JP7284586B2 - 水系塗料組成物 - Google Patents
水系塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7284586B2 JP7284586B2 JP2019015928A JP2019015928A JP7284586B2 JP 7284586 B2 JP7284586 B2 JP 7284586B2 JP 2019015928 A JP2019015928 A JP 2019015928A JP 2019015928 A JP2019015928 A JP 2019015928A JP 7284586 B2 JP7284586 B2 JP 7284586B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- agent
- mass
- rust inhibitor
- coating composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
近年、このような防食塗料としては、環境面等への配慮による有機溶剤排出規制の強化に伴い、塗料の水性化が進んでおり、バインダー樹脂として水性エマルションや水溶性樹脂などを使用した水を含む塗料(水系塗料)が使用される傾向にある。
特許文献1には、このようなフラッシュラスト抑制剤を用いる水系防食塗料が開示されている。
この特許文献1に記載されているように、フラッシュラスト抑制剤としては、亜硝酸ナトリウムが知られており、特許文献2や3には、このような亜硝酸ナトリウムを用いた水系塗料組成物が開示されている。
また、優れた防食性(防錆性)が求められる場合には、防錆剤が使用されるが、この防錆剤とフラッシュラスト抑制剤との両者を含有する塗料を調製してからある程度の期間経過後に塗装すると、よりフラッシュラストが起こりやすい傾向にあることが分かった。従来、長期貯蔵後であっても、優れた防食性と耐フラッシュラスト性とを同時に満足する塗料は知られていなかった。
また、本発明は、防食性に優れる塗膜を形成可能であり、耐フラッシュラスト性の低下が抑制された水系塗料組成物の製造方法および貯蔵方法を提供することを目的とする。
本発明の構成例は以下の通りである。
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤と、
を含み、
水性樹脂を含む水系塗料組成物。
[4] 前記水系塗料組成物の不揮発分100質量%に対する前記防錆剤の含有量が1~20質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の水系塗料組成物。
[8] 前記第2剤がアミン系化合物を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の水系塗料組成物。
[9] 前記アミン系化合物が水溶性アミン系化合物である、[8]に記載の水系塗料組成物。
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤と、
を含み、
水性樹脂を含む水系塗料組成物用キット。
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤を調製する工程、
前記工程で得られた第1剤と第2剤とをそれぞれ貯蔵する工程、および、
前記貯蔵後の第1剤と第2剤とを混合する工程を含む、
水系塗料組成物(ただし、該水系塗料組成物は水性樹脂を含む。)の製造方法。
前記第2剤に前記防錆剤を配合せず、前記第1剤と第2剤とを接触させないように貯蔵する、
水系塗料組成物の貯蔵方法。
塗装された前記水系塗料組成物を乾燥または硬化させて防食塗膜を形成する工程
を有する防食塗膜付き基材の製造方法。
また、本発明によれば、防食性に優れる塗膜を形成可能であり、耐フラッシュラスト性の低下が抑制された水系塗料組成物を製造することができる。
本発明に係る水系塗料組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、防錆剤(ただし、フラッシュラスト抑制剤を除く。以下同様。)を含有する第1剤と、
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤と、
を含み、水性樹脂を含む。
本発明において、第1剤および第2剤とは、これらの剤を調製した後、本組成物を調製するまでの間貯蔵され得る剤であり、例えば、下記実施例に記載の顔料分散液などは、通常、該分散液を調製した後ほどなくして他の成分と混合するため、本発明における第1剤や第2剤には該当しない。
本組成物の第1剤は、防錆剤を含有すれば特に制限されないが、前記効果を奏する組成物を容易に得ることができる等の点から、防錆剤を含有する液体であることが好ましい。
本組成物は、水性樹脂を含む。該水性樹脂は、第1剤、第2剤およびこれら以外の剤のいずれか1つ以上に含まれていればよいが、より耐フラッシュラスト性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、第1剤に含まれていることが好ましい。つまり、この場合、第1剤は主剤である。
第1剤および第2剤のpHは、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
