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JP7247362B2 - 熱硬化性樹脂組成物、印刷用コーティング材、硬化物、積層体および積層体の製造方法 - Google Patents
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JP7247362B2 - 熱硬化性樹脂組成物、印刷用コーティング材、硬化物、積層体および積層体の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、印刷用コーティング材、硬化物、積層体および積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、印刷用コーティング材、硬化物、積層体および積層体の製造方法に関する。
シールやラベルの基材として用いられているOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)は、表面自由エネルギーが低く、例えば水の接触角が100°以上となるため、インクの印刷適性に劣る。そのため、通常はOPP上に易印刷層を製膜することでインクの印刷適性を向上させているが、この易印刷層は耐擦り傷性が十分でなく、取り扱う際に易印刷層に傷が入り意匠性が損なわれやすいという問題があった。
また、特許文献1には、塗膜外観に優れて、かつ、剥離性能および耐溶剤性に優れた硬化膜を形成し得る剥離コーティング剤として、メラミン樹脂(A)、炭素数12~24の脂肪族ヒドロキシカルボン酸の自己縮合物(B)、および酸触媒(C)を含む熱硬化性剥離コーティング剤が開示され、該コーティング剤がさらにポリオレフィンポリオールなどのポリオール(D)を含んでもよいことが開示されている。
また、特許文献2には、易印刷層を形成するためのコート液として、ヘキサメチロールメラミン初期重合体を含むコート液が開示されている(特許文献2の実施例参照)。そして、引用文献2では、樹脂基材の表面にコート液を塗布した後、コート液を熱処理してメラミン樹脂層を形成し、次いで、メラミン樹脂層上に水性インクを用いて画像を印刷している。
特開2019-94483号公報 特開2019-64238号公報
しかしながら、特許文献1には、メラミン樹脂とポリオレフィンポリオールを組み合わせた実施例がなく、メラミン樹脂とポリオレフィンポリオールを組み合わせることによる特別な効果に関する記述もない。また、本発明者らが特許文献1の実施例に用いられているメチル化メラミン樹脂と、オレフィン重合体とを用いて試験したところ、得られた硬化膜は透明性が低く実用上使用できないことが判明した。
また、特許文献2では、樹脂基材の表面に、易印刷層としてメラミン樹脂層を形成しているが、樹脂基材に対するメラミン樹脂層の密着性は不十分である。
本発明は、密着性に優れた硬化膜を形成できる熱硬化性樹脂組成物、印刷用コーティング材、硬化物、積層体および積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、水酸基を有するラジカル重合体と、酸触媒とを含有する熱硬化性樹脂組成物を用いることで、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
本発明[1]は、(A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、(B)水酸基を有するラジカル重合体と、(C)酸触媒と、を含有する熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[2]は、前記ラジカル重合体に対する前記アルキルエーテル化アミノ樹脂の質量比は、50/50~99/1の範囲である、上記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[3]は、前記ラジカル重合体に対する前記アルキルエーテル化アミノ樹脂の質量比は、1/99~49/51の範囲である、上記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[4]は、前記アルキルエーテル化アミノ樹脂が、ブチルエーテル化メラミン樹脂である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[5]は、前記ラジカル重合体の水酸基価が、20~200mgKOH/gである、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[6]は、前記ラジカル重合体の溶解性パラメータδ(SP値)が、8.0~9.0である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[7]は、前記ラジカル重合体が、水酸基を有しないラジカル重合体と、水酸基を有するモノマーとの反応生成物であり、前記水酸基を有しないラジカル重合体は、炭素数2~20のオレフィンの重合体、二重結合を複数有するオレフィンの重合体、および、オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[8]は、前記酸触媒が、パラトルエンスルホン酸である、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[9]は、さらに、(D)フッ素を含有する表面調整剤を、前記アルキルエーテル化アミノ樹脂および前記ラジカル重合体の総和100質量部に対して、0.1~30質量部含む、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[10]は、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、印刷用コーティング材を含む。
本発明[11]は、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる、硬化物を含む。
本発明[12]は、水の接触角が20~89°である、上記[11]に記載の硬化物を含む。
本発明[13]は、基材、硬化膜および印刷層の順に積層された積層体であって、前記硬化膜は、上記[11]に記載の硬化物を含む、積層体を含む。
