JP7221382B2 - 塩素化塩化ビニル系樹脂 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、塩素化ポリ塩化ビニルと特定の安定剤とを併用した組成物が開示されており、このような樹脂は、加工中の熱応力および機械応力に耐え得ることが開示されている。
また、得られた成形体は、屋外に長期間設置されたり、管内に温水を流す用途に使用されたりするため、外気温度や管内温度の上昇により、成形体に撓みが生じるという問題がある。
以下に本発明を詳述する。
上記A/Bの平均値が上記範囲内であることで、温度変化が繰り返される環境下でも、塩酸の脱離に起因する劣化を抑制できる(以下、このような性能をヒートサイクル性ともいう)。また、成形体に撓みが生じず、成形時の形状を維持することができる。
上記A/Bの平均値は、好ましい下限が3.6、より好ましい下限が3.8、さらに好ましい下限が4.0、さらにより好ましい下限が5.0、とりわけ好ましい下限が6.0、特に好ましい下限が8.0、非常に好ましい下限が10.0である。また、上記A/Bの平均値は、好ましい上限が35、より好ましい上限が30、さらに好ましい上限が25、さらにより好ましい上限が23、特に好ましい上限は20、非常に好ましい上限は15である。
上記ラマンスペクトル測定において、サンプルの作製方法は特に限定されないが、塩素化塩化ビニル系樹脂のみのラマンスペクトルが得られることが好ましい。
具体的には、塩素化塩化ビニル系樹脂にアクリル系UV硬化樹脂を添加し、紫外線を照射してアクリル系UV硬化樹脂を硬化させた後、エポキシ樹脂で包埋することで得られるサンプルを、機械研磨にて研磨し、得られた断面に対して、顕微ラマン分光分析装置を用いてイメージングラマン測定を行う方法[埋没法]や塩素化塩化ビニル系樹脂をTHFに溶解し、遠心分離機にて不溶部を分離・濾過後、過剰量のメタノールを加えて再沈殿させて吸引濾過により分離、真空乾燥機にて80℃で乾燥させることで得られるサンプルを用いて顕微ラマン分光分析装置を用いてイメージングラマン測定を行う方法[THF沈殿法]等が挙げられる。
得られたイメージングラマンスペクトルにおいて、直線近似によるベースライン補正を行い、1450~1550cm-1の範囲に観察されるピーク強度Bと、300~340cm-1の範囲に観察されるピーク強度Aとを測定し、A/Bを算出し、10000点のピーク強度についての平均値を算出することで測定することができる。
なお、上記A/Bの平均値は、例えば、inVia Qontor(レニショー社製)を用いて測定することができる。
また、上記イメージングラマン測定は、加熱を行った後に測定を行うことが好ましい。
上記加熱の温度は、100℃以上であることが好ましい。具体的には例えば、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃等で加熱することが好ましい。
更に、上記加熱の時間は、5分以上であることが好ましい。具体的には例えば、5分、10分、15分、20分、25分、30分等の時間で行うことが好ましい。
粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂を測定する場合、上記THF沈殿法を用いて150℃10分加熱したサンプルが好ましく、成形品を測定する場合は、THF沈殿法を用いた未加熱のサンプルを測定することが好ましい。
なお、上記ピーク強度Bに対するピーク強度Aの比(A/B)の標準偏差は、例えば、上記イメージングラマン測定において得られたピーク強度比に基づいて算出することができる。
上記A/Bの標準偏差は、より好ましい下限が0.02、更に好ましい下限が0.05、より更に好ましい下限が0.07、特に好ましい下限が0.10である。また、上記A/Bの標準偏差は、より好ましい上限が8.0、更に好ましい上限が7.0、より更に好ましい上限が6.0、特に好ましい上限が5.0、とりわけ好ましい上限は4.0、非常に好ましい上限は3.0、例えば2.0以上である。
0.500≦[A/Bの平均値]+[A/Bの標準偏差]1/2≦50 (1)
上記範囲内であることで、温度変化が繰り返される環境下でも、塩酸の脱離に起因する劣化を抑制でき、成形体に撓みが生じず、成形時の形状を維持することができる。同様の観点から、式(1)のより好ましい下限は1.0、さらに好ましい下限は3.0、さらにより好ましい下限は4.0、特に好ましい下限は5.0であり、より好ましい上限は45、さらに好ましい上限は40、さらにより好ましい上限は35、特に好ましい上限は30である。
上記B/Cの平均値が上記範囲内であることで、塩素化塩化ビニル樹脂の耐熱性が向上し、熱収縮が抑制されることから、ヒートサイクル性が良好で繰り返しによる熱劣化の少なく、加熱前後の撓み量変化率が小さい成形体を得ることができる。
