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JP7258455B2 - 調理済み冷凍食品 - Google Patents
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JP7258455B2 - 調理済み冷凍食品 - Google Patents

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本発明は、解凍するだけで喫食可能状態となる調理済み冷凍食品に関し、詳細には、麺などの固形主食材の上に具材を含む流動性副食材が配された調理済み食品の冷凍固化物に関する。
冷凍食品は、保存料を使用しなくても保存中に品質低下が少なく、長期保存が可能な食品であり、その利便性の良さが多くの消費者に支持されている。冷凍食品には、単に未調理の食品素材を凍結したものも存在するが、近年は核家族化、個食化の進展などを背景に、電子レンジなどの加熱調理器を用いて加熱調理するだけで簡単に喫食状態にすることが可能な、いわゆるレディトゥイートな調理済み冷凍食品の需要が急伸している。また、冷凍技術の発達により、調理済み冷凍食品の種類は多様化しており、ご飯や麺等の主食材のみならず、主食材と各種おかずなどの副食材とが互い分離した状態で並べて配置された分離タイプ、あるいは、ソース載せスパゲティやカレーライスに代表される、固形主食材の上にソース・あん・たれなどの流動性副食材が配された一体化タイプが存在する。前者の分離タイプは一般に、容器内に設けられた複数の区画それぞれに主食材又は副食材が種類ごとに配置されているところ、このような配置形態の冷凍食品は、電子レンジで解凍処理した際に解凍ムラが発生しやすく、一部の食材が過加熱となる一方で、他の一部の食材が加熱不十分でほぼ未解凍となるなどの不都合が生じるおそれがある。これに対し、後者の一体化タイプ(例えば特許文献1及び2参照)は、主食材と副食材とが重なり合って一体となっているために、電子レンジで解凍処理しても解凍ムラが発生し難く、解凍後の食感にも総じて優れている。
また、調理済み冷凍食品は、食感などの喫食時の品質のみならず、喫食前の外観も重要であり、解凍前及び解凍後の双方において、各種食材が見栄えよく配置されていることが望ましい。例えば、市販の調理済み冷凍食品のパッケージには通常、喫食状態の食品が見栄えよく印刷されており、消費者は、そのパッケージの食品見本から喫食時の食品の外観の良否を判断して購入する場合が少なくないところ、解凍後の食品の外観がパッケージの食品見本から大きくかけ離れたものであると、消費者に大きな失望感を与え、食品製造会社の信用低下にも繋がり得る。この点、固形主食材の上に具材やソースなどの副食材が配された一体化タイプの調理済み食品の冷凍固化物の場合、該冷凍固化物の製造直後は、固形主食材の冷凍固化物の上に副食材の冷凍固化物が見栄えよく配置されていても、冷凍保存中に具材などに何らかの外力がかかるなどして、具材が破損したり固形主食材から脱落したりすることがあり、解凍前の時点で既に見栄えが悪くなっていることがあった。また、そのような見栄えの悪化した調理済み食品の冷凍固化物の解凍後においては、解凍処理により流動性を有するようになった流動性副食材が固形主食材の上から流れ落ち、これを見る者に乱雑な印象を与え、見栄えが非常に悪くなるという問題があった。
特開平7-31397号公報 特開2005-171号公報
麺などの固形主食材の上にソースなどの流動性副食材が配された一体化タイプの調理済み食品の冷凍固化物において、その流動性副食材にカットした野菜や肉などの具材が含まれている場合、とりわけ、その具材が比較的サイズの大きな大型具材である場合、小型具材を使用した場合よりも食感及び外観などの品質面での向上が期待できる一方で、具材の大きさが徒となって品質低下を招くことが懸念される。即ち、大型具材を含む調理済み冷凍食品においては、流動性副食材の冷凍固化物の表面から大型具材の冷凍固化物の一部が比較的大きく突出しているため、冷凍保存中に大型具材が脱落・破損しやすく、前記の食品の見栄えの問題がより深刻化する傾向があり、さらには、電子レンジなどで加熱解凍したときに大型具材に解凍ムラが発生しやすく、食感の低下が顕著に現れやすい。
