JP7243208B2 - 電極触媒層、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池 - Google Patents
電極触媒層、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池 Download PDFInfo
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Description
H2 → 2H+ + 2e- … 式(1)
1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O … 式(2)
本発明は、稼働効率を高めることを可能とした電極触媒層、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
図1を参照して、膜電極接合体の構造を説明する。図1は、膜電極接合体の厚さ方向に沿う断面構造を示している。
図2を参照して、電極触媒層の構成をより詳しく説明する。なお、以下に説明する電極触媒層は、カソード側電極触媒層12Cおよびアノード側電極触媒層12Aの両方に適用される。しかしながら、以下に説明する電極触媒層は、カソード側電極触媒層12Cおよびアノード側電極触媒層12Aのいずれか一方のみに適用されてもよい。
図3が示すように、電極触媒層12は、電極触媒層12の厚さ方向において互いに対向する一対の面を含む。電極触媒層12において、高分子電解質膜11に接する面が第1面S1であり、第1面S1とは反対側の面が第2面S2である。上述したように、電極触媒層12は、触媒物質21、導電性担体22、高分子電解質23、および、繊維状物質24が存在しない部分である空孔25を複数有する。電極触媒層12内において、互いに隣り合う複数の空孔25が連続することによって流路12Fが形成される。
3次元計測走査型電子顕微鏡(3D‐SEM)を用いることにより、電極触媒層12が有する三次元構造を分析することが可能である。三次元構造から空孔25を抽出することによって、電極触媒層12内における流路12Fの全長Lを算出することが可能である。
図4が示すように、ヒストグラム41は、最頻値42、および、中央値43を有する。最頻値は、曲路率のなかで最も頻度が高い値である。中央値43は、曲路率を小さい順に並べた場合に、中央に位置する値である。
(条件1)階級の幅を0.1に設定した曲路率のヒストグラム41において、最頻値42が1.8以上2.8以下である。
(条件2)最頻値42における頻度が30%以上である。
(条件3)最頻値42における頻度が60%以下である。
(条件4)最頻値42が中央値43よりも大きい。
図5を参照して、膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池の構造を説明する。以下に説明する構造は、固体高分子形燃料電池の一例における構造である。また、図5は、固体高分子形燃料電池が備える単セルの構造を示している。固体高分子形燃料電池は、複数の単セルを備え、かつ、複数の単セルが互いに積層された構造でもよい。
以下、電極触媒層12の形成材料をより詳しく説明する。
触媒物質21には、白金族の金属、および、白金族以外の金属を用いることができる。白金族の金属には、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、および、オスミウムを用いることができる。白金族以外の金属には、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、および、アルミニウムなどを用いることができる。触媒物質21には、これらの金属の合金、酸化物、および、複酸化物などを用いることもできる。触媒物質21には、白金または白金合金を用いることが好ましい。
膜電極接合体10を製造する際には、転写用基材に電極触媒層12を形成し、熱圧着によって高分子電解質膜11に電極触媒層12を接合する、あるいは、ガス拡散層31A,31Cに電極触媒層12を形成し、その後、熱圧着によって高分子電解質膜11に電極触媒層12を接合する。またあるいは、高分子電解質膜11に対して直に電極触媒層12を形成する。
表1、および、表2を参照して、膜電極接合体の実施例および比較例を説明する。
[実施例1]
白金担持カーボン触媒(TEC10E50E、田中貴金属工業(株)製)、水、1‐プロパノール、高分子電解質(ナフィオン(登録商標)分散液、和光純薬工業(株)製)、および、気相成長繊維状物質(VGCF(登録商標)、昭和電工(株)製)を混合した。混合物に対して3mmのボール径を有した遊星型ボールミルを用いて30分間にわたって分散処理を行った。これにより、触媒層用スラリーを調製した。この際に、触媒層用スラリーにおける固形分比率を10質量%に設定した。また、水とプロパノールとの質量比を1:1に設定した。また、遊星型ボールミルの回転速度を600/rpmに設定した。
実施例1において、遊星型ボールミルの回転速度を高くした以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例2の膜電極接合体を得た。
