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JP7257656B2 - 発泡体用ゴム組成物及び防振手袋 - Google Patents
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JP7257656B2 - 発泡体用ゴム組成物及び防振手袋 - Google Patents

発泡体用ゴム組成物及び防振手袋 Download PDF

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Description

本発明は、振動ばく露被害を伴う作業等に用いることができ、その被害を低減させることのできる発泡体用ゴム組成物及び防振手袋に関する。
従来の防振手袋としては、本出願人による特許文献1に記載の手袋が知られている。当該特許文献1に記載の手袋は、主として、削岩機やエンジンカッター等の振動工具を使用する際に着用する防振性能を有する手袋であって、メリヤス等の伸縮性に富む手袋本体の少なくとも掌部に、加硫発泡ゴム材を設けている。
また、加硫発泡ゴム材に、手袋の指部分の延びる方向及びこれと直交する方向に溝を設け、加硫発泡ゴム材をブロック状に形成することにより、高い防振性を有すると共に、使用性にも優れた手袋となっている。
上記特許文献1に記載の手袋は、出願当時におけるこの種の製品に求められていた防振性を備えており、使用性にも優れていたため、削岩機やエンジンカッター等の振動工具を使用する使用者の負担軽減を実現していた。
特開2004-339630号公報
一方で、防振手袋の振動軽減効果の測定及び評価方法に関する国際規格ISO10819が2013年に改訂され、従来よりも振動減衰性の基準が高くなった。従来の防振手袋は、上記規格の条件を満たしていないため、当該規格の条件を満たす防振手袋が求められていた。
本発明は、このような事情に鑑み、上記規格の条件を満たすことができる防振手袋を提供することを目的とする。また、その手袋の防振性を担保するための発泡体用ゴム組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の発泡体用ゴム組成物は、非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、ヒドラジド系有機発泡剤1.0~3.0質量部と、単独又は複数の充填材を合計40~100質量部含み、前記単独の充填材の比重、又は前記複数の充填材の加重平均比重が4.0~5.0であることを特徴とする。
特許文献1に記載の防振手袋は、その後に設定された上記国際規格の条件を満たしていなかったため、本願発明者等はゴム材や充填材の配合について種々変更を行って実験を行ったが、従来の発泡技術を踏襲しただけでは上記国際規格の条件を満たすことが困難であった。
本願発明者等がさらに研究を重ねた結果、発泡体用ゴム組成物について、ゴム成分として非硫黄変性クロロプレンゴム、発泡剤としてヒドラジド系有機発泡剤を所定量用い、4.0~5.0の比重を有する充填材、又は4.0~5.0の加重平均比重を有する複数の充填材を合計40~100質量部配合することにより、当該ゴム組成物を発泡させた際に上記国際規格の条件を満たす防振手袋用の発泡体とすることができた。
ここで、ヒドラジド系有機発泡剤が1.0未満のときは、発泡させた際に発泡が不十分となり、発泡体の比重が高くなって防振性が悪化する。一方で、ヒドラジド系有機発泡剤が3.0を超えるときは、発泡させた際に発泡率が高くなり、比重が低くなるため、こちらも防振性が悪化する。また、同時に、気泡の粒径が不均一となり、気泡も連続気泡の割合が多くなり、防振性が悪化すると共に耐久性が低下する。
充填材については、比重又は荷重平均比重が4.0未満の場合及び5.0を超える物を使用すると、上記国際規格の条件を満たす防振手袋用の発泡体とすることが困難であった。また、充填材が40質量部未満の場合は、発泡体とした際に所望の防振性を得ることが困難であった。一方で、充填材が100質量部を超えると、ゴム成分の比率が低下するため、発泡体となった際の強度、耐久性及び耐摩耗性が減少するため好ましくない。
