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JP7239409B2 - 保全計画立案システムおよび保全計画立案方法 - Google Patents
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JP7239409B2 - 保全計画立案システムおよび保全計画立案方法 - Google Patents

保全計画立案システムおよび保全計画立案方法 Download PDF

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Description

本発明は、保全計画立案システムおよび保全計画立案方法に関する。
予防保全における実施形態には時間基準保全(Time Based Maintenance: TBM)と状態基準保全(Condition Based Maintenance: CBM)の2つがあり、近年の計測センサの小型化やエッジデバイスの進化によりCBMの割合が増している。CBMに基づく保全システムの例として、例えば鉄道車両の保全分野では特許文献1)がある。特許文献1には、鉄道車両のセンサデータ若しくは制御指令値を鉄道車両から収集・分析し、鉄道車両の異常予兆を判定するシステムについて記載されている。
特開2013-107417号公報
しかしながら特許文献1のような従来技術では、TBMとCBMが混在する保全計画立案において、保全の信頼性と人手による作業時間の削減の両立が困難であるという課題が存在する。その理由は、CBMにおける状態認識系の信頼性が変化する事が考慮されていない事である。信頼性変化の例として、例えばセンサ取付け位置が運行時の振動により変化していき、走行距離が増すほどセンサデータの質が悪化するケースが考えられる。質の悪いデータに基づき状態認識が行われると、正常状態のものを近々故障すると予測したり、逆に近々故障しそうな状態のものを正常と予測したりする可能性が高まる。結果として、CBMによる保守の信頼性が失われていく問題が発生する。
この対策として、例えばCBMで実施される保全箇所についても、TBMで実施される他箇所の保全タイミングに合わせるなどして人間が定期的に確認する事が考えられる。しかし、この方法では結局TBM方式の保守を実施している事と同義であり、人手による保守機会の削減といったCBMのメリットを十分に享受できない。
本発明の一側面は、TBMとCBMが混在する保全計画立案において、保全作業の信頼性維持と人手の作業時間削減を両立させる事を目的とする。
本発明の一態様にかかる保全計画立案システムは、保全対象から得られた当該保全対象の状態を示す状態情報と、前記保全対象に対する保全作業の信頼度とに基づいて、前記保全対象に対して行われる保全計画の中からユーザが設定した前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、前記保全対象の保全計画候補として出力する信頼度演算部と、前記保全対象に対する作業員の作業時間に基づいて、前記保全対象の保全計画候補の中から、ユーザが設定した前記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力する作業時間演算部と、を備えることを特徴とする保全計画立案システムとして構成される。
本発明の一態様によれば、TBMとCBMが混在する保全計画立案において、保全作業の信頼性維持と人手の作業時間削減を両立させることができる。
実施例1の構成を示す図である。 保全情報データベースに格納されている車両情報を示す図である。 保全情報データベースに格納されている作業員情報を示す図である。 実施例1の処理フローチャートを示す図である。 実施例2の構成を示す図である。 実施例2の処理フローチャートを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGAやASIC)を含んでいてもよい。
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
なお本実施例では、具体的な分野として鉄道車両の保全計画立案を対象に説明するが、鉄道車両以外の様々な保全計画を立案する場合についても同様に適用することができる。
(実施例1)
本実施形態では、保全計画立案システムの一例として、保全作業の信頼度の制約値および作業時間の制約値をユーザが定義し、制約を満たす中で信頼度が最大かつ人手の作業時間が最小の保全計画を立案する場合の例を説明する。
