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JP7259969B2 - 地震観測装置、地震観測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラム - Google Patents
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JP7259969B2 - 地震観測装置、地震観測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラム - Google Patents

地震観測装置、地震観測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラム Download PDF

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Description

本発明は、地震観測装置、地震観測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラムに関する。
大規模な地震が発生した場合、可能な限り早急に報知されることが望まれている。そのような要望に応えて、例えば、日本国においては、地震波に基づいて大規模な地震が発生したと判定された場合に、テレビジョン放送やケータイ通信などを介して、緊急地震速報が報知されるシステムが構築されている。
特許文献1には、関連する技術として、地震波の分析に用いられるB-Δ法を機械学習で実現する技術が開示されている。
国際公開第2018/008708号
地震の発生を可能な限り早急に報知するためには、地震波の観測点におけるP波(primary wave, pressure wave)の観測開始時刻とS波(secondary wave, share wave)の観測開始時刻とを早急に特定し、地震の震源を特定する必要がある。
そして、技術的には特定することが困難であるS波の観測開始時刻を早急に特定することのできる技術が求められている。
本発明の各態様の目的の一例は、上記の課題を解決することのできる地震観測装置、地震観測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、地震観測装置は、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する波形取得手段と、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する遅れ時間特定手段と、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する観測時刻推定手段と、前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定する探索範囲決定手段と、前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定する観測時刻特定手段と、を備える
上記目的を達成するために、本発明の別の態様によれば、地震観測方法は、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得することと、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得することと、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定することと、前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定することと、前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定することと、を含む
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得することと、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得することと、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定することと、前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定することと、前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定することと、を実行させる
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、コンフィギュレーションプログラムは、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する波形取得手段、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する遅れ時間特定手段、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する観測時刻推定手段、前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定する探索範囲決定手段、前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定する観測時刻特定手段のそれぞれをハードウェアとして構成させる
本発明の各態様によれば、S波の観測開始時刻を早急に特定することができる。
本発明の一実施形態による地震観測システムの構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による地震検知装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による地震観測装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による地震計が検知した地震波の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による誤差分布生成部が生成する誤差の分布の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による地震観測装置の処理フローの一例を示す図である。 本発明の別の実施形態による地震観測装置の構成を示す図である。 少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
本発明の一実施形態による地震観測システム1は、地震波に含まれるP波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを入力としてP波の観測開始時刻(P波の観測が開始された時刻)から地震波に含まれるS波の観測開始時刻(S波の観測が開始された時刻)までの遅れ時間を学習させた学習済みモデルを用いてS波の観測開始時刻(S波の観測が開始される時刻)を推定するシステムである。地震波とは、地震が発生し、その地震の震源における揺れが観測点(例えば、後述する地震検知装置10が設置されている位置)まで伝わった場合の観測点における揺れを時系列に示したものである。P波とは、地震発生時に観測点に最初に到達する地震波であり、初期微動を示す波である。S波とは、地震発生時に観測点にP波に続いて到達する地震波であり、主要動と呼ばれる大きな揺れを示す波である。