また、本発明の発泡体用ゴム組成物においては、前記充填材が硫酸バリウムであることが好ましい。また、前記充填材に酸化アルミニウムをさらに含んでいてもよい。本願発明者等が所定の比重の充填材を用いて種々実験を行ったところ、硫酸バリウムを用いるか、又は硫酸バリウムに酸化アルミニウム等を所定量混合したものとすることにより、発泡体とした際に所望の防振性を得ることができることを知見した。
また、本発明の発泡体用ゴム組成物において、添加物として、酸化マグネシウムを2~6質量部、酸化亜鉛を3~7質量部含むことが好ましい。ゴム成分として非硫黄変性クロロプレンゴムを用いた際に、上記添加物を加えることにより、発泡体とした際に所望の防振性を得ることができた。ここで、添加物として用いる酸化マグネシウムは、軽焼焼成法で製造されたもの(軽焼マグネシア)を使用する。
また、上記目的を達成するために、本発明の防振手袋は、ゴム成分が、非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、ヒドラジド系有機発泡剤1.0~3.0質量部と、単独又は複数の充填材40~100質量部とを配合してなり、前記単独の充填材の比重、又は前記複数の充填材の加重平均比重が4.0~5.0であり、比重が0.3から0.5である発泡体が手袋本体に固定されてなる防振手袋であって、前記発泡体が、前記手袋本体の掌部にブロック状に互いに間隔を空けて固定された発泡突部を備え、前記発泡突部に、前記掌部側に開口する溝又は空間が形成されていることを特徴とする。
本願発明者等の実験によれば、発泡体として比重が0.3から0.5のものを用いて、ブロック状の発泡突部を形成し、その発泡突部内に掌部側に開口する溝又は空間を形成することにより、上記国際規格の条件を満たす防振手袋とすることができることを知見した。発泡体の比重が0.3未満の場合は振動エネルギーの吸収が十分ではなく、発泡体の比重が0.5を超える場合は低周波領域の振動エネルギーの吸収が不十分となる。
また、本発明の防振手袋においては、前記充填材が硫酸バリウム、又は硫酸バリウムと酸化アルミニウムとの混合物であることが好ましい。発泡体をこのような組成とすることにより、防振性に優れ、且つ耐久性に優れた防振手袋とすることができる。
また、前記発泡突部は、前記手袋本体の外郭に位置する端面に前記溝又は空間が開口しているものを含むことが好ましい。当該構成によれば、空間が手袋本体の外郭に位置する端面に開口しているため、空間を通じて手袋本体内部が外気に連通する。従って、当該部分の通気性を向上させることができる。
また、本発明の防振手袋においては、前記防振手袋の振動軽減効果の測定において、周波数帯域が25Hzから200Hzまでの振動スペクトルMの平均振動伝達率であるTRsMが0.9未満で、且つ、周波数帯域が200Hzから1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率であるTRsHが0.6未満であることが好ましい。
本願発明者等の研究によれば、少なくともゴム成分が非硫黄変性クロロプレンゴムであり、比重が0.3から0.5である発泡体を、手袋本体の掌部にブロック状に互いに間隔を空けて固定された発泡突部を形成し、この発泡突部に、前記掌部側に開口する溝又は空間を形成することにより、上記国際規格(ISO10819)の条件を満たす防振手袋とすることができた。
本発明によれば、上記国際規格の条件を満たすことができる発泡体用ゴム組成物、及びそれを用いた防振手袋を提供することができる。
本発明の実施形態の一例である防振手袋を示す説明図。 図1のII方向から見た側面図。 図1のIII-III線断面図。 本実施形態の防振手袋の製造工程を示す説明図。
次に、本発明の実施形態の一例である発泡体用ゴム組成物、及び防振手袋について、図1~図4を参照して説明する。本実施形態の防振手袋1は、図1に示すように、手袋本体2の掌部3の表面に、発泡体10によって形成されたブロック状の発泡突部11が複数固定されている。
手袋本体2は、繊維からなる糸を手袋状に編成して構成されている。この手袋本体2は、伸縮性を有する編物とすることが多く、現在広く一般に用いられている手袋を用いることができる。
繊維としては、綿、麻等の天然繊維、ナイロン(登録商標)、ポリエステル等の合成繊維等の素材を用いることができる。手袋本体2は、作業者の掌を被覆する面が掌部3、手の甲を被覆する面が甲部4(図2及び図3参照)となっている。