図1は、本実施形態で用いられる保全計画立案システム1000の構成例を示す図である。図1に示すように本実施形態の保全計画立案システム1000は、信頼度制約入力部10、機器状態認識系11、保全情報データベース12、表示部13、作業時間制約入力部14、計画立案部20を有して構成される。以下、各ブロックについて説明する。
なお、保全計画立案システム1000で用いられる計画立案部20は、ハードウェアとしては、例えば、PC(Personal Computer)やサーバ等の一般的な情報処理装置により構成される。例えば、CPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)からプログラムを読み出して実行することにより、計画立案部20の機能が実現される。上記プログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体から読み出されたり、ネットワークを介した他のコンピュータからダウンロードする等して提供されてもよい。なお、本実施例では、表示部13は、計画立案部20ではない外部に設けられている場合を例示しているが、計画立案部20が表示部13を有していてもよい。
信頼度制約入力部10は、ユーザから、各種保全作業で推定される信頼度の許容閾値の入力を受け取る。保全作業の信頼度とは、例えば、0~1の範囲で定義される値である。人手で作業する場合(TBM)の信頼度を1とし、これを基準にCBMでの保全作業に対して相対的な信頼度を与える。許容閾値はこの信頼度に対して適用されるもので、信頼度が許容閾値を上回っている保全作業項目はCBMの認識結果を信用しても良いが、信頼度が許容閾値を下回っている項目は人手で確認するように保全計画が立案される。信頼度制約入力部10は、この信頼度の許容閾値を信頼度演算部201に送る。
機器状態認識系11は、各種センサデータから保全対象機器の状態を認識する。機器状態認識系11は複数あっても良い。機器状態認識系11は、各保全対象機器の状態認識結果、例えば正常または異常ありの二値を信頼度演算部201に送る。
保全情報データベース12は、図2に示すような車両情報1201と、図3に示すような作業員情報1202を保持する。図2の車両情報1201は、保全対象である車両ごとに存在する。車両情報とは、例えば、その車両に対する保全作業の項目と、それら保全作業項目ごとの保全形態と、保全作業の対象設備の重要度と、前回の人手保全作業からの走行距離といった車両状態とを含む情報である。
保全作業項目ごとの保全形態には、TBMかCBMのいずれかの値が設定されており、TBMの場合は人手での確認することを意味し、CBMの場合はセンサで認識すること(機器状態認識系11からの出力値により認識すること)を意味する。
対象設備の重要度には、例えば、エンジンやパンタグラフは重要度が高いため、他の設備よりも大きい値が設定され、車内の蛍光灯や座席の破れ、汚れなどは相対的に重要度が低いため、他の設備よりも小さい値が設定される。このように、対象設備の重要度は、設備ごとに設定される値である。この値は車両基地ごとに設定してもよいし、上位のシステムから一括の設定値を受け付けてもよい。
車両状態は、前回の人手作業からの経過が長いほど信頼度を低下させる作用があるパラメータである。前回の人手作業からの経過とは、例えば、図2中の走行距離である。走行距離値から車両状態値を計算する場合、まず走行距離の基準値を定めておく。そして、実際の走行距離が基準値に近づくほど車両状態値が初期値1から減少していく変換式を適用して値を求める。なお、走行距離の代わりに、単純に前回の人手作業からの時間経過に置き換えても良い。いずれにしても車両状態は初期値1から徐々に減少していくが、人手による保全が行われると初期値1にリセットされる。
図2では、ある車両Aに対して行われる保全作業が保全作業1~保全作業3までの3つがあり、例えば、保全作業1ではTBMにより保全箇所が確認され、重要な保全作業であるため、項目重要度が「1.0」として設定されていることを示している。また、前回保全作業1を行ってからの車両Aの走行距離は1000kmであることを示している。これらの情報は、信頼度演算部201や作業時間演算部202において利用される。
