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JP7229864B2 - リモートセンシング画像取得時期決定システム、および、作物生育状況分析方法 - Google Patents
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JP7229864B2 - リモートセンシング画像取得時期決定システム、および、作物生育状況分析方法 - Google Patents

リモートセンシング画像取得時期決定システム、および、作物生育状況分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、リモートセンシング画像に基づいて、作物の生育状況等を分析もしくは推定する技術に係る。特に、画像情報を用いて作物の生育状況等を分析もしくは推定するために必要な画像取得時期の決定技術に関する。
衛星画像等のリモートセンシング画像を用い、植物による光の反射の特徴を利用して植生指標を計算し、植生の状況を把握することが知られている。例えば特許文献1の背景技術の項には、高解像度衛星データを用い、収穫前(1-2月前)の現地データ(収穫量データ、土壌サンプリングデータ、気温データ、降水量データなど)と、その時期取られた高解像度衛星画像を併用することにより、衛星画像から計測した植生指標(NDVI、EVI、LAIなど)を統計モデル(線形予測モデル、混合モデルなど)に入れて、収穫量推計を行うことが記載されている。
なお、NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)、EVI(Enhanced Vegetation Index)、LAI(Estimation of Leaf Area Index)はよく知られた植生指標の例である。
特許公開2015-188333号公報
作物の生育状況をリモートセンシング画像から把握する場合、期待する生育ステージ到達時期にある圃場(ほじょう)が多い時期(以下「最適期」という)に撮影を行うことが望ましい。
例えば、水稲の収穫量推定を行う場合には、撮影領域に含まれる全ての圃場が登熟期を迎えていることが理想である。穀物の種子が次第に発育・肥大することを登熟という。一般に、稲穂が出て、開花・受粉すると登熟を開始し、稲の場合は、開花から約40~50日間が登熟期となる。
しかし、現実には各圃場ごとに生育条件が異なるため、登熟期の時期はばらつく。水稲の収穫量推定のためには、撮影領域に含まれるできるだけ多くの圃場が登熟期を迎えている時期に、リモートセンシング画像を取得することが望ましい。
最適期のリモートセンシング画像を取得するためには、定期的に画像を撮影しておき、撮影後に好ましい時期の画像を抽出することも考えられる。しかし、高精度の分析や推計を行うのに好適な高分解能衛星データは高コストであるため、多数の高分解能画像を取得することを前提とする方式はコストの向上を招く。
また、人が実際に現地に赴いて調査し、最適期を決定することも考えられるが、同様に人的なコストの問題がある。
そこで、コストをできるだけ抑えながら、最適期に作物の生育状況分析のためのリモートセンシング画像の撮影を可能とする手法が望まれる。
本発明の好ましい一側面は、入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を備え、地表に分布する圃場を対象として、農作物の生育状況を把握するための、リモートセンシング画像の取得時期を決定するシステムである。このシステムは、時系列データである第1のリモートセンシング画像に基づいて、農作物の生育状況を予測するために用いる基準日を推定する、基準日推定部を備える。また、時系列データである気象データに基づいて、農作物の基準日以降の生育状況を予測して、農作物が特定の生育ステージに到達する時期を推定する、生育予測部を備える。また、農作物が特定の生育ステージに到達している圃場を最も多く撮影できる時期を、第2のリモートセンシング画像の取得時期として決定する、撮影適期決定部を備える。
本発明の他の好ましい一側面は、入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を用い、リモートセンシング画像を用いて、地表に分布する圃場を対象として、農作物の生育状況を把握する作物生育状況分析方法である。この方法では、時系列データである第1のリモートセンシング画像に基づいて、農作物の生育状況を予測するために用いる基準日を推定する。またこの方法では、時系列データである気象データに基づいて、農作物の基準日以降の生育状況を予測して、農作物が特定の生育ステージに到達する時期を推定する。また、この方法では、農作物が前記特定の生育ステージに到達している圃場を最も多く撮影できる時期を、第2のリモートセンシング画像の取得時期として決定する。
