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JP7265256B2 - 循環式加熱装置 - Google Patents
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JP7265256B2 - 循環式加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流動物を流路内で循環移動させながら加熱する循環式加熱機に関する。
野菜、果実のジュースやスープ等の液状飲食物から水分を除去する方法としては蒸発濃縮法がある。例えば、特許文献1には、牛乳を加熱濃縮するための濃縮装置が記載されており、この濃縮装置は、密閉状態の空間を形成する外壁部と、牛乳が投入され外壁部の中に配置される貯留部とを有し、貯留部をヒータで加熱するとともに過熱蒸気つまりドライスチームを密閉状態の空間に供給することにより、貯留部内の牛乳を加熱する。加熱により発生した水蒸気を外部に排出することにより牛乳は濃縮される。
特許文献2には蒸気圧縮式の蒸発装置が記載されており、この蒸発装置においては、原液を蒸発させる蒸発器と、発生蒸気を断熱圧縮する圧縮機とを有し、圧縮機により温度と圧力が上昇した加熱蒸気を蒸発器に戻して原液を加熱するための熱源とすると共に、加熱蒸気の冷却により凝縮水を生成するようにしている。
特開2017-85956号公報 特開2015-205240号公報
液体を加熱して液体に含まれる水分等の液体成分を蒸発させることにより、液体を濃縮する蒸発方式は、水分を凍結させて除去する凍結濃縮法に比して、比較的簡単な設備により、液体を濃縮することができる。
しかしながら、液体を加熱するための熱源としてヒータや蒸気を使用する場合には、熱源から液体への熱伝達により液体を加熱しており、液体の加熱に時間がかかっている。特に、粘度の高い液体の場合には熱伝達に時間がかかり、効率的に加熱処理を行うことができない。このため、熱源の温度を液体に熱伝達させて液体を加熱する蒸発方式においては、液体を蒸発温度まで加熱するには時間がかかり、能率的に液体を加熱することができない。
本発明の目的は、液体を能率的に加熱することができるようにすることにある。
本発明の循環式加熱機は、原液を収容する原液収容タンクに接続された供給配管が下端部に接続され、前記原液収容タンクから供給された原液を加熱流路搬送しながら原液から蒸発成分を発生させる加熱蒸発管と、前記加熱蒸発管の上端部の原液の液面よりも低い位置に設けられた原液流出口と前記原液収容タンクとの間に接続され、前記加熱蒸発管により加熱された原液を前記原液収容タンクに戻す循環配管と、原液から発生した蒸気を外部に排出する蒸気取出し管と、前記加熱蒸発管に対をなして設けられ、前記加熱流路を流れる原液に電源ユニットからの電流を供給してジュール熱を発生させる電極部材と、を有し、前記電源ユニットは、電圧の相違した出力電圧を出力する複数の給電タップを備えた出力トランスと、複数の前記給電タップのいずれか1つをオンに切り換えて電力を前記電極部材に出力するタップ切換機と、原液を流れる電流がオン状態の給電タップの設定最大電力における最大電流に近づいたら、電流を高めるように出力電圧か低い給電タップに切り換えるように前記タップ切換機を制御するコントローラと、を有し、前記ジュール熱により原液から発生した蒸気成分を前記蒸気取出し管に排出する
原液収容タンクと加熱蒸発管とを循環配管により接続して原液を原液収容タンクから加熱蒸発管を経て原液収容タンクに戻す循環路を形成し、加熱蒸発管に設けられた電極部材からの電流を原液に供給する。これにより、原液はジュール熱により加熱され、原液の溶媒を蒸発させることができる。出力トランスの複数の給電タップのいずれか1つがタップ切換機によりオンされて電極部材には電力が供給される。原液の温度が高められて原液の濃縮が進むにつれて、原液を流れる電流がオン状態の給電タップの設定最大電力における最大電流に近づいたら、電流を高めるように出力電圧か低い給電タップに切り換えられるので、電源トランスの設定最大電力を有効に利用して、効率的に原液を加熱することができる。
