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JP7246631B2 - パラメータの取得方法 - Google Patents
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JP7246631B2 - パラメータの取得方法 - Google Patents

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Description

本発明は、砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータの取得方法、及び砂型の一面せん断試験装置に関する。
従来、土木分野の設計においては、土や砂(砂型)のせん断強度を求めるために、砂型の一面せん断試験が行われている。この一面せん断試験は、砂型の試験片を一面せん断試験装置に収容し、当該砂型のせん断強度を測定するものである。
上記一面せん断試験装置には、例えば、上下に分割された収容箱を備えた一面せん断試験装置がある(特許文献1の図4参照)。この一面せん断試験装置では、収容箱に砂型の試験片を収容し、上側の収容箱に一定の垂直荷重を負荷した状態で、当該上側の収容箱を水平移動させることにより試験片にせん断応力を作用させる。このとき、試験片に生じるせん断応力を荷重測定器で計測するとともに、上側の収容箱の垂直変位及び水平変位をそれぞれ変位測定器で計測することにより、試験片のせん断強度を測定できるようになっている。
特開平8-226886号公報
上記砂型の設計においては、FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析等の数値解析が利用されている。FEM解析では、砂型の解析モデルを作成して各種のパラメータを入力することにより、砂型の凝固収縮時の寸法変化等を予測することができる。このような数値解析を実行するためには、上記した一面せん断試験装置による一面せん断試験の測定結果から、砂型に作用するせん断応力や垂直応力等の各種パラメータを取得する必要がある。
しかしながら、上述した一面せん断試験装置では、室温で砂型のせん断強度を測定するものであるので、高温下での砂型のせん断強度を測定することができないという課題がある。このため、高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータを取得することができないという課題がある。
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータを取得することを目的とする。更に、高温下で砂型の一面せん断試験を行える一面せん断試験装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るパラメータの取得方法は、砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータの取得方法であって、前記砂型の温度及び物性値を含む設定条件を決める設定工程と、前記設定工程により決められた前記設定条件を用いて、複数の温度下で、上下に分割可能な収容器に収容した前記砂型の試験片に対して一面せん断試験を行う試験工程と、前記砂型が所定の強度包絡線に従うものとして、前記試験工程により得られた測定結果に基づいて複数の温度毎に前記強度包絡線を作成することにより、前記パラメータを算出するパラメータ算出工程と、を含むことを特徴とする。
上記したパラメータの取得方法によれば、試験工程にて複数の温度下で砂型の一面せん断試験を行い、当該試験工程により得られた測定結果に基づいて、パラメータを算出工程にて複数の温度毎に強度包絡線を作成することで、砂型の一面せん断に関する数値解析に用いる各種パラメータを複数の温度毎に取得できる。
また、本発明の一態様に係るパラメータの取得方法では、前記設定工程にて決められる前記設定条件には、前記砂型に軸方向から負荷する荷重の大きさ、及び前記砂型のせん断変位量が含まれ、前記試験工程にて得られる前記測定結果には、複数の温度下における前記砂型のせん断応力、前記砂型の垂直応力、及び垂直変位量が含まれ、前記パラメータ算出工程にて算出される前記パラメータには、温度毎の前記砂型の粘着力、前記砂型の内部摩擦角、及び前記砂型の膨張角が含まれることを特徴とする。
上記したパラメータの取得方法によれば、試験工程にて得られる複数の温度下における砂型のせん断応力、砂型の垂直応力、及び垂直変位量の測定結果に基づいて、パラメータ算出工程にて、温度毎の砂型の粘着力、砂型の内部摩擦角、及び砂型の膨張角を算出できる。これにより、砂型の一面せん断に関する数値解析に、温度毎の砂型の粘着力、内部摩擦角、及び膨張角をパラメータとして入力することができ、良好な数値解析結果を得ることができる。
