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JP7283253B2 - 生物処理装置の運転方法 - Google Patents
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Description

本発明は、有機性排水をガス溶解膜を用いて生物処理する生物処理装置の運転方法に係り、特にガス溶解膜に酸素含有ガスを通気して膜を通じて酸素を供給することで好気性生物処理を行う生物処理装置や、ガス溶解膜にメタン含有ガスを通気して膜を通じてメタンを供給することで生物脱窒処理を行う生物処理装置に適用するのに好適な生物処理装置の運転方法に関する。
好気性生物処理方法は安価であるため有機性廃水の処理法として多用されている。本方法では、被処理水への酸素の溶解が必要であり、通常は散気管による曝気が行われている。
散気管による曝気は溶解効率が5~20%程度と低い。また、散気管の設置される水深にかかる水圧以上の圧力で曝気することが必要であり、高圧で多量の空気を送風するため、ブロワの電力費が高い。通常は、好気性生物処理における電力費の2/3以上が酸素溶解のために使用されている。
中空糸膜の外側に生物膜を付着させ、内側から酸素を供給することで好気性生物処理を行うメンブレンエアレーションバイオリアクター(MABR)は、気泡の発生なしで酸素溶解できる。MABRでは、水深にかかる水圧よりも低い圧力の空気を通気すればよいため、ブロワの必要圧力が低く、また、酸素の溶解効率が高い。
中空糸膜を用いたMABR型排水処理装置では、膜の内側に凝縮水が発生し、空気の流れを妨げる。これにより、十分な酸素(もしくはメタンなど)が反応槽内に溶解しない現象が生じる。特に比表面積の大きな細い膜は毛細管現象などにより、凝縮水の除去が難しい。
通常、凝縮水は連続的に発生するため、定期的に水抜きを実施して凝縮水を排除する必要がある。
上記課題は好気性生物処理に限らず、反応槽内に浸漬したガス溶解膜を通じて生物処理に使用される電子伝達体(電子供与体、電子受容体)を供給する方式の生物処理に共通の課題である。
特許文献2には、酸素透過中空糸膜を上下方向に配設し、酸素含有ガスを上向きに流し、凝縮水を蒸発し易くした好気性生物処理装置が記載されている。
特開2006-87310号公報 特開2018-89564号公報
本発明はガス溶解膜内から凝縮水が容易に排出され、高いガス溶解効率を長期間維持することができる生物処理装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の生物処理装置の運転方法は、有機性排水が通水される反応槽と、該反応槽内に設置されたガス溶解膜モジュールと、該ガス溶解膜モジュールに気体状の電子伝達体を含有する電子伝達体含有ガスを供給するガス供給手段と、ガス溶解膜に溶解しなかったガスを該ガス溶解膜モジュールから反応槽外に排出する排ガス配管とを備えてなる生物処理装置の運転方法において、電子伝達体含有ガスの供給量を通常運転時よりも増加させて凝縮水をガス溶解膜モジュール外に排出する凝縮水排出工程を行うことを特徴とする。
本発明の一態様では、前記ガス供給手段はブロワを備えており、前記凝縮水排出工程では該ブロワの送風量を通常運転時よりも増大させる。
本発明の一態様では、前記反応槽内に前記ガス溶解膜モジュールが複数設置されており、前記ガス供給手段は、前記凝縮水排出工程では、一部のガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を減少させるか又は電子伝達体含有ガス供給を停止することにより、他のガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を増加させて該他のガス溶解膜モジュールについて凝縮水排出を行う。
本発明の一態様では、前記電子伝達体含有ガス供給量を減少させるか又は停止するガス溶解膜モジュールを順次に切り替える。
本発明の一態様では、前記凝縮水排出工程を行うガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を、通常運転時の電子伝達体含有ガス供給量の2~20倍とする。
本発明の一態様では、前記通常運転時に前記ガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給圧力が所定値よりも高くなったときに前記凝縮水排出工程を行う。
本発明の生物処理装置の運転方法では、ガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を増加させて凝縮水を排出する凝縮水排出工程を行うので、ガス溶解膜から凝縮水が速やかに反応槽外へ排出される。そのため、ガス溶解膜の電子伝達体溶解効率を常に高く維持することができる。
実施の形態に係る生物処理装置の縦断面図である。 実験結果を示すグラフである。 実施の形態に用いた生物処理装置の縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明についてさらに詳細に説明する。
