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JP7230292B2 - 制動制御装置 - Google Patents
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JP7230292B2 - 制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動運転時の制動を制御する制動制御装置に関する。
従来、車速を自動制御するアダプティブクルーズコントロール(以下、「ACC」とする)システムが知られている。ACCシステムは、先行車がない場合には設定された速度を維持し、先行車がある場合には車間距離を維持するように、自車の車速を制御する。また、先行車が停車した場合に自車も自動的に停車させるACCシステムも開発されている。例えば、特許文献1には、このようなACCシステムが開示されている。
ACCシステムにおける停車制御は、所望の停車位置に停車するように目標減速度を設定し、実際の減速度が当該目標減速度に一致するようにフィードバック制御を行う。減速度の調整は、例えば、液圧ポンプを駆動させてブレーキ液圧を増圧したり、減圧バルブを開放させてブレーキ液圧を減圧することで行われる。また、停車制御においては、搭乗者に不快感をいだかせないスムーズな停車を実現するために、停車直前に目標減速度を小さくすることでブレーキ液圧を減圧して、減速度を低下させる制御を行うものがある。このような停車時の制御を、以下では、「ソフトストップ制御」と記載する。当該ソフトストップ制御により、停車までブレーキをかけ続けることで生じる、いわゆるカックンブレーキを抑制でき、搭乗者に不快感をいだかせないスムーズな停車を実現できる。なお、本明細書においては、「減速度」は、車1の進行方向とは反対向きに発生する加速度を意味し、車1の速度が減少する場合の減速度を正の値とする。
特開2007-22135号公報
一方、液圧ポンプに廉価なポンプを用いている場合や、車両の遮音性が低い場合には、液圧ポンプの作動音を抑制するために、緊急時などを除き、液圧ポンプは、最大回転数では使用されず、回転数を抑制して使用される。液圧ポンプが駆動しても無効液量によりブレーキ液圧はすぐに増圧されず、回転数を抑制した場合は、ブレーキ液圧の増圧はさらに遅くなる。したがって、実際の減速度は目標減速度よりかなり遅れて上昇する。
図5は、上記停車制御における車速等の変化を示すタイムチャートである。同図(a)は、破線で目標減速度の時間変化を示し、実線で実際の減速度の時間変化を示している。また、同図(b)は、ブレーキ液圧の時間変化を示している。同図(c)は、車速の時間変化を示している。なお、本明細書で参照するタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。
図5においては、時刻t1において、減速のために目標減速度(図5(a)の破線参照)の上昇が開始され、時刻t2から時刻t3の間、目標減速度が所定値で固定されている。実際の減速度(図5(a)の実線参照)は、目標減速度からかなり遅れて上昇している。そして、時刻t2で目標減速度が固定されても上昇を続け、目標減速度を超えている。この間、ブレーキ液圧も上昇を続け(図5(b)参照)、車速は減少を続けている(図5(c)参照)。
そして、時刻t3において、車速が所定速度V0以下になったことで、ソフトストップ制御が開始されている。ソフトストップ制御では、目標減速度が、徐々に減少され、時刻t4で停車のために必要な最低減速度Gfになるように設定されている(図5(a)の破線参照)。減速開始時の車速がある程度大きい場合は、車速が所定速度V0以下になるまでにある程度の時間があるので、実際の減速度が目標減速度に追従して、ソフトストップ制御の開始時には、実際の減速度と目標減速度との差が小さくなる。しかし、減速開始時の車速が小さい場合、車速が所定速度V0以下になるまでの時間が短いので、図5(a)に示すように、時刻t3における実際の減速度と目標減速度との差が大きい状態で、ソフトストップ制御が開始される。この場合、減速度を目標減速度に一致させるために、ブレーキ液圧を大きく減圧するように、減圧バルブが調整される。