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JP7225374B2 - 乳化組成物及びこれを含む飲料 - Google Patents
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JP7225374B2 - 乳化組成物及びこれを含む飲料 - Google Patents

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Description

本開示は、乳化組成物及びこれを含む飲料に関する。
アスタキサンチンは、活性酸素を消去する「抗酸化作用」を有する成分として注目されており、近年では健康食品の原料としても広く流通している。アスタキサンチンは、天然のカロチノイド色素の一種であり、自然界においても広く分布しており、例えば、サケ、マダイ等の魚類、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類、藻類等に多く含まれている。
しかしながら、アスタキサンチンを食品(特に飲料)へと添加とした場合、水への溶解性が低いため消化吸収性が悪い他、原料由来の特有の匂いによる商品の嗜好性が低下する等の欠点も有している。
例えば、特許第4163218号公報には、各種食品に好適に使用可能な、安定で、かつ臭気の発生がなく、長期間の保存が可能な、ヘマトコッカス藻色素を含有する乳化組成物を目的として、ヘマトコッカス藻色素を含有する油と、少なくとも当該油を乳化しうるに十分な量の乳化剤と、茶抽出物と親水性媒体を含む乳化組成物を調製することを特徴とする、ヘマトコッカス藻色素特有の臭いの抑制方法が開示されている。
また、特許第4869979号公報には、低温時や不安定な温度条件下でも優れた保存安定性を有するコーヒー豆抽出物含有水性組成物の提供を目的として、コーヒー豆抽出物とカロチノイド類を含有する水中油型のエマルション粒子とを含むコーヒー豆抽出物含有水性組成物が開示されている。
アスタキサンチンを含む乳化組成物において、アスタキサンチンを高濃度で含む場合、アスタキサンチンの原料由来の独特の匂いが強くなるとともに、乳化組成物の粘度も上昇してしまうことがある。
そこで、本開示の一実施形態が解決する課題としては、アスタキサンチンを高濃度で含む乳化組成物であって、アスタキサンチンの原料由来の臭気が抑制され、且つ、低粘度である乳化組成物、又はこれを含む飲料を提供することである。
ここで、本開示において、アスタキサンチンを「高濃度」で含む乳化組成物とは、アスタキサンチンが乳化組成物の全質量に対して0.6質量%以上含まれる乳化組成物を指す。
また、本開示において、乳化組成物が低粘度であるとは、25℃における粘度が450mPa・s以下であることを指す。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施形態が含まれる。
[1] アスタキサンチンと、油性成分と、水と、グリセリンと、乳化剤と、生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物と、を含み、アスタキサンチンの含有量が乳化組成物の全質量に対して0.6質量%以上である乳化組成物。
[2] アスタキサンチンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して3質量%以上10質量%以下である[1]に記載の乳化組成物。
[3] 生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物の合計固形分含有量が、乳化組成物の全質量に対して0.1質量%~10質量%である[1]又は[2]に記載の乳化組成物。
[4] 生コーヒー豆抽出物における総ポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上であり、リンゴ抽出物における総ポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して80質量%以上である[1]~[3]のいずれか1に記載の乳化組成物。
[5] 生コーヒー豆抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して20質量%以上であり、リンゴ抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して1質量%以上である、[1]~[4]のいずれか1に記載の乳化組成物。
[6] 水溶性のポリフェノールが、クロロゲン酸、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、フェルラ酸、p-クマル酸、カフェ酸、カテキン、フロリジン、プロシアニジン、アントシアニン、及びタンニンからなる群より選択されるポリフェノールである[5]に記載の乳化組成物。
[7] 水溶性のポリフェノールが、乳化組成物の全質量に対して0.01質量%以上含まれる[5]又は[6]に記載の乳化組成物。
[8] グリセリンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して30質量%~60質量%である[1]~[7]のいずれか1に記載の乳化組成物。
[9] 乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む[1]~[8]のいずれか1に記載の乳化組成物。
[10] ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと炭素数16以上の脂肪酸とのエステルである[9]に記載の乳化組成物。
[11] ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと飽和脂肪酸とのエステルである[9]又は[10]に記載の乳化組成物。
[12] 酵素分解レシチンを少なくとも含み、酵素分解レシチンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して0.01質量%~10質量%である[9]~[11]のいずれか1に記載の乳化組成物。
[13][1]~[12]のいずれか1に記載の乳化組成物を含む飲料。
本開示の一実施形態によれば、アスタキサンチンを高濃度で含む乳化組成物であって、アスタキサンチンの原料由来の臭気が抑制され、且つ、低粘度である乳化組成物、又はこれを含む飲料が提供される。
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明するが、本開示の一実施形態は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が、組成物中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値」は、成分として市販品を使用し、且つ、市販品のカタログ等の文献において、その市販品のHLB値が明確に示されている場合には、カタログ等の文献に示された値を採用する。
使用する成分が市販品ではない場合、或いは、市販であってもHLB値がカタログ等の文献に明確に示されていない場合には、本開示におけるHLB値としては、以下に示す川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(M/M
ここで、Mは親水基の分子量、Mは疎水基の分子量である
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
<乳化組成物>
アスタキサンチンは、活性酸素を消去する「抗酸化作用」を有する成分として、注目されている。また、アスタキサンチンは、免疫賦活、疲労回復、自立神経のバランス調整等、種々の機能を有することが知られており、健康食品などの原料として多用されている。
アスタキサンチンは、水への溶解性が低いため、消化吸収性を高める観点からも、アスタキサンチンを含む乳化組成物を調製し、得られた乳化組成物を用いて健康食品等の製品を得る方法が採用されている。
しかしながら、アスタキサンチンを高濃度に配合した乳化組成物では、アスタキサンチンの原料由来の臭気があり、更には、乳化組成物の粘度が上昇してしまうことがあった。
乳化組成物の粘度が高くなると、乳化組成物を含む食品等を製造する際のハンドリング性の低下の懸念がある。
本発明者が、アスタキサンチンを高濃度に配合した乳化組成物について検討を行ったところ、ポリフェノールを含む特定の抽出物を用いることで、その作用機構は不明であるが、アスタキサンチンの原料由来の臭気の低減及び乳化組成物の低粘度化が達成できることを見出した。
上記の知見に基づく、本実施形態に係る乳化組成物は、以下の通りである。
即ち、本実施形態に係る乳化組成物は、アスタキサンチンと、油性成分と、水と、グリセリンと、乳化剤と、生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物と、を含み、アスタキサンチンの含有量が乳化組成物の全質量に対して0.6質量%以上である乳化組成物である。
以下、「生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物」を、適宜、「特定抽出物」として総称して説明する。
