以下に、本発明の構成要件等について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
尚、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。また「全固形分」とは、顔料分散液または着色樹脂組成物に含まれる、後述する溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。
また本発明において、「C.I.」とはカラーインデックスを意味する。
[1]着色樹脂組成物の構成成分
以下に本発明の着色樹脂組成物の各構成成分を説明する。本発明に係る着色樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂、及び(D)光重合開始剤を必須成分とし、更に要すれば、上記成分以外の他の添加物等が配合されていてもよい。
以下、各構成成分を説明する。
[1-1](A)着色剤
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)着色剤は、下記一般式(1)で表される化学構造を有するフタロシアニン化合物(以下、「フタロシアニン化合物(1)」と称する場合がある。)を含む。
式(1)中、A1~A16は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1~A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。
式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)着色剤はフタロシアニン化合物(1)を含むことで、得られるカラーフィルタの輝度が高くなる。これはフタロシアニン化合物(1)が前記一般式(2)で表される基を有することで溶剤に可溶となり、着色樹脂組成物中において単分子で存在するからだと考えられる。さらに、前記一般式(2)で表される基同士のπ-π相互作用とフタロシアニン骨格同士のπ-π相互作用によって耐熱性が高くなり、ベーク後も輝度が高くなると考えられる。
(A1~A16)
前記式(1)中、A1~A16は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1~A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。
式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。
A1~A16におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられるが、カラーフィルタに用いられる緑色色素として最適な色相に調整するという観点や輝度を高くするとの観点からフッ素原子が好ましい。
(X)
前記一般式(2)中のXは2価の連結基を表す。2価の連結基としては特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、又は-N(Ra1)-基(Ra1は水素原子、又は炭素数1~6の脂肪族炭化水素基を表す。)が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)のベーク時における安定性の観点から、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
(ベンゼン環が有していてもよい置換基)
また、式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。該置換基としては特に限定されないが、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基(-ORA基(ただし、RAはアルキル基を表す。))、アルコキシカルボニル基(-COORA基(ただし、RAはアルキル基を表す。))、アリール基、アリールオキシ基(-ORB基(ただし、RBはアリール基を表す。))、アリールオキシカルボニル基(-COORB基(ただし、RBはアリール基を表す。))が挙げられ、これらの基に含まれるアルキル基(-RA基)やアリール基(-RB基)が、さらにこれらの置換基で置換されていてもよい。これらの中でも、溶剤への溶解性や輝度の観点から、アルコキシカルボニル基が好ましい。
なおこれらの基に含まれるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でもよいが、溶剤への溶解性の観点から直鎖状であることが好ましい。
アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでバインダー樹脂中の疎水性部分と疎水性相互作用が働く傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ、有機溶剤への可溶性を保つとともにバインダー樹脂中の疎水性部分と効率的に疎水性相互作用が働くとの観点からメチル基又はエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
またこれらの基に含まれるアリール基は、芳香族炭化水素環基であってもよく、芳香族複素環基であってもよい。
アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上、6以上が好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアリール基起因の色相変化が抑制される傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、チオフェン環、ピロール環、2H-ピラン環、4H-チオピラン環、ピリジン環、1,3-オキサゾール環、イソオキサゾール環、1,3-チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,3,5-トリアジン環、ベンゾフラン環 、2-ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、2-ベンゾチオフェン環、1H-ピロリジン環、インドール環、イソインドール環、インドリジン環、2H-1-ベンゾピラン環、1H-2-ベンゾピラン環、キノリン環、イソキノリン環、4H-キノリジン環、ベンゾイミダゾール環、1H-インダゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、1,8-ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などの基が挙げられる。
式(2)中のベンゼン環が任意の置換基を有する場合、その置換数は特に限定されないが、染料分子同士でπ-πスタッキングして耐熱性が向上し、染料の分解による輝度低下が抑制されるとの観点から、該ベンゼン環1つに対して置換数が1であることが好ましい。
また、式(2)中のベンゼン環が任意の置換基を有する場合、その置換位置は、o-位でも、m-位でも、p-位でもよいが、染料分子同士のπ-πスタッキングを促進させ、耐熱性が向上し、染料の分解による輝度低下が抑制されるとの観点から、p-位が好ましい。
A1~A16のうち1つ以上は前記一般式(2)で表される基を表すが、溶剤への溶解性や輝度の観点から、A1~A4のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A5~A8のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A9~A12のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A13~A16のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であることが好ましく、A1~A4のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A5~A8のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A9~A12のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A13~A16のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
特に、カラーフィルタで求められる色目や、溶剤への溶解性の観点から、A2、A3、A6、A7、A10、A11、A14、及びA15が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A1、A4、A5、A8、A9、A12、A13、及びA16がハロゲン原子であることが特に好ましい。
フタロシアニン化合物(1)の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
フタロシアニン化合物(1)の製造方法としては公知の方法を採用することができ、例えば、特開平05-345861号公報に記載の方法を採用することができる。
(A)着色剤は、フタロシアニン化合物(1)以外に、その他の着色剤を含んでいてもよい。その他の着色剤としては、顔料や染料が挙げられる。これらの中でも、緑色画素用途に用いる場合には、緑色顔料、緑色染料、黄色顔料、黄色染料などを用いることが好ましい。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63などが挙げられ、輝度の観点からC.I.ピグメントグリーン58が好ましい。
緑色染料としては、カラーインデックスで染料に分類されているものの中で、C.I.ソルベント染料としてC.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35が挙げられ、またC.I.アシッド染料としてC.I.アシッド・グリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109、C.I.モーダント・グリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などが挙げられる。これらの中でも、熱焼成時の染料分解抑制の観点からC.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35が好ましい。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、86、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、125、126、127、127:1、128、129、133、134、136、137、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、及び下記式(i)で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、他の化合物が挿入されてなる化合物(以下、「式(i)で表されるニッケルアゾ錯体」と称する場合がある。)等が挙げられる。
また、前記他の化合物としては、下記式(ii)で表される化合物などが挙げられる。
この中でも、高輝度および高色域の観点から、C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、154、155、180、185、及び式(i)で表されるニッケルアゾ錯体が好ましく、C.I.ピグメントイエロー83、138、139、180、185及び式(i)で表されるニッケルアゾ錯体がより好ましい。
黄色染料としては、バルビツール酸アゾ系染料、ピリドンアゾ系染料、ピラゾロンアゾ系染料、キノフタロン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。その具体例としては、特開2010-168531号公報に記載の具体的化合物が挙げられる。
カラーインデックスで染料に分類されているものの中で、C.I.ソルベント染料として、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、79、82、94、98、99、162、163などが挙げられる。またC.I.アシッド染料としてC.I.アシッド・グリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109、C.I.アシッド・イエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251やその誘導体が挙げられる。またC.I.ダイレクト染料としてC.I.ダイレクト・イエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141などの染料が挙げられる。さらに、C.I.モーダント染料としてC.I.モーダント・イエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65などの染料が挙げられ、好ましくは、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162、C.I.アシッド・イエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251、23、25、29、34、40、42、72、76、99、111、112、114、116、163、243やその誘導体が挙げられる。
