JP7256192B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
しかしながら、ケース部材の剛性を低くする場合には、トレッドゴムが十分に変形できず、トレッドゴムの性能が十分に発揮されない結果、タイヤのグリップ性能を十分に向上させることができなかった。加えて、ベルトの剛性を低くした場合には、ベルトの耐亀裂進展性等が低下することが考えられるため、耐久性の点についてもさらなる改善を図る必要があった。
本発明のタイヤは、トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、前記トレッド部を構成するトレッドゴムは、ゴム成分と、合計スチレン含量が30質量%以上であるスチレン・アルキレンブロック共重合体と、を含むゴム組成物からなり、前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムは、50%モジュラス値M50(MPa)に対する200%モジュラス値M200(MPa)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
上記構成を具えることによって、優れたドライハンドリング性及びベルトの耐久性を有しつつ、転がり抵抗の低減が可能となる。
図1は、本発明のタイヤの一実施形態について、断面を模式的に示した図である。本発明のタイヤは、トレッド部3に配置した一枚以上のベルト層6a、6bからなるベルト6を備えたタイヤであって、図1では、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、トレッド部3と、ビード部1に埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、トレッド部3に配置した(より詳しくは、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した)2枚のベルト層6a、6bからなるベルト6と、を備える。
なお、図中のベルト6は、二枚のベルト層6a、6bからなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルト6を構成するベルト層の枚数は、一枚以上であればよく、これに限られるものではない。
前記ベルト層6a、6bは、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値M50(MPa)に対する200%モジュラス値M200(MPa)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)である。
前記トレッドゴムについて、特定のスチレン・アルキレンブロック共重合体を含有させることによって、トレッドゴムの弾性率を高めることができるとともに、タイヤの転がり抵抗についても低減が可能となるため、優れたドライハンドリング性及び低転がり抵抗性を実現できる。加えて、前記ベルトコーティングゴムについて、50%モジュラス値(MPa)に対する200%モジュラス値(MPa)の比を特定値(具体的には、5.0)以下とすることによって、タイヤの転がり抵抗の悪化を招くことないことに加えて、ベルトの耐久性についても、大きく改善を図ることができる。
本発明のタイヤでは、前記トレッドゴムが、ゴム成分と、合計スチレン含量が30質量%以上であるスチレン・アルキレンブロック共重合体と、を含むゴム組成物(以下、「トレッド用ゴム組成物」ということがある。)からなる。
前記トレッド用ゴム組成物のゴム成分については、特に限定されず、公知のゴム組成物において用いられるゴム成分を用いることができる。
例えば、前記ゴム成分として、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、これらの変性体等が挙げられる。ゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、耐久性と低ロス性を向上させる観点からは、前記ゴム成分における前記天然ゴムの含有比率が、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
さらに、前記ゴム成分については、少なくとも変性SBR等の変性共役ジエン系重合体を含有することがより好ましい。タイヤの低転がり抵抗性について改善を図ることができるためである。
[一般式(I)中、Dは、共役ジエン系重合体鎖を示し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して単結合又は炭素数1~20のアルキレン基を示し、R4及びR7は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基を示し、R5、R8、及びR9は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示し、R6及びR10は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキレン基を示し、R11は、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示し、m及びxは、それぞれ独立して1~3の整数を示し、x≦mであり、pは、1又は2を示し、yは、1~3の整数を示し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を示し、それぞれ複数存在する場合のD、R1~R11、m、p、x、y、及びzは、それぞれ独立しており、iは、0~6の整数を示し、jは、0~6の整数を示し、kは、0~6の整数を示し、(i+j+k)は、3~10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、5~30の整数であり、Aは、炭素数1~20の、炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を示す]で表されるものであることが好ましい。この場合、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。
また、一般式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、B3は、炭素数1~20のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示し、それぞれ複数存在する場合のB2及びB3は、各々独立している。
さらに、一般式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示し、複数存在する場合のB4は、各々独立している。
さらにまた、一般式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示し、複数存在する場合のB5は、各々独立している。
ここで、一般式(VI)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
前記収縮因子(g’)は、0.64未満であり、好ましくは0.63以下であり、より好ましくは0.60以下であり、さらに好ましくは0.59以下であり、より一層好ましくは0.57以下である。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよいが、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.33以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、より一層好ましくは0.45以上であり、さらには0.59以上である。収縮因子(g’)がこの範囲である変性共役ジエン系重合体(A)を使用することで、ゴム組成物の加工性が向上する。