本発明[14]は、前記基材が、オレフィン重合体からなる、上記[13]に記載の積層体を含む。
本発明[15]は、上記[13]または[14]に記載の積層体を含み、前記基材は、粘着領域と非粘着領域とを含む、ラベルを含む。
本発明[16]は、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗布する工程の後に、前記熱硬化性樹脂組成物を60~160℃に加熱して硬化させ、硬化膜を形成する工程と、を含む、積層体の製造方法を含む。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、SP値が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、水酸基を有するラジカル重合体と、酸触媒とを含有するので、密着性に優れた硬化膜を形成できる。
本発明の印刷用コーティング材は、上記した熱硬化性樹脂組成物を含むので、密着性に優れた硬化膜を形成できる。
本発明の硬化物は、上記した熱硬化性樹脂組成物からなるので、優れた密着性を有する。
本発明の積層体は、上記した硬化物を含む硬化膜を備えるので、基材に対する硬化膜の密着性の向上を図ることできる。
本発明のラベルは、上記した積層体を含み、基材が粘着領域と非粘着領域とを含むので、基材に対する硬化膜の密着性の向上を図ることできながら、ラベルを対象物に取り付けることができる。
本発明の積層体の製造方法は、上記した積層体を円滑に製造することができる。
図1は、本発明のラベルの一実施形態としての商品用ラベルの側断面図である。 図2Aは、図1に示す商品用ラベルの一実施形態(粘着領域が中央に位置する態様)の底面図である。図2Bは、図1に示す商品用ラベルの他の実施形態(粘着領域が端部に位置する態様)の底面図である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、(A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、(B)水酸基を有するラジカル重合体と、(C)酸触媒とを含有する。以下に各成分の詳細を示す。
<アルキルエーテル化アミノ樹脂(A)>
本発明で用いられるアルキルエーテル化アミノ樹脂(A)(以下、単に「アミノ樹脂(A)ともいう。」)は、溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂である。アルキルエーテル化アミノ樹脂は、アミノ樹脂(該アミノ樹脂は、アミノ化合物とホルムアルデヒドとから得られる熱硬化性樹脂のことを指す。)のメチロール基の少なくとも一部が、アルキルエーテル化(例えば、メチルエーテル化、エチルエーテル化、プロピルエーテル化、n-ブチルエーテル化、iso―ブチルエーテル化など)されたアミノ樹脂をいう。
前記SP値とは、当業者などの間で一般にソルビリティ・パラメーターとも呼ばれるものであって、樹脂の親水性または疎水性の度合いを示す尺度であり、また樹脂間の相溶性を判断する上でも重要な尺度である。溶解性パラメータは、例えば、濁度測定法などに基づいて数値定量化することができる(参考文献:K.W.Suh,D.H.Clarke J.Polymer.Sci.,A-1,5,1671(1967).)。本明細書中の溶解性パラメータは、濁度測定法により求めたパラメータである。濁度測定法による溶解性パラメータは、例えば、測定対象である樹脂固形分(所定質量)を一定量の良溶媒(アセトンなど)に溶解させた後、水またはヘキサンなどの貧溶媒を滴下することによって、上記樹脂が不溶化し、溶液中に濁度を生じるまでの各々の滴定量から、上記参考文献などに記載されている公知の計算方法により求めることができる。
前記アミノ樹脂(A)のSP値は、10.0以下であり、好ましくは、9.0~9.8、より好ましくは、9.1~9.5の範囲である。前記アミノ樹脂(A)のSP値が前記範囲内であることにより、後述するラジカル重合体(B)との相溶性が良好となり、外観、ポリオレフィン基材に対する密着性、耐擦り傷性および印刷適性に優れた塗膜(硬化膜)を得ることができる。
前記アミノ樹脂(A)の好ましい例としては、水酸基を有するラジカル重合体(B)との相溶性に優れる点から、ブチルエーテル化メラミン樹脂が挙げられ、特にフルアルキル型のブチルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。
前記アミノ樹脂(A)は、単独で使用または2種以上を併用することができる。
前記アミノ樹脂(A)の市販品としては、三井化学社製「ユーバン 20SB」、「ユーバン 520」などのブチルエーテル化メラミン樹脂を用いることができる。
前記アミノ樹脂(A)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは、1,000~8,000であり、より好ましくは、1,200~7,000であり、さらに好ましくは、1,500~6,000である。なお、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる(以下同様)。アミノ樹脂(A)の重量平均分子量が前記範囲にあることで、適度な粘性を有する樹脂組成物を得ることができ、相溶性、機械特性、平滑性、外観などに優れる硬化物を得ることができる。
前記アミノ樹脂(A)は、好ましくは、メラミン、ホルムアルデヒドおよび炭素数1~6のアルキル鎖を有するアルコールを、酸触媒の存在下で縮合させて得ることができる。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノールなどが用いられるが、該アルコールとしては、含水アルコールを用いてもよく、また主となるアルコールとは別のアルコールを少量含有する、いわゆる混合アルコールを用いてもよい。
前記メラミンとしては、特に限定されず、従来公知の方法で合成してもよく、市販品でもよい。前記ホルムアルデヒドは、水溶液であってもよく、固形のパラホルムアルデヒドであってもよい。経済性の観点からホルマリン濃度が80質量%以上のパラホルムアルデヒドが好ましい。