これらの中でも、熱焼成時の染料分解抑制の観点から、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、79、82、94、98、99、162及び163からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
顔料の平均一次粒子径は、通常0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.04μm以下である。顔料の微粒化に際しては、ソルベントソルトミリングのような手法が好適に用いられる。
本発明の着色樹脂組成物における(A)着色剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がよりさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下がよりさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで色特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物におけるフタロシアニン化合物(1)の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がよりさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで輝度等の色特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。
その他の着色剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がよりさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ作成時の熱焼成時の熱分解が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。
[1-2](B)溶剤
(B)溶剤は、本発明の着色樹脂組成物において、着色剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、その他の成分を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
係る(B)溶剤としては、各成分を溶解または分散させることができるものであればよい。
このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等が挙げられる。
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィ法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、溶剤としては沸点が100~200℃(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120~170℃の沸点をもつものである。
上記溶剤中、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶剤を併用してもよい。併用する溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%~30質量%が好ましく、5質量%~20質量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。このような高沸点の溶剤を併用することにより、着色樹脂組成物は乾きにくくなるが、急激に乾燥することによる顔料分散液の相互関係の破壊を起こし難くする効果がある。高沸点溶剤の含有割合は、(B)溶剤に対して3質量%~50質量%が好ましく、5質量%~40質量%がより好ましく、5質量%~30質量%が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、例えばスリットノズル先端で色材成分などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こすことを回避しやすい傾向があり、また前記上限値以下とすることで組成物の乾燥速度が遅くなって減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことを回避しやすい傾向がある。
なお沸点150℃以上の溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
インクジェット法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、溶剤としては、沸点が、通常130℃以上300℃以下、好ましくは150℃以上280℃以下のものが適当である。前記下限値以上とすることで、得られる塗膜の均一性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで、焼成時の残留溶剤を低減しやすい傾向がある。
また、溶剤の蒸気圧は、得られる塗膜の均一性の観点から、通常10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下のものが使用できる。
なお、インクジェット法によるカラーフィルタ製造において、ノズルから発せられるインクは数~数十pLと非常に微細であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。より好ましくは沸点が200℃以上、特に好ましくは沸点が220℃以上である溶剤を含有する。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は着色樹脂組成物に含まれる全溶剤中、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が最も好ましい。前記下限値以上とすることで、液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されやすい傾向がある。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
さらに、着色樹脂組成物の粘度調整や固形分の溶解度調整のためには、沸点が180℃より低い溶剤を一部含有することも効果的である。このような溶剤としては、低粘度で溶解性が高く、低表面張力であるような溶剤が好ましく、エーテル類、エステル類やケトン類などが好ましい。中でも特に、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノールアセテートなどが好ましい。
一方、溶剤がアルコール類を含有すると、インクジェット法における吐出安定性が劣化する場合がある。よって、アルコール類は全溶剤中20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に占める溶剤の含有割合は特に限定されないが、その上限は、通常99質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。前記上限値以下とすることで塗布膜を形成しやすくなる傾向がある。一方で、溶剤含有割合の下限は、塗布に適した粘性などを考慮して、通常70質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは78質量%以上である。
[1-3](C)バインダー樹脂
本発明の着色樹脂組成物は、(C)バインダー樹脂を含有する。(C)バインダー樹脂を含有することで、光重合による膜硬化性と現像液による溶解性を両立することができる。
本発明の着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含む。エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の骨格に多く含まれる芳香族環とフタロシアニン化合物(1)とでπ-πスタッキングが生じて、フタロシアニン化合物(1)の近傍にバインダー樹脂が存在するようになり、それによってフタロシアニン化合物(1)近傍における光重合開始剤の存在量を少なくできると考えられる。それにより光重合開始剤からフタロシアニン化合物(1)へのエネルギー移動が低減されることで、ラジカルを多量に発生させることができ、ラジカル重合が十分に進行して所望のパターンが良好に形成できると考えられる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、任意でイソシアネート基含有化合物を反応させた後、更に多塩基酸又はその無水物を反応させた樹脂である。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されることにより、エポキシ化合物にエステル結合(-COO-)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸無水物の一方のカルボキシル基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加されたものも挙げられる。
また上記反応で得られた樹脂のカルボキシル基に、更に反応し得る官能基を有する化合物を反応させて得られる樹脂も、上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に含まれる。
このように、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「(メタ)アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)が原料であり、かつ、「(メタ)アクリレート」が代表例であるので慣用に従いこのように命名されている。
ここで、エポキシ樹脂とは、熱硬化により樹脂を形成する以前の原料化合物をも含めて言うこととし、そのエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択して用いることができる。また、エポキシ樹脂は、フェノール性化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られる化合物を用いることができる。フェノール性化合物としては、2価もしくは2価以上のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、単量体でも重合体でもよい。
具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)アダマンタンのジグリシジルエーテル化物、などが挙げられ、このように主鎖に芳香族環を有するものを好適に用いることができる。
中でも、高い硬化膜強度の観点から、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、などが好ましく、ビスフェノールAエポキシ樹脂が更に好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER(登録商標、以下同じ。)828」、「jER1001」、「jER1002」、「jER1004」、日本化薬社製の「NER-1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃)等)、ビスフェノールF型樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER807」、「jER-4004P」、「jER-4005P」、「jER-4007P」、日本化薬社製の「NER-7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃)等)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、三菱ケミカル社製の「jER-YX4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN-201」、三菱ケミカル社製の「jER-152」、「jER-154」、ダウケミカル社製の「DEN-438」)、(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN(登録商標、以下同じ。)-102S」、「EOCN-1020」、「EOCN-104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC(登録商標)」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN(登録商標、以下同じ。)-501」、「EPPN-502」、「EPPN-503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル社製の「セロキサイド(登録商標、以下同じ。)2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、DIC社製の「EXA-7200」、日本化薬社製の「NC-7300」)、下記一般式(C1)~(C4)で表されるエポキシ樹脂、等を好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(C1)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD-1000」、下記一般式(C2)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「NC-3000」、下記一般式(C4)で表されるエポキシ樹脂として新日鉄住金化学社製の「ESF-300」等が挙げられる。
