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JP7258709B2 - 中空粒子及びその用途 - Google Patents
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Description

本発明は、中空粒子及びその用途に関する。
内部に空隙を有する粒子は、その空隙に各種の物質を内蔵させることによりマイクロカプセル粒子として使用されている。また、これらの内部に空隙を有する粒子は、中空粒子とも称され、光散乱材料、低反射材料、断熱材料、低誘電率材料等として使用されている。これらの材料は、例えば、熱硬化性や熱可塑性の樹脂に添加して板状に成形したり、紫外線硬化性の樹脂に添加してフィルム状にしたりすることで、光散乱フィルム、低反射フィルム、断熱フィルム等として使用されている。
中空粒子を熱硬化性や熱可塑性の樹脂に添加して成形したり、紫外線硬化性の樹脂に添加してフィルム状にしたりした場合に、中空粒子を凝集させることなく、均一に分散させることが困難なことがあった。この課題を解決する技術が、特開2010-084017号公報(特許文献1)及び特開2010-084018号公報(特許文献2)で提案されている。これら特許文献では、アルコキシシランで表面処理した後、更にラジカル重合性基を有するシランカップリング剤で表面処理された中空粒子が開示されている。しかしながら、上記特許文献に記載の中空粒子でも、樹脂中や溶媒中に添加した場合に粒子が凝集し、成形物や硬化物の外観不良になる等、所望の特性を与えられないことがあった。
かかる問題を改善した中空粒子として、国際公開第2016/111314号(特許文献3)には、非反応性溶媒の相分離前に、一旦、重合体粒子を形成し、その後に相分離を生じさせることで得られる中空粒子が開示されており、ピンホールの発生を抑制でき、かつ単分散性を向上できる旨が記載されている(段落[0036]等)。
また、国際公開第2017/163439号(特許文献4)では、小粒径で、単分散性が高く、反射率が低いフィルムを作製するのに適した中空粒子として、塩酸等で表面処理された中空粒子が開示されている。国際公開第2018/051794号(特許文献5)では、リン原子や硫黄原子を含有する中空粒子が十分な耐擦傷性を有する旨が開示されている。
特開2010-084017号公報 特開2010-084018号公報 国際公開第2016/111314号 国際公開第2017/163439号 国際公開第2018/051794号
本願発明者は、これらの中空粒子を構成する架橋重合体において、架橋剤(架橋性単量体)として添加したアミン系化合物の一部が、架橋重合体中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基として存在し、これがバインダー中での分散性に影響を及ぼしていることを見出した。
本発明は、かかる問題を改善するためになされたもので、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量を低減することで、バインダー中での分散性に優れた中空粒子を提供するものである。
本発明による中空粒子は、架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備えたものである。そして、その平均粒子径が10nm~150nmであり、近赤外分光測定により前記中空粒子を測定して得られた赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1での吸光度(A6480)と波数5790cm-1での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下であるものである。
吸光度比γは、後述するように、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量を示す指標として利用できる。よって、この構成を備える中空粒子は、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量が低減されているため、バインダー中での分散性に優れる。
上記の中空粒子にあっては、さらに、架橋重合体が窒素原子と炭素原子とを含有し、前記中空粒子のXPSでの測定における窒素原子の存在比Nと炭素原子の存在比Cとが0.01≦N/C≦0.2の関係を満たすものであってもよい。
「N/C」は、アミノ基のような窒素含有置換基を有する単量体由来の成分中の窒素原子と、架橋重合体を構成する炭素原子との比を意味する。また、窒素含有置換基を有する単量体は、後述するような架橋性単量体に由来する。N/Cが0.01未満の場合、架橋密度が低くなり、低分子のバインダー成分が中空内部に浸入しやすくなることがある。0.2を超える場合、架橋密度が高すぎるため、ピンホールが発生しやすくなり、低分子のバインダー成分が中空内部に浸入しやすくなることがある。
上記の中空粒子にあっては、さらに、前記架橋重合体が、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造と、水溶性アミン系化合物に由来する構造とを有する架橋共重合体を含むものであってもよい。
ラジカル反応性単量体がエポキシ基やオキセタン基を有することにより、この単量体をラジカル重合した後に、更にエポキシ基やオキセタン基を、架橋性単量体である水溶性アミン系化合物と反応させて、架橋構造を有する重合体を実現することができる。
本発明による分散液は、上記の中空粒子を含有するものである。上記の中空粒子はpH変動耐性及びバインダー中での分散性に優れるため、中空粒子が均一に分散した分散液を実現できる。
本発明によるコーティング剤は、上記の中空粒子を含有するものである。上記の中空粒子はpH変動耐性及びバインダー中での分散性に優れるため、このコーティング剤によれば均一な塗膜を形成することができる。
本発明による断熱フィルムは、上記の中空粒子を含有するものである。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、断熱フィルムとして好適である。また、上記中空粒子は粒子径が小さいため、透明性の高い断熱フィルムを実現できる。加えて、上記中空粒子はバインダーが中空部に侵入しにくいため高い断熱性を有する断熱フィルムを実現できる。
本発明による反射防止膜は、上記の中空粒子を含有するものである。上記の中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部の空気層により屈折率が低下するため、反射防止膜として好適である。また、本発明による反射防止膜付き基材は、上記の反射防止膜を備えるものである。
本発明による光取り出し膜は、上記の中空粒子を含有するものである。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、光取出し膜として好適である。また、本発明による光取り出し膜付き基材は、上記の光取り出し膜を備えるものである。
本発明による低誘電率膜は、上記の中空粒子を含有するものである。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により誘電率が低下するため、低誘電率膜として好適である。
本発明による感光性樹脂組成物は、上記の中空粒子を含有するものである。上記中空粒子を含有する感光性樹脂組成物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、感光体樹脂組成物として好適である。
本発明によれば、バインダー中での分散性に優れた中空粒子及びその中空粒子の用途を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
<中空粒子>
本発明の中空粒子は、架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備えたものである。このシェルは、1つの層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。例えば、本発明の中空粒子のシェルは、更にシランカップリング剤等によって表面処理を行うことにより、最外層にシランカップリング剤等に由来する層を有していてもよい。
上記中空粒子は10~90%の中空率を有することが好ましい。より好ましい中空率は10~80%であり、更に好ましい中空率は10~70%である。中空率が上記下限未満であると、中空部が小さすぎて所望の特性が得られないことがある。中空率が上記上限を超える場合、中空部が大きすぎて中空粒子の強度が低下することがある。
上記中空粒子は、10nm~150nmの平均粒子径を有している。上記中空粒子の平均粒子径は30nm~120nmであることがより好ましく、30nm~100nmであることが更に好ましく、30nm~80nmであることが特に好ましい。平均粒子径が上記下限未満の中空粒子は、中空粒子同士の凝集が発生して、取扱い性に劣ることがある。平均粒子径が上記上限を超える中空粒子は、コーティング剤や樹脂と混練した場合に表面の凹凸や粒子界面での散乱が大きくなり、白化することがある。