上記B/Cの平均値は、より好ましい下限が0.3、さらに好ましい下限が2.0、さらにより好ましい下限が10である。また、上記B/Cの平均値は、より好ましい上限が20、さらに好ましい上限が15、さらにより好ましい上限が10である。
また、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(b)の割合が5.0モル%以上であることが好ましく、15.0モル%以上であることがより好ましく、30.0モル%以下であることがより好ましく、25.0モル%以下であることが更に好ましい。
更に、上記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(c)の割合が5.0モル%以上であることが好ましく、25.0モル%以上であることがより好ましく、55.0モル%以下であることが好ましく、40.0モル%以下であることがより好ましい。
上記他の構成単位の含有量は、塩素化塩化ビニル系樹脂中、0質量%以上であることが好ましく、10質量%未満であることが好ましい。
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂において、下記に示す塩素化塩化ビニル系樹脂中の硫黄含有量が0質量ppm以上である場合は、樹脂中に硫黄が存在し、上記硫黄が樹脂と結合しているといえるため、本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂は、硫黄を含有する置換基を有する構成単位を含むことが分かる。
上記硫黄を含有する置換基としては、硫黄化合物に由来する置換基等が挙げられる。上記硫黄化合物としては、後述する化合物が挙げられる。なかでも、チオグリコール酸及びチオグリコール酸のエステルからなる群から選択される少なくとも1種のチオグリコール酸系化合物が好ましい。
上記硫黄を含有する置換基を有する構成単位としては、例えば、下記式(d)に示す構成単位(d)等が挙げられる。上記構成単位(d)中のRとしては、アルキレン基、エステル基、アルキル基及びチオール基からなる群より選択される少なくとも1種が結合した基が好ましく、アルキレン基、エステル基及びアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種が結合した基であることがより好ましい。
上記塩素化塩化ビニル系樹脂中の硫黄含有量は、IC(イオンクロマトグラフィー)を用いた定量分析によって検出できる。具体的には、塩素化塩化ビニル系樹脂をTHFに溶解し、遠心分離機にて不溶部を分離・濾過後、過剰量のメタノールを加えて再沈殿させて吸引濾過により分離、真空乾燥機にて80℃で乾燥させることで得られる試料をセラミックボートに入れて秤量後、自動資料燃焼装置を用いて燃焼させ、発生したガスを吸収液10mLに捕集する。この吸収液を超純水で15mLに調整した液についてICによる定量分析を行う。例えば、自動燃焼装置(三菱ケミカルアナリテック社製、AQF-2100H)、IC(Thermo Fisher Scientific社製、ICS-5000)を用いて測定することで、塩素化塩化ビニル系樹脂中の硫黄含有量(質量ppm)を定量することが出来る。
上記付加塩素化量を1.0質量%以上とすることで、成形品としての耐熱性が充分なものとなり、16.0質量%以下とすることで、成形性が向上する。
上記付加塩素化量は、3.2質量%以上であることがより好ましく、6.2質量%以上であることが更に好ましく、15.2質量%以下であることがより好ましく、12.2質量%以下であることが更に好ましい。
なお、塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は通常56.8質量%であるが、上記付加塩素化量は、塩化ビニル系樹脂に対する塩素の導入割合を意味するものであり、JIS K 7229に記載の方法により測定することができる。
0.01≦[付加塩素化量(質量%)]/[A/Bの平均値]≦30 (2)
上記関係を満たすことで、塩素化塩化ビニル系樹脂の均一性が高くなり、耐熱性、熱収縮の向上でヒートサイクル性が良好で、加熱前後の撓み量変化率が小さい成形体を得ることができる。同様の観点から、上記式(2)のより好ましい下限は0.05、さらに好ましい下限は0.1、さらにより好ましい下限は0.2であり、より好ましい上限は25、さらに好ましい上限は20、さらにより好ましい上限は15、特に好ましい上限は10、とりわけ好ましい上限は5、非常に好ましい上限は3、例えば1である。
上記重合度を上述の範囲内とすることで、射出時の流動性と成型品の強度を両立することができる。
上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体等を用いることができる。これら重合体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記塩化ビニル系樹脂が塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体、又は、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体である場合、上記塩化ビニル系樹脂における塩化ビニルモノマーに由来する成分の含有量は90質量%以上であることが好ましい。また、上記塩化ビニル系樹脂における塩化ビニルモノマーに由来する成分の含有量は、100質量%以下であることが好ましい。