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、作業時間演算部202が計算した保全計画案を表示し、ユーザに提示する。提示方法としては、ディスプレイ上への表示のほか、プリンタ等の印刷機器が出力する紙媒体により行ってもよい。
作業時間制約入力部14は、ユーザから、各種保全作業で推定される所要作業時間の許容閾値の入力を受け取る。入力情報としては、例えば作業時間制約を適用するか否かの二値と、適用する場合の実際の制約値である。作業時間制約入力部14は、この2つの情報を作業時間演算部202に送る。
計画立案部20は、信頼度演算部201、作業時間演算部202を有して構成される。以下では計画立案部20を構成する各ブロックについて説明する。
信頼度演算部201は、機器状態認識系11から受け取ったCBM実施対象の状態認識結果と、信頼度制約入力部10から受け取った信頼度の許容閾値と、保全情報データベース12から受け取った図2の車両情報1201から、信頼度制約下における保全計画候補を算出する。まず大前提として、信頼度演算部201は、CBM実施対象の保全項目のうち、状態認識結果が正常でないものは必ず人手で保全を行うと判断する。信頼度演算部201は、状態認識結果が正常であるものに対しては、各保全作業項目において推定された信頼度が許容閾値を超えているか否かを計算し、保全計画候補を作成する。
具体例としては、信頼度演算部201は、信頼度が閾値を上回っているCBM実施対象の保全作業項目がn個存在したと判断した場合、(1)CBMの認識結果を信頼して何も行わないか、(2)それでも人手で確認すると判断するかの2パターンが、上記n個の作業項目ごとに選択可能であると判断し、保全計画候補を計2個作成さする。信頼度の計算例については、図4の処理フローチャートの説明にて後述する。本処理のポイントは、各保全作業項目の情報を使ってCBMの信頼度変化をモデル化する点であり、このモデルに基づいて各保全作業項目ごとのTBM/CBMの実施形態を、信頼度の観点で最適に選択できることである。各保全作業項目の情報とは、具体的には保全情報データベース12に格納されている各保全作業の対象設備の重要度や、車両状態といった情報である。信頼度演算部201は、算出された保全計画候補を作業時間演算部202に送る。
作業時間演算部202は、信頼度演算部201から保全計画候補を受け取る。また、作業時間演算部202は、保全情報データベース12から、図3の作業員情報1202を読み出し、作業時間制約入力部14から所要作業時間の許容閾値に関する情報を受け取る。作業員情報1202は、作業員の保全作業ごとのスキルレベルを管理する情報である。図3では、例えば、保全作業1の標準時間は「30分」であるところ、作業員A、作業員Cのスキルレベルには標準であることを示す指標「1.0」が設定され、作業員Bのスキルレベルには標準よりも高いレベルであることを示す指標「1.1」が設定されていることを示している。
作業時間演算部202は、それらの情報に基づき、各保全計画候補の推定作業時間を算出し、所要作業時間の許容閾値を満たす中で最善のものを最終的な保全計画案として表示部13に送る。具体的な計算例については後述する図4の処理フローチャートにて述べる。
図4は、本実施形態における処理フローチャートである。以下でフローチャートの各ブロックについて説明する。まず、本システムでは、信頼度制約入力部10が、ユーザからの信頼度制約(信頼度の閾値)の入力を受ける(S10)。入力値としては、全保全対象に一律に適用する単一の値か、各保全対象ごとに設定される複数の値のどちらでも良い。
次に、作業時間制約入力部14は、信頼度制約と同様に、ユーザからの作業時間制約(作業時間の閾値)の入力を受ける(S10)。前述したように、入力情報としては、例えば作業時間制約を適用するか否かの二値と、適用する場合の実際の制約値である。もし作業時間の入力がなければ、計画立案部20は、作業時間制約を適用しないと判断し、「作業時間制約の適用:否」の情報を作業時間演算部202に送る。
次に、信頼度演算部201は、保全計画候補の絞り込みを行う(S12)。まず、信頼度演算部201は、各保全作業項目について信頼度を推定する。Iを全保守対象車両の集合、i∈Iを各保守対象車両、Jを全保全作業項目の集合、j∈Jを各保全作業項目を表す記号として導入する。その際、保全データベース12に格納されている各車両の各保全作業項目の重要度ijと車両状態に基づき、各車両の各保全対象項目の信頼度ijは以下の式1で与えられる。
(式1) If: 保全作業項目がTBMの実施対象