本発明の課題は、冷凍状態で長期保存が可能で、解凍するだけで喫食可能状態となる調理済み冷凍食品であって、大きめの具材及び流動性食品が固形食品の上に見栄えよく配され、冷凍保存中に該具材等の破損や脱落が生じ難く、且つ解凍後は解凍ムラが無く食感及び外観が良好な調理済み冷凍食品を提供することにある。
本発明は、固形食品を冷凍固化してなる冷凍固形食品部と、流動性食品を冷凍固化してなる冷凍流動性食品部と、具材を冷凍固化してなる冷凍具材とを有し、該冷凍固形食品部の上面に該冷凍流動性食品部と該冷凍具材とが配されている調理済み冷凍食品であって、前記冷凍具材は、最大差し渡し長さ20~60mmの大型冷凍具材を含み、前記冷凍固形食品部の上面に、前記冷凍流動性食品部及び前記冷凍具材の双方の非配置部が存在し、前記冷凍流動性食品部は、前記冷凍固形食品部の上面の厚み方向への投影視において前記冷凍具材の全面積の10~50%が露出するように、該冷凍具材及びその周辺の該冷凍固形食品部の上に重ねて配されている調理済み冷凍食品である。
本発明の調理済み冷凍食品は、冷凍状態で長期保存が可能で、解凍するだけで喫食可能状態即ち調理済み食品となるものであって、大きめの具材及び流動性食品が固形食品の上に見栄えよく配され、冷凍保存中に該具材及び該流動性食品の破損や脱落が生じ難く、解凍後の該調理済み食品においては、見栄えがよく外観が良好で且つ解凍ムラが無く食感も良好である。
図1は、本発明の調理済み冷凍食品の一実施形態である冷凍スパゲティの模式的な斜視図である。 図2は、本発明に係る冷凍固形食品部の一実施形態の模式的な斜視図である。
本発明の調理済み冷凍食品は、冷凍固形食品部、冷凍流動性食品部及び冷凍具材を有し、該冷凍固形食品部の上面に該冷凍流動性食品部と該冷凍具材とが配されている。本発明の調理済み冷凍食品は、電子レンジなどの加熱調理器を用いて常法に従って解凍するだけの簡単な作業で、喫食可能状態即ち調理済み食品となる。
本発明に係る冷凍固形食品部は、固形食品を冷凍固化してなるもの、即ち固形食品の冷凍固化物である。前記固形食品は、そのままの状態で喫食可能な食品であり、喫食可能状態において非流動性の固形部分を含む食品であればよく、また、1種類の食材から構成されていてもよく、複数種の食材から構成されていてもよい。前記固形食品として典型的なものは、食事の中心となる食品即ち主食材であり、具体的には、米飯、麺及びベーカリー食品が挙げられる。前記固形食品は、米飯、麺及びベーカリー食品の1種のみから構成されていてもよく、これらの2種以上を含んで構成されていてもよい。
前記固形食品としての米飯の種類は特に限定されず、例えば、白飯、赤飯、炒飯が挙げられる。前記固形食品としての米飯は、通常少なくとも、生米に炊飯又は蒸煮などの加水加熱処理を施したものである。
前記固形食品としての麺の種類は特に限定されず、例えば、スパゲッティ、マカロニ等のパスタ;うどん、ひやむぎ、そうめん、平めん、日本蕎麦、中華麺;餃子、焼売、春巻き、ワンタンの皮等の麺皮類が挙げられる。前記固形食品としての麺は、通常、茹で調理などの加熱調理によってα化されたα化麺である。
前記固形食品としてのベーカリー食品は、小麦粉などの穀粉を主体とし、これに必要に応じてイーストや膨張剤、水、食塩、砂糖などの副材料を加えて得られた発酵又は非発酵生地を、焼成、蒸し、フライ等の加熱処理に供して得られる食品である。前記固形食品としてのベーカリー食品の種類は特に限定されず、例えば、食パン、ロールパン、白パン、黒パン、フランスパン、コッペパン、クロワッサン、蒸しパン等のパン類;スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、マフィン、バー、クッキー、パンケーキ等のケーキ類;ピザの台;ワッフル、シュー、ビスケット、どら焼き、焼き饅頭等の和洋焼き菓子;ドーナツ等の揚げ菓子が挙げられる。
