JP7243126B2 - 偏光子保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
さらに、フィルムの厚みが薄くなることで加工に必要な機械的強度が不足するため、薄膜化の要望へ対応することが難しいこともあった。
項1.
ポリエステルフィルム及びその一方の面上に光学機能層を有する偏光子保護フィルムであって、
前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向はMD方向と略平行であり、
前記ポリエステルフィルムの面内複屈折ΔNxyが0.06以上0.20以下であり、
前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率が1.580以上1.630以下である、偏光子保護フィルム。
項2.
前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向及び進相軸方向の直角形引裂き法による引裂き強度のうち小さいほうの値が250N/mm以上である項1に記載の偏光子保護フィルム。
項3.
前記ポリエステルフィルムのNZ係数が1.5以上2.5以下である項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
項4.
前記ポリエステルフィルムのリタデーションが1500nm以上30000nm以下である項1~3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項5.
前記ポリエステルフィルムの厚みが25~60μmである項1~4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項6.
ポリエステルフィルムの遅相軸方向とMD方向のなす角度が3度以内である項1~5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項7.
ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、
前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率及び前記光学機能層の屈折率よりも大きい場合、又は、
前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率及び前記光学機能層の屈折率よりも小さい場合、
前記易接着層の厚みが3~30nmである、項1~6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項8.
ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、
前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率よりも大きく、前記光学機能層の屈折率よりも小さい場合、又は、
前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率よりも小さく、前記光学機能層の屈折率よりも大きい場合、
前記易接着層の厚みが65~125nmである、項1~6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項9.
ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、
前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率と前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率との間に存在する、項1~6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項10.
偏光子の少なくとも一方の面に 項1~9のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
項11.
偏光子の片面に、項1~9のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層され、偏光子のもう一方の面にはフィルムが積層されていない偏光板。
項12.
偏光子の片面に、項1~9のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層され、偏光子のもう一方の面に1/4波長板が積層された偏光板。
項13.
項10~12のいずれかに記載の偏光板を含む画像表示装置。
項14.
項10又は11に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
項15.
項10~12のいずれかに記載の偏光板を含む有機ELディスプレイ。
項16.
項10~12のいずれかに記載の偏光板を含むQLEDディスプレイ。
本発明の偏光子保護フィルムは、ポリエステルフィルム及びその一方の面上に光学機能層を有する偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向はMD方向と略平行であり、前記ポリエステルフィルムの面内複屈折ΔNxyが0.06以上0.20以下であり、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率が1.580以上1.630以下である。
遅相軸の方向は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)を用いて求めることができる。