これにより、時刻t4の手前で、実際の減速度が目標減速度をオーバーシュートして、最低減速度Gfを下回っている(図5(a)参照)。実際の減速度が「0」を下まわる場合、車速が上昇して(図5(c)参照)、時刻t5で停車(車速が「0」)するまでに時間がかかっている。時刻t4から時刻t5までの期間も車の走行が続き、停車までの走行距離が延びる。これにより、搭乗者は空走感を感じる。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、液圧ポンプの作動音の抑制と、ソフトストップ制御での停車時の空走感の抑制とを両立することができる制動制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される制動制御装置は、先行車に追従する自動運転時に、目標減速度と実際の減速度とに基づいて、液圧ポンプを駆動させることでブレーキ液圧を増圧させ、液圧バルブを開放させることでブレーキ液圧を減圧させて、ブレーキを制御する制動制御装置であって、緊急時以外のブレーキ液圧増圧時には、モータの回転数を抑制して前記液圧ポンプを駆動させることで増圧を遅らせており、停車時の制御において、停車の直前にブレーキ液圧を減圧させるように前記目標減速度を設定する目標減速度設定部と、停車に必要な最低減速度に対応するブレーキ液圧である液圧ガード値を設定する液圧ガード値設定部と、検出されたブレーキ液圧が前記液圧ガード値以下になったときに、前記液圧バルブを閉鎖させる液圧比較部とを備えることを特徴とする。
本発明によると、停車に必要な最低減速度に対応する液圧ガード値が設定され、検出されたブレーキ液圧が液圧ガード値以下になったときに、液圧バルブが閉鎖される。これにより、ブレーキ液圧の減少が停止され、減速度が最低減速度に固定される。したがって、作動音を抑制するために回転数を抑制して液圧ポンプを駆動させることでブレーキ液圧の増圧を遅らせていても、停車の直前にブレーキ液圧を減圧させる際に、減速度が最低減速度を下回って、停車までの走行距離が延びることを抑制できる。これにより、ソフトストップ制御での停車時に搭乗者が空走感を感じることを抑制できる。つまり、液圧ポンプの作動音の抑制と、ソフトストップ制御での停車時の空走感の抑制とを両立することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る制動制御装置が適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 第1実施形態に係るソフトストップ制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。 ソフトストップ制御を含む停車制御における車速等の変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る制動制御装置が適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 従来の制動制御装置による停車制御における車速等の変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る制動制御装置が適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、車1は、制動ECU(Electric Control Unit)2、ACC(Adaptive Cruise Control)-ECU3、車速センサ41、加速度センサ42、回転数センサ43、ブレーキ液圧センサ44、液圧ポンプ5、および液圧バルブ6を備えている。なお、車1はその他の構成も備えているが、図1においては記載を省略している。
ACC-ECU3は、アダプティブクルーズコントロールを実行するための電子制御を行うECUであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。ACC-ECU3は、ミリ波レーダによる検出結果またはカメラによって撮像された画像などから、先行車との距離および相対速度などの情報を検出し、加速または減速の必要性を判断する。ACC-ECU3は、加速または減速が必要と判断した場合は、図示しないエンジンECUに指令を出力して、エンジンの出力を調整させる。また、ACC-ECU3は、減速が必要と判断し、エンジンの出力調整だけでは目標の速度に減速できない場合、制動ECU2に指令を出力して、ブレーキを作動させる。また、ACC-ECU3は、先行車が停車した場合、制動ECU2に指令を出力して、ブレーキを作動させて停車させる。