Then: 信頼度_ij=1 Else:
If: 保全作業項目の状態認識結果が正常
Then: 信頼度_ij=車両状態-保全作業重要度_ij
Else:
Then: 信頼度_ij=0
なお、前述したとおり、車両状態は、実際には走行距離情報などから変換される値である。図2での変換を例とすると、各車両に対して走行距離の基準値を定義しておき、前回の人手保全作業からの走行距離ijが基準値に近づくほど、変換後の値が初期値1から減少するような変換式を適用する。そのような変換式の例としては式2が挙げられる。
(式2)車両状態=1-(前回の人手保全作業からの走行距離)_ij/(走行距離の基準値)_
次に、信頼度演算部201は、式1に基づいて計算された信頼度ijに対し、S10で受け付けた信頼度の閾値を適用する。すると、保全作業項目ijごとに閾値を上回ったか下回ったかの判定が得られる。TBMの実施対象は常に信頼度は1であるので、主な選定対象はCBMの実施対象項目となる。信頼度演算部201は、CBMの実施対象のうち状態認識結果が正常ではないものは、常に信頼度を0に設定することで必ず人手作業に割り当てる。信頼度演算部201が、CBM実施対象項目の信頼度ijが閾値を上回ったと判定した場合は、作業時間演算部202が、CBMの結果を信頼するか人手で行うかの最終判断を、後述の作業時間演算S13で行う。信頼度演算部201は、そのための情報として保全計画候補を作成する。前述したように保全計画候補とは、信頼度が閾値を上回っているCBM実施対象の保全作業項目がn個存在した場合、その項目を(1)人手で実施するか、(2)CBMの結果を信用するかの2つの場合を網羅した計2パターンの保全計画リストである。
次に、作業時間演算部202は、信頼度演算部201で計算された保全計画候補のうち、作業時間制約を満たすもの抽出して候補を絞り込む(S13)。まず、作業時間演算部202は、各保全作業項目の作業時間の推定を行う。Iを全保守対象車両の集合、i∈Iを各保守対象車両、Jを全保全作業項目の集合、j∈Jを各保全作業項目、Kを作業員全体の集合、k∈Kを各作業員を表す記号として導入する。その際に各保全作業項目の作業時間ijは、保全情報データベース12に格納されている各保全作業項目の標準作業時間ijと作業員のスキルレベルijkに基づき、以下の式3により推定される。なお、作業員スキルレベルijkは、値が1.0であれば標準作業時間で作業を完了できる事を示し、値が1.0よりも高ければより短い作業時間で作業を完了でき、値が1.0よりも低ければより長い作業時間で作業が完了できることを示す。
(式3)作業時間ij=標準作業時間_ij / 作業員スキルレベル_ijk
ここで、各保全計画候補において総作業時間が最小になるように作業員を割り当てる必要があるが、この問題には線形計画法など最適化問題を解くアルゴリズムを適用する。この計算を終えると、各保全計画候補につき作業員の割り当て情報とその際の作業時間が1個ずつ定まる。作業時間演算部202は、これらの作業時間に対して、作業時間制約入力(S11)において入力された制約情報(作業時間の閾値)を適用し、最終的な保全計画案を絞り込む。作業時間演算部202は、もし作業時間制約入力(S11)において入力された制約情報が、「作業時間制約を適用する:否」あるいは入力自体無しであると判定した場合、保全計画候補のうち作業時間が最も短いものを最終的な保全計画案とする。同様に、作業時間演算部202は、「作業時間制約を適用する:可」として作業時間の閾値情報が与えられたと判定した場合は、作業時間が閾値以下になる保全計画候補の中で、最も信頼度が高いものを最終的な保全計画案とする。作業時間演算部202は、最終的な保全計画案を表示部13に出力し、ユーザに提示する(S14)。
このように構成される本実施例によれば、ユーザから入力された保全作業信頼度と保全作業時間の制約を基に、各作業項目をTBMとCBMのどちらで実施するか、またどの作業員をどの作業に割り当てるかを決定することができる。これにより、TBMとCBMが混在する保全作業でも、信頼度と作業時間の2つを両立させた保全作業計画案を提供することができる。