一方、本発明においては、ポリエステルフィルムをMD方向に強く延伸することにより、ポリエステルフィルムの配向主軸方向(遅相軸方向)はMD方向となる。このポリエステルフィルムと、MD一軸延伸して製造された偏光子を長手方向が平行となるようにロールツーロールで積層して偏光板を製造すると、偏光子の吸収軸とポリエステルフィルムの遅相軸の方向は平行となる。驚くべきことに、本発明者らは、偏光子の吸収軸とポリエステルフィルムの遅相軸が平行な状態で積層された場合のほうが、偏光子の吸収軸とポリエステルフィルムの遅相軸が垂直な状態で積層された場合よりも、虹斑抑制効果に優れることを発見した。
虹斑抑制効果に優れた偏光板を、工業的に有利なロールツーロール法で生産性よく製造するため、ポリエステルフィルムをMD方向に強く延伸し、MD方向と遅相軸方向が略平行な関係を有するポリエステルフィルムが好ましい。
面内複屈折ΔNxyは、遅相軸方向の屈折率(nx)と進相軸方向の屈折率(ny)の差の絶対値のことである。なお、屈折率の測定波長は589nmである。
なお、引裂き強度は、直角形引裂き法(JIS K-7128-3)に従って測定を行い、フィルム厚み当たりの引裂き強度(N/mm)を求める。
NZ係数は次のようにして求めることができる。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向主軸方向(遅相軸方向)を求め、配向主軸方向とこれに直交する方向(進相軸方向)の二軸の屈折率(遅相軸方向の屈折率nx、進相軸方向の屈折率ny、但しnx>ny)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求める。こうして求めたnx、ny、nzを、|nx-nz|/|nx-ny|で表される式に代入して、NZ係数を求めることができる。なお、屈折率の測定波長は589nmである。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2~5mmとなるような倍率で、300~500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
進相軸方向の屈折率の値を前述の範囲とし、引裂き強度を高くするためには、完全な一軸性フィルムよりも、ΔNxyが本願で規定する範囲を満たす条件下で、適度に二軸性が付与されていることが好ましい。
続く熱処理においては、処理温度は100~250℃が好ましく、特に好ましくは180~245℃である。
光学機能層は、ハードコート層、反射防止層、低反射層及び防眩層からなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。反射防止層と防眩層との組み合わせ、低反射層と防眩層との組み合わせも好ましい態様の一つである。
ハードコート層は、硬度及び透明性を有する層であれば良く、通常、紫外線又は電子線で代表的には硬化させる電離放射線硬化性樹脂、熱で硬化させる熱硬化性樹脂等の各種の硬化性樹脂の硬化樹脂層として形成されたものが利用される。これら硬化性樹脂に、適宜柔軟性、その他物性等を付加する為に、熱可塑性樹脂等も適宜添加してもよい。硬化性樹脂のなかでも、代表的であり且つ優れた硬質塗膜が得られる点で好ましいのが電離放射線硬化性樹脂である。
リレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等も適宜用いられる。(メタ)アクリレートとは、アクリレート或いはメタクリレートを意味する。
また、シリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005-099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。これらの低屈折率層は、その屈折率が1.47以下、特に1.42以下であることが好ましい。また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は10nm~1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
防眩層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に防眩剤を分散した層として形成される。防眩剤としては、無機系又は有機系の微粒子が用いられる。これら微粒子の形状は、真球状、楕円状等である。微粒子は、好ましくは透明性のものが良い。この様な微粒子は、例えば、無機系微粒子としてはシリカビーズ、有機系微粒子としては樹脂ビーズが挙げられる。樹脂ビーズとしては、例えば、スチレンビーズ、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリルースチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒドビーズなどが挙げられる。微粒子は、通常、樹脂分100質量部に対し、2~30質量部、好ましくは10~25質量部程度添加することができる。
反射防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良い。一般に、反射防止層は少なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層より屈折率が高い)高屈折率層とを交互に隣接積層し且つ表面側を低屈折率層とした多層の層からなる。低屈折率層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、隣接積層時は各々0.1μm前後、低屈折率層単独時は0.1~1μm程度であることが好ましい。
(1)易接着層の屈折率が、ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率及び光学機能層の屈折率よりも大きい場合、又は、易接着層の屈折率が、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率及び上記光学機能層の屈折率よりも小さい場合、易接着層の厚みは、3~30nmであることが好ましい。