車速センサ41は、車1の車速を検出するセンサである。車速センサ41は、車輪の回転に同期したパルス信号を生成し、制動ECU2に出力する。制動ECU2は、車速センサ41から入力されるパルス信号の周波数に基づいて、車1の車速を算出する。なお、車速センサ41の検出信号(パルス信号)は、制動ECU2以外のECUに入力されてもよく、制動ECU2は、当該ECUが算出した算出値(車速)を入力されてもよい。以下の各センサについても同様である。
加速度センサ42は、車1の前後方向に作用する加速度を検出するセンサである。加速度センサ42は、内部に備えるおもりの変位に応じた検出信号を制動ECU2に出力する。制動ECU2は、入力された検出信号に基づいて、加速度を算出する。
回転数センサ43は、エンジン回転数を検出するセンサである。回転数センサ43は、例えばクランクシャフトの回転に同期したパルスを生成し、制動ECU2に出力する。制動ECU2は、回転数センサ43から入力されるパルス信号の周波数に基づいて、エンジン回転数を算出する。
ブレーキ液圧センサ44は、ブレーキ液圧を検出するセンサである。ブレーキ液圧センサ44は、ホイールシリンダのブレーキ液圧に応じた検出信号を制動ECU2に出力する。制動ECU2は、入力された検出信号に基づいて、ブレーキ液圧を算出する。なお、制動ECU2は、液圧ポンプ5の吐出量に基づいてブレーキ液圧を演算してもよい。
液圧ポンプ5は、制動ECU2からの増圧指令に応じて駆動し、ホイールシリンダのブレーキ液圧を増圧させることにより、制動力を増加させる。液圧ポンプ5は、電動モータを有している。電動モータは、増圧指令に応じた回転数で回転する。制動ECU2は、例えば緊急時などには、ブレーキ液圧を急速に増圧させるための増圧指令を出力する。当該増圧指令を入力された場合、液圧ポンプ5は、電動モータを最大回転数で回転させることで、ブレーキ液圧を急速に増圧させる。一方、制動ECU2は、緊急時など以外の通常時には、ブレーキ液圧をゆっくり増圧させるための増圧指令を出力する。当該増圧指令を入力された場合、液圧ポンプ5は、電動モータを所定の抑制回転数で回転させることで、ブレーキ液圧をゆっくり増圧させる。最大回転数で電動モータを回転させると、液圧ポンプ5の作動音は大きくなる。したがって、制動ECU2は、緊急を要さない場合には、電動モータを抑制回転数で回転させて、作動音を抑制している。この場合、最大回転数で電動モータを回転させたときと比べると、ブレーキ液圧の増圧に遅れが生じる。本実施形態において、抑制回転数は、低車速時(例えば0~20km/h)には最大回転数の例えば10~20%程度とし、高車速時(例えば50~100km/h)には最大回転数の例えば20~40%程度としている。低車速時には作動音がより気になるので、抑制回転数をより小さい回転数にすることで、作動音をより抑制している。
液圧バルブ6は、制動ECU2からの指令に応じて駆動し、ホイールシリンダのブレーキ液圧を調整する。液圧バルブ6は、制動ECU2からの減圧指令に応じて開放され、ホイールシリンダの液圧を減圧させることにより、制動力を減少させる。また、液圧バルブ6は、制動ECU2からの指令がないときは閉鎖され、ブレーキ液圧を保持する。
制動ECU2は、ブレーキを制御するための電子制御を行うものであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。制動ECU2は、例えばVSC(Vehicle Stability Control)などの制御において、各車輪の制動力を個別に制御することで横滑りを防止する。なお、VSCの制御の詳細の説明は省略する。また、制動ECU2は、アダプティブクルーズコントロールの制御において、ACC-ECU3から入力される指令に基づいてブレーキ液圧の調整を行うことで、ブレーキを制御する。具体的には、制動ECU2は、ACC-ECU3から作動指令が入力された場合に、液圧ポンプ5を駆動させてブレーキ液圧を増圧させることでブレーキを作動させる。また、解除指令が入力された場合に、液圧バルブ6を開放させてブレーキ液圧を減圧させることでブレーキを解除する。本実施形態では、制動ECU2は、ブレーキを作動させて車1を停車させる場合、ブレーキ液圧を増圧させてブレーキを作動させ、停車直前にブレーキ液圧を減圧させて減速度を低下させるソフトストップ制御を行う。これにより、搭乗者に不快感をいだかせないスムーズな停車を実現する。制動ECU2は、現在の減速度を目標減速度に一致させるフィードバック制御を行うことで、ブレーキの制御を行う。