上記中空粒子は、近赤外分光測定により当該中空粒子を測定して得られた近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1での吸光度(A6480)と波数5790cm-1での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下である。近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1付近には、架橋重合体中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基に由来するピークが現れ、波数5790cm-1付近には、架橋重合体中のC-H結合に由来するピークが現れるため、吸光度比γは中空粒子における第一級アミノ基及び第二級アミノ基の残存量を示す指標として使用できる。具体的には、吸光度γが小さいほど、中空粒子において残存する第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量が少ないことを示す。
第一級アミノ基及び第二級アミノ基が中空粒子中に多く残存しているほど、粒子の表面にアニオン性の化合物が吸着したり、吸着した物質が脱着したりするため、その中空粒子のpH変動耐性やバインダー中での分散性は低下することとなる。吸光度比γが0.1以下であることは、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量が低減されていることを意味する。よって、吸光度比γが上記範囲にあることで、上記中空粒子はpH変動耐性やバインダー中での分散性に優れる。吸光度比γは、0.08以下であることがより好ましい。
上記中空粒子は、XPS(X線光電子分光分析法)での測定における窒素原子の存在比Nと炭素原子の存在比Cとが0.01≦N/C≦0.2の関係を満たすことが好ましい。N/Cは、0.01~0.15の範囲であることがより好ましく、0.01~0.1の範囲であることが更に好ましい。ここで、「N/C」は、アミノ基のような窒素原子含有置換基を有する単量体由来の窒素原子と、架橋重合体を構成する炭素原子との比を意味する。また、窒素原子含有置換基を有する単量体は、後述するように架橋性単量体に由来する。N/Cが上記下限未満の場合、架橋密度が低くなり、低分子のバインダー成分が中空粒子の中空部に浸入しやすくなる。N/Cが上記上限を超える場合、架橋密度が高すぎるため、ピンホールが発生しやすくなり、低分子のバインダー成分が中空粒子の中空部に浸入しやすくなる。
上記中空粒子は、単分散性の評価の指標であるCV値(変動係数)が30%以下であることが好ましい。25%以下であることがより好ましく、20%以下であることが更に好ましい。CV値が上記上限を超える場合、バインダー中での分散性が低下することがある。
上記中空粒子のシェルには、ピンホールが少ないことが好ましい。シェルのピンホールが多い場合、低分子のバインダー成分が中空粒子の中空部に浸入しやすい。そのため、中空粒子を低屈折率材料に使用した際に十分な低屈折率化ができないことがあったり、熱伝導率調整剤として使用した際に熱伝導率を調整できなかったりすることがある。
上記中空粒子は、95%以上のゲル分率を有していることが好ましい。ゲル分率が95%未満の中空粒子は、耐薬品性が低く、コーティング剤等に混合した際に、中空粒子が膨潤しやすく、中空粒子の中空部にコーティング剤が侵入することがある。好ましいゲル分率は97%以上であり、ゲル分率の上限は100%である。
<架橋重合体>
上記中空粒子のシェルは、架橋重合体で形成されている。このシェルは、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋重合体以外の添加物を含有していてもよい。
上記架橋重合体は、反応性単量体を反応させて得た重合体に対して、架橋性単量体を添加して更に反応させることにより、架橋構造を有するものである。
上記反応性単量体はラジカル反応性単量体であることが好ましく、ラジカル重合性官能基と非ラジカル重合性官能基とを有する反応性単量体であることがより好ましい。ラジカル重合性官能基と非ラジカル重合性官能基とを有する反応性単量体を、両官能基のいずれか一方に基づいて重合させることにより重合体粒子を作製することができる。この重合体粒子に残存する他方の官能基と架橋性単量体とを反応させることで、この重合体は架橋構造を有する重合体(架橋共重合体)となる。
上記のように架橋させる前に、非反応性溶媒を、予め反応性単量体と混合するか、重合体粒子作製後に吸収させることにより重合体粒子中に含有させ、その後に架上記架橋反応を行うことでこの重合体と非反応性溶媒とが相分離し、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子が得られる。この後、非反応性溶媒を除去することで中空粒子が得られる。
上記架橋重合体は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、マレオイル基、フマロイル基、スチリル基及びシンナモイル基等のラジカル反応性官能基を有する少なくとも1つの単量体を重合して得られる重合体、又は共重合して得られる共重合体をポリアミン系化合物のような窒素原子を含有する架橋性単量体で架橋されたものである。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル又はメタクリロイルを表す。
上記架橋重合体は、ラジカル反応性単量体として、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造を有することが好ましい。ラジカル反応性単量体がエポキシ基やオキセタン基を有することにより、この単量体をラジカル重合した後に、更にエポキシ基やオキセタン基を架橋性単量体と反応させて、架橋構造を有する重合体を製造することができる。
上記架橋重合体は、ラジカル反応性単量体として、さらに、シリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する構造を有することが好ましい。ラジカル反応性単量体がシリル基を有することにより、この単量体をラジカル重合した後に、更にシリル基を架橋性単量体と反応させて、架橋構造を有する重合体を製造することができる。
上記架橋重合体は、窒素原子を含有する架橋性単量体に由来する構造を有する。窒素原子を含有する架橋性単量体としては、水溶性アミン系化合物が好適である。上記架橋重合体は、上記反応性単量体を重合して得た重合体を、更に、窒素原子を含有する架橋性単量体によって架橋することで、窒素原子を有する架橋重合体となる。
上記架橋重合体としては、種々の樹脂を使用でき、中でもケイ素成分を含有する有機-無機ハイブリッド樹脂(以下、Si&N含有樹脂と称する)が好ましい。
上記Si&N含有樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、マレオイル基、フマロイル基、スチリル基及びシンナモイル基等のラジカル反応性官能基を有する少なくとも1つの単量体を重合して得られる重合体、又は共重合して得られる共重合体をポリアミン系化合物のような窒素原子を含有する架橋性単量体で架橋されたものであることが好ましい。
Si&N含有樹脂は、少なくとも1種以上のエポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体と、少なくとも1種以上のシリル基を有するラジカル反応性単量体とに由来する共重合体とを、ポリアミン系化合物のような窒素原子を含有する架橋性単量体で架橋した共重合体であることが好ましい。なお、本明細書において、非ラジカル反応性官能基とは、エポキシ基、オキセタン基、及びシリル基のように、上記反応性単量体中のラジカル反応性基に基づいてラジカル重合した後において、架橋性単量体と反応することで架橋構造を形成することができる官能基を示す。
上記中空粒子における架橋重合体の含有量は、中空粒子100質量部に対して、5~100質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがより好ましく、50~100質量部であることが更に好ましい。上記下限未満であると、断熱塗料作製のために用いられる有機系のバインダーへの分散性が低くなり、塗膜が白化しやすいことがある。
また、Si&N含有樹脂の屈折率は1.57以下であることが好ましく、1.56以下であることがより好ましく、1.55以下であることが更に好ましい。Si&N含有樹脂の屈折率が上記上限を超える場合、得られる中空粒子の屈折率が高くなるため、中空粒子を低屈折率材料に使用した際に、十分な低屈折率化ができないことがある。中空粒子を低屈折率材料に使用する場合は、Si&N含有樹脂の屈折率は低いほど好ましいため、下限は存在しない。
また、Si&N含有樹脂は、XPSでの測定において、ケイ素原子の存在比Siと炭素原子の存在比Cとが、0.001≦Si/C≦0.1の関係を満たすことが好ましい。Si/Cは、0.002~0.05の範囲であることがより好ましく、0.002~0.02の範囲であることが更に好ましい。Si/Cが上記下限未満の場合、架橋密度が低くなり、低分子のバインダー成分が中空粒子の中空部に浸入しやすくなる。上記上限を超える場合、架橋密度が高すぎるため、ピンホールが発生しやすくなり、低分子のバインダー成分が中空粒子の中空部に浸入しやすくなる。
<エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体>
エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体は、エポキシ基又はオキセタン基とラジカル反応性官能基とを有する。エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体は、そのどちらかの1種を単独で使用してもよく、そのどちらかの2種以上を適宜組み合わせて使用してもよく、エポキシ基を有するものとオキセタン基を有するものとを適宜組み合わせて使用してもよい。
この反応性単量体中のラジカル反応性官能基は、ラジカル重合で反応するエチレン性不飽和基であれば特に限定されない。例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、マレオイル基、フマロイル基、スチリル基及びシンナモイル基等が挙げられる。中でも反応性の制御が容易なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
エポキシ基又はオキセタン基は、アミノ基、カルボキシ基、クロロスルホン基、メルカプト基、水酸基、イソシアナート基等を有する化合物と反応して重合体を生成する官能基である。
ラジカル反応性官能基とエポキシ基又はオキセタン基とを有する反応性単量体としては、特に限定されない。例えば、p-グリシジルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート及び3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを表す。
<シリル基を有するラジカル反応性単量体>
シリル基を有するラジカル反応性単量体は、シリル基とラジカル反応性官能基とを有する。
ラジカル反応性官能基は、ラジカル重合で反応するエチレン性不飽和基であれば特に限定されない。例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、マレオイル基、フマロイル基、スチリル基及びシンナモイル基等が挙げられる。中でも反応性の制御が容易なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
シリル基とラジカル反応性官能基とを有する反応性単量体としては特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン及び3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体と、シリル基を有するラジカル反応性単量体との共重合体>
この共重合体において、エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体とシリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合(質量比)は、1:100から1:0.001までの範囲であることが好ましい。シリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合が0.001未満の場合、シェルの強度が低くなり中空粒子が潰れたり、中空粒子が得られなかったりすることがある。シリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の割合が100より大きい場合、シェルが脆くなりすぎて、ピンホールが発生しやすくなることによりフィルムの断熱性を高くし難くなることがある。より好ましい割合は1:10から1:0.001までの範囲であり、更に好ましい割合は1:1から1:0.01までの範囲である。
<単官能単量体>
エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体からなる重合体は、反応性官能基を1つだけ有する単官能単量体に由来する成分を含んでいてもよい。単官能単量体としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸と炭素数1~25のアルコールとのエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と炭素数1~25のアルコールとのエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、(シクロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
エポキシ基又はオキセタン基を有するラジカル反応性単量体とシリル基を有するラジカル反応性単量体に由来する成分の含有量は、反応性単量体に由来する成分全体の10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。上記含有量が上記下限未満であると、中空粒子とならない場合がある。
<架橋性単量体>
上記架橋重合体は、窒素原子を含有する架橋性単量体に由来する構造を有することで、窒素原子を含有する。窒素原子を含有する架橋性単量体としてはポリアミン系化合物が挙げられる。
ポリアミン系化合物としては、例えば、エチレンジアミン及びその付加物、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン及びその変性物、
N-アミノエチルピペラジン、ビス-アミノプロピルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、ジシアンジアミド、ジアセトアクリルアミド、各種変性脂肪族ポリアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等の脂肪族アミン、3,3-ジメチル-4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3-アミノ-1-シクロヘキシルアミノプロパン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン等の脂環族アミン及びその変性物、
4,4-ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルイレンジアミン、m-トルイレンジアミン、o-トルイレンジアミン、タキシリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族アミン及びその変性物、その他特殊アミン変性物、
アミドアミン、アミノポリアミド樹脂等のポリアミドアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6-トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリ(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ-2-エチルヘキサン塩等の3級アミン類、
等が挙げられる。
これらの中でも、架橋性単量体としては、水溶性アミン系化合物であることがより好ましい。水溶性アミン系化合物も用いることで、水溶媒下で重合体を架橋させることや、後述の相分離工程における相分離を促進させることができる。上記架橋性単量体は、1種のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<表面処理剤>
本願発明者は、中空粒子における架橋重合体が窒素原子を含有する架橋性単量体によって架橋されたものである場合、架橋性単量体の一部は第三級アミノ基(-NRR’)まで反応せずに、第一級アミノ基(-NH2)及び第二級アミノ基(-NHR)という形で架橋重合体において存在し、そのことが、中空粒子のpH変動耐性やバインダー中での分散性に影響を及ぼしていることを見出した。そこで、本発明の中空粒子は、中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量を低減するために、α,β-不飽和カルボニル化合物によって中空粒子の表面を処理したものである。この化合物によって処理された表面を有することにより、本発明の中空粒子は、その表面における第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量が低減されているため、pH変動耐性やバインダー中での分散性に優れる。
α,β-不飽和カルボニル化合物によって中空粒子の表面を処理することで、中空粒子に残存した第一級アミノ基や第二級アミノ基と、α,β-不飽和カルボニル化合物とがマイケル付加反応し、中空粒子における第一級アミノ基や第二級アミノ基の含有量が低減され、近赤外分光測定によりこの中空粒子を測定して得られた赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1での吸光度(A6480)と波数5790cm-1での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下となる。