循環式加熱機を示す概略図である。 図1に示された循環式加熱機の電源ユニットを示すブロック図である。 出力トランスの設定最大電力を出力する電圧と電流との関係を示す特性線図である。 (A)は加熱蒸発管の変形例を示す縦断面図であり、(B)は(A)におけるB-B線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示されるように、循環式加熱機10は、被加熱原液つまり原液Mを収容する原液収容タンク11と、原液Mを加熱して蒸気を発生させる加熱蒸発管12とを備えており、加熱蒸発管12には原液Mを搬送する加熱流路13が形成されている。原液収容タンク11には注入配管14により原液Mが供給される。供給される原液としては、野菜、果実のジュースやスープ等の流動性を有する液状飲食物のように、主として濃縮されて製品化される液状物である。また、特許文献2に記載されるように、廃液を原液としてそれを濃縮する場合にもこの循環式加熱機10を適用することができる。さらに、生薬や漢方薬を製造するために、天然産物を煎じるためにも、この循環式加熱機10を使用することができる。
加熱蒸発管12の下端部には流入口15が設けられ、原液収容タンク11の下端部に設けられた吐出口16と流入口15との間には供給配管17が接続されている。供給配管17にはポンプ18が設けられており、ポンプ18により原液収容タンク11の吐出口16から吐出された原液Mは、供給配管17により加熱蒸発管12の流入口15から加熱流路13に供給される。
加熱蒸発管12の上端部には原液流出口21が設けられ、原液収容タンク11の循環口22と原液流出口21との間には原液Mを原液収容タンク11に返流するための循環配管23が設けられている。この循環配管23により、加熱蒸発管12の加熱流路13内を上端部にまで流れた原液Mは、原液流出口21から流出して原液収容タンク11内に戻される。このように、原液収容タンク11、加熱蒸発管12、供給配管17および循環配管23により、原液収容タンク11から加熱流路13を介して原液収容タンク11に原液Mを戻すように原液循環流が形成される。
図1に示される加熱蒸発管12は、5つのリング状の電極部材24と、これらの間に配置される円筒部材25とを有している。電極部材24はチタンやステンレス等の導体により形成され、円筒部材25は樹脂等の絶縁部材により形成されている。加熱流路13内の原液Mの流れる方向に隣り合う2つの電極部材24は対を成しており、加熱蒸発管12は4対の電極部材24を有している。下端部の電極部材24には流入側の継手部26が取り付けられ、上端部の電極部材24には流出側の継手部27が取り付けられている。継手部26には流入口15が設けられ、継手部27には原液流出口21が設けられている。
それぞれの電極部材24には、対をなす2つの電極部材24が逆極性となるように、電源ユニット28から高周波電流が供給される。加熱蒸発管12を構成する電極部材24の数は、5つに限られることなく、複数であれば任意の数とすることができる。また、電極部材24はリング状に限られず、板状の電極部材とすることができる。なお、図1においては、供給配管17および循環配管23は便宜的に線で表されているが、加熱流路13と同様の内径を有する管状の部材により形成されている。図1においては、加熱蒸発管12はほぼ垂直方向になって示されているが、加熱蒸発管12は傾斜させて配置するようにしても良い。
原液収容タンク11に原液Mが収容された状態のもとで、ポンプ18を駆動すると、原液Mは供給配管17を通って加熱蒸発管12の流入口15から加熱流路13に流入する。加熱流路13に流入した原液Mは、液面Sが原液流出口21よりも高い位置となるように保持され、原液流出口21から循環配管23に流入する。これにより、原液Mは原液収容タンク11に戻される。このようにして、加熱流路13を原液Mが循環している状態つまり循環工程のもとで、電源ユニット28から電極部材24に電力が供給される。電源ユニット28は、対をなす2つの電極部材24の一方に接続される低電位側の共通端子COMと、他方に接続される高電位側の出力端子Hiとを有しており、電源ユニット28からは高周波電流が電極部材対に印加される。対をなす電極部材24の間の原液Mに電流が流れると、原液Mにはジュール熱が発生し、ジュール熱により原液Mを加熱する発熱工程が実行される。加熱蒸発管12内の原液Mが加熱されると、原液Mは原液収容タンク11に戻されて原液収容タンク11内を循環するので、原液収容タンク11内の原液Mの温度も高められる。これにより、循環している原液Mから溶媒の蒸気成分が発生する。
加熱蒸発管12内で発生した蒸気成分が原液流出口21から循環配管23内に入り込まないように、加熱蒸発管12内の原液Mの液面Sよりも低い位置に原液流出口21が設けられている。さらに、上側部が液面Sとほぼ同一かそれよりも高い位置となる屈曲部29が循環配管23に設けられており、循環配管23はその内部に加熱流路13内の気体が流入しないように水封状態となっている。