本実施形態の防振手袋1は、掌部3の表面に複数の発泡突部11がブロック状に設けられており、この発泡突部11が互いに間隔を空けて固定されている。発泡突部11は、作業者が物を把持した際に、物と作業者の手の間にこの発泡突部11が介在するように構成されている。また、各発泡突部11の間には、発泡体10が掌部3に強固に押しつけられて固定された発泡溝部12が形成されている。この発泡溝部12によって、各発泡突部11の周囲には間隔が形成されている。
発泡突部11は、図2に示すように、掌部3の表面にアーチ状(U字状)となるように固定されている。このため、図2のように、手袋本体2を側面から見た状態で、各発泡突部11の側面に略半円状の空間13が開口している。
また、図3に示すように、各発泡突部11の内部の空間13は掌部3側に開口している。この空間13に面している掌部3には発泡体10は存在しないので、空間13は手袋本体2の生地の通気性によって、手袋本体2の内部、及び外気と通じている。
次に、発泡突部11及び発泡溝部12を形成する発泡体10について説明する。本実施形態における発泡体10は、発泡体用ゴム組成物をシート状に形成し、手袋本体2に仮固定した状態で、加熱炉内において架橋反応及び発泡を行って形成される。
発泡体用ゴム組成物は、非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、ヒドラジド系有機発泡剤1.0~3.0質量部と、4.0~5.0の比重を有する単独の充填材40~100質量部含むものとなっている。或いは、充填材として、複数の充填材を混合して加重平均比重を4.0~5.0としたものを含むものとなっている。
充填材としては、比重が4.49である硫酸バリウムが好適である。その他、この硫酸バリウムに加えて、比重が3.95である酸化アルミニウム(アルミナ)、或いはその他の充填材を含むようにして、最終的に充填材の荷重平均比重を4.0~5.0の範囲としてもよい。この場合、酸化アルミニウムの他に、窒化アルミニウム、又は1500℃を超える高温領域で製造する死焼焼成法で製造した酸化マグネシウム(死焼マグネシア)を用いてもよい。
ここで、本実施形態における充填材とは、従来からゴム製品の製造分野で広く用いられている充填材の概念と同一である。具体的には、ゴムの架橋反応には直接関与せず、老化防止のための抗酸化性を本質的に具備していない粉体である。例えば、充填材として、上記物質の他に、石英粉、黒鉛粉、窒化ホウ素、フェライト類、三酸化アンチモン、酸化チタン類、銀粉等を用いることができる。
次に、本実施形態の防振手袋1の製造方法について図4を参照して説明する。まず、発泡体用ゴム組成物の配合を行う。まず、非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に、ヒドラジド系有機発泡剤、具体的にはOBSH(p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)を1.0~3.0質量部、好ましくは2.5質量部を加える。
また、充填材としては、単独で硫酸バリウムを50質量部加える。また、これに加えて、添加物として、酸化マグネシウムを4質量部、酸化亜鉛を5質量部、ステアリン酸を1質量部、ナフテン系オイルを20質量部、フェノール系老化防止剤を2質量部、加硫促進剤EU(エチレンチオウレア)を1.5質量部、加硫促進剤MBTS(2-ベンゾチアジルジスルフィド)を0.5質量部添加する。
次に、これらの各原料を混練機(図示省略)において混練し、コンパウンド(発泡体用ゴム組成物)を生成する。次に、このコンパウンドをカレンダーロール、或いは押し出し機等の機器を用いて厚さ2.0mmのシート状に形成する。次に、このシートを手袋本体2の掌部3の形状に合わせて切り抜き、図4に示すコンパウンドシート14を形成する。
図4に示すように、本実施形態の防振手袋1の製造においては、プレス機20を使用して手袋本体2にコンパウンドシート14を仮固定している。プレス機20は、プレス本体21と、上型22と、下型23を備えている。上型22には、コンパウンドシート14に発泡突部11及び発泡溝部12を形成するための凹凸が形成されている(図示省略)。下型23には、手袋本体2の形状に合わせて凹部24が形成されている。