防錆剤としては、得られる塗膜に良好な防食性を付与することができる成分であれば特に制限されず、従来公知の防錆剤を用いることができる。
本組成物に用いる防錆剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
このような化合物を用いることで、より防食性に優れる塗膜を容易に得ることができる。一方、前記pHが9を超える防錆剤を用いると、得られる第1剤が増粘することがあり、貯蔵安定性が低下する場合がある。
なお、前記分散液のpHは、具体的には、防錆剤5.0gと25℃の水100mlとを5分間沸騰し、冷却した後、不溶分を沈降させることで得られる上澄み液のpHを、公知の方法で測定した値である。
このため、本発明における第2剤は防錆剤を含有しない。
本発明では、フラッシュラスト抑制剤の効果が発揮される前記第2剤が存在するため、第1剤には、フラッシュラスト抑制剤を配合してもよいが、このように第1剤に配合したフラッシュラスト抑制剤の効果は発揮され難いことから、製造容易性、コスト、防食性等の点から、第1剤には、フラッシュラスト抑制剤を配合しないことが好ましい。
このような市販品としては、例えば、リン酸亜鉛系としてLFボウセイPW2(キクチカラー(株)製)、リン酸アルミニウム系としてLFボウセイ PM-303W(キクチカラー(株)製)、トリポリリン酸アルミニウム系化合物としてK-WHTE #140W(テイカ(株)製)が挙げられる。
一方、第1剤中の防錆剤の含有量は、同様の理由から、第1剤の固形分100質量%に対し、好ましくは1~25質量%、より好ましくは3~20質量%である。
このような亜鉛(亜鉛合金)粉末を水系の剤に配合し、貯蔵すると、貯蔵中に水素が生じ得る。本組成物が使用される環境において、溶接が行われることがあり、このように水素が生じると、この溶接の際の火花によって爆発等が起こる場合があるため、貯蔵され得る水系の剤は亜鉛(亜鉛合金)粉末を含有しないことが好ましい。
本組成物が亜鉛(亜鉛合金)粉末を含有する場合、その含有量は、より安全性に優れる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは5質量%以下である。
本組成物は、塗膜形成成分として、水性樹脂を含む。
本組成物に用いる水性樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本発明における「水性樹脂」とは、水または水を主な溶媒もしくは分散媒とする樹脂、または、水と混合可能(水で希釈可能)な樹脂であり、より具体的には、水分散型樹脂、水溶性樹脂および自己乳化性樹脂等が挙げられる。
なお、これらの水性樹脂は、例えば、第1剤中に含まれる他の成分と混合した後において、水性樹脂であったか否かを判断できない場合があるが、このような場合であっても、第1剤等を調製する際の原料として水性樹脂を用いる場合には、本発明では、水性樹脂を含むという。
エポキシ樹脂系エマルションを含む第1剤に、フラッシュラスト抑制剤を配合し、該第1剤を貯蔵した場合、該フラッシュラスト抑制剤が失活する場合があることが分かった。これは、エポキシ樹脂系エマルションに含まれる乳化剤や、エポキシ樹脂に微量含まれる残留塩素による影響であると考えられる。このため、水性樹脂としてエポキシ樹脂系エマルションを用いる場合、本組成物における第1剤にエポキシ樹脂系エマルションを配合することで、長期貯蔵後においてもより良好な耐フラッシュラスト性を有する組成物が得られ、長期防食性により優れる塗膜を形成することができる。
第1剤中の水性樹脂(固形分)の含有量は、同様の理由から、第1剤の固形分100質量%に対し、好ましくは25~55質量%、より好ましくは30~45質量%である。
第1剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、防錆剤およびフラッシュラスト抑制剤以外のその他の顔料、分散剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、湿潤剤、レオロジー添加剤、造膜助剤、表面調整剤、繊維物質、界面活性剤、有機溶剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、pH調整剤、酸化防止剤等を必要に応じて適宜配合してもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
塗膜の強度、防食性、色相等の付与などの点から、前記その他の顔料を用いてもよい。該その他の顔料としては、体質顔料、着色顔料等が挙げられ、有機系、無機系の何れであってもよい。本組成物がその他の顔料を含有する場合、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本組成物は、水を含有することに起因し、冬季に組成物が凍結することがあるため、また、低温下における成膜性や得られる塗膜の仕上がり外観を向上させる等の点から、造膜助剤を含むことが望ましい。
本組成物の第2剤は、フラッシュラスト抑制剤を含有し、防錆剤を含まなければ特に制限されないが、前記効果を奏する組成物を容易に得ることができる等の点から、フラッシュラスト抑制剤を含有し、防錆剤を含まない液体であることが好ましい。
このように、防錆剤を含まないでフラッシュラスト抑制剤を含む剤を用いることで、フラッシュラスト抑制剤の失活が抑制され、長期貯蔵後においても良好な耐フラッシュラスト性を有する組成物が得られる。
