以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(表示装置形成用基板の構成)
まず、図1により、本実施の形態による表示装置形成用基板の概略について説明する。図1は、本実施の形態による表示装置形成用基板を示す断面図である。
図1に示す表示装置形成用基板10は、後述する、折り曲げ可能な表示装置20(図2参照)を作製するためのものである。この表示装置形成用基板10は、ガラス基材11と、ガラス基材11上に積層された剥離層12と、剥離層12上に積層された金属層13とを備えている。
このうちガラス基材11は、表示装置形成用基板10の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。ガラス基材11としては、レーザー光が透過可能な材料を用い、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)等の透明なガラス類を用いることができる。ガラス基材11の厚みt1は、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、150μm以上900μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。なお、ガラス基材11のガラスサイズは任意であり、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を用いることができる。
剥離層12は、ガラス基材11上に直接形成された平坦な層(接着層)からなる。剥離層12は、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、ガラス基材11と金属層13とを接着させるとともに、その後の表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離させるものである。
剥離層12には、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下又は消失するものが用いられる。また、剥離層12には、ガラス基材11の材料との密着性が良好なものが用いられる。剥離層12としては、例えば、エキシマレーザーなどの特定波長(例えば248nmまたは308nm)のレーザー光を吸収するような特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料(例えばBrewer Science, Inc.社製BREWER BONDシリーズ、宇部興産(株)製UPIAシリーズ(製品名)、ユニチカ(株)製Uイミドシリーズ(製品名)、JSR(株)製オプトマーALシリーズ(製品名)、東京応化工業(株)製TZNR-Aシリーズ(製品名))を用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。これにより、剥離層12がレーザー光を効率良く吸収することができる。また、剥離層12の厚みt2は、例えば、50nm以上150nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。剥離層12の厚みt2を50nm以上とすることにより、表示装置形成用基板10を製造する際に、ガラス基材11と金属層13との密着性を高めることができる。また、剥離層12の厚みt2を150nm以下とすることにより、剥離層12のコストを低減させることができる。
この剥離層12は、後述するように、ガラス基材11上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものを乾燥させたものである。このような塗布層からなる剥離層12は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い剥離層12を形成することが可能となる。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布し、乾燥させることにより形成されている。
金属層13は、表示装置形成用基板10上に形成される、後述する樹脂基材22を保護するためのものである。具体的には、金属層13は、後述する表示装置20の製造工程において、樹脂基材22と剥離層12とを分離すると共に、剥離層12をレーザー光によって改質する際、剥離層12で吸収されずに剥離層12を透過したレーザー光を反射させることにより、レーザー光から樹脂基材22を保護する役割を果たす。すなわち、金属層13は、レーザー光を反射させることにより、樹脂基材22にダメージを与えず剥離層12を改質させる。剥離層12の改質に用いられるレーザーとしては、エキシマレーザー(波長248nm、308nm)やYAGレーザー(波長355nm、532nm、1064nm)、CO2レーザー(波長10640nm)が挙げられる。このため、金属層13は、剥離層12の改質に用いられるレーザーに対する反射性を有することが好ましい。特に、エキシマレーザーまたはYAGレーザー、CO2レーザーに対する反射性を有することが好ましい。また、金属層13は、表示装置20の製造工程において、剥離層12を改質する際、剥離層12側からのガスを遮蔽し、樹脂基材22内に熱拡散が生じたりすることを防止する役割を果たす。このため、金属層13には、上述したレーザー光の反射性や、剥離層12側からのガスの遮蔽性、剥離層12との密着性が良好なもの、または耐酸化性若しくは耐酸性が良好なものが用いられる。
また、金属層13は、復元性維持機能を有している。この場合、金属層13は、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させる際の復元性を維持する役割を果たす。また、金属層13は、表示装置20を繰り返し屈曲させた際に、経年劣化によって表示装置20の剛性が低下することを抑制する役割を果たす。このため、金属層13には、復元性維持機能が良好なものが用いられる。ここで、復元性維持機能とは、対象物(例えば金属層13)を一定時間屈曲させた後であっても、屈曲させられた対象物が平坦な形状に復元する機能を意味する。
また、金属層13は、ガスバリア機能を有していても良い。この場合、金属層13は、表示装置20および最終製品において、外部から侵入する酸素または水分から表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護する役割を果たす。このため、この場合の金属層13には、酸素または水蒸気に対するガスバリア性が良好なものが用いられる。
また、金属層13は、応力緩和機能を有していても良い。この場合、金属層13は、ガラス基材11に作用する応力を緩和し、ガラス基材11に反りが発生することを抑制する役割を果たす。すなわち、後述する表示装置20の製造工程において、例えば、金属層13上に後述する樹脂基材22を形成する際、樹脂基材22には、膜成形時の成膜応力により、樹脂基材22を伸縮させる。この伸縮力により、ガラス基材11に応力が作用する。一方、金属層13が応力緩和機能を有している場合、ガラス基材11に作用する応力を緩和し、ガラス基材11に反りが発生することを抑制する。このため、この場合の金属層13には、応力緩和性が良好なものが用いられる。
また、金属層13は、電磁波遮蔽機能を有していても良い。この場合、金属層13は、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器から発生する電磁波を遮蔽し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護する役割を果たす。このため、この場合の金属層13には、電磁波遮蔽性が良好なものが用いられる。