収縮因子(g’)は分岐度に依存する傾向にあるため、例えば、分岐度を指標として収縮因子(g’)を制御することができる。具体的には、分岐度が6である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.59以上0.63以下となる傾向にあり、分岐度が8である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.45以上0.59以下となる傾向にある。
また、変性共役ジエン系重合体(A)は、分岐を有し、分岐度が6以上であることがより好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して6以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、さらに好ましい。分岐度が6以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して6以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.63以下にすることができる。
さらに、変性共役ジエン系重合体(A)は、分岐を有し、分岐度が7以上であることがさらに好ましく、分岐度が8以上であることがより一層好ましい。分岐度の上限は特に限定されないが、18以下であることが好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して7以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、より一層好ましく、1の当該カップリング残基に対して8以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、特に好ましい。分岐度が8以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して8以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.59以下にすることができる。
上記のピークトップ分子量(Mp1及びMp2)は、次のようにして求める。測定して得られるGPC曲線において、最も高分子量の成分として検出されるピークを選択する。その選択したピークについて、そのピークの極大値に相当する分子量を算出し、ピークトップ分子量とする。
また、上記の分子量200×104以上500×104以下の割合は、積分分子量分布曲線から分子量500×104以下が全体に占める割合から分子量200×104未満が占める割合を差し引くことで算出する。
変性共役ジエン系重合体(A)は、特定の高分子量成分を、好ましくは1.0質量%以上含み、より好ましくは1.4質量%以上含み、さらに好ましくは1.75質量%以上含み、より一層好ましくは2.0質量%以上含み、特に好ましくは2.15質量%以上含み、極めて好ましくは2.5質量%以上含む。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、特定の高分子量成分を、好ましくは28質量%以下含み、より好ましくは25質量%以下含み、さらに好ましくは20質量%以下含み、より一層好ましくは18質量%以下含む。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある変性共役ジエン系重合体(A)を得るためには、後述する重合工程と反応工程とにおける反応条件を制御することが好ましい。例えば、重合工程においては、後述する有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよい。また、重合工程において、連続式、及び回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法を用いる、すなわち、成長反応の時間分布を広げるとよい。
ここで、一般式(VI)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
一般式(I)中、Dは、共役ジエン系重合体鎖を示し、該共役ジエン系重合体鎖の重量平均分子量は、10×104~100×104であることが好ましい。該共役ジエン系重合体鎖は、変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、共役ジエン系重合体とカップリング剤とを反応させることによって生じる、共役ジエン系重合体由来の構造単位である。
一般式(I)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。上記活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
より好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2~10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2~10の整数を示す。
前記トレッド用ゴム組成物中のスチレン・アルキレンブロック共重合体は、スチレン系モノマー由来のブロックと、アルキレンブロックとを有する共重合体である。
前記トレッド用ゴム組成物におけるスチレン・アルキレンブロック共重合体は、当該スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、当該スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が30質量%以上である。これにより、タイヤのドライハンドリング性を高めることができる。スチレン・アルキレンブロック共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記トレッド用ゴム組成物では、前記合計スチレン含量が、50質量%以上であることが好ましい。前記合計スチレン含量が、50質量%以上であることより、タイヤのドライハンドリング性をさらに高めることができる。
なお、前記アルキレン単位の合計含量は適宜調節すればよいが、例えば、スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、40~70質量%である。
これにより、ドライハンドリング性に優れながら、WET性能と転がり抵抗の低減とを両立することができる。なお、このスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体のエチレンブチレンブロックは、上述したエチレン単位とブチレン単位を有するブロックである。
また、前記スチレン・アルキレンブロック共重合体は、市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、JSR社のJSR DYNARON(登録商標)8903P、9901Pなどが挙げられる。
例えば、スチレン・アルキレンブロック共重合体の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して、4~30質量部である。ドライハンドリング性に優れながら、WET性能と転がり抵抗の低減とを両立させる観点から、スチレン・アルキレンブロック共重合体の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、8.5~30質量部であることが好ましい。
前記充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シリカとしては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
前記トレッド用ゴム組成物は、前記ゴム成分及び前記スチレン・アルキレンブロック共重合体に加えて、加硫促進剤を含むことが好ましい。前記加硫促進剤としては、例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チオウレアおよびジエチルチオウレアの中から選ばれる少なくとも1種である。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ジエチルチオウレアは、C2H5NHCSNHC2H5で表される化合物である。
