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JP7260910B2 - プローブピン用材料およびプローブピン - Google Patents
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Description

本発明は、半導体ウェハ上の集積回路や液晶表示装置等の電気的特性を検査するためのプローブピン(以下、「プローブピン」と略称する)に関する。
半導体ウェハ上に形成された集積回路や液晶表示装置等の電気的特性の検査には、プローブピンが用いられている。この検査は、ソケットやプローブカードに組み込まれたプローブピンを、集積回路や液晶表示装置等の電極や端子、導電部に接触させることにより行われている。
このようなプローブピンは、検査対象物に繰り返し接触させるため、硬さが重要となる。硬さが重要なのは、何万回と検査体にプローブピンを接触することによる摩耗を低減させる必要があるためである。ここで要求されている硬さは、プローブピンの摩耗を抑えるのに非常に有効なため、プローブピンは硬いほど望ましい。
コンタクトプローブピンに使用される材質としてベリリウム銅合金やタングステン、タングステン合金があるが、酸化しやすく、酸化膜による導通不良や酸化膜が検査対象物に付着する場合がある。金メッキ等で酸化を防ぐ場合があるが、メッキの剥離等の問題がある。
プローブピンの酸化膜形成による不良を防ぐために、特許文献1~7のように白金合金、パラジウム合金等ベース材自体を酸化しにくいものを使用する場合がある。
特許第4216823号 特許第4878401号 特許第4176133号 特開2004-93355号 特許第5657881号 国際公開番号WO2014/021465 特開2017-25354号
使用されるプローブピンの形状は様々あるため、圧延や伸線、曲げ加工、切削加工等が施される。そのため、プローブピンは、加工後に硬さがコントロールできる時効硬化能を有した材質が望まれている。
上記文献のなかで特許文献1の白金合金は、時効硬化しない組成のため、固溶硬化と加工硬化で硬さを上げる方法となるが、硬さのコントロールが難しい。
特許文献2~7におけるAgPdCu系合金は、時効硬化により硬さのコントロールができる。
上記のようなAgPdCu系合金において、プローブピンの形態により、時効後に曲げ加工等の加工を施す場合がある。その場合、時効後に加工する場合、時効時の最大硬さでは、加工時に破断するため、時効後の硬さを抑える必要があるが、加工可能時の硬さの低下はできるだけ抑えたい。
AgPdCu系合金は、時効硬化により硬さのコントロールができるが、時効後は曲げ加工等の加工が難しくなり、加工ができるまで熱処理すると、加工時と同程度の硬さまで低下することがある。硬さ向上を目的として添加元素を多量に加えると、硬さの向上と反比例して塑性加工性が低下する。そこで、時効後の硬さと加工性のバランスを向上させたプローブピン用材料が求められている。
すなわち、本発明の目的は、時効硬化後に曲げ加工等の加工が加わる場合に対応できるように、時効時の硬さが高くてその後の加工ができるような、プローブピン用材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、このようなプローブピン用材料を用いて作製されたプローブピンを提供することにある。
AgPdCu系合金において、「塑性加工性が良く、時効後の硬さを向上させることができ」、かつ、「時効時の硬さが高くてその後の加工ができる」組成について研究した結果、AgPdCu合金にIn、Ga、B(ホウ素)を添加することで、上記要求を満足する合金を開発するに至った。
前述した目的は、Ag19~37mass%、Pd39~50mass%、Cu23~35mass%、In0.1~1.0mass%未満、Ga0.1~0.6mass%、B0.03~0.3mass%からなるプローブピン用材料によって達成される。
また前述した目的は、上記のプローブピン用材料を用いて作製されたプローブピンによって達成される。
また本発明のプローブピン用材料において、時効後の硬さがビッカース硬さHV480以上であるようにしてもよい。
また本発明のプローブピン用材料において、時効させてから加工する用途においては、時効後の硬さがビッカース硬さHV350以上であるようにしてもよい。
本発明は、時効前の加工性が良好で、且つ時効後の硬さがHV480以上、または時効後の加工性を向上させた場合の硬さがHV350以上のプローブピン用材料およびプローブピンを得ることができる。
本発明のプローブピン用材料は、Agが19~37mass%、Pdが39~50mass%、Cuが23~35mass%、Inが0.1~1.0mass%未満、Gaが0.1~0.6mass%、Bが0.03~0.3mass%であり、不可避不純物と合わせて合計で100mass%からなる合金からなるものである。
Agが20~36mass%、Pdが40~48mass%、Cuが25~35mass%、Inが0.2~0.9mass%、Gaが0.1~0.5mass%、Bが0.05~0.2mass%とすることが好ましい。