また、金属層13は、放熱機能を有していても良い。この場合、金属層13は、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー等の機器から発生する熱を放熱し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護する役割を果たす。このため、この場合の金属層13には、放熱性が良好なものが用いられる。
また、金属層13は、帯電防止機能を有している。この場合、金属層13は、後述する表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量、及び仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量を低減させる役割を果たす。また、金属層13は、表示装置20の飽和帯電圧を低減させる役割を果たす。このため、この場合の金属層13には、帯電防止性が良好なものが用いられる。
このような金属層13は、後述するように、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。金属層13は、例えば、レーザー光の反射率が60%以上の層とすることができる。金属層13の材質としては、例えば、クロム、ニッケル、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、パラジウム、銅、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料を挙げることができる。この場合、金属層13は、モリブデン合金を含んでいても良く、これにより、剥離層12を透過したレーザー光を効率良く反射することができる。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなっていても良い。また、この場合、金属層13の厚みt3は、レーザー光の反射率が60%以上となるように適宜設定することができ、例えば、30nm以上150nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を30nm以上とすることにより、レーザー光を確実に反射させることができる。また、金属層13の厚みt3を150nm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができる。なお、モリブデン合金はレーザー光の反射率が高いとともに、厚みによる反射率の差が小さい。これにより、金属層13がモリブデン合金からなっている場合、金属層13の厚みにかかわらずレーザー光の反射率を高めることができ、金属層13の厚みを薄くすることができる。このため、金属層13のコストを低減させることができる。また、モリブデン合金はポリイミドとの密着性が良好であるため、金属層13がモリブデン合金からなっており、剥離層12がポリイミドからなっている場合、表示装置形成用基板10を製造する際に、剥離層12と金属層13との密着性を高めることができる。
また、金属層13は、例えば、Mo合金を含んでいても良く、これにより、金属層13の復元性維持機能を向上させることができる。このため、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させることができる。また、表示装置20を繰り返し屈曲させた場合であっても、表示装置20の剛性が低下することを抑制することができる。また、この場合、金属層13の厚みt3は、適宜設定することができ、例えば、0.03μm以上30μm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を10nm以上とすることにより、金属層13の復元性維持機能を効果的に向上させ、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させることができるとともに、表示装置20を繰り返し屈曲させた際に、経年劣化によって表示装置20の剛性が低下することを抑制することができる。また、金属層13の厚みt3を10μm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができるとともに、金属層13の成膜時間を短縮することができる。
また、この場合、金属層13は、例えば、水蒸気透過率が、40℃、100%Rhの条件において、1.0×10-4cc/m2/day/atm以上1.0cc/m2/day/atm以下の層とすることができる。これにより、金属層13のガスバリア機能を向上させることができる。このため、表示装置20および表示装置20が用いられる最終製品において、外部から侵入した酸素または水分から、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。また、この場合、金属層13の厚みt3は、金属層13の水蒸気透過率が上述した値となるように適宜設定することができ、例えば、10nm以上1000nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を10nm以上とすることにより、金属層13のガスバリア機能を効果的に向上させ、外部から侵入した酸素または水分から、表示装置20の薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を効果的に保護することができる。また、金属層13の厚みt3を1000nm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができるとともに、金属層13の成膜時間を短縮することができる。また、金属層13にクラックが発生することを抑制できる。なお、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(例えば、DELTAPERM(Technolox社製))を用いて測定することができる。
また、この場合、金属層13は、例えば、表示装置形成用基板10の反り量が0.3mm以下となるような層とすることができる。これにより、金属層13の応力緩和機能を向上させることができる。このため、ガラス基材11に作用する応力を緩和し、ガラス基材11に反りが発生することを抑制することができる。この場合、ガラス基材11の平坦性を高めることができ、表示装置20のその後の製造工程において、薄膜トランジスタ23等を配置する位置精度を向上させることができる。さらに、金属層13により、表示装置形成用基板10および表示装置20の剛性を高めることができ、表示装置形成用基板10および表示装置20に発生する反りを抑制することもできる。また、この場合、金属層13の厚みt3は、表示装置形成用基板10の反り量が0.3mm以下となるように適宜設定することができ、例えば、10nm以上1000nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を10nm以上とすることにより、金属層13の剛性を高め、ガラス基材11に作用する応力を効果的に緩和し、ガラス基材11の反りを効果的に抑制することができる。また、金属層13の厚みt3を1000nm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができるとともに、金属層13の成膜時間を短縮することができる。また、金属層13にクラックが発生することを抑制できる。なお、上記反り量は、例えば、表示装置形成用基板10を平らな定盤上に置き、隙間ゲージが定盤と表示装置形成用基板10との間に侵入できる最大の厚さとして測定することができる。