前記トレッド用ゴム組成物は、前記充填剤としてシリカを含む場合には、シランカップリング剤をさらに含むことが好ましい。シランカップリング剤を用いることによって、ゴム加工時の作業性が更に優れると共に、耐摩耗性がより良好なタイヤを得ることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫剤としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、硫黄などが挙げられる。加硫剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記トレッド用ゴム組成物は、前記ゴム成分及び前記スチレン・アルキレンブロック共重合体に加えて、C5系樹脂、C5~C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アルキルフェノール系樹脂及びこれらを一部水素添加したものからなる群より選択される熱可塑性樹脂をさらに含んでもよい。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、前記熱可塑性樹脂については、上述したスチレン・アルキレンブロック共重合体を含まない。
前記トレッド用ゴム組成物は、充填剤としてシリカを含む場合、さらに、グリセリン脂肪酸エステル組成物を含むことが好ましく、グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10~90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50~100質量%含むグリセリン脂肪酸エステル組成物を含むことがより好ましい。
該グリセリン脂肪酸エステル組成物を含む場合、ゴム組成物の加工性が向上し、また、ゴム組成物をタイヤに適用することで、タイヤの転がり抵抗の低減効果をより改善することができる。
ここで、前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン1分子と脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル(ジエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸トリエステル(トリエステル成分)でもよいし、これらの混合物でもよいが、グリセリン脂肪酸モノエステルが好ましい。なお、グリセリン脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルの混合物である場合、各エステルの含有率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。また、グリセリン脂肪酸ジエステルを構成する2つの脂肪酸、並びに、グリセリン脂肪酸トリエステルを構成する3つの脂肪酸は、同一でも、異なってもよい。
前記トレッド用ゴム組成物は、上述した成分以外に、ゴム工業界で通常使用される成分、例えば、老化防止剤、加硫促進助剤、有機酸化合物などを、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜選択して含有することができる。
本発明のタイヤでは、前記ベルト層6a、6bが、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値M50(MPa)に対する200%モジュラス値M200(MPa)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
そして、ベルトコーティングゴムにおける、前記M50の大きさに対する前記M200の大きさの比を、5.0以下(M200/M50≦5.0)に設定することによって、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を実現できる。また、同様の観点から、前記ベルトコーティングゴムのM200/M50は、4.8以下であることが好ましい。
なお、前記50%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び50%時の引張応力(MPa)のことであり、前記200%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び200%時の引張応力(MPa)のことである。これらの値については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定することができる。
前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を、12MPa超えとすることで、ベルトコーティングゴムの強度を高め、ベルトの耐久性をより向上できるとともに、トレッドゴムへの入力が向上するため、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能についてもより高めることができる。一方、前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E')を、30MPa未満とすることで、転がり抵抗の増加を抑えることができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物については、上述したM200/M50≦5.0の関係を満たすことができれば、その他の条件については特に限定はされない。
例えば、より高いレベルで転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性を実現する観点からは、前記ベルトコーティング用ゴム組成物として、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体を含むものを用いることができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれるゴム成分については、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、優れた耐亀裂進展性や耐摩耗性を得ることができる観点からは、天然ゴム若しくはジエン系合成ゴムを単独で、又は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムを併用した形で、含有することができる。
また、前記ゴム成分は、前記ジエン系ゴム100%から構成することもできるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ジエン系以外のゴムを含有することもできる。なお、優れた耐亀裂進展性や耐摩耗性を得ることができる観点から、前記ゴム成分におけるジエン系ゴムの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
また、非ジエン系ゴムについては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。
なお、これらの合成ゴムについては、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。また、これらのゴムは変性基で変性されたものでもよい。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれ得るカーボンブラックについては、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
例えば、より優れた耐久性が得られる観点からは、前記カーボンブラックとして、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が50~100cm3/100gのもの用いることが好ましい。