また、本発明の一態様に係るパラメータの取得方法では、前記設定条件における砂型の温度に、少なくとも100℃以上の高温が含まれることを特徴とする。
上記したパラメータの取得方法によれば、100℃以上の高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析を行うことができ、高温下での砂型の強度を高精度に予測することができる。
また、本発明の一態様に係るパラメータの取得方法では、前記パラメータ算出工程にて作成する前記強度包絡線は、前記試験工程により得られた測定結果から非測定部分を補完することにより作成されることを特徴とする。
上記したパラメータの取得方法によれば、試験工程により得られた測定結果に基づいて、試験工程にて測定していない範囲(非測定部分)を補完することにより強度包絡線を作成することができる。これにより、パラメータを取得するために必要な試験工程における一面せん断試験の回数を削減できる。
本発明の一態様に係る砂型の一面せん断試験装置は、砂型の一面せん断試験装置であって、前記砂型の試験片を収容する上下に分割可能な収容器と、前記収容器内の前記試験片を加熱するヒータと、前記収容器内の前記試験片に第1方向から荷重を負荷する第1加圧部と、前記第1加圧部に荷重を負荷された状態で、上下に分割された一方側の前記収容器内の前記試験片に前記第1方向に直交する第2方向から荷重を負荷する第2加圧部と、前記第1加圧部により前記試験片に負荷された荷重を測定する第1荷重センサと、前記第2加圧部により荷重を負荷された前記試験片に生じるせん断応力を測定する第2荷重センサと、前記第2加圧部により荷重を負荷された前記試験片のせん断変位量を測定するせん断変位センサと、を備えたことを特徴とする。
上記した砂型の一面せん断試験装置によれば、第1加圧部により収容器内の試験片に第1方向(軸方向)から荷重を負荷した状態で、第2加圧部により収容器内の試験片に第2方向(側面方向)から荷重を負荷することで、試験片に所望のせん断応力を作用させて砂型の一面せん断試験を行うことができる。特に、ヒータによって、収容器内の試験片を高温に加熱することができるので、高温下で砂型の一面せん断試験を行うことができる。これにより、高温を含む複数の温度下において、砂型のせん断強度を測定することができる。
本発明の一態様のパラメータの取得方法によれば、高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータを取得することができる。
また、本発明の一態様の砂型の一面せん断試験装置によれば、高温下で砂型の一面せん断試験を行うことができる。
本発明の実施形態に係る一面せん断試験装置の概略図である。 実施形態に係る砂型の強度包絡線の一例を示す図である。 実施形態に係る砂型の膨張角を示す概念図である。 実施形態に係るパラメータの取得方法の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る一面せん断試験装置による一面せん断試験の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る一面せん断試験によるせん断変位量と荷重センサにより測定される応力との関係を示すグラフである。 実施形態に係る一面せん断試験によるせん断変位量と垂直変位量との関係を示すグラフである。 実施形態に係る一面せん断試験により得られた測定結果に基づいて作成された強度包絡線の一例を示すグラフである。 実施形態に係るパラメータ取得方法により算出されたパラメータを用いた数値解析の解析値と実験値とを比較した図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1~図9を参照して説明する。
[一面せん断試験装置]
まず、砂型の一面せん断試験を行うための一面せん断試験装置1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の一面せん断試験装置1の概略図である。図1に示すように、一面せん断試験装置1は、筐体100と、収容器10と、第1加圧部21と、当接部材21aと、当接部材21bと、第2加圧部22と、第1シリンダ31と、第2シリンダ32と、第1上部荷重センサ41(第1荷重センサ)、第1下部荷重センサ42(第1荷重センサ)と、第2荷重センサ43と、せん断変位センサ44と、ヒータ51,52と、ガイド60と、を備えている。