本発明のさらに具体的な形態では、第2のリモートセンシング画像から植生指標を計算し、植生指標を予め定めた統計モデルに適用し、農作物の生育状況を分析する。
最適期に作物の生育状況分析のためのリモートセンシング画像の撮影を可能とする手法を提供する。
作物生育状況分析システムの構成例を示すブロック図。 衛星画像データの構成例を示す模式図。 気象データの構成例を示す模式図。 GISデータの構成例を示す模式図。 作物生育状況分析システムにおける全体の処理のフロー図。 基準日推定処理の詳細フロー図。 生育予測処理の詳細フロー図。 生育予測処理での気象データ変化予測式決定方法を説明する概念図。 撮影適期決定処理で撮影適期を決定する方法を説明する概念図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本明細書で引用した刊行物、特許および特許出願は、そのまま本明細書の説明の一部を構成する。
本明細書において単数形で表される構成要素は、特段文脈で明らかに示されない限り、複数形を含むものとする。
<1.作物生育状況分析システムの概要>
図1は、発明の一実施形態に係る作物生育状況分析システムの概要を示すブロック図である。本実施例に係る作物生育状況分析システムは、作物生育状況分析装置100を構成要素とする。
本実施例の作物生育状況分析システムは、作物の育成状況を分析する機能のほか、分析のための画像の取得時期を決定する機能を含んでいるが、分析のための画像の取得時期を決定するためのリモートセンシング画像取得時期決定システムの部分を分離して構成することも可能である。
作物生育状況分析装置100は、例えば情報処理装置の一種であるサーバで構成されており、CPU(Central Processing Unit)101、半導体メモリなどのメモリ102、磁気ディスク装置などの補助記憶装置103、および入出力装置104を含む。そのほか、サーバに一般的に用いられる装置を備えていてもよい。
メモリ102には、プログラムとして基準日推定部105、生育予測部106、撮影適期決定部107、および作物生育状況分析部108が格納される。プログラムは、情報処理装置を作物生育状況分析装置100の各部として機能させうる。CPU101は、例えば補助記憶装置103からプログラムをメモリ102に読み出して実行することができる。
本実施例では計算や制御等の機能は、メモリ102に格納されたプログラムがCPU101によって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現される。CPU101が実行するプログラム、その機能、あるいはその機能を実現する手段を、「機能」、「手段」、「部」、「ユニット」、「モジュール」等と呼ぶ場合がある。
本実施例中、ソフトウエアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアでも実現できる。
作物生育状況分析装置100は、衛星画像データ110、気象データ120、GIS(Geographic Information System)データ130を処理すべきデータとする。
衛星画像データ110は時系列の画像データであり、地球観測衛星140等を用いて撮影される、例えばカラー静止画像である。衛星画像データ110の撮影範囲は、作物の生育状況の把握を行なう対象となる圃場が存在する領域(以下「対象領域」という)を含む。
気象データ120は時系列の気象データであり、対象領域における気温、降雨量、日照時間等から選択されたデータを含む。
GIS(Geographic Information System)は、対象領域における地形に関するデータであり、例えば標高や土地被覆分類図のデータを含む。
作物生育状況分析装置100は、衛星画像データ110、気象データ120、GISデータ130を用いて、対象領域において、作物が特定の生育ステージにある圃場が最も多くなる時期をリモートセンシング画像の撮影適期として決定する。以降、「撮影適期」とは、実施例のシステムが、撮影領域について、最適期として撮影に適していると推定した時期をいうものとする。