上記α-オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられ、上記ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられ、上記ビニルエーテル類としては、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられ、上記芳香族ビニル類としては、スチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
更に、上記ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等が挙げられ、上記N-置換マレイミド類としては、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
なかでも、エチレン、酢酸ビニルが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂の重合方法は、特に限定されず、従来公知の水懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合等を用いることができる。
特に、本発明のピーク強度Bに対するピーク強度Aの比(A/B)が所定の範囲内である塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂の付加塩素化量、構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対する構成単位(b)の割合を調整すること、上記塩素化工程を行った後に、硫黄化合物を添加すること、上記硫黄化合物の添加量を調整すること、塩素化工程における塩素消費量、乾燥工程における乾燥温度、乾燥時間を制御することで製造することができる。
熱により塩素化する方法では、より均一な塩素化反応が可能となり、均一性の高いCPVCを得ることができる。また、紫外光線等の光エネルギーを使用する場合、高温、高圧の条件下での紫外線照射等の光エネルギー照射が可能な装置が必要である。
1.0×10-4≦[A/Bの平均値]/([付加塩素化量]×[構成単位bの割合(%)])≦20.0 (3)
上記関係を満たすことで、塩素化塩化ビニル系樹脂の均一性が高くなり、耐熱性、熱収縮の向上でヒートサイクル性が良好で、加熱前後の撓み量変化率が小さい成形体を得ることができる。同様の観点から、上記式(3)のより好ましい下限は0.001、さらに好ましい下限は0.01、さらにより好ましい下限は0.05であり、より好ましい上限は15、さらに好ましい上限は10、さらにより好ましい上限は8、特に好ましい上限は5、とりわけ好ましい上限は3、非常に好ましい上限は2、例えば1である。
上記過酸化水素を添加する場合、塩素化速度が向上するため、加熱温度を比較的低くすることができる。例えば、65~110℃の範囲であってよい。
上記方法で塩素化を行うことにより、塩素化状態の不均一性が少なく、熱安定性の優れたCPVCを得ることができる。
また、上記塩素化工程における平均塩素消費速度は、0.01~0.1kg/PVC-Kg・5minの範囲で行うことが好ましい。
更に、上記塩素化工程における塩素消費量は、塩化ビニル樹脂50kgに対して、0.50~8.00kgの範囲で行うことが好ましく、2.80~7.00kgの範囲がより好ましい。
上記塩素化工程を行った後、一般的には、中和工程、洗浄工程、脱水工程及び乾燥工程が順に行われる。上記硫黄化合物を添加する工程は、脱水工程中、又は、脱水工程の後に行うことが好ましい。なお、上記硫黄化合物は、1回で全量を添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。また、そのまま添加してもよく、水等の溶媒に希釈して添加してもよい。
上記硫黄化合物を添加した場合、後の乾燥工程にて塩素化塩化ビニル系樹脂の主鎖から脱離した塩素の代わりに硫黄化合物が付加されることから、成形時の脱塩酸量が低減し、熱安定性が向上する。
なかでも、チオグリコール酸及びチオグリコール酸のエステルからなる群から選択される少なくとも1種のチオグリコール酸系化合物がより好ましい。