(2)易接着層の屈折率が、ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率よりも大きく、光学機能層の屈折率よりも小さい場合、又は、易接着層の屈折率が、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率よりも小さく、光学機能層の屈折率よりも大きい場合、易接着層の厚みは、65~125nmであることが好ましい。
(3)易接着層の屈折率が、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率との間に存在する場合、易接着層の厚みは、干渉縞の防止の観点からは特に限定されない。なお、上記プライマー層と上記光透過性基材との界面での反射量を減じて干渉縞を弱めるとの観点から、易接着層の屈折率は、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率の平均に近いほど好ましい。
また、易接着層は、上記(2)の場合においては、厚みが65~125nmであることが好ましい。この範囲を外れると、干渉縞防止性が不充分となることがある。上記(2)の場合における易接着層の厚みのより好ましい下限は70nm、より好ましい上限は110nmである。
また、易接着層は、上記(3)の場合においては、厚みは特に限定されず任意に設定すればよいが、好ましい下限は3nm、好ましい上限は125nmである。
なお、易接着層の厚みは、例えば、易接着層の断面を、電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察することにより、任意の10点を測定して得られた平均値(nm)である。非常に薄い厚みの場合は、高倍率観察したものを写真として記録し、更に拡大することで測定する。拡大した場合、層界面ラインが、境界線として明確に分かる程度に非常に細い線であったものが、太い線になる。その場合は、太い線幅を2等分した中心部分を境界線として測定する。
また、上記低屈折率微粒子としては、例えば、屈折率が1.20~1.45のものが好適に用いられる。このような低屈折率微粒子としては、従来公知の低屈折率層に用いられている微粒子を用いることができ、例えば、上述した中空シリカ微粒子や、LiF(屈折率1.39)、MgF2(フッ化マグネシウム、屈折率1.38)、AlF3(屈折率1.38)、Na3AlF6(氷晶石、屈折率1.33)及びNaMgF3(屈折率1.36)等の金属フッ化物微粒子が挙げられる。
偏光板は、PVAなどにヨウ素を染着させた偏光子の少なくとも一方の面に偏光子保護フィルムが積層された構成を有する。本発明の偏光板は、偏光板を構成する偏光子保護フィルムの少なくとも1つとして、上述した特定のポリエステルフィルムを有する本発明の偏光子保護フィルムを用いることが好ましい。ポリエステルフィルムの光学機能層が積層される面とは反対側の面に偏光子が積層されることが好ましい。
好ましい一態様としては、偏光子の片面に前述した特定のポリエステルフィルムを有する本発明の偏光子保護フィルムが積層されており、偏光子のもう一方の面にはTACフィルムやノルボルネンフィルムやアクリルフィルム等の複屈折のない偏光子保護フィルム又は光学補償フィルムが積層されている。また、別の好ましい一態様としては、偏光子の片面に前述した特定のポリエステルフィルムを含む本発明の偏光子保護フィルムが積層されており、偏光子のもう一方の面にはフィルムが積層されていない(偏光子のもう一方の面には単体として独立した状態のフィルムが偏光子に貼り付けられていない)。なお、上記別の好ましい一態様において、偏光子の特定のポリエステルフィルムが積層された面とは反対面に塗布層(ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、耐湿層(有機物からなるものであっても、無機物からなるものであってもよい)、もしくはこれらの機能を組み合わせた層)が設けられていてもよい。
画像表示装置には、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、QLEDディスプレイ等、画像表示装置の内部に偏光板を含むものが含まれる。
有機EL素子は、当該技術分野において知られる有機EL素子を適宜選択して使用することができる。有機EL素子の使用は、広視野角、高コントラスト、及び高速応答である点で好ましい。有機EL素子は、典型的には、透明基板上に透明電極である陽極、有機発光層、及び金属電極である陰極をこの順で積層した構造を有する発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)である。有機ELセルは、陽極と陰極との間に電圧が印加されたときに、陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが有機発光層中で再結合することによって発光する。
これらの視認側偏光板と1/4波長板との組合せにより円偏光板を構成することにより、有機ELセルの金属電極で鏡面反射した外光が、円偏光板で遮蔽されるため、画像表示装置の視認性の低下を抑制することができる。また。1/4波長板の有機EL素子側又は偏光子側に、さらに1/2波長板等を積層してもよい。好ましくは、1/4波長板の有機EL素子側に、1/2波長板等を互いの光軸に傾きを設けて積層したものであり、特開平10-68816や特開2017-97379に開示されている。
フィルムの遅相軸方向の評価は、分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)で測定した。
