JP7258709B2 - 中空粒子及びその用途 - Google Patents
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Description
また、国際公開第2017/163439号(特許文献4)では、小粒径で、単分散性が高く、反射率が低いフィルムを作製するのに適した中空粒子として、塩酸等で表面処理された中空粒子が開示されている。国際公開第2018/051794号(特許文献5)では、リン原子や硫黄原子を含有する中空粒子が十分な耐擦傷性を有する旨が開示されている。
本発明の中空粒子は、架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備えたものである。このシェルは、1つの層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。例えば、本発明の中空粒子のシェルは、更にシランカップリング剤等によって表面処理を行うことにより、最外層にシランカップリング剤等に由来する層を有していてもよい。
上記中空粒子のシェルは、架橋重合体で形成されている。このシェルは、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋重合体以外の添加物を含有していてもよい。
エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体は、エポキシ基又はオキセタン基とラジカル反応性官能基とを有する。エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体は、そのどちらかの1種を単独で使用してもよく、そのどちらかの2種以上を適宜組み合わせて使用してもよく、エポキシ基を有するものとオキセタン基を有するものとを適宜組み合わせて使用してもよい。
シリル基を有するラジカル反応性単量体は、シリル基とラジカル反応性官能基とを有する。
この共重合体において、エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体とシリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合(質量比)は、1:100から1:0.001までの範囲であることが好ましい。シリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合が0.001未満の場合、シェルの強度が低くなり中空粒子が潰れたり、中空粒子が得られなかったりすることがある。シリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合が100より大きい場合、シェルが脆くなりすぎて、ピンホールが発生しやすくなることによりフィルムの断熱性を高くし難くなることがある。より好ましい割合は1:10から1:0.001までの範囲であり、更に好ましい割合は1:1から1:0.01までの範囲である。
エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体からなる重合体は、反応性官能基を1つだけ有する単官能単量体に由来する成分を含んでいてもよい。単官能単量体としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸と炭素数1~25のアルコールとのエステル等が挙げられる。
上記架橋重合体は、窒素原子を含有する架橋性単量体に由来する構造を有することで、窒素原子を含有する。窒素原子を含有する架橋性単量体としてはポリアミン系化合物が挙げられる。
N-アミノエチルピペラジン、ビス-アミノプロピルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、ジシアンジアミド、ジアセトアクリルアミド、各種変性脂肪族ポリアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等の脂肪族アミン、3,3-ジメチル-4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3-アミノ-1-シクロヘキシルアミノプロパン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン等の脂環族アミン及びその変性物、
4,4-ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルイレンジアミン、m-トルイレンジアミン、o-トルイレンジアミン、タキシリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族アミン及びその変性物、その他特殊アミン変性物、
アミドアミン、アミノポリアミド樹脂等のポリアミドアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6-トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリ(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ-2-エチルヘキサン塩等の3級アミン類、
等が挙げられる。
本願発明者は、中空粒子における架橋重合体が窒素原子を含有する架橋性単量体によって架橋されたものである場合、架橋性単量体の一部は第三級アミノ基(-NRR’)まで反応せずに、第一級アミノ基(-NH2)及び第二級アミノ基(-NHR)という形で架橋重合体において存在し、そのことが、中空粒子のpH変動耐性やバインダー中での分散性に影響を及ぼしていることを見出した。そこで、本発明の中空粒子は、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量を低減するために、α,β-不飽和カルボニル化合物によって中空粒子の表面を処理したものである。この化合物によって処理された表面を有することにより、本発明の中空粒子は、その表面における第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量が低減されているため、pH変動耐性やバインダー中での分散性に優れる。
本発明の効果を損なわない範囲において、上記中空粒子は、顔料粒子(顔料)、染料、安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、熱安定剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤等の添加物を含有していてもよい。
中空粒子は、pH変動耐性や分散性の向上が望まれている用途である塗料、紙、情報記録紙、光拡散フィルム(光学シート)、断熱フィルム、熱電変換材料、導光板インク、反射防止膜、光取出し膜等に用いられるコーティング剤(塗布用組成物)の添加剤、光拡散板、導光板等の成形体形成用のマスターペレットの添加剤、化粧品の添加剤として有用である。
本発明のコーティング剤は、少なくとも上記中空粒子を含有する。コーティング剤は任意のバインダーを含んでいてもよい。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、(シクロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数1~25のアルコールとのエステル等の単官能性重合性単量体、
が挙げられる。
マスターペレットは、上記中空粒子と基材樹脂とを含む。