図1は実施の形態に係る好気性生物処理装置10の縦断面図である。この好気性生物処理装置10は、反応槽(槽体)11と、該反応槽11内に配置された複数の酸素溶解膜モジュール(ガス溶解膜モジュールに相当)1,2,3,4を備えている。
各酸素溶解膜モジュール1~4には、ブロワ12から酸素含有ガス(電子伝達体含有ガスに相当)として空気が配管13、該配管13から分岐した配管21,22,23,24及びバルブ31,32,33,34を介して供給される。酸素溶解膜モジュール1~4を通過した排ガスは、配管41,42,43,44及び合流配管45(排ガス配管に相当)を介して反応槽11外に流出する。
図1では、反応槽11に流動床担体を充填しておらず、酸素溶解膜はMABRとして作用する。即ち、酸素溶解膜の表面に生物膜が付着して酸素溶解膜の一次側から溶解・供給された酸素が二次側の生物膜に消費されて好気性生物処理が行われる。ただし、反応槽11に流動床担体を充填して、酸素溶解膜の表面への生物膜の付着を担体の流動による剪断力によって抑制して生物膜の大部分が流動床担体に付着するようにしてもよく、このとき、酸素溶解膜は酸素供給の目的のみに用いられる。
図1では、酸素溶解膜として非多孔質(ノンポーラス)の酸素溶解膜を用い、酸素含有気体をブロワ12から配管13,21~24を通じて酸素溶解膜の一次側に通気して、排気は配管41~45を通じて槽外に排出するように構成している。そのため、酸素含有気体を、低圧で酸素溶解膜に通気し、酸素を酸素分子として酸素溶解膜の構成原子の間を通過し(膜に浸透し)、酸素分子として被処理水と接触させる(水に直接溶解させるので気泡を生じない)という、いわば濃度勾配による分子拡散のメカニズムを用いた処理を行っているため、従来のように散気管などによる散気が不要となる。
また酸素溶解膜として疎水性の素材を用いると膜中に浸水しづらいので好ましいが、疎水性であっても微量の浸水は免れないので本発明の使用が好ましい。
この酸素溶解膜モジュール1~4は酸素溶解膜として中空糸膜を用いたものであってもよい。特に、内径0.1~2mmの中空糸で構成されるとき本発明の課題が顕著となる。中空糸膜は上下方向に配列され、各中空糸膜の上端は上部ヘッダーに連なり、下端は下部ヘッダーに連なり、中空糸膜の内部は、それぞれ上部ヘッダー及び下部ヘッダー内に連通した構成とすることが好ましい。
酸素溶解膜モジュール1~4の上部に供給された空気等の酸素含有ガスは上部ヘッダーから中空糸膜を通って下部ヘッダーへ流れ、この間に酸素が中空糸膜を透過して反応槽11内の水に溶解する。
図1の実施の形態では、酸素溶解膜モジュール1~4が並列に設置されており、通常運転時には、ブロワ12により給気された空気が各酸素溶解膜モジュール1~4に均等に供給される。反応槽11に被処理水(有機性排水)が供給され、好気性生物処理された処理水が反応槽11から流出する。
凝縮水排出工程を行うときには、バルブ31~34のうち一部のものを閉じ、該一部のバルブが連なる酸素溶解膜モジュールへの空気供給を停止し、他の酸素溶解膜モジュールへの空気供給量を増大させる。
本発明では、凝縮水排出工程における空気供給量は、通常運転時の2倍以上、特に2~20倍とりわけ2~5以上であることが好ましい。空気供給量を2倍とするときには、例えばまずバルブ31,32を閉じてバルブ33,34は開のままとすることで、酸素溶解膜モジュール3,4への空気供給量を通常運転時の2倍とする。所定時間この状態とした後、バルブ33,34を閉じ、バルブ31,32を開とすることで、酸素溶解膜モジュール1,2への空気供給量を通常運転時の2倍とする。所定時間経過後、すべてのバルブ31~34を開とし、通常運転に復帰する。
凝縮水排出工程の空気供給量を通常運転時の4倍とするときには、例えばバルブ31のみを開とし、他のバルブ32~34を閉とすることで、酸素溶解膜モジュール1への空気供給量を通常運転時の4倍とする。順次にバルブ32のみ、33のみ、34のみを開とし、酸素溶解膜モジュール2,3,4での凝縮水排出を行う。
図1では4個の酸素溶解膜モジュール1~4が並列設置されているが、酸素溶解膜モジュールの設置数は任意である。ただし、本実施形態のようにバルブ開閉によって空気供給量を切り替える場合は酸素溶解膜モジュールの設置数は2以上である必要がある。
凝縮水排出工程は、定期的に行ってもよく、配管13における空気供給圧力が所定圧力よりも高くなったとき(例えば通常運転時の圧力の1.2倍以上になったとき)又は空気供給量が所定量よりも少なくなったときに行うようにしてもよい。
凝縮水排出は、通常、1~2週間に1回程度の頻度で、1個の酸素溶解膜モジュールにつき1回の凝縮水排出を1~30分程度行えば十分である。
<推定される作用機構>
酸素溶解膜モジュールを浸漬した反応槽で長期間継続運転する場合に、本発明に従った凝縮水排出を実施しなかった場合と、本発明に従った凝縮水排出を定期的に実施した場合の酸素溶解膜モジュール内圧(通気圧損)の経時変化の一例を図2に示す。