後述するラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比(アミノ樹脂(A)/ラジカル重合体(B))は、例えば、1/99~99/1、好ましくは、10/90~95/5である。前記アミノ樹脂(A)の含有割合が前記範囲内であることにより、硬化膜の基材に対する密着性の向上を確実に図ることができる。
また、ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比は、耐擦り傷性の観点から好ましくは、50/50~99/1、より好ましくは、60/40~99/1、さらに好ましくは、60/40~95/5、とりわけ好ましくは、65/35~90/10である。ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比が上記範囲であると、塗膜外観と密着性および耐擦り傷性とのバランスに優れた塗膜(硬化膜)が得られる。とりわけ、ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比が65/35以上であると、硬化膜の耐擦り傷性の向上を図ることができる。また、ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比が90/10以下であると、硬化膜の密着性の向上を図ることができる。
また、ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比は、印刷適性の観点から好ましくは、1/99~49/51、より好ましくは、10/90~40/60である。ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比が上記範囲であると、インクに対する優れた印刷適性を、硬化膜に確実に付与できる。
また、ラジカル重合体(B)に対するアミノ樹脂(A)の固形分質量比は、耐擦り傷性と印刷適性とのバランスの観点から好ましくは、20/80~70/30、より好ましくは、20/80~60/40である。
<水酸基を有するラジカル重合体)>
本発明で用いられる水酸基を有するラジカル重合体(B)(以下、単に「ラジカル重合体(B))ともいう。」)は、水酸基を有しないラジカル重合体が、水酸基を有するモノマーによって変性されることにより得られる。言い換えれば、水酸基を有するラジカル重合体(B)は、水酸基を有しないラジカル重合体と、水酸基を有するモノマーとの反応生成物である。なお、以下では、水酸基を有しない変性前のラジカル重合体を、変性前ラジカル重合体とし、水酸基を有するラジカル重合体(B)と区別する。
変性前ラジカル重合体は、ラジカル重合性モノマーの重合体であって、好ましくは、少なくともオレフィンを含むラジカル重合性モノマーの重合体(オレフィン系重合体)である。オレフィンは、ラジカル重合性モノマーの一例である。
変性前ラジカル重合体(オレフィン系重合体)として、例えば、炭素数2~20のオレフィンの重合体、二重結合を複数有するオレフィンの重合体、オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。言い換えれば、水酸基を有しないラジカル重合体は、例えば、炭素数2~20のオレフィンの重合体、二重結合を複数有するオレフィンの重合体、および、オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィン系重合体である。
炭素数2~20のオレフィンの重合体は、具体的には、炭素数4~20のα―オレフィンに由来する構成単位を含んでいる。すなわち、炭素数2~20のオレフィンの重合体は、炭素数4~20のα―オレフィンからなる単独重合体か、または、炭素数4~20のα―オレフィンと炭素数2~3のオレフィンと共重合体である。
炭素数4~20のα―オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの直鎖状または分岐状のα―オレフィンが挙げられる。
炭素数4~20のα―オレフィンとしては、好ましくは、炭素数4~10の直鎖状のオレフィン、より好ましくは、炭素数4~6の直鎖状のオレフィン、さらに好ましくは、1-ブテンが挙げられる。炭素数4~20のα―オレフィンとして1-ブテンを用いれば、良好な溶剤溶解性と優れた樹脂強度とを両立することができる。これらは、単独で使用または2種以上を併用することができる。
炭素数2~3のオレフィンとしては、例えば、エチレンおよびプロピレンが挙げられ、好ましくは、プロピレンが挙げられる。
炭素数2~20のオレフィンとしては、例えば、上記した炭素数2~3のオレフィン、上記した炭素数4~20のα―オレフィンが挙げられる。これらは、単独で使用または2種以上を併用することができる。炭素数2~20のオレフィンとしては、好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテンが挙げられ、より好ましくは、プロピレンおよび1-ブテンの併用が挙げられる。
二重結合を複数有するオレフィンの重合体は、具体的には、二重結合を複数有するオレフィンに由来する構成単位を含んでいる。
二重結合を複数有するオレフィンとしては、ジオレフィン、トリオレフィン、テトラオレフィンなどが挙げられる。二重結合を複数有するオレフィンとして、具体的には、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、3-メチル-1,2-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,5-ヘキサジエンなどが挙げられる。アミノ樹脂(A)や後述する希釈溶剤との相溶性に優れる点から、1,3-ブタジエンが好ましく用いられる。
オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体は、具体的には、上記したオレフィンに由来する構成単位と、オレフィン以外のラジカル重合性モノマーに由来する構成単位とを含んでいる。
オレフィン以外のラジカル重合性モノマーとして、例えば、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
変性前ラジカル重合体は、単独で使用または2種以上を併用することができる。