上記一般式(C1)において、aは平均値であり、0~10の数を表す。R111は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR111は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
上記一般式(C2)において、bは平均値であり、0~10の数を表す。R121は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR121は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
上記一般式(C3)において、Xは下記一般式(C3-1)又は(C3-2)で表される連結基を表す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。cは2又は3を表す。
上記一般式(C3-1)及び(C3-2)において、R131~R134及びR135~R137は、各々独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。*は結合手を表す。
上記一般式(C4)において、p及びqは各々独立に0~4の整数を表し、R141及びR142は各々独立に炭素数1~4のアルキル基又はハロゲン原子を表す。R143及びR144は各々独立に炭素数1~4のアルキレン基を表す。x及びyは各々独立に0以上の整数を表す。
これらの中で、一般式(C1)~(C4)のいずれかで表されるエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、および、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物などが挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸(無水物)としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、およびそれらの無水物などが挙げられる。中でも、現像性の制御の観点から、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、またはヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、マレイン酸又はテトラヒドロフタル酸無水物がより好ましい。
多価アルコールを用いることで、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することが出来、分子量と粘度のバランスをとることができる傾向がある。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスがとれやすい傾向がある。
多価アルコールとしては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3-プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、前述のもの以外に、韓国公開特許第10-2013-0022955号公報に記載のもの等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、70mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、90mgKOH/g以上が最も好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、110mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)とエポキシ(メタ)アクリレート樹脂のカルボキシル基とで効果的に分子間水素結合を形成してパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで露光後の現像時におけるパターン消失が抑制される傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは4000以上、よりさらに好ましくは5000以上、特に好ましくは6000以上、最も好ましくは7000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下、特に好ましくは8000以下である。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)とエポキシ(メタ)アクリレート樹脂のカルボキシル基との間で効果的に分子間水素結合を形成し、フタロシアニン化合物(1)とエポキシ(メタ)アクリレート樹脂とのπ-πスタッキングが生じてパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで溶解性が良好となり、現像時における残渣等の発生が抑制される傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。具体的には、前記エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解させ、触媒と熱重合禁止剤の共存下、前記エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物を加えて付加反応させ、更に多塩基酸又はその無水物を加えて反応を続ける方法を用いることができる。
ここで、反応に用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶剤の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィンなどの燐化合物、トリフェニルスチビンなどのスチビン類などの1種または2種以上が挙げられる。更に、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノンなどの1種又は2種以上が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物としては、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7~1.3化学当量、好ましくは0.9~1.1化学当量となる量とすることができる。また、付加反応時の温度としては、通常60~150℃、好ましくは80~120℃の温度とすることができる。更に、多塩基酸(無水物)の使用量としては、前記付加反応で生じた水酸基の1化学当量に対して、通常0.1~1.2化学当量、好ましくは0.2~1.1化学当量となる量とすることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の中でも、該樹脂中の芳香族環とフタロシアニン化合物(1)との間の分子間π-πスタッキングによるパターン形成性の観点から、下記一般式(i)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、下記一般式(ii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、及び下記一般式(iii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
式(iii)中、Reは水素原子又はメチル基を表し、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
これらの中でもまず、下記一般式(i)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1)」と称する場合がある。)について詳述する。
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rb)
前記式(i)において、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でもアルカリ現像性確保及び残渣抑制の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方でフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用によるパターン形成性の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも感度や製造コストの観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも上記特性を両立させるとの観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、下記式(i-A)~(i-F)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、下記式(i-A)で表される基が好ましい。
前記のとおり、式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、前記式(i)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(i-1)で表される部分構造であることが好ましい。
式(i-1)中、Ra及びRbは、前記式(i)のものと同義である。RYは水素原子又は多塩基酸残基を表す。*は結合手を表す。式(i-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される繰り返し単位構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1)1分子中に含まれる、前記式(i)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1)の具体例を挙げる。
次に、下記一般式(ii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)」と称する場合がある。)について詳述する。
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
(Rd)
前記式(ii)において、Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がよりさらに好ましく、12以上が特に好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもアルカリ現像性が良好で、基板上における残渣が抑制されるとの観点から、フルオレン環が好ましい。
また、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基における、2価の炭化水素基は特に限定されないが、例えば、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像性の向上の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で膜強度の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも感度の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、前記式(i-A)~(i-F)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、前記式(i-C)で表される基が好ましい。
これらの2価の炭化水素基に対して、側鎖である環状炭化水素基の結合態様は特に限定されないが、例えば、脂肪族基や芳香族環基の水素原子1つを該側鎖で置換した態様や、脂肪族基の炭素原子の1つを含めて側鎖である環状炭化水素基を構成した態様が挙げられる。
また、前記式(ii)で表される部分構造の中でも、フタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、下記式(ii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
式(ii-1)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。nは1以上の整数である。式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rα)
前記式(ii-1)において、Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好であり、加熱による黄変がしにくいとの観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の容易性の観点から、無置換が好ましい。