DBP吸収量が50~100cm3/100gであり、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、ベルトコーティングゴムの補強性と適度な柔軟性を両立することができ、優れた耐亀裂進展性等のベルト耐久性を得ることができる。前記DBP吸収量が100cm3/100gを超えると、前記ストラクチャが高くなるため、ベルトコーティングゴムの補強性が高くなり過ぎ、柔軟性が低下するため十分な耐久性を得ることができない。前記カーボンブラックのDBP吸収量は、90cm3/100g以下であることが好ましく、80cm3/100g以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラックのストラクチャとは、球状のカーボンブラック粒子がそれぞれ融着し、繋がった結果、形成された構造体(カーボンブラック粒子の凝集体)の大きさのことである。
また、前記カーボンブラックのDBP吸収量については、カーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)の量のことであり、JIS K 6217-4(2008年)に準拠して測定することができる。
なお、前記窒素吸着比表面積は、ISO4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出できる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれ得るフェノール樹脂についても、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物が、フェノール樹脂を、後述するメチレン供与体とともに含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、タイヤの転がり抵抗を低減させつつ、ベルトコーティングゴムの補強性を向上し、優れたベルトの耐久性を実現できる。
れる。また、前記フェノール樹脂については、変性したものを用いることができ、例えば、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸等の油によって変性することができる。
なお、上述したフェノール樹脂については、1種を単独して含むこともできるし、複数種を混合して含むこともできる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物に含まれ得るメチレン供与体についても、特に限定はされず、要求される性能に応じて適宜変更することができる。
前記メラミン供与体を、前記フェノール樹脂の硬化剤として含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、転がり抵抗低減効果を維持しつつ、ゴム組成物の補強性を向上させることができる。
なお、これらのメチレン供与体は、単独で用いても良いし、組み合わせて使用することもできる。
なお、前記ベルトコーティング用ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、フェノール樹脂及びメチレン供与体の他にも、その他の成分を、発明の効果を損なわない程度に含むことができる。
その他の成分としては、例えば、前記カーボンブラック以外の充填材、老化防止剤、架橋促進剤、架橋剤、架橋促進助剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、界面活性剤等のゴム工業で通常使用されている添加剤を適宜含むことができる。
その中でも、前記充填材として、シリカを含むことが好ましい。転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立できるためである。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカであることが好ましく、沈降シリカであることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、タイヤの低転がり抵抗性及び耐摩耗性をより向上できるためである。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性~アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
前記シリカの含有量については、特に限定はされないが、優れた転がり抵抗の低減効果を実現する観点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、1~15質量部であることが好ましく、3~10質量部であることがより好ましい。
nM・xSiOY・zH2O ・・・ (3)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、並びに、これらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1~5の整数、0~10の整数、2~5の整数、及び0~10の整数である。)
前記ビスマレイミド化合物の種類については、例えば、N,N'-o-フェニレンビスマレイミド、N,N'-m-フェニレンビスマレイミド、N,N'-p-フェニレンビスマレイミド、N,N'-(4,4'-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2-ビス-[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンなどを例示することができる。本発明では、N,N'-m-フェニレンビスマレイミド及びN,N'-(4,4'-ジフェニルメタン)ビスマレイミド等を好適に用いることができる。
また、前記ベルトコーティング用ゴム組成物の製造では、前記各成分の混練が、同時に混練することもできるし、いずれかの成分を予め混練した上で、残りの成分を混練することも可能である。これらの条件については、ゴム組成物が要求される性能に応じて適宜変更することができる。
また、本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫してもよく、予備加硫工程等を経た半加硫ゴムを用いて成形後、さらに本加硫して製造してもよい。
さらに、本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
表1に示す条件で、トレッド用ゴム組成物1~3を調製、組成物4を調整した。なお、トレッド用ゴム組成物1~3の調製については、各成分を二段階(混錬第一段階、混錬最終段階)に分けて、配合・混錬する。トレッド用ゴム組成物4の調製については、各成分を二段階(混錬第一段階、混錬最終段階)に分けて、配合・混錬した。各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
*12:変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを使用して製造した変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、Tg=-62℃、合成方法の詳細は以下の通りである。
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを得た。得られた変性SBRのミクロ構造を測定した結果、結合スチレン量が10質量%、ブタジエン部分のビニル結合量が40%、ピーク分子量が200,000であった。
*13:旭カーボン(株)製「#80」
*14:東ソー・シリカ工業(株)製 「ニプシルAQ」、BET比表面積=210m2/g
*15:ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製 「Si69」
*16:C5-C9系樹脂、JXTGエネルギー(株)製 「T-REZ RD104」
*17:合計スチレン含量53質量%のスチレン・アルキレンブロック共重合体、JSR(株)製 「DYNARON(登録商標)9901P」、単位(A)の単位(A)+単位(B)に対する割合70質量%