本発明に係る冷凍流動性食品部は、流動性食品を冷凍固化してなるもの、即ち流動性食品の冷凍固化物である。前記流動性食品は、そのままの状態で喫食可能な食品であり、喫食可能状態において流動性を有する部分を含む食品であればよく、一部に固形物を含んでいてもよい。また、1種類の食材から構成されていてもよく、複数種の食材から構成されていてもよい。前記流動性食品として典型的なものは、主食材たる前記固形食品と共に食される副食材であり、具体的には例えば、ソース、ルー、あん、たれ、つゆ、クリーム、ディップなどと呼ばれるものである。例えば、前記固形食品が米飯の場合に併用される前記流動性食品として、カレーソース(この場合、調理済み食品はカレーライス)、シチュー(この場合、調理済み食品はシチューライス)が挙げられる。また、調理済み食品がスパゲティ又はパスタの場合において、前記固形食品が麺の場合に併用される前記流動性食品として、ミートソース、ナポリタンソース、アラビアータソース等のトマト系ソース、カルボナーラソース等のホワイト系ソース、ブラウン系ソースが挙げられる。
本発明の調理済み冷凍食品の解凍後の品質(外観、食感)のさらなる向上の観点から、前記流動性食品としては、品温即ち該流動性食品の温度50~80℃における粘度が0.2~500Pa・s、特に0.4~30Pa・sの範囲にあるものが特に好ましい。ここでいう粘度は、B型粘度測定器(例えば、東機産業社製「TVB-20L」)を用いて常法に従って測定される粘度である。尚、粘度の測定対象たる前記流動性食品の品温を50~80℃としたのは、前記流動性食品の一般的な喫食温度帯を想定したものである。
本発明に係る冷凍具材は、具材を冷凍固化してなるもの、即ち具材の冷凍固化物である。前記具材は、そのままの状態で喫食可能な食品であり、喫食可能状態において塊状の固形物を含む食品であればよく、また、1種類の食材から構成されていてもよく、複数種の食材から構成されていてもよい。前記具材として典型的なものは、野菜類、畜肉類、魚介類である。前記具材の形状、大きさは特に限定されず、比較的大きな塊状でも細片でもよいが、見栄えの点からは、塊状の形状が好ましい。前記具材は例えば、塊状の肉や野菜、あるいは、挽き肉、微塵切り野菜であり得る。
図1には、本発明の調理済み冷凍食品の一実施形態が示されている。図1に示す調理済み冷凍食品1は、冷凍麺類より具体的には冷凍スパゲティであり、電子レンジなどの加熱調理器を用いて常法に従って解凍するだけの簡単な作業で、喫食可能状態即ち調理済み食品たるスパゲティとなる。調理済み冷凍食品1は、前記固形食品たる茹で麺の麺塊を冷凍固化してなる冷凍麺塊である冷凍固形食品部2と、前記流動性食品たるソースを冷凍固化してなる冷凍ソースである冷凍流動性食品部3と、前記具材を冷凍固化してなる冷凍具材4とを有し、冷凍固形食品部2の上面2aに冷凍流動性食品部3と冷凍具材4とが配されている。調理済み冷凍食品1を構成する各部(冷凍固形食品部2、冷凍流動性食品部3、冷凍具材4)は相互に結合し一体化している。
冷凍固形食品部2は平面視(上面視)において略長方形形状をなし、その略長方形形状の上面2aが、冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4の配置部とされる。この冷凍固形食品部2の上面2aは、冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4並びにこれらを解凍して得られる流動性食品及び具材の配置を安定させ、解凍前後で配置がなるべく変化しないようにする観点から、水平面即ち水平方向に対する傾斜角度が0度であることが好ましい。ここでいう「水平面」には、重力の作用する鉛直方向に対して垂直な面と、該面とのなす角度が30度以内の面との双方が含まれる。前記傾斜角度は、冷凍固形食品部2の上面に、凹凸の無い平坦な板を、該上面全体を覆うように載置したときの、該板の水平方向に対する傾斜角度として測定される。