また、本実施形態では、制動ECU2は、ソフトストップ制御において、停車直前に減速度を低下させる際に、減速度が低下し過ぎることによる空走を抑制する機能を備えている。具体的には、制動ECU2は、路面勾配(下り坂)やクリープ現象により車1が前進することなく停車を維持させるために必要な減速度である最低減速度Gfを算出する。また、制動ECU2は、当該最低減速度Gfに対応するブレーキ液圧である液圧ガード値Pfを設定する。そして、制動ECU2は、ブレーキ液圧が液圧ガード値Pfを下回らないようにする。制動ECU2が本発明の「制動制御装置」に相当する。制動ECU2は、機能ブロックとして、勾配検出部21、駆動力算出部22、最低減速度算出部23、減速度算出部24、目標減速度設定部25、調整部26、液圧ガード値設定部27、および液圧比較部28を備えている。
勾配検出部21は、車1が停車する道路の路面勾配を検出する機能ブロックである。勾配検出部21は、加速度センサ42によって検出された加速度、および、車速センサ41によって検出された車速に基づいて、車1の前後方向の路面勾配を検出する。勾配検出部21は、車1の前後方向の加速度から、車速の微分値である車速の変化による加速度成分を減算することで、重力による加速度成分を算出する。勾配検出部21は、重力による加速度成分に基づいて、車1の前後方向における傾斜を演算する。そして、演算結果を、車1の前後方向に平行である路面勾配として出力する。本実施形態では、勾配検出部21は、下り坂(車1の前が後より低い)の場合に路面勾配を正の値とし、登坂(車1の前が後より高い)の場合に路面勾配を負の値として出力する。なお、勾配検出部21は、車1の積荷による傾きや気温による加速度センサ42の誤差を補正して、路面勾配を検出してもよい。また、車1が傾斜センサを備え、勾配検出部21が傾斜センサの検出値に基づいて路面勾配を演算してもよい。勾配検出部21は、検出した路面勾配を最低減速度算出部23に出力する。
駆動力算出部22は、車1に発生する駆動力を検出する機能ブロックである。駆動力算出部22は、回転数センサ43によって検出されたエンジン回転数に基づいてトルクを算出し、トルクに応じた駆動力を算出する。アクセルを操作していなくても、例えばエアコンなどの使用によりエンジン回転数は変化する。エンジン回転数が変化すると、発生する駆動力も変化する。停車時のクリープ現象を発生させる駆動力を正確に検出するために、駆動力算出部22は、検出されたエンジン回転数から駆動力を算出している。駆動力算出部22は、算出した駆動力を最低減速度算出部23に出力する。なお、制動ECU2は、駆動力算出部22で駆動力を算出する代わりに、エンジンECUで算出された駆動力を用いてもよい。
最低減速度算出部23は、最低減速度Gfを算出する機能ブロックである。最低減速度算出部23は、勾配検出部21から入力される路面勾配と、駆動力算出部22から入力される駆動力とに基づいて、最低減速度Gfを算出する。路面勾配が大きいほど、重力の車1の前後方向に働く成分が大きくなって、車1を前進させる力が大きくなるので、これに対向するためにはより大きな減速度が必要になる。また、車1に発生している駆動力が大きいほど、クリープ現象により車1を前進させる力が大きくなるので、これに対向するためにはより大きな減速度が必要になる。したがって、最低減速度Gfは、路面勾配が大きいほど大きくなり、駆動力が大きくなるほど大きくなるように算出される。なお、最低減速度Gfは、所定の演算式により算出されてもよいし、あらかじめ設定されたマップに基づいて決定されてもよい。