nは1以上の整数を表すが、2以上が好ましく、また、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
これらの中でも、アルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制されるとの観点から、Rαが1価の脂肪族環基であることが好ましく、アダマンチル基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-1)で表される部分構造の具体例を挙げる。
また、前記式(ii)で表される部分構造の中でも、フタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、下記式(ii-2)で表される部分構造であることが好ましい。
式(ii-2)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rβ)
前記式(ii-2)において、Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好となり、加熱による黄変がしにくいとの観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、フタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となるとの観点から、Rβが2価の脂肪族環基であることが好ましく、2価のアダマンタン環基であることがより好ましい。
一方で、フタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好となり、加熱による黄変がしにくいとの観点から、Rβが2価の芳香族環基であることが好ましく、2価のフルオレン環基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-2)で表される部分構造の具体例を挙げる。
一方で、前記式(ii)で表される部分構造は、現像性の観点から、下記式(ii-3)で表される部分構造であることが好ましい。
式(ii-3)中、Rc及びRdは前記式(ii)と同義である。RZは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)1分子中に含まれる、前記式(ii)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)1分子中に含まれる、前記式(ii-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)1分子中に含まれる、前記式(ii-2)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板における残渣が抑制される傾向がある。
次に、下記一般式(iii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c3)」と称する場合がある。)について詳述する。
式(iii)中、Reは水素原子又はメチル基を表し、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(γ)
前記式(iii)において、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
アルキレン基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよいが、アルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制されるとの観点から直鎖状であることが好ましく、フタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働きパターン形成性が良好となるとの観点からは分岐鎖状であることが好ましい。その炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常6以下であり、4以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基が挙げられ、現像性を良化するとの観点から、エチレン基又はプロピレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
2価の環状炭化水素基としては、2価の脂肪族環基又は2価の芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間相互作用が効率的に働きパターン形成性が良好になるとの観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好になる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間π-πスタッキングが効率的に働きパターン形成性が良好になるとの観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
また、これらの中でも、アルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制されるとの観点から、γが置換基を有していてもよいアルキレン基であることが好ましく、ジメチルメチレン基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
一方で、前記式(iii)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(iii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
式(iii-1)中、Re及びγは前記式(iii)と同義である。RWは水素原子又は多塩基酸残基を表す。*は結合手を表す。式(iii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働きパターン形成性が良好になるとの観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c3)1分子中に含まれる、前記式(iii)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働き、フタロシアニン化合物(1)による光重合開始剤の反応阻害が抑制され現像後のパターン確保が可能になる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性確保が可能となり、基板上への残渣が抑制される傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c3)1分子中に含まれる、前記式(iii-1)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働き、パターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c3)の具体例を挙げる。
以上のとおり、本発明における(C)バインダー樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有するものであるが、それ以外にその他のバインダー樹脂を含んでいてもよい。
その他のバインダー樹脂としては、バインダー樹脂としての機能を発現するものであれば特に限定されずに用いることができるが、国際公開第2016/158668号に記載されている[1-6-1]エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂、[1-6-2]主鎖にカルボキシ基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂、[1-6-3]前記カルボキシ基含有樹脂のカルボキシ基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂、[1-6-4](メタ)アクリル樹脂や、特開2012-018374号公報や特開2012-044365号公報に記載されている環状エーテル基を含む側鎖を有する樹脂などが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、(C)バインダー樹脂の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましく、24質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がよりさらに好ましく、27質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物において、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がよりさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がよりさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
また、本発明の着色樹脂組成物の(C)バインダー樹脂におけるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の含有割合は特に限定されないが、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上がよりさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましく、60質量%以上が最も好ましく、また、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、67質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)との分子間水素結合が効率的に働きパターン形成性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性が良好となり、基板上における残渣が抑制される傾向がある。
[1-4](D)光重合開始剤
本発明の着色樹脂組成物は(D)光重合開始剤を含有する。(D)光重合開始剤を含有することで光重合による膜硬化性を得ることができる。
(D)光重合開始剤は、加速剤(連鎖移動剤)及び必要に応じて添加される増感色素等の付加剤との混合物(光重合開始系)として用いることもできる。光重合開始系は、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59-152396号、特開昭61-151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10-39503号公報記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル-s-トリアジン誘導体、N-フェニルグリシン等のN-アリール-α-アミノ酸類、N-アリール-α-アミノ酸塩類、N-アリール-α-アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α-アミノアルキルフェノン系化合物、特開2000-80068号公報に記載されているオキシムエステル系開始剤等が挙げられる。
本発明で用いることができる光重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体;
2-トリクロロメチル-5-(2′-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2′-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2′-(6″-ベンゾフリル)ビニル)〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5一フリル-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体;
2-(2′-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダソール2量体、2-(2′-クロロフェニル)-4,5-ビス(3′-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(2′-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2′-メトキシフエニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、(4′-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体;
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4-ブロモベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α-ヒドロキシ-2-メチルフェニルプロパノン、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル-(p-イソプロピルフェニル)ケトン、1-ヒドロキシ-1-(p-ドデシルフェニル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、1,1,1-トリクロロメチル-(p一ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2、4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、P-ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体;