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|nx-ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)を用いて、フィルムの遅相軸方向を求め、遅相軸方向が測定用サンプル長辺と平行になるように、4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(遅相軸方向の屈折率:nx,面内で遅相軸方向と直交する方向の屈折率(即ち進相軸方向の屈折率):ny)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|nx-ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
(2)でアッベ屈折率計によって測定したnx、ny、nzの値を|nx-nz|/|nx-ny|に代入してNZ係数を求めた。
エリプソメーター(UVISEL 堀場製作所社製)を用いて測定した。
MD方向に一軸延伸して製造されたヨウ素とポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子のロールと、各実施例で得られたPETフィルムロールを、互いにMD方向が平行になるようにロールツーロールで貼り合せた。また、前記偏光子のもう一方の面に、TACフィルムのロール(富士フイルム(株)社製、厚み40μm)を、同様にロールツーロールで貼り合せ、PETフィルム/偏光子/TACフィルムからなる偏光板を作成した。
市販のIPS型液晶表示装置(液晶テレビ。バックライト光源として連続的な発光スペクトルを有する白色LEDを有する。)から、光源側偏光板及び視認側偏光板を剥がして取り除き、代わりに、上記で作成した偏光板を光源側偏光板及び視認側偏光板として液晶セルに貼り合せた。なお、その際、ポリエステルフィルムが、光源側偏光板の偏光子を起点として光源側の位置、視認側偏光板の偏光子を起点として視認側の位置に配置されるよう、光源側偏光板、視認側偏光板を液晶セルに貼り合せた。また、市販の液晶表示装置に元々貼り合されていた偏光板の吸収軸の方向と合致するように、上記で作成した偏光板を貼り合せた。すなわち、視認側偏光板は吸収軸が水平方向となるように、光源側偏光板は透過軸が水平方向となるように、上記で作成した偏光板を貼り合せた。
液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。
△ : 斜め方向から観察した時に、角度によっては薄い虹斑が観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
MD方向に一軸延伸して製造されたヨウ素とポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子のロールと、各実施例で得られたPETフィルムロールを、互いにMD方向が平行になるようにロールツーロールで貼り合せた。また、前記偏光子のもう一方の面に、1/4波長板のロールを、同様にロールツーロールで貼り合せ、PETフィルム/偏光子/(1/4波長板)からなる偏光板を作成した。
市販の有機ELディスプレイ(LG社製有機ELテレビ C6P 55インチ)から、円偏光板(有機EL素子より視認側に配置された円偏光板)を除去し、代わりに、上述して得られた偏光板をPETフィルムが視認側に配置されるよう、有機ELディスプレイ内に配置した。有機ELでディスプレイの正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。
△ : 斜め方向から観察した時に、角度によっては薄い虹斑が観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
島津製作所製オートグラフ(AG-X plus)を用いて、直角形引裂き法(JIS K-7128-3)に従い、各フィルムについてフィルム厚み当たりの引裂き強度(N/mm)を測定した。フィルムの配向主軸(遅相軸)方向に対して平行と垂直の2方向(すなわち遅相軸方向、進相軸方向の2方向)について引裂き強度を測定し、小さいほうの数値を引裂き強度として表1に記載した。なお、配向主軸方向(遅相軸方向)の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)で測定した。
製膜開始1時間後をスタートとし、そこから1時間の破断回数を比較し、製膜性について以下のように判定した。
△ : 破断回数が3回以上6回未満
× : 破断回数が6回以上
製膜開始1時間後のフィルムを欠点検査装置で検査し、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、OLS4100)で測定したキズ部分の最大高さSzが0.6μm以上のキズの個数について以下のように判定した。
△ : キズの個数が3個/m2以上6個/m2未満
× : キズの個数が6個/m2以上
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンズオキサジノン-4-オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
未延伸フィルムの厚みを変更し、走行方向に6.0倍、幅方向に2.2倍延伸した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み約40μmの偏光子保護フィルム2を得た。
偏光子保護フィルム2は、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有し、一方の易接着層の上に屈折率1.53の光学機能層が積層された構成を有する。
これをロール状に巻き取り、フィルムロール(MD方向のフィルム長さが500mのフィルムロール)とした。得られたフィルムの遅相軸は走行方向から3°以内であった。