地震観測システム1は、図1に示すように、地震検知装置10と、地震観測装置20と、地震解析装置30と、を備える。
地震検知装置10は、地震波を検知する装置である。地震観測装置20は、P波とS波の検測を行う装置である。地震検知装置10は、地震検知装置10が検知した地震波を入力としてP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間(時間差)を学習させた学習済みモデルを用いてS波の観測開始時刻を推定する。地震解析装置30は、地震観測装置20が検測したP波とS波の検測データを用いて地震を解析する装置である。
地震検知装置10は、図2に示すように、地震計101と、通信部102と、を備える。
地震計101は、地震波を検知する。
通信部102は、地震観測装置20と通信を行う。例えば、通信部102は、地震計101が検知した地震波を地震観測装置20に送信する。
地震観測装置20は、図3に示すように、P波観測時刻特定部201と、波形取得部202と、モデル生成部203と、誤差分布生成部204と、遅れ時間特定部205と、S波観測時刻推定部206(観測時刻推定部の一例)と、探索範囲決定部207と、地震分析部208(観測時刻特定部の一例)と、記憶部209と、を備える。
P波観測時刻特定部201は、波形取得部202から取得した地震波の波形データを用いてP波の観測開始時刻を特定する。
例えば、P波観測時刻特定部201は、波形データが示す地震波の振幅が予め設定したノイズレベルの10倍の振幅を超えたか否かを判定する。ここで示したノイズレベルの10倍の振幅は、設定値(しきい値)の一例である。設定値は、任意の値に設定してよい。
P波観測時刻特定部201は、波形データが示す地震波の振幅が予め設定したノイズレベルの10倍の振幅を超えていないと判定した場合、その判定を再度行う。
P波観測時刻特定部201は、波形データが示す地震波の振幅が予め設定したノイズレベルの10倍の振幅を超えたと判定した場合、その判定を行った時刻から遡って、波形データが示す地震波の振幅が予め設定したノイズレベルを超えた時刻を特定する。この波形データが示す地震波の振幅が予め設定したノイズレベルを超えた時刻が、P波の観測開始時刻である。
P波観測時刻特定部201は、特定したP波の観測開始時刻を波形取得部202及びS波観測時刻推定部206に出力する。
なお、P波観測時刻特定部201がP波の観測開始時刻を特定する方法は、P波の観測開始時刻を正しく特定することができる限り、どのようなものであってもよい。
波形取得部202は、地震検知装置10から地震計101が検知した地震波の波形データを取得する。そして、波形取得部202は、取得した波形データをP波観測時刻特定部201に出力する。
また、波形取得部202は、地震計101が検知したP波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する。
例えば、所定期間は、P波観測時刻特定部201が特定したP波の観測開始時刻の前後それぞれ1秒間(つまり、合計2秒間)である。この場合、波形取得部202は、例えば図4に示すような、地震検知装置10から取得した波形データの中から、P波の観測開始時刻の前後それぞれ1秒間の地震波の波形データを含む波形データを特定する。
波形取得部202は、P波の観測開始時刻の地震波の波形データを含む波形データを遅れ時間特定部205に出力する。
モデル生成部203は、モデル化されたニューラルネットワークを、複数の学習データを用いて機械学習することにより、学習済みモデルを生成する。ニューラルネットワークは、例えば、入力層と、中間層と、出力層とを有する折り畳みニューラルネットワークである。また、ここでの学習データは、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データと、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの予め解析などによって求めた遅れ時間(実際の遅れ時間の一例)とを一対一で対応付けられたデータである。
例えば、モデル生成部203は、複数の学習データを、訓練データと、評価データと、テストデータとに分ける。モデル生成部203は、訓練データの波形データをニューラルネットワークに入力する。ニューラルネットワークは、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を出力する。モデル生成部203は、訓練データの波形データがニューラルネットワークに入力され、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間がニューラルネットワークから出力される度に、その出力に応じてバックプロパゲーションを行うことにより、ノード間のデータの結合の重み付けを変更する(すなわち、ニューラルネットワークのモデルを変更する)。次に、モデル生成部203は、訓練データの波形データによって変更されたモデルのニューラルネットワークに、評価データの波形データを入力する。ニューラルネットワークは、入力された評価データの波形データに応じたP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を出力する。モデル生成部203は、必要に応じてニューラルネットワークの出力に基づいてノード間のデータの結合の重み付けを変更する。このようにモデル生成部203によって生成されたニューラルネットワークが、学習済みモデルである。次に、モデル生成部203は、最終確認として、学習済みモデルのニューラルネットワークに、テストデータの波形データを入力する。学習済みモデルのニューラルネットワークは、入力されたテストデータの波形データに応じたP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を出力する。すべてのテストデータに対して、学習済みモデルのニューラルネットワークが出力する遅れ時間が、入力されたテストデータの波形データに関連付けられているP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間に対して所定の誤差の範囲内にある場合、モデル生成部203は、学習済みモデルのニューラルネットワークが所望のモデルであると判定する。また、テストデータのうちの1つでも、学習済みモデルのニューラルネットワークが出力する遅れ時間が、入力されたテストデータの波形データに関連付けられているP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間に対して所定の誤差の範囲内にない場合、モデル生成部203は、新たな学習データを用いて学習済みモデルを生成する。
上記のモデル生成部203による学習済みモデルの生成は、所望の学習済みモデルが得られるまで繰り返される。
モデル生成部203は、生成した学習済みモデルを記憶部209に記録する。