循環している原液Mから発生した蒸気成分を外部に排出するために、蒸気取出し管31が原液収容タンク11の上部に設けられており、原液収容タンク11内で発生した蒸気成分は蒸気取出し管31により外部に排出される。さらに、加熱蒸発管12内で原液Mから分離して発生された蒸気成分を外部に排出するために、加熱蒸発管12の蒸気流出口32には蒸気取出し管33が接続されており、この蒸気取出し管33は蒸気取出し管31に接続されている。蒸気取出し管31に吸引ポンプ34を接続すると、原液Mの循環流路内における圧力を大気圧以下に設定することができる。
循環配管23には、その内部を循環する原液Mを外部から目視するために、透明性を有するサイトガラス35が設けられている。また、供給配管17内を流れる原液Mのサンプルを抽出するために、供給配管17にはサンプル取出し弁36が設けられ、循環配管23の内部を流れる原液Mのサンプルを抽出するために、循環配管23にはサンプル取出し弁37が設けられている。原液Mの溶媒が蒸発されて濃縮作業が終了した後に、原液収容タンク11内の残渣を外部に排出するために、供給配管17には三方弁38が設けられている。ただし、原液収容タンク11の上面から残渣を排出するようにしても良い。
原液収容タンク11は保温ジャケット41により保温されており、保温ジャケット41内には温水供給管42から温水が供給され、温水排出管43から外部に排出される。これにより、保温ジャケット41内の温水は一定の温度に保持される。
原液Mを加熱するために、加熱容器の外側を加熱することなく、ジュール熱により原液Mを発熱させて加熱するようにしたので、加熱蒸発管12の内壁面にスケールが付着することがなく、加熱蒸発管12の定期的な洗浄処理を容易に行うことができる。
原液Mは原液収容タンク11と加熱蒸発管12とを循環しており、原液収容タンク11において発生した蒸気は蒸気取出し管31により外部に排出され、加熱蒸発管12において発生した蒸気は蒸気取出し管33により外部に排出される。このように、原液Mを循環させて溶媒成分を蒸発させることにより、液体を濃縮するので、濃縮効率を高めることができる。図1に示されるように、吸引ポンプ34により加熱流路13および原液収容タンク11内を大気圧以下に減圧すると、溶媒成分をより効率的に蒸気させることができ、濃縮効率をより高めることができる。
図2は図1に示された電源ユニットを示すブロック図である。電源ユニット28は、一次側コイルと二次側コイルとを備えた出力トランス51とタップ切換機52とを有している。出力トランス51の二次側コイルは、低電位側の給電タップV0と、出力電圧が相違する複数の高電位側の給電タップV1~V4とを備えている。タップ切換機52は、出力トランス51の低電位側の給電タップV0に接続される共通端子COMと、全ての高電位側の給電タップV1~V4に接続される高電位側の出力端子Hiとを有している。相互に対をなす2種類の電極部材24のうちの一方に低電位側の共通端子COMを接続し、他方に逆極性の高電位側の出力端子Hiを接続すると、出力トランス51からは、電極対の間の原液Mに電流が印加される。電極対に高周波電流を供給するために、商用電源の交流を直流に整流した後にインバータにより、例えば、20kHzの高周波に変換される。
タップ切換機52は、それぞれの給電タップV1~V4を出力端子Hiに接続する出力配線に、リレー等からなるスイッチ53~56が設けられている。したがって、1つのスイッチ53をオンとして、他のスイッチをオフにすると、出力端子Hiには給電タップV4に接続される。他の給電タップについても同様である。それぞれのスイッチ53~56は、コントローラ60からの切換信号により切換制御される。
コントローラ60には、加熱蒸発管12に供給される原液Mの導電率を検出するための導電率センサ61からの検出信号と、電極部材24に流れる電流を検出する電流センサからの検出信号とが送られるようになっている。さらに、加熱蒸発管12に供給される原液Mの温度を検出する温度センサ63からの検出信号がコントローラ60に送られるようになっている。
原液Mは、温度が上昇すると、導電率が高くなって電気が流れ易くなる。原液Mを循環させることにより、時間の経過に伴って循環回数が増加すると、流入口15から加熱流路13に供給される原液Mの温度は高まってくる。したがって、加熱蒸発処理の時間が経過して導電率が高くなると、原液Mを電流が流れ易くなって電流が高くなる。