本実施形態に係る乳化組成物は、水中油型乳化組成物であってもよいし、油中水型乳化組成物であってもよいが、汎用性に優れる観点から、水中油型乳化組成物であることが好ましい。
なお、特許第4163218号公報及び特許第4869979号公報には、アスタキサンチンを高濃度で含む乳化組成物の例は記載されておらず、アスタキサンチンを高濃度で含むことで生じる乳化組成物の高粘度化については全く言及されていない。
[アスタキサンチン]
本実施形態に係る乳化組成物は、アスタキサンチンを含む。
本開示では、特に断りの無い限り、アスタキサンチン及びその誘導体を総称して「アスタキサンチン」という。即ち、本実施形態に係る乳化組成物では、アスタキサンチンとして、アスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。アスタキサンチンの誘導体は、アスタキサンキチンのエステル等を含む。
アスタキサンチンとしては、植物類、藻類、甲殻類、バクテリア等の天然物に由来するアスタキサンチンの他、常法に従って得られるアスタキサンチンの合成品を用いることもできる。
アスタキサンチンは、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌、オキアミ等の培養物から抽出することができる。
品質及び生産性の観点からは、アスタキサンチンとしては、ヘマトコッカス藻からの抽出物(以下、「ヘマトコッカス藻抽出物」と称する。)又はオキアミからの抽出物に由来するアスタキサンチンが好ましく、ヘマトコッカス藻抽出物に由来するアスタキサンチンが特に好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物では、アスタキサンチンは、後述する油性成分に溶解された状態であることが好ましい。即ち、アスタキサンチンは、油性成分にアスタキサンチンを含有させたアスタキサンチン含有油の態様で、本実施形態に係る乳化組成物に配合されることが好ましい。
ヘマトコッカス藻の具体例としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。
これらの中でも、ヘマトコッカス藻としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)が好ましい。
ヘマトコッカス藻抽出物は、上記のヘマトコッカス藻を、必要に応じて、特開平5-68585号公報等に開示された方法により細胞壁を破砕して、アセトン、エーテル、クロロホルム、アルコール(エタノール、メタノール等)などの有機溶剤、超臨界状態の二酸化炭素等の抽出溶剤を加えることによって得ることができる。
ヘマトコッカス藻抽出物としては、市販品を用いてもよい。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品の例としては、富士フイルム(株)のFUJIFILM アスタキサンチン S(旧ASTOTS(登録商標)-S)、FUJIFILM アスタキサンチン SS(旧ASTOTS(登録商標)-SS)、FUJIFILM アスタキサンチン 5O(旧ASTOTS(登録商標)-5O)、FUJIFILM アスタキサンチン 10O(旧ASTOTS(登録商標)-10O)、FUJIFILM アスタキサンチン SSC等、富士化学工業(株)のアスタリール(登録商標)オイル50F、アスタリール(登録商標)オイル5F等、東洋酵素化学(株)のBioAstin SCE7などが挙げられる。
ヘマトコッカス藻抽出物中におけるアスタキサンチンの色素純分としての含有量は、製造時の取り扱いの観点から、好ましくは0.001質量%~50質量%であり、より好ましくは0.01質量%~40質量%である。
なお、ヘマトコッカス藻抽出物は、特開平2-49091号公報に記載の色素と同様に、色素純分として、アスタキサンチン又はそのエステル体を含有してもよい。
本実施形態に係る乳化組成物におけるアスタキサンチンの含有量は、乳化組成物の全質量に対して0.6質量%以上である。
アスタキサンチンの含有量は、例えば、アスタキサンチンを含むことで期待される効果を十分に得る観点から、乳化組成物の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。
また、アスタキサンチンの含有量は、例えば、摂取のしやすさの観点、及び、乳化組成物の粘度の観点から、乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。
即ち、本実施形態に係る乳化組成物におけるアスタキサンチンの含有量は、3質量%~10質量%が好ましく、4質量%~8質量%がより好ましく、4質量%~7質量%が更に好ましい。
[油性成分]
本実施形態に係る乳化組成物は、油性成分を含有する。
本実施形態に係る乳化組成物において油性成分とは、25℃の水への溶解度が0.1質量%未満(1g/L未満)の成分である。
なお、アスタキサンチンは、本実施形態に係る乳化組成物における油性成分には包含されない。但し、アスタキサンチン含有油(具体的には、ヘマトコッカス藻抽出物)に含まれる、天然油脂(例えば、オレイン酸のエステル、リノール酸のエステル等の脂肪酸トリグリセリドなど)、植物油脂等の油性成分は、本油性成分に含まれる。
本実施形態に係る乳化組成物は、油性成分を1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
油性成分としては、アスタキサンチンの溶解性の観点、及び、食品衛生法上の観点からは、食用油脂を含むことが好ましい。
食用油脂としては、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び動植物性油脂(長鎖脂肪酸トリグリセリドともいう)が挙げられる。
本開示における中鎖脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸鎖の平均炭素数が6~12であるトリグリセリドを意味する。中でも、脂肪酸鎖の平均炭素数が8~10である中鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましく用いられる。
動植物性油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、やし油、小麦胚芽油、コーン胚芽油、オリーブ油、米ぬか油、ココナッツ油等の植物性油脂と、肝油、魚油、鯨油等の動物性油脂と、が挙げられる。
食用油脂の中でも、中鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましく、本実施形態に係る乳化組成物が含有する食用油脂としては、中鎖脂肪酸トリグリセリドのみであることがより好ましい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては市販品を用いてもよい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品の例としては、花王(株)の「ココナード(登録商標) RK」(トリカプリル酸グリセリル)、「ココナード(登録商標) MT」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標) ML」(トリ(カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸)グリセリル)、日清オイリオ(株)の「O.D.O」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、日油(株)の「パセナート(登録商標) 810」(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)などが挙げられる。
また、油性成分には、上記した食用油脂の他、トコフェロール、ローズマリー抽出物等の油溶性抗酸化剤、レシチン等の油溶性乳化剤等が含まれていてもよい。
本実施形態に係る乳化組成物には、油性成分としてトコフェロールが好ましく用いられる。
既述のとおり、アスタキサンチンは、油性成分にアスタキサンチンを含有させたアスタキサンチン含有油として、本実施形態に係る乳化組成物に含有させてもよい。
アスタキサンチン含有油は、油性成分として、天然油脂(具体的には、オレイン酸のエステル、リノール酸のエステル等の脂肪酸トリグリセリド等を含む)、植物性油脂(具体的にはオリーブ油など)、トコフェロール、ローズマリー抽出物等を、1種又は2種以上含むことが好ましい。
油性成分の総含有量は、乳化組成物の全質量に対して、10質量%~50質量%であることが好ましく、15質量%~40質量%であることがより好ましく、20質量%~35質量%であることが更に好ましく、20質量%~30質量%であることが特に好ましい。
[水]
本実施形態に係る乳化組成物は、水を含む。
水としては、特に制限はなく、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(Milli-Q水等)などを使用することができる。なお、Milli-Q水とは、メルク(株)メルクミリポアのMilli-Q水製造装置により得られる超純水である。
水の含有量は、乳化組成物の全質量に対して、10質量%~40質量%であることが好ましく、15質量%~35質量%であることがより好ましい。
[グリセリン]