この一面せん断試験装置1による一面せん断試験では、収容器10内に砂型の試験片TPを収容し、第1加圧部21により軸方向から試験片TPに荷重を負荷させた状態で、第2加圧部22により側面方向から試験片TPに荷重を負荷させることにより、試験片TPにせん断応力を作用させる装置である。以下、説明の便宜上、図1中の筐体100の底面側を下側、第1シリンダ31側を上側、第2シリンダ32側を右側、第2シリンダ32とは反対側を左側とする。
筐体100は、矩形箱状の部材であって、仕切板101によって上下に区切られている。筐体100の内部には、収容器10が配置される。収容器10は、所定量の砂型の試験片TPを収容するための容器である。試験片TPとしては、例えば直径50mm、高さ50mm程度の円柱形状のものを用いる。収容器10のサイズ及び形状は、試験片TPに応じて適宜設計変更が可能である。
収容器10は、上部容器11と下部容器12とを有し、上部容器11と下部容器12とに分割可能に構成されている。上部容器11は、仕切板101に固定されている。上部容器11の上面側及び下面側は開放されている。下部容器12の上面側は開放され、下面側は閉鎖されている。
上部容器11及び下部容器12は、上記一面せん断試験を行う前は一体化されている。一方、一面せん断試験を行う際には、上部容器11と下部容器12とに二分割される。二分割された下部容器12は、後述する第2加圧部22により加圧されることにより、ガイド60に沿って側面左方向に移動可能になっている。ガイド60は、筐体100の底面に固定され、後述する当接部材21bを摺動可能に支持する。
なお、収容器10は、上下に分割可能な構成でなくてもよく、収容器10内の試験片TPにせん断応力を作用させることができる構成であれば、適宜設計変更してもよい。
第1加圧部21は、例えば棒状の部材であって、当接部材21aを介して、収容器10内の試験片TPに軸方向(第1方向)から荷重を負荷する。第1加圧部21の上部には、第1シリンダ31が設けられている。第1シリンダ31は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、第1加圧部21を軸方向に移動させる。
下部容器12とガイド60との間には、当接部材21bが設けられている。当接部材21bは、例えば棒状の部材であって、下部容器12とガイド60とを連結するための部材である。第1加圧部21により収容器10に下方に荷重が負荷されると、当接部材21bを介して、ガイド60側から下部容器12に荷重(反力)が負荷される。
第2加圧部22は、棒状の部材であって、下部容器12内の試験片TPに側面方向(第2方向)から荷重を負荷する。第2加圧部22の右側部には、第2シリンダ32が設けられている。第2シリンダ32は、上記制御装置からの制御信号に基づいて、第2加圧部22を側面左方向に移動させる。
なお、上記第1シリンダ31及び第2シリンダ32としては、例えば、油圧式、空圧式、及び電動式等のシリンダを用いることができる。また、第1シリンダ31及び第2シリンダ32の代わりに、例えば電動ジャッキを用いてもよい。
本実施形態では、収容器10内の試験片TPを加熱するためのヒータ51,52が設けられている。ヒータ51は、上部容器11の内部に設けられている。また、ヒータ52は、下部容器12の内部に設けられている。なお、ヒータ51,52は、収容器10内の試験片TPを加熱できればよく、その配置位置や配置個数は適宜変更してもよい。例えば、ヒータ51を上部容器11の側面に設置すると共に、ヒータ52を下部容器12の側面に設置してもよい。
第1加圧部21には、第1上部荷重センサ41が設けられている。第1上部荷重センサ41は、第1加圧部21により、収容器10内の試験片TPに負荷された荷重を測定するためのセンサである。
当接部材21bには、第1下部荷重センサ42が設けられている。第1下部荷重センサ42は、ガイド60側から下部容器12に負荷される荷重(反力)を測定するためのセンサである。
また、第2加圧部22には、第2荷重センサ43が設けられている。第2荷重センサ43は、第2加圧部22により、下部容器12内の試験片TPに負荷された荷重を測定するためのセンサである。
上記第1上部荷重センサ41、第1下部荷重センサ42、及び第2荷重センサ43は、測定された荷重の大きさに応じた電気信号を図示しない制御装置に出力する。なお、第1上部荷重センサ41、第1下部荷重センサ42、及び第2荷重センサ43としては、圧電素子式、ひずみゲージ式、及び静電容量式等のロードセルを用いることができる。
せん断変位センサ44は、下部容器12の側面付近に設けられ、第2加圧部22により、側面方向に荷重を負荷された下部容器12内の試験片TPのせん断変位量を測定するセンサである。なお、図示しないが、下部容器12の側面付近には、下部容器12内の試験片TPの垂直変位量を測定する垂直変位センサが設けられている。