減速度算出部24は、車1の車速の変化による現在の減速度を算出する機能ブロックである。減速度算出部24は、車速センサ41によって検出された車速の微分値を算出することで、車1の車速の変化による前後方向の減速度を算出する。減速度算出部24は、算出した減速度を目標減速度設定部25に出力する。
目標減速度設定部25は、車1の目標減速度を設定する機能ブロックである。目標減速度設定部25は、ACC-ECU3から入力される作動指令に応じて、目標減速度を設定する。目標減速度設定部25が設定する目標減速度は、先行車との距離や設定車速などに応じて変化する。また、目標減速度設定部25は、車1の車速が所定速度V0以下になった以降は、ソフトストップ制御のための目標減速度を設定する。所定速度V0は、車1の減速度に応じて異なり、あらかじめ設定されたマップに基づいて決定される。目標減速度設定部25は、ソフトストップ制御の開始時に、車速センサ41が検出した現在の車速と、減速度算出部24が算出した現在の減速度と、最低減速度算出部23が算出した最低減速度Gfと、あらかじめ設定されている停車までの時間とに基づいて、目標減速度の理想的な変化のためのプロファイルを設定する。本実施形態では、目標減速度の時間変化が正弦波曲線になるように設定される(後述する図3の破線の時刻t3~t4参照)。そして、目標減速度設定部25は、当該プロファイルに応じた目標減速度を調整部26に出力する。
調整部26は、現在の減速度を目標減速度に一致させるフィードバック制御を行う機能ブロックである。調整部26は、減速度算出部24から入力される現在の減速度と、目標減速度設定部25から入力される目標減速度との差に基づいて、現在の減速度を目標減速度に近づけるためにブレーキ液圧を調整する。調整部26は、現在の減速度が目標減速度より小さい場合、液圧ポンプ5を駆動させることでブレーキ液圧を増圧させて、減速度を大きくする。一方、調整部26は、現在の減速度が目標減速度より大きい場合、液圧バルブ6を開放させることでブレーキ液圧を減圧させて、減速度を小さくする。液圧バルブ6の開度は、現在の減速度と目標減速度との差に応じて調整される。なお、調整部26が行うフィードバック制御の手法は限定されない。
液圧ガード値設定部27は、最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する機能ブロックである。液圧ガード値設定部27は、最低減速度Gfと液圧ガード値Pfとの対応関係をマップ化して記憶しており、最低減速度算出部23から入力される最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを当該マップから読み出して設定する。液圧ガード値設定部27は、設定した液圧ガード値Pfを液圧比較部28に出力する。なお、液圧ガード値設定部27は、路面勾配および駆動力と液圧ガード値Pfとの対応関係をマップ化して記憶し、勾配検出部21から路面勾配を入力され、駆動力算出部22から駆動力を入力され、これらに基づいて液圧ガード値Pfを設定してもよい。
液圧比較部28は、現在のブレーキ液圧と液圧ガード値Pfとを比較する機能ブロックである。液圧比較部28は、ブレーキ液圧センサ44が検出した現在のブレーキ液圧と、液圧ガード値設定部27から入力される液圧ガード値Pfとを比較する。液圧比較部28は、現在のブレーキ液圧が液圧ガード値Pf以下になった場合、調整部26による制御に関係なく、液圧バルブ6を閉鎖させる。これにより、ブレーキ液圧は液圧ガード値Pfに固定され、減速度は最低減速度Gfに固定される。
図2は制動ECU2が行うソフトストップ制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。制動ECU2は、ACC-ECU3から作動指令を入力されると、車1を減速させるために、ブレーキ液圧を調整する。ソフトストップ制御処理は、車速が所定速度V0以下になったときに開始される。