また、この場合、金属層13は、例えば、面抵抗率が1Ω/□以上3000Ω/□以下の層とすることができる。これにより、金属層13の電磁波遮蔽機能を向上させることができる。このため、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器から発生する電磁波を遮蔽し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。また、この場合、金属層13の厚みt3は、面抵抗率が1Ω/□以上3000Ω/□以下となるように適宜設定することができ、例えば、10nm以上1000nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を10nm以上とすることにより、金属層13の電磁波遮蔽機能を効果的に向上させ、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器から発生する電磁波を効果的に遮蔽することができる。また、金属層13の厚みt3を1000nm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができるとともに、金属層13の成膜時間を短縮することができる。また、金属層13にクラックが発生することを抑制できる。なお、上記面抵抗率は、抵抗率計(例えば、三菱化学アナリテック製のLoresta(登録商標))を用いて測定することができる。
また、この場合、金属層13を、例えば、熱伝導率が200W/m・K以上の層とすることができる。これにより、金属層13の放熱機能を向上させることができる。このため、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器から発生する熱を放熱し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。また、この場合、金属層13の厚みt3は、例えば、10nm以上1000nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みt3を10nm以上とすることにより、金属層13の放熱機能を効果的に向上させ、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー等の機器から発生する熱を効果的に放熱することができる。また、金属層13の厚みt3を1000nm以下とすることにより、金属層13のコストを低減させることができるとともに、金属層13の成膜時間を短縮することができる。また、金属層13にクラックが発生することを抑制できる。
また、この場合、金属層13を、例えば、後述する表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量、及び仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量が、それぞれ1.0kV以下となるような層とすることができる。これにより、金属層13の帯電防止機能を向上させることができる。このため、後述する表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量、及び仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量を低減させることができる。この結果、後述する表示装置20の製造工程において、後述する薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、後述する表示装置20の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。なお、剥離帯電量は、静電電位測定器(例えば、シシド静電気(株)製STATIRON DZ4)を用いて測定することができる。
また、この場合、金属層13を、例えば、表示装置形成用基板10の飽和帯電圧が、1.5kV以下となるような層とすることができる。また、帯電量が半分に減衰する時間が、40秒以下となるような層とすることができる。これにより、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器を表示装置20に取り付ける際に、表示装置20が帯電し、後述する薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、後述する表示装置20の製造工程や最終製品の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。なお、飽和帯電圧は、帯電電荷減衰度測定器(例えば、シシド静電気(株)製STATIC HONESTMETER H-0110)を用いて測定することができる。
なお、本実施の形態において、図1に示すように、剥離層12および金属層13は、ガラス基材11の全域を覆っているが、これに限られるものではなく、金属層13が後述する樹脂基材22の全域を覆うことができれば、剥離層12の周縁部12eおよび金属層13の周縁部13eは、ガラス基材11の周縁部11eよりも内側に引っ込んでいても良い。すなわち、剥離層12の平面形状は、全周にわたってガラス基材11の平面形状よりも小さくなっていても良い。
(表示装置の構成)
次に、図2により、本実施の形態による表示装置の概略について説明する。図2は、本実施の形態による表示装置を示す断面図である。この表示装置は、折り曲げ可能に構成されており、上述した表示装置形成用基板10上に樹脂基材22を形成後、樹脂基材22上に後述する有機EL素子24等を配置するとともに、後述する封止樹脂25によって封止したものである。この際、表示装置20は、後述するように、有機EL素子24等を樹脂基材22上に複数配置し、ガラス基材11および剥離層12を除去した後、個々の有機EL素子24毎に切断して個片化することにより形成されたものである。
図2に示す表示装置20は、支持基材21と、支持基材21上に積層された、上述した表示装置形成用基板10を構成する金属層13と、金属層13上に配置された樹脂基材22と、バリア層22aを介して樹脂基材22上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)23と、バリア層22aを介して樹脂基材22上に配置された有機EL素子24と、有機EL素子24上に配置された封止樹脂(TFE)25とを備えている。
このうち支持基材21は、表示装置20の全体を支持するものであり、可撓性を有するフィルムからなる。この支持基材21は、後述するように、接着剤により金属層13に貼り付けられている。支持基材21としては、例えばポリエチレンテレフタレートを用いることができる。支持基材21の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
金属層13は、上述した表示装置形成用基板10を構成するものであり、支持基材21と樹脂基材22との間に介在されている。金属層13の構成は、上述した表示装置形成用基板10の金属層13と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
樹脂基材22は、後述する表示装置20の製造工程において、薄膜トランジスタ23、有機EL素子24等を支持するものであり、金属層13上に直接形成された可撓性を有する平坦な層からなる。樹脂基材22は、後述するように、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。樹脂基材22には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れた材質が用いられることが好ましい。樹脂基材22としては、例えば、有色不透明又は透明なポリイミド(例えば宇部興産(株)製UPIA-ST(製品名))を用いることができる。樹脂基材22の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、5μm以上20μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