前述した通り、冷凍固形食品部2の上面2aは水平面であることが基本的には好ましいが、上面2aに配置された冷凍流動性食品部3の冷凍保存中における破損や脱落の防止方法としては、図2に示すように、上面2aの一部に凹部21を形成し、該凹部21に冷凍具材4を配置する方法も有効である。この冷凍具材配置用凹部21は、調理済み冷凍食品1の見栄えの向上等の観点から、図2に示す如く上面2aの中央部に形成することが好ましい。また同様の観点から、冷凍具材配置用凹部21の平面視における面積(凹部21の、冷凍固形食品部2の厚み方向への投影面積)は、上面2a上の全ての冷凍具材4を互いに密着させた状態で配置した場合にその密着状態の冷凍具材4がちょうど収まる程度の大きさであることが好ましい。冷凍具材配置用凹部21は、固形食品を冷凍固化して冷凍固形食品部2とする前に、該固形食品の上面における該凹部21の形成予定部位に凹部を形成する方法によって形成可能である。あるいは、冷凍固形食品部2の上面2aの一部を削り取るなどして、冷凍具材配置用凹部21を形成することも可能である。
冷凍固形食品部2の形状は図示の平面視長方形形状に限定されず、任意に選択し得る。例えば平面視(上面視)において、長方形以外の四角形、円形、楕円形、ひし形、台形等の形状を例示できる。また、冷凍固形食品部2の大きさも特に限定されないが、通常の電子レンジで解凍が行える大きさが好ましい。冷凍固形食品部2の好ましい形態の具体例として、冷凍流動性食品部3の配置部となる冷凍固形食品部2の上面2aが、平面視において短辺が100~200mm、長辺が120~300mmの長方形形状であるか、又は該長方形形状の全ての辺に内接する楕円形形状若しくはひし形形状が挙げられる。別の具体例として、冷凍固形食品部2の上面2aが、直径100~250mmの円形状が挙げられる。また、冷凍固形食品部2の高さ(冷凍固形食品部2の上面2aと下面との間の距離)は、解凍ムラの防止、外観向上などの観点から、5~50mm程度が好ましい。
本発明の調理済み冷凍食品は、前記冷凍具材として、比較的大きめのサイズの冷凍具材、具体的には、最大差し渡し長さ20~60mmの大型冷凍具材を含む。調理済み冷凍食品にこのような大型冷凍具材が含まれていることで、該調理済み冷凍食品を解凍して得られる調理済み食品は、大型具材の歯ごたえなどが良好で、食感的に優れたものとなり、また、視覚的に目立ちやすい大型具材が流動性食品の表面上にバランスよく配されることを前提として、見栄えがよいものとなり得る。食感及び外観のさらなる向上の観点、及び解凍ムラの防止の観点から、本発明に係る大型冷凍具材の最大差し渡し長さは、好ましくは24~54mm、さらに好ましくは26~50mmである。最大差し渡し長さは、冷凍具材(大型冷凍具材)の平面視における差し渡し長さの最大値である。即ち、最大差し渡し長さは、冷凍具材を任意の方向に投影した場合の投影図における差し渡し長さの最大値とも言える。冷凍具材の形状が球状(平面視形状が円形状)の場合、最大差し渡し長さはその球(円)の直径である。また、冷凍具材の形状が、中心を持つ図形で且つその中心を通る差し渡し長さを2種以上有する場合、具体的には例えば平面視形状が長方形、楕円形、菱形の場合、その2種以上の差し渡し長さのうちの最大差し渡し長さは前記の通りであり、最小差し渡し長さは10~40mm、特に12~30mm、とりわけ14~25mmの範囲にあることが好ましい。
図1に示す調理済み冷凍食品1においては、冷凍具材4が複数含まれているところ、これら複数の冷凍具材4の全部が前記大型冷凍具材であってもよく、一部のみが前記大型冷凍具材であってもよい。調理済み冷凍食品1に含まれる冷凍具材4の総数に占める、前記大型冷凍具材の総数の割合は、好ましくは80%以上であり、100%でもよい。また、調理済み冷凍食品1に含まれる複数の冷凍具材4は、互いに食材の種類が同じでもよく、異なっていてもよい。