上記チオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸メチルアミン、チオグリコール酸エチルアミン、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ジエタノールアミン、チオグリコール酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記アルカンジオールジチオグリコレートとしては、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ネオペンチルグリコールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート等が挙げられる。なかでも、ブタンジオールビスチオグリコレートが好ましい。
上記アルカンポリオールポリチオグリコレートとしては、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールトリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコレート等が挙げられる。
上記ポリアルキレングリコールジチオグリコレートとしては、ジエチレングリコールジチオグリコレート等が挙げられる。
また、上記チオグリコール酸系化合物は、HSCH2COOR(RはH又はアルキル基を示す)で表される化合物であることが好ましい。更に、上記アルキル基の炭素数は1~8であることが好ましい。
なお、上記硫黄化合物の添加方法は特に限定されないが、添加速度20~500g/minで添加することが好ましい。
また、上記硫黄化合物の添加後の乾燥温度は、60~120℃であることが好ましい。
更に、乾燥時間は6~48時間が好ましい。乾燥温度、乾燥時間が上記範囲内であることで、上記硫黄化合物の付加反応が促進される。
上記乾燥方法としては、例えば、静置乾燥、熱風乾燥、送風乾燥、遠赤外線加熱乾燥、真空減圧乾燥等が挙げられる。
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂を含有する成形用樹脂組成物もまた本発明の1つである。
上記有機錫系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等が挙げられる。
上記鉛系安定剤としては、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、例えば、α-メチルスチレン系、N-フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
また、電池パックカバーの材料については、軽量化の要求に対応して、従来の鉄からアルミや樹脂への変更が提案されているが、アルミ製や樹脂製のカバーでは電池装置の電池セルが発火した際に火炎や発煙を防ぐことができず、これらへの対策も必要になっている。
更に、強度を向上させるため、電池パック下面には金属が使われるが、金属を用いた場合、輸送機の路面側からの接炎により電池パック内の温度が上昇し、セルが熱暴走して発火するおそれがあり、電池パック内への火炎の侵入阻止及び電池パック内温度の上昇を防ぐ必要がある。また、燃料電池車には爆発の危険性がある水素タンクが搭載されており、外部火炎に対する対策が必要である。一方、車室内の空間拡大やレイアウトの自由設計のため、水素タンクの小型化や軽量化が進み、水素タンクの配置箇所が増えると、接炎の可能性がある部位が特定できなくなるおそれがある。そこで、電池パックや水素タンク全体を覆うカバーについても、加熱、発火への対策が必要となっている。
また、上記輸送機用の部材としては、機構部材、内装部材、外装部材、ガラス、ライトカバー等が挙げられる。
上記機構部材としては、冷却パイプ、エアバッグカバー、エアーダクト、ヒーターユニット等が挙げられる。
上記内装部材としては、天井、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、アームレスト、シートベルトバックル、スイッチ類、ドアトリム等が挙げられる。
上記外装部材としては、エンブレム、ナンバープレートハウジング、バンパー芯材、アンダーカバー等が挙げられる。
電池装置用部材としては、バッテリーケース、バッテリー冷却用ウォータージャケット、水素タンクカバー、コネクタ、絶縁用シート等が挙げられる。
なお、上記ヒートサイクル試験前後の寸法変化率は、幅13mm、長さ127mm、厚み:3.2mmの試験片を、100℃で30分間放置するサイクルを5回繰り返した後の寸法を測定し、ヒートサイクル前からヒートサイクル後での寸法変化率を算出することで測定することができる。
内容積300Lのグラスライニング製反応容器に、イオン交換水130kgと平均重合度1000の塩化ビニル樹脂50kgを投入し、攪拌して塩化ビニル樹脂を水中に分散させ水懸濁状態にした後、反応容器内を加熱して水懸濁液を140℃に昇温した。次いで、反応容器中を減圧して酸素を除去(酸素量100ppm)した後、攪拌しながら塩素分圧が0.40MPaになるように塩素(酸素含有量50ppm)を導入して熱塩素化を開始した。