加熱開始から加熱終了まで、常に特定の1つの給電タップを電極部材に接続して原液Mを加熱すると、電源ユニット28から電極部材24に流れる電流は、出力トランス51の設定最大電力Wmaxのときの電流つまり最大電流を超えないように設定される。このため、原液Mの温度上昇により原液Mを流れる電流が最大電流値まで高くなると、電流値はそれ以上高くならない。したがって、常に特定の1つの給電タップを電極部材に接続する方式では、原液Mを循環させてジュール加熱する場合には、加熱効率を高めることができない。
そこで、原液Mを循環させる場合には、効率的に加熱処理を行うために、原液の導電率が高くなって、原液Mを流れる電流が高くなったら、電圧が低い給電タップに切り換えて、原液Mを流れる電流を高くするように制御する。電圧を低下させて出力トランス51の設定最大電力Wmaxを出力させると、原液に供給される電流を高めることができる。これにより、迅速に原液Mの温度を高めることができる。
例えば、図2に示される出力トランス51の設定最大電力Wmaxを70kWとし、高電位側の給電タップV4の電圧が2500V、給電タップV3の電圧が1900V、給電タップV2の電圧が1400V、給電タップV1の電圧が1000Vであるとする。この場合には、2500Vの給電タップV4がオンされているときには、原液Mに流れる最大電流は28Aであり、給電タップV3がオンされているときには、原液Mに流れる最大電流は36.8Aである。さらに、給電タップV2がオンされているときには、原液Mに流れる最大電流は50Aであり、給電タップV1がオンされているときには、原液Mに流れる最大電流は70Aである。
この出力トランス51の場合には、スイッチ53がオンされ、他のスイッチがオフとなっているときには、出力トランス51の給電タップV4から最大電流が28Aを超えないように電極部材24に電力が印加される。原液Mの加熱開始から加熱終了まで、給電タップV4から電圧を印加させるようにすると、最大電流は28Aを超えないようになっており、原液Mの温度が高められて導電率が高くなっても、最大電流である28Aが保持される。しかし、この電流を流し続けるようにすると、目標温度にまで加熱するには時間がかかってしまう。このように、導電率が高くなっても、電流値が28Aよりも高められないと、原液Mを効率的に加熱することができなくなる。
そこで、本発明においては、電流値が2500Vのときの最大電流28Aに所定範囲まで近づくか到達したら、出力トランス51の出力電圧が自動的に低下される。例えば、原液Mの導電率が加熱初期よりも高くなったら出力電圧が1900Vにまで低下される。設定最大電力が70kWの出力トランス51の場合には、出力電圧が1900Vであれば、最大電流36.8Aを流すことができる。
このように、給電タップV4がオンされて、給電タップV4の最大電流が28Aであるときに、電流値が28Aに所定範囲まで近づくか到達したら、給電タップV4をオフにして給電タップV3をオンに切り換えて電圧を1900Vに設定する。これにより、最大電流を36.8Aまで高めることができる。同様にして、原液Mの温度上昇に起因した導電率の上昇に伴って、順次、給電タップV2、給電タップV1に切り換える。これにより、原液Mに給電される電流値を高めることができるので、出力トランス51からは設定最大電力を原液Mに供給することができ、短時間で迅速に原液を加熱することができ、濃縮効率を高めることができる。
原液Mの種類によっては、給電タップV4から給電タップV1まで切り換えることなく、給電タップV3または給電タップV2まで切り換えることにより、原液Mを目標温度まで加熱濃縮する。
図3は、図2に示した出力トランス51の給電タップを給電タップV4~V1に切り換えた場合における出力トランスの出力電圧と出力電流の変化を示す特性線図である。
設定最大電力Wmaxが70kWの場合には、給電タップV4がオンされて原液Mを加熱しているときに、原液Mの温度が上昇して導電率が高くなって電流値が2500Vのときの上限値である28Aに近づくか到達したら、タップ切換機52により、給電タップV4がオフされて給電タップV3がオンされる。これにより、最大電流値が36.8Aに近づくまで、電流値を高めることができる。同様に、原液Mの温度がさらに高まって電流値が1900Vのときの上限値である36.8Aに近づくか到達したら、タップ切換機52により、給電タップV3がオフされて給電タップV2がオンされる。これにより、最大電流値が50Aに近づくまで、電流値を高めることができる。さらに、電流値が1400Vのときの上限値である50Aに近づくか到達したら、給電タップV2がオフされて給電タップV1がオンされる。これにより、最大電流値が70Aに近づくまで、電流値を高めることができる。