変性前ラジカル重合体のなかでは、好ましくは、オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられ、より好ましくは、炭素数2~20のオレフィンとスチレンとの共重合体が挙げられ、さらに好ましくは、炭素数2~6のオレフィンとスチレンとの共重合体が挙げられる。
炭素数2~6のオレフィンとスチレンとの共重合体として、とりわけ好ましくは、スチレン/エチレン/1-ブテン/スチレン共重合体、および、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体が挙げられる。
水酸基を有するモノマーは、変性前ラジカル重合体の主鎖に付加反応する。これによって、変性前ラジカル重合体に水酸基が導入され、水酸基を有するラジカル重合体(B)が調製される。
水酸基を有するモノマーは、水酸基に加えてエチレン性不飽和二重結合を有する。水酸基を有するモノマーとして、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとして、メタクリレートおよびアクリレートが挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、炭素数が2~4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、単独で使用または2種以上を併用することができる。
水酸基を有するラジカル重合体(B)として、特に好ましくは、2-ヒドロキシプロピルアクリレート変性スチレン/エチレン/1-ブテン/スチレン共重合体、および、2-ヒドロキシプロピルアクリレート変性スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体が挙げられる。
前記ラジカル重合体(B)の水酸基価は、例えば、10~250mgKOH/g、好ましくは、20~200mgKOH/g、より好ましくは、25~200mgKOH/g、さらに好ましくは、30~150mgKOH/gである。なお、水酸基価は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。水酸基価が前記範囲内であると、前記アミノ樹脂(A)との相溶性が良好であり、透明な塗膜(硬化膜)が得られ、塗膜の耐擦り傷性が良好となる。
前記ラジカル重合体(B)は、GPCにより測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは、500~100,000であり、より好ましくは、1,000~95,000である。ラジカル重合体(B)のMwが前記範囲内であることにより、塗装性、塗膜(硬化膜)の外観、強度、硬度および耐擦り傷性などに優れる。
前記ラジカル重合体(B)のSP値は、例えば、7.0~9.5、好ましは、8.0~9.0、より好ましくは、8.2~8.9である。
ラジカル重合体(B)のSP値が上記の範囲内であると、前記アミノ樹脂(A)との相溶性が良好となり、後述する硬化膜の耐擦り傷性の向上を図ることができる。
前記アミノ樹脂(A)のSP値と、前記ラジカル重合体(B)のSP値との差は、例えば、±3以下、好ましくは、±1.3以下、より好ましくは、±1.0以下、さらに好ましくは、±0.5以下である。
前記ラジカル重合体(B)の市販品の例としては、日本曹達(株)製「NISSO-PB GI-1000」、「NISSO-PB GI-2000」、「NISSO-PB GI-3000」、「NISSO-PB G-1000」、「NISSO-PB G-2000」、「NISSO-PB G-3000」,CRAY VALLEY製「Krasol LBH-P2000」、「Krasol HLBH-P2000」などが挙げられる。
<酸触媒(C)>
酸触媒(C)は、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸類や、有機酸類が挙げられる。該有機酸類としては、例えば、シュウ酸、酢酸、ギ酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ-2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェートなどの有機リン酸;スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などの熱酸発生剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を併用できる。
酸触媒(C)は、前記アミノ樹脂(A)、前記ラジカル重合体(B)および後述する希釈溶剤との相溶性が良好である点から、p-トルエンスルホン酸が好ましい。
本発明の組成物における酸触媒(C)の含有量は、特に限定されないが、速硬化性と後述するコーティング材の保管安定性が両立できる点から、前記アミノ樹脂(A)および前記ラジカル重合体(B)の総和100質量部に対して、1~10質量部程度が好ましく、2~8質量部程度がより好ましい。
<フッ素を含有する表面調整剤(D)>
本発明の組成物は、好ましくは、フッ素を含有する表面調整剤(以下、「フッ素含有表面調整剤(D))ともいう。」)をさらに含有する。
フッ素含有表面調整剤(D)は、親水性を有する界面活性剤であって、例えば、パーフルオロアルキル基と、水酸基とを有する。
パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば、3~20、好ましくは、4~6である。パーフルオロアルキル基は、例えば、フッ素含有表面調整剤(D)の一方の分子末端に位置する。水酸基は、例えば、フッ素含有表面調整剤(D)の他方の分子末端に位置する。
フッ素含有表面調整剤(D)として、具体的には、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などが挙げられる。
フッ素含有表面調整剤(D)は、単独で使用または2種以上を併用することができる。
フッ素含有表面調整剤(D)のなかでは、好ましくは、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物が挙げられる。
フッ素含有表面調整剤(D)の市販品としては、AGCセイミケミカル社製「サーフロンIF-HC125」、「サーフロンS-242」などを用いることができる。