アミン系化合物とフラッシュラスト抑制剤とを混合し、貯蔵しても、得られる塗膜の防食性等の性能に悪影響を与えることなく、耐フラッシュラスト性の失活を長期間防ぐことが可能であることが分かった。また、第2剤にアミン系化合物を配合することで、前記pHの第2剤を容易に得ることができるという効果も奏する。
フラッシュラスト抑制剤としては、水系塗料組成物を塗装した際に生じるフラッシュラストを抑制することができる成分であれば特に制限されず、従来公知のフラッシュラスト抑制剤を用いることができる。
本組成物に用いるフラッシュラスト抑制剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
一方、第2剤中のフラッシュラスト抑制剤の含有量は、同様の理由から、第2剤の固形分100質量%に対し、好ましくは0.5~40質量%、より好ましくは1~35質量%である。
前記アミン系化合物としては、三級アミン(3級アミノ基のみを有するアミン化合物)以外のアミン化合物であれば特に制限されないが、1分子中に2個以上のアミノ基を含有するアミン系化合物が挙げられ、脂肪族系、脂環族系、芳香族系、複素環系などのアミン化合物が好ましい。
本組成物に用いるアミン系化合物は、1種でもよく、2種以上でもよい。
この芳香族系アミン化合物として、より具体的には、o-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン(MXDA)、p-キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,4'-ジアミノビフェニル、2,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレン等が挙げられる。
なお、水溶性アミン系化合物とは、25℃で、水30質量%とアミン系化合物70質量%とを混合し、十分撹拌した状態において、外観が透明である化合物のことをいう。
前記乳濁液とは、透明なガラス容器に入れた乳濁液に対し、容器の前面から15cmの距離にあり、かつ、容器に対して正対の位置からレーザーポインター(型式:TLP-3200、アイガーツール社製)を照射した場合に、レーザー光を透過しない状態をいう。
このようなアミン系エマルションとしては市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、「フジキュアー FXS-918-FA」((株)T&K TOKA製)、「EPILINK 701」(Evonik Industries社製)、「ユカレジン HD-03」(吉村油化学(株)製)が挙げられる。
反応比=(アミン系化合物の配合量(固形分)/アミン系化合物の固形分あたりの活性水素当量+エポキシ樹脂に対して反応性を有する成分の配合量(固形分)/エポキシ樹脂に対して反応性を有する成分の固形分あたりの官能基当量)/(エポキシ樹脂の配合量(固形分)/エポキシ樹脂の固形分あたりのエポキシ当量+アミン系化合物に対して反応性を有する成分の配合量(固形分)/アミン系化合物に対して反応性を有する成分の固形分あたりの官能基当量)・・・(1)
第2剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記その他の顔料、硬化触媒、分散剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、湿潤剤、レオロジー添加剤、造膜助剤、表面調整剤、繊維物質、界面活性剤、有機溶剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、pH調整剤、硬化触媒等を必要に応じて適宜配合してもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらのうち、水中において酸性を示す成分を用いることは好ましくない。また、これらその他の成分を用いる場合、得られる第2剤のpHが前記範囲となるように用いることが好ましい。
本発明に係る水系塗料組成物(ただし、該水系塗料組成物は水性樹脂を含む。)の製造方法は、防錆剤を含有する第1剤を調製する工程、
フラッシュラスト抑制剤を含有し、防錆剤を含有しない第2剤を調製する工程、
前記工程で得られた第1剤と第2剤とをそれぞれ貯蔵する工程、および、
前記貯蔵後の第1剤と第2剤とを混合する工程を含む。
また、本発明に係る水系塗料組成物(ただし、該水系塗料組成物は水性樹脂を含む。)の貯蔵方法は、防錆剤を含有する第1剤と、フラッシュラスト抑制剤を含有する第2剤とを含む水系塗料組成物の貯蔵方法であって、
前記第2剤に防錆剤を配合せず、前記第1剤と第2剤とを接触させないように貯蔵することを特徴とする。
前記第1剤および第2剤は、これらの剤に配合する各成分を混合(混練)することで、調製することができ、本組成物は、これら第1剤、第2剤および必要により用いられる他の剤を混合(混練)することで、調製することができる。
この混合(混練)の際には、各成分を一度に添加・混合してもよく、複数回に分けて添加・混合してもよいが、数種類の前記その他の成分を用いる場合には、まず、顔料を含む顔料分散液を調製することが好ましい。なお、混合(混練)の際には、季節、環境等に応じて加温、冷却等しながら行ってもよい。
前記混合(混練)の際には、従来公知の混合機、分散機、攪拌機等を使用でき、例えば、混合・分散ミル、ホモディスパー、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザーが挙げられる。