上記せん断変位センサ44を用いることにより、下部容器12内の試験片TPのせん断変位量を連続的に測定することができる。また、垂直変位センサを用いることにより、下部容器12内の試験片TPの垂直変位量を連続的に測定することができる。なお、せん断変位センサ44及び垂直変位センサとしては、例えばレーザ変位計を用いることができる。
[パラメータの取得方法]
次に、上記した一面せん断試験装置1を用いて、砂型の数値解析(FEM解析)に入力するパラメータを取得する方法について、図2~図8を参照して説明する。
(砂型の前提条件)
まず、本実施形態では、砂型が、図2に示されるMohr-Coulomb(モール・クーロン)の強度包絡線に従うことを前提としている。Mohr-Coulombの強度包絡線は、以下の式(1)に示される。
τ=c+σtanφ・・・式(1)
ここで、τはせん断応力、cは粘着力、σは垂直応力、φは内部摩擦角を表している。砂型(土や砂)の設計においては、砂型のせん断強度を求めることが重要となる。このせん断強度を求める際に、上記Mohr-Coulombの強度包絡線が使用される。Mohr-Coulombの強度包絡線は、モールの応力円とクーロンの破壊基準とを合わせることにより作成される。この強度包絡線は、砂型にせん断応力を作用させた時に、砂型が破壊する破壊面での応力状態を示している。すなわち、砂型に作用するせん断応力τが、τ>c+σtanφの時に、砂型は破壊した状態となる。一方、τ<c+σtanφの時に、砂型は安定した状態となっている。
また、砂型には、図3に示すような、せん断特性がある。すなわち、密詰めの砂型では、せん断応力を作用させた時に、ある砂粒子が他の砂粒子の上に乗り上げることにより砂型が膨張する。このため、砂の垂直変位量(体積ひずみ)は、せん断変位量(せん断ひずみ)の増加に伴って増大する。この砂型の膨張時の角度が膨張角ψで示される。これに対して、緩詰めの砂型では、せん断応力を作用させた時に、砂粒子が落ち込み収縮する。このため、砂の垂直変位量は、せん断変位量の増加に伴って減少する。
本実施形態では、砂型に上記した特性があることを前提とし、図4に示す工程の順序で、砂型の数値解析に用いる各種パラメータを取得する。すなわち、図4に示すように、設定工程(S1)、試験工程(S2)、パラメータ算出工程(S3)の順に、パラメータの取得を行う。以下、各工程について詳しく説明する。
(設定工程S1)
設定工程S1では、砂型の温度、及び砂型の物性値の設定条件を決める。砂型の物性値には、砂型の種類、密度、水分、活性粘土分、コンパクタビリティー、砂型強度等が含まれる。具体的には、設定工程S1において、砂型の物性値及び温度等の設定条件を、以下のように決めた。砂型の種類は珪砂、砂型の物性値は、密度1.53g/cm、水分3.2%、活性粘土分7.6wt%、コンパクタビリティー38%、砂型強度20N/cmの砂型を試験片TPとして用いた。
砂型の試験片TPは、サイズが直径50mm、高さ50mmの円柱状のものを用いた。砂型の設定温度は、室温から400℃までの範囲とした。また、第1加圧部21により軸方向から負荷する荷重の大きさは、0.5MPa、0.75MPa、1.0MPaとした。また、第2加圧部22より側面方向から下部容器12を加圧することに伴う、下部容器12内の試験片TPのせん断変量は10mmとした。また、せん断変位速度は、1.0mm/minとした。
(試験工程S2)
次に、試験工程S2において、上記設定工程S1にて決めた設定条件により、砂型の温度が室温から400℃の高温まで複数の温度下で、上記一面せん断試験装置1を用いて砂型の一面せん断試験を複数回行う。この一面せん断試験の流れについて、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示すフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されない。
上記試験工程S2にて行われる一面せん断試験では、まず、収容器10内に砂型の試験片TPを収容する(S21)。続いて、図示しない制御装置から制御信号を出力することにより、第1シリンダ31を作動させて、第1加圧部21を収容器10側へ移動させる。これにより、収容器10内の試験片TPに軸方向から所定の荷重を負荷する(S22)。
次に、収容器10内の試験片TPに軸方向から荷重を負荷した状態で、側面方向から試験片TPにせん断応力を負荷する(S23)。具体的には、上記制御装置から制御信号を出力することにより、第2シリンダ32を作動させて第2加圧部22を収容器10側へ移動させる。これにより、下部容器12内の試験片TPに側面方向から荷重を負荷する。これにより、収容器10内の試験片TPには、せん断応力が作用する。
そして、ガイド60に沿って下部容器12を側面方向(図1の左側方向)に所定距離移動させることにより、下部容器12内の試験片TPを所定距離せん断移動させる(S24)。このようにして、設定工程S1にて決められた設定条件下で、複数回一面せん断試験を行う。