本発明のプローブピン用材料が、「塑性加工性が良く、時効後の硬さを向上させることができ」、かつ、「加工ができる時効後の硬さが高い」材料になる理由は以下のように考える。
すなわち、AgPdCu合金は溶融から固化する際に「銀リッチ相」と「銅リッチ相」に相分離する一方、Pdは両相に全率固溶しますが、熱処理(時効硬化処理)により「銅リッチ相」中に規則格子相(PdCu相)を生成し硬さが上昇します。Inは「銀リッチ相」からPdを追い出し、規則格子相(PdCu相)の形成を促進させる作用があり、GaはPdCu相の形成を促進させる作用があり、ともに、「銅リッチ相」中の規則格子相の生成を促進させるので、合金の硬さが上昇すると考える。一方、Bは粒界強度を向上させて粒界破壊を抑制することにより、「加工ができる時効後の硬さが高く」なるものと考える。
本発明に従うプローブピンに使用する合金は、それ自体既知の方法に従い、例えばAgとPdとCuとInとGaとBを上記の量で調整し、それをガス炉、高周波溶解炉など適当な金属溶解炉で溶解することにより製造することができる。溶解時の炉雰囲気としては、通常大気が用いられるが、必要に応じて不活性ガスまたは真空を使用することができる。
溶融状態の上記の合金を適当な型に鋳造し、インゴットを作製する。必要に応じて、インゴットを鍛造やスェージング加工を施し、圧延による板加工や、溝ロールにより角形または多角形の棒材または線材に加工、さらにダイスを用い伸線加工することにより、プローブピン用材料を作製することができる。
本発明のプローブピン用材料は、所定のプローブピンの形状に加工した後、300~450℃の範囲で熱処理し、時効硬化により硬くすることができる。時効硬化を行うことにより、HV480以上の硬さとすることができる。
また本発明のプローブピン用材料は、時効させてから加工する用途においては、時効後の硬さがビッカース硬さHV350以上とすることができる。すなわち、時効後に曲げ加工等の加工を施してプローブピンの形状とする場合、所定の温度で時効させ、その後例えば90°曲げる等の加工を施してプローブピンの形状とすることができる。その所定の温度は、材料組成、材料形状、加工条件により異なるが400~650℃の範囲とすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
Ag、Pd、Cu、In、Ga、Bを1試料につき30gになるよう配合し、アーク溶解炉にて溶解、鋳造によりインゴットを作製した。表1に作製した組成を示す。
Figure 0007260910000001
作製した表1のサンプルの加工性を見極めるため、作製したインゴットは、850℃で60分熱処理した後水冷し、圧延、熱処理と圧延を繰り返し、t2.5mmまで圧延後、再度850℃で60分熱処理した後水冷し、圧延率[=((圧延前の厚さ)-(圧延後の厚さ))/(圧延前の厚さ)×100]が88%になるようt0.3mmまで圧延を行った。
加工性評価は圧延状況で評価した。評価基準は大きな割れなく圧延ができたものを○、t2.5mm迄圧延できずに割れたものを×とした。評価結果を表2に示す。
Figure 0007260910000002
表2の実施例は、特に問題なく圧延できた。比較例でBを多く添加された比較例3は、t2.5mm迄の圧延中に割れが入り、その後の圧延が困難となり×とした。×とした試料は、以後の調査を中止した。Bを多量に添加すると塑性加工が困難になることが分かる。
・硬さ試験
表2の加工性評価結果から○となったサンプルの圧延後の硬さを測定、その後300~450℃の範囲で1hr熱処理し、時効後の硬さを測定した。測定結果を表3に示す。表3の時効後の硬さは、300~450℃の温度範囲で時効を行った際、最も硬かった値である。
Figure 0007260910000003
圧延率が88%の場合、作製したサンプルは、時効後の硬さが全てHV480以上となった。
・曲げ加工調査
表2の加工性評価結果から○となったサンプルの圧延後の硬さを測定、その後400~650℃の範囲で1hr熱処理して時効硬化させたt0.3mm×w5mmの板を、R0.2に面取りした炭素鋼ブロックにバイスで挟み、90°曲げを行い、破折しなかった最大硬さを測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0007260910000004
90°曲げ時に破折しなかった時効後の最大硬さは、実施例全てHV350以上となった。一方、比較例は、HV350に届かず、比較例1では圧延時より硬さが低くなった。

Claims (2)

  1. Ag19~37mass%、Pd39~50mass%、Cu23~35mass%、In0.1~1.0mass%未満、Ga0.1~0.6mass%、B0.03~0.3mass%からなるプローブピン用材料。
  2. 請求項1に記載のプローブピン用材料を用いて作製されたプローブピン。
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