本実施形態の防振手袋1の製造においては、特許文献1における製造方法と同様に、手袋本体2は、平板手型25に装着されてプレス機20に供給される。その際、手袋本体2の掌部3を上側に向けた状態で平板手型25を下型23の所定箇所にセットする。
この状態から、手袋本体2の掌部3にコンパウンドシート14を載置し、その上から上型22で加圧プレスすることにより手袋本体2にコンパウンドシート14を仮固定する。このとき、上型22の温度は60~80℃であり、プレス圧力は約392~588kPa(4~6kg/cm)である。プレス時間は15~60秒としている。
この仮固定によって、手袋本体2の掌部3の表面に、凹凸のついたコンパウンドシート14が装着される。次に、手袋本体2を平板手型25から取り外して、人の手の形を模した立体手型(図示省略)に装着する。
その後、コンパウンドシート14が仮固定された手袋本体2を加熱炉(図示省略)の内部に導入し、加熱炉内で加熱を行ってコンパウンドシート14に架橋反応を生じさせると共に、発泡剤の作用によって発泡させ、コンパウンドシート14を発泡体10とする。その後、手袋本体2を立体手型から取り外して、防振手袋1を得る。
コンパウンドシート14が手袋本体2に仮固定された状態では、発泡後に発泡溝部12となる部分のコンパウンドの一部が、上型22によって手袋本体2の繊維内に押圧されて繊維と絡み合った状態となる。一方、コンパウンドシート14のうち、発泡突部11となる部分には、上型22によって圧力がかけられていないので、その部分のコンパウンドは手袋本体2の繊維部分の表面に当接しただけの状態となっている。
このため、コンパウンドシート14を架橋・発泡させた際には、圧力を受けていない発泡突部11となる部分は、大きく発泡して手袋本体2の表面から盛り上がった状態となる。また、発泡突部11の部分のコンパウンドは、手袋本体2の表面に当接しているのみであるので、図3に示すように、表面の盛り上がりに伴って内部に空間13が発生する。この空間13は、手袋本体2の掌部3が繊維でできているため、手袋本体2の内部空間と連通した状態となっている。
一方で、発泡溝部12は、コンパウンドの一部が手袋本体2の繊維と絡み合っているので、架橋・発泡反応が生じても発泡突部11のような盛り上がりは生じない。よって、発泡溝部12は、発泡突部11の周囲を囲む間隔となる。
本実施形態の防振手袋1は、発泡体10の比重が0.3から0.5の間となるように、材料及び製造工程を調整している。また、発泡体10の形状を、図2及び図3に示す形状とすることにより、振動軽減効果に関する国際規格ISO10819に適合可能な防振手袋1を製造することができる。特に、発泡体10の比重は、発泡体10の共振周波数に大きく影響を及ぼすため、防振手袋1において発泡体10の比重を調整することは防振性の向上を図る上で重要である。
発泡体10の比重が0.3未満の場合、発泡体10が軽いために振動エネルギーの吸収が十分ではない。逆に、発泡体10の比重が0.5を超える場合は、発泡体10が重くなるため振動エネルギーの吸収性能は向上するが、低周波領域の振動エネルギーの吸収が不十分となる。
一方で、手袋本体2の外郭部分であって、発泡突部11の図1における左右側縁が発泡溝部12によって閉塞されていない箇所は、図2に示すように、空間13が側方の端面に開口した状態となる。当該構成により、手袋本体2の外郭部分に位置する発泡突部11、特に各指にあたる部分の発泡突部11は、手袋本体2の内部と外気とが空間13を通じて開口しているため、通気性がよくなる。
本実施形態の防振手袋1は、後述するようにISO10819を満たすものとなっており、従来の防振手袋に比べて防振性が優れており、削岩機やエンジンカッター等の振動工具を使用する際に着用したときは、優れた防振性により、振動ばく露被害を大幅に減少させることができる。
また、本実施形態の防振手袋1においては、各発泡突部11の内部に設けられた空間13が位置する手袋本体2の表面は、発泡体10が固定されていないので、伸縮自在となっている。このため、発泡突部11が中実の場合に比べて、編物である手袋本体2が自由に伸縮できる部分が増加している。