なお、上記砂型の一面せん断試験中においては、せん断変位センサ44及び垂直変位センサにより、下部容器12内の試験片TPのせん断変位量、及び垂直変位量が連続的に測定されている。また、第1上部荷重センサ41により、第1加圧部21から試験片TPに負荷された荷重が連続的に測定されていると共に、第1下部荷重センサ42により、ガイド60側から下部容器12に負荷された荷重(反力)が連続的に測定されている。また、第2荷重センサ43により、第2加圧部22に加圧されて試験片TPに生じるせん断応力が連続的に測定されている。
(パラメータ算出工程S3)
次に、パラメータ算出工程S3について説明する。パラメータ算出工程S3では、上記試験工程S2により得られた測定結果に基づいて、複数の温度毎に後述する強度包絡線を作成することにより、各パラメータを算出する。
上記一面せん断試験の測定結果の一部を図6及び図7に示す。図6は、一面せん断試験によるせん断変位量と荷重センサにより測定される応力との関係を示すグラフである。図7は、一面せん断試験によるせん断変位量と垂直変位量との関係を示すグラフである。
図6に示す例では、せん断変位量が10mm、第1加圧部21による軸方向からの負荷荷重(上部軸荷重)が0.75MPa、及び、ガイド60側から当接部材21bを介して下部容器12に負荷される荷重(下部軸荷重)が0.4MPaの条件下で、一面せん断試験を行った。このとき、下部容器12内の試験片TPに生じたせん断応力τの測定結果は、図6に示すように、0.3MPa程度となった。
<粘着力c、内部摩擦角φの算出>
試験工程S2による測定結果から得られる上部軸荷重が、下部容器12内の試験片TPに負荷された垂直応力σとなる。この垂直応力σ、及びせん断応力τを、図8に示すようにプロットしていく。
以下、第1加圧部21により負荷される軸方向からの負荷荷重(上部軸荷重)を変更して、同一の一面せん断試験を実施する。少なくとも3箇所以上にプロットすることができれば、図8に示す強度包絡線を作成することが可能である。図8には、9箇所にプロットされている例が示されている。
このようにして、一面せん断試験の測定結果に基づいて得られた垂直応力σ及びせん断応力τをプロットしていくことにより、上記した式(1)に示すMohr-Coulombの強度包絡線を作成することができる。
図8に示すように、Mohr-Coulombの強度包絡線を作成することができれば、強度包絡線の切片から粘着力cを算出でき、強度包絡線の傾きから内部摩擦角φを算出できる。更に、強度包絡線を作成することにより、試験工程S2により得られた測定結果から非測定部分を補完することができ、各パラメータを効率良く算出することが可能となる。
そして、設定工程S1において、砂型の設定温度を室温から400℃まで変更して、試験工程S2にて一面せん断試験を複数回行うことにより、パラメータ算出工程S3にて複数の温度下の粘着力c、及び、内部摩擦角φを算出できる。
<膨張角ψの算出>
次に、図7に示すせん断変位量と垂直変位量との関係から膨張角ψを算出する。具体的には、膨張角ψは、例えば強度包絡線が安定しているせん断変位量5mm地点において、垂直変位の傾きを求めることにより算出する。ただし、膨張角ψが負の値になる場合には、数値解析に用いるパラメータとして、膨張角ψを0に設定する場合もある。
そして、設定工程S1において、砂型の設定温度を室温から400℃まで変更して、試験工程S2にて一面せん断試験を複数回行うことにより、パラメータ算出工程S3にて複数の温度下の膨張角ψを算出できる。
(数値解析の結果)
次に、上記したパラメータの取得方法によって得られた各種パラメータを入力して、砂型の数値解析(FEM解析)を行った結果について、図9を参照して説明する。上記したパラメータの取得方法によって、100℃以上の高温を含む複数の異なる温度毎に、砂型の粘着力c、砂型の内部摩擦角φ、及び、砂型の膨張角ψが算出される。これらの各パラメータを入力して、砂型の数値解析(FEM解析)を行った解析結果の一例を図9に示す。図9に示すように、本実施形態により取得されたパラメータを用いて数値解析を実行したところ、100℃以上の高温下においても、砂型の鋳物収縮量に関する数値解析の解析値を、実験値に良好に近付けることができた。
[実施形態の効果]
上記した本実施形態のパラメータの取得方法によれば、試験工程S2にて複数の温度下で、上下に分割可能な収容器10内に収容した砂型の試験片TPに対して一面せん断試験を行う。この測定結果に基づいて、パラメータ算出工程S3にて、複数の温度毎に、Mohr-Coulombの強度包絡線を作成することによって、複数の温度毎に、数値解析(FEM解析)に必要な各パラメータを効率良く取得できる。これにより、砂型の一面せん断に関する数値解析において、上記各パラメータを入力して、複数の温度下で良好に数値解析を行うことができ、砂型の凝固収縮時の鋳物収縮量や砂型反力等を高精度に予測することができる。