作物生育状況分析装置100の構成は、単体のサーバで構成してもよいし、あるいは、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、および入出力装置104の任意の部分が、ネットワークで接続された他のコンピュータで構成されてもよい。
衛星画像データ110、気象データ120、GISデータ130は、作物生育状況分析装置100と同一の管理者によって管理されていてもよく、例えばこれらは補助記憶装置103にデータベースとして記憶されていてもよい。また、これらのデータは、例えばネットワークで接続された第三者が管理する外部のデータベースから、入出力装置104を介して取得してもよい。
<2.衛星画像データ>
図2は、衛星画像データ110の構成例を示す模式図である。衛星画像データ110は、例えば地球観測衛星140により、対象領域を継続的かつ定期的に撮影を行なった画像である。衛星画像データ110は、対象領域を異なる日時に撮影した複数の静止画像201を含む。静止画像として、動画像の中の特定フレームを用いてもよい。
継続的に定期的に撮影を行なう場合には、高精度の分析や推計を行うのに好適な、比較的高分解能の画像よりも、低コストで取得できる比較的低分解能の画像とすることが好ましい。
図2中のA~Fで示す黒い四角マーク202は、最終的に収穫量推計等を行うために撮影を行いたい対象領域に含まれる全撮影対象圃場のうち、代表的な一部の圃場を、ほぼ同じ面積を持つ地区A~Fとしてサンプリングしたものである(以下「対象圃場地区」あるいは単に「地区」という)。対象圃場地区はユーザが予め定めておいてもよいし、後に説明するように作物生育状況分析システムが自動的に決定してもよい。対象圃場地区の数は任意である。
<3.気象データ>
図3は、気象データ120の構成を示す模式図である。気象データ120は、基本的に時系列のデータであり、対象領域を含む領域について、例えば観測日毎に時刻、気温、降水量、風向、風速、日照時間、積雪深等の気象データを、時系列に集計したものである。これらの気象データは例示であり、上記の一部のみを用いてもよいし、他の種類のデータを追加してもよい。
また、図3に示すように、対象圃場地区A~Fに対応した気象データを準備する。一般には、例えば公共機関から提供される気象データの地理的な粒度は、対象圃場地区の粒度とは異なる。よって、本実施例においては、公知の手法によって準備された気象データから、対象圃場地区の位置あるいは座標に対応したデータを抽出して各地区に対応付け、利用するものとする。
<4.GISデータ>
図4は、GISデータ130の構成を示す模式図である。対象領域を含む領域について数値標高モデル131および土地被覆分類図132を含む。
数値標高モデル131は、例えば緯度・経度の座標に対応して、標高(例えば海抜)の数値を記録したデータである。
また、土地被覆分類図132は、土地の被覆状況を、例えば水田、畑地、裸地、水域などの対象に分類したものであり、例えば緯度・経度の座標に対応して、土地被覆の種類を記録したデータである。土地被覆分類図132は、例えば衛星画像を用いて、対象によって分光反射特性が異なることを利用して作成することができる。
本実施例においては、公知の手法によって準備されたGISデータから、対象圃場地区A~Fの位置あるいは座標に対応したデータを抽出して利用するものとする。
<5.画像取得時期推定の全体処理フロー>
図5は、作物生育状況把握システムの処理フロー図である。まず、対象圃場地区設定処理S501では、最終的に収穫量推計等を行うために撮影を行いたい全撮影対象圃場のうち、代表的な一部の圃場を、ほぼ同じ面積を持つ地区A~Fとしてサンプリングする。面積は厳密に同じ必要はないが、±10%程度で均等であるのが望ましい。また、観測対象としたい全圃場を含む必要はなく、また地区A~Fに含まれる圃場数も同一の必要はない。
地区A~Fにおいて、圃場と建物等の圃場以外の地物が混在する場合、衛星画像データ110の分解能によっては、1画素内に圃場と圃場以外の地物が混在してしまい、求められる植生指標値は正確な作物生育状況を表さない。そのため、各地区においては圃場以外の地物を含まないのが望ましい。
サンプリングする地区A~Fはユーザが例えば数値標高モデル131と土地被覆分類図132とを見ながら選定してもよい。地区A~Fの選定上、地区A~Fの作物の育成状況のばらつきが、全撮影対象圃場の育成状況のばらつきを十分網羅していることが望ましい。