その後、塩素化温度を140℃、塩素分圧を0.40MPaに保ち、付加塩素化量が4.4質量%に到達した後、200ppmの過酸化水素水を、塩化ビニル樹脂に対して過酸化水素として15ppm/Hrとなるように添加開始し、塩素化工程での平均塩素消費速度が0.05kg/PVC-kg・5min、塩素消費量が4.75kgになるように調整した。その後、付加塩素化量が9.5質量%に達した時点で、過酸化水素水と塩素ガスの供給を停止し、塩素化を終了した。
次いで、窒素ガスを通気して、未反応塩素を除去し、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂スラリーを水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄し、遠心分離機(株式会社田辺鐵工所製、O-15型)に投入、3分間脱水をした。脱水を行った後、塩素化塩化ビニル系樹脂50kgに対して硫黄化合物として0.05kgのチオグリコール酸2-エチルヘキシル(冨士フイルム和光純薬社製)を脱水した塩素化塩化ビニル樹脂に200g/minで添加した。その後、乾燥温度90℃で12時間静置乾燥して、熱塩素化された粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂(付加塩素化量が9.5質量%)を得た。
内容積300Lのグラスライニング製反応容器に、イオン交換水130kgと平均重合度1000の塩化ビニル樹脂50kgを投入し、攪拌して塩化ビニル樹脂を水中に分散させ水懸濁状態にした後、反応容器内を加熱して水懸濁液を140℃に昇温した。次いで、反応容器中を減圧して酸素を除去(酸素量100ppm)した後、攪拌しながら塩素分圧が0.40MPaになるように塩素(酸素含有量50ppm)を導入して熱塩素化を開始した。
その後、塩素化温度を140℃、塩素分圧を0.40MPaに保ち、付加塩素化量が4.4質量%に到達した後、200ppmの過酸化水素水を、塩化ビニル樹脂に対して過酸化水素として15ppm/Hrとなるように添加開始し、塩素化工程での平均塩素消費速度が0.05kg/PVC-kg・5min、塩素消費量が4.75kgになるように調整した。その後、付加塩素化量が9.5質量%に達した時点で、過酸化水素水と塩素ガスの供給を停止し、塩素化を終了した。
次いで、窒素ガスを通気して、未反応塩素を除去し、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂スラリーを水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄し、遠心分離機(株式会社田辺鐵工所製、O-15型)に投入、3分間脱水をした。その後、乾燥温度90℃で12時間静置乾燥して、熱塩素化された粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂(付加塩素化量が9.5質量%)を得た。
表1に示す硫黄化合物を記載の添加量で添加し、表1に示す塩素消費量、乾燥温度、乾燥時間で乾燥した以外は実施例1と同様にして、粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。
表1に示す平均重合度の塩化ビニル樹脂を用い、表1に示す塩素消費量で乾燥した以外は、比較例1と同様にして、粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。
表1に示す平均重合度の塩化ビニル樹脂を用い、硫黄化合物を記載の添加量で添加し、表1に示す塩素消費量、乾燥温度、乾燥時間で乾燥した以外は実施例1と同様にして、粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。
その後、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、耐衝撃改質剤4.0質量部を添加した。更に、熱安定剤0.5質量部を添加して混合した。なお、耐衝撃改質剤としては、カネエースB-564(カネカ社製、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)を用いた。また、熱安定剤としては、TVS#1380(日東化成社製、有機錫系安定性)を用いた。
更に、ポリエチレン系滑剤(三井化学社製、Hiwax220MP)1.5質量部、脂肪酸エステル系滑剤(エメリーオレオケミカルズジャパン社製、LOXIOL G-32)0.2質量部を添加した。その後、スーパーミキサーで均一に混合して、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を、直径50mmの2軸異方向コニカル押出機(長田製作所社製、SLM-50)に供給し樹脂温度200℃にて外径26.7mm、肉厚2.4mmのパイプ(成形体)を得た。
表1に示す平均重合度の塩化ビニル樹脂を用い、硫黄化合物を記載の添加量で添加した以外は実施例1と同様にして、粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。
