JP7262282B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
本発明は、以下の熱可塑性樹脂組成物及び成形体に関する。
[2]さらに、(D)相溶化剤を、(A)と(B)合計100質量部に対し、1~30質量部含む上記[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3](C)炭素繊維の平均繊維径が10μm以下である上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]比重が1.0~1.33の範囲にある上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
[6]自動車の電装用コネクター部品である上記[5]に記載の成形体。
[7]ヘッドアップディスプレイ用又はエンジンコントロールユニット用の筐体である上記[5]に記載の成形体。
したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種の電気電子機器の部品や自動車用内装あるいは外装部品等に好適に使用できる。
なお、本明細書において、「~」を用いてその前後を数値又は物性値等で挟んで範囲を示す場合、その前後の値を含む範囲を意味する。
(B)250℃,912sec-1に於ける溶融粘度が、80~500Pa・secである、ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂を50~90質量部、
(C)炭素繊維を、前記(A)と(B)の合計100質量部に対し、5~100質量部含有することを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、固有粘度(IV)が0.3~0.8dl/gの(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する。
固有粘度(IV)が0.3~0.8dl/gの範囲にあるものを用いることにより、ポリブチレンテレフタレート樹脂の特性が強く顕れ高い耐熱性と低ソリ性に優れ、また、機械的強度や耐薬品性にも優れた樹脂組成物となる。
固有粘度(IV)が0.3dl/gより低いものを用いると、ポリブチレンテレフタレートの耐熱性が発現しないことに加え、機械的強度の低いものとなりやすい。また0.8dl/gより高いものでは、前記した海島構造は形成しにくくなり、(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂が海となりやすく、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化したりしやすい。固有粘度(IV)は、好ましくは0.4dl/g以上、より好ましくは0.5dl/g以上、さらには0.55dl/g以上が好ましく、また、好ましくは0.75dl/g以下である。
なお、これらの共重合体は、共重合量が、ポリブチレンテレフタレート樹脂全セグメント中の1モル%以上、50モル%未満のものをいう。中でも、共重合量が好ましくは2モル%以上50モル%未満、より好ましくは3~40モル%、特に好ましくは5~20モル%である。このような共重合割合とすることにより、流動性、靱性が向上しやすい傾向にあり、好ましい。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4-ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法で得られたものが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂を含有する。
ポリスチレン樹脂としては、スチレンの単独重合体、あるいは他の芳香族ビニルモノマー、例えばα-メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を例えば、50質量%以下の範囲で共重合したものであってもよい。
ゴム強化ポリスチレン樹脂としては、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)が特に好ましい。
なお、溶融粘度はISO 11443に準拠し、キャピラリーレオメーター及びスリットダイレオメーターを用いることで測定できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(C)炭素繊維を含有する。(C)炭素繊維としては、PAN系(ポリアクリロニトリル系)、ピッチ系、レーヨン系等のいずれをも使用できる。中でもPAN系の炭素繊維が好ましい。
また、(C)炭素繊維の数平均繊維長は、0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましく、数平均繊維長の上限は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下がより好ましく、7mm以下がさらに好ましく、6mm以下が特に好ましい。
表面処理剤の量は、(C)炭素繊維100質量部に対して、0.5~15質量部の範囲であることが好ましく、1~10質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、さらに、ガラス繊維を含有してもよい。
ガラス繊維としては、通常熱可塑性ポリエステル樹脂に使用されているものであれば、Aガラス、Eガラス、ジルコニア成分含有の耐アルカリガラス組成や、チョツプドストラント、ロービングガラス、熱可塑性樹脂とガラス繊維のマスターバッチ等の配合時のガラス繊維の形態を問わず、公知のいかなるガラス繊維も使用可能である。なかでも本発明に用いるガラス繊維としては、本発明の熱可塑性樹脂組成物の熱安定性を向上させる目的から無アルカリガラス(Eガラス)が好ましい。
表面処理剤としては、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系化合物、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン等のクロロシラン系化合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン系化合物、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系化合物、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物などが挙げられる。
これらの集束剤や表面処理剤は2種以上を併用してもよく、その使用量(付着量)は、ガラス繊維の質量に対し、通常10質量%以下、好ましくは0.05~5質量%である。付着量を10質量%以下とすることにより、必要十分な効果が得られ、経済的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した(C)炭素繊維、ガラス繊維以外に、板状、粒状又は無定形の他の無機充填材を含有することも好ましい。板状無機充填材は、異方性及びソリを低減させる機能を発揮するものであり、タルク、ガラスフレーク、マイカ、雲母、カオリン、金属箔等が挙げられる。板状無機充填材の中で好ましいのは、ガラスフレークである。
粒状又は無定形の他の無機充填材としては、セラミックビーズ、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
他の無機充填材としては、特にタルク、酸化チタン、硫化亜鉛が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、さらに(D)相溶化剤を含有することが好ましい。(D)相溶化剤を含有することで、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂との相溶化を促進させることにより、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に分散する(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂の分散粒径が小さくなり、界面強度も高くなることで、優れた機械的強度や優れた外観が得られ易くなる。
[η]=1.23×10-4Mv0.83
ここで質量平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の質量平均分子量である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性や色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤、イオウ系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