前述した通り、調理済み冷凍食品に前記大型冷凍具材が含まれていることで、該調理済み冷凍食品を解凍して得られる調理済み食品の食感及び外観の向上が期待できるが、単に前記大型冷凍具材が含まれているだけでは、却って食感や外観の低下を招くおそれがある。その理由は、前記大型冷凍具材の如き、比較的大きめのサイズの冷凍具材は、その大きさ故に、これを含む調理済み冷凍食品の冷凍保存中に脱落・破損しやすく、それに起因して、該冷凍食品の解凍前後で冷凍具材の配置が大きく異なり、また、斯かる冷凍具材の配置変更に伴って流動性食品の配置も大きく異なり、結果として、見栄えが解凍前よりも悪くなる、冷凍具材に解凍ムラが生じる、などの不都合が起こりやすいためである。
そこで、本発明の調理済み冷凍食品においては、前記大型冷凍具材の採用に加えてさらに、前記冷凍固形食品部の上面における該大型冷凍具材及び前記冷凍流動性食品部の配置を工夫することで、該大型冷凍具材の採用に起因する不都合の発生を効果的に防止し、大きめの具材及び流動性食品が固形食品の上に見栄えよく配され、冷凍保存中に該具材及び該流動性食品の破損や脱落が生じ難く、解凍後の該調理済み食品においては、見栄えがよく外観が良好で且つ解凍ムラが無く食感も良好な調理済み冷凍食品が得られるようにした。
具体的には図1に示すように、冷凍固形食品部2の上面2aに、冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4の双方の非配置部5が存在するようにした。冷凍固形食品部2の上面2aは、調理済み冷凍食品1の「顔」とも言える部分であり、例えば調理済み冷凍食品1の典型的な商品形態においては、冷凍固形食品部2がトレイなどの容器に収容され、該容器の上部開口から上面2aのみが観察可能になされているところ、その上面2aは、観察者に調理済み冷凍食品1の外観に関する情報を伝え得る唯一の部分となり得る。このような、調理済み冷凍食品1に対する印象を左右する部分である冷凍固形食品部2の上面2aにおいて、その全域に冷凍流動性食品部3や冷凍具材4が配され、上面2aが全く露出していないと、一般的には、見栄えが悪いという印象を観察者に与える。また特に、冷凍流動性食品部3は比較的水分の多い流動性食品の冷凍固化物であり、その大部分は実質的に氷であるところ、氷はマイクロ波エネルギーの吸収効率が水に比べて非常に低く、それ故に電子レンジで解凍されにくいため、このような特性を持つ冷凍流動性食品部3が冷凍固形食品部2の上面2aの全域を覆っていると、調理済み冷凍食品1の電子レンジによる解凍がうまくいかずに解凍ムラが生じ、食感の低下が顕著に発生するおそれがある。前述の外観及び食感に関する不都合は、冷凍固形食品部2の上面2aに、冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4のいずれも配されていない非配置部5を設けることで解消し得る。
調理済み冷凍食品1においては図1に示すように、冷凍固形食品部2の上面2aの中央部に冷凍具材4が配され、該冷凍具材4及びその周辺の該上面2aに冷凍流動性食品部3が重ねて配されており、冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4は上面2aの中央部及びその周辺部に偏在し、上面2aのこれ以外の部分、具体的には上面2aの周縁部、即ち上面2aの周縁(輪郭線)及びその近傍に非配置部5が存在している。非配置部5は、外観の向上、解凍ムラの低減等の観点から、上面2aの周縁(輪郭線)から該上面2aの内方に10~50mmの範囲、特に15~40mmの範囲に存在することが好ましい。