本実施形態に係る乳化組成物は、グリセリンを含む。
グリセリンは、アスタキサンチンを含む乳化粒子の平均粒子径を小さくし、且つ、粒子径を小さいまま長期にわたり安定に保持し易くなることから、用いられる。
本実施形態に係る乳化組成物において、グリセリンの含有量は、乳化組成物の全質量に対して、30質量%~60質量%であることが好ましく、30質量%~50質量%であることがより好ましく、35質量%~45質量%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物において、グリセリンの含有量は、アスタキサンチンの質量に対して、質量基準にて、1倍量以上100倍量以下であることが好ましく、2倍量以上50倍量以下であることがより好ましく、2倍量以上10倍量以下であることが更に好ましい。
[乳化剤]
本実施形態に係る乳化組成物は、乳化剤を含有する。
本実施形態に係る乳化組成物における乳化剤としては、アスタキサンチンを含む乳化粒子を形成することが可能であれば特に制限はないが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。特に、乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステル以外の乳化剤(以下、他の乳化剤ともいう)を実質的に含まないことが好ましい。
ここで、「乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステル以外の乳化剤を実質的に含まない」とは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステル以外の乳化剤(即ち、他の乳化剤)の含有量が、乳化組成物の全質量に対し、1質量%以下であることを指す。
本実施形態に係る乳化組成物に、上記他の乳化剤が含まれている場合、他の乳化剤の含有量は、乳化組成物の全質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
上記他の乳化剤としては、天然物由来の乳化剤のみを用いて高圧乳化を行えること、及び経時安定性の観点から、酵素分解レシチン以外のレシチン、サポニン、ステロール等が挙げられる。
本実施形態に係る乳化組成物では、乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルの3種全てを含むことが好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物における乳化剤の総含有量は、乳化組成物の全質量に対して、2質量%~40質量%であることが好ましく、5質量%~30質量%であることがより好ましい。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本実施形態に係る乳化組成物は、乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルであり、ポリグリセリンと、炭素数10以上の、飽和脂肪酸、分岐脂肪酸、及び不飽和脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1つの脂肪酸と、のエステルであることが好ましい。
より具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が6~20のポリグリセリンと、炭素数10~22の飽和脂肪酸、炭素数8~22の不飽和脂肪酸、及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1つの脂肪酸と、のエステルが挙げられる。なお、炭素数10~22の飽和脂肪酸には、炭素数10~22の直鎖状飽和脂肪酸及び炭素数10~22の分岐飽和脂肪酸が含まれ、炭素数8~22の不飽和脂肪酸には、炭素数8~22の直鎖状不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐不飽和脂肪酸が含まれる。
ポリグリセリンの平均重合度は、上記のように6~20が好ましく、8~16がより好ましく、8~10が更に好ましい。ポリグリセリンの重合度がこの範囲にあることで、乳化安定性がより良好となる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、上記の平均重合度のポリグリセリンと、炭素数10~22の飽和脂肪酸、炭素数16~22の分岐脂肪酸、及び炭素数16~22の不飽和脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1つの脂肪酸と、のエステルがより好ましく、上記の平均重合度のポリグリセリンと、炭素数10~20の飽和脂肪酸、炭素数16~18の分岐脂肪酸、及び炭素数16~18の不飽和脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1つの脂肪酸と、のエステルが更に好ましい。
炭素数10~22の飽和脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸が挙げられる。
炭素数8~22の不飽和脂肪酸及び炭素数8~22の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、及びイソステアリン酸が挙げられる。
乳化組成物の安定性の観点、及び、乳化組成物の低粘度化の観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと炭素数16以上の脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
また、臭気の低減の観点からは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
以上のことから、本実施形態に係る乳化組成物においては、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、上記の平均重合度のポリグリセリンと炭素数16以上の飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステル体であってもよく、ジエステル体であってもよいが、モノエステル体であることが好ましい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性能を有する。
乳化安定性をより向上させる観点から、HLBが、5以上の化合物が好ましく、8以上の化合物がより好ましく、10以上の化合物が更に好ましい。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBの上限値は、特に限定されないが、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい具体例としては、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンリノール酸エステル、デカグリセリンイソステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンイソステアリン酸エステル等が挙げられる。
中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル、及びデカグリセリンイソステアリン酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
更にこれらの中でも、より好ましくは、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリルモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステルなどが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)の、NIKKOL(登録商標) Decaglyn 1-ISV(HLB値:12.0(カタログ値))、NIKKOL Decaglyn 1-OV(HLB値:12.0(カタログ値))、NIKKOL Decaglyn 1-PVEX、NIKKOL Decaglyn 1-SVEX、NIKKOL Decaglyn 1-L(HLB値:15.5(カタログ値))、NIKKOL Decaglyn 1-M(HLB値:14.0(カタログ値))、三菱化学フーズ(株)社の、リョートー(登録商標)ポリグリエステル O-15D(HLB値:約13(カタログ値))、O-50D(HLB値:約7(カタログ値))、太陽化学(株)社のサンソフトQ-17S、Q-18S、理研ビタミン(株)社のポエムJ-0381V等が挙げられる。
本実施形態に係る乳化組成物は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
本実施形態に係る乳化組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、均一で且つ微細な乳化粒子が得られやすい観点から、乳化組成物の全質量に対して、2質量%~20質量%であることが好ましく、5質量%~20質量%であることがより好ましく、8質量%~15質量%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物の乳化安定性を高める観点から、後述するショ糖脂肪酸エステルの含有量に対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、質量基準にて、20倍量~130倍量であることが好ましい。