フッ素含有表面調整剤(D)の含有量は、前記アミノ樹脂(A)および前記ラジカル重合体(B)の総和100質量部に対して、例えば、0.05~40質量部、好ましくは、0.1~30質量部、より好ましくは、0.1~3質量部である。
フッ素含有表面調整剤(D)の含有量が上記の範囲内であると、後述する硬化膜の水の接触角の低減を図ることができ、インクに対する優れた印刷適性を、硬化膜により確実に付与できる。
また、本発明の組成物は、フッ素を含有しない表面調整剤を含有してもよい。フッ素を含有しない表面調整剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤などが挙げられる。フッ素を含有しない表面調整剤は、単独で使用または2種以上を併用することができる。フッ素を含有しない表面調整剤は、フッ素含有表面調整剤(D)と併用してもよい。フッ素を含有しない表面調整剤の含有量の範囲は、フッ素含有表面調整剤(D)の含有量の範囲と同じである。
<添加剤(E)>
本発明の組成物は、必要に応じて添加剤(E)を含有してもよい。このような添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の添加剤を用いることができる。具体的には、顔料、染料、レベリング剤、密着付与材、安定向上剤、発泡抑制剤、耐候性向上剤、ワキ防止剤、酸化防止剤、分散剤、湿潤剤、チクソ剤および紫外線吸収剤などが挙げられる。添加剤(E)は、酸触媒(C)の範疇に入らないルイス酸およびプロトン酸を含んでいてもよい。また、添加剤(E)は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物の全量100質量部に対する前記添加剤(E)の含有量は、通常0~50質量部、好ましくは、0~30質量部である。添加剤(E)の含有量が前記範囲内であることにより、塗装性、塗膜物性および保存安定性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。
<溶剤>
本発明の組成物は、必要に応じて溶剤によって希釈されてもよい。溶剤(希釈溶剤)は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアルキルベンゼン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、アセト酢酸メチルなどの酢酸エステル系溶剤、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール(PGM)などのアルコール系溶剤、および、水などが挙げられる。前記溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
前記アミノ樹脂(A)、前記ラジカル重合体(B)および前記酸触媒(C)の溶解性の観点から、極性の比較的低い溶剤、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノンなどを用いることが好ましい。
本発明の組成物が溶剤に希釈された場合、組成物の希釈液全量に対する、前記溶剤全体の含有量は、好ましくは、10~95質量%、より好ましくは、20.0~90.0質量%、さらに好ましくは、40.0~85.0質量%である。
上記した熱硬化性樹脂組成物は、SP値が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、水酸基を有するラジカル重合体と、酸触媒とを含有する。そのため、後述する基材に対して優れた密着性を有する硬化膜を形成できる。
本発明の組成物は、塗料(コーティング材)用途に好適に用いることができる。熱硬化性樹脂組成物の用途として、具体的には、印刷用コーティング材が挙げられる。
印刷用コーティング材は、熱硬化性樹脂組成物を含む。印刷用コーティング材は、印刷の前処理として基材に塗布された後に硬化されて、基材のインクに対する印刷適性を向上させる。
[硬化物および積層体]
本発明の硬化物は、本発明の組成物からなることを特徴とし、通常、硬化膜の形態である。また、本発明の積層体は、本発明の組成物からなる硬化膜を含むことを特徴とし、例えば、基材と該基材上に形成された硬化膜とを含む積層体や、基材、硬化膜および印刷層の順に積層された積層体などが挙げられる。
本発明の硬化物(硬化膜)の製造方法は、本発明の組成物を60~160℃、好ましくは、70~140℃の温度に加熱して硬化させる工程(以下「加熱工程」ともいう。)を含むことを特徴とする。
前記加熱工程における加熱時間は、加熱温度にもよるが20秒~60分の範囲、好ましくは、30秒~40分の範囲であり、基材(被塗装体)の耐熱性や塗装ラインの生産性に応じて温度と時間を適切に組み合わせることができる。
本発明の組成物を基材(被塗装体)に塗布する工程の後に、該組成物を前記加熱工程と同様の条件で加熱(乾燥)して硬化させ、硬化膜を形成することにより、本発明の積層体を製造することができる。
なお、加熱は二段階以上で行ってもよく、前記記載範囲の温度と時間の範囲で硬化させた積層体を別の保温庫に移動し、別途加熱するなど後養生工程を入れてもよい。前記加熱工程は、減圧下で行ってもよく、不活性ガス雰囲気下などで行ってもよい。
硬化膜の上に製膜する印刷層の印刷性に優れる点から、硬化膜(硬化物)の水の接触角は、例えば、20~90°、好ましくは、20~89°、より好ましくは、50~89°、さらに好ましくは、60~85°である。なお、接触角は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
前記基材(被塗装体)としては、樹脂素材が挙げられ、前記樹脂素材としては、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、オレフィン重合体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ABS、PMMA、ナイロン、ポリアミドおよびこれらに表面処理されたものが挙げられる。また、これらの材料からなる基材に、必要に応じてプライマー、中塗り、上塗り塗料が塗装されたものも使用することができる。このような基材のなかでは、好ましくは、オレフィン重合体からなる基材が挙げられる。本発明の組成物からなる硬化膜は、特にオレフィン重合体からなる基材に対する密着性に優れるとともに、外観、耐擦り傷性および印刷適性にも優れている。