バリア層22aは、表示装置20および最終製品において、外部から侵入する酸素または水分から、薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護するためのものである。このバリア層22aは、樹脂基材22上に直接形成された可撓性を有する平坦な層からなる。バリア層22aは、後述するように、樹脂基材22上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。バリア層22aには、上述したガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れた材質が用いられることが好ましい。バリア層22aとしては、例えば、酸化ケイ素(SiOn)等を用いることができる。バリア層22aの厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、0.1μm以上10μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
薄膜トランジスタ23は、有機EL素子24を駆動するためのものであり、有機EL素子24の後述する第1電極26および第2電極28に印加される電圧を制御するようになっている。
有機EL素子24は、薄膜トランジスタ23に電気的に接続されている。図2に示すように、有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極(反射電極)26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極(透明電極)28とを有している。ここでは、第1電極26が陽極を構成し、第2電極28が陰極を構成する例について説明する。しかしながら、第1電極26および第2電極28の極性が特に限られることはない。
第1電極26は、後述するように、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第1電極26の材質としては、効率良く正孔を注入できる材質を用いることが好ましい。第1電極26の材質としては、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を挙げることができる。
有機発光層27は、後述するように、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成されたものである。有機発光層27としては、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが好ましく、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
第2電極28は、後述するように、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第2電極28の材質としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材質を用いることが好ましい。第2電極28の材質としては、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
有機EL素子24において発光した光は、樹脂基材22が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL素子24からの光は、封止樹脂25の上方から取り出される。このように本実施の形態における表示装置20は、いわゆるトップエミッション型の表示装置となっている。
封止樹脂25は、有機EL素子24を封止し、有機EL素子24を保護するためのものである。封止樹脂25は、後述するように、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有した材質を用いることが好ましい。封止樹脂25としては、例えば、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂を用いることができる。封止樹脂25の厚み(図2における樹脂基材22の上面から封止樹脂25の上面までの距離)は、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、1μm以上50μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
なお、本実施の形態において、図2に示すように、表示装置20がトップエミッション型である例を示したが、これに限られるものではなく、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であってもよい。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図3(a)-(c)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図3(a)-(c)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、平坦な板状の部材からなるガラス基材11を準備する。このとき、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を準備する。このガラス基材11としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)類を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、ガラス基材11上に剥離層12を直接積層して形成する。剥離層12としては、上述したように、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下または消失するものが用いられる。例えば、剥離層12としては、エキシマレーザーなどの特定波長(例えば波長308nm)またはNe-YAGレーザーの特定波長(例えば波長355nm)などを吸収するような特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料などを用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。
剥離層12は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このため、ガラス基材11上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、剥離層12の平坦性を高めることができる。このようにして、ガラス基材11上に剥離層12が形成される。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、例えば、ガラス基材11の回転速度を2500rpmに設定し、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布した後に、減圧乾燥装置(VCD)を用いて25Paの減圧条件で乾燥させ、300℃、5分間の条件で焼成させることにより形成される。
続いて、図3(c)に示すように、剥離層12上に金属層13を積層する。金属層13は、後工程で表示装置形成用基板10上に形成される樹脂基材22を保護するためのものである。金属層13としては、レーザー光の反射性や剥離層12側からのガスの遮蔽性が良好なものが用いられる。金属層13は、例えばクロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料からなっていても良い。とりわけ、金属層13は、モリブデン合金を含んでいることが好ましい。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなることが好ましい。金属層13は、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このため、薄膜状の金属層13を均一かつ平坦に形成することができる。