すなわち、信頼度演算部201が、機器状態認識系11を介して、保全対象となる保全対象機器から得られた当該保全対象の状態を示す状態情報(例えば、各種センサデータ)と、保全対象に対する保全作業の信頼度とに基づいて、保全対象に対して行われる保全計画の中からユーザが設定した信頼度の閾値である信頼度の許容閾値(信頼度制約)を満たす保全計画を、保全対象の保全計画候補として出力し、作業時間演算部202が、保全対象に対する作業員の作業時間に基づいて、上記保全対象の保全計画候補の中から、ユーザが設定した作業時間の閾値(作業時間制約)を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力するので、TBMとCBMが混在する保全計画立案において、保全作業の信頼性維持と人手の作業時間削減を両立させることができる。
また、信頼度演算部201が、保全対象から得られた上記状態情報と、保全作業の重要度とに基づいて、上記信頼度を推定し、推定した信頼度が信頼度の閾値を満たす保全計画を、保全対象の保全計画候補として出力するので、保全作業の重要度を考慮しつつ、信頼度の閾値を満たす保全計画の候補を出力することができる。
また、信頼度演算部201は、推定した信頼度が上記信頼度の閾値を満たす保全計画を、CBMによる保全作業であると判断して、保全対象の保全計画候補を絞り込み、推定した信頼度が上記信頼度の閾値を満たさない保全計画を、TBMによる保全作業であると判断して、保全対象の保全計画候補としないため、作業時間制約を満たすか否かを判定する前に、TBMによる保全作業を除いた保全計画を候補として出力することができる。
また、作業時間演算部202は、保全作業ごとに設定される標準作業時間と、作業員のスキルレベルである作業員スキルレベルに基づいて、作業時間を推定し、推定した作業時間が、上記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力するので、作業員のスキルレベルを考慮しつつ、信頼度の閾値を満たす保全計画の候補を出力することができる。
なお、本実施例では具体的な適用分野として鉄道車両に関する保全計画立案を例に説明を行ったが、本実施例はTBMとCBMが混在する保全であれば適用分野を限定しない。例えば、バスやトラックといった車、あるいは航空機や船舶であれば、保全情報データベース12の車両情報を各分野の乗り物の情報に置き換えれば良い。また、ビル設備や昇降機といった分野であれば、例えば、保全情報データベース12の車両情報における走行距離の情報を稼働時間等の代替情報に置き換えれば対応可能である。
(実施例2)
本実施形態では、保全計画立案システムの一例として、運行情報システムから緊急に代行車両準備が可能かの問い合わせを受けた際に、その可否を自動的に応答する場合の例を説明する。これは、突発的な事故が発生して代行車両が必要になる場合などに発生する。まず、保全のために車両基地にある車両に対し、例えばX時間後に運行可能な状態になるか否かの問い合わせを運行管理システムから受ける。これに対して保全管理者は、緊急に保全作業を施したとしてX時間に間に合うかを判断する必要がある。本実施形態では、この問い合わせを時間制約と捉え、TBMとCBMを最大限に駆使した中で立案された保全計画に基づき運行管理の問い合わせに対して可否を応答する事ができる。
図5は、本実施形態で用いられる保全計画立案システム2000の構成例を示す図である。図5に示すように、本実施形態の保全計画立案システム2000は、実施例1の構成例から表示部13を有しておらず、運行情報システム15と判定部203が追加された構成となっている点で、実施例1における保全計画立案システム1000とは異なっている。また、機器状態認識系の情報の送り先が、信頼度演算部201から作業時間演算部202へ変更されている。
運行情報システム15は、作業時間演算部202に対して作業時間制約の情報を送る。具体的には、「作業時間制約を適用する:可」であり、作業時間の閾値がX時間であるという情報である。そして最終的に、判定部203から出力される実施可否の情報を受け取る。
判定部203は、作業時間演算部202および信頼度演算部201で保全計画候補が絞り込まれた後、制約を満たす保全計画候補が1つでも残っていれば運行情報システム15に可と結果を送り、1つも残っていなければ否と結果を送る。なお、図5の構成では運行情報システム15に直接結果を送っているが、この間に表示部13を介して、最終的な可否は人間が判断し送信する方式にすることも可能である。