9-フェニルアクリジン、9-(p-メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体;
9,10-ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体;
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体;
ジシクロペンタジエニル-Ti-ジクロライド、ジシクロペンタジェニル-Ti-ビス-フェニル、ジシクロペンタジェニル-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル-1-イル、ジシクロペンタジェニル-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-1-イル、ジシクロペンタジェニル-Ti-ビス-2,4,6-トリフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジェニル-Ti-2,6-ジプルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジェニル-Ti-2,4-ジフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジェニル-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジェニル-Ti-ビス-2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジェニル-Ti-2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)-フェニ-1-イル等のチタノセン誘導体;
2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエチルベンゾエ-ト、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエ-ト、4-ジエチルアミノアセトフェノン、4-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジメチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4-(ジエチルアミノ)カルコン等のα-アミノアルキルフェノン系化合物;
1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物。
これらの中でも、感度及び表面性状の観点から、オキシムエステル系化合物であることが好ましい。
オキシムエステル系化合物は、その構造の中に紫外線を吸収する構造と光エネルギーを伝達する構造とラジカルを発生する構造を併せ持っているために、少量で感度が高く、かつ熱反応に対しては安定であり、少量で高感度な着色樹脂組成物の設計が可能である。特に、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾール環を有するオキシムエステル系化合物が好ましい。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、下記一般式(I-1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(I-1)中、R21aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
R21bは芳香環又はヘテロ芳香環を含む任意の置換基を示す。
R22aは、置換基を有していてもよいアルカノイル基、又は、置換基を有していてもよいアリーロイル基を示す。
R21aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や露光に対する感度の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチルエチル基、プロピル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、4-(2-メトキシ-1-メチル)エトキシ-2-メチルフェニル基又はN-アセチル-N-アセトキシアミノ基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
R21aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、着色樹脂組成物への溶解性の観点から5以上であることが好ましい。また、現像性の観点から30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましく、8以下であることが特に好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基、フルオレニル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基が好ましく、フェニル基又はフルオレニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、現像性の観点から水酸基、カルボキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。また、置換基を有していてもよいアルキル基や置換基を有していてもよいアルコキシ基における置換基としては、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基が挙げられる。
これらの中でも、現像性の観点から、R21aが置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
また、R21bは芳香環又はヘテロ芳香環を含む任意の置換基であるが、溶媒への溶解性や露光に対する感度の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾリル基、置換基を有していてもよいチオキサントニル基、置換基を有していてもよいジフェニルスルフィド基又は置換基を有してもよいフルオレニル基、これらの基とカルボニル基とを連結した基が好ましく挙げられる。これらの中でも、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾリル基、又は置換基を有していてもよいカルバゾリル基とカルボニル基を連結した基が好ましい。
また、R22aにおけるアルカノイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や感度の観点から、通常2以上、好ましくは3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルカノイル基の具体例としては、アセチル基、エチロイル基、プロパノイル基、ブタノイル基等が挙げられる。
アルカノイル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
また、R22aにおけるアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性や感度の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。アリーロイル基の具体例としては、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
アリーロイル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
前記一般式(I-1)で表される化合物の中でも、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、下記一般式(I-2)又は(I-3)で表される化合物が挙げられる。
上記式(I-2)又は(I-3)中、R21a及びR22aは、前記一般式(I-1)と同義である。
R23aは、置換基を有していてもよいアルキル基を示す。
R24aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリーロイル基、置換基を有していてもよいヘテロアリーロイル基、又はニトロ基を示す。
カルバゾール環を構成するベンゼン環は、さらに芳香族環によって縮合されて多環芳香族環となっていてもよい。
R23aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、カルボニル基、カルボキシ基、ヒドロキシル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
R23aにおけるアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。アリーロイル基の具体例としては、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
アリーロイル基が有していてもよい置換基としては、カルボニル基、カルボキシ基、ヒドロキシル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、エチル基であることが好ましい。
R23aにおけるヘテロアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。ヘテロアリール基の具体例としては、フルオロベンゾイル基、クロロベンゾイル基、ブロモベンゾイル基、フルオロナフトイル基、クロロナフトイル基、ブロモナフトイル基等が挙げられる。
ヘテロアリーロイル基が有していてもよい置換基としてはカルボニル基、カルボキシ基、ヒドロキシル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
これらの中でもR23aとしては、溶媒への溶解性と合成容易性の観点から、アルキル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
カルバゾール環を構成するベンゼン環は、さらに芳香族環によって縮合されて多環芳香族環となっていてもよい。
このようなオキシムエステル系化合物の市販品として、BASF社製のOXE-02、OXE-03、常州強力電子社製のTR-PBG-304、TR-PBG-314又はADEKA社製のN-1919、NCI-930、NCI-831などがある。
オキシムエステル系化合物として、具体的には以下に例示されるような化合物が挙げられるが、何らこれらの化合物に限定されるものではない。
これら光重合開始剤は、それぞれ1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
また(D)光重合開始剤に加えて、さらに連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤とは、発生したラジカルを受け取り、該ラジカルを他の化合物に受け渡す機能を有する化合物である。
連鎖移動剤としては、上記機能を有する化合物であれば種々のものを用いることができるが、例えば、メルカプト基含有化合物や、四塩化炭素等が挙げられ、連鎖移動効果が高い傾向があることからメルカプト基を有する化合物を用いることがより好ましい。S-H結合エネルギーが小さいことによって結合開裂が起こりやすく、水素引きぬき反応や連鎖移動反応を起こしやすいためであると考えられる。感度向上や表面硬化性に有効である。
メルカプト基含有化合物としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリン、β-メルカプトナフタレン、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン等の芳香族環を有するメルカプト基含有化合物;へキサンジチオール、デカンジチオール、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等の脂肪族系のメルカプト基含有化合物が挙げられ、特に表面平滑性の観点から、メルカプト基を複数有する化合物が好ましい。
このうち好ましくは、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物の中では2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールが好ましく、脂肪族系のメルカプト基含有化合物の中では、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが好ましい。
また感度の面からは、脂肪族系のメルカプト基含有化合物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)がより好ましい。
これらは種々のものが1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
