 - 3座配位子を有する鉄錯体化合物の製造方法、及び有機ボロン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
有機ボロン酸エステルの合成には、主に遷移金属錯体触媒を用いた宮浦―Hartwigホウ素化反応が利用される。前記遷移金属錯体触媒には、イリジウム等の貴金属が汎用されている(非特許文献1、2参照)。
また、非特許文献4に記載の鉄触媒は、反応変換効率は高いものの、比較的反応性が高いとされるチオフェンやフランにのみ有効であり、ベンゼン等の不活性な芳香族化合物には適応できない。
本発明の一態様に係る、3座配位子を有する鉄錯体化合物は、後述の一般式(1)で示される化合物(第1実施形態)、一般式(2)で示される化合物(第2実施形態)、一般式(3)で示される化合物(第3実施形態)である。
本実施形態の化合物は、下記一般式(1)で示される、3座配位子を有する鉄錯体化合物である。
また、「芳香族炭化水素基」には、フェニル基のような芳香族性を有する単環の芳香族炭化水素基が含まれるほか、ナフチル基のような芳香族性を有する多環の芳香族炭化水素基も含まれるものとする。
前記式(1)中、Xはそれぞれ独立して、-SC(=O)CH3又は-OC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。Xの2つ以上が-OC(=O)R10である場合、R10同士が連結して環状構造を形成しているものでもよい。
R10における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。R10における炭化水素基の炭素数は、1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましい。
R10における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シリル基、アミノ基、メトキシ基等が挙げられる。
R10としては、メチル基(-CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、トリフルオロメチル基(-CF3)等が挙げられる。
R10同士が連結して形成する環状構造は、脂肪族炭化水素環でもよいし、芳香族炭化水素環でもよいし、複素環でもよい。
前記式(L-1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。
R1及びR2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R1としては、メチル基(-CH3)、エチル基(-CH2CH3)、n-プロピル基(-CH2CH2CH3)、i-プロピル基(-CH(CH3)2)、n-ブチル基(-CH2CH2CH2CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、ペンチル基(-CH2(CH2)3CH3)、ヘキシル基(-CH2(CH2)4CH3)、フェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R2としては、例えばR1で例示した基と同様のものが挙げられる。
R1及びR2における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R1及びR2における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
R3における「アルキル基」は、直鎖状のアルキル基に限られず、分岐構造、環状構造を有するアルキル基も含まれるものとする。
R3としては、メチル基(-CH3)、エチル基(-CH2CH3)、n-プロピル基(-CH2CH2CH3)、i-プロピル基(-CH(CH3)2)、n-ブチル基(-CH2CH2CH2CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、ペンチル基(-CH2(CH2)3CH3)、ヘキシル基(-CH2(CH2)4CH3)、ヘプチル基(-CH2(CH2)5CH3)、オクチル基(-CH2(CH2)6CH3)、ノニル基(-CH2(CH2)7CH3)、デシル基(-CH2(CH2)8CH3)、フェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基等が挙げられる。
R3におけるアルキル基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R3における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
n3は、0~5の整数であり、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、特に好ましくは0又は1である。
前記式(L-1)中、n2が2~4の整数である場合、R1の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。例えばn2が2である場合、2個のR1が連結してシクロヘプタン構造、シクロヘプテン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘキセン構造等を形成していることが挙げられる。
前記式(L-1)中、n3が2~5の整数である場合、R2の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。例えばn3が2である場合、2個のR2が連結してシクロヘプタン構造、シクロヘプテン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘキセン構造等を形成していることが挙げられる。
尚、本明細書において、化学式中の「iPr」はイソプロピル基を示す。「Ph」はフェニル基を示す。「Pv」はピバロイル基を示す。「Ac」はアセチル基を示す。
本実施形態の化合物は、下記一般式(2)で示される、3座配位子を有する鉄錯体化合物である。
また、「芳香族炭化水素基」には、フェニル基のような芳香族性を有する単環の芳香族炭化水素基が含まれるほか、ナフチル基のような芳香族性を有する多環の芳香族炭化水素基も含まれるものとする。
前記式(2)中、Xはそれぞれ独立して、-SC(=O)CH3又は-OC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。Xの2つ以上が-OC(=O)R10である場合、R10同士が連結して環状構造を形成しているものでもよい。
R10における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。R10における炭化水素基の炭素数は、1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましい。
R10における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シリル基、アミノ基、メトキシ基等が挙げられる。