凝縮水の排出を行わない場合は、凝縮水の蓄積により閉塞する中空糸の本数が徐々に増えていき、それに伴って、酸素溶解膜モジュールの通気抵抗が高くなるため、内圧が徐々に高くなるものと推定される(図2の△)。
一方、凝縮水を排出することにより、閉塞している中空糸の本数が減少し、酸素溶解膜モジュールの内圧が所定値以下まで低下すると推定される。この凝縮水の排出を定期的に行うことにより、酸素溶解膜モジュールの内圧を長期的に所定値以下に維持することができ、安定した酸素供給が可能となる(図2の○)。
上記説明では、バルブ31~34を開閉切替作動させているが、閉動作の代りに、開度を絞る操作を行うことによって他の酸素溶解膜モジュールへの空気供給量を増加させるようにしてもよい。
また、バルブを開閉(又は開度調整)する代りに、ブロワの出力を上げるか稼働台数を増やすことで供給風量を増大させることにより凝縮水排出を行ってもよい。ブロワ風量増大とバルブ操作とを組み合わせてもよい。
凝縮水排出工程を行うときには、被処理水の流入量を減少させることが好ましいが、凝縮水排出工程が短時間であれば減少させなくてもよく、また凝縮水排出工程が長時間であれば被処理水流入を停止してもよい。
本実施形態では好気性生物処理について説明したが、これに限らず、生物処理反応槽内に浸漬したガス溶解膜を通じて生物処理に使用される電子伝達体が供給される方式の生物処理であれば本発明を好適に用いることができる。
例えば、本実施形態は電子供与体として酸素を供給するために酸素含有ガスである空気を通気して好気性生物処理を行うものであるが、電子受容体としてメタンを供給するためにメタンガスを通気して生物脱窒処理を行うものであってもよい。
なお、ガス溶解膜を用いる方式では、電子伝達体(電子供与体や電子受容体)が気体状である必要があり、またガス溶解膜の表面から内部へ分子拡散しうる物質である必要がある。
[実施例1]
図3に示す、25℃の純水を満たした200L反応槽51に酸素溶解膜モジュール52を浸漬配置した試験装置を作製した。配管53から酸素溶解膜モジュール52に空気を一定流量で通気し、排ガスを配管54から流出させた。空気流量及び圧力は流量計55、圧力計56で検出した。
1週間に1回、1回当り10分間、通気量を2倍に調整して凝縮水を排出するようにした。酸素溶解膜入口側の圧力P(圧力計56検出値)は当初10kPaであった。
2週間通常の運転を行ったところ、酸素溶解膜入口側の圧力P(圧力計56検出値)は約30kPaまで上昇した。そこで、通常運転の3倍の通気量で10分間通気し、その後初期の通気量に戻した。これにより、酸素溶解膜入口側の圧力P(圧力計56検出値)は約10kPaまで低下した。
以上の通り、本発明に従って凝縮水排出工程を行うことにより、通気圧力損失が低下し、高い酸素溶解効率が維持されることが認められた。
1~4、52 酸素溶解膜モジュール
11 反応槽
31~34 バルブ

Claims (4)

  1. 有機性排水が通水される反応槽と、
    該反応槽内に設置されたガス溶解膜モジュールと、
    該ガス溶解膜モジュールに気体状の電子伝達体を含有する電子伝達体含有ガスを供給するガス供給手段と、
    ガス溶解膜に溶解しなかったガスを該ガス溶解膜モジュールから反応槽外に排出する排ガス配管と
    を備えてなる生物処理装置の運転方法において、
    電子伝達体含有ガスの供給量を通常運転時よりも増加させて凝縮水をガス溶解膜モジュール外に排出する凝縮水排出工程を行う生物処理装置の運転方法であって、
    前記反応槽内に前記ガス溶解膜モジュールが複数設置されており、
    前記ガス供給手段は、前記凝縮水排出工程では、一部のガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を減少させるか又は電子伝達体含有ガス供給を停止することにより、他のガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を増加させて該他のガス溶解膜モジュールについて凝縮水排出を行うことを特徴とする生物処理装置の運転方法。
  2. 前記電子伝達体含有ガス供給量を減少させるか又は停止するガス溶解膜モジュールを順次に切り替えることを特徴とする請求項に記載の生物処理装置の運転方法。
  3. 前記凝縮水排出工程を行うガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給量を、通常運転時の電子伝達体含有ガス供給量の2~20倍とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の生物処理装置の運転方法。
  4. 前記通常運転時に前記ガス溶解膜モジュールへの電子伝達体含有ガス供給圧力が所定値よりも高くなったときに前記凝縮水排出工程を行うことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の生物処理装置の運転方法。
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