(酵素分解レシチン)
本実施形態に係る乳化組成物は、乳化剤として、酵素分解レシチンを含むことが好ましい。
レシチンは、ホスファチジルコリン(PC)などの各種のリン脂質を含有する混合物の一般的な名称である。酵素分解レシチン(リゾレシチンとも呼ばれる)は、ホスホリパーゼなどの酵素により、ホスファチジルコリン分子が持つ1つの脂肪酸が失われたリゾホスファチジルコリンを含有する組成物である。
なお、本実施形態に係る乳化組成物において、酵素分解レシチンは、水素添加処理を行い、結合脂肪酸を飽和脂肪酸にすることで酸化安定性を向上させた、いわゆる水素添加された酵素分解レシチンを含む。
酵素分解レシチンに含まれるリゾホスファチジルコリンの濃度は、安定な乳化組成物を得る観点から、18質量%~75質量%であることが好ましく、18質量%~65質量%であることが好ましく、18質量%~30質量%であることが好ましい。
酵素分解レシチンは、市販されている酵素分解レシチンを用いることができる。
酵素分解レシチンとしては、ベネコート(登録商標)BMI-40L(花王(株))、レシマール(登録商標)EL(理研ビタミン(株))、SLP-ペーストリゾ(辻製油(株))、SLP-ホワイトリゾ(辻製油(株))、SLP-ホワイトリゾH(辻製油(株))等が挙げられる。
本実施形態に係る乳化組成物は、酵素分解レシチンを1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
本実施形態に係る乳化組成物における酵素分解レシチンの含有量は、乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.1質量%~7質量%であることがより好ましく、1質量%~5質量%であることが更に好ましい。
(ショ糖脂肪酸エステル)
本実施形態に係る乳化組成物は、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを含むことにより、経時に伴う乳化安定性が向上する。その結果、本実施形態に係る乳化組成物を体内へと取り込む用途に適用した際に、アスタキサンチンの体内での吸収性が向上する。
ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、10以上であり、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上である。
また、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、両親媒性を示す観点から、好ましくは19以下である。
ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、例えば、両親媒性を示す観点から、8以上であることが好ましく、10~18であることがより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルは市販品を用いてもよい。
市販品の例としては、三菱化学フーズ(株)の、リョートー(登録商標)シュガーエステルのシリーズ、具体的には、S-1170(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約11(カタログ値))、S-1570(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値))、S-1670(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値))、P-1570(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値))、P-1670(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値))、L-1695(ショ糖ラウリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値))等が挙げられる。
また、市販品の例としては、第一工業製薬(株)の、DKエステル(登録商標)シリーズ、具体的には、SS、F-160、F-140、F-110、F-90、F-70、F-50、F-20W、F-10、FA-10E、コスメライク(登録商標)シリーズ、具体的には、S-10、S-50、S-70、S-110、S-160、S-190等も挙げられる。
本実施形態に係る乳化組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、例えば、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。
また、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、例えば、乳化安定性の観点から、乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましい。
[生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物]
本実施形態に係る乳化組成物は、生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物(即ち、特定抽出物)を含む。
即ち、本実施形態に係る乳化組成物は、生コーヒー豆抽出物又はリンゴ抽出物を含んでいてもよいし、生コーヒー豆抽出物とリンゴ抽出物とを共に含んでいてもよい。
特定抽出物においては、生コーヒー豆抽出物における総ポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上であり、リンゴ抽出物における総ポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して80質量%以上である、ことが好ましい。
生コーヒー豆抽出物における総ポリフェノール含有量は、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して45質量%以上であることがより好ましい。
リンゴ抽出物におけるにおける総ポリフェノール含有量は、リンゴ抽出物の全質量に対して、85質量%以上であることがより好ましい。
特定抽出物においては、生コーヒー豆抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して20質量%以上であり、リンゴ抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して1質量%以上である、ことが好ましい。
生コーヒー豆抽出物における水溶性のポリフェノール含有量は、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上であることがより好ましい。
リンゴ抽出物におけるにおける水溶性のポリフェノール含有量は、リンゴ抽出物の全質量に対して、2質量%以上であることがより好ましい。
生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物が、それぞれ、上記範囲の水溶性のポリフェノールを含むことで、抽出物自体の水溶性が高まり、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制しやすくなり、また、乳化組成物を低粘度化しやすくなる。
本開示における「水溶性のポリフェノール」とは、25℃の水への溶解度が1質量%以上(10g/L以上)のポリフェノールを指す。
特定抽出物に含まれる水溶性のポリフェノールは、クロロゲン酸(即ち、カフェオイルキナ酸)、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、フェルラ酸、p-クマル酸、カフェ酸、カテキン、フロリジン、プロシアニジン、アントシアニン、及びタンニンからなる群より選択されるポリフェノールである。
中でも、生コーヒー豆抽出物に含まれる水溶性のポリフェノールとしては、クロロゲン酸(カフェオイルキナ酸)、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、フェルラ酸、p-クマル酸、及びカフェ酸が挙げられる。
また、リンゴ抽出物に含まれる水溶性のポリフェノールとしては、クロロゲン酸、カテキン、フロリジン、プロシアニジン、アントシアニン、及びタンニンが挙げられる。
本開示におけるポリフェノール及び水溶性のポリフェノールの含有量は、公知の方法にて測定される。例えば、抽出物中のポリフェノール及び水溶性のポリフェノールは、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、吸光光度法等により測定されるが、高速液体クロマトグラフィーにて測定されることが好ましい。
乳化組成物中の水溶性のポリフェノールも高速液体クロマトグラフィーにて測定されることが好ましい。