実施例2において、分散処理を行う時間を長くした以外は、実施例2と同様の方法によって、実施例3の膜電極接合体を得た。
実施例1において、遊星型ボールミルの回転速度を低くした以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例4の膜電極接合体を得た。
実施例1において、気相成長繊維状物質を加えない以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例1の膜電極接合体を得た。
[曲路率の算出]
実施例1から4、および、比較例1の膜電極接合体が備えるカソード側電極触媒層の構造を3D‐SEMを用いて解析した。各カソード側電極触媒層において、3.9μm×3.9μm×4.4μmの体積を有した算出領域を設定し、算出領域における曲路率を算出した。曲路率を算出する際には、50000本の流路の長さを測定した。そして、階級の幅を0.1に設定して、各カソード側電極触媒層について曲路率のヒストグラムを作成した。
各膜電極接合体の両面にガス拡散層としてカーボンクロスを配置し、これらを一対のセパレーターで挟持することによって、評価用の固体高分子形燃料電池を得た。そして、燃料電池測定装置(APMT-02、(株)東陽テクニカ製)を用いて固体高分子形燃料電池のコンディショニングを行うことによって、電流密度が1000mA/cm2であり、かつ、電圧変化率ΔVが2mV/h以上(ΔV≦2mV/h)に到達するまでの時間を測定した。この際、燃料ガスとして純水素ガスを用い、酸化剤ガスとして空気を用いた。また、固体高分子形燃料電池内の温度を80℃に設定し、アノードの相対湿度(RH)を88%に設定し、カソードの相対湿度を42%に設定した。
各膜電極接合体の両面にガス拡散層としてカーボンクロスを配置し、これらを一対のセパレーターで挟持することによって、評価用の固体高分子形燃料電池を得た。そして、燃料電池測定装置(APMT-02、(株)東陽テクニカ製)を用いて、各固体高分子形燃料電池のI‐V特性を測定した。この際に、燃料ガスとして純水素ガスを用い、酸化剤ガスとして空気を用い、かつ、参照電極に可逆水素電極(RHE)を用いた。そして、電流密度が0.8A/cm2であるときの出力電圧を測定した。また、固体高分子型燃料電池内の温度を80℃に設定し、相対湿度を30%に設定した。
各カソード側電極触媒層の曲路率についてヒストグラムを作成したところ、各カソード側電極触媒層の曲路率における最頻値、最頻値における頻度、および、中央値は、以下の表1に示す通りであった。
(1)曲路率のヒストグラムにおける最頻値が1.8以上であるため、電極触媒層内に含まれる反応点の数が少ないために、固体高分子形燃料電池を稼働した初期において、固体高分子形燃料電池の出力が上がりにくいことが抑えられる。曲路率のヒストグラムにおける最頻値が2.8以下であるため、電極触媒層が含む流路12Fの長さが長すぎることによって、固体高分子形燃料電池を稼働した初期において、電極触媒層におけるガスの拡散と排水とが生じにくくなることが抑えられる。これにより、電極触媒層を備える固体高分子形燃料電池の稼働効率を高めることができる。
[曲路率]
・電極触媒層12の曲路率は、条件2から条件4の少なくとも1つを満たさなくてもよい。この場合であっても、電極触媒層12の曲路率が条件1を満たす以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることができる。
Claims (6)
- 固体高分子形燃料電池において固体高分子電解質膜に接合する電極触媒層であって、
触媒物質と、
前記触媒物質を担持する導電性担体と、
高分子電解質と、
繊維状物質と、を含み、
前記電極触媒層は、前記電極触媒層の厚さ方向において互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面から前記第2面まで延びる複数の流路と、を含み、
各流路の長さを前記電極触媒層の厚さによって除算した値が曲路率であり、
階級の幅を0.1に設定した前記曲路率のヒストグラムにおいて、最頻値が1.8以上2.8以下である
電極触媒層。 - 前記最頻値における頻度が30%以上である
請求項1に記載の電極触媒層。 - 前記最頻値における頻度が60%以下である
請求項1または2に記載の電極触媒層。 - 前記最頻値が、中央値よりも大きい
請求項1から3のいずれか一項に記載の電極触媒層。 - 固体高分子電解質膜と、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電極触媒層と、を備え、
前記電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜において対向する2つの面の少なくとも一方に接合されている
膜電極接合体。 - 請求項5に記載の膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
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