作物生育状況分析システムが自動的に地区A~Fを選定する場合には、基準日推定部105が、気象データ120やGISデータ130に基づいて、選定される地区A~Fの気象や地形のばらつきが、全撮影対象圃場のばらつきを可能な限り網羅できるよう選定する。システムによる計算としては、例えば地区A~Fのデータの分散が大きくなる(例えば最大あるいは、所定閾値を超える)ように選定すればよい。あるいは、公知の他の統計的な手法を用いてもよい。このように地区A~Fを選定することで、全撮影対象圃場の育成状況の差異を把握することができる。
基準日推定部105による他の処理の一例としては、例えば、全撮影対象圃場を標高の観点から「標高高」「標高中」「標高低」の3種類に分類し、さらに、降雨量の観点から「降雨量多」「降雨量中」「降雨量少」3種類に分類する。そして、すべての分類の組み合わせを網羅する、3×3=9種類に分類した結果から、全撮影対象圃場のばらつきを網羅できるように対象圃場地区を選定する。
なお、データ処理量のコストを無視すれば、全撮影対象圃場を等しい面積に分割し、全てについて以降の処理を行うことも可能である。
基準日推定処理S502では、基準日推定部105が、作物の生育状況を把握したい対象圃場から選定した複数の対象圃場地区に対し、地区毎に対象作物の生育状況を把握するための基準日を推定する。
生育予測処理S503では、生育予測部106が、各対象圃場地区において、基準日推定処理S502で推定された基準日以降の気象データの変化を予測し、各対象圃場地区における特定の生育ステージへの到達時期を予測する。
撮影適期決定処理S504では、撮影適期決定部107が、生育予測処理S503で求めた生育予測結果に基づいて、リモートセンシング画像の撮影適期を決定する。
リモートセンシング画像撮影処理S505では、地球観測衛星140が、対象領域のリモートセンシング画像を撮影する。地球観測衛星140に対する撮影の指示は、別途地球観測衛星140の運用者(以下「観測衛星運用者」という)が行う。観測衛星運用者に対する撮影の場所、時間等の指示は、作物生育状況分析装置100から観測衛星運用者に対してオンラインで、あるいは、オフラインで人を介して行う。
地球観測衛星140で撮影された(第2の)リモートセンシング画像は、生育状況分析で求める精度に影響するため、高精度で分析を行いたい場合には基準日推定処理S502で用いた(第1の)リモートセンシング画像より高精細であることが望ましい。(第2の)リモートセンシング画像は、観測衛星運用者を経由して、オンライン、あるいは、人を介して作物生育状況分析装置100に入力される。
なお、(第2の)リモートセンシング画像は、(第1の)リモートセンシング画像を取得した設備と同じ設備で取得してもよいし、異なる設備で取得してもよい。例えば、(第1の)リモートセンシング画像が第1の地球観測衛星140-1で取得した画像であり、(第2の)リモートセンシング画像が、第1の地球観測衛星140-1と異なる第2の地球観測衛星140-2で取得した画像であってもよい。
植生指標計算処理S506では、作物生育状況分析部108が、撮影されたリモートセンシング画像を元にして、公知の手法で植生指標を計算する。そして、背景技術の項で述べたように、NDVI、EVI、LAIなどの植生指標を統計モデルに適用して、収穫量推計等の分析を行う(特許文献1参照)。
<6.基準日推定処理>
図6は、基準日推定部105による、基準日推定処理S502の処理フロー図である。まず、対象作物の生育状況を把握するための基準日に関する生育記録情報があるかどうか判定する(S601)。基準日とは、育成の起点となる日であり、例えば、稲の場合、出穂日、穂揃日、開花日、田植日、発芽日等を任意に設定することができる。茎から穂の先端が少しでも出ていることを出穂といい、出穂した穂が、水田全体で40~50%が達した日を出穂日とする。また、茎が水田全体で80~90%出穂した時を穂揃日とする。
対象作物について現地で生育状況を調査した育成記録情報がある場合には、当該情報を記録した生育調査記録610を参照し、過去に記録された基準日に基づいて、各対象圃場地区の基準日を推定する(S602)。推定は自動的に行ってもよいし、人が経験に基づいて推定したものをデータとして入力してもよい。生育調査記録610とは、例えば圃場毎の移植日に関する記録などを指す。また、生育調査記録610に出穂日や穂揃日そのものの記録があるときには、そのものを基準日として用いればよい。