従って、作業者は、防振手袋1を装着した際に、作業の際に把持するハンドルや工具等の操作の際に、手を握る動作、或いは手を伸ばす動作が容易となり、より小さい力で作業を行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の防振手袋1は、ゴム成分として非硫黄変性クロロプレンゴムを用いて、上記発泡剤を添加し、上記充填材を充填したため、加硫発泡ゴム材を用いた特許文献1に記載の防振手袋における加硫発泡ゴム材の突出部と比較して、耐摩耗性が向上している。耐摩耗性能を測定するためのマーチンデール摩耗試験機を用いて本実施形態の防振手袋1と特許文献1記載の防振手袋の耐摩耗性能を測定した。
その結果は、本実施形態の防振手袋1は、3つのサンプルの平均が約213回であったのに対し、特許文献1記載の防振手袋は平均が104回であり、従来に比べて2倍以上の耐久性を実現している。
さらに、本実施形態の防振手袋1は、ゴム成分として非硫黄変性クロロプレンゴムを用いて、上記発泡剤を添加し、上記充填材を充填したため、加硫発泡ゴム材を用いた特許文献1に記載の防振手袋に比べて熱伝導率が低くなっている。熱伝導率の計測には、ゴム業界で熱伝導率測定に広く用いられている細線加熱法を採用した。計測装置は迅速熱伝導率計(例えば京都電子工業株式会社:QTM-500)を用いて、シート状にした発泡体10を100mm×50mm×20mmの試料として熱伝導率を測定した。
その結果、本実施形態における発泡体10の熱伝導率は、5つのサンプルの平均が、設定電流値が0.250Aの場合に9.98×10-2[W/(m・K)]であり、設定電流値が0.625Aの場合に8.37×10-2[W/(m・K)]であった。これは、この種の高温作業用の手袋の数値として好適な値となっている。
従って、本実施形態の防振手袋1は、断熱を求められるもの、例えば、高温のオーブンを出し入れする際の手袋や加熱された金型を移動させる際に使用する手袋等への展開も可能となる。このように、本実施形態の防振手袋1は、防振性能、作業性、通気性、耐久性(耐摩耗性)を有するのみならず、熱伝導性が低く、高温の物の取り扱い性に優れた手袋の提供が可能となった。
次に、本実施形態の防振手袋1の実施例1~6、及び比較例1~7について、表1~4を参照して説明する。表1は、本実施形態の防振手袋1の実施例1~6、表2は、比較例1~5、表3は比較例6,7、表4は各実施例及び比較例の減衰値及び評価を示す。
実施例1では、表1に示すように、非硫黄変性クロロプレンゴムとして、デンカ株式会社製クロロプレンゴム「M-40」を100質量部準備した。ヒドラジド系有機発泡剤として、OBSH(p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)を2.5質量部準備した。
充填材としては、単独で硫酸バリウムを50質量部準備した。この硫酸バリウムは、平均粒子径が4.5μmのものを用いた。また、添加物として、酸化マグネシウムを4質量部、及び酸化亜鉛を5質量部準備した。
さらに、添加物として、ステアリン酸を1質量部、ナフテン系オイルを20質量部、フェノール系老化防止剤を2質量部準備した。また、加硫促進剤としてEU(エチレンチオウレア)を1.5質量部、加硫促進剤としてMBTS(2-ベンゾチアジルジスルフィド)を0.5質量部準備した。
これらの材料を図示しない混練機によって混練してコンパウンドを得た後、このコンパウンドをカレンダーロールによって厚さ2.0mmのシートを形成した。実施例1では、プレス機20において、上型22の温度を約60℃、プレス圧力を392kPa(4kg/cm)として約15秒間プレスを行った。
その後、図示しない加熱炉において、約160℃の温度で約6分間加熱を行い、コンパウンドシート14に架橋反応を生じさせると共に、発泡剤の作用によって発泡させ、コンパウンドシート14を発泡体10とした。実施例1における発泡体10の比重は、0.35であった。
実施例1においては、図3に示すように、手袋本体2の表面から隆起している各発泡突部11の高さHは、平均で約8mmとなっている。また、各発泡突部11の発泡体10の厚さTは、平均で約3~4mmとなっている。
実施例2においては、充填材である硫酸バリウムを40質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。実施例2における発泡体10の比重は0.33であった。