また、前述した非配置部5による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、冷凍固形食品部2の上面2aの全面積(上面2aの投影面積)に占める、非配置部5の面積(非配置部5の投影面積)の割合(非配置部5の占有率)は、好ましくは15~75%、さらに好ましくは25~65%である。冷凍流動性食品部3及び冷凍具材4は、上面2aにおける非配置部5以外の部分に配される。尚、冷凍具材4(前記大型冷凍具材)の数、冷凍固形食品部3の重量などは特に限定されず、調理済み冷凍食品1の種類等に応じて適宜調整すればよい。
また、調理済み冷凍食品1においては、冷凍固形食品部2の上面2aに非配置部5を設置することに加えてさらに、冷凍流動性食品部3の配置が工夫されている。即ち調理済み冷凍食品1において、冷凍流動性食品部3は、冷凍固形食品部2の上面2aの厚み方向(上面2aと直交する方向。上面2aの法線方向。)への投影視において冷凍具材4の全面積の10~50%、好ましくは20~40%が露出するように、冷凍具材4及びその周辺の冷凍固形食品部2(具体的には上面2a)の上に重ねて配されている。即ち、冷凍具材4における冷凍流動性食品部3の非被覆率が10~50%に設定されている。
前記の「冷凍具材の全面積」とは、上面2aの厚み方向への投影視(即ち上面2aの平面視)における、全ての冷凍具材4の面積の総和を意味する。例えば、上面2aに6個の冷凍具材4が配されている場合には、その上面2aの厚み方向への投影視における6個の冷凍具材4それぞれの面積の総和が、「冷凍具材4の全面積」である。
また、前記の「冷凍流動性食品部の非被覆率」は、冷凍固形食品部2の上面2aを撮像し、その画像データに基づき、画像解析ソフト(例えばNIH製、商品名「ImageJ」)を用いて常法に従って「冷凍具材4の全面積」及び「冷凍具材4における冷凍流動性食品部3で覆われている部分の面積」を算出し、前者から後者を差し引いたもの(冷凍具材4における冷凍流動性食品部3の非被覆部の面積)を、前者(冷凍具材4の全面積)で除することで算出される。
調理済み冷凍食品1は、典型的には、冷凍固形食品部2の上面2aに配置された冷凍具材4の上から流動性食品をかけた後、それらを冷凍することで製造され、その冷凍によって該流動性食品が冷凍固化されて冷凍流動性食品部3となる。このように形成される冷凍流動性食品部3は、冷凍具材4とその周辺の冷凍固形食品部2(上面2a)とに跨って存在することで、該冷凍具材4を冷凍固形食品部2(上面2a)に固定する接着剤として機能する。従って、調理済み冷凍食品1の冷凍保存中における冷凍具材4の破損や脱落を防止する観点からは、冷凍流動性食品部3が、上面2a上に存する全ての冷凍具材4の表面全体を覆い、さらに該冷凍具材4の周辺の上面2aにわたって連続して存在することが好ましい。しかしながら、冷凍具材4の表面全体が冷凍流動性食品部3で覆われていると、解凍ムラの問題が発生し、また見栄えの点でも好ましくない。そこで、これらのバランスをとるべく採用された冷凍流動性食品部3の配置形態が、前記の「冷凍具材4における冷凍流動性食品部3の非被覆率が10~50%となる配置形態」である。冷凍流動性食品部3の非被覆率が10%未満であると、冷凍具材4の表面の大部分が冷凍流動性食品部3で被覆されているため、調理済み冷凍食品1の電子レンジによる解凍時に解凍ムラが多発するおそれがある。また、冷凍流動性食品部3の非被覆率が50%を超えると、冷凍流動性食品部3の、冷凍具材4を冷凍固形食品部2に固定するための接着剤としての機能が著しく低下するため、調理済み冷凍食品1の冷凍保存中に冷凍具材4の脱落や破損が生じやすくなり、冷凍流動性食品部3の配置にも悪影響を及ぼし、見栄えの悪化、解凍ムラの発生、食感の低下などの不都合が多発するおそれがある。
図1に示すように、冷凍固形食品部2の上面2aに冷凍具材4が複数配されている場合、冷凍流動性食品部3の非被覆率が前記特定範囲にあることを前提として、その複数の冷凍具材4の全部に対し冷凍流動性食品部3が接触していることが好ましい。冷凍固形食品部2の上面2aの好ましい一実施形態として、冷凍固形食品部2の上面2aの一部(例えば中央部)に複数の冷凍具材4が局在し、冷凍流動性食品部3が、その局在する複数の冷凍具材4それぞれと接触し且つ連続的に存在するように配されている形態が挙げられる。