また、第1剤がエポキシ樹脂を含み、第2剤がアミン系化合物を含む場合、反応比が前記範囲となるように調整して混合(混練)することが好ましい。
前記貯蔵における貯蔵期間は特に制限されないが、通常の販路では、第1剤や第2剤を調製してから30~180日程度でこれらが混合されて水系塗料組成物として塗装されることから、この期間と同程度の貯蔵期間が挙げられる。
本発明に係る防食塗膜の製造方法は、前記本組成物(前記キットから得られる本組成物を含む)を乾燥または硬化する工程を含み、本発明に係る防食塗膜付き基材の製造方法は、基材に、前記本組成物(前記キットから得られる本組成物を含む)を塗装する工程、および、該塗装された本組成物を乾燥または硬化させて防食塗膜を形成する工程を有する。
乾燥または硬化の時間は、塗膜の乾燥方法によって異なり、常温乾燥の場合、通常12~250時間である。
前記塗装は、このような乾燥膜厚の塗膜が得られるように塗装すればよく、この場合、1回の塗装で所望の膜厚を形成(1回塗り)してもよいし、2回以上の塗装(2回以上塗り)で所望の膜厚の塗膜を形成してもよい。
前記基材としては、例えば、船舶、海洋構造物、プラント、橋梁、陸上タンク等の(大型)鉄鋼構造物などが挙げられる。
また、前記基材としては、腐食が生じた防食塗膜付き基材から塗膜を除去した基材を用いてもよい。つまり、本組成物は、腐食が生じた防食塗膜付き基材の、補修塗装するために使用することもできる。
なお、塗装作業の際には、本組成物を水等で適宜希釈して用いてもよい。
<第1剤>
下記表1に示すように、イオン交換水17.57質量部と、レオロジー添加剤(注1)0.6質量部と、分散剤(注2)2質量部と、消泡剤(注3)0.1質量部と、白色顔料(注4)6質量部と、黒色顔料(注5)0.03質量部と、タルク(注6)8.5質量部と、カリ長石(注7)12質量部と、防錆剤1(注8)7質量部とを、ハイスピードディスパーサーを用いて、室温(23℃)で撹拌しながら順に容器に入れ、粒度が50μm以下になるまで撹拌することで、顔料分散液を調製した。
次いで、調製した顔料分散液に、造膜助剤1(注10)2質量部と、エポキシ樹脂エマルション1(注11)44質量部と、消泡剤(注3)0.2質量部とを順に入れ、その後ハイスピードディスパーサーを用いて15分間撹拌することで、第1剤を調製した。
下記表1に示すように、アミン硬化剤1(注13)4質量部と、造膜助剤2(注17)0.8質量部と、イオン交換水1.1質量部と、フラッシュラスト抑制剤(注18)0.1質量部とを、ディスパーを用いて、室温(23℃)で撹拌しながら順に容器に入れ、その後15分間撹拌することで、第2剤を調製した。
調製した第2剤のpHを、前記第1剤と同様にして測定した。結果を表1に示す。
また、前記方法によって調製した第1剤および第2剤それぞれをポリ容器に密閉して、23℃にて3か月間貯蔵した後、これらを表に記載の混合比で混合することで、水系塗料組成物(貯蔵後)を調製した。このようにして調製した各水系塗料組成物は、調製後速やかに下記試験に用いた。
実施例1の第1剤および第2剤を構成する成分の種類および配合量を、下記表1または表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして各水系塗料組成物を調製した。
また、得られた第1剤および第2剤のpHを実施例1と同様にして測定した。結果を表1または2に示す。
[比較例2~9]
顔料分散液を調製する際に、イオン交換水17.57質量部の代わりに、イオン交換水およびフラッシュラスト抑制剤を表2に示す配合量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして各水系塗料組成物を調製した。
また、得られた第1剤および第2剤の25℃におけるpHを実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
なお、表3中の(注8)および(注9)におけるpHの値は、前記防錆剤の欄に記載した方法で測定した値である。
・試験片(1)
JIS G 3101:2010で規定されるSS400の鋼板(150mm×70mm×3.2mm(厚み))を、表面粗さ(RzJIS)が約25μmになるようにブラスト処理したものを基材として使用した。
前記基材の表面に、前記各水系塗料組成物を、得られる塗膜の乾燥膜厚が60μmになるようエアースプレーにて塗装した。塗装直後の水系塗料組成物付き基材を試験片(1)とし、後述する耐フラッシュラスト耐性試験に供試した。結果を表4または5に示す。
前記と同様に作成した試験片(1)上の水系塗料組成物を温度23℃で24時間乾燥することで塗膜を形成した後(この塗膜を形成した面を「試験面」ともいう。)、基材の該塗膜で覆われていない部分(前記試験面の裏面および側面)に、該塗膜を形成するのに用いた塗料と同じ塗料を塗装し、さらに23℃で6日間乾燥させた。
乾燥後、JIS K 5600-7-9:2006の7.5a)の方法にて、試験面に切り込みきずをつけ、試験片(2)とし、後述する耐湿試験、複合サイクル試験および湿潤冷熱繰り返し試験に供試した。結果を表4または5に示す。
プラスチック容器に水を張り、密閉した後、温度23±3℃または40±3℃の条件下に24時間静置した。この容器内に、前記の通り作成した試験片(1)を水に触れないように、また、水系塗料組成物側が上側になるように設置し、再び密閉した。その後23±3℃または40±3℃の条件下でさらに24時間静置した後、以下の基準に従って耐フラッシュラスト性を評価した。