基材樹脂としては、通常の熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。例えば(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル-スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。特に透明性が求められる場合には(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル-スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂がよい。これらの基材樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、基材樹脂は、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、フィラー等の添加剤を微量含んでいてもよい。
本発明の中空粒子を配合しうる具体的な化粧料としては、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料、化粧水、乳液、クリーム、ボディーローション等の液状化粧料等が挙げられる。
本発明の反射防止膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、反射防止膜として使用できる。また、上記中空粒子は高い耐熱性を有するため、高い耐熱性を有する反射防止膜が得られる。上記反射防止膜は前記のコーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
本発明の反射防止膜付き基材は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に上記の反射防止膜を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、反射防止膜が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
本発明の光取出し膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。LEDや有機EL照明は、空気層と発光層の屈折率差が大きいため、発光した光が素子内部に閉じ込められやすい。そのため、発光効率を向上させる目的に光取出し膜が使用されている。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、光取出し膜として使用することが可能である。また、上記中空粒子が高い耐熱性を有するため、高い耐熱性を有する光取出し膜が得られる。上記光取出し膜は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
本発明の光取出し膜付き基材は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に前述の光取出し膜を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、光取出し膜が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
本発明の断熱フィルムは、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、断熱フィルムとして使用できる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い断熱フィルムが得られ、バインダーが中空部に侵入しにくいため高い断熱性を有する断熱フィルムが得られやすい。上記断熱フィルムは上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
本発明の低誘電率膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、低誘電率膜として使用できる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い低誘電率膜が得られやすい。上記低誘電率膜は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有する感光性樹脂組成物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、低屈折率の感光性樹脂組成物が得られる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い感光性樹脂組成物が得られやすい。上記感光性樹脂組成物は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
本発明の中空粒子は、例えば、非反応性溶媒を含有する重合体粒子を作製する工程(重合工程)と、重合体粒子から非反応性溶媒を相分離させる工程(相分離工程)と、非反応性溶媒を除去する工程(溶媒除去工程)を経ることにより製造できる。
・従来の製造方法で存在していたシェルの重合体間の隙間が存在しなくなり、得られる中空粒子のシェルにおけるピンホールの発生を抑制できる
・マイクロカプセル粒子や中空粒子の形状が油滴に依存せず、相分離前の重合体粒子の形状や粒度分布に依存するため、単分散性の高いマイクロカプセル粒子や中空粒子が得られやすい
という利点を有する。以下、この製造方法について説明する。
重合工程では、ラジカル反応性官能基と非ラジカル反応性官能基とを有する反応性単量体を、両官能基のいずれか一方に基づいて重合させることにより重合体粒子を作製する。非反応性溶媒は、予め反応性単量体と混合するか、重合体粒子作製後に吸収させることにより、重合体粒子中に含有させる。
重合体粒子の作製方法としては、塊状重合法、溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の方法の中から、任意の方法を採用できる。その中でも、重合体粒子を比較的簡便に作製できる懸濁重合法、乳化重合法が好ましい。更に、単分散性の高い重合体粒子が得られやすい乳化重合法がより好ましい。この重合体粒子は、ラジカル反応性官能基又は非ラジカル反応性官能基を重合させることにより得られる。
上記重合体粒子への非反応性溶媒の吸収は、上記重合体粒子の製造時又は製造後に行うことができる。また、非反応性溶媒の吸収は、非反応性溶媒と相溶しない分散媒の存在下又は非存在下で行うことができる。分散媒の存在下で行う方が、非反応性溶媒の吸収を効率よく行うことができるので好ましい。重合体粒子の製造方法が媒体を使用する場合、その媒体を分散媒としてそのまま使用してもよく、一旦、重合体粒子をその媒体から単離した後、別の分散媒に分散してもよい。
重合工程の次に、残存する反応性官能基を重合させて、重合体と非反応性溶媒とを相分離させる。相分離により、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子が得られる。なお、本明細書において、中空粒子における中空とは、中空部に空気が存在する場合に限定されるものではなく、中空部に空気以外の気体が存在する場合も包含する。また、本明細書において、中空粒子とは、中空部に気体が存在する中空粒子に限定されるものではなく、非反応性溶媒や他の分散媒体が中空部に存在しているマイクロカプセル粒子も含む。