図6は、本実施形態における保全計画立案のフローチャートである。実施例1と大きく異なる点は、保全計画候補の絞り込みが作業時間演算から行われる点である。これは、信頼度制約を満たす保全計画候補が必ず1つ以上存在する実施例1とは異なり(全てを人手で実施すると信頼度制約は必然的に満たされる)、実施例2では作業時間制約を満たす保全計画候補が1つも存在しない場合があり得るためである。その場合、作業時間演算が終了した段階で結果が確定するため、本構成であれば信頼度演算の計算を省くことができる。以下でフローチャートの各ブロックについて説明する。
まず本システムでは、作業時間演算部202が、運行情報システム15から作業時間制約の情報を受け取る(S20)。次に、信頼度制約入力部10が、ユーザの信頼度制約の入力値を受け取る(S21)。実施例1における作業時間制約がそうであったように、実施例2では信頼度制約の入力は必須ではない。しかし入力を受付ける必要があるケースもあると考えられ、その場合を考慮した入力情報として、信頼度制約入力部10は、例えば、信頼度制約を適用するか否かの二値と、適用する場合の実際の閾値を受け取る。
次に、作業時間演算部202は、作業時間制約を満たす保全計画候補の絞り込みを行う(S22)。具体的な計算は実施例1の場合と同様である。まず、作業時間演算部202は、CBMの実施対象項目のうち、状態認識結果が正常でないものは必ず人手作業に割り当てる。その後、作業時間演算部202は、CBMの実施対象である保全対象項目がn個ある場合に2個の保全計画候補を作成する。作業時間演算部202は、各保全計画候補内で作業時間が最小となる作業員の割当と総合的な作業時間を計算し、保全計画候補の中で作業時間制約の閾値以下になるものを抽出する。
次に、作業時間演算部202は、抽出された保全計画候補の数に応じて条件分岐を行う(S23)。作業時間演算部202は、もし抽出された保全計画候補の数が1つもないと判定した場合(S23;No)、判定部203に保全計画候補数0の情報を送り、処理をS25に移す。一方、作業時間演算部202は、保全計画候補が1つ以上あると判定した場合(S23;Yes)、信頼度演算部201に保全計画候補の情報を送る。そして、信頼度演算部201は、信頼度の観点からの候補の絞り込みを行う(S24)。前述した通り、信頼度制約入力部10からは(1)可否の情報と(2)可の場合の閾値の2つの情報が与えられている。もし(1)が否であれば、信頼度演算部201は、保全計画候補の中で最も信頼度が高いものを最終的な保全計画案とし、判定部203に情報を送る。もし(1)が可であれば、信頼度演算部201は、信頼度の閾値を満たす中で最も作業時間の短いものを最終的な保全計画案とし、判定部203に情報を送る。もし(1)が可であるが信頼度の閾値を満たすものが存在しなければ、信頼度演算部201は、判定部203に保全計画候補数0の情報を送る。
最後に、判定部203は、受け取っている保全計画案が存在するならば運行情報システム15に可の返答を送り、保全計画候補数0の情報を受け取っているならば非の返答を送る(S25)。
このように構成される本実施例によれば、運行情報システムから受け取った作業時間制約やユーザ入力の信頼度制約を基に、制約を満たす中で最善の保全計画が存在するか、存在した場合に具体的にどういった保全計画案かを算出できる。これにより、緊急の運行情報システムの代行車両準備可否の問い合わせに対しても、TBMとCBMを最大限に駆使した中で立案された保全計画に基づき可否を応答する事ができる。
なお、本実施例では具体的な適用分野として鉄道車両に関する保全計画立案を例に説明を行ったが、本実施例はTBMとCBMが混在する保全であれば適用分野を限定しない。例えば、運行情報システム15を各分野で存在する同様のシステムに置き換え、実施例1の場合と同様、保全情報データベース12の車両情報を各分野に適した情報に置き換えれば対応可能である。
以上、各実施例で示したように、本システムによれば、TBMとCBMが混在した保全形態において、保全作業の信頼性と人の作業時間という2つの制約下で最善の保全計画を立案することができる。具体的には、保全作業の信頼度を一定以上に保ちつつ可能な限り人手作業時間が少ない計画を立てたり、提示された作業時間制約下で最善の信頼度を持つ計画を立てることができる。
1000、2000 保全計画立案システム
10 信頼度制約入力部
11 機器状態認識系
12 保全情報データベース
13 表示部
14 作業時間制約入力部
15 運行情報システム
20 計画立案部
201 信頼度演算部
202 作業時間演算部
203 判定部

Claims (8)