中空粒子の表面処理に用いる上記α,β-不飽和カルボニル化合物としては、反応性が制御しやすいため、(メタ)アクリル酸エステル系化合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系化合物としては、モノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物、ジ(メタ)アクリル酸エステル系化合物、トリ(メタ)アクリル酸エステル系化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸エステル系化合物が挙げられる。中空粒子の表面処理剤として、ジ(メタ)アクリル酸エステル系化合物、トリ(メタ)アクリル酸エステル系化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸エステル系化合物を用いることで、上記架橋重合体にアクリロイル基を導入することができ、必要に応じてこの(メタ)アクリロイル基に更に化合物を反応させることで、中空粒子に更なる特性を付与することが可能となる。
(メタ)アクリル酸エステル系化合物としては、特に限定されないが、グリコール(メタ)アクリレート系化合物が好適である。グリコール(メタ)アクリレート系化合物を中空粒子の表面処理に用いることで、中空粒子のバインダー中での分散性を更に向上させることができる。
グリコール(メタ)アクリレート系化合物としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリル酸エステル系化合物及びトリ(メタ)アクリル酸エステル系化合物としては、特に限定されないが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記表面処理剤は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<他の添加物>
本発明の効果を損なわない範囲において、上記中空粒子は、顔料粒子(顔料)、染料、安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、熱安定剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤等の添加物を含有していてもよい。
顔料粒子としては、当該技術分野で用いられる顔料粒子であれば特に限定されない。例えば、雲母状酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料;鉛丹、黄鉛等の酸化鉛系顔料;チタンホワイト(ルチル型酸化チタン)、チタンイエロー、チタンブラック等の酸化チタン系顔料;酸化コバルト;亜鉛黄のような酸化亜鉛系顔料;モリブデン赤、モリブデンホワイト等の酸化モリブデン系顔料等の粒子が挙げられる。顔料粒子は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<中空粒子の用途>
中空粒子は、pH変動耐性や分散性の向上が望まれている用途である塗料、紙、情報記録紙、光拡散フィルム(光学シート)、断熱フィルム、熱電変換材料、導光板インク、反射防止膜、光取出し膜等に用いられるコーティング剤(塗布用組成物)の添加剤、光拡散板、導光板等の成形体形成用のマスターペレットの添加剤、化粧品の添加剤として有用である。
<コーティング剤>
本発明のコーティング剤は、少なくとも上記中空粒子を含有する。コーティング剤は任意のバインダーを含んでいてもよい。
バインダーとしては、特に限定されず、公知のバインダー樹脂を用いることができる。バインダー樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、より具体的には、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、バインダー樹脂は、1つの反応性単量体単独重合体であってもよいし、複数のモノマーの共重合体であってもよい。
上記バインダーに用いる反応性単量体としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、(シクロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数1~25のアルコールとのエステル等の単官能性重合性単量体、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性重合性単量体
が挙げられる。
また、これらの重合性単量体を使用する際は電離放射線により硬化反応を開始させる重合開始剤を用いてもよい。例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N-アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N-アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等が挙げられる。
また、バインダーとしては、例えばケイ素アルコキシドの加水分解物等の無機系バインダーを使用することもできる。ケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2-ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランが挙げられる。
公知のバインダー製品として、例えば、三菱レイヨン社製のダイヤナールLR-102やダイヤナールBR-106等が挙げられる。
コーティング剤中の中空粒子の含有量は、使用する用途によって適宜調整されるが、バインダー100重量部に対して、0.1~1000重量部の範囲で使用できる。
コーティング剤には、通常分散媒体が含まれる。分散媒体としては水性及び油性の媒体のいずれもが使用できる。油性の媒体としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。水性の媒体としては、水、アルコール系溶剤が挙げられる。
更に、コーティング剤には、硬化剤、着色剤、帯電防止剤、レベリング剤等の他の添加剤が含まれていてもよい。
コーティング剤の被塗布基材としては、特に限定されず、用途に応じた基材が使用できる。例えば、光学用途では、ガラス基材、透明樹脂基材等の透明基材が使用される。
<マスターペレット>
マスターペレットは、上記中空粒子と基材樹脂とを含む。
基材樹脂としては、通常の熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。例えば(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル-スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。特に透明性が求められる場合には(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル-スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂がよい。これらの基材樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、基材樹脂は、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、フィラー等の添加剤を微量含んでいてもよい。
マスターペレットは、上記中空粒子と基材樹脂とを溶融混練して、押出成形、射出成形等の成形方法により製造できる。マスターペレットにおける上記中空粒子の配合割合は、特に限定されないが、好ましくは0.1~60重量%程度、より好ましくは0.3~30重量%程度、更に好ましくは0.4~10重量%程度である。配合割合が上記上限を超えると、マスターペレットの製造が難しくなる場合がある。また、配合割合が上記下限未満であると、本発明の効果が低下する場合がある。
マスターペレットは、例えば押出成形、射出成形又はプレス成形することにより成形体となる。また、成形の際に基材樹脂を新たに添加してもよい。基材樹脂の添加量は最終的に得られる成形体に含まれる中空粒子の配合割合が0.1~60重量%程度となるように添加するのがよい。なお、成形時には、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、フィラー等の添加剤を微量添加してもよい。
<化粧料>
本発明の中空粒子を配合しうる具体的な化粧料としては、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料、化粧水、乳液、クリーム、ボディーローション等の液状化粧料等が挙げられる。
これらの化粧料へ中空粒子の配合割合は、化粧料の種類によっても異なる。例えば、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料の場合は、1~20重量%が好ましく、3~15重量%が特に好ましい。また、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料の場合は、1~20重量%が好ましく、3~15重量%が特に好ましい。更に、化粧水、乳液、クリームやリキッドファンデーション、ボディーローション、プレシェーブローション等の液状化粧料の場合は、1~15重量%が好ましく、3~10重量%が特に好ましい。