本発明の組成物を基材に塗布する方法としては、特に限定されず、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、および、バーコーターやドクターブレードを用いる方法などが挙げられる。
前記硬化膜の厚さは、特に限定されず、所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは、0.05~40μmであり、より好ましくは、0.1~30μmである。
上記した積層体の用途として、例えば、商品用ラベル、RFIDタグ、ステッカーなどが挙げられ、好ましくは、商品用ラベルが挙げられる。
図1に示すように、商品用ラベル1は、基材2と、コート層3と、印刷層4とを順に備える。言い換えれば、商品用ラベル1は、基材2、コート層3および印刷層4が順に積層される積層体を含む。
基材2は、例えば、上記した樹脂素材からなる樹脂基材である。
コート層3は、基材2の厚み方向の一方面に位置する。コート層3は、上記した硬化膜であって、上記した熱硬化性組成物が硬化した硬化物を含む。コート層3を調製するには、上記した印刷用コーティング材を上記した塗布する方法で基材2上に塗布した後、印刷用コーティング材の塗膜を上記した加熱温度に加熱して硬化させる。
印刷層4は、コート層3に対して基材2の反対側に位置する。印刷層4は、コート層3の厚み方向の一方面に位置する。印刷層4は、例えば、公知の印刷装置により、公知のインクを用いて印刷される。
図2Aおよび図2Bに示すように、商品用ラベル1は、好ましくは、粘着領域2Aと、非粘着領域2Bとを有する。
粘着領域2Aは、粘着力(感圧接着力)を有する。粘着領域2Aは、基材2の厚み方向の他方面に位置する。粘着領域2Aは、公知の粘着剤(感圧接着剤)から形成される粘着剤層(感圧接着剤層)である。粘着領域2Aの位置は、用途に応じて適宜変更される。
非粘着領域2Bは、粘着力(感圧接着力)を有しない。非粘着領域2Bは、基材2の厚み方向の他方面における粘着領域2A以外の部分である。非粘着領域2Bにおいて、基材2の厚み方向の他方面が露出している。
このような商品用ラベル1として、例えば、商品に直接貼り付ける貼着ラベル11(図2A参照)、商品に巻き付ける胴巻ラベル(ラップラウンド)12(図2B参照)などが挙げられる。
図2Aに示すように、貼着ラベル11における粘着領域2Aは、例えば、基材2の厚み方向の他方面における中央に位置する。図2Bに示すように、胴巻ラベル12における粘着領域2Aは、例えば、基材2の厚み方向の他方面における端部に位置する。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
[物性]
実施例および比較例において用いた材料の物性の測定方法は、下記のとおりである。
<重量平均分子量>
アミノ樹脂(A)およびラジカル重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、GPCにより、以下の条件で測定した。
装置:昭和電工(株)製Shodex GPC-101
検出器:RI-71S
カラム:昭和電工(株)製GPC KF804L(Φ8.0mm×300mm)×3本
測定温度:40℃
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/min
<水酸基価>
水酸基を有するラジカル重合体(B)の水酸基価は、JIS K 1557-1(水酸基価の求め方)に準じて測定した。
[合成例]
<合成例1>水酸基を有するラジカル重合体の合成
スチレン/エチレン/1-ブテン/スチレン共重合体2.4kgを10Lのトルエンに加え、窒素雰囲気下で112℃に昇温し、トルエンを4L留出させた。165℃まで昇温後、攪拌下で2-ヒドロキシプロピルアクリレート266g、ジ-tert-ブチルパーオキシド67gを6時間かけて系に供給し、続けて165℃で1.5時間攪拌を行った。冷却後、固形分が22質量%となるようトルエンを系に供給して調整した。
得られた2-ヒドロキシプロピルアクリレート変性スチレン/エチレン/1-ブテン/スチレン共重合体の水酸基価は、40mgKOH/g、Mwは、90,000であった。
<合成例2>水酸基を有するラジカル重合体の合成
スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体2.3kgを10Lのトルエンに加え、窒素雰囲気下で112℃に昇温し、トルエンを4L留出させた。165℃まで昇温後、攪拌下で2-ヒドロキシプロピルアクリレート265g、ジ-tert-ブチルパーオキシド74gを5時間かけて系に供給し、続けて165℃で2時間攪拌を行った。冷却後、固形分が18質量%となるようトルエンを系に供給して調整した。
得られた2-ヒドロキシプロピルアクリレート変性スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体の水酸基価は、50mgKOH/g、Mwは、80,000であった。
<合成例3>水酸基を含まないラジカル重合体の合成
プロピレン/1-ブテン共重合体3kgを10Lのトルエンに加え、窒素雰囲気下で145℃に昇温し、該共重合体をトルエンに溶解させた。さらに、攪拌下で無水マレイン酸382g、ジ-tert-ブチルパーオキシド175gを4時間かけて系に供給し、続けて145℃で2時間攪拌を行った。冷却後、多量のアセトンを投入し変性された共重合体を沈殿させ、ろ過し、アセトンで洗浄した後、真空乾燥した。得られた重合体を固形分が10質量%となるようトルエンとMEKの混合溶液を系に供給して調整した。
得られた無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体のMwは、110,000であった。
[材料]
実施例および比較例において、組成物(コーティング材)を調製する際に用いた原料および組成物を塗布する際に用いた基材は、以下のとおりである。
<アルキルエーテル化アミノ樹脂(A)>
(A-1)ブチルエーテル化メラミン樹脂:「ユーバン520」(三井化学(株)製)
・固形分:85質量%
・重量平均分子量:1,800
・SP値:9.2