本発明の着色樹脂組成物において、(D)光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上が特に好ましく、また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、6質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像後のパターニング特性を確保できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで光重合開始剤過剰添加による透過率低下が抑制される傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物が連鎖移動剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましく、0.3質量%以上が特に好ましく、また、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.6質量%以下が特に好ましい。前記範囲内とすることで保存安定性とアルカリ現像時のパターニング形成能が確保できる傾向がある。
[1-5]その他の固形分
本発明の着色樹脂組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、分散剤、分散助剤、界面活性剤等が挙げられる。
[1-5-1]光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、光重合開始剤の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性二重結合の数は特に限定されないが、通常2個以上であり、好ましくは4個以上であり、より好ましくは5個以上であり、また、好ましくは8個以下であり、より好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで溶媒への溶解性が向上する傾向がある。
エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、それとモノヒドロキシ化合物とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、又は、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であっても良い。代表例としては、例えば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等と、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシ(1,1,1-トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3-ヒドロキシ(1,1,1-トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物としては、例えば、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等も有用である。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1~40mgKOH/gであり、特に好ましくは5~30mgKOH/gである。前記下限値以上とすることで現像溶解特性を良好なものとすることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで製造や取扱いが良好になり光重合性能、画素の表面平滑性等の硬化性を良好にしやすい傾向がある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、東亞合成(株)製TO1382として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーの他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。また、特開2013-140346号公報の段落[0056]や[0057]に記載のものを使用することもできる。
また本発明において、画素の耐薬品性や画素のエッジの直線性を良好にするとの観点からは、特開2013-195971号公報に記載の重合性モノマーを用いることが好ましい。塗布膜の感度及び現像時間の短縮を両立するとの観点からは、特開2013-195974号公報に記載の重合性モノマーを用いることが好ましい。
これらの光重合性モノマーの含有割合は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分中、通常0質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、よりさらに好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。また、(A)着色剤100質量部に対する比率は、通常0質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上、よりさらに好ましくは40質量部以上、特に好ましくは60質量部以上であり、通常200質量部以下、好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。前記下限値以上とすることで硬化性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性の低下が抑制される傾向がある。
[1-5-2]分散剤、分散助剤
本発明の着色樹脂組成物が(A)着色剤として顔料を含む場合、顔料を安定に分散させる目的で分散剤を含有させることができる。中でも高分子分散剤を用いると経時の分散安定性に優れるので好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤を挙げることができる。これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標、BASF社製)、DisperBYK(登録商標、ビックケミー社製)、ディスパロン(登録商標、楠本化成社製)、SOLSPERSE(登録商標、ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、特開2013-119568号公報に記載のもの等を挙げることができる。
高分子分散剤の中でも、分散性や保存安定性の観点から、窒素原子を含む官能基を有するブロック共重合体が好ましく、アクリル系ブロック共重合体がより好ましい。
窒素原子を含む官能基を有するブロック共重合体としては、側鎖に4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有さないBブロックとからなる、A-Bブロック共重合体及び/又はB-A-Bブロック共重合体が好ましい。
窒素原子を含む官能基としては、1~3級アミノ基や、4級アンモニウム塩基が挙げられ、分散性や保存安定性の観点から、1~3級アミノ基を有することが好ましく、3級アミノ基を有することがより好ましい。
前記ブロック共重合体における、3級アミノ基を有する繰り返し単位の構造は特に限定されないが、分散性や保存安定性の観点から、下記一般式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
上記式(1)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R3は水素原子又はメチル基である。Xは2価の連結基である。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、9以下であることがさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性、保存安定性、電気信頼性、現像性の観点から、R1及びR2が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(1)におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられ、合成の容易さの観点からは無置換であることが好ましい。
また、上記式(1)において、R1及びR2が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5~7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記(IV)のものが挙げられる。
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
上記式(1)において、2価の連結基Xとしては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-CONH-R13-基、-COOR14-基〔但し、R13及びR14は単結合、炭素数1~10のアルキレン基、又は炭素数2~10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは-COO-R14-基である。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、15モル%以上であることがよりさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましく、25モル%以上であることが最も好ましく、また、90モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましく、50モル%以下であることがさらに好ましく、40モル%以下であることが特に好ましい。前記範囲内の場合には分散安定性と高輝度の両立が可能となる傾向がある。
また前記ブロック共重合体は、分散剤の溶媒等バインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(2)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
上記式(2)中、R10はエチレン基又はプロピレン基であり、R11は置換基を有していてもよいアルキル基であり、R12は水素原子又はメチル基である。
nは1~20の整数である。
上記式(2)のR11における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられ、合成の容易さの観点からは無置換であることが好ましい。
また、上記式(2)におけるnは溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることがより好ましく、4モル%以上であることがさらに好ましく、また、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。
また、前記ブロック共重合体は、分散剤の溶媒等バインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
上記式(3)中、R8は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。R9は水素原子又はメチル基である。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、1以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R8がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチレン基であることがより好ましい。
R8における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R8で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(3)で表される繰り返し単位の含有割合は、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。前記範囲内の場合には分散安定性と高輝度の両立が可能となる傾向がある。
前記ブロック共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位、前記一般式(2)で表される繰り返し単位、前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体; (メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体; 酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
分散性をより高めるとの観点から、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するAブロックと、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。また、Bブロックが前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有することがより好ましい。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。前記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体; 酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