実施例1と同様に未延伸フィルムを作り、逐次二軸延伸機にて、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に6.5倍延伸した後、フィルムの両面にポリエステル樹脂の水分散体28.0質量部と水72.0質量部とからなる易接着層用樹脂組成物を均一に塗布・乾燥し、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に2.2倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、フィルム厚み約40μmの二軸配向PETフィルムを得た。得られた二軸配向PETフィルムは、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有する。
次に、光学機能層として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、MIBK溶媒に30質量%溶解させ、光重合開始剤(Irg184、BASF社製)を固形分に対して5質量%添加した光学機能層用組成物を、バーコーターにより、乾燥後の膜厚が5μmとなるように、前記一方の易接着層の上に塗工し塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を70℃で1分間加熱して、溶剤を除去し、塗工面に紫外線を照射することにより、固定化し、屈折率1.53の光学機能層を有する偏光子保護フィルム3を得た。
これをロール状に巻き取り、フィルムロール(MD方向のフィルム長さが500mのフィルムロール)とした。得られたフィルムの遅相軸は走行方向から5°以内であった。
未延伸フィルムの厚みを変更し、走行方向に1.0倍、幅方向に4.0倍延伸した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み約40μmの偏光子保護フィルム4を得た。
偏光子保護フィルム4は、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有し、一方の易接着層の上に屈折率1.53の光学機能層が積層された構成を有する。
これをロール状に巻き取り、フィルムロールとした。得られたフィルムの遅相軸は幅方向から4°以内であった。得られたフィルムはΔNxy、NZ係数ともに満足するものであったが、遅相軸が幅方向であるため、斜め方向から観察したときに角度によっては薄い虹状の色斑が観察された。また、引裂き強度が低く容易に裂けてしまった。
なお、比較例1で得られたフィルムを偏光子と貼り合せてロールツーロールで偏光板を製造したときは、他の例よりも、幅方向に比較例1のフィルムが割れることが多かった。
未延伸フィルムの厚みを変更し、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に4.0倍延伸した後、フィルムの両面にポリエステル樹脂の水分散体28.0質量部と水72.0質量部とからなる易接着層用樹脂組成物を均一に塗布・乾燥し、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に1.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、フィルム厚み約40μmの一軸配向PETフィルムを得た。
得られた一軸配向PETフィルムは、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有する。
次に、光学機能層として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、MIBK溶媒に30質量%溶解させ、光重合開始剤(Irg184、BASF社製)を固形分に対して5質量%添加した光学機能層用組成物を、バーコーターにより、乾燥後の膜厚が5μmとなるように、前記一方の易接着層の上に塗工し塗膜を形成した。次いで、形成し
た塗膜を70℃で1分間加熱して、溶剤を除去し、塗工面に紫外線を照射することにより、固定化し、屈折率1.53の光学機能層を有する偏光子保護フィルム5を得た。
これをロール状に巻き取り、フィルムロールとした。得られたフィルムの遅相軸は走行方向から8°以内であった。得られたフィルムは虹状の色斑は観察されなかったが、引裂き強度が低く容易に裂けてしまった。
未延伸フィルムの厚みを変更し、走行方向に4.5倍、幅方向に2.4倍延伸した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み約40μmの偏光子保護フィルム6を得た。
偏光子保護フィルム6は、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有し、一方の易接着層の上に屈折率1.53の光学機能層が積層された構成を有する。
これをロール状に巻き取り、フィルムロール(MD方向のフィルム長さが500mのフィルムロール)とした。得られたフィルムの遅相軸は走行方向から8°以内であった。得られたフィルムはΔNxyが低くNZ係数が高く、斜め方向から観察したときに虹状の色斑が観察された。
未延伸フィルムの厚みを変更し、逐次二軸延伸機にて、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.2倍延伸した後、フィルムの両面にポリエステル樹脂の水分散体28.0質量部と水72.0質量部とからなる易接着層用樹脂組成物を均一に塗布・乾燥し、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に5.5倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、フィルム厚み約40μmの二軸配向PETフィルムを得た。
得られた二軸配向PETフィルムは、膜厚100nmの易接着層(屈折率1.56)をポリエステルフィルムの両面に有する。