R10としては、メチル基(-CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、トリフルオロメチル基(-CF3)等が挙げられる。
R10同士が連結して形成する環状構造は、脂肪族炭化水素環でもよいし、芳香族炭化水素環でもよいし、複素環でもよい。
前記式(L-2)中、R4及びR5はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。
R4及びR5におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R4としては、例えば前記式(L-1)中のR1で例示した基と同様のものが挙げられる。R5としては、例えば前記式(L-1)中のR1で例示した基と同様のものが挙げられる。
R4及びR5における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R4及びR5における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
R6におけるアルキル基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R6における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
前記式(L-2)中、n4が2~5の整数である場合、R5の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。例えばn4が2である場合、2個のR2が連結してシクロヘプタン構造、シクロヘプテン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘキセン構造等を形成していることが挙げられる。
本実施形態の化合物は、下記一般式(3)で示される、3座配位子を有する鉄錯体化合物である。
また、「芳香族炭化水素基」には、フェニル基のような芳香族性を有する単環の芳香族炭化水素基が含まれるほか、ナフチル基のような芳香族性を有する多環の芳香族炭化水素基も含まれるものとする。
前記式(3)中、Xはそれぞれ独立して、-SC(=O)CH3又は-OC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。Xの2つ以上が-OC(=O)R10である場合、R10同士が連結して環状構造を形成しているものでもよい。
R10における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。R10における炭化水素基の炭素数は、1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましい。
R10における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シリル基、アミノ基、メトキシ基等が挙げられる。
R10としては、メチル基(-CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、トリフルオロメチル基(-CF3)等が挙げられる。
R10同士が連結して形成する環状構造は、脂肪族炭化水素環でもよいし、芳香族炭化水素環でもよいし、複素環でもよい。
前記式(L-3)中、n5は、0~3の整数であり、0又は1が好ましく、特に好ましくは0である。
前記式(L-3)中、R7はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。
R7におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R7としては、例えば前記式(L-1)中のR1で例示した基と同様のものが挙げられる。
R7における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R7における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
前記式(L-3)中、n5が2又は3である場合、R7の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。例えばn5が2である場合、2個のR7が連結してシクロヘプタン構造、シクロヘプテン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘキセン構造等を形成していることが挙げられる。
R8a、R8b、R9a及びR9bとしてはそれぞれ、例えば前記式(L-1)中のR3で例示した基と同様のものが挙げられる。
R8a、R8b、R9a及びR9bにおけるアルキル基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R8a、R8b、R9a及びR9bにおける芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、炭素数1~6の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられ、具体的には炭素数1~6のアルキル基が例示される。
本発明の一態様に係る、3座配位子を有する鉄錯体化合物の製造方法は、上記の一般式(L-1)で示される3座配位子、一般式(L-2)で示される3座配位子、又は一般式(L-3)で示される3座配位子と、FeX”n1で示されるカルボキシレート系化合物(f)とを反応させる方法(第4実施形態);後述の一般式(1’)で示される鉄錯体化合物、一般式(2’)で示される鉄錯体化合物、又は一般式(3’)で示される鉄錯体化合物と、MXm”で示されるカルボキシレート系化合物(m)とを反応させる方法(第5実施形態)である。
本実施形態の製造方法は、上記一般式(L-1)で示される3座配位子、上記一般式(L-2)で示される3座配位子、又は上記一般式(L-3)で示される3座配位子と、FeX”n1で示されるカルボキシレート系化合物(f)[n1は、2又は3である。X”はそれぞれ独立して、SC(=O)CH3又はOC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。]とを反応させて、下記一般式(0)で示される3座配位子を有する鉄錯体化合物を得る、鉄錯体化合物の製造方法である。
式(0)中のX、R10は、前記式(1)中のX、R10と同様である。
本実施形態の製造方法では、配位子として、上述した一般式(L-1)で示される3座配位子、一般式(L-2)で示される3座配位子、又は一般式(L-3)で示される3座配位子を用いる。
これらの3座配位子は、例えば、論文に記載の方法を参照することにより製造できる(参照:非特許文献5、非特許文献6等)。
非特許文献5:Kamitani,M.;Kusaka,H.;Toriyabe,T.;Yuge,H.Bull.Chem.Soc.Jpn.2018,91,1429.