まず、目標減速度の理想的な変化のためのプロファイルが設定される(S1)。具体的には、目標減速度設定部25が、車速センサ41が検出した現在の車速と、減速度算出部24が算出した現在の減速度と、最低減速度算出部23が算出した最低減速度Gfと、あらかじめ設定されている停車までの時間とに基づいて、目標減速度の理想的な変化のためのプロファイルを設定する。次に、液圧ガード値Pfが設定される(S2)。具体的には、最低減速度算出部23が、勾配検出部21から入力される路面勾配と、駆動力算出部22から入力される駆動力とに基づいて、最低減速度Gfを算出する。そして、液圧ガード値設定部27が、対応関係のマップに応じて、当該最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する
次に、目標減速度のプロファイルから目標減速度が読み出され(S3)、現在の減速度が検出される(S4)。そして、現在の減速度と目標減速度との差に応じて、液圧バルブ6の開度が調整される(S5)。具体的には、調整部26が、減速度算出部24から入力される現在の減速度と、目標減速度設定部25から入力される目標減速度との差に基づいて、現在の減速度を目標減速度に近づけるためにブレーキ液圧を調整する。ソフトストップ制御処理では、目標減速度を低下させていくので、現在の減速度は目標減速度より大きくなり、液圧バルブ6が開放される。
次に、現在のブレーキ液圧が検出され(S6)、現在のブレーキ液圧が設定された液圧ガード値Pf以下であるか否かが判別される(S7)。現在のブレーキ液圧が設定された液圧ガード値Pfより大きい場合(S7:NO)、ステップS3に戻り、ステップS3~S7が繰り返される。一方、現在のブレーキ液圧が設定された液圧ガード値Pf以下の場合(S7:YES)、液圧バルブ6が閉鎖されて(S8)、ソフトストップ制御処理が終了される。
ソフトストップ制御処理の実行中に、ACC-ECU3から解除指令が入力された場合、ソフトストップ制御処理は終了される。この場合、制動ECU2は、液圧バルブ6を開放させて、ブレーキ液圧を減圧させる。なお、制動ECU2が行うソフトストップ制御処理は、上述したフローチャートに示すものに限定されない。ソフトストップ制御処理が終了し、車1が停車状態であると判定された場合、制動ECU2は、液圧ポンプ5を駆動させ、ブレーキ液圧を増圧させて、停車した車1に制動力を働かせる。
図3は、ソフトストップ制御を含む停車制御における車速等の変化を示すタイムチャートである。同図(a)は、破線で目標減速度の時間変化を示し、実線で実際の減速度の時間変化を示している。また、同図(b)は、ブレーキ液圧の時間変化を示している。同図(c)は、車速の時間変化を示している。
図3においては、時刻t1において、減速のために目標減速度(図3(a)の破線参照)の上昇が開始され、時刻t2から時刻t3の間、目標減速度が所定値で固定されている。実際の減速度(図3(a)の実線参照)は、目標減速度からかなり遅れて上昇している。そして、時刻t2で目標減速度が固定されても上昇を続け、目標減速度を超えている。この間、ブレーキ液圧も上昇を続け(図3(b)参照)、車速は減少を続けている(図3(c)参照)。
そして、時刻t3において、車速が所定速度V0以下になったことで、ソフトストップ制御が開始されている。ソフトストップ制御では、目標減速度が、徐々に減少され、時刻t4で停車のために必要な最低減速度Gfになるように設定されている(図3(a)の破線参照)。本実施形態では、目標減速度の時間変化が正弦波曲線になるように設定される(図3の破線の時刻t3~t4参照)。図3では、停車制御開始時の車速が小さいので、車速が所定速度V0以下になるまでの時間が短い。したがって、図3(a)に示すように、時刻t3における実際の減速度と目標減速度との差が大きい状態で、ソフトストップ制御が開始される。この場合、減速度を目標減速度に一致させるために、ブレーキ液圧を大きく減圧するように、減圧バルブが調整される。これにより、ブレーキ液圧が急速に減少し(図3(b)参照)、実際の減速度も急速に減少している(図3(a)の実線参照)。
しかし、時刻t6において、ブレーキ液圧が液圧ガード値Pfまで低下したとき、液圧バルブ6が閉鎖されたことで、ブレーキ液圧の減少が停止され(図3(b)参照)、実際の減速度が最低減速度Gfに固定されている(図3(a)の実線参照)。したがって、車速は低下し、時刻t4からあまり時間が経過していない時刻t5で「0」になっている。よって、ソフトストップ制御により、停車の直前にブレーキ液圧を減圧させても、停車までの走行距離が延びることを抑制できている。