本実施形態における、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるポリフェノールの量の測定は、実施例に記載の方法が用いられる。
(生コーヒー豆抽出物)
本実施形態における生コーヒー豆抽出物は、コーヒーの木から採取される生コーヒー豆からの抽出物であって、ポリフェノールを含む水溶性の抽出物である。
生コーヒー豆抽出物は、原料である生コーヒー豆、抽出方法、精製方法等によりその成分組成は変動するが、ポリフェノールとしては、クロロゲン酸類と呼ばれる、クロロゲン酸(カフェオイルキナ酸)、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸等を含む。
中でも、生コーヒー豆抽出物としては、総ポリフェノール含有量が生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上であるものが好ましい。より具体的には、生コーヒー豆抽出物は、水溶性のポリフェノールであるクロロゲン酸が生コーヒー豆抽出物の全質量に対して25質量%以上含まれる抽出物が好ましく、水溶性のポリフェノールであるクロロゲン酸類が生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上含まれる抽出物が好ましい。
生コーヒー豆抽出物を得るための生コーヒー豆としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、アラブスタ種等のいずれの品種を用いてもよく、その産地も特に限定されることはない。
生コーヒー豆抽出物を得るための抽出方法は、特に制限されるものではない。
原料であるコーヒー生豆は未粉砕でも、粉砕したものでもよく、必要に応じて、不純物除去などの前処理をしてもよい。
生コーヒー豆抽出物は、抽出液をろ過した後の液でもよいし、抽出液をろ過した後の液を脱色等の後処理した液でもよいし、抽出液をろ過した後の液を濃縮した濃縮液でもよい。また、この抽出物を噴霧乾燥又は凍結乾燥した粉末としたものを生コーヒー豆抽出物として用いてもよい。
抽出溶剤としては、水、親水性有機溶媒、及び超臨界流体が挙げられる。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等が例示されるが、含水率5質量%以上の親水性有機溶媒が好ましく、含水エタノールが特に好ましい。
抽出条件に特に制限はないが、常温又は加熱抽出が好ましい。加熱温度及び加熱時間についても、十分に抽出でき、抽出物の品質を維持できる範囲で種々の条件とすることができる。
生コーヒー豆抽出物として市販品を用いてもよい。
市販品の例としては、オリザ油化(株)の生コーヒー豆エキス-P、生コーヒー豆エキス-PA、長谷川香料(株)のフレーバーホルダー(登録商標)RC-30、Nurex Inc.のスベトール、東洋発酵(株)のOXCH100等が挙げられる。
(リンゴ抽出物)
本実施形態におけるリンゴ抽出物は、リンゴ果実からの抽出物であって、ポリフェノールを含む水溶性の抽出物である。
リンゴ抽出物は、原料であるリンゴ、抽出方法、精製方法等によりその成分組成は変動するが、ポリフェノールとしては、クロロゲン酸、カテキン、フロリジン、ケルセチン、アントシアニン、タンニン、プロシアニジン類等を含む。
中でも、リンゴ抽出物としては、総ポリフェノール含有量がリンゴ抽出物の全質量に対して80質量%以上であるものが好ましく、より具体的には、水溶性のポリフェノール量がリンゴ抽出物の全質量に対して1質量%以上含まれる抽出物が好ましい。特に、フロリジンがリンゴ抽出物の全質量に対して5質量%以上含まれる抽出物が好ましい。
リンゴ抽出物を得るためのリンゴ果実としては、品種に制限はなく、その産地も特に限定されることはない。
また、リンゴ果実は、未熟果(幼果)であってもよいし、完熟果であってもよい。
抽出に用いるリンゴ果実の部位は、特に制限されず、例えば、全果、果肉、果皮、種等が挙げられる。
リンゴ抽出物を得るための抽出方法は、特に制限されるものではない。
原料であるリンゴ果実は、未粉砕でも、粉砕したものでもよく、抽出物の品質を維持できる限り、不純物除去などの前処理をしてもよい。
リンゴ抽出物は、抽出液をろ過した後の液でもよいし、抽出液をろ過した後の液を脱色等の後処理した液でもよいし、抽出液をろ過した後の液を濃縮した濃縮液でもよい。また、この抽出物を噴霧乾燥又は凍結乾燥した粉末としたものをリンゴ抽出物として用いてもよい。
抽出溶剤としては、特に制限はないが、エタノール等が挙げられる。
抽出条件にも特に制限はないが、常温又は加熱抽出が好ましい。加熱温度及び加熱時間についても、十分に抽出でき、抽出物の品質を維持できる範囲で種々の条件とすることができる。
リンゴ抽出物として市販品を用いてもよい。
市販品の例としては、ユニテックフーズ(株)のアップリン、ニッカウヰスキー(株)のアップルフェノン粉末50、アップルフェノンSH100%粉末、アップルフェノン5水性、一丸ファルコス(株)のファルコレックス リンゴ B、丸善製薬(株)のリンゴ抽出液BG-J、マリンバイオのリンゴエキスパウダー等が挙げられる。
生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物の合計固形分含有量は、アスタキサンチンの原料由来の臭気を抑制する観点、及び、乳化組成物の低粘度化の観点から、乳化組成物の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~8質量%であることがより好ましく、1質量%~5質量%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物には、生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物により水溶性のポリフェノールが添加される。
本実施形態に係る乳化組成物における水溶性のポリフェノールの含有量は、乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることが更に好ましい。
また、水溶性のポリフェノールの含有量の上限は、乳化安定性の観点から、例えば、乳化組成物の全質量に対して、8質量%以下である。
[その他の成分]
本実施形態に係る乳化組成物は、上述した各成分の他に、必要に応じて、その他の成分を、1種又は2種以上含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、栄養成分、有効成分、薬理成分等の生理活性成分、色素、水溶性抗酸化剤、水飴等の液糖などが挙げられる。
このようなその他の成分としては、飲食品、医薬品に使用可能なものであれば、特に制限されない。
〔乳化組成物の製造方法〕
本実施形態に係る乳化組成物は、アスタキサンチン及び油性成分を含む油相組成物と、水、グリセリン、乳化剤、及び特定抽出物を含む水相組成物と、を混合した混合液を調製し、調製された混合液を常法により乳化することを含む製造方法により、製造されることが好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物は、特定抽出物を含むことから、高濃度のアスタキサンチンを含有しつつも、乳化組成物の粘度の上昇を低減することができるため、製造適性に優れている。
乳化に供される混合液は、油相組成物及び水相組成物をそれぞれ別個に調製した後、調製された油相組成物及び水相組成物を組み合わせて調製してもよいし、油相組成物及び水相組成物に含まれる各成分を、一括に混合して又は逐次混合して調製してもよい。
油相組成物は、アスタキサンチン(具体的には、アスタキサンチン含有油)と共に、油性成分として、必要に応じて、食用油脂及びトコフェロール等の油性抗酸化剤を含むことが好ましい。
水相組成物には、水、グリセリン、及び特定抽出物と共に、乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
乳化組成物の製造方法の一態様では、例えば、a)水と、グリセリンと、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、酵素分解レシチンと、ショ糖脂肪酸エステルと、特定抽出物と、を混合し溶解して、水相組成物を得る、b)アスタキサンチンと、油性成分と、を混合し溶解して、油相組成物を得る、そして、c)撹拌下で水相組成物と油相組成物とを混合して混合液とし、得られた混合液に対して、乳化分散を行う。
乳化分散の際には、例えば、スターラー、インペラー撹拌、ホモミキサー、又は連続流通式剪断装置等の剪断作用を利用する通常の乳化装置を用いて乳化をした後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用することが好ましい。高圧ホモジナイザーを使用する場合、乳化粒子を更に均一に近い粒子径に揃えることができる。更なる粒子径の均一化を図る目的で、乳化分散を複数回行ってもよい。
高圧ホモジナイザーには、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するチャンバー型高圧ホモジナイザー、及び均質バルブを有する均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーは、処理液の流路の幅を容易に調節することができるので、操作時の圧力及び流量を任意に設定することができ、その操作範囲が広いため、本実施形態に係る乳化組成物の製造において好ましく用いることができる。