調理済み冷凍食品1における各構成部材の含有量は特に限定されず、調理済み冷凍食品1の種類等に応じて適宜調整すればよいが、例えば以下のように設定することができる。
調理済み冷凍食品1における冷凍流動性食品部3の含有量は、該調理済み冷凍食品1に含有されている冷凍固形食品部2の100質量部に対して、好ましくは20~100質量部、さらに好ましくは25~90質量部、より好ましくは30~80質量部である。
調理済み冷凍食品1における冷凍具材4の含有量は、該調理済み冷凍食品1に含有されている冷凍固形食品部2の100質量部に対して、好ましくは10~100質量部、さらに好ましくは15~90質量部、より好ましくは20~80質量部である。
調理済み冷凍食品1における冷凍固形食品部2の含有量は、該調理済み冷凍食品1の全質量に対して、好ましくは30~80質量%、さらに好ましくは40~70質量%である。
本発明の調理済み冷凍食品は、典型的には、固形食品、流動性食品及び大型具材を含む具材を有する非冷凍の調理済み食品を得る工程と、該調理済み食品を冷凍する工程とを経て製造される。例えば図1に示す調理済み冷凍食品1(冷凍スパゲッティ)は、固形食品(茹で麺の麺塊)の上面に大型具材(冷凍されて前記大型冷凍具材となる具材)を含む具材を載せ、さらにその具材の上から流動性食品(ソース)をかけることで調理済み食品(スパゲッティ)を得、しかる後、該調理済み食品全体を冷凍することで製造される。この調理済み冷凍食品1の製造方法において、流動性食品には大型具材は含まれていないが、大型具材よりも小型の具材が含まれていてもよい。また、冷凍固形食品部2の上面2aに前記冷凍具材配置用凹部21(図2参照)を形成する場合は、固形食品(茹で麺の麺塊)の上面に具材を載せる前に、該上面の一部好ましくは中央部に凹部が形成されるように、該固形食品を成形すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~5及び比較例1~2〕
図1に示す調理済み冷凍食品1と同様の調理済み冷凍スパゲッティを製造した。具体的には、先ず、市販の乾燥スパゲティを茹で調理し、その茹でスパゲッティをトレイ1個当たり200g盛り付けて、茹で麺の麺塊(固形食品)を得た。次いで、この麺塊の上面の中央部に、直径30mmの球状のミートボール(最大差し渡し長さ30mmの大型具材)を6個盛り付け、さらにその上から所定量の市販のミートソース(流動性食品、品温60℃における粘度が200Pa・s)をかけて、調理済みスパゲティ(調理済み食品)を得た。こうして得られた調理済みスパゲティを-35℃で凍結することで、冷凍麺塊(冷凍固形食品部)、冷凍ソース(冷凍流動性食品部)及び冷凍ミートボール(大型冷凍具材)を有する調理済み冷凍スパゲッティを製造した。
製造した調理済み冷凍スパゲティは、冷凍固形食品部の上面が平面視において短辺の長さ140mm、長辺の長さ190mmの長方形形状をなし、高さが40mmであった。
また、製造した調理済み冷凍スパゲティにおいては、冷凍固形食品部の上面の周縁部に、冷凍固形食品部及び冷凍具材のいずれも配されていない非配置部が存在するところ、該冷凍固形食品部の上面の全面積に占める該非配置部の面積の割合(非配置部の占有率)は55%であった。
また、製造した調理済み冷凍スパゲティにおいて、冷凍ミートソース(冷凍流動性食品部)の含有量は、該冷凍スパゲティに含有されている冷凍麺塊(冷凍固形食品部)100質量部に対して50質量部であり、冷凍ミートボール(冷凍具材)の含有量は、該冷凍麺塊100質量部に対して40質量部であった。また、製造した調理済み冷凍スパゲティにおける冷凍麺塊(冷凍固形食品部)の含有量は、該調理済み冷凍スパゲティの全質量に対して55質量%であった。
〔試験例〕