実施例3においては、充填材である硫酸バリウムを100質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。実施例3における発泡体10の比重は0.49であった。
実施例4においては、ヒドラジド系有機発泡剤であるp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを1.0質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。実施例4における発泡体10の比重は0.44であった。
実施例5においては、ヒドラジド系有機発泡剤であるp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを3.0質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。実施例5における発泡体10の比重は0.31であった。
実施例6においては、充填材を、酸化アルミニウムを50質量部、硫酸バリウムを20質量部、合計で70重量部の混合物とした。実施例6における充填材の加重平均比重は、4.10である。その他は上記実施例1と同様である。実施例6における発泡体10の比重は0.41であった。
Figure 0007257656000001
次に、比較例1~7について、表2~表4を参照して説明する。
[比較例1]
比較例1では、ゴム成分として、硫黄変性クロロプレンゴムを用いている。具体的には、デンカ株式会社製クロロプレンゴム「PM-40」を100質量部準備した。その他は上記実施例1と同様である。比較例1における発泡体の比重は0.25であった。
[比較例2]
比較例2では、充填材である硫酸バリウムを35質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。比較例2における発泡体の比重は0.28であった。
[比較例3]
比較例3では、充填材である硫酸バリウムを105質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。比較例3における発泡体の比重は0.51であった。
[比較例4]
比較例4では、発泡剤をヒドラジド系有機発泡剤ではなく、ADCA(アゾジカルボンアミド)に変更した。配合としては、実施例1のヒドラジド系発泡剤の質量部と同じ2.5質量部とした。その他は上記実施例1と同様である。比較例4における発泡体10の比重は0.17であった。
[比較例5]
比較例5では、充填材として、比重が3.34である炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製:MSK-C)を50質量部用いた。その他は上記実施例1と同様である。比較例5における発泡体の比重は0.25であった。
Figure 0007257656000002
[比較例6]
比較例6では、ゴム成分に天然ゴムを用いている。具体的には、SMR-5(Standard Malaysian Rubber)を用いた。また、これに伴い、加硫促進剤として、EUに代えてグアニジン系の加硫促進剤であるDPG(N,N’-ジフェニルグアニジン)を0.6質量部とした。また、加硫促進剤MBTSについて、配合量を1.8質量部とした。さらに、加硫促進剤TMTM(テトラメチルチウラムモノスルフィド)を0.4質量部、及び硫黄を1.5質量部追加した。その他は上記実施例1と同様である。比較例6における発泡体の比重は0.26であった。
[比較例7]
比較例7では、実施例1のゴム成分である非硫黄変性クロロプレンゴムを30質量部とし、天然ゴムであるSMR-5を70質量部混合した。また、これに伴い、加硫促進剤として、加硫促進剤DPGを0.6質量部とし、加硫促進剤MBTSを1.8質量部とし、さらに加硫促進剤TMTMを0.4質量部、及び硫黄を1.05質量部追加した。その他は上記実施例1と同様である。比較例7における発泡体の比重は0.21であった。
Figure 0007257656000003
以上の実施例1~6、及び比較例1~7について、ISO10819に則って測定した減衰値と、基準値をクリアしているか否かについて、表4にまとめた。表4において、TRsMは、周波数帯域が25Hzから200Hzまでの振動スペクトルMの平均振動伝達率である。また、TRsHは、周波数帯域が200Hzから1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率である。