(R1O)3-nP(=O)OHn
(式中、R1は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0~2の整数を示す。)
で表される化合物である。より好ましくは、R1が炭素原子数8~30の長鎖アルキルアシッドホスフェート化合物が挙げられる。炭素原子数8~30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
R2O-P(OR3)(OR4)
(式中、R2、R3及びR4は、それぞれ水素原子、炭素原子数1~30のアルキル基または炭素原子数6~30のアリール基であり、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは炭素原子数6~30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
R5-P(OR6)(OR7)
(式中、R5、R6及びR7は、それぞれ水素原子、炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数6~30のアリール基であり、R5、R6及びR7のうちの少なくとも1つは炭素原子数6~30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、耐アルカリ性が良好な点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物が好ましく、特に、ポリオレフィン系化合物が好ましい。
アルコールとしては、飽和又は不飽和の1価又は多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックは、その種類、原料種、製造方法に制限はなく、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のいずれをも使用することができる。その数平均粒径には特に制限はないが、5~60nm程度であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂、(D)相溶化剤として上述した樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損わない範囲で含有することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
ただし、その他の樹脂を含有する場合の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂の合計100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。すなわち、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂及び(B)ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂、所望により添加されるその他樹脂成分及び種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、樹脂組成物を調製することもできる。(C)炭素繊維はサイドフィードすることが好ましい。また、一部をマスターバッチ化したものを配合して溶融混練してもよい。さらには、予め各成分を混合した混合物を、溶融混練することなく、そのまま射出成形機等の成形機に供給し、各種成形体を製造することも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を製造する方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられる。中でも、生産性と、得られる成形体の表面性が良好となるなど、本発明の効果が顕著であることから、射出成形法が好ましい。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
上記表1に示した各成分のうち、炭素繊維を除いた各成分を、後記表2に示す割合(全て質量部)にて、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30α」、L/D=42)を使用し、炭素繊維はサイドフィーダーより供給し、シリンダー設定温度260℃、吐出量40kg/h、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練した樹脂組成物を、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
MVRは、タカラ工業社製メルトインデクサーを用いて、上記で得られたペレットを、265℃、荷重5kgfの条件にて、単位時間当たりの溶融流動体積MVR(単位:cm3/10min)を測定した。
ISO1183に準拠し、比重を測定した。
上記で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼社製射出成形機(型締め力85T)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
ISO527に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用いて、引張破断強度(単位:MPa)、引張破断伸び率(単位:%)を測定した。
[曲げ最大強度、曲げ弾性率]
ISO178に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で、曲げ最大強度(単位:MPa)と曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
[ノッチ付シャルピー衝撃強度]
ISO179に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)にノッチ加工を施したノッチ付き試験片について、23℃の温度でノッチ付シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用い、ISO75-1及びISO75-2に準拠して、荷重0.45MPaの条件で、荷重たわみ温度(単位:℃)を測定した。
以下の基準により、耐熱性の判定を行った。
○:荷重たわみ温度が150℃以上
△:荷重たわみ温度が130℃以上150℃未満
×:荷重たわみ温度が130℃未満
射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で、直径100mm、厚み1.6mmの円板をサイドゲート金型により成形し、円板の反り量(単位:mm)を求めた。
以下の基準により、低反り性の評価判定を行った。
○:反り量が1mm未満
△:反り量が1mm以上3mm未満
×:反り量が3mm以上
以上の結果を、以下の表2に示す。
Claims (7)
- (A)固有粘度(IV)が0.3~0.8dl/gのポリブチレンテレフタレート樹脂を10~50質量部、
(B)250℃,912sec-1に於ける溶融粘度が、80~500Pa・secである、ポリスチレン樹脂又はゴム強化ポリスチレン樹脂(但し、シンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂を除く。)を50~90質量部、
(C)炭素繊維を、前記(A)と(B)の合計100質量部に対し、5~100質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - さらに、(D)相溶化剤を、(A)と(B)合計100質量部に対し、1~30質量部含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C)炭素繊維の平均繊維径が10μm以下である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 比重が1.0~1.33の範囲にある請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
- 自動車の電装用コネクター部品である請求項5に記載の成形体。
- ヘッドアップディスプレイ用又はエンジンコントロールユニット用の筐体である請求項5に記載の成形体。
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