また、金属層13がMo合金を含んでいることにより、金属層13の復元性維持機能を向上させることができる。このため、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させることができる。これにより、表示装置20に折り癖が付くことを抑制することができる。とりわけ、後述するように、金属層13上に、接触剤を用いることなく、樹脂基材22が例えばダイコート法等により直接形成される。これにより、金属層13と樹脂基材22との間の密着性を向上させることができる。このため、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際の表示装置20の復元性を向上させることができる。また、金属層13の復元性維持機能を向上させることにより、表示装置20を繰り返し屈曲させた際に、経年劣化によって表示装置20の剛性が低下することを抑制することができる。
また、金属層13がMo合金を含んでいることにより、金属層13のガスバリア機能を向上させることができる。これにより、表示装置20および表示装置20が用いられる最終製品において、外部から侵入した酸素または水分から、表示装置20の薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。
また、金属層13がMo合金含んでいることにより、金属層13の応力緩和性を向上させることができる。これにより、ガラス基材11に作用する応力を緩和し、ガラス基材11に作用する反りを抑制することができる。また、金属層13により、表示装置形成用基板10および表示装置20の剛性を高めることができ、表示装置形成用基板10および表示装置20に発生する反りを抑制することもできる。
また、金属層13がMo合金を含んでいることにより、金属層13の電磁波遮蔽性を向上させることができる。これにより、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー等の機器から発生する電磁波を遮蔽し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。
さらに、金属層13がMo合金を含んでいることにより、金属層13の放熱性を向上させることができる。これにより、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー等の機器から発生する熱を放熱し、表示装置20の後述する薄膜トランジスタ23および有機EL素子24を保護することができる。
また、金属層13がMo合金を含んでいることにより、金属層13の帯電防止機能を向上させることができる。このため、後述する表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量、及び仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量を低減させることができる。また、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器を表示装置20に取り付ける際に、表示装置20が帯電し、後述する薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、後述する表示装置20の製造工程や最終製品の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。
このようにして、図1に示す表示装置形成用基板10が得られる。
(表示装置の製造方法)
次に、図4(a)-(e)、図5(a)-(c)及び図6(a)-(d)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図4(a)-(e)、図5(a)-(c)及び図6(a)-(d)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図3(a)-(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製する(図4(a))。
次に、表示装置形成用基板10の金属層13上に樹脂基材22を配置する(図4(b))。樹脂基材22には、ガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れたものが用いられても良い。例えば、樹脂基材22としては、有色不透明又は透明なポリイミドを用いることができる。樹脂基材22は、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。
次いで、樹脂基材22上に薄膜トランジスタ23を配置する(図4(c))。この際、まず、樹脂基材22上にバリア層22aを積層して形成する。バリア層22aとしては、例えば酸化ケイ素を用いることができる。バリア層22aは、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。次に、バリア層22aを介して樹脂基材22上に薄膜トランジスタ23を配置する。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の薄膜トランジスタ23が配置される。このようにして表示装置20の第1中間体20aが形成される。なお、複数の薄膜トランジスタ23が樹脂基材22上に配置された後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第1中間体20aは、平面視で、例えば半分の大きさに切断される。
次に、樹脂基材22上にバリア層22aを介して有機EL素子24を配置する(図4(d))。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の有機EL素子24が配置される。各々の有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極28とを有している。この場合、まず、樹脂基材22上に第1電極26を形成する。第1電極26には、効率良く正孔を注入できる材料が用いられる。例えば、第1電極26としては、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を用いることができる。第1電極26は、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。この際、有機EL素子24の第1電極26が薄膜トランジスタ23に電気的に接続される。
次いで、第1電極26上に有機発光層27を形成する。有機発光層27には、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが用いられる。例えば、有機発光層27としては、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等を用いることができる。有機発光層27は、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成される。
次に、有機発光層27上に第2電極28を形成する。第2電極28には、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられる。例えば、第2電極28としては、酸化リチウム、炭酸セシウム等を用いることができる。第2電極28は、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このようにして、樹脂基材22上に有機EL素子24が配置される。