  1. 保全対象から得られた当該保全対象の状態を示す状態情報と、前記保全対象に対する保全作業の信頼度とに基づいて、前記保全対象に対して行われる保全計画の中からユーザが設定した前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、前記保全対象の保全計画候補として出力する信頼度演算部と、
    前記保全対象に対する作業員の作業時間に基づいて、前記保全対象の保全計画候補の中から、ユーザが設定した前記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力する作業時間演算部と、
    を備えることを特徴とする保全計画立案システム。
  2. 請求項1に記載の保全計画立案システムであって、
    前記信頼度演算部は、前記保全対象から得られた前記状態情報と、前記保全作業の重要度とに基づいて、前記信頼度を推定し、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、前記保全対象の保全計画候補として出力する、
    ことを特徴とする保全計画立案システム。
  3. 請求項2に記載の保全計画立案システムであって、
    前記信頼度演算部は、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、CBM(Condition Based Maintenance)による保全作業であると判断して、前記保全対象の保全計画候補を絞り込み、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たさない保全計画を、TBM(Time Based Maintenance)による保全作業であると判断して、前記保全対象の保全計画候補としない、
    ことを特徴とする保全計画立案システム。
  4. 請求項1に記載の保全計画立案システムであって、
    前記作業時間演算部は、前記保全作業ごとに設定される標準作業時間と、前記作業員のスキルレベルに基づいて、前記作業時間を推定し、推定した前記作業時間が、前記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力する、
    ことを特徴とする保全計画立案システム。
  5. 信頼度演算部が、保全対象から得られた当該保全対象の状態を示す状態情報と、前記保全対象に対する保全作業の信頼度とに基づいて、前記保全対象に対して行われる保全計画の中からユーザが設定した前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、前記保全対象の保全計画候補として出力し、
    作業時間演算部が、前記保全対象に対する作業員の作業時間に基づいて、前記保全対象の保全計画候補の中から、ユーザが設定した前記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力する、
    を備えることを特徴とする保全計画立案方法。
  6. 請求項5に記載の保全計画立案方法であって、
    前記信頼度演算部は、前記保全対象から得られた前記状態情報と、前記保全作業の重要度とに基づいて、前記信頼度を推定し、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、前記保全対象の保全計画候補として出力する、
    ことを特徴とする保全計画立案方法。
  7. 請求項6に記載の保全計画立案方法であって、
    前記信頼度演算部は、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たす保全計画を、CBMによる保全作業であると判断して、前記保全対象の保全計画候補を絞り込み、推定した前記信頼度が前記信頼度の閾値を満たさない保全計画を、TBMによる保全作業であると判断して、前記保全対象の保全計画候補としない、
    ことを特徴とする保全計画立案方法。
  8. 請求項5に記載の保全計画立案方法であって、
    前記作業時間演算部は、前記保全作業ごとに設定される標準作業時間と、前記作業員のスキルレベルに基づいて、前記作業時間を推定し、推定した前記作業時間が、前記作業時間の閾値を満たす保全計画候補を、ユーザに提示する保全計画として出力する、
    ことを特徴とする保全計画立案方法。
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