(A-2)ブチルエーテル化メラミン樹脂:「ユーバン20SB」(三井化学(株)製)
・固形分:50質量%
・重量平均分子量:5,500
・SP値:9.3
<アミノ樹脂(A)以外のアルキルエーテル化アミノ樹脂(A’)>
(A’-1)ブチルエーテル化メラミン樹脂:「ユーバン225」(三井化学(株)製)
・固形分:60質量%
・重量平均分子量:2,200
・SP値:10.2
(A’-2)メチルエーテル化メラミン樹脂:「サイメル303LF」(ダイセル・オルネクス社製)
・固形分:98質量%
・重量平均分子量:900
・SP値:13.8
<水酸基を有するラジカル重合体(B)>
(B-1)合成例1で得られたラジカル重合体
・固形分:22質量%
・重量平均分子量:90,000
・水酸基価:50mgKOH/g
・SP値:8.8
<水酸基を有するラジカル重合体(B)>
(B-2)合成例2で得られたラジカル重合体
・固形分:16質量%
・重量平均分子量:80,000
・水酸基価:40mgKOH/g
・SP値:8.9
(B-3)水酸基含有ブタジエン重合体の水素添加物「NISSO-PB GI-1000」(日本曹達(株)製)
・固形分:100質量%
・重量平均分子量:4,400
・水酸基価:73mgKOH/g
・SP値:8.6
<ラジカル重合体(B)以外のラジカル重合体(B’)>
(B’-1)合成例3で得られたラジカル重合体
・固形分:10質量%
・重量平均分子量:110,000
・SP値:8.8
(B’-2)水酸基を含有しないブタジエン重合体「NISSO-PB BI-2000」(日本曹達(株)製)
・固形分:100質量%
・重量平均分子量:4,500
・SP値:9.0
<酸触媒(C)>
(C-1)「パラトルエンスルホン酸一水和物」(富士フィルム和光純薬(株)製)
<表面調整剤(D)>
(D-1)フッ素含有表面調整剤「サーフロンIF-HC125」(AGCセイケミカル(株)製)
(D-2)フッ素含有表面調整剤「サーフロンS-242」(AGCセイケミカル(株)製)
(D-3)シリコーン系表面調整剤「BYK-3560」(BYK(株)製)
(D-4)スルホン酸系表面調整剤「ぺレックスTR」(花王(株)製)
<基材>
・二軸延伸ポリプロピレンフィルム(210mm×297mm×厚さ50μm)
[評価項目および評価方法]
実施例および比較例で作成した塗膜(硬化膜)の評価は以下のようにして行った。
<塗膜外観>
硬化直後の硬化膜のヘーズをヘーズメーター(NDH-4000型、日本電色工業(株)製)で測定した。また、樹脂組成物を硬化させた試験片を以下の基準で目視にて評価した。
A:異物や白化がみられず異状がない(〇)。
B:異物や白化がみられ異状がある(×)。
<密着性>
JIS K5400 8.5.2:1990に準じて、塗膜(硬化膜)にナイフを使用して、素地に達するよう1mm幅で縦、横それぞれ切り目を碁盤目に入れ、ついで、その表面にセロハン粘着テープを密着させ、瞬時に剥がした後の塗膜状態を下記の基準により評価した。
A:剥離、塗膜の欠けがない(〇)。
B:剥離、塗膜の欠けが一部ある(△)。
C:剥離、塗膜の欠けが全面にある(×)。
<耐擦り傷性>
硬化直後の硬化膜を、スチールウール(ボンスター No.0000、日本スチールウール工業(株)製)で1往復擦った後の塗膜(硬化膜)の状態を、下記基準により評価した。
A:傷の本数が0~5本(〇)。
B:傷の本数が6~10本(△)。
C:傷の本数が11本以上(×)。
<印刷適性>
硬化膜上に印刷したインク(酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体)の密着性および硬化膜に対する水の接触角を測定した。なお、インクの密着性は、JIS K5400 8.5.2:1990に準じて評価した。水の接触角は、JIS R3257:1999『基板ガラス表面のぬれ性試験方法』に準じて測定した。そして、印刷適性を下記基準により評価した。
A:水の接触角が89°以下であり、インクの剥離、欠けがない(◎)。
B:水の接触角が90°以上であり、インクの剥離、欠けがない(〇)。
C:水の接触角が89°以下であり、インクの剥離、欠けが一部ある(△)。
D:水の接触角が90°以上であり、インクの剥離、欠けが一部ある(△)。
E:水の接触角が89°以下であり、インクの剥離、欠けが全面にある(×)。
F:水の接触角が90°以上であり、インクの剥離、欠けが全面にある(×)。
[実施例1]
アミノ樹脂溶液(A-1)20.2gと、ラジカル重合体溶液(B-1)52.0gとを配合し、トルエン/MEK=50/50の混合溶媒22.2gを加えて十分に溶解混合した。次いで、酸触媒(C-1)をPGMで固形分25%にした溶液を5.7g(アミノ樹脂(A-1)およびラジカル重合体(B-1)の総和100質量部に対して5質量部)添加し、不揮発分30質量%の熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた組成物を膜厚50μmのOPPフィルムにバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて120秒、1分の条件で加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、各種試験を実施した。結果を表1に示す。
[実施例2~6、11~13、比較例1~6]
表1~表3に示す組成に代えた以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表1~表3に示す。
[実施例7]
熱硬化性樹脂組成物に表面調整剤(D-1)0.5質量部を添加したこと以外は、実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。
[実施例8]
ラジカル重合体溶液(B-1)をラジカル重合体溶液(B-2)に変更したこと、および、熱硬化性樹脂組成物に表面調整剤(D-2)0.5質量部を添加したこと以外は、実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。
[実施例9]
ラジカル重合体溶液(B-1)をラジカル重合体溶液(B-3)に変更したこと、および、熱硬化性樹脂組成物に表面調整剤(D-3)0.5質量部を添加したこと以外は、実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。