操作の自由度は低いが、圧力を高める機構が作りやすいため、超高圧を必要とする用途にはチャンバー型高圧ホモジナイザーも好適に用いることができる。
チャンバー型高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社)、ナノマイザー(吉田機械興業(株))、アルティマイザー((株)スギノマシン)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株))、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株))、超高圧ホモジナイザー(イカ社)等が挙げられる。
高圧ホモジナイザーの圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50MPa以上250MPa以下、更に好ましくは100MPa以上250MPa以下である。
得られた乳化組成物は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、乳化粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
以上のようにして、乳化組成物、具体的には、水中油型乳化組成物が得られる。
なお、得られた乳化組成物は、脱泡処理を施されてもよい。
(乳化組成物中のヘキサナールの含有量)
アスタキサンチンの原料に由来する臭気は、複数の物質に由来し、その原因物質の1つとして、ヘキサナールが挙げられる。
このため、臭気を低減する観点から、ヘキサナールの含有量が、乳化組成物の全質量に対して、3.5ppm以下が好ましく、2.5ppm以下がより好ましく、2.0ppm以下が更に好ましく、1.5ppm以下が特に好ましい。
本実施形態に係る乳化組成物中のヘキサナールの含有量を測定する方法は、特に制限されないが、クロマトグラフ分析が好ましく、ガスクロマトグラフ分析又は液体クロマトグラフ分析がより好ましい。
ここで、本実施形態に係る乳化組成物中のヘキサナールの含有量は、実施例に記載の、ヘリウムガスを用いたガスクロマトグラフ質量分析を用いて測定した値とする。
(乳化組成物の粘度)
本実施形態に係る乳化組成物の粘度は、特に限定されないが、乳化分散等の製造適性の観点から、25℃にて、450mPa・s以下が好ましく、400mPa・s以下がより好ましく、350mPa・s以下が更に好ましい。
25℃における乳化組成物の粘度の下限値は特に制限されないが、例えば、50mPa・s以上が挙げられる。
また、40℃における乳化組成物の粘度は、350mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以下がより好ましく、250mPa・s以下が更に好ましい。
40℃における乳化組成物の粘度の下限値は特に制限されないが、例えば、40mPa・s以上が挙げられる。
乳化組成物の粘度の測定には、JIS Z 8803:2011に沿って測定する方法が用いられる。
(乳化粒子の平均粒子径)
本実施形態に係る乳化組成物における乳化粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、5nm~200nmであることが好ましく、乳化組成物の良好な透明性と安定性の観点からは、10nm~150nmとすることがより好ましく、10nm~120nmとすることが更に好ましい。
乳化粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、市販の粒度分布計等で計測することができる。粒度分布測定の方法として、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粒径測定は、動的光散乱法により行なうことが好ましい。動的光散乱法を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(商品名、日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB-550(商品名、(株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR-1000(商品名、大塚電子(株))等が挙げられるが、動的光散乱法の原理に基づき、粒径測定が可能になるものであれば、測定装置はこれらに限定されない。
乳化粒子の平均粒子径は、例えば、大塚電子(株)、濃厚系粒径アナライザーFPAR1000(商品名)を用いて、100倍希釈した乳化組成物を、装置内のサンプルセルに入れ、25℃で測定した値を採用し、50%累積粒子径で測定できる。
(乳化組成物の粉末化)
本実施形態に係る乳化組成物は、乾燥することにより、粉末化された形態とすることができる。
乳化組成物を粉末化する際の乾燥方法は、特に限定されず、噴霧乾燥、混練造粒、凍結乾燥など常法を用いることができる。
粉末化された乳化組成物は、水を含む溶媒に懸濁することにより、乳化組成物として利用することができる。
粉末化された乳化組成物では、粉末形態での流動性及び懸濁時の分散性を向上させる場合、水相の媒体(即ち、水)はできる限り除去されていることが好ましい。水相の媒体の除去は、スプレードライによる噴霧乾燥等の加熱乾燥手段により行なえばよい。
乳化組成物の粉末化においては、粉末化に必要な当該分野で公知の物質を必要に応じて、更に含有することができる。また、粉末化に必要な物質の含有量は、特に限定されず、適宜設定することができる。
乳化組成物を粉末化する際には、必要に応じて、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの高分子物質;アラビアゴム、トラガントゴム、ゼラチンなどの天然高分子物質;粉末乳糖、カゼイン、微結晶セルロース、澱粉、小麦粉、デキストリン、二酸化硅素などの添加剤を加えることができる。
〔用途〕
本実施形態に係る乳化組成物は、食品又は飲料(機能性食品又は飲料、健康食品又は飲料等)、医薬品、医薬部外品、化粧品等の各種の用途に適用することができ、中でも、高濃度にアスタキサンチンを含有しつつも、アスタキサンチンの原料由来の臭気が低減することができるため、本実施形態に係る乳化組成物は、食品又は飲料に好ましく用いられ、特に飲料に好ましく用いることができる。
本実施形態に係る乳化組成物が適用される、食品、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の剤型としては、例えば、液体製剤及びそれを乾燥して得られる固体製剤(散剤、顆粒剤等)が挙げられる。
本実施形態に係る乳化組成物は、液体製剤及びそれを乾燥して得られる固体製剤、例えば、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤等に適用することができる。これらの製剤は、更に、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等を剤型に応じて添加し、常法に従って製造することができる。なお、本実施形態に係る乳化組成物を適用してなる固形製剤は、周知の方法でコーティング又は糖衣を施してもよい。
(ソフトカプセル製剤)
本実施形態に係る乳化組成物の好適な適用形態の一つは、本実施形態に係る乳化組成物を含むソフトカプセル製剤である。即ち、本開示のソフトカプセル製剤は、本実施形態に係る乳化組成物を含む内容物をソフトカプセル皮膜に封入することによって得られる。
本開示のソフトカプセル製剤における内容物は、ソフトカプセル製剤の全量に対して、本実施形態に係る乳化組成物を、0.0001質量%~95質量%含むことができる。
ソフトカプセル皮膜(以下、単に皮膜とも称する。)を形成する基材(以下、皮膜形成用組成物とも称する。)としては、寒天、ゼラチン、ジェランガムを主成分とする基材が、皮膜の透明性等の観点で好ましい。例えば、ソフトカプセル皮膜は、ゼラチンを皮膜用の基材とする場合、ゼラチン、可塑剤、及び水を含むゼラチン皮膜液から調製される。用いられるゼラチンとしては、ゼラチン、酸性ゼラチン、アルカリ性ゼラチン、ペプタイドゼラチン、低分子ゼラチン、ゼラチン誘導体等が挙げられる。
また、ソフトカプセル皮膜は、可塑剤を含んでいてもよく、可塑剤としては、グリセリン;プロピレングルコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;コーンシロップ、スクロース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール等の糖類;結晶セルロース、デンプン類、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースなどの水不溶性セルロース等を挙げることができる。なお、これらの可塑剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。可塑剤としては、グリセリンが好ましい。
ソフトカプセル製剤(内容物又は皮膜)には、食品の分野において通常用いられる添加成分を、適宜配合してもよい。添加成分の例としては、色素又は顔料等の着色剤、保存料、香料、果汁、各種ビタミン類、動植物エキス類、アミノ酸類、ミネラル、着色料、増粘剤、pH調製剤、防腐剤、崩壊剤、界面活性剤、矯味剤、矯臭剤、甘味料、有機酸等の成分が挙げられ、これらの成分から必要に応じて適宜選択して、配合することができる。