また、これらの化粧料には、光学的な機能の向上や触感の向上のため、マイカ、タルク等の無機化合物、酸化鉄、酸化チタン、群青、紺青、カーボンブラック等の着色用顔料、又はアゾ系等の合成染料等を添加できる。液状化粧料の場合、液状の媒体として、特には限定されないが、水、アルコール、炭化水素、シリコーンオイル、植物性又は動物性油脂等を用いることもできる。これらの化粧料には、上記他の成分以外に、化粧品に一般的に用いられる保湿剤、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、殺菌剤、制汗剤、清涼剤、香料等を添加することにより、各種機能を追加することもできる。
<反射防止膜>
本発明の反射防止膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、反射防止膜として使用できる。また、上記中空粒子は高い耐熱性を有するため、高い耐熱性を有する反射防止膜が得られる。上記反射防止膜は前記のコーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
<反射防止膜付き基材>
本発明の反射防止膜付き基材は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に上記の反射防止膜を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、反射防止膜が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
<光取り出し膜>
本発明の光取出し膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。LEDや有機EL照明は、空気層と発光層の屈折率差が大きいため、発光した光が素子内部に閉じ込められやすい。そのため、発光効率を向上させる目的に光取出し膜が使用されている。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部にある空気層により屈折率が低下するため、光取出し膜として使用することが可能である。また、上記中空粒子が高い耐熱性を有するため、高い耐熱性を有する光取出し膜が得られる。上記光取出し膜は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
<光取り出し膜付き基材>
本発明の光取出し膜付き基材は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に前述の光取出し膜を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、光取出し膜が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
<断熱フィルム>
本発明の断熱フィルムは、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、断熱フィルムとして使用できる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い断熱フィルムが得られ、バインダーが中空部に侵入しにくいため高い断熱性を有する断熱フィルムが得られやすい。上記断熱フィルムは上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
<低誘電率膜>
本発明の低誘電率膜は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有するフィルムやシート状形状物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、低誘電率膜として使用できる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い低誘電率膜が得られやすい。上記低誘電率膜は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも上記中空粒子を含有する。上記中空粒子を含有する感光性樹脂組成物は、中空粒子の中空部に空気層を有するため、低屈折率の感光性樹脂組成物が得られる。また、上記中空粒子の粒子径が小さいため、透明性の高い感光性樹脂組成物が得られやすい。上記感光性樹脂組成物は上記コーティング剤をディップ法、スプレー法、スピンコート法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて、加熱や紫外線照射、焼成することで得ることができる。
<中空粒子の製造方法>
本発明の中空粒子は、例えば、非反応性溶媒を含有する重合体粒子を作製する工程(重合工程)と、重合体粒子から非反応性溶媒を相分離させる工程(相分離工程)と、非反応性溶媒を除去する工程(溶媒除去工程)を経ることにより製造できる。
中空粒子の製造方法としては、反応性単量体を反応させることで重合工程と相分離工程とを同時に行う方法でも、非反応性溶媒の相分離前に、一旦、重合体粒子を形成し、その後に相分離を生じさせる方法でもよい。一旦、重合体粒子を形成し、その後に相分離を生じさせる方法を用いることが、ピンホールの発生を抑制でき、かつ単分散性を向上できるため好ましい。
非反応性溶媒の相分離前に、一旦、重合体粒子を形成し、その後に相分離を生じさせる方法においては、具体的には、ラジカル反応性官能基と非ラジカル反応性官能基とを有する反応性単量体を、両官能基のいずれか一方に基づいて重合させることにより重合体粒子を作製する。非反応性溶媒は、予め反応性単量体と混合するか、重合体粒子作製後に吸収させることにより、重合体粒子中に含有させる。次いで、上記両官能基のうち残存する他方の官能基による重合により、重合体と非反応性溶媒とが相分離することで、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子が得られる。この後、非反応性溶媒を除去することで中空粒子が得られる。
上記のように、重合工程と相分離工程とを分けることで、
・従来の製造方法で存在していたシェルの重合体間の隙間が存在しなくなり、得られる中空粒子のシェルにおけるピンホールの発生を抑制できる
・マイクロカプセル粒子や中空粒子の形状が油滴に依存せず、相分離前の重合体粒子の形状や粒度分布に依存するため、単分散性の高いマイクロカプセル粒子や中空粒子が得られやすい
という利点を有する。以下、この製造方法について説明する。
(A)重合工程
重合工程では、ラジカル反応性官能基と非ラジカル反応性官能基とを有する反応性単量体を、両官能基のいずれか一方に基づいて重合させることにより重合体粒子を作製する。非反応性溶媒は、予め反応性単量体と混合するか、重合体粒子作製後に吸収させることにより、重合体粒子中に含有させる。
(a)重合体粒子の作製方法
重合体粒子の作製方法としては、塊状重合法、溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の方法の中から、任意の方法を採用できる。その中でも、重合体粒子を比較的簡便に作製できる懸濁重合法、乳化重合法が好ましい。更に、単分散性の高い重合体粒子が得られやすい乳化重合法がより好ましい。この重合体粒子は、ラジカル反応性官能基又は非ラジカル反応性官能基を重合させることにより得られる。
重合させるにあたっては、重合反応の対象とする官能基を反応させるための化合物を添加することが好ましい。ラジカル反応性官能基を重合させる場合、この化合物には重合開始剤を使用できる。