加熱開始から加熱終了まで、常に特定の1つの給電タップを電極部材に接続して原液Mを加熱すると、印加電圧に応じた設定最大電力となる電流値を超えずにその電流値が維持される。このため、原液Mの加熱に時間がかかってしまう。これに対して、設定最大電力Wmaxが出力されるように、導電率に応じて電圧を低下させると、低下された電圧に見合うように電流値が高められるので、原液Mをジュール熱により効率的に加熱させることができる。
図2に示されるように、導電率センサ61からの検出信号に基づいてタップ切換機52を切換制御する形態においては、原液Mの導電率に応じて電圧が切り換えられる。例えば、加熱初期にスイッチ53がオンされているときに、原液Mの導電率が高くなったことが検出されたら、コントローラ60からの信号により、タップ切換機52のスイッチ54がオンに切り換えられ、他のスイッチはオフに設定される。このように、給電タップV4の電圧とその電圧に応じた出力電流とからなる最大電力が出力トランス51の設定最大電力に近づいたときには、タップ切換機52は、低い電圧の給電タップV3に切り換えられる。導電率の上昇に伴って、タップ切換機52により、順次、スイッチのオンオフが制御されて、電圧が低下されるので、原液Mに供給される電流値を高めることができる。
コントローラ60は、センサからの検出信号に基づいてタップ切換機52に対する制御信号を演算するマイクロプロセッサ、および制御プログラム、マップデータおよび演算式等が格納されるメモリを備えている。導電率センサ61からの検出信号に基づいてタップ切換機52を制御する形態においては、原液Mの導電率の範囲と導電率に応じた電圧値との関係を示すマップデータや演算式がコントローラ60に格納されている。格納されたデータや演算式に基づいてタップ切換機52のスイッチのオンオフが制御される。
原液Mの導電率が変化すると、電極部材24に流れる電流も変化するので、電流センサ62からの検出信号に基づいて、タップ切換機52を制御することも可能である。その場合にも、上述した導電率センサ61からの信号によりタップ切換機52を制御した場合と同様に、電流値の上昇に伴ってタップ切換機52が制御され、低い電圧の給電タップが電極部材に接続される。
上述のように、タップ切換機52の制御形態としては、導電率センサ61の検出信号に基づいて制御する形態と、電流センサ62の検出信号に基づいて制御する形態とがあり、いずれでも適用可能である。ただし、両方のセンサからの検出信号に基づいてタップ切換機52を制御するようにし、両方のセンサからの検出信号がそれぞれ出力トランス51の設定最大電力に近づいたときに、スイッチ53~56を切り換えるようにしても良い。さらに、いずれか一方のセンサからの検出信号が出力トランス51の設定最大電力に近づいたときに、スイッチ53~56を切り換えるようにしても良い。
導電率は原液Mの温度よって変化するので、導電率を直接検出することなく、温度センサ63により原液Mの温度を検出し、温度を導電率に換算して給電タップの切換を行うようにしても良い。この場合にも、温度センサ63を導電率センサ61と電流センサ62と併用しても良く、温度センサ63のみからの信号により、スイッチ53~56の切換を制御するようにしても良い。
次に、上述した循環式加熱機10を用いて原液Mの溶媒を蒸発させて原液を濃縮する手順について説明する。
例えば、この循環式加熱機10によりジュースやスープなどの流動性を有する飲食物を濃縮する場合には、被濃縮液である原液Mが原液収容タンク11に供給される。原液収容タンク11内に所定量の原液Mが収容された状態のもとで、ポンプ18が駆動される。ポンプ18の駆動により、原液Mは加熱蒸発管12の下端部から加熱流路13に供給されて、内部を上方に向けて流れる。加熱流路13内を原液流出口21まで到達した原液Mは、循環配管23に案内されて原液収容タンク11に戻される。このようにして循環工程が実行され、加熱蒸発管12の内部には原液収容タンク11内の原液Mが循環して供給される。
原液Mが循環している状態のもとで、電源ユニット28から電極部材24に電力を供給する。これにより、対をなす電極部材24から原液Mには電流が流れて、循環流にジュール熱が発生する。この発熱工程により原液Mが加熱されて、原液の溶媒が蒸発する。循環流を蒸発させるようにしたので、大型の加熱釜を用いることなく、小型の加熱蒸発管12により原液収容タンク11内の原液を濃縮することができる。
