JP7227335B2 - 粘着剤組成物及び粘着フィルム - Google Patents
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Description
特に、粘着剤層の表面抵抗率が、従来技術では達成できない2.0×10+9Ω/□以下である、極めて優れた帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着フィルムに関する。
特許文献1には、ブチルアクリレートなどを主成分のモノマーとし、アクリルアミド化合物などを共重合させたアクリル系ポリマーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献2には、炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを主成分のモノマーとし、カルボキシル基含有モノマー、及び窒素含有ビニルモノマーを共重合させたアクリル系ポリマーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
このため、偏光板を液晶パネルに貼合する用途の粘着剤層は、該粘着剤層の表面抵抗率を2.0×10+9Ω/□以下にすることが要望されているが、従来技術においては、このような高度の帯電防止性能を発現させることが、非常に難しい状況であった。
また、このような高度の帯電防止性能を発現できた場合でも、同時に粘着剤層の耐久性を維持することが困難であった。
このため、粘着剤層の高温・高湿度環境下における耐久性試験後において、粘着剤層の中に多量に含まれるフルオロ基含有アニオンを有するアンモニウム系帯電防止剤が、粘着剤層の表面に析出せず、耐久性を維持できる粘着剤層にするため、粘着剤組成物に含まれるアクリル系ポリマーが、n-ブチルアクリレート(BA)を主体とし、BAと共重合性の良いモノマーを選択して共重合させてなることを技術思想としている。
また、本実施形態に係わる粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーは、得られる粘着剤層が透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性に影響を与えるとされる、カルボキシル基含有モノマーの含有量を減らすための共重合性モノマーとして使用できる。そのため、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤層の粘着力を向上させ、且つ、腐食性を低減させることに役立てることができる。本実施形態の粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーの割合は、アクリル系ポリマーの100重量部に対して、0.1~5.0重量部の割合であることが好ましく、0.1~4.4重量部の割合であることがより好ましく、0.1~3.8重量部の割合であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係わる粘着剤組成物に含有させるカルボキシル基含有モノマーは、得られる粘着剤層に対して必要な凝集力を付与させることができる。本実施形態に係わる粘着剤組成物におけるカルボキシル基含有モノマーの割合は、アクリル系ポリマーの100重量部に対して、0~5.0重量部である(カルボキシル基含有モノマーを共重合させない場合も許容される)ことが好ましく、カルボキシル基含有モノマーを共重合させる場合には、0.01~5.0重量部の割合であることがより好ましく、0.01~3.3重量部の割合であることが特に好ましく、0.01~2.8重量部の割合であることが最も好ましい。
2官能以上のエポキシ化合物としては、グリコール類のジグリシジルエーテル、ビスフェノール類のジグリシジルエーテル、トリオール類のトリグリシジルエーテル、ジカルボン酸のジグリシジルエステル、ジグリシジル置換のアミン類、テトラグリシジル置換のジアミン類などが挙げられる。
また、オリゴマー化したアルコキシオリゴマー(シリコーンアルコキシオリゴマー)なども、シランカップリング剤として用いることができる。
本実施形態の粘着剤組成物における(E)帯電防止剤の析出防止性能は、同一の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層のサンプルを2以上作製し、1つのサンプルを85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験に供した後に(E)帯電防止剤が析出せず、且つ、別のサンプルを60℃×90%RH×750hrの試験環境下における耐久性試験に供した後に(E)帯電防止剤が析出していないものであってもよい。
また、厚さ20μmの粘着剤層を介して、10cm角の総厚み80μmの偏光板を、無アルカリガラスに貼合してなる試験片を、85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験、及び60℃×90%RH×750hrの試験環境下における耐久性試験に供した後に、発泡、及びハガレの無いことが好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物における発泡、及びハガレの無い性能は、同一の粘着剤組成物を用いて作製した試験片を2以上作製し、1つの試験片を85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験に供した後に発泡、及びハガレが無く、且つ、別の試験片を60℃×90%RH×750hrの試験環境下における耐久性試験に供した後に発泡、及びハガレの無いものであってもよい。
このような、粘着剤層付き光学フィルムの積層構成の具体例としては、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層」、「粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層」等が挙げられる。粘着剤層付き偏光板の積層構成の具体例として、「離型フィルム/粘着剤層/偏光板」、「離型フィルム/粘着剤層/偏光板/粘着剤層/離型フィルム」、「偏光板/粘着剤層」、「粘着剤層/偏光板/粘着剤層」等が挙げられる。液晶パネル等の部分構造として、これらの粘着剤層付き光学フィルム、又は粘着剤層付き偏光板が組み込まれてもよい。