ソフトカプセル製剤の製造方法としては、例えば、(i)カプセルの内容物及び皮膜形成用組成物をそれぞれ調製すること(以下、組成物調製工程という。)、(ii)得られた皮膜形成用組成物内に、内容物を封入し、成形、乾燥して、中間体製剤を得ること(以下、成形工程という。)、(iii)得られた中間体製剤を乾燥すること(以下、乾燥工程という。)、により好適に製造する方法が挙げられる。
組成物調製工程では、本実施形態に係る乳化組成物を含む内容物、及び、皮膜形成用組成物をそれぞれ調製する。本実施形態に係る乳化組成物の調製方法は、既述のとおりである。また、皮膜形成用組成物は、組成物に含有される所定の成分を溶解させた溶液として調製すればよい。
成形工程では、皮膜形成用組成物を用いて形成された皮膜内に、本実施形態に係る乳化組成物を含む内容物を封入し、成形、乾燥して、中間体製剤を得る。
本開示のソフトカプセル製剤において、皮膜形成用組成物への内容物の封入は、従来公知のソフトカプセル製剤の製造法、例えば、平板法又はロータリーダイ法に準じて行なうことができる。
乾燥工程では、成形工程において得られた中間体製剤を乾燥させる。本工程を経ることにより、完成品であるソフトカプセル製剤が得られる。
乾燥工程に適用される乾燥手段は、特に限定されず、タンブラー乾燥機(即ち、回転ドラム式乾燥機)などの公知の乾燥機を使用することができる。
乾燥の際の温度、時間等の条件は、特に制限されるものではなく、食品組成物に含まれる成分及びカプセル皮膜に含まれる成分の種類により、適宜調整することができる。
ソフトカプセル製剤の形状としては、特に制限はなく、楕円(OVAL)、長方形(OBLONG)、球状(ROUND)等のいずれの形状もとることができる。これらの形状にするため、当業界で周知の方法又は装置を適用することができる。
(飲料)
本実施形態に係る乳化組成物は、水などの溶媒を用いて希釈して飲料にすることができる。
本実施形態に係る乳化組成物は、アスタキサンチンを高濃度で配合しつつも、低粘度である。そのため、本実施形態に係る乳化組成物を水などの溶媒を用いて希釈して飲料を製造する際、異物除去目的のろ過がしやすくなる、溶媒との希釈時のハンドリング性が高まるなど、製造適性に優れる。
粉末等の固体製剤とした本実施形態に係る乳化組成物に、水などの溶媒を加えて飲料にしてもよい。
飲料とする場合は、飲料の全量に対して、本実施形態に係る乳化組成物を、好ましくは0.0001質量%~50質量%含むことができ、より好ましくは0.1質量%~20質量%含むことができる。
飲料には、甘味料、香料、酸味料、増粘安定剤、酸化防止剤等を配合することによって、飲料としての味等を適宜調整することができる。
甘味剤としては、甘味を呈する材料であればどのようなものでもよい。例えば、果汁、糖類又は高甘味度甘味料などが挙げられる。糖類として、ブドウ糖、フルクトース、ガラクトース、異性果糖などの単糖類、スクロース、乳糖、パラチノースなどの二糖類、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースなどのオリゴ糖類、例えば、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール等の単糖アルコール類、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール類、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類、オリゴ糖アルコール等の四糖以上アルコール類等の糖アルコールが挙げられる。例えば、高甘味度甘味料として、ステビア、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK等が挙げられる。
香料としては、例えば、天然香料及び合成香料が挙げられる。
天然香料としては、例えば、草根、木皮、花、果実、果皮又はその他動植物を素材として常法に従って調製された香成分含有物等が挙げられる。また、天然香料としては、天然素材を、水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法等によって処理して分離した精油等が挙げられる。
合成香料としては、例えば、コーヒー由来香料、紅茶由来香料、緑茶由来香料、ウーロン茶由来香料、ココア由来香料、ハーブ由来香料、スパイス由来香料、フルーツ由来香料等が挙げられる。
飲料は、容器に充填することによって容器詰飲料としてもよい。
飲料に使用される容器としては、飲料用容器として使用されているものであればよく、例えば、PETボトル、紙パック、ガラス容器、アルミ缶、スチール缶等が挙げられる。
飲料のpHは、20℃におけるpHは2.0~9.0であることが好ましく、2.5~7.0であることがより好ましく、2.5~5.0であることが特に好ましい。pH2.0以上であれば飲用として好ましく、pH9.0以下であれば、飲料としての風味安定化効果を充分に得ることができる。
以下、本実施形態に係る乳化組成物を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本実施形態に係る乳化組成物は、それらの実施例に何ら限定されない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
実施例において調製された乳化組成物は、食品(機能性食品、健康食品、飲料等)、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に好適に利用できる。
[実施例1~45、比較例1~5]
(乳化組成物の調製)
表1~4に示す組成で油相組成物用の各成分及び水相組成物用の各成分をそれぞれ混合し、溶解して、水相組成物及び油相組成物を、それぞれ得た。得られた水相組成物及び油相組成物を、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら混合して混合液を得た。
更にスターラーで撹拌を続けながら、混合液を70℃に30分間加温した後、TKホモミキサー(プライミクス株式会社)を用いて3000rpm(revolutions per minute)で3分間剪断力を付与して、水中油型乳化組成物を調製した。
得られた水中油型乳化組成物を、高圧分散装置であるスターバーストミニ機((株)スギノマシン)で200MPaの圧力で3回処理することで、実施例1~45及び比較例1~5の水中油型乳化組成物を得た。
表1~4に示す各成分の詳細は以下の通りである。
・ヘマトコッカス藻抽出物1:FUJIFILM アスタキサンチン S(旧ASTOTS(登録商標)-S、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、色価3500~5500、アスタキサンチン20質量%含有、ヘマトコッカス藻由来の天然油脂79.8%含有、ローズマリー抽出物(油溶性抗酸化剤)0.2%含有、富士フイルム(株))。
・ヘマトコッカス藻抽出物2:FUJIFILM アスタキサンチン SSC(ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、色価6500~8500、アスタキサンチン35質量%含有、ヘマトコッカス藻由来の天然油脂64.8質量%含有、ローズマリー抽出物(油溶性抗酸化剤)0.2質量%含有、富士フイルム(株))
・ヘマトコッカス藻抽出物3:Asta Pure(登録商標)20%(ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン含有油、色価3500~5500、アスタキサンチン20質量%含有、オリーブ油5質量%含有、ヘマトコッカス藻由来の天然油脂74.8%質量%含有、ローズマリー抽出物(油溶性抗酸化剤)0.2%質量%含有、Algatechnologies Ltd)
・食用油脂1:ココナード(登録商標) MT(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、花王(株))
・食用油脂2:O.D.O(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、日清オイリオ(株))
・ミックストコフェロール(油溶性抗酸化剤):理研Eオイル800(理研ビタミン(株))
・食添グリセリン1:食添グリセリン(日油(株))