次いで、樹脂基材22上に配置された有機EL素子24を封止樹脂25によって封止する(図4(e))。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有する材料が用いられても良い。例えば、封止樹脂25としては、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂が用いられる。封止樹脂25は、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このようにして、有機EL素子24が封止樹脂25によって覆われる。
次に、封止樹脂25上に仮支持基材29を配置する(図5(a))。仮支持基材29は、表示装置20の製造工程において作製された表示装置20の第1中間体20aを仮支持するものである。仮支持基材29には、可撓性を有するフィルムが用いられる。例えば、仮支持基材29としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。仮支持基材29は、接着剤により封止樹脂25上に貼り付けられても良い。仮支持基材29の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。このようにして、仮支持基材29が配置された表示装置20の第2中間体20bが作製される。
続いて、作製された表示装置20の第2中間体20bを反転させ、ガラス基材11を金属層13から剥離する。このとき、ガラス基材11側からエキシマレーザー(波長248nmまたは308nm)やYAGレーザー等のレーザー光Lを照射する(図5(b))。レーザー光Lは、図示しないレーザー光照射装置から照射され、レーザー光Lが第2中間体20bの面内に均一に走査される。このように照射されたレーザー光Lは、透明なガラス基材11を透過して剥離層12に到達する。上述したように、剥離層12は、改質されることにより密着力が低下又は消失する。このため、レーザー光Lによって改質されることにより、剥離層12の密着力が低下又は消失し、ガラス基材11は、金属層13から剥離する(図5(c))。
ところで、金属層13は、帯電防止機能を有している。これにより、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量を低減させることができる。このため、表示装置20の製造工程において、静電気放電を抑制することができ、薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、表示装置20の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。
また、剥離層12の面のうちガラス基材11の反対側の面には、金属層13が設けられている。このため、剥離層12を透過したレーザー光Lは、金属層13によって反射されて、ガラス基材11側に戻される。したがって、レーザー光Lが樹脂基材22まで達することがなく、剥離層12を透過したレーザー光Lが樹脂基材22に悪影響を及ぼすことはない。なお、金属層13は、樹脂基材22に密着した状態を維持する。
次いで、ガラス基材11が剥離された金属層13上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図6(a))。支持基材21には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有するフィルムが用いられる。例えば、支持基材21としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。支持基材21は、接着剤により金属層13に貼り付けられても良い。このようにして、表示装置20の第2中間体20bが支持基材21に支持される。
次に、表示装置20の第2中間体20bを反転させる(図6(b))。
その後、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図6(c))。ここで、上述したように、金属層13は、帯電防止機能を有している。この場合、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量を低減させることができる。このため、表示装置20の製造工程において、静電気放電を抑制することができ、薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、表示装置20の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。なお、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図6(d))。
以上の一連の工程により、図2に示す表示装置20を得ることができる(図6(d))。
このように、本実施の形態によれば、金属層13が復元性維持機能を有している。これにより、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させることができる。これにより、表示装置20に折り癖が付くことを抑制することができる。また、金属層13の復元性維持機能を有していることにより、また、金属層13の復元性維持機能を向上させることにより、表示装置20を繰り返し屈曲させた際に、経年劣化によって表示装置20の剛性が低下することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、剥離層12はレーザー光Lを吸収することにより分解され、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを反射可能になっている。これにより、表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができるとともに、剥離層12をレーザー光Lによって加熱する際、レーザー光Lから樹脂基材22を保護することができる。この結果、ガラス基材11の破れまたは樹脂基材22に煤が発生することを抑制することができる。すなわち、ガラス基材11の厚みにムラがあることを考慮して、レーザー光Lの焦点が確実に剥離層12に達するように設定しておくことができる。この場合、ガラス基材11の厚みのムラにより、レーザー光Lの焦点が樹脂基材22側にずれたとしても、金属層13によってレーザー光Lが反射される。この結果、樹脂基材22が金属層13により保護され、樹脂基材22にレーザー光Lが到達する不具合が防止される。
また、レーザー光Lの焦点が剥離層12に確実に達するので、有機EL素子24等の破損しやすい素子を破損することなく剥離層12を分解し、ガラス基材11を確実に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、金属層13が、ガスバリア機能、応力緩和機能、電磁波遮蔽機能、及び放熱機能のうち少なくとも1つの機能を有している。これにより、一般に最終製品のバックパネルに設けられる放熱層、電磁波遮蔽層、および樹脂基材に設けられるバリア層のうち少なくとも1つの層を設ける必要がない。このため、最終製品を軽量化、小型化、及び薄型化することができる。