なお、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/偏光板」などのように、離型フィルムを積層構成に含まれる場合には、離型フィルムを剥がした後、粘着剤層を介して、光学フィルム又は偏光板が被着体に貼合される。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にn-ブチルアクリレート70重量部、n-ブチルメタクリレート15重量部、8-ヒドロキシオクチルアクリレート2.0重量部、ベンジルアクリレート15重量部とともに、溶剤(酢酸エチル)を加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、実施例1に用いるアクリル系ポリマーの溶液を得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
モノマーの組成を各々、表1の(A)~(D)の記載のようにする以外は、上記の実施例1と同様にして、実施例2~6及び比較例1~3に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。
なお、特に測定結果を示さないが、実施例1~6及び比較例1~3のアクリル系ポリマー溶液に含まれる共重合体の重量平均分子量は、100~300万の範囲内である。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系ポリマー溶液に対して、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを20重量部と、架橋剤(D-110N)を0.1重量部と、シランカップリング剤(X-12-967C)を0.05重量部の割合で加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる離型フィルムの上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布した後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した。その後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有し、離型フィルム/粘着剤層/離型フィルムの構成である、実施例1の粘着フィルムを得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
添加剤の組成を各々、表1の(E)~(G)の記載のようにした以外は、上記の実施例1の粘着フィルムと同様にして、実施例2~6及び比較例1~3の粘着フィルムを得た。
実施例1~6及び比較例1~3における粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、前記粘着フィルムの粘着剤層の片面を表出させた。その後、厚さ80μmの偏光板(樹脂フィルム)の片面に、前記粘着剤層を介して、前記粘着フィルムを貼合して、離型フィルム/粘着剤層/偏光板の構成である、粘着剤層付き偏光板を得た。
上記で得られた、粘着剤層付き偏光板の離型フィルムを剥がして、無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG(登録商標))のアセトンで洗浄した面に、前記粘着剤層を介して、粘着剤層付き偏光板を圧着ロールで貼合して、試験片を作成した。その後、該試験片を、50℃、0.5MPa×20分間の条件で、オートクレーブ処理した。その後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過後の粘着剤層付き偏光板の剥離強度を引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に0.3m/minの速度で剥離した時の剥離強度を、無アルカリガラスに対する粘着剤層の粘着力とした。
上記で得られた、粘着剤層付き偏光板について、抵抗率計ハイレスタ(登録商標)UP-HT450(三菱化学アナリテック製)を用いて粘着剤層の表面抵抗率(Ω/□)を測定して、初期の表面抵抗率を求めた。同じ粘着剤層付き偏光板を、85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験をした後、同様に表面抵抗率を測定して、耐久性試験後の表面抵抗率を求めた。
粘着力の測定と同様の方法で、10cm角の粘着剤層付き偏光板の離型フィルムを剥がして、無アルカリガラスのアセトンで洗浄した面に貼合して、試験片を作成した。その後、該試験片について、85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験、及び、60℃×90%RH×750hrの試験環境下における耐久性試験をした後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着剤層の状態を目視で観察して、耐久性を判断した。
○・・粘着剤層の発泡及びハガレが全く無い。
△・・粘着剤層の一部に発泡、ハガレが発生している。
×・・粘着剤層の全体に発泡、ハガレが発生している。
粘着力の測定と同様の方法で、10cm角の粘着剤層付き偏光板の離型フィルムを剥がして、無アルカリガラスのアセトンで洗浄した面に貼合して、試験片を作成した。その後、該試験片について、85℃×750hrの試験環境下における耐久性試験、及び、60℃×90%RH×750hrの試験環境下における耐久性試験をした後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着剤層の状態を目視で観察して、粘着剤層の表面への帯電防止剤の析出状態を判断した。
○・・粘着剤層の表面に帯電防止剤の析出が全く無い。
△・・粘着剤層の表面の一部に帯電防止剤の析出が発生している。
×・・粘着剤層の表面の全体に帯電防止剤の析出が発生している。
Claims (6)
- アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、
前記アクリル系ポリマーが、