重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、クメンハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジメチルビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(tert-ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ブチル-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレラート、2-エチルヘキサンペルオキシ酸tert-ブチル、ジベンゾイルパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド及びtert-ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物類、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-エチルプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、2,2-アゾビスイソブチロニトリル(2,2-アゾビス(2-メチル-ブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2-イソプロピルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2,3-ジメチルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルカプロニトリル)、2,2-アゾビス(2,3,3-トリメチルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4,4-トリメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチル-4-エトキシバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチル-4-n-ブトキシバレロニトリル)、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2- アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、1,1-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、ジメチル-2,2-アゾビス(2-メチルプロピネート)、ジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピネート)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4-アゾビス(4-シアノバレリン酸)等のアゾ化合物類が挙げられる。重合開始剤は、1種のみ使用していてもよく、2種以上併用してもよい。
また、前記の過硫酸塩類及び有機過酸化物類の重合開始剤と、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸及びその塩、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤を重合開始剤として使用してもよい。
乳化重合である場合、重合開始剤は、水溶媒下で乳化重合が可能な水溶性の重合開始剤であることが好ましい。水溶性の重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-エチルプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス{2-メチル-N-[1、1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4-アゾビス(4-シアノペンタン酸)等のアゾ化化合物類が挙げられる。
上記重合体粒子は、先にラジカル反応性官能基に基づいて重合させることで、重合体粒子中に未反応の非ラジカル反応性官能基を有することが好ましい。先に非ラジカル反応性官能基に基づいて重合させると、非反応性溶媒が吸収しにくくなる場合がある。
上記重合体粒子は、ラジカル反応性官能基と非ラジカル反応性官能基とのいずれか一方の反応性官能基に基づき重合させることで、重合体粒子中に未反応の他方の反応性官能基を有することが好ましい。しかし、重合体粒子の製造時に重合する官能基は、その全量が重合せず、部分的に重合してもよく、他方の反応性官能基が一部重合してもよい。例えば、グリシジルメタクリレートのラジカル反応性官能基を重合させて、エポキシ基を有する重合体粒子を作製する際には、未反応のラジカル反応性官能基が残存してもよいし、部分的にエポキシ基が開環反応してもよい。換言すると、重合体粒子中に相分離が可能な量のエポキシ基が残っていればよい。
連鎖移動剤を、反応性単量体の重合時に使用してもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、tert-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、α-メチルスチレンダイマー、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロロメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物が挙げられる。連鎖移動剤は、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。連鎖移動剤の使用量の上限は、反応性単量体100質量部に対して、50質量部である。
(b)非反応性溶媒の吸収
上記重合体粒子への非反応性溶媒の吸収は、上記重合体粒子の製造時又は製造後に行うことができる。また、非反応性溶媒の吸収は、非反応性溶媒と相溶しない分散媒の存在下又は非存在下で行うことができる。分散媒の存在下で行う方が、非反応性溶媒の吸収を効率よく行うことができるので好ましい。重合体粒子の製造方法が媒体を使用する場合、その媒体を分散媒としてそのまま使用してもよく、一旦、重合体粒子をその媒体から単離した後、別の分散媒に分散してもよい。
上記重合体粒子を含む分散媒には、分散媒に相溶しない非反応性溶媒が添加され、一定時間撹拌等を行うことで重合体粒子に非反応性溶媒を吸収させることができる。
上記重合体粒子の製造時での非反応性溶媒の吸収は、重合体粒子の作製に適切な分散媒と非反応性溶媒を選定することで実現できる。例えば、水溶媒下で重合体粒子を乳化重合で作製する場合、水に相溶しない非反応性溶媒を事前に水溶媒に添加しておき、反応性単量体を重合させることで、重合体粒子の作製と重合体粒子の吸収を同時に行うことができる。重合体粒子の作製と重合体粒子の吸収を同時に行うと、非反応性溶媒の吸収にかかる時間を削減できる。
分散媒としては、上記重合体粒子を完全に溶解させない液状物であれば特に限定されない。例えば、水;エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ヘキサデカン等のアルカン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が挙げられる。これらは、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
非反応性溶媒としては、分散媒に相溶しない液状物であれば特に限定されない。ここで分散媒に相溶しないとは、非反応性溶媒の分散媒への溶解度(25℃時)が10重量%以下のことである。例えば分散媒として水を使用した場合、使用できる非反応性溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ヘキサデカン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1,4-ジオキサン、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。これらは、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
非反応性溶媒の添加量は、特に限定されないが、重合体粒子100重量部に対して、20~5000重量部である。20重量部未満であると、得られるマクロカプセル粒子や中空粒子の中空部が小さくなり、所望の特性が得られない場合がある。5000重量部を超えると、中空部が大きくなりすぎて得られるマイクロカプセル粒子や中空粒子の強度が低下する場合がある。
(B)相分離工程
重合工程の次に、残存する反応性官能基を重合させて、重合体と非反応性溶媒とを相分離させる。相分離により、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子が得られる。なお、本明細書において、中空粒子における中空とは、中空部に空気が存在する場合に限定されるものではなく、中空部に空気以外の気体が存在する場合も包含する。また、本明細書において、中空粒子とは、中空部に気体が存在する中空粒子に限定されるものではなく、非反応性溶媒や他の分散媒体が中空部に存在しているマイクロカプセル粒子も含む。
残存する反応性官能基を重合させるために添加する化合物は、上記重合工程に記載した、ラジカル反応性官能基を重合させるための重合開始剤、非ラジカル反応性官能基を重合させるための架橋剤(架橋性単量体)と同じものを使用できる。
(C)溶媒除去(置換)工程
本発明の中空粒子は、必要に応じてマイクロカプセル粒子に内包された非反応性溶媒を除去又は置換することで、中空部に空気等の気体や他の溶媒が存在する中空粒子とすることができる。非反応性溶媒の除去方法としては特に限定されないが、減圧乾燥法等が挙げられる。減圧乾燥法の条件は、例えば、500Pa以下の圧力、30~200℃、30分~50時間が挙げられる。また、非反応性溶媒を溶媒置換操作によって置換することもできる。この操作としては、例えば、非反応性溶媒を内包したマイクロカプセル粒子又は、それらの分散液に、適当な分散媒体に加え、撹拌等を行うことで粒子内部の非反応性溶媒を分散媒体に置換させ、その後余分な非反応性溶媒と分散媒体を減圧乾燥法や遠心分離法、限外ろ過法等により除去する操作が挙げられる。溶媒置換操作は一回のみ実施しても複数回実施してもよい。
(D)表面処理工程