現地での圃場観察により対象作物について生育状況を調査した結果がない場合には、リモートセンシング画像を用いて基準日の推定を行う。対象圃場地区A~Eを含む衛星画像データ110から、時系列の画像データを衛星画像読み込み処理(S603)で読み込む。読み込んだそれぞれの衛星画像に基づいて各対象圃場地区における植生指標値を算出する(S604)。各対象圃場地区で求めた植生指標値の時間変化から対象作物の生育状況を把握するための基準日を推定する(S605)。
本実施例の基準日推定処理S502では、圃場レベルでの植生指標値を求めるのではなく、圃場の集合体(地区)レベルでの植生指標値を求めるため、入力データである時系列衛星画像データ110は、空間分解能より時間分解能が優れているのが望ましい。例えば、MODIS(中分解能撮像分光放射計)画像のような、空間分解能は低くても、毎日撮影するような高頻度撮影衛星画像が適している。また衛星画像の代わりに、航空機やドローンなどで撮影した空中写真に基づいて、植生指標値を算出してもよい。
S604で算出される植生指標値は、例えば、次式で表されるNDVIを用いる。また、入力する衛星画像データ110として用いる、時系列の衛星画像の撮影バンド構成や、把握したい基準日を特定する植生指標などを考慮して、他の植生指標値を用いてもよい。
NDVI=(IR-R)/(IR+R)
ここで、Rは赤色バンドの観測値、IRは近赤外バンドの観測値である。上記のようにNDVIは、植物体によって反射される近赤外バンドとクロロフィルが吸収する赤色バンドの反射率の差を和で除したものであり、植物体の量や活性度の高さを示す指標として用いることができる。
S605では、S604で算出された植生指標値の時間変化から、対象作物の生育状況を分析し、生育状況を把握するための基準日を推定する。例えば、NDVIの時系列的変化を用いた生育状況の推定に関しては、「リモートセンシングによる水稲生育ステージの評価法」 独立行政法人 農業環境技術研究所 生態系計測研究領域 坂本利弘、平成18年革新的農業技術習得研修(http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/techdoc/inovlec2006/7_sakamoto.pdf)等の文献があり、当該技術を本実施例の一部に適用することができる。
<7.生育予測処理>
図7は、生育予測部106による、生育予測処理S503の処理フロー図である。各対象圃場地区における過去複数年の時系列気象データ120Aから、対象作物の生育状況に影響を与える気象データについて、各地区における気象データの変化予測式を決定する(S701)。
一般的に、水稲や麦、大豆など圃場で栽培される農作物の生育状況や収穫量の推定・予測は、種蒔(しゅじ)や定植・移植をおこなった日、あるいは出穂日等を基準日として、基準日以降の気温に基づいて基準日以降の生育状況の把握を行うことができる。この把握で最も一般的に用いられるのは、日々の平均気温のうち、一定の基準値を超えた分を取り出し合計した有効積算温度と呼ばれる指標であり、この値が一定の値を超えた時に一定の生育状況に達すると予測する。このように有効積算温度によって作物の生育状況が影響を受ける場合においては、気象データとして気温を抽出する。そして、各地区において、観測日を横軸、平均気温を縦軸として平均気温の変動を示した、日別平均気温変化曲線のグラフに基づき、日別平均気温の変化予測式を算定する。
次に各地区における当年の時系列気象データ120Bと、S701で求めた気象データ変化予測式から、当年の基準日以降の気象データの変化を予測する(S702)。例えばS702で日別平均気温変化曲線から変化予測式を決定する場合には、過去の日別平均気温変化曲線を特性別のパターンに分類して、当年のデータと比較し、最も類似した時間変化を示すパターンの変化予測式を採用する。
図8は、横軸に時間(日)、縦軸に平均気温(摂氏)を取り、A~Fの地区ごとの日別平均気温変化曲線を示したものである。上から「生育状況が平年並み(平均的気温)」、「生育状況が平年より良好(高温)」、「生育状況が平年より不良(低温)」の3つに分類されている。
図8に示すように、例えば、対象作物の生育状況を平均的、高温、低温の3通りのパターンに分類することができる。気象データ変化予測(S702)では、これらの日別平均気温変化曲線と、当年の日別平均気温の変動状況とを比較し、最も類似するパターンに基づく変化予測式から、将来の日別平均気温の変動状況を予測できる。
続いてS702で求めた各地区における将来気象データの変動予測結果と、S602またはS605で求めた基準日の推定結果に基づき、各地区において対象作物が基準日以降、特定の生育ステージに到達する時期を推定する生育状況予測を行う(S703)。