(A)n-ブチルアクリレートと、
(B)t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、メチルアクリレートからなる群から選択された少なくとも1種と、
(C)水酸基を含有する共重合性ビニルモノマー及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種と、
(D)芳香族基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種と、を共重合させた共重合体の重量平均分子量が100~300万のアクリル系ポリマーであり、
前記(E)帯電防止剤として、フルオロ基含有アニオンを有するアンモニウム系帯電防止剤を、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、15重量部超過40重量部以下の割合で含有してなり、
前記(F)架橋剤として、3官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のエポキシ化合物からなる群から選択された少なくとも1種以上の架橋剤を含有してなり、
前記粘着剤組成物が、さらに、
(G)エポキシ基、メルカプト基、酸無水物基から選択された少なくとも1種以上の官能基を含有するモノマータイプ又はオリゴマータイプのシランカップリング剤を含有してなり、
前記アクリル系ポリマーは、前記(A)n-ブチルアクリレートを主体とし、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(A)n-ブチルアクリレートを40~89重量部、前記(D)を5重量部以上の割合で含有し、また、
前記(A)n-ブチルアクリレートと前記(B)と前記(D)との合計を100重量部とした場合に、前記(A)n-ブチルアクリレートと前記(B)を合計で80重量部以上の割合で含有するとともに、前記(C)を0.7~2.0重量部の割合で含有し、
前記水酸基を含有する共重合性ビニルモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択される少なくとも1種以上であり、
前記カルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択される少なくとも1種以上であり、
前記(D)が、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシブチル(メタ)アクリレート、2-(1-ナフチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ナフチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、6-(1-ナフチルオキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、6-(2-ナフチルオキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、8-(1-ナフチルオキシ)オクチル(メタ)アクリレート、および8-(2-ナフチルオキシ)オクチル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種以上であり、
前記(E)帯電防止剤は、融点が25℃以上であり、
前記フルオロ基含有アニオンは、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、BF4 -、AlF4 -、(FSO2)2N-、FSO3 -からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機のフルオロ基含有アニオン、または、フルオロ基含有のスルホネートアニオン(RSO3 -)、フルオロ基含有のカルボキシレートアニオン(RCOO-)、フルオロ基含有のアルコキシド又はフェノキシドアニオン(RO-)、フルオロ基含有の有機イミドアニオン(R2N-)、フルオロ基含有のメチド(R3C-)アニオン、フルオロ基含有の有機ボレート(R4B-)アニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、前記Rの少なくとも1以上として、フルオロ基含有の有機基を有するアニオンであることを特徴とする粘着剤組成物。 - 前記アクリル系ポリマーは、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(B)を5~40重量部の割合で含有するとともに、
前記(A)n-ブチルアクリレートと前記(B)と前記(D)との合計を100重量部とした場合に、前記(D)を20重量部以下の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。 - 前記(E)帯電防止剤が、フルオロ基含有アニオンとアンモニウムカチオンとからなるイオン性化合物であり、
前記フルオロ基含有アニオンが、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリフラートからなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。 - 前記アクリル系ポリマーが、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(B)t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、メチルアクリレートからなる群から選択された少なくとも1種以上の合計を5~40重量部と、の割合で含有してなり、且つ、(A)と(B)との比率(A)/(B)が1.0~17.8であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が積層されてなることを特徴とする粘着剤層付き光学フィルム。
- 偏光板の片面に、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が積層されてなることを特徴とする粘着剤層付き偏光板。
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