また、本実施の形態によれば、金属層13が帯電防止機能を有している。これにより、表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離した際の剥離帯電量、及び仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した際の剥離帯電量を低減させることができる。このため、表示装置20の製造工程において、静電気放電を抑制することができ、薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。また、表示装置20の製造工程において、周囲に浮遊している微粒子が寄せ付けられることを抑制することができる。また、金属層13が帯電防止機能を有していることにより、表示装置20が用いられる最終製品において、バッテリー、CPU等の機器を表示装置20に取り付ける際に、表示装置20が帯電することにより、静電気放電が発生することを抑制することができる。このため、最終製品において、薄膜トランジスタ23等が損傷を受ける可能性を低減することができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例(変形例1)について説明する。図7及び図8に示す変形例は、金属層13の構成が異なるものであり、他の構成は、図1乃至図6に示す形態と略同一である。図7及び図8において、図1乃至図6と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示す表示装置形成用基板10及び図8に示す表示装置20において、金属層13が所定のパターンにパターニングされている。
図7に示す表示装置形成用基板10を作製する場合、まず、図3(a)-(c)と同様に、表示装置形成用基板10を作製する。その後、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィー法により金属層13をパターニングする。これにより、図7に示す表示装置形成用基板10を作製することができる。その後、上述した図4(a)-(e)、図5(a)-(c)及び図6(a)-(d)と同様にして、図8に示す表示装置20を作製することができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例(変形例2)について説明する。図9及び図10に示す変形例は、金属層13の構成が異なるものであり、他の構成は、図1乃至図6に示す形態と略同一である。図9及び図10において、図1乃至図6と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示す表示装置形成用基板10及び図10に示す表示装置20は、金属層13上に積層されためっき層15を更に備えている。このめっき層15は、金属層13と同様の材料を金属層13上に析出させることにより形成されても良く、異なる材料を金属層13上に析出させることにより形成されても良い。
図9に示す表示装置形成用基板10を作製する場合、まず、図3(a)-(c)と同様に、表示装置形成用基板10を作製する。その後、金属層13に電解めっき処理を施し、めっき層15を形成する。この際、図示はしないが、スパッタリング法や無電解めっき処理により金属層13上にシード層を形成し、当該シード層を介して金属層13上にめっき層15を形成する。このようにして、図10に示す表示装置形成用基板10を作製することができる。
また、金属層13上にめっき層15を積層することにより、表示装置20において、金属からなる層の厚みを所望の厚みに調整することができる。すなわち、表示装置形成用基板10において、例えばスパッタリング法により、剥離層12上に金属層13を形成する場合、金属層13の厚みを所望の厚みとなるまで厚くすることが困難な場合がある。これに対して、金属層13上にめっき層15を積層することにより、表示装置20において、金属からなる層の厚みを厚くすることができる。このため、表示装置20の復元性を更に向上させることができる。なお、めっき層15の厚みは、0.05μm以上30μm以下程度とすることができる。
その後、上述した図4(a)-(e)、図5(a)-(c)及び図6(a)-(d)と同様にして、図12に示す表示装置20を作製することができる。
なお、本変形例による表示装置20においては、図4(a)-(e)および図5(a)-(b)に示す方法により、上述した図1に示す表示装置形成用基板10を使用して、金属層13からガラス基材11を剥離した後に、金属層13上にめっき層15を形成しても良い。この場合、めっき層15に対して、薄膜トランジスタ23を設ける際の熱に対する耐熱性を考慮する必要がない。このため、めっき層15の材料として、例えば銅等を用いることもできる。
(変形例3)
次に、本実施の形態の変形例(変形例3)について説明する。図11に示す変形例は、金属層13の構成が異なるものであり、他の構成は、図1乃至図6に示す形態と略同一である。図11において、図1乃至図6と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示す表示装置20は、支持基材21上に積層された金属層(第1金属層)13と、金属層13上に配置された樹脂基材22と、樹脂基材22上に積層された金属層(第2金属層)13aと、金属層13a上に配置された薄膜トランジスタ23と、樹脂基材22上に配置され、薄膜トランジスタ23に電気的に接続された有機EL素子24と、有機EL素子24上に配置され、有機EL素子24を封止する封止樹脂25とを備えている。なお、金属層13aは、上述した金属層13と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
本変形例においても、表示装置20が、金属層13および金属層13aを備えている。これにより、表示装置20において、金属からなる層の合計の厚みを厚くすることができる。このため、表示装置20の復元性を更に向上させることができる。
(表示装置の製造方法)
次に、図12(a)-(d)、図13(a)-(c)及び図14(a)-(d)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図12(a)-(d)、図13(a)-(c)及び図14(a)-(d)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図3(a)-(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製し、図4(a)-(b)に示す方法により、表示装置形成用基板10の金属層13上に樹脂基材22を配置する。
次に、図12(a)に示すように、樹脂基材22上に金属層13aを積層する。金属層13aは、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。
次いで、金属層13a上に薄膜トランジスタ23を配置する(図12(b))。この際、まず、金属層13a上にバリア層22aを積層して形成する。次に、バリア層22aを介して樹脂基材22上に薄膜トランジスタ23を配置する。
次に、金属層13a上にバリア層22aを介して有機EL素子24を配置する(図12(c))。
その後、金属層13a上に配置された有機EL素子24を封止樹脂25によって封止する(図12(d))。
次に、封止樹脂25上に仮支持基材29を配置する(図13(a))。このようにして、仮支持基材29が配置された表示装置20の第2中間体20bが作製される。
続いて、作製された表示装置20の第2中間体20bを反転させ、ガラス基材11側からレーザー光Lを照射することにより、ガラス基材11を金属層13から剥離する(図13(b)-(c))。
次に、ガラス基材11が剥離された金属層13上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図14(a))。
次いで、表示装置20の第2中間体20bを反転させる(図14(b))。
その後、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図14(c))。そして、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bを個々の表示装置20毎に切断し、個片化する。
以上の一連の工程により、図11に示す表示装置20を得ることができる(図14(d))。
(変形例4)