上記相分離工程後の中空粒子分散液、上記溶媒置換工程後の中空粒子分散液、又は上記溶媒除去工程後の中空粒子を溶媒に分散させた中空粒子分散液に対し、上記表面処理剤を添加し撹拌することで、中空粒子に表面処理を施し、中空粒子に残存する第一級アミノ基及び第二級アミノ基の量を低減することができる。中でも、上記相分離工程後の中空粒子分散液から余分な架橋剤を除去した後に、上記表面処理剤を添加し、撹拌することが好ましい。この表面処理工程における温度及び時間の条件(中空粒子を構成する架橋重合体に残存する第一級アミノ基及び第二級アミノ基と表面処理剤とを反応させる際の条件)としては、例えば、30~200℃、30分~50時間が挙げられる。
上記表面処理後の中空粒子の分散液は、本発明の中空粒子の分散液として使用することができる。上記表面処理後の中空粒子の分散液から、遠心分離等で未反応の表面処理剤等の不純物を除去したのちに、再度溶媒を加え中空粒子の分散液としたものが、本発明の中空粒子の分散液としてより好ましい。
本発明の中空粒子は、必要に応じて中空粒子の分散液から溶媒を除去し乾燥させ、乾燥粉体として使用してもよい。中空粒子の乾燥方法としては特に限定されないが、減圧乾燥法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、実施例及び比較例で行った各種測定の方法を説明する。
<平均粒子径、中空率>
以下のように中空粒子の平均粒子径及び中空率を測定した。
中空粒子分散液を90℃の真空乾燥機(圧力は100kPa以下)で4時間乾燥した後にスパチュラで押し潰して乾燥粉体を得た。中空粒子をコロジオン膜貼付メッシュ(日新EM社製)に振り掛けた後に、四酸化ルテニウム染色を行った後に、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-7600)を用いて、加速電圧80kVの条件下、倍率約7万倍でTEM写真を撮影した。この写真に撮影された任意の100個以上の粒子の粒子径及び内径を観察した。この時、粒子の中心を通るように5箇所以上の粒子径及び内径を測定、平均することで、平均粒子径、平均内径とした。更に、(平均内径)3/(平均粒子径)3×100の式より、中空粒子の中空率を求めた。
<吸光度比γ(残存アミノ基量)>
以下のように中空粒子の吸光度比γを測定した。なお、吸光度比γは、上記したように中空粒子中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基の存在量(残存アミノ基量)を示す指標として利用できる。
中空粒子分散液をスクリュー管(日電理化硝子社製 SV-10)に1.0g加え、90℃の真空乾燥機(圧力は100kPa以下)で4時間乾燥させた後にスパチュラで押し潰して乾燥粉体を得た。スクリュー管を測定用窓に押し当て、フーリエ変換近赤外分光光度測定を行い、近赤外吸収スペクトルを得た。得られた近赤外吸収スペクトルから、6480cm-1の吸光度(A6480)と5790cm-1の吸光度(A5790)との吸光度比γ(A6480/A5790;残存アミノ基量)を求めた。
吸光度A6480、A5790は、(株)システムズエンジニアリング社製「OptScanTM model-C」ポータブル近赤外分光光度計で測定した。以下の条件にて近赤外分光測定を行った。
-測定条件-
・測定装置:ポータブル近赤外分光光度計 OptScanTM model-C((株)システムズエンジニアリング社製) AOTF(音響光学可変波長フィルタ)分光方式
・測定モード:拡散反射法
・波数分解能:8.0cm-1
・検出器:PbS
・積算回数:30回
測定はn(サンプル数)=5で行い、測定毎にスクリュー管を軽く振とうさせて計測した。
以上の条件で得られた近赤外線吸収スペクトルに対し、次のようにピーク処理をしてそれぞれのA6480とA5790を求めた。
近赤外線吸収スペクトルから得られる6480cm-1付近のピークは、第一級アミノ基及び第二級アミノ基に由来すると知られており、実際にアミノ基の由来となるアミン系化合物を添加してないサンプルの近赤外線吸収スペクトルでは6480cm-1付近にピークは確認されなかった。吸光度A6480は、ピーク分離を実施せずに、6630cm-1と6313cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、6630cm-1と6313cm-1間の最大吸光度とした。
C-H結合に由来する5790cm-1付近のピークの吸光度A5790は、ピーク分離を実施しせずに6105cm-1と5391cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、6105cm-1と5391cm-1間の最大吸光度とした。
<バインダー分散性>
以下のように中空粒子分散液のバインダー中での分散性;バインダー分散性を測定した。
アクリルエマルション樹脂塗料(和信ペイント社製水性ニス透明クリヤー)10gに中空粒子分散液5gを加え、よく混ぜた後に黒色ABS板の上に塗布した。室温で一昼夜乾燥させた後に塗膜を目視観察し、以下の基準でバインダー分散性を評価した。
-評価基準-
透明な塗膜が得られる:○
濁りのある塗膜が得られる:△
塗料と混合時に凝集して白化する:×
<中空粒子分散液Aの製造>
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部と反応性界面活性剤アクアロンAR-10(第一工業製薬社製)0.4質量部、p-スチレンスルホン酸ナトリウム6.0質量部、過硫酸カリウム9.5質量部を加え溶解させた。グリシジルメタクリレート168質量部と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン32質量部、n-オクチルメルカプタン4.0質量部、トルエン200質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、型式SONIFIER450)を用いて10分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、窒素置換して内部を窒素雰囲気としたのちに70℃まで昇温し、2時間重合反応させた。次に、エチレンジアミン100質量部を添加し、16時間、80℃で反応させて中空粒子分散液を得た。
得られた中空粒子分散液4000質量部を50nmの細孔径を有するセラミックフィルターを用いてイオン交換水14000質量部でクロスフロー洗浄し、固形分が12質量%となるように適宜濃縮やイオン交換水の添加を行い、12質量%の中空粒子水分散液Aを得た。中空粒子水分散液Aに含まれる中空粒子の平均粒子径は82nm、中空率は45%であった。
<中空粒子分散液Bの製造>
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部と反応性界面活性剤アクアロンAR-10(第一工業製薬社製)0.4質量部、p-スチレンスルホン酸ナトリウム8.0質量部、過硫酸アンモニウム8.0質量部を加え溶解させた。グリシジルメタクリレート172質量部と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン28質量部、n-オクチルメルカプタン4.0質量部、トルエン200質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、窒素置換して内部を窒素雰囲気としたのちに70℃まで昇温し、2時間重合反応させた。次に、エチレンジアミン100質量部を添加し、16時間、80℃で反応させて中空粒子分散液を得た。
得られた中空粒子分散液4000質量部を50nmの細孔径を有するセラミックフィルターを用いてイオン交換水14000質量部でクロスフロー洗浄し、固形分が12質量%となるように適宜濃縮やイオン交換水の添加を行い、10質量%の中空粒子水分散液Bを得た。中空粒子水分散液Bに含まれる中空粒子の平均粒子径は66nm、中空率は39%であった。
<中空粒子分散液Cの製造>
5Lのステンレスビーカーにイオン交換水3600質量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0質量部、エチレンジアミン100重量部を加え溶解させた。jER828(三菱化学社製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量184~194)200質量部、トルエン130質量部、イソドデカン40質量部の混合溶液をステンレスビーカーに加え、超音波ホモジナイザーを用いて20分間撹拌することでエマルジョンを調製した。攪拌機と温度計を備えた5Lの反応器に入れ、70℃まで昇温し、4時間重合反応させて中空粒子分散液を得た。
得られた中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機(工機ホールディング社製CR21N、使用ローターR18A)で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイオン交換水によるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対してイオン交換水は80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が12質量%となるようにイオン交換水の添加を行い、12質量%の中空粒子水分散液Cを得た。中空粒子水分散液Cに含まれる中空粒子の平均粒子径は110nm、中空率は17%であった。