上述のように、循環式加熱機10においては、ジュール熱により原液Mを加熱すようにしたので、原液に含まれる溶媒の沸点温度に原液Mを調整することができ、効率的に液体を濃縮することができる。
出力トランス51としては、出力が70kWのみならず、25kW~150kW程度の出力のものが使用することができ、出力トランス51の持っている最大出力を設定最大電力Wmaxとしても良く、出力トランス51の持っている最大出力の80%程度の出力を設定最大電力Wmaxとしても良い。さらに、設定最大電力の最大電流に到達したら電圧を低下させるようにしても良く、最大電流に所定値の範囲内に近づいたら電圧を低下させるようにしても良い。
図4(A)は加熱蒸発管12の変形例を示す縦断面図であり、図4(B)は図4(A)におけるB-B線断面図である。
この加熱蒸発管12は、絶縁性材料からなる横断面が四角形の管部材45を有し、管部材45は断面がU字形状の2つの管部材片45a、45bを突き当てることにより形成される。管部材45の内面には相互に対向して2つの板状の電極部材24が対となって取り付けられており、一方の電極部材24は電源ユニット28の共通端子COMに接続され、他方の電極部材24は電源ユニット28の高電位側の出力端子Hiに接続される。
管部材45の一端部には流入口15を備えた継手部26が一体に設けられ、他端部には原液流出口21を備えた継手部27が一体に設けられている。このように、対をなす電極部材24が設けられる加熱蒸発管12としては、図1に示すように、リング状の電極部材24としても良く、図3に示すように板状の電極部材24としても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、循環式加熱機10によって、ジュースやスープ等の流動性飲食物を濃縮する場合について説明したが、廃液を濃縮する場合や生薬や漢方薬を煎じるためにもこの循環式加熱機10を使用することができ、さらには、蒸発成分を凝縮させるようにした蒸留酒を製造するためにもこの循環式加熱機10を使用することができる。
10 循環式加熱機
11 原液収容タンク
12 加熱蒸発管
13 加熱流路
14 注入配管
17 供給配管
21 原液流出口
22 循環口
23 循環配管
24 電極部材
28 電源ユニット
31、33 蒸気取出し管
34 吸引ポンプ
51 出力トランス
52 タップ切換機
53~56 スイッチ
60 コントローラ

Claims (5)

  1. 原液を収容する原液収容タンクに接続された供給配管が下端部に接続され、前記原液収容タンクから供給された原液を加熱流路搬送しながら原液から蒸発成分を発生させる加熱蒸発管と、
    前記加熱蒸発管の上端部の原液の液面よりも低い位置に設けられた原液流出口と前記原液収容タンクとの間に接続され、前記加熱蒸発管により加熱された原液を前記原液収容タンクに戻す循環配管と、
    原液から発生した蒸気を外部に排出する蒸気取出管と、
    前記加熱蒸発管に対をなして設けられ、前記加熱流路を流れる原液に電源ユニットからの電流を供給してジュール熱を発生させる電極部材と、を有し、
    前記電源ユニットは、
    電圧の相違した出力電圧を出力する複数の給電タップを備えた出力トランスと、
    複数の前記給電タップのいずれか1つをオンに切り換えて電力を前記電極部材に出力するタップ切換機と、
    原液を流れる電流がオン状態の給電タップの設定最大電力における最大電流に近づいたら、電流を高めるように出力電圧か低い給電タップに切り換えるように前記タップ切換機を制御するコントローラと、を有し、
    前記ジュール熱により原液から発生した蒸気成分を前記蒸気取出し管に排出する、循環式加熱機
  2. 請求項1記載の循環式加熱機において、
    前記原液の導電率を検出する導電率センサを有し、原液の導電率に基づいて原液を流れる電流を演算し、前記タップ切換機を制御する、循環式加熱機。
  3. 請求項1記載の循環式加熱機において、
    前記原液の温度を検出する温度センサを有し、原液の温度に基づいて原液を流れる電流を演算し、前記タップ切換機を制御する、循環式加熱機。
  4. 請求項1記載の循環式加熱機において、
    前記加熱蒸発管の上端部の原液の液面と同一かそれよりも高い位置となる屈曲部を前記循環配管に設けた、循環式加熱機。
  5. 請求項1記載の循環式加熱機において、
    吸引ポンプを前記蒸気取出し管に接続し、前記加熱流路内の圧力を大気圧以下に設定する、循環式加熱機。
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