また、前記ブロック共重合体の酸価は、分散性の点から、低い方が好ましく、特に0mgKOH/gであることが好ましい。ここで酸価とは、分散剤固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
さらに、前記ブロック共重合体のアミン価は、分散性と現像性の観点から、30mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましく、70mgKOH/g以上であることがさらに好ましく、90mgKOH/g以上であることがよりさらに好ましく、100mgKOH/g以上であることが特に好ましく、110mgKOH/g以上であることが最も好ましく、また、150mgKOH/g以下であることが好ましく、130mgKOH/g以下であることがより好ましい。ここでアミン価とは、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。
また、前記ブロック共重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)で1000~30,000の範囲が好ましい。前記範囲内である場合には、分散安定性が良好となり、また、スリットノズル方式による塗布時に乾燥異物がより発生しにくくなる傾向がある。
前記ブロック共重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、上記各繰り返し単位を導入する単量体を、リビング重合することにより製造することができる。リビング重合法としては、特開平9-62002号公報、特開2002-31713号公報や、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull.12,79(1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986
),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Soc,109,4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載されている公知の方法を採用することができる。
本発明の着色樹脂組成物が顔料及び分散剤を含む場合、分散剤の含有割合は特に限定されるものではないが、顔料100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、よりさらに好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。前記範囲内とすることで、分散安定性に優れ、高輝度な着色性樹脂組成物を得ることができる傾向がある。
また本発明の着色樹脂組成物が顔料を含む場合、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤として顔料誘導体等を含んでいても良い。顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシ基、アミド基等が顔料骨格に直接またはアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していても良いし、置換数の異なる化合物の混合物でも良い。顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、イソインドリン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
[1-5-3]界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤の含有割合は、着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、また、通常10質量%以下、好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.3質量%以下の範囲で用いられる。
[2]着色樹脂組成物の調製
次に、本発明に係る着色樹脂組成物(以下、レジストと称することがある)を調製する方法を説明する。
着色剤として顔料を含むものを調製する場合にはまず、顔料、溶剤および分散剤を各所定量秤量し、分散処理工程において、顔料を含む顔料を分散させて顔料分散液を調製する。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行なうことによって色材が微粒子化されるため、着色樹脂組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
顔料を分散処理する際には、上述の通り、分散助剤又は分散樹脂などを適宜併用するのが好ましい。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整すればよい。
上記分散処理によって得られた顔料分散液に、溶剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、場合によっては上記以外の成分などを混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるため、得られた顔料分散液をフィルタなどによって、ろ過処理することが好ましい。
着色剤として顔料を含まない場合には、着色剤、溶剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、場合によっては上記以外の成分などを混合し、均一な溶液として得ることができる。得られた溶液をフィルタなどによってろ過処理することが好ましい。
[3]カラーフィルタ基板の製造
次に、本発明に係るカラーフィルタについて説明する。
本発明に係るカラーフィルタは、上述の着色樹脂組成物を用いて形成した画素を有する。
[3-1]透明基板(支持体)
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラスまたは耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板及びブラックマトリクス形成基板には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、また、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。また、各種樹脂の薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。
[3-2]ブラックマトリクス
上述の透明基板上にブラックマトリクスを設け、更に通常は赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明に係るカラーフィルタを製造することができる。上記着色樹脂組成物は、赤色、緑色、青色の画素のうち、緑色の画素(レジストパターン)形成用塗布液(以下、「緑色レジスト」と略記する場合がある)として使用することが好ましい。当該緑色レジストを用い、透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリクス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像及び熱硬化の各処理を行なって画素画像を形成する。
ブラックマトリクスは、遮光金属薄膜又はブラックマトリクス用着色樹脂組成物を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法などにより、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に着色樹脂組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクス用感光性着色樹脂組成物を利用する場合は、黒色の着色剤を含有する着色樹脂組成物を使用して、ブラックマトリクスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色色材単独又は複数、もしくは、無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による黒色色材を含有する着色樹脂組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリクスを形成することができる。
[3-3]画素の形成
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素画像を形成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の着色樹脂組成物について各々行なうことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用の着色樹脂組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行なうことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くなく、更には異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布膜の厚さは、大き過ぎるとパターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、小さ過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。
[3-4]塗布膜の乾燥
基板に着色樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い温度が好ましく、具体的には、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは130℃以下の範囲である。また、乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒以上、中でも15秒以上、また、通常10分以下、中でも5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高過ぎるとバインダー樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗布膜の乾燥工程としては、温度を高めず減圧チャンバー内で乾燥を行なう減圧乾燥法を用いてもよい。
[3-5]露光工程
画像露光は、着色樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
[3-6]現像工程
本発明に係るカラーフィルタは、本発明に係る着色樹脂組成物を用いた塗布膜に対し、上記の光源によって画像露光を行なった後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いて現像を行なうことによって、基板上に画像を形成して製造することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ-・ジ-又はトリエタノールアミン、モノ-・ジ-又はトリメチルアミン、モノ-・ジ-又はトリエチルアミン、モノ-又はジイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、モノ-・ジ-又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などの何れかの方法によることができる。
[3-7]熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
[3-8]透明電極の形成
本発明に係るカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITOなどの透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミドなどのトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
[4]画像表示装置(パネル)
次に、本発明の画像表示装置について説明する。本発明の画像表示装置は、前述のカラーフィルタを有する。以下、画像表示装置として、液晶表示装置及び有機EL表示装置について詳述する。
[4-1]液晶表示装置
本発明に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明に係る液晶表示装置は、通常、上記本発明に係るカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
スペーサは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2~8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサ(PS)を形成し、これをスペーサの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