非特許文献6:Britovsek,G.J.P.;Bruce,M.;Gibson,V.C.;Kimberley,B.S.;Maddox,P.J.;Mastroianni,S.;McTavish,S.J.;Redshaw,C.;Solan,G.A.;Stromberg,S.;White,A.J.P.;Williams,D.J.J.Am.Chem.Soc.1999,121,8728.
本実施形態の製造方法では、出発原料としてFeX”n1で示されるカルボキシレート系化合物(f)[n1は、2又は3である。X”はそれぞれ独立して、SC(=O)CH3又はOC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。]を用いる。すなわち、鉄カチオンと、チオカルボキシレートアニオン又はカルボキシレートアニオンとの塩を用いる。
かかるカルボキシレート系化合物(f)(FeX”n1)としては、例えば、Fe[OC(=O)CH3]2、Fe[OC(=O)CH3]3、Fe[OC(=O)C(CH3)3]2;Fe[SC(=O)CH3]2、Fe[SC(=O)CH3]3、Fe[SC(=O)C(CH3)3]2等が挙げられる。
配位子とカルボキシレート系化合物(f)との混合は、例えば溶媒中で行うことができる。ここでの溶媒には、テトラヒドロフラン(THF)、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を用いることができる。
配位子とカルボキシレート系化合物(f)とを反応させる際の温度は、例えば0~80℃が好適である。両者の反応時間は、例えば12~48時間が好適である。
配位子として、一般式(L-1)で示される3座配位子を用いた場合には、上述した第1実施形態の化合物が得られる。配位子として、一般式(L-2)で示される3座配位子を用いた場合には、上述した第2実施形態の化合物が得られる。配位子として、一般式(L-3)で示される3座配位子を用いた場合には、上述した第3実施形態の化合物が得られる。
本実施形態の製造方法は、後述の一般式(1’)で示される鉄錯体化合物、一般式(2’)で示される鉄錯体化合物、又は一般式(3’)で示される鉄錯体化合物と、MXm”で示されるカルボキシレート系化合物[Mは、アルカリ金属である。Xm”は、SC(=O)CH3又は[(OC(=O))qR101]1/qを表す。R101は、置換基を有してもよい炭素数1~12のq価の炭化水素基(当該炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子に置換されていてもよい。)を表す。qは、1~3の整数である。]とを反応させて、下記一般式(0’)で示される3座配位子を有する鉄錯体化合物を得る、鉄錯体化合物の製造方法である。
本実施形態の製造方法では、出発原料として、下記一般式(1’)で示される鉄錯体化合物、下記一般式(2’)で示される鉄錯体化合物、又は下記一般式(3’)で示される鉄錯体化合物を用いる。
X’におけるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
前記式(1’)中のL1は、前記式(1)中のL1と同様である。
前記式(2’)中のL2は、前記式(2)中のL2と同様である。
前記式(3’)中のL3は、前記式(3)中のL3と同様である。
これらの鉄錯体化合物は、例えば、論文に記載の方法を参照することにより製造できる(参照:非特許文献5、非特許文献6等)。
本実施形態の製造方法では、出発原料としてMXm”で示されるカルボキシレート系化合物(m)[Mは、アルカリ金属である。Xm”は、SC(=O)CH3又は[(OC(=O))qR101]1/qを表す。R101は、置換基を有してもよい炭素数1~12のq価の炭化水素基(当該炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子に置換されていてもよい。)を表す。qは、1~3の整数である。]を用いる。すなわち、アルカリ金属カチオンと、チオカルボキシレートアニオン又はカルボキシレートアニオンとの塩を用いる。
R101におけるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R101における炭化水素基は、q価の炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよい。R101における炭化水素基の炭素数は、1~6が好ましく、炭素数1~5がより好ましく、炭素数1~4がさらに好ましい。
R101における炭化水素基は、置換基を有してもよい。R101における炭化水素基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シリル基、アミノ基、メトキシ基等が挙げられる。
R101としては、メチル基(-CH3)、t-ブチル基(-C(CH3)3)、トリフルオロメチル基(-CF3)等が挙げられる。また、R101の、炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子に置換されている場合、この構造としては、ピリジン環などの複素環構造が挙げられる。
qは、1~3の整数であり、1又は2が好ましい。
鉄錯体化合物とカルボキシレート系化合物(m)との混合は、例えば溶媒中で行うことができる。ここでの溶媒には、テトラヒドロフラン(THF)、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を用いることができる。
鉄錯体化合物とカルボキシレート系化合物(m)とを反応させる際の温度は、例えば0~80℃が好適である。両者の反応時間は、例えば1~24時間が好適である。
前記式(0’)中のXmにおけるR10、R101は、上述したR10、R101と同様である。