誤差分布生成部204は、最終的な学習済みモデルのニューラルネットワークと、複数の学習データとに基づいて、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布を生成する。
例えば、誤差分布生成部204は、学習データの波形データをニューラルネットワークに入力する。誤差分布生成部204は、入力した波形データに対するニューラルネットワークの出力(遅れ時間)を取得する。誤差分布生成部204は、学習データにおいて、その波形データに対応付けられているP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間を特定する。誤差分布生成部204は、特定した実際の遅れ時間から取得したニューラルネットワークの出力を減算することによって、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差を算出する。誤差分布生成部204は、複数の学習データについて、前記誤差を算出する。誤差分布生成部204は、複数の学習データについて算出した、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布を生成する。誤差分布生成部204が生成する学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布は、例えば、図5に示すような分布である。図5に示す分布は、25000個の学習データの波形データを学習済みモデルに入力して、求めた学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布である。図5において、横軸は、1目盛り100分の1秒で表した時間であり、誤差0を中心に誤差の時間が示されている。また、図5において、縦軸は、25000個の学習データの波形データを学習済みモデルに入力した場合に、それぞれの誤差の時間が発生した度数(回数)を示している。なお、図5に示す誤差の分布の例では、標準偏差σは164.18(1.6418秒)である。
誤差分布生成部204は、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布を記憶部209に記録する。
遅れ時間特定部205は、P波の観測開始時刻の地震波の波形データを含む波形データを波形取得部202から取得する。
遅れ時間特定部205は、波形取得部202から取得した地震波の波形データに含まれるP波の観測開始時刻の地震波の波形データを、モデル生成部203が生成した学習済みモデルに入力する。ここで、遅れ時間特定部205が学習済みモデルに入力する地震波の波形データは、例えば、P波の観測開始時刻の前後それぞれ1秒間の波形データである。
また、遅れ時間特定部205は、その学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を取得する。遅れ時間特定部205は、取得したP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間をS波観測時刻推定部206に出力する。
例えば“緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術的参考資料”、[online]、平成28年12月13日、気象庁地震火山部、[令和1年7月23日検索]、インターネット(URL:https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/katsuyou/reference.pdf)に記載されているように、主成分分析法とB-Δ法を用いることにより、1つの観測点で観測された地震波から震源の位置を特定することができる。
また、特許文献である国際公開第2018/008708には、B-Δ法を機械学習で実現した構成が記載されている。
遅れ時間特定部205が行う上記の処理は、B-Δ法を根拠とし、観測点から震源までの距離と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間とに相関関係がある(具体的には、観測点から震源までの距離が短いと遅れ時間も短くなり、観測点から震源までの距離が長いと遅れ時間も長くなる)ことに基づいて行う。
S波観測時刻推定部206は、P波の観測開始時刻と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間とに基づいてS波の観測開始時刻を推定する。
例えば、S波観測時刻推定部206は、P波観測時刻特定部201からP波の観測開始時刻を取得する。また、S波観測時刻推定部206は、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を、遅れ時間特定部205から取得する。S波観測時刻推定部206は、P波の観測開始時刻にP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を加えた時刻を、S波の観測開始時刻と推定する。
S波観測時刻推定部206は、推定したS波の観測開始時刻を探索範囲決定部207に出力する。また、S波観測時刻推定部206は、推定したS波の観測開始時刻を地震分析部208に出力する。
探索範囲決定部207は、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布と、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻とに基づいて、波形データにおけるS波の探索範囲を決定する。
例えば、探索範囲決定部207は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻をS波観測時刻推定部206から取得する。また、探索範囲決定部207は、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布を記憶部209から読み出す。探索範囲決定部207は、その誤差が発生する度数の分布から誤差の範囲(例えば、±2σの時間範囲)を決定する。なお、σは標準偏差を表す。そして、探索範囲決定部207は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻を基準として誤差の範囲(例えば、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻の前後それぞれ2σの時間範囲)を、波形データにおけるS波の探索範囲と決定する。
探索範囲決定部207は、決定したS波の探索範囲を記憶部209に記録する。
地震分析部208は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻と、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲とに基づいて、波形データにおいてS波の観測開始時刻を特定する。