以下の表4に示すように、実施例1~6においては、ISO10819に則って測定した減衰値は、TRsMが基準値をクリアしており、且つ、TRsHも基準値をクリアしている。一方で、比較例1~7は、TRsMは基準値をクリアしているものが若干あるものの(比較例2,4,5)、TRsHは全てクリアできていない。このように、本発明の実施例1~6の防振手袋1によれば、ISO10819の基準値をクリアしており、高い防振性能を有することが立証された。
Figure 0007257656000004
なお、上記実施形態においては、手袋本体2のみに発泡体10を設けているが、これに限らず、手袋本体2の外郭部分や、甲部4にも発泡体10を設けてもよい。また、本発明の防振手袋1は、ISO10819の基準値をクリアしているが、これに対応して改訂されたJIS T 8114の基準値もクリアしている。
また、上記実施形態においては、発泡突部11の内部に側面視で半円状の空間13が形成されているが、このような空間13に限らず、発泡突部11の長手方向に延びる溝のような形状であってもよい。このような溝であっても、発泡突部11のクッション性を高め、防振性能を向上させることができる。
1…防振手袋、2…手袋本体、3…掌部、4…甲部、10…発泡体、11…発泡突部、12…発泡溝部、13…空間、14…コンパウンドシート、20…プレス機、21…プレス本体、22…上型、23…下型、24…凹部、25…平板手型。

Claims (8)

  1. 非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、
    ヒドラジド系有機発泡剤1.0~3.0質量部と、
    単独又は複数の充填材を合計40~100質量部含み、
    前記単独の充填材の比重、又は前記複数の充填材の加重平均比重が4.0~5.0であることを特徴とする発泡体用ゴム組成物。
  2. 前記充填材が硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1に記載の発泡体用ゴム組成物。
  3. 前記充填材に酸化アルミニウムをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発泡体用ゴム組成物。
  4. 添加物として、酸化マグネシウムを2~6質量部、酸化亜鉛を3~7質量部をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡体用ゴム組成物。
  5. ゴム成分が、非硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、ヒドラジド系有機発泡剤1.0~3.0質量部と、単独又は複数の充填材40~100質量部とを配合してなり、前記単独の充填材の比重、又は前記複数の充填材の加重平均比重が4.0~5.0であり、比重が0.3から0.5である発泡体が手袋本体に固定されてなる防振手袋であって、
    前記発泡体が、前記手袋本体の掌部にブロック状に互いに間隔を空けて固定された発泡突部を備え、前記発泡突部に、前記掌部側に開口する溝又は空間が形成されていることを特徴とする防振手袋。
  6. 前記充填材が硫酸バリウム、又は硫酸バリウムと酸化アルミニウムとの混合物であることを特徴とする請求項に記載の防振手袋。
  7. 前記発泡突部は、前記手袋本体の外郭に位置する端面に前記溝又は空間が開口しているものを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の防振手袋。
  8. 前記防振手袋の振動軽減効果の測定において、
    周波数帯域が25Hzから200Hzまでの振動スペクトルMの平均振動伝達率であるTRsMが0.9未満で、
    且つ、周波数帯域が200Hzから1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率であるTRsHが0.6未満であることを特徴とする請求項5からのいずれか1項に記載の防振手袋。
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