鉄錯体化合物として、一般式(1’)で示される鉄錯体化合物を用いた場合には、上述した第1実施形態の化合物が得られる。鉄錯体化合物として、一般式(2’)で示される鉄錯体化合物を用いた場合には、上述した第2実施形態の化合物が得られる。鉄錯体化合物として、一般式(3’)で示される鉄錯体化合物を用いた場合には、上述した第3実施形態の化合物が得られる。
特に、第4実施形態の製造方法においては、特定の3座配位子から有機ボロン酸エステル化合物を1段階の操作で簡便に製造することができる。
本発明の一態様に係る、有機ボロン酸エステルの製造方法は、上述した実施形態の3座配位子を有する鉄錯体化合物の存在下で、芳香族炭化水素化合物又はアルケン化合物と、ホウ素化合物とを反応させて、有機ボロン酸エステルを得る方法である。
本実施形態の有機ボロン酸エステルの製造方法では、触媒として、上述した第1実施形態の3座配位子を有する鉄錯体化合物、第2実施形態の3座配位子を有する鉄錯体化合物、又は第3実施形態の3座配位子を有する鉄錯体化合物を用いる。
本実施形態の有機ボロン酸エステルの製造方法で用いる芳香族炭化水素化合物(基質)としては、特に限定されないが、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アルコキシベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ビフェニル、ビピリジン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、フラン、チオフェン、フェロセン等が挙げられる。
本実施形態の有機ボロン酸エステルの製造方法で用いるアルケン化合物(基質)としては、特に限定されないが、例えばスチレン、オクテン、ビニルフェロセン等が挙げられる。
本実施形態の有機ボロン酸エステルの製造方法では、ホウ素化合物として、例えばビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(カテコラート)ジボロン、ピナコールボラン、カテコールボラン等を用いることができる。これらの中でも、ビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(カテコラート)ジボロンが好ましい。
鉄錯体化合物の使用量が上記の範囲内であると、充分な反応速度が得られ、精製が容易となり、有機ボロン酸エステル化合物をより収率良く製造することができる。
上記の鉄錯体化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。鉄錯体化合物2種以上を組み合わせる場合は、合計使用量が上記範囲内であることが好ましい。
ホウ素化合物の使用量が上記の範囲内であると、有機ボロン酸エステル化合物をより収率良く製造することができる。
本実施形態における反応の反応時間は、通常0.5時間以上であり、好ましくは3時間以上であり、上限値は通常100時間以下であり、好ましくは50時間以下であり、より好ましくは20時間以下である。
本明細書等において「塩基」とは、いわゆるブレンステッド塩基として作用する化合物を意味する。かかる塩基としては、例えば、金属アルコキシド類、カルボン酸金属塩等が挙げられ、これらの中でも金属アルコキシド類が好ましい。
金属アルコキシド類としては、炭素数1~12の金属アルコキシド類が好適に挙げられる。カルボン酸金属塩としては、炭素数2~13のカルボン酸金属塩が好適に挙げられる。
炭素数2~13のカルボン酸金属塩としては、モノカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましい。より好ましくは、酢酸、プロピオン酸、n-ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、デカン酸などの脂肪族カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げられる。これらの中でも、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸スズ、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、2,2-ジメチルプロピオン酸カリウム(KOPv)がさらに好ましく、酢酸カリウム、2,2-ジメチルプロピオン酸カリウムが特に好ましい。
塩基の使用量が上記の範囲内であると、充分な反応速度が得られ、精製が容易となり、有機ボロン酸エステル化合物をより収率良く製造することができる。
上記の塩基は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。塩基2種以上を組み合わせる場合は、合計使用量が上記範囲内であることが好ましい。また、塩基は、市販品を入手して用いればよい。
溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本実施形態の有機ボロン酸エステルの製造方法は、イリジウム等の貴金属に代わる触媒として、特定の鉄錯体化合物を採用することから、コスト、毒性等の点でも産業的利用価値が高い。
3座配位子を有する鉄錯体化合物を、以下に示す反応経路により製造した。
尚、配位子(1)、配位子(2)及び配位子(4)並びに鉄錯体化合物(1a)、鉄錯体化合物(2a)、鉄錯体化合物(1d)、鉄錯体化合物(2d)及び鉄錯体化合物(5a)は、論文(非特許文献5、非特許文献6)に記載の方法を参照することによって製造した。
窒素雰囲気下、無水臭化鉄(II)(253mg、1.18mmol)と、配位子(1)(400mg、1.18mmol)とを含むテトラヒドロフランTHF(10mL)溶液を室温(25℃)で16時間撹拌した。生成した固体を濾別し、THF(5mL、2回)で洗浄した後、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(1b)を得た(405mg、0.729mmol、収率62%)。
HRMS(ESI)測定:C20H22N2FPBrFe[M-Br]の計算値475.0029;実測値475.0032.