・食添グリセリン2:食品添加物グリセリン(花王(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル1:ポエムJ-0381V(脂肪酸の炭素数:18、脂肪酸の種類:不飽和脂肪酸、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、理研ビタミン(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル2:Nikkol Decaglyn1-OV(脂肪酸の炭素数:18、脂肪酸の種類:不飽和脂肪酸、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、日光ケミカルズ(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル3:Nikkol Decaglyn1-L(脂肪酸の炭素数:12、脂肪酸の種類:飽和脂肪酸、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、日光ケミカルズ(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル4:Nikkol Decaglyn1-M(脂肪酸の炭素数:14、脂肪酸の種類:飽和脂肪酸、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、日光ケミカルズ(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル5:Nikkol Decaglyn1-PVEX(脂肪酸の炭素数:16、脂肪酸の種類:飽和脂肪酸、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、日光ケミカルズ(株))
・ポリグリセリン脂肪酸エステル6:サンソフトQ-18S(脂肪酸の炭素数:18、脂肪酸の種類:飽和脂肪酸、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、太陽化学(株))
・酵素分解レシチン:SLPホワイトリゾ(辻製油(株))
・ショ糖脂肪酸エステル1:リョートーシュガーエステルS-1670(商品名、三菱化学フーズ(株))
・ショ糖脂肪酸エステル2:DKエステルSS(第一工業製薬(株))
・生コーヒー豆抽出物:生コーヒー豆エキスP(総ポリフェノール含有量:48質量%、水溶性のポリフェノール含有量:25質量%、オリザ油化(株))
・リンゴ抽出物:アップリン(総ポリフェノール含有量:80質量%、水溶性のポリフェノール含有量:1質量%、ユニテックフーズ(株))
・ケルセチン:ケルセチンSP-85(ケルセチン含有量:85質量%、横浜油脂工業(株))
・水: 精製水
表1~4中の各成分について示す数値は、各成分の含有量(質量%)を表す。
表1~4中、各成分の含有量における「-」の記載は、該当する成分を含有していないことを示す。
表1~4中、AXはアスタキサンチンを示し、OCは油性成分を示す。
(水中油型乳化組成物の測定及び評価)
得られた各乳化組成物について、測定及び評価を行った。
結果を表1~4に示す。
1.ポリフェノール量の測定
得られた各乳化組成物について、それぞれ、総ポリフェノール含有量及び水溶性のポリフェノール含有量を、以下の条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。なお、定量は検量線法を用いた。
-測定装置及び測定条件-
装置:LC-10A型((株)島津製作所、送液ユニット:LC-10ATvp、検出器:SPD-10Avp、低圧グラジエントユニット:FCV-10 ALvp、脱気装置:DGU-14A)
カラム:LUNA5μC 18(PHENOMENEX社、4.6×150mm、ガードカラム 4.6×30mm付)
溶離液:(A)0.1%リン酸/(B)メタノール(送液プログラム:(A)98%、(B)2%で平衡化、(B)濃度を、14分で25%にまで変化させ、25分で35%にまで変化させ、35分で55%にまで変化させ、38分まで55%を保持した後、40分で2%にまで変化させた)
注入量:5μL
流速:0.7mL/min
カラム温度:室温(23℃)
検出波長:280nm
データ処理装置:CR-6A((株)島津製作所)
2.乳化組成物の臭気
得られた乳化組成物をアスタキサンチンの濃度が6mg/100gとなるように、ミネラルウォーターに溶解させ、飲料組成物を調製した。
調製した飲料組成物を8人の被験者で飲用し、藻臭(口に含み、鼻から抜ける藻のような生臭さ)について、以下に示す評価段階の数値で評価した。得られた各人の数値を算術平均した平均値を、以下に示すA、B、又はCにてランク付けし、評価結果とした。Aが実用上好ましいランクである。
<評価段階>
-2:藻臭がなく、飲みやすい。
0:藻臭が僅かにするが、飲める。
+2:藻臭が明らかにし、飲めない。
<平均値>
A:-0.5点以下
B:-0.5点超0.6点以下
C:0.6点超
3.ヘキサナール含有量の測定
得られた乳化組成物について、下記の条件で、キャリアガスとしてヘリウムガスを用いたガスクロマトグラフ質量分析を行い、ヘキサナール含有量を測定した。
-測定装置及び測定条件-
装置:7890B/5977A(型番、アジレント・テクノロジー(株))
分析カラム:DB-WAX(商品名、アジレント・テクノロジー(株))
注入量:1.0μL
温度:注入口200℃
カラム40℃(1分保持)→10℃/分で昇温→220℃
ガス及びガス流量:ヘリウムガス(キャリアガス)、1mL/分
イオン源温度:230℃
イオン化法:EI
4.乳化組成物の粘度
得られた乳化組成物の25℃及び40℃における粘度をそれぞれ振動式粘度計(型番:VM-10A-L、アズワン(株))を用いて測定した。
Figure 0007225374000001
Figure 0007225374000002
Figure 0007225374000003
Figure 0007225374000004
実施例1~45の乳化組成物は、いずれもアスタキサンチンの原料由来の臭気が抑制され、低粘度であることが分かる。
また、表1~4に示す結果から、乳化組成物中のヘキサナール量が多いと、ヒトが感知する臭気も強くなり、ヘキサナール量とヒトが感知する臭気との間には相関性があることが示された。
2019年3月28日に出願された日本出願2019-064597の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. アスタキサンチンと、油性成分と、水と、グリセリンと、乳化剤と、生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の抽出物と、を含み、
    前記アスタキサンチンの含有量が乳化組成物の全質量に対して0.6質量%以上10質量%以下であり、
    前記生コーヒー豆抽出物及びリンゴ抽出物の合計固形分含有量が、乳化組成物の全質量に対して0.1質量%~10質量%である、乳化組成物。
  2. 前記アスタキサンチンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して3質量%~10質量%である請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 前記生コーヒー豆抽出物における総ポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して40質量%以上であり、前記リンゴ抽出物における総ポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して80質量%以上である、請求項1又は請求項に記載の乳化組成物。
  4. 前記生コーヒー豆抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、生コーヒー豆抽出物の全質量に対して20質量%以上であり、前記リンゴ抽出物における水溶性のポリフェノール含有量が、リンゴ抽出物の全質量に対して1質量%以上である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  5. 前記水溶性のポリフェノールが、クロロゲン酸、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、フェルラ酸、p-クマル酸、カフェ酸、カテキン、フロリジン、プロシアニジン、アントシアニン、及びタンニンからなる群より選択されるポリフェノールである請求項に記載の乳化組成物。
  6. 前記水溶性のポリフェノールが、乳化組成物の全質量に対して0.01質量%以上含まれる請求項又は請求項に記載の乳化組成物。
  7. 前記グリセリンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して30質量%~60質量%である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  8. 前記乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1~請求項のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  9. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと炭素数16以上の脂肪酸とのエステルである請求項に記載の乳化組成物。
  10. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと飽和脂肪酸とのエステルである請求項又は請求項に記載の乳化組成物。
  11. 酵素分解レシチンを少なくとも含み、当該酵素分解レシチンの含有量が、乳化組成物の全質量に対して0.01質量%~10質量%である請求項~請求項1のいずれか1項に記載の乳化組成物。
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