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名NipSil(登録商標)AQ」
*18:合計スチレン含量35質量%のスチレン・アルキレンブロック共重合体、JSR(株)製 「DYNARON(登録商標)8903P」、単位(A)の単位(A)+単位(B)に対する割合70質量%
*19:合計スチレン含量15質量%のスチレン・アルキレンブロック共重合体、JSR(株)製 「DYNARON(登録商標)8600P」、単位(A)の単位(A)+単位(B)に対する割合68質量%
*20:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋(株)製「オゾエース0701」
*101:大内新興化学工業(株)製「ノクラック 6C」と、精工化学(株)製「ノンフレックス RD-S」との合計量
*102: 1,3-ジフェニルグアニジン(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」)と、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDM」)と、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(三新化学工業(株)製「サンセラーCM-G」)との合計量
表2に示す条件で、ベルトコーティング用ゴム組成物A~Cを調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
また、表2中の、M50、M200及びE’については、ベルトコーティング用ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた、加硫ゴムについて測定を行った。M50及びM200については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定を行い、E’については、(株)上島製作所製スペクトロメータ-を用いて、初期荷重160mg、周波数52Hzの条件で測定を行った。
*22:HAF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭#70L」、DBP吸収量:75cm3/100g、窒素吸着比表面積:81m2/g
*23:GPF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭NPG」、DBP吸収量:89cm3/100g、窒素吸着比表面積:28m2/g
*24:住友ベークライト(株)製 「スミライトレジン PR-50235」
*25:ヘキサメトキシメチルメラミン、ALLNEX製「CYREZ 964」
*26:東ソー・シリカ工業(株)製 「ニプシルAQ」、BET比表面積=210m2/g
*27:2,2’ -メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、大内新興化学工業(株)製「ノクラック NS-6」
*28:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック 6C」
*29:1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーD」
*30:有機酸のコバルト塩中の有機酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩、OMG社「マノボンドC」、コバルト含有量:22.0質量%
*31:大和化成工業(株)製「BMI-RB」
表3に示す、トレッド用ゴム組成物とベルトコーティング用ゴム組成物の組み合わせで、各サンプルの空気入りタイヤ(サイズ:195/60R15)を作製する。なお、各サンプルの空気入りタイヤについては、トレッドゴム及びベルトコーティングゴム以外の製造条件については、全て同じ条件とする。
(1)転がり抵抗
各サンプルのタイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、測定器によって、転がり抵抗係数を測定する。
評価については、サンプル7のタイヤの転がり抵抗係数を100としたときの指数で表示し、指数値が小さい程、転がり抵抗が低く良好な結果であることを示す。
各サンプルのタイヤを、試験車に装着し、乾燥路面実車試験にて、走行時におけるハンドリング性について、ドライバーのフィーリングに基づいた評価を行う。
評価については、サンプル7のタイヤのフィーリング評点を100としたときの指数で表示し、指数値が大きい程、乾燥路面における操縦安定性(ドライハンドリング性)が高いことを示す。
各サンプルのタイヤのベルトコーティングゴムから、2mm×50mm×6mmの試験片を切り出し、その中心部に微小な穴を空けて初期亀裂とする。その後、試験片に対して、2.0MPa、周波数は6Hz、雰囲気温度80℃の条件で、長辺方向に繰り返し応力を加える。そして、試験片ごとに、繰り返し応力を加えてから、試験片が破断するまでの繰り返し回数を測定した後、その繰り返し回数の常用対数を算出する。なお、破断までの測定試験は、試験片ごとに4度実施して常用対数を算出し、それらの平均を平均常用対数とする。
評価については、サンプル7の試験片の平均常用対数を100とした場合の指数として示し、試験片の平均常用対数が大きい程、耐亀裂成長性に優れることを示す。評価結果を表3に示す。
なお、比較例の各サンプルは、少なくとも1つの評価項目で、実施例に比べて劣る値を示している。
2:サイドウォール部
3:トレッド部
4:ビードコア
5:ラジアルカーカス
6:ベルト
6a、6b:ベルト層
Claims (6)
- トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、
前記トレッド部を構成するトレッドゴムは、ゴム成分と、合計スチレン含量が30質量%以上であるスチレン・アルキレンブロック共重合体と、を含むゴム組成物からなり、
前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムは、ゴム成分と、DBP吸収量が50~100 cm 3 /100gであるカーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体と、を含むゴム組成物からなり、50%モジュラス値M50(MPa)に対する200%モジュラス値M200(MPa)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする、タイヤ。 - 前記ベルトコーティングゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12MPaを超え且つ30MPa未満であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックが、-(CH2-CH(C2H5))-単位(A)と-(CH2-CH2)-単位(B)を有し、単位(A)の合計含量が、単位(A)及び単位(B)のアルキレンブロックの総質量(単位(A)+単位(B))に対して、40質量%以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記単位(A)の合計含量が、単位(A)及び単位(B)のアルキレンブロックの総質量(単位(A)+単位(B))に対して、50質量%以上である、請求項3に記載のタイヤ。
- 前記トレッドゴムに用いられるゴム組成物は、前記ゴム成分が天然ゴムを含有し、前記ゴム成分中の天然ゴムの含有比率が、50質量%以上であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が、50質量%以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ。
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