減圧時の加温保持は、通常10分間以上、60分間以下の範囲とされ、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口を、UV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
[4-2]有機EL表示装置
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<フタロシアニン化合物A>
特開平05-345861号公報の実施例30に基づいて合成した、以下の化学構造を有するフタロシアニン化合物Aを使用した。
<分散剤A:ビックケミー社製分散剤「BYK-LPN6919」>
親溶媒性基を有するAブロックと、窒素原子含有官能基を有するBブロックからなるメタクリル酸系ABブロック共重合体。下記式(2a)及び(3a)の繰り返し単位を有し、かつ、下記式(1a)の繰り返し単位を有さない。アミン価は120mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
全繰り返し単位中における下記式(2a)、(3a)の含有割合はそれぞれ、33.3モル%、6.7モル%である。
<バインダー樹脂A>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート30質量部、メタクリル酸60質量部、メタクリル酸シクロヘキシル110質量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn-ドデシルメルカプタン5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27質量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽及び連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分間かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6質量部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4質量部、トリエチルアミン0.8質量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。
室温まで冷却し、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが9000、酸価が101mgKOH/gのバインダー樹脂Aを得た。
<バインダー樹脂B>
上記化学構造のエポキシ化合物(エポキシ当量246)42g、アクリル酸12.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47.8g、トリフェニルホスフィン1g、及びp-メトキシフェノール0.025gを温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で液酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には15時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
得られたエポキシアクリレート溶液25g、トリメチロールプロパン(TMP)0.75g、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)2.3g、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)0.5gを温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温して反応させ、酸価が75mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw2400のバインダー樹脂Bを得た。
<バインダー樹脂C>
バインダー樹脂Bと同様の手順で得られた前記エポキシアクリレート溶液25g、トリメチロールプロパン(TMP)0.75g、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)2.3g、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)0.88gを温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温して反応させ、酸価が85mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw2400のバインダー樹脂Cを得た。
<バインダー樹脂D>
特許第5169422号公報の合成例2に記載の方法で得た樹脂をバインダー樹脂Dとして使用した。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは2500、酸価は112mgKOH/gであった。
<バインダー樹脂E>
国際公開第2016/002911号の実施例2に記載の方法で得た樹脂をバインダー樹脂Eとして使用した。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは6300、酸価は128mgKOH/gであった。
<バインダー樹脂F>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル190質量部とを窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。ここにベンジルメタクリレート3.5質量部、メタクリル酸68.9質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)39.7質量部を滴下し、更に120℃で4時間攪拌し続けた。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル52.7質量部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4質量部、トリエチルアミン0.8質量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。得られたバインダー樹脂FのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価は146mgKOH/gであった。
<緑色顔料分散液の調製>
C.I.ピグメントグリーン58を11.0質量部、分散剤Aを固形分換算で1.6質量部、バインダー樹脂Aを固形分換算で3.3質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを84.1質量部(分散剤A由来の溶剤及びバインダー樹脂A由来の溶剤も含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、緑色顔料分散液を調製した。
<黄色顔料分散液の調製>
C.I.ピグメントイエロー138を9.9質量部、分散剤Aを固形分換算で2.5質量部、バインダー樹脂Aを固形分換算で4.9質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを82.7質量部(分散剤A由来の溶剤及びバインダー樹脂A由来の溶剤も含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、黄色顔料分散液を調製した。
<光重合性モノマー>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(A-9550、新中村化学工業社製)
<光重合開始剤A>
以下の化学構造を有するオキシムエステル系化合物
(4-アセトキシイミノ-5-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-5-オキソペンタン酸メチル)
<連鎖移動剤A>
ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオナート)(淀化学社製)
<界面活性剤A>
メガファックF-559(DIC社製)
<着色樹脂組成物の調製>
表1に記載の各成分を表1に記載の固形分比率で混合し着色樹脂組成物を調製した。なお、着色樹脂組成物中の全固形分の含有割合が20.5質量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を使用した。得られた着色樹脂組成物におけるPGMEA/PGMEの混合比(質量比)は90/10であった。
<色特性の測定>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN100)上に、上記着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、40mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、現像処理を、0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で50秒間行った。次いで、3kg/cm2の水圧で10秒間スプレー水洗処理を行い、着色樹脂組成物塗布基板を作製した。その後、230℃で30分間の熱硬化処理を行い、着色基板を作成した。得られた着色基板について、日立製作所社製分光光度計U-3310により透過スペクトルを測定し、SB2光源にてsy=0.607の色度となった際の輝度を表2に示す。
<パターン形成性の評価>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN100)上に、熱硬化処理後にSB2光源にてsy=0.607の色度となる様に、上記着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、40mJ/cm2の露光量で、パターン幅45μmの直線状開口部を有する露光マスクを用いて露光処理を行った。その後、現像処理を、0.1質量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で50秒間行った。次いで、1kg/cm2の水圧で10秒間スプレー水洗処理を行い、着色樹脂組成物塗布基板を作製した。その後、230℃で30分間の熱硬化処理を行い、パターン基板を作成した。得られたパターン基板について、光学顕微鏡を用いて、パターン幅を測定した結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1~4のようにフタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物を用いた場合には輝度が高くなっており、一方で比較例2のようにフタロシアニン化合物(1)に替えてC.I.ピグメントグリーン58を含む着色樹脂組成物を用いた場合には輝度が低くなっている。フタロシアニン化合物(1)は溶剤への溶解性が高く、着色膜中で単分子状態で存在していると推測され、顔料であるC.I.ピグメントグリーン58よりも高輝度となっていると考えられる。特に、フタロシアニン化合物(1)は前記一般式(2)で表される基同士のπ-π相互作用とフタロシアニン骨格同士のπ-π相互作用によって耐熱性が高く、熱硬化処理後においても輝度が高くなっていると考えられる。
また表2から明らかなように、実施例1~4の着色樹脂組成物を用いた場合には露光マスクの開口パターンに対応するパターンが良好に形成できている一方で、比較例1の着色樹脂組成物を用いた場合にはパターンが消失していることが分かる。この効果の詳細な機構は明らかになっていないが、以下の要因があると推測される。
一般的には、高圧水銀灯で照射すると光重合開始剤が反応してラジカルが発生し、バインダー樹脂間等でラジカル重合が進行し、露光部分が硬化してそれが現像後も残存する。ただし、フタロシアニン化合物(1)は有機溶剤への溶解性が高いことに起因して光重合開始剤近傍に存在するものも多く、光重合開始剤からフタロシアニン化合物(1)へのエネルギー移動が生じ、発生するラジカル量が減少すると考えられる。そのため、比較例1のようにバインダー樹脂としてアクリル樹脂を用いただけでは、ラジカル重合が十分に進行せず、パターンが消失してしまったと考えられる。
これに対して、実施例1~4の着色樹脂組成物のように、バインダー樹脂としてエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いることで、エポキシ(メタ)アクリレートの骨格に多く含まれる芳香族環とフタロシアニン化合物(1)とでπ-πスタッキングが生じて、フタロシアニン化合物の近傍にバインダー樹脂が存在するようになり、それによってフタロシアニン化合物(1)近傍における光重合開始剤の存在量を少なくできると考えられる。それにより光重合開始剤からフタロシアニン化合物(1)へのエネルギー移動が低減されることで、ラジカルを多量に発生させることができ、バインダー樹脂間等でラジカル重合が十分に進行して所望のパターンが良好に形成できると考えられる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。