(評価基準)
○:フクレ・錆が見られない
△:試験片の一部にフクレ・錆が見られる
×:試験片の全面にフクレ・錆が見られる
温度50±1℃、相対湿度95%に保たれた耐湿試験機内に、前記の通り作成した試験片(2)を720時間静置した後、試験面の外観を目視にて、以下の基準に従って評価した。なお、切り込みきずから幅3mm以内の範囲は、評価の対象外とした。
(評価基準)
○:フクレ・錆がみられない
△:試験片の一部にフクレ・錆が見られる
×:試験片の全面にフクレ・錆がみられる
JIS K 5551:2008に準拠し、前記の通り作成した試験片(2)を用いて、サイクルDの試験を120サイクル行った。試験後、試験片上に残留した塩分を流水で洗い、2時間静置後、試験面の外観を目視にて、以下の基準にて評価した。なお、切り込みきずから幅4mm以内の範囲は、評価の対象外とした。
(評価基準)
○:フクレ・錆がみられない
△:試験片の一部にフクレ・錆が見られる
×:試験片の全面にフクレ・錆がみられる
JIS K 5659:2008を基に、前記の通り作成した試験片(2)を用いて、下記条件にて防食性の試験を行った。
試験片(2)を23±1℃の水中に18時間浸漬し、該水中から取り出した後、直ちに-20±3℃の恒温機で3時間冷却し、次に50±3℃の恒温機で3時間加温した。この操作を10回繰り返した。試験後、1時間静置後、試験面の外観を目視にて評価し、JIS K 5600-5-6:1999の手法により付着性を以下の基準にて評価した。
(評価基準)
○:塗膜表面にフクレ・割れ・錆が見られず、付着性の分類が0である
△:塗膜表面にフクレ・割れ・錆が見られ、付着性の分類が0~2である
×:塗膜表面にフクレ・割れ・錆が見られ、付着性の分類が3~5である
Claims (13)
- 防錆剤(ただし、フラッシュラスト抑制剤を除く。)および水性樹脂を含有する第1剤と、
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤と、
を含み、
前記水性樹脂としてエポキシ樹脂系エマルションを用い、
前記防錆剤の含有量が、前記第1剤の固形分100質量%に対し、1~20質量%である、
水系塗料組成物。 - 前記フラッシュラスト抑制剤が、亜硝酸塩および安息香酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の水系塗料組成物。
- 前記防錆剤が、リン酸アルミニウム系化合物およびリン酸亜鉛系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の水系塗料組成物。
- 前記水系塗料組成物の不揮発分100質量%に対する前記防錆剤の含有量が1~20質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
- 前記水系塗料組成物の不揮発分100質量%に対する前記フラッシュラスト抑制剤の含有量が0.01~5質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
- 前記防錆剤5.0gを25℃の水100mlに分散させた分散液のpHが9以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
- 前記第2剤がアミン系化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
- 前記アミン系化合物が水溶性アミン系化合物である、請求項7に記載の水系塗料組成物。
- 防錆剤(ただし、フラッシュラスト抑制剤を除く。)および水性樹脂を含有する第1剤と、
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤と、
を含み、
前記水性樹脂としてエポキシ樹脂系エマルションを用い、
前記防錆剤の含有量が、前記第1剤の固形分100質量%に対し、1~20質量%である、
水系塗料組成物用キット。 - 防錆剤(ただし、フラッシュラスト抑制剤を除く。)および水性樹脂を含有する第1剤を調製する工程、
フラッシュラスト抑制剤を含有し、前記防錆剤を含有しない第2剤を調製する工程、
前記工程で得られた第1剤と第2剤とをそれぞれ貯蔵する工程、および、
前記貯蔵後の第1剤と第2剤とを混合する工程を含み、
前記水性樹脂としてエポキシ樹脂系エマルションを用い、
前記防錆剤を、前記第1剤の固形分100質量%に対し、1~20質量%の量で用いる、
水系塗料組成物の製造方法。 - 防錆剤(ただし、フラッシュラスト抑制剤を除く。)および水性樹脂を含有する第1剤と、フラッシュラスト抑制剤を含有する第2剤とを含む水系塗料組成物の貯蔵方法であって、
前記水性樹脂としてエポキシ樹脂系エマルションを用い、
前記防錆剤を、前記第1剤の固形分100質量%に対し、1~20質量%の量で用い、
前記第2剤に前記防錆剤を配合せず、前記第1剤と第2剤とを接触させないように貯蔵する、
水系塗料組成物の貯蔵方法。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載の水系塗料組成物または請求項9に記載のキットから得られる水系塗料組成物を乾燥または硬化する工程を含む、防食塗膜の製造方法。