その後、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、耐衝撃改質剤5.0質量部を添加した。更に、熱安定剤3.0質量部を添加して混合した。なお、耐衝撃改質剤としては、カネエースM-511(カネカ社製、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)を用いた。また、熱安定剤としては、TVS#1380(日東化成社製、有機錫系安定性)を用いた。
更に、ポリエチレン系滑剤(三井化学社製、Hiwax220MP)2.0質量部、脂肪酸エステル系滑剤(エメリーオレオケミカルズジャパン社製、LOXIOL G-32)0.3質量部を添加した。その後、スーパーミキサーで均一に混合して、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を、直径30mmの2軸異方向コニカル押出機(長田製作所社製、OSC-30)に供給し、樹脂温度190℃でペレットを作製した。得られたペレットを射出成型機(JSW社製、J350ADS)に供給することで、外径34.7mm、内径26.9mmのソケット(成形体)を得た。
実施例、比較例で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂、成形体について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂について、JIS K 7229に準拠して付加塩素化量を測定した。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂について、R.A.Komoroski,R.G.Parker,J.P.Shocker,Macromolecules,1985,18,1257-1265に記載のNMR測定方法に準拠して分子構造解析を行い、構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対する構成単位(b)の含有量を測定した。
NMR測定条件は以下の通りである。
装置:FT-NMRJEOLJNM-AL-300
測定核:13C(プロトン完全デカップリング)
パルス幅:90°
PD:2.4sec
溶媒:o-ジクロロベンゼン:重水素化ベンゼン(C5D5)=3:1
試料濃度:約20%
温度:110℃
基準物質:ベンゼンの中央のシグナルを128ppmとした
積算回数:20000回
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂10質量部に対してTHF300質量部を添加し、24時間攪拌して溶解させ、さらに遠心分離機(コクサン社製、H-200NR)で14000rpm、1時間攪拌させることで不溶部を析出させた。これを濾過して、濾液にメタノール1000質量部を添加し、再度樹脂を析出させた。メタノールで樹脂を洗浄しながらアスピレーター(アズワン社製、GAS-1N)により吸引濾過を行い、樹脂を濾液から分離した。これにより、硫黄が結合した樹脂を得られることが出来るため、これを真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS-451SD)に入れ80℃で24時間乾燥し、燃焼ICの測定により、CS結合の検出を行った。試料をセラミックボートに入れて秤量後、自動資料燃焼装置を用いて燃焼させ、発生したガスを吸収液10mLに捕集した。この吸収液を超純水で15mLに調整した液についてICによる定量分析を行った。SO4 2-アニオンの検量線を標準物質の測定により直線近似した後、サンプルを測定することで、塩素化塩化ビニル系樹脂中の硫黄含有量(重量%)を定量した。
自動燃焼装置の測定条件は以下の通りである。
装置:三菱ケミカルアナリテック社製、AQF-2100H
Inlet温度:1000℃
Outlet温度:1100℃
ガス流量O2:400mL/min
ガス流量Ar:200mL/min
Ar送水ユニット:100mL/min
また、ICの測定条件は以下の通りである。装置:Thermo Fisher Scientific社製、ICS-5000
分離カラム:Dionex IonPac AS18-4μm(2mm×150mm)
ガードカラム:Dionex IonPac AG18-4μm(2mm×30mm)
除外システム:Dionex AERS-500(エクスターナルモード)
検出器:電気伝導度検出器
溶離液:KOH水溶液(溶離液ジェネレーターEGC500)
溶離液流量:0.25mL/min
試料注入量:100μL