本実施例では、気象データ変化予測(S702)による予測データを用いて基準日からの積算気温を計算し、基準日からの積算気温が一定の値に到達する時期を特定の生育ステージの到達日、また積算気温が一定の範囲にある時期を生育ステージの期間とする(S703)。
例えば、特定の生育ステージとして、水稲の収穫期に達する時期を推定したい場合、基準日を出穂日あるいは穂揃日とし、出穂後積算気温が一定の範囲にある時期を収穫期とする。また、例えば水稲の出穂期を推定したい場合、基準日を移植日や幼穂形成期とし、基準日以降の積算気温が一定の範囲にある時期を出穂期とする。
<8.撮影適期決定処理>
撮影適期決定処理S504では、撮影適期決定部107が、生育予測処理S503で求めた各対象圃場地区が特定の生育ステージにある期間を各地区における撮影期間として、最も多くの対象圃場地区が撮影期間にある時期を抽出して、撮影適期とする。
各地区における撮影期間は、例えば、生育予測処理S503で求めた生育ステージに到達日を撮影開始日、生育ステージにある最終日を撮影終了日、その間を撮影期間として解析的に定める。あるいは、対象作物やその生育ステージ、天候条件、撮影条件などを考慮して、生育ステージの到達日を撮影開始日として、任意の日数を撮影期間として定める。
図9に各対象圃場地区の撮影期間から、対象領域におけるリモートセンシング画像の撮影適期を決定する方法の概念を示す。リモートセンシング画像の撮影対象となる各対象圃場地区を縦軸に、暦日を横軸として、各地区の撮影期間をハッチングで図示している。最も早い撮影開始日から最も遅い撮影終了日までの期間において、撮影期間にある地域が最も重複している期間901を撮影適期とする。例えば、図9では(d-2)~(d+2)の期間が、A地区からF地区までの6地区全てが撮影期間にあることから、撮影適期と決定される。
対象領域の収穫量推計等を行うためには、地球観測衛星140からの撮影は、撮影適期期間内で最低1回行えばよい。収穫量推計を行なうような高分解能衛星の場合、衛星軌道の都合で毎日撮影できるとは限らず、一般には数日に一度程度しか撮影が可能ではない。また、光学センサーのため天候条件等で撮影できない日も発生する為、撮影適期はある程度幅を持たせることが望ましい。
<9.リモートセンシング画像取得および植生指標計算>
撮影適期決定処理S504で決定された撮影適期に、地球観測衛星140は高コストだが十分に高画質(高精細)な画像を取得することができる(S505)。
取得された高画質のリモートセンシング画像110は、作物生育状況分析部108により処理され、収穫量推計等に適した植生指標が計算される(S506)。当該植生指標計算技術に関しては、例えば特許文献1等の公知技術がある。
図7と図8で示した生育予測処理を行う他の方式として、人口知能(AI)を利用してもよい。例えば、気象データを入力として特定の生育ステージに到達する時期を出力とするDNN(Deep Neural Network)を利用し、過去の気象データと経験者が特定した予測時期を教師データとしてAIの学習を行ない、学習済みのAIを用いて生育予測処理を行ってもよい。
以上説明したように、科学技術の発展にともない、農作物の生育状況や収穫量予測に、人工衛星や航空機・ドローン等から取得した光学的なリモートセンシング画像を用いる技法が研究、実運用で利用されている。
本実施例では、分析に好適な良質のリモートセンシング画像を低コストで取得することができる。そして、光学リモートセンシング画像から算出される植生指標等に基づき、低コストで収穫量推計をおこなうことができる。
リモートセンシング画像を取得する際に用いる人工衛星等機材の仕様によって、画像の分解能あるいは撮影可能範囲が異なるため、航空機やドローンで取得した空中写真や高分解能衛星画像を用いる場合には圃場単位で、中~低分解能衛星画像を用いる場合には複数圃場を纏めた地域単位での生育状況の把握に適している。いずれのリモートセンシング画像を用いた場合であっても、複数の圃場を1回の撮影で撮影できるため、個々圃場に対して現地調査を繰り返しおこなう従来の方法と比べて、広範囲に均質な生育状況を効率的に把握することが可能である。
作物生育状況分析装置100、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、入出力装置104、基準日推定部105、生育予測部106、撮影適期決定部107、作物生育状況分析部108、衛星画像データ110、気象データ120、GISデータ130、地球観測衛星140