また、上記したパラメータの取得方法によれば、試験工程S2にて得られる複数の温度下における砂型のせん断応力τ、砂型の垂直応力σ、及び垂直変位量の測定結果に基づいて、パラメータ算出工程S3にて、温度毎の砂型の粘着力c、砂型の内部摩擦角φ、及び砂型の膨張角ψを算出できる。これにより、砂型の一面せん断に関する数値解析に、温度毎の砂型の粘着力c、内部摩擦角φ、及び膨張角ψをパラメータとして入力することができ、良好な数値解析結果を得ることができる。
また、上記したパラメータの取得方法によれば、100℃以上の高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータを取得できるので、高温下での砂型の一面せん断に関する数値解析を良好に実施することが可能となり、高温下での砂型のせん断強度を高精度に予測できる。
また、上記したパラメータの取得方法によれば、試験工程S2により得られた測定結果に基づいて、試験工程S2にて測定していない範囲(非測定部分)を補完して、Mohr-Coulombの強度包絡線を作成する。これにより、数値解析に用いる各パラメータを取得するために必要な一面せん断試験の回数を削減でき、効率良く各パラメータを取得できる。
上記した砂型の一面せん断試験装置1によれば、第1加圧部21により、収容器10内の試験片TPに軸方向から荷重を負荷した状態で、第2加圧部22により、上下に分割された収容器10の一方側の下部容器12内の試験片TPに側面方向から荷重を負荷することで、試験片TPに所望のせん断応力を作用させて砂型の一面せん断試験を行うことができる。これにより、上記一面せん断試験の測定結果を用いることで、上記Mohr-Coulombの式(1)における粘着力c、内部摩擦角φ、及び膨張角ψの正確な値を取得することが可能となる。
特に、ヒータ51,52により、収容器10内の試験片TPを、少なくとも100℃以上の高温に加熱できるので、高温下で砂型の一面せん断試験を行うことができる。これにより、高温を含む複数の温度下において、砂型の一面せん断時に生じるせん断応力、及びせん断変位量を測定することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 一面せん断試験装置
10 収容器
11 上部容器
12 下部容器
21 第1加圧部
22 第2加圧部
41 第1上部荷重センサ(第1荷重センサ)
42 第1下部荷重センサ(第1荷重センサ)
43 第2荷重センサ
44 せん断変位センサ
51,52 ヒータ
TP 試験片
S1 設定工程
S2 試験工程
S3 パラメータ算出工程

Claims (4)

  1. 砂型の一面せん断に関する数値解析に用いるパラメータの取得方法であって、
    前記砂型の温度及び物性値を含む設定条件を決める設定工程と、
    前記設定工程により決められた前記設定条件を用いて、複数の温度下で、上下に分割可能な収容器に収容した前記砂型の試験片に対して一面せん断試験を行う試験工程と、
    前記砂型が所定の強度包絡線に従うものとして、前記試験工程により得られた測定結果に基づいて複数の温度毎に前記強度包絡線を作成することにより、前記パラメータを算出するパラメータ算出工程と、
    を含むことを特徴とするパラメータの取得方法。
  2. 前記設定工程にて決められる前記設定条件には、前記砂型に軸方向から負荷する荷重の大きさ、及び前記砂型のせん断変位量が含まれ、
    前記試験工程にて得られる前記測定結果には、複数の温度下における前記砂型のせん断応力、前記砂型の垂直応力、及び垂直変位量が含まれ、
    前記パラメータ算出工程にて算出される前記パラメータには、温度毎の前記砂型の粘着力、前記砂型の内部摩擦角、及び前記砂型の膨張角が含まれることを特徴とする請求項1に記載のパラメータの取得方法。
  3. 前記設定条件における前記砂型の温度には、少なくとも100℃以上の高温が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のパラメータの取得方法。
  4. 前記パラメータ算出工程にて作成する前記強度包絡線は、前記試験工程により得られた測定結果から非測定部分を補完することにより作成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパラメータの取得方法。
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