次に、本実施の形態の変形例(変形例4)について説明する。図15に示す変形例は、金属層13、13aの構成が異なるものであり、他の構成は、図11に示す形態と略同一である。図15において、図11と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図15に示す表示装置20において、金属層13が、所定のパターンにパターニングされている。この場合、金属層13は、電極配線としての役割を果たす。このように、金属層13が電極配線の役割を果たすことにより、通常は表示装置20を枠状に取り囲むベゼルに配置される電極配線を設けることなく、表示装置20を作製することができる。これにより、いわゆるベゼルレス型の表示装置20を作製することができる。
また、本変形例による樹脂基材22およびバリア層22aは、所定のパターンにパターニングされている。また、パターニングされた樹脂基材22の開口221に、金属層13aを構成する、金属131が埋設されている。さらに、パターニングされたバリア層22aの開口221aに、薄膜トランジスタ23と金属層13aとを電気的に接続する貫通電極23aが設けられている。この貫通電極23aは、金属層13a上に電解めっき処理、無電界メッキ処理、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成することができる。貫通電極23aの材質としては、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を挙げることができる。
(表示装置の製造方法)
次に、図16(a)-(d)、図17(a)-(d)、図18(a)-(c)及び図19(a)-(c)により、本変形例による表示装置の製造方法について説明する。図16(a)-(d)、図17(a)-(d)、図18(a)-(c)及び図19(a)-(c)は、本変形例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図3(a)-(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製し、図4(a)-(b)に示す方法により、表示装置形成用基板10の金属層13上に樹脂基材22を配置する。
次に、図16(a)に示すように、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィー法により樹脂基材22をパターニングする。
次いで、パターニングされた樹脂基材22上に金属層13aを積層する。この際、例えばまず、金属層13のうち、パターニングされた樹脂基材22の開口221から露出する部分に電解めっき処理を施し、金属層13上に金属131を析出させる(図16(b))。この場合、金属131は、金属層13aと同様の金属材料からなっていても良い。次に、スパッタリング法や無電解めっき処理により樹脂基材22上にシード層(図示せず)を形成し、当該シード層を介して樹脂基材22上に金属層13aを形成する(図16(c))。
次に、金属層13a上に薄膜トランジスタ23を配置する。この際、まず、金属層13a上にバリア層22aを積層して形成し、図16(d)に示すように、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィー法によりバリア層22aをパターニングする。
続いて、図17(a)に示すように、パターニングされたバリア層22aの開口221aに貫通電極23aを形成する。この際、例えば、金属層13aのうち、パターニングされたバリア層22aの開口221aから露出する部分に電解めっき処理を施し、金属層13a上に金属を析出させて、貫通電極23aを形成する。続いて、パターニングされたバリア層22aを介して金属層13a上に薄膜トランジスタ23を配置する(図17(b))。
次に、金属層13a上にバリア層22aを介して有機EL素子24を配置する(図17(c))。
その後、金属層13a上に配置された有機EL素子24を封止樹脂25によって封止する(図17(d))。
次に、封止樹脂25上に仮支持基材29を配置する(図18(a))。このようにして、仮支持基材29が配置された表示装置20の第2中間体20bが作製される。
続いて、作製された表示装置20の第2中間体20bを反転させ、ガラス基材11側からレーザー光Lを照射することにより、ガラス基材11を金属層13から剥離する(図18(b)-(c))。
次に、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィー法により金属層13をパターニングする(図19(a))。
次いで、パターニングされた金属層13上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図19(b))。
次に、図6(b)-(c)を用いて説明したように、表示装置20の第2中間体20bを反転させ(図6(b))、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図6(c))。そして、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bを個々の表示装置20毎に切断し、個片化する。
以上の一連の工程により、図15に示す表示装置20を得ることができる(図19(c))。
次に、上述した本実施の形態の作用について、図20(a)-(d)により、具体的に説明する。なお、図20(b)-(d)において、図面を明瞭にするために、金属層13等の図示を省略している。
(実施例)
図1に示す構成からなる表示装置形成用基板10を使用して、図2に示す構成からなる、表示装置20(実施例)を作製した(図20(a)参照)。この場合、ガラス基材11は無アクリルガラスを使用した。剥離層12は、剥離材料(Brewer Science, Inc.社製BREWER BOND701(製品名))を使用した。剥離層12は、ガラス基材11の回転速度を2500rpmに設定し、スピン法により剥離材料をガラス基材11上に塗布した後に、減圧乾燥装置(VCD)を用いて25Paの減圧条件で乾燥させ、300℃、5分間の条件で焼成させることにより形成した。金属層13は、日立金属(株)製Mo合金ターゲット(MDT)(製品名)を使用し、スパッタリング法により剥離層12上に成膜した。金属層13の厚みT3は100nmとした。また、樹脂基材22は、宇部興産(株)製UPIA-ST(製品名)を使用した。
次に、図20(b)-(c)に示すように、表示装置20の主面200a、200bのうち、200a同士が互いに向かい合うとともに、主面200aの内径Rが10mmとなるように、表示装置20を折り曲げた。この際、主面200a同士がなす角度θ(図20(b)参照)は、0°であった。すなわち、図20(c)において、紙面上方に位置する主面201aと、紙面下方に位置する主面202aとがなす角度θが0°となるように、表示装置20を折り曲げた。次に、図示しない保持具により、表示装置20を屈曲状態(図20(c)に示す状態)で保持した。次いで、温度40℃、湿度85%の環境下において、表示装置20を12時間放置した。そして、12時間経過後、表示装置20から保持具を取り外した。この際、図20(d)に示すように、表示装置20は、主面200aがなす角度θが180°となるように、平坦な平常に復元することができた。
このように、本実施の形態により表示装置20は、金属層13が復元性維持機能を有しているため、表示装置20を折り曲げたり丸めたりした際に、表示装置20を平坦な形状に復元させることができる。これにより、表示装置20に折り癖が付くことを抑制することができる。また、金属層13の復元性維持機能を有していることにより、また、金属層13の復元性維持機能を向上させることにより、表示装置20を繰り返し屈曲させた際に、経年劣化によって表示装置20の剛性が低下することを抑制することができる。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。