窒素雰囲気下、無水酢酸鉄(II)(102mg、0.588mmol)と、配位子(1)(200mg、0.588mmol)とを含むTHF(15mL)溶液を50℃で16時間撹拌した後、室温(25℃)まで冷却した。濾過により不溶物を取り除いた後、減圧下でTHFを留去した。その後、残渣をヘキサン(5mL、2回)で洗浄し、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(1c)を得た(96.7mg、0.188mol、収率:32%)。
HRMS(ESI)測定:C22H25N2O2FPFe[M-OAc]の計算値455.0982;実測値455.0979.
窒素雰囲気下、鉄錯体化合物(1a)(200mg、0.428mmol)と、KSAc(244mg、2.14mmol)とを含むTHF(15mL)溶液を16時間室温(25℃)で撹拌した後、減圧下で揮発性物質を留去した。残渣にトルエン(20mL)を加え、濾過により不溶物を取り除いた。減圧下でトルエンを留去した後、残渣をヘキサン(5mL、2回)で洗浄し、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(1e)を得た(115mg、0.210mol、収率:49%)。
HRMS(ESI)測定:C22H25N2OSFPFe[M-SAc]の計算値471.0753;実測値471.0751.
窒素雰囲気下、鉄錯体化合物(1a)(100mg、0.214mmol)と、2,6-ピリジンジカルボン酸カリウム(52.1mg、0.214mmol)とを含むTHF(15mL)溶液を16時間室温(25℃)で撹拌した後、減圧下で揮発性物質を留去した。残渣にジクロロメタン(10mL)を加え、濾過により不溶物を取り除いた。減圧下でジクロロを留去した後、残渣をヘキサン(5mL、2回)で洗浄し、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(1f)を得た(99.7mg、0.178mol、収率:83%)。
HRMS(ESI)測定:C27H26N3O4FPFe[M+H]の計算値562.0989;実測値562.0990.
窒素雰囲気下、無水塩化鉄(III)(191mg、1.18mmol)と、配位子(1)(400mg、1.18mmol)とを含むヘキサン(10mL)溶液を室温(25℃)で16時間撹拌した。生成した固体を濾別し、ヘキサン(5mL、2回)で洗浄した後、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(3a)を得た(543mg、1.08mmol、収率92%)。
HRMS(ESI)測定:C20H22N2FPCl2Fe[M-Cl]の計算値466.0226;実測値466.229.
窒素雰囲気下、無水塩化鉄(II)(183mg、1.45mmol)と、配位子(4)(600mg、1.45mmol)とを含むTHF(10mL)溶液を室温(25℃)で16時間撹拌した。生成した固体を濾別し、THF(5mL、2回)で洗浄した後、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(4a)を得た(494mg、0.912mmol、収率63%)。
HRMS(ESI)測定:C24H16N2FPSClFe[M-Cl]の計算値504.9788;実測値504.9783.
窒素雰囲気下、無水酢酸鉄(II)(76.5mg、0.603mmol)と、配位子(4)(250mg、0.603mmol)とを含むTHF(20mL)溶液を室温(25℃)で16時間撹拌した。濾過により不溶物を取り除いた後、真空乾燥によりTHFを留去した。残渣をヘキサン(5mL、2回)で洗浄することにより、目的物である鉄錯体化合物(4c)を得た(42.6mg、72.4μmol、収率12%)。
HRMS(ESI)測定:C22H25N2O2FSPFe[M-OAc]の計算値529.0233;実測値529.0232.