例えば、地震分析部208は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻をS波観測時刻推定部206から取得する。また、地震分析部208は、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲を記憶部209から取得する。そして、地震分析部208は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻を基準とした、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲において、S波を検測すること(S波を探索することの一例)により、波形データにおいてS波の観測開始時刻を特定する。
また、地震分析部208は、P波を検測する。
なお、地震分析部208が行うP波及びS波の検測は、例えば、“[Automatic picking of P and S phases using a neural tree] Journal of Seismology (2006) 10: 39-63”に記載されているAIを用いた検測技術を用いて行えばよい。
記憶部209は、地震観測装置20が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。
例えば、記憶部209は、誤差分布生成部204が生成した、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布を記憶する。また、例えば、記憶部209は、学習データを記憶する。また、例えば、記憶部209は、モデル生成部203が生成した学習済みモデルを記憶する。また、例えば、記憶部209は、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲を記憶する。
次に、地震観測システム1によるS波の観測開始時刻を推定する処理について説明する。
ここでは、図6に示す地震観測システム1の処理フローについて説明する。
次のような場合を例として説明する。モデル生成部203は、記憶部209が記憶する学習データを用いて、学習済みモデルを生成し、生成した学習モデルを記憶部209に記録している。また、探索範囲決定部207は、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布と、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻とに基づいて、波形データにおけるS波の探索範囲を決定している。また、記憶部209は、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲を記憶している。
波形取得部202は、地震検知装置10から地震計101が検知した地震波の波形データを取得する(ステップS1)。波形取得部202は、取得した波形データをP波観測時刻特定部201に出力する。
P波観測時刻特定部201は、波形取得部202から地震波の波形データを取得する。P波観測時刻特定部201は、取得した地震波の波形データを用いてP波の観測開始時刻を特定する(ステップS2)。P波観測時刻特定部201は、特定したP波の観測開始時刻を波形取得部202及びS波観測時刻推定部206に出力する。
波形取得部202は、P波観測時刻特定部201が特定したP波の観測開始時刻をP波観測時刻特定部201から取得する。波形取得部202は、地震計101が検知した地震波の波形データにおいて、取得したP波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを特定する(ステップS3)。波形取得部202は、P波の観測開始時刻の地震波の波形データを含む波形データを遅れ時間特定部205に出力する。
遅れ時間特定部205は、P波の観測開始時刻の地震波の波形データを含む波形データを波形取得部202から取得する。遅れ時間特定部205は、取得した地震波の波形データに含まれるP波の観測開始時刻の地震波の波形データを、モデル生成部203が生成した学習済みモデルに入力する。遅れ時間特定部205は、その学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を取得する(ステップS4)。遅れ時間特定部205は、取得したP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間をS波観測時刻推定部206に出力する。
S波観測時刻推定部206は、P波観測時刻特定部201が特定したP波の観測開始時刻をP波観測時刻特定部201から取得する。また、S波観測時刻推定部206は、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を遅れ時間特定部205から取得する。S波観測時刻推定部206は、P波の観測開始時刻と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間とに基づいてS波の観測開始時刻を推定する(ステップS5)。S波観測時刻推定部206は、推定したS波の観測開始時刻を地震分析部208に出力する。
地震分析部208は、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻をS波観測時刻推定部206から取得する。また、地震分析部208は、探索範囲決定部207が決定したS波の探索範囲を記憶部209から取得する。地震分析部208は、取得したS波の観測開始時刻と、取得したS波の探索範囲とに基づく時間範囲において、S波を検測することにより、S波の観測開始時刻を特定する(ステップS6)。
また、地震分析部208は、P波を検測する。そして、地震分析部208は、P波とS波を検測した検測データを地震解析装置30に出力する。
なお、地震解析装置30は、地震観測装置20から地震分析部208が検測した検測データを取得する。地震解析装置30は、取得した検測データを用いて地震を解析する。
以上、本発明の一実施形態による地震観測システム1について説明した。
地震観測システム1の地震観測装置20において、波形取得部202は、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する。遅れ時間特定部205は、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する。S波観測時刻推定部206(観測時刻推定部の一例)は、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する。
こうすることで、地震観測システム1は、S波が発生していない時刻のP波からS波の観測開始時刻を推定することができる。その結果、地震観測システム1は、S波の観測開始時刻を早急に特定することができる。
本発明の別の実施形態による地震観測装置20の構成について説明する。
この実施形態による地震観測装置20は、図7に示すように、波形取得部202と、遅れ時間特定部205と、S波観測時刻推定部(観測時刻推定部)206と、を備える。
波形取得部202は、P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する。
遅れ時間特定部205は、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する。