次に、第1実施形態に係る制動制御装置(制動ECU2)の作用効果について説明する。
本実施形態によると、最低減速度算出部23が最低減速度Gfを算出し、液圧ガード値設定部27が当該最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する。そして、液圧比較部28は、ブレーキ液圧センサ44が検出した現在のブレーキ液圧と、液圧ガード値設定部27から入力される液圧ガード値Pfとを比較し、現在のブレーキ液圧が液圧ガード値Pf以下になった場合、液圧バルブ6を閉鎖させる。これにより、ブレーキ液圧の減少が停止され、減速度が最低減速度Gfに固定される。したがって、作動音を抑制するために回転数を抑制して液圧ポンプ5を駆動させることでブレーキ液圧の増圧を遅らせていても、停車の直前にブレーキ液圧を減圧させる際に、減速度が最低減速度Gfを下回って、停車までの走行距離が延びることを抑制できる。これにより、ソフトストップ制御での停車時に搭乗者が空走感を感じることを抑制できる。つまり、液圧ポンプ5の作動音の抑制と、ソフトストップ制御での停車時の空走感の抑制とを両立することができる。
また、本実施形態によると、最低減速度算出部23は、勾配検出部21から入力される路面勾配と、駆動力算出部22から入力される駆動力とに基づいて、最低減速度Gfを算出する。また、液圧ガード値設定部27は、当該最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する。したがって、液圧ガード値設定部27は、路面勾配および車1に発生する駆動力に応じた適切な液圧ガード値Pfを設定することができる。
また、本実施形態によると、目標減速度設定部25は、停車直前に目標減速度を小さくすることでブレーキ液圧を減圧して、減速度を低下させる制御(ソフトストップ制御)を行う。これにより、搭乗者に不快感をいだかせないスムーズな停車を実現することができる。さらに、目標減速度設定部25は、ソフトストップ制御における目標減速度のプロファイルを、目標減速度の時間変化が正弦波曲線になるように設定する。これにより、よりスムーズな停車を実現することができる。
また、本実施形態によると、制動ECU2は、低車速時には、液圧ポンプ5の電動モータを最大回転数の例えば10~20%程度の抑制回転数で回転させて、ブレーキ液圧をゆっくり増圧させる。これにより、液圧ポンプ5の作動音を抑制することができる。したがって、液圧ポンプ5に廉価なポンプを用いている場合や、車両の遮音性が低い場合でも、搭乗者は、液圧ポンプ5の作動音が気にならない。
なお、本実施形態においては、最低減速度算出部23が、勾配検出部21から入力される路面勾配と、駆動力算出部22から入力される駆動力とに基づいて、最低減速度Gfを算出する場合について説明したが、これに限られない。最低減速度算出部23は、路面勾配および駆動力のいずれか一方のみに基づいて、最低減速度Gfを算出してもよい。また、最低減速度算出部23は、さらに車重を考慮して最低減速度Gfを算出してもよい。この場合、車重は、センサで検知した乗車人数や積荷荷重に基づいて算出すればよい。
また、本実施形態においては、最低減速度算出部23が最低減速度Gfを算出し、液圧ガード値設定部27が最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する場合について説明したが、これに限られない。液圧ガード値Pfは、固定値であってもよい。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る制動制御装置が適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。図4において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。第2実施形態に係る制動ECU2は、液圧ガード値Pfを設定する場合と設定しない場合とを切り替える点で、第1実施形態に係る制動ECU2と異なる。
第1実施形態に係る制動ECU2は液圧ガード値Pfを常時設定するが、第2実施形態に係る制動ECU2は、勾配検出部21から入力される路面勾配と、駆動力算出部22から入力される駆動力とに基づいて、液圧ガード値Pfを設定するか否かを判断する。第2実施形態に係る制動ECU2は、設定判断部29をさらに備えている。