本発明の中空粒子は、必要に応じてマイクロカプセル粒子に内包された非反応性溶媒を除去又は置換することで、中空部に空気等の気体や他の溶媒が存在する中空粒子とすることができる。非反応性溶媒の除去方法としては特に限定されないが、減圧乾燥法等が挙げられる。減圧乾燥法の条件は、例えば、500Pa以下の圧力、30~200℃、30分~50時間が挙げられる。また、非反応性溶媒を溶媒置換操作によって置換することもできる。この操作としては、例えば、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子又は、それらの分散液に、適当な分散媒体に加え、撹拌等を行うことで粒子内部の非反応性溶媒を分散媒体に置換させ、その後余分な非反応性溶媒と分散媒体を減圧乾燥法や遠心分離法、限外ろ過法等により除去する操作が挙げられる。溶媒置換操作は一回のみ実施しても複数回実施してもよい。
上記相分離工程後の中空粒子分散液、上記溶媒置換工程後の中空粒子分散液、又は上記溶媒除去工程後の中空粒子を溶媒に分散させた中空粒子分散液に対し、上記表面処理剤を添加し撹拌することで、中空粒子に表面処理を施し、中空粒子に残存する第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量を低減することができる。中でも、上記相分離工程後の中空粒子分散液から余分な架橋剤を除去した後に、上記表面処理剤を添加し、撹拌することが好ましい。この表面処理工程における温度及び時間の条件(中空粒子を構成する架橋重合体に残存する第一級アミノ基及び第二級アミノ基と表面処理剤とを反応させる際の条件)としては、例えば、30~200℃、30分~50時間が挙げられる。
以下のように中空粒子の平均粒子径及び中空率を測定した。
中空粒子分散液を90℃の真空乾燥機(圧力は100kPa以下)で4時間乾燥した後にスパチュラで押し潰して乾燥粉体を得た。中空粒子をコロジオン膜貼付メッシュ(日新EM社製)に振り掛けた後に、四酸化ルテニウム染色を行った後に、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-7600)を用いて、加速電圧80kVの条件下、倍率約7万倍でTEM写真を撮影した。この写真に撮影された任意の100個以上の粒子の粒子径及び内径を観察した。この時、粒子の中心を通るように5箇所以上の粒子径及び内径を測定、平均することで、平均粒子径、平均内径とした。更に、(平均内径)3/(平均粒子径)3×100の式より、中空粒子の中空率を求めた。
以下のように中空粒子の吸光度比γを測定した。なお、吸光度比γは、上記したように中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量(残存アミノ基量)を示す指標として利用できる。
吸光度A6480、A5790は、(株)システムズエンジニアリング社製「OptScanTM model-C」ポータブル近赤外分光光度計で測定した。以下の条件にて近赤外分光測定を行った。
・測定装置:ポータブル近赤外分光光度計 OptScanTM model-C((株)システムズエンジニアリング社製) AOTF(音響光学可変波長フィルタ)分光方式
・測定モード:拡散反射法
・波数分解能:8.0cm-1
・検出器:PbS
・積算回数:30回
測定はn(サンプル数)=5で行い、測定毎にスクリュー管を軽く振とうさせて計測した。
以上の条件で得られた近赤外線吸収スペクトルに対し、次のようにピーク処理をしてそれぞれのA6480とA5790を求めた。
近赤外線吸収スペクトルから得られる6480cm-1付近のピークは、第一級アミノ基及び第二級アミノ基に由来すると知られており、実際にアミノ基の由来となるアミン系化合物を添加してないサンプルの近赤外線吸収スペクトルでは6480cm-1付近にピークは確認されなかった。吸光度A6480は、ピーク分離を実施せずに、6630cm-1と6313cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、6630cm-1と6313cm-1間の最大吸光度とした。
C-H結合に由来する5790cm-1付近のピークの吸光度A5790は、ピーク分離を実施しせずに6105cm-1と5391cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、6105cm-1と5391cm-1間の最大吸光度とした。
以下のように中空粒子分散液のバインダー中での分散性;バインダー分散性を測定した。
アクリルエマルション樹脂塗料(和信ペイント社製水性ニス透明クリヤー)10gに中空粒子分散液5gを加え、よく混ぜた後に黒色ABS板の上に塗布した。室温で一昼夜乾燥させた後に塗膜を目視観察し、以下の基準でバインダー分散性を評価した。
透明な塗膜が得られる:○
濁りのある塗膜が得られる:△
塗料と混合時に凝集して白化する:×
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部と反応性界面活性剤アクアロンAR-10(第一工業製薬社製)0.4質量部、p-スチレンスルホン酸ナトリウム6.0質量部、過硫酸カリウム9.5質量部を加え溶解させた。グリシジルメタクリレート168質量部と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン32質量部、n-オクチルメルカプタン4.0質量部、トルエン200質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、型式SONIFIER450)を用いて10分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、窒素置換して内部を窒素雰囲気としたのちに70℃まで昇温し、2時間重合反応させた。次に、エチレンジアミン100質量部を添加し、16時間、80℃で反応させて中空粒子分散液を得た。
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部と反応性界面活性剤アクアロンAR-10(第一工業製薬社製)0.4質量部、p-スチレンスルホン酸ナトリウム8.0質量部、過硫酸アンモニウム8.0質量部を加え溶解させた。グリシジルメタクリレート172質量部と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン28質量部、n-オクチルメルカプタン4.0質量部、トルエン200質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、窒素置換して内部を窒素雰囲気としたのちに70℃まで昇温し、2時間重合反応させた。次に、エチレンジアミン100質量部を添加し、16時間、80℃で反応させて中空粒子分散液を得た。
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0質量部、エチレンジアミン100重量部を加え溶解させた。jER828(三菱化学社製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量184~194)200質量部、トルエン130質量部、イソドデカン40質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザーを用いて20分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、70℃まで昇温し、4時間重合反応させて中空粒子分散液を得た。