窒素雰囲気下、鉄錯体化合物(4a)(370mg、0.684mmol)と、KSAc(390mg、3.42mmol)とを含むTHF(20mL)溶液を16時間室温(25℃)で撹拌した後、析出した固体を濾別した。残渣をTHF(5mL、2回)で洗浄し、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(4e)を得た(208mg、0.335mmol、収率:49%)。
HRMS(ESI)測定:C26H19N2OS2FPFe[M-SAc]の計算値545.0004;実測値545.0005.
窒素雰囲気下、鉄錯体化合物(5a)(300mg、0.605mmol)と、KSAc(345mg、3.02mmol)とを含むTHF(15mL)溶液を16時間室温(25℃)で撹拌した後、減圧下で揮発性物質を留去した。残渣にトルエン(20mL)を加え、濾過により不溶物を取り除いた。減圧下でトルエンを留去した後、残渣をヘキサン(5mL、2回)で洗浄し、真空乾燥することにより、目的物である鉄錯体化合物(5e)を得た(97.4mg、0.169mol、収率:28%)。
HRMS(ESI)測定:C27H30N3OSFe[M-SAc]の計算値500.1454;実測値500.1450.
以下に示すように、フェニルボロン酸エステルを製造するに際し、種々の検討を行った。
不活性ガス(N2)雰囲気下、添加物(塩基)として、KOtBuをベンゼンに対して0.15当量(6.8mg、61μmol)、0.5当量(23mg、0.20mmol)、1.0当量(46mg、0.41mmol)、1.2当量(55mg、0.49mmol)、1.5当量(68mg、0.61mmol)もしくはKOPvをベンゼンに対して1.5当量(85mg、0.61mmol)もしくはKOAcをベンゼンに対して1.5当量(60mg、0.61mmol)又はNaHBEt3をベンゼンに対して0.15当量(7.4mg、61μmol)と、鉄錯体化合物(1a)(9.5mg、20μmol)と、ベンゼン(36μL、0.40mmol)と、ビスピナコラートジボロン(B2pin2、308mg、1.20mmol)と、シクロペンチルメチルエーテル(CPME、1mL)との混合溶液を3~20時間100℃で撹拌して、生成物を得た。
得られた生成物を1H NMRスペクトル及びGC-MSにより確認し、反応の変換率を求めた。この結果を表1に示した。
製造例16~17、すなわち、KOtBuの代わりにKOPv及びKOAcを添加物(塩基)として1.5当量加えた場合、それぞれフェニルボロン酸エステルを12%及び10%で与えた。
一方で、同様にベンゼンに対して0.15当量のNaHBEt3を用いた製造例18の場合には、目的のフェニルボロン酸エステルが76%の変換率で得られた。
添加物(塩基)を用いない以外は同様の条件下で反応を行った製造例19の場合には、全く反応の進行が見られなかった(変換率ゼロ%)。
不活性ガス(N2)雰囲気下、KOtBu(68mg、0.61mmol、鉄錯体化合物に対して3当量)と、鉄錯体化合物(1a)(9.5mg,20μmol)と、ベンゼン(36μL,0.40mmol)と、ビスピナコラートジボロン(B2pin2、308mg、1.20mmol)と、シクロペンチルメチルエーテル(CPME、1mL)との混合溶液を3~168時間、室温(25℃)~120℃で撹拌して、生成物を得た。
得られた生成物を1H NMRスペクトル及びGC-MSにより確認し、反応の変換率を求めた。この結果を表2に示した。
溶媒として、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)の代わりにオクタンを用いた以外は、製造例15と同様の条件下で反応を行った。かかる反応の変換率を1H NMRスペクトル及びGC-MSにより算出した。この結果を表3に示した。
窒素雰囲気下の代わりに大気下で行う以外は、製造例15と同様の条件下で反応を行った。かかる反応の変換率を1H NMRスペクトル及びGC-MSにより算出した。この結果を表4に示した。
不活性ガス(N2)雰囲気下、鉄触媒として鉄錯体化合物(1a)を用いる代わりに、鉄錯体化合物(1c)~(1f)(20μmol、いずれもベンゼン対して5mol%)を用いた以外は、製造例15と同様の条件下で反応を行った。かかる反応の変換率を1H
NMRスペクトル及びGC-MSにより算出した。この結果を表5に示した。
製造例26、27、28、29はいずれも、本発明を適用した実施例に該当する。
鉄錯体化合物(1c)10.4mg、鉄錯体化合物(1d)12.2mg、鉄錯体化合物(1e)11.1mg、鉄錯体化合物(1f)11.4mg
不活性ガス(N2)雰囲気下、ベンゼンを用いる代わりに、各種芳香族炭化水素化合物40μmol(重ベンゼン:36μL、トルエン:43μL、アニソール:44μL、m-キシレン:49μL、o-キシレン:49μL、ナフタレン:52mg、2,6-ルチジン:47μL、フェロセン:76mg、2,5-ジメチルフラン:43μL、2,5-ジメチルチオフェン:46μL)を用いた以外は、製造例15と同様の条件下で反応を行い、目的の有機ボロン酸エステルを得た。かかる各反応の変換率を1H NMRスペクトル及びGC-MSにより算出した。この結果を表6に示した。