各実施例及び比較例の調理済み冷凍スパゲティを、ポリエチレン製の袋に入れて-35℃の冷凍庫内で3日間保存した後に該冷凍庫から取り出し、該袋ごと50cmの高さから落下させた。この調理済み冷凍スパゲティの落下操作を2回繰り返した後、該冷凍スパゲッティを、袋に入ったままの状態で電子レンジにより出力500Wで8分間解凍した。解凍後、袋からスパゲッティを取り出して外観観察を行い、落下操作前の該スパゲティの外部観察結果と対比しつつ、その外観(流動性食品及び具材の配置、食品全体の見栄え)を下記評価基準により評価した。また、解凍後に袋から取り出したスパゲティを喫食し、その食感(解凍性)を下記評価基準により評価した。評価は、各実施例及び比較例につき10個のサンプルを用意して、専門パネルが行い、その10個のサンプルの評価点の平均値を、当該実施例又は比較例の評価結果とした。結果を下記表1に示す。
<外観の評価基準>
5点:6個の具材(ミートボール)の全部が、固形食品(スパゲティの麺塊)の上面で流動性食品(ミートソース)と一体化して配されており、落下操作前の冷凍状態での外観から実質的に変化がない。
4点:6個の具材の全部が、固形食品の上で流動性食品と一体化して配されているが、落下操作前の冷凍状態での外観と比較して、落下操作前に冷凍具材を被覆していた冷凍流動性食品部が、解凍後では一部脱落している。
3点:落下操作前の冷凍状態での外観と比較して、具材1個が流動性食品から脱落している。
2点:落下操作前の冷凍状態での外観と比較して、具材2個が流動性食品から脱落している。
1点:落下操作前の冷凍状態での外観と比較して、具材3個以上が流動性食品から脱落している。
<食感(解凍性)の評価基準>
5点:調理済み食品(ソース付きスパゲッティ)全体がバランスよく解凍されており、非常に良好。
4点:具材(ミートボール)に部分的に解凍ムラがあるが、良好。
3点:固形食品(スパゲティ)及び具材に部分的に解凍ムラがあるが、概ね良好。
2点:固形食品及び具材に解凍ムラがやや多く存在し、不良。
1点:調理済み食品全体に解凍ムラが多く、非常に不良。
Figure 0007258455000001
表1において実施例と比較例との対比から、冷凍保存中に具材等の破損や脱落が生じ難く、且つ解凍後は解凍ムラが無く食感及び外観が良好調理済み冷凍食品を得るためには、冷凍具材における冷凍流動性食品部の非被覆率を10~50%の範囲に設定することが有効であることがわかる。
1 調理済み冷凍食品(冷凍スパゲティ)
2 冷凍固形食品部(冷凍麺塊)
2a 冷凍固形食品部の上面
21 冷凍具材配置用凹部
3 冷凍流動性食品部(冷凍ソース)
4 冷凍具材
5 非配置部

Claims (3)

  1. 固形食品を冷凍固化してなる冷凍固形食品部と、流動性食品を冷凍固化してなる冷凍流動性食品部と、具材を冷凍固化してなる冷凍具材とを有し、該冷凍固形食品部の上面に該冷凍流動性食品部と該冷凍具材とが配されている調理済み冷凍食品であって、
    前記冷凍具材は、最大差し渡し長さ20~60mmの大型冷凍具材を含み、
    前記冷凍固形食品部の上面に、前記冷凍流動性食品部及び前記冷凍具材の双方の非配置部が存在し、
    前記冷凍流動性食品部は、前記冷凍固形食品部の上面の厚み方向への投影視において前記冷凍具材の全面積の10~50%が露出するように、且つ該上面に配されている全ての該冷凍具材に接触するように、該冷凍具材及びその周辺の該冷凍固形食品部の上に重ねて配されており、
    前記冷凍流動性食品部及び前記冷凍具材が、前記冷凍固形食品部の上面の中央部及びその周辺部に偏在し、前記非配置部が、該上面の周縁及びその近傍に存在する調理済み冷凍食品。
  2. 前記固形食品が、米飯、麺及びベーカリー食品からなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の調理済み冷凍食品。
  3. 前記流動性食品の品温50~80℃における粘度が0.2~500Pa・sである請求項1又は2に記載の調理済み冷凍食品。
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