中空粒子水分散液A100質量部にポリプロピレングリコールアクリレート(日油社製ブレンマーAE-200)12質量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイオン交換水によるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対してイオン交換水は80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイオン交換水の添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
中空粒子水分散液A100質量部にポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA-400)26質量部、イソプロピルアルコール100重量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイオン交換水によるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対してイオン交換水は80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイオン交換水の添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
中空粒子水分散液B100質量部にペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA-TMM-3ML-N)25質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(東邦化学工業社製フォスファノールRS-710)7重量部、イソプロピルアルコール100重量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管に1-メトキシ-2-プロパノール20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後に1-メトキシ-2-プロパノール20質量部を加えて中空粒子を分散させた。この1-メトキシ-2-プロパノールによるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対して1-メトキシ-2-プロパノールは80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるように1-メトキシ-2-プロパノールの添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
中空粒子水分散液C10質量部にメトキシポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレート130A)3質量部を加え、50mLのスクリュー管に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液10質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイソプロピルアルコール10質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイソプロピルアルコール10質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイソプロピルアルコールによるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液10重量部に対してイソプロピルアルコールは40重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイソプロピルアルコールの添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
中空粒子水分散液Cにイオン交換水を加えて10質量%の中空粒子分散液を得た。
バインダー分散性を測定したところ、バインダーと混合時に凝集による白化は発生し、塗工できなかった。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
Claims (12)
- 架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備える中空粒子であって、
前記中空粒子の平均粒子径が10nm~150nmであり、
近赤外分光測定により前記中空粒子を測定して得られた近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1での吸光度(A6480)と波数5790cm-1での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下であり、
前記架橋重合体が窒素原子と炭素原子とを含有し、
前記中空粒子のXPSでの測定における窒素原子の存在比Nと炭素原子の存在比Cとが0.01≦N/C≦0.2の関係を満たすことを特徴とする中空粒子。 - 架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備える中空粒子であって、
前記中空粒子の平均粒子径が10nm~150nmであり、
近赤外分光測定により前記中空粒子を測定して得られた近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm -1 での吸光度(A6480)と波数5790cm -1 での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下であり、
前記架橋重合体が、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造と、水溶性アミン系化合物に由来する構造とを有する架橋共重合体を含むことを特徴とする中空粒子。 - 請求項1に記載の中空粒子であって、
前記架橋重合体が、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造と、水溶性アミン系化合物に由来する構造とを有する架橋共重合体を含むことを特徴とする中空粒子。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする分散液。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とするコーティング剤。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする断熱フィルム。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項7に記載の反射防止膜を備えることを特徴とする反射防止膜付き基材。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする光取り出し膜。
- 請求項9に記載の光取り出し膜を備えることを特徴とする光取り出し膜付き基材。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする低誘電率膜。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
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