<実施例1>
中空粒子水分散液A100質量部にポリプロピレングリコールアクリレート(日油社製ブレンマーAE-200)12質量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイオン交換水によるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対してイオン交換水は80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイオン交換水の添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
この中空粒子分散液のバインダー分散性を測定したところ、透明な塗膜が得られ、バインダー分散性が良好な中空粒子であった。
<実施例2>
中空粒子水分散液A100質量部にポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA-400)26質量部、イソプロピルアルコール100重量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイオン交換水20質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイオン交換水によるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対してイオン交換水は80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイオン交換水の添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
この中空粒子分散液のバインダー分散性を測定したところ、透明な塗膜が得られ、バインダー分散性が良好な中空粒子であった。
<実施例3>
中空粒子水分散液B100質量部にペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA-TMM-3ML-N)25質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(東邦化学工業社製フォスファノールRS-710)7重量部、イソプロピルアルコール100重量部を加え、攪拌機と温度計を備えた300mLの反応器に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液20質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管に1-メトキシ-2-プロパノール20質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後に1-メトキシ-2-プロパノール20質量部を加えて中空粒子を分散させた。この1-メトキシ-2-プロパノールによるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液20重量部に対して1-メトキシ-2-プロパノールは80重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるように1-メトキシ-2-プロパノールの添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
この中空粒子分散液のバインダー分散性を測定したところ、透明な塗膜が得られ、バインダー分散性が良好な中空粒子であった。
<実施例4>
中空粒子水分散液C10質量部にメトキシポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレート130A)3質量部を加え、50mLのスクリュー管に入れ、80℃で8時間撹拌させることで表面処理された中空粒子分散液を得た。表面処理された中空粒子分散液10質量部を遠沈管に加え、高速冷却遠心機で18,000RPMで3時間遠心分離し、沈降物以外を除いた後に遠沈管にイソプロピルアルコール10質量部を加えて中空粒子を分散させた。再度高速冷却遠心機で遠心分離を行い、沈降物以外を除いた後にイソプロピルアルコール10質量部を加えて中空粒子を分散させた。このイソプロピルアルコールによるデカンテーションを合計4回、すなわち中空粒子分散液10重量部に対してイソプロピルアルコールは40重量部で粒子洗浄を実施した後に、固形分が10質量%となるようにイソプロピルアルコールの添加を行い、10質量%の中空粒子分散液を得た。
この中空粒子分散液のバインダー分散性を測定したところ、やや濁りのある塗膜が得られたものの、バインダーと混合時に凝集による白化は発生しない程度に分散性が良好な中空粒子であった。
<比較例>
中空粒子水分散液Cにイオン交換水を加えて10質量%の中空粒子分散液を得た。
バインダー分散性を測定したところ、バインダーと混合時に凝集による白化は発生し、塗工できなかった。
これらの実施例及び比較例における中空粒子の製造に使用した原料の配合量、及び得られた中空粒子のバインダー分散性の結果を、表1に示す。
Figure 0007258709000001
以上の実施例1~4、及び比較例における吸光度比γ(残存アミノ基量)と、バインダー分散性の結果とによると、吸光度比γが0.1以下である中空粒子は、バインダー分散性に優れることがわかる。
<他の実施形態>
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の中空粒子は、バインダー中での分散性に優れた中空粒子として利用可能であり、コーティング剤、断熱フィルム、反射防止膜、光取り出し膜、及び低誘電率膜等に好適に用いられる。

Claims (12)

  1. 架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備える中空粒子であって、
    前記中空粒子の平均粒子径が10nm~150nmであり、
    近赤外分光測定により前記中空粒子を測定して得られた近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm-1での吸光度(A6480)と波数5790cm-1での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下であり、
    前記架橋重合体が窒素原子と炭素原子とを含有し、
    前記中空粒子のXPSでの測定における窒素原子の存在比Nと炭素原子の存在比Cとが0.01≦N/C≦0.2の関係を満たすことを特徴とする中空粒子。
  2. 架橋重合体で形成されているシェルと、このシェルに囲まれた中空部とを備える中空粒子であって、
    前記中空粒子の平均粒子径が10nm~150nmであり、
    近赤外分光測定により前記中空粒子を測定して得られた近赤外線吸収スペクトルの波数6480cm -1 での吸光度(A6480)と波数5790cm -1 での吸光度(A5790)との比γ(吸光度比γ:A6480/A5790)が0.1以下であり、
    前記架橋重合体が、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造と、水溶性アミン系化合物に由来する構造とを有する架橋共重合体を含むことを特徴とする中空粒子。
  3. 請求項1に記載の中空粒子であって、
    前記架橋重合体が、エポキシ基を有するラジカル反応性単量体及びオキセタン基を有するラジカル反応性単量体の少なくとも一方に由来する構造と、水溶性アミン系化合物に由来する構造とを有する架橋共重合体を含むことを特徴とする中空粒子。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする分散液。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とするコーティング剤。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする断熱フィルム。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする反射防止膜。
  8. 請求項7に記載の反射防止膜を備えることを特徴とする反射防止膜付き基材。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする光取り出し膜。
  10. 請求項9に記載の光取り出し膜を備えることを特徴とする光取り出し膜付き基材。
  11. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする低誘電率膜。
  12. 請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
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