設定判断部29は、液圧ガード値Pfを設定するか否かを判断する機能ブロックである。設定判断部29は、勾配検出部21から路面勾配を入力され、駆動力算出部22から駆動力を入力される。設定判断部29は、勾配検出部21から入力された路面勾配が所定の路面勾配(例えば10%)より小さく、かつ、駆動力算出部22から入力される駆動力が所定の駆動力(例えば10Nm)より小さい場合、液圧ガード値Pfの設定を不要と判断する。設定判断部29は、判断結果を液圧ガード値設定部27に出力する。液圧ガード値設定部27は、設定判断部29が液圧ガード値Pfの設定を必要と判断した場合(不要と判断しなかった場合)、第1実施形態と同様に、最低減速度Gfに対応する液圧ガード値Pfを設定する。一方、液圧ガード値設定部27は、設定判断部29が液圧ガード値Pfの設定を不要と判断した場合、液圧ガード値Pfの設定を行わない。また、この場合、液圧比較部28は、現在のブレーキ液圧と液圧ガード値Pfとの比較を行わない。
本実施形態によると、設定判断部29が液圧ガード値Pfの設定を必要と判断した場合、制動ECU2は、第1実施形態に係る制動ECU2と同じ制御を行う。したがって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。一方、設定判断部29が液圧ガード値Pfの設定を不要と判断した場合、液圧ガード値Pfが設定されず、現在のブレーキ液圧と液圧ガード値Pfとの比較も行われない。しかし、この場合、路面勾配が所定の路面勾配より小さく、かつ、駆動力が所定の駆動力より小さいので、最低減速度Gfが非常に小さい。したがって、実際の減速度が目標減速度をオーバーシュートして、最低減速度Gfを下回ったとしても、停車までの走行距離は大きく延びることがないので、搭乗者は空走感を感じない。したがって、この場合でも、液圧ポンプ5の作動音の抑制と、ソフトストップ制御での停車時の空走感の抑制とを両立することができる。
なお、本実施形態においては、液圧ガード値Pfを設定しない条件として、路面勾配が所定の路面勾配より小さく、かつ、駆動力が所定の駆動力より小さい場合を例として記載しているが、液圧ガード値Pfを設定しない条件は限定されない。例えば、設定判断部29は、駆動力に関係なく、路面勾配が所定の路面勾配(例えば-5%)より小さい場合(登り坂)に、液圧ガード値Pfの設定を不要と判断してもよい。
本発明に係る制動制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る制動制御装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 :車
2 :制動ECU
21 :勾配検出部
22 :駆動力算出部
23 :最低減速度算出部
24 :減速度算出部
25 :目標減速度設定部
26 :調整部
27 :液圧ガード値設定部
28 :液圧比較部
29 :設定判断部
3 :ACC-ECU
41 :車速センサ
42 :加速度センサ
43 :回転数センサ
44 :ブレーキ液圧センサ
5 :液圧ポンプ
6 :液圧バルブ
Gf :最低減速度
Pf :液圧ガード値

Claims (1)

  1. 先行車に追従する自動運転時に、目標減速度と実際の減速度とに基づいて、液圧ポンプを駆動させることでブレーキ液圧を増圧させ、液圧バルブを開放させることでブレーキ液圧を減圧させて、ブレーキを制御する制動制御装置であって、
    緊急時以外のブレーキ液圧増圧時には、モータの回転数を抑制して前記液圧ポンプを駆動させることで増圧を遅らせており、
    停車時の制御において、停車の直前にブレーキ液圧を減圧させるように前記目標減速度を設定する目標減速度設定部と、
    停車に必要な最低減速度に対応するブレーキ液圧である液圧ガード値を設定する液圧ガード値設定部と、
    検出されたブレーキ液圧が前記液圧ガード値以下になったときに、前記液圧バルブを閉鎖させる液圧比較部と、
    を備えることを特徴とする制動制御装置。
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