Claims (10)

  1. 入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を備え、
    地表に分布する圃場を対象として、農作物の生育状況を把握するための、リモートセンシング画像の取得時期を決定するシステムであって、
    時系列データである第1のリモートセンシング画像に基づいて、農作物の生育状況を予測するために用いる基準日を推定する、基準日推定部、
    時系列データである気象データに基づいて、農作物の基準日以降の生育状況を予測して、農作物が特定の生育ステージに到達する時期を推定する、生育予測部、
    農作物が前記特定の生育ステージに到達している圃場を最も多く撮影できる時期を、第2のリモートセンシング画像の取得時期として決定する、撮影適期決定部、
    を備えるリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  2. 前記第2のリモートセンシング画像は、前記第1のリモートセンシング画像より高精細である、
    請求項1記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  3. 前記基準日推定部は、
    前記第1のリモートセンシング画像に基づいて植生指標値を算出し、該植生指標値の時間変化から前記基準日を推定する、
    請求項1記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  4. 前記基準日は、出穂日または出穂揃日である、
    請求項3記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  5. 前記生育予測部は、
    過去の時系列気象データから、対象作物の生育状況に影響を与える気象データについて、変化予測式を決定し、
    前記変化予測式から、前記基準日以降の気象データの変化を予測し、
    前記気象データの変化に基づいて、農作物の基準日以降の生育状況を予測して、農作物が特定の生育ステージに到達する時期を推定する、
    請求項1記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  6. 前記気象データは気温データであり、
    予測された前記気温データの変化に基づいて、日々の平均気温のうち、一定の基準値を超えた分を取り出し合計して積算温度を得、この値が一定の値を超えた時に農作物が一定の生育状況に達すると予測する、
    請求項5記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  7. 前記基準日推定部は、
    農作物の生育状況を把握する対象となる全ての圃場の一部から、基準日を推定する対象となる対象圃場地区をサンプリングする、
    請求項1記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  8. 前記基準日推定部は、
    前記気象データおよびGISデータの少なくとも一つを用い、前記対象圃場地区のデータの分散が大きくなるようにサンプリングする、
    請求項7記載のリモートセンシング画像取得時期決定システム。
  9. 入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を用い、リモートセンシング画像を用いて、地表に分布する圃場を対象として、農作物の生育状況を把握する作物生育状況分析方法であって、
    時系列データである第1のリモートセンシング画像に基づいて、農作物の生育状況を予測するために用いる基準日を推定し、
    時系列データである気象データに基づいて、農作物の基準日以降の生育状況を予測して、農作物が特定の生育ステージに到達する時期を推定し、
    農作物が前記特定の生育ステージに到達している圃場を最も多く撮影できる時期を、第2のリモートセンシング画像の取得時期として決定する、
    作物生育状況分析方法。
  10. 前記第2のリモートセンシング画像から植生指標を計算し、
    前記植生指標を予め定めた統計モデルに適用し、
    農作物の生育状況を分析する、
    請求項9記載の作物生育状況分析方法。
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