S波観測時刻推定部(観測時刻推定部)206は、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する。
本発明の各実施形態における記憶部、その他の記憶装置等は、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部、その他の記憶装置等は、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
本発明の一実施形態では、地震観測装置20は探索範囲決定部207を備え、探索範囲決定部207が、学習済みモデルが出力するP波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間と、P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの実際の遅れ時間との誤差が発生する度数の分布と、S波観測時刻推定部206が推定したS波の観測開始時刻とに基づいて、波形データにおけるS波の探索範囲を決定する場合について説明した。
しかしながら、本発明の別の実施形態では、学習モデルに波形データにおけるS波の探索範囲を決定するモデルを含め、モデル生成部203が、学習データを用いて波形データにおけるS波の探索範囲を決定するモデルを含む学習済みモデルを生成してもよい。
なお、本発明の一実施形態では、モデル生成部203が、学習済みモデルをソフトウェアとして生成し、記憶部209に記憶する場合について説明した。
しかしながら、本発明の別の実施形態では、学習済みモデルをハードウェアとして実現してもよい。
例えば、モデル生成部203が、記憶部209の記憶する学習済みモデルが行う処理を実現させるコンフィギュレーションプログラムを、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラム可能なハードウェアに書き込んでもよい。
本発明の実施形態について説明したが、上述の地震観測システム1、地震検知装置10、地震観測装置20、地震解析装置30、その他の制御装置は内部に、コンピュータ装置を有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の地震観測システム1、地震検知装置10、地震観測装置20、地震解析装置30、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記録媒体である。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータ装置にすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
この出願は、2019年8月20日に出願された日本国特願2019-150624を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、地震観測装置、地震観測方法、及び、記録媒体に適用してもよい。
1・・・地震観測システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・地震検知装置
20・・・地震観測装置
30・・・地震解析装置
101・・・地震計
102・・・通信部(通信手段)
201・・・P波観測時刻特定部(P波観測時刻特定手段)
202・・・波形取得部(波形取得手段)
203・・・モデル生成部(モデル生成手段)
204・・・誤差分布生成部(誤差分布生成手段)
205・・・遅れ時間特定部(遅れ時間特定手段)
206・・・S波観測時刻推定部(観測時刻推定部、観測時刻推定手段)
207・・・探索範囲決定部(探索範囲決定手段)
208・・・地震分析部(地震分析手段)
209・・・記憶部(記憶手段)

Claims (4)

  1. P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する波形取得手段と、
    学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する遅れ時間特定手段と、
    前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する観測時刻推定手段と、
    前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定する探索範囲決定手段と、
    前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定する観測時刻特定手段と、
    を備える地震観測装置。
  2. P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得することと、
    学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得することと、
    前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定することと、
    前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定することと、
    前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定することと、
    を含む地震観測方法。
  3. コンピュータに、
    P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得することと、
    学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得することと、
    前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定することと、
    前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定することと、
    前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定することと、
    を実行させるプログラム。
  4. P波の観測開始時刻を含む所定期間の波形データを取得する波形取得手段、学習済みモデルに前記波形データを入力し、前記P波の観測開始時刻からS波の観測開始時刻までの遅れ時間を前記学習済みモデルから取得する遅れ時間特定手段、前記P波の観測開始時刻と前記遅れ時間とに基づいて前記S波の観測開始時刻を推定する観測時刻推定手段、前記学習済みモデルが出力する前記遅れ時間と実際の遅れ時間との誤差についての度数の分布と、前記推定された前記S波の観測開始時刻とに基づいて、前記波形データにおける前記S波の探索範囲を決定する探索範囲決定手段、前記探索範囲において前記S波を探索することにより、前記S波の観測開始時刻を特定する観測時刻特定手段のそれぞれをハードウェアとして構成させるコンフィギュレーションプログラム。
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