図7~17は、各製造例で得られた有機ボロン酸エステルについて測定したGC-MSクロマトグラムである。かかるGC-MSクロマトグラムにおいて、横軸は保持時間、縦軸は検出強度を示している。Product又はProductsが指し示すピークが、目的の有機ボロン酸エステルのピークである。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で示される、3座配位子を有する鉄錯体化合物の存在下で、芳香族炭化水素化合物と、ビス(ピナコラート)ジボロン及びビス(カテコラート)ジボロンからなる群より選択される少なくとも1種のホウ素化合物とを反応させて、前記芳香族炭化水素化合物の芳香環の水素原子が前記ホウ素化合物のホウ素原子と置換された有機ボロン酸エステルを得る、有機ボロン酸エステルの製造方法。
[式(1)中、n1は、2又は3である。Xはそれぞれ独立して、-SC(=O)CH3又は-OC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。Xの2つ以上が-OC(=O)R10である場合、R10同士が連結して環状構造を形成しているものでもよい。L1は、下記一般式(L-1)で示される3座配位子を表す。]
[式(L-1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。2つのR3はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基を表す。n2は、0~4の整数である。n3は、0~5の整数である。但し、R1は、ピリジン骨格の炭素原子に結合する。n2が2~4の整数である場合、R1の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。R2は、キノリン骨格の炭素原子に結合する。n3が2~5の整数である場合、R2の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。] - 下記一般式(1’)で示される、3座配位子を有する鉄錯体化合物の存在下で、芳香族炭化水素化合物と、ビス(ピナコラート)ジボロン及びビス(カテコラート)ジボロンからなる群より選択される少なくとも1種のホウ素化合物とを反応させて、前記芳香族炭化水素化合物の芳香環の水素原子が前記ホウ素化合物のホウ素原子と置換された有機ボロン酸エステルを得る、有機ボロン酸エステルの製造方法。
[式(1’)中、n1は、2又は3である。X’は、ハロゲン原子を表す。L 1 は、下記一般式(L-1)で示される3座配位子を表す。]
[式(L-1)中、R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。2つのR 3 はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基を表す。n2は、0~4の整数である。n3は、0~5の整数である。但し、R 1 は、ピリジン骨格の炭素原子に結合する。n2が2~4の整数である場合、R 1 の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。R 2 は、キノリン骨格の炭素原子に結合する。n3が2~5の整数である場合、R 2 の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。] - 下記一般式(L-1)で示される3座配位子と、
FeX”n1で示されるカルボキシレート系化合物[n1は、2又は3である。X”はそれぞれ独立して、SC(=O)CH3又はOC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。]と
を反応させて、下記一般式(0)で示される3座配位子を有する鉄錯体化合物を得る、鉄錯体化合物の製造方法。
[式(L-1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~6の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。2つのR3はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素基を表す。n2は、0~4の整数である。n3は、0~5の整数である。但し、R1は、ピリジン骨格の炭素原子に結合する。n2が2~4の整数である場合、R1の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。R2は、キノリン骨格の炭素原子に結合する。n3が2~5の整数である場合、R2の炭化水素基同士が連結して環状構造を形成していてもよい。]
[式(0)中、n1は、2又は3である。Xはそれぞれ独立して、-SC(=O)CH3又は-OC(=O)R10を表す。R10は、置換基を有してもよい炭素数1~12の炭化水素基を表す。Lは、前記一般式(L-1)で示される3座配位子を表す。]
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