実施例1~7、比較例1~6で得られた粉末状の塩素化塩化ビニル系樹脂10質量部に対してTHF300質量部を添加し、24時間攪拌して溶解させ、さらに遠心分離機(コクサン社製、H-200NR)で14000rpm、1時間攪拌させることで不溶部を析出させた。これを濾過して、濾液にメタノール1000質量部を添加し、再度樹脂を析出させた。メタノールで樹脂を洗浄しながらアスピレーター(アズワン社製、GAS-1N)により吸引濾過を行い、樹脂を濾液から分離した。得られた樹脂を真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS-451SD)に入れ80℃で24時間乾燥することでサンプルを作製した。その後、ギヤオーブン(東洋精機製作所社製、CO-O2)にて150℃で10分間加熱したサンプルを顕微ラマン分光装置(inVia Qontor、レニショー社製)を用いてラマンスペクトルを測定した。
実施例8~10、比較例7~8に関しては、塩素化塩化ビニル系樹脂の成形体10質量部に対してTHF300質量部を添加し、24時間攪拌して溶解させ、さらに遠心分離機(コクサン社製、H-200NR)で14000rpm、1時間攪拌させることで不溶部を析出させた。これを濾過して、濾液にメタノール1000質量部を添加し、再度樹脂を析出させた。メタノールで樹脂を洗浄しながらアスピレーター(アズワン社製、GAS-1N)により吸引濾過を行い、樹脂を濾液から分離した。得られた樹脂を真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS-451SD)に入れ80℃で24時間乾燥することでサンプルを用いてラマンスペクトルを測定した。
なお、ラマンスペクトルの測定においては、対物レンズ100倍、励起波長532nmの条件で、500μm×500μmの領域に対して、x方向は5μm、y方向は5μmの間隔でスペクトル測定を行って樹脂シートの断面10201点に対してラマンスペクトルを得た。
(塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の作製)
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、耐衝撃改質剤6.0質量部を添加した。更に、熱安定剤0.5質量部を添加して混合した。なお、耐衝撃改質剤としては、カネエースB-564(カネカ社製、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体)を用いた。また、熱安定剤としては、TVS#1380(日東化成社製、有機錫系安定性)を用いた。
更に、ポリエチレン系滑剤(三井化学社製、Hiwax220MP)2.0質量部、脂肪酸エステル系滑剤(エメリーオレオケミカルズジャパン社製、LOXIOL G-32)0.2質量部を添加した。その後、スーパーミキサーで均一に混合して、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩素化塩化ビニル樹脂組成物を温度200℃の8インチロール(安田精機社製:NO.191-TM)にて3分混錬し、得られたロールシートを加熱冷却プレス機(小平製作所社製、PA-40E/40C)用いて温度200℃、加圧20MPa(予熱3分、加圧4分)にてプレスし、厚み:3.2mmの板を作製した。その後、自動切削機を用いて切削することで、幅13mm、長さ127mm、厚み:3.2mmの試験片を作製した。
得られた試験片を23℃の槽内に入れ、寸法(ヒートサイクル前寸法)を測定した。その後、100℃で30分間放置し、その後、槽内を23℃まで冷却し30分間放置するサイクルを5回繰り返した。5回目の23℃、30分放置後の寸法(ヒートサイクル後寸法)を測定し、ヒートサイクル前からヒートサイクル後での寸法変化率を算出した。
加熱温度、加熱時間以外はJIS K7195に準拠した方法で加熱前後の撓み量を算出した。具体的には、以下に示す方法を用いた。
得られた試験片の一端部を試験体保持台に上下から挟み込み片持ち式に固定した。
次に、試験体保持台をギヤオーブン(東洋精機製作所社製、CO-O2)に入れ、90℃で30分間放置して加熱した。放置後、更に温度23℃で30分間放置し、試験片の加熱前後の撓み量を測定し、加熱前後の撓み量変化[加熱前-加熱後(mm)]を算出した。試験片寸法及び撓み量の測定器具には最小読取値0.001mmのマイクロメータを用いた。
Claims (5)
- ラマン分光法によるイメージングラマン測定において、ピーク強度Bに対するピーク強度Aの比(A/B)の標準偏差が0.01~10である、請求項1記載の塩素化塩化ビニル系樹脂。
- 構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(b)の割合が30.0モル%以下である、請求項1又は2に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂。
- 請求項1、2又は3記載の塩素化塩化ビニル系樹脂を含有する、成形用樹脂組成物。
- 請求項4記載の成形用樹脂組成物から成形された、成形体。
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