次に、光学機能層として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、MIBK溶媒に30質量%溶解させ、光重合開始剤(Irg184、BASF社製)を固形分に対して5質量%添加した光学機能層用組成物を、バーコーターにより、乾燥後の膜厚が5μmとなるように、前記一方の易接着層の上に塗工し塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を70℃で1分間加熱して、溶剤を除去し、塗工面に紫外線を照射することにより、固定化し、屈折率1.53の光学機能層を有する偏光子保護フィルム7を得た。
これをロール状に巻き取り、フィルムロール(MD方向のフィルム長さが500mのフィルムロール)とした。得られたフィルムの遅相軸は幅方向から6°以内であった。得られたフィルムの遅相軸方向は幅方向であるため、斜め方向から観察したときに虹状の色斑が観察された。
また、前述の(5-1)虹斑観察の項目において、偏光子にTACフィルムは積層せずにPETフィルムだけ積層させたPETフィルム/偏光子からなる偏光板を用いたこと以外は同様にして液晶表示装置を製造し、虹斑観察を同様に行ったところ、表1で示す虹斑観察結果と同じ結果が得られた。
また、前記(5-1)虹斑観察(液晶表示装置)において、市販のISP型液晶表示装置を、市販のVA型液晶表示装置(液晶テレビ。バックライト光源として連続的な発光スペクトルを有する白色LEDを有する。また、視認側偏光板の吸収軸は水平方向、光源側偏光板の透過軸は水平方向であった。)に代えた以外は同様にして液晶表示装置を作成して虹斑観察を行ったところ、表1の結果で示す虹斑観察(液晶表示装置)の結果と同じであった。
Claims (17)
- ポリエステルフィルム及びその一方の面上に光学機能層を有する偏光子保護フィルムであって、
前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向はMD方向と略平行であり、
前記ポリエステルフィルムの面内複屈折ΔNxyが0.06以上0.20以下であり、
前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率が1.580以上1.630以下である、偏光子保護フィルム。 - 前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向及び進相軸方向の直角形引裂き法による引裂き強度のうち小さいほうの値が250N/mm以上である請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリエステルフィルムのNZ係数が1.5以上2.5以下である請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリエステルフィルムのリタデーションが1500nm以上30000nm以下である請求項1~3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの厚みが15~60μmである請求項1~4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの、
厚みが15~60μmであり、
進相軸方向の屈折率が1.588以上であり、
NZ係数が1.7以上である、
請求項1~5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。 - ポリエステルフィルムの遅相軸方向とMD方向のなす角度が3度以内である請求項1~6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率及び前記光学機能層の屈折率よりも大きい場合、又は、前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率及び前記光学機能層の屈折率よりも小さい場合、前記易接着層の厚みが3~30nmである、請求項1~7のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率よりも大きく、前記光学機能層の屈折率よりも小さい場合、又は、前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率よりも小さく、前記光学機能層の屈折率よりも大きい場合、前記易接着層の厚みが65~125nmである、請求項1~8のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- ポリエステルフィルムと光学機能層との間に易接着層を有し、前記易接着層の屈折率が、前記ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率と前記ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率との間に存在する、請求項1~8のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 偏光子の少なくとも一方の面に 請求項1~10のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
- 偏光子の片面に、請求項1~10のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層され、偏光子のもう一方の面にはフィルムが積層されていない偏光板。
- 偏光子の片面に、請求項1~10のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層され、偏光子のもう一方の面に1/4波長板が積層された偏光板。
- 請求項11~13のいずれかに記載の偏光板を含む画像表示装置。
- 請求項11又は12に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
- 請求項11~13のいずれかに記載の偏光板を含む有機ELディスプレイ。
- 請求項11~13のいずれかに記載の偏光板を含むQLEDディスプレイ。
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