[実施例10]
表面調整剤(D-3)を表面調整剤(D-4)に変更したこと以外は、実施例9と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。
[実施例14]
熱硬化性樹脂組成物に表面調整剤(D-1)0.5質量部を添加したこと以外は、実施例12と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。
[実施例15]
熱硬化性樹脂組成物に表面調整剤(D-2)0.5質量部を添加したこと以外は、実施例13と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。各種試験の結果を表2に示す。なお、表1~表3中の組成については、全て固形分換算の値である。
Figure 0007247362000001
Figure 0007247362000002
Figure 0007247362000003
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、各種産業製品に利用でき、例えば、塗料(コーティング材)用途に好適に用いることができる。本発明の硬化物および積層体は、各種産業製品に利用でき、例えば、商品用ラベルに好適に用いることができる。
1 商品用ラベル
2 基材
2A 粘着領域
2B 非粘着領域
3 コート層
4 印刷層

Claims (15)

  1. (A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、
    (B)水酸基を有するラジカル重合体と、
    (C)酸触媒と、を含有し、
    前記ラジカル重合体に対する前記アルキルエーテル化アミノ樹脂の質量比は、1/99~49/51の範囲である熱硬化性樹脂組成物。
  2. (A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、
    (B)水酸基を有するラジカル重合体と、
    (C)酸触媒と、を含有し、
    前記ラジカル重合体の溶解性パラメータδ(SP値)が、8.0~9.0である、熱硬化性樹脂組成物。
  3. (A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、
    (B)水酸基を有するラジカル重合体と、
    (C)酸触媒と、を含有し、
    前記ラジカル重合体が、水酸基を有しないラジカル重合体と、水酸基を有するモノマーとの反応生成物であり、
    前記水酸基を有しないラジカル重合体は、炭素数2~20のオレフィンの重合体、二重結合を複数有するオレフィンの重合体、および、オレフィンとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、熱硬化性樹脂組成物。
  4. (A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、
    (B)水酸基を有するラジカル重合体と、
    (C)酸触媒と、を含有し、
    さらに、(D)フッ素を含有する表面調整剤を、前記アルキルエーテル化アミノ樹脂および前記ラジカル重合体の総和100質量部に対して、0.1~30質量部含む、熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ラジカル重合体に対する前記アルキルエーテル化アミノ樹脂の質量比は、50/50~99/1の範囲である、請求項2~4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記アルキルエーテル化アミノ樹脂が、ブチルエーテル化メラミン樹脂である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記ラジカル重合体の水酸基価が、20~200mgKOH/gである、請求項1~のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記酸触媒が、パラトルエンスルホン酸である、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 硬化性樹脂組成物を含み、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、(A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、(B)水酸基を有するラジカル重合体と、(C)酸触媒と、を含有する、印刷用コーティング材。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる、硬化物。
  11. 熱硬化性樹脂組成物からなり
    前記熱硬化性樹脂組成物は、(A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、(B)水酸基を有するラジカル重合体と、(C)酸触媒と、を含有し、
    水の接触角が20~89°以下である、硬化物。
  12. 基材、硬化膜および印刷層の順に積層された積層体であって、
    前記硬化膜は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、(A)溶解性パラメータδ(SP値)が10.0以下のアルキルエーテル化アミノ樹脂と、(B)水酸基を有するラジカル重合体と、(C)酸触媒と、を含有する、積層体。
  13. 前記基材が、オレフィン重合体からなる、請求項12に記載の積層体。
  14. 請求項12または13に記載の積層体を含み、
    前記基材は、粘着領域と非粘着領域とを含む、ラベル。
  15. 請求項1~のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗布する工程の後に、
    前記熱硬化性樹脂組成物を60~160℃に加熱して硬化させ、硬化膜を形成する工程と、を含む、積層体の製造方法。
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