- 基材に、請求項1~8のいずれか1項に記載の水系塗料組成物または請求項9に記載のキットから得られる水系塗料組成物を塗装する工程、および、
塗装された前記水系塗料組成物を乾燥または硬化させて防食塗膜を形成する工程
を有する防食塗膜付き基材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019015928A JP7284586B2 (ja) | 2019-01-31 | 2019-01-31 | 水系塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019015928A JP7284586B2 (ja) | 2019-01-31 | 2019-01-31 | 水系塗料組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020122114A JP2020122114A (ja) | 2020-08-13 |
| JP7284586B2 true JP7284586B2 (ja) | 2023-05-31 |
Family
ID=71993481
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2019015928A Active JP7284586B2 (ja) | 2019-01-31 | 2019-01-31 | 水系塗料組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7284586B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2021261071A1 (ja) * | 2020-06-22 | 2021-12-30 | 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 | 水性防食塗料組成物 |
| KR102331925B1 (ko) * | 2021-02-19 | 2021-12-01 | (주)삼화피앤씨 | 수용성 에폭시 및 우레탄 도료를 이용한 강재 표면 도료 시공 공법 |
| JP7356175B2 (ja) * | 2021-08-24 | 2023-10-04 | サンノプコ株式会社 | フラッシュラスト防止剤 |
| JP7761439B2 (ja) * | 2021-09-30 | 2025-10-28 | 中国塗料株式会社 | 水系防食塗料組成物 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006257142A (ja) | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Nippon Paint Co Ltd | 二液硬化型水性被覆組成物及び基材 |
| JP2009149791A (ja) | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Kansai Paint Co Ltd | 2液型水性防食塗料及び防食塗装方法 |
| JP2016186021A (ja) | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 大日本塗料株式会社 | 水系エポキシ樹脂塗料組成物、塗装体及び塗装体の製造方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5251498A (en) * | 1975-10-22 | 1977-04-25 | Dainippon Toryo Co Ltd | Corrosionproof aqueous epoxy resin compsoitons containing tannic acid |
| JP2909652B2 (ja) * | 1990-07-25 | 1999-06-23 | 株式会社スリーボンド | 水性防錆塗料組成物 |
| JPH0873776A (ja) * | 1994-08-31 | 1996-03-19 | Shinto Paint Co Ltd | 防食性水系塗料組成物 |
| JP3274401B2 (ja) * | 1997-12-02 | 2002-04-15 | 神東塗料株式会社 | 常温硬化性二液形水系エポキシ樹脂塗料組成物 |
-
2019
- 2019-01-31 JP JP2019015928A patent/JP7284586B2/ja active Active
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006257142A (ja) | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Nippon Paint Co Ltd | 二液硬化型水性被覆組成物及び基材 |
| JP2009149791A (ja) | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Kansai Paint Co Ltd | 2液型水性防食塗料及び防食塗装方法 |
| JP2016186021A (ja) | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 大日本塗料株式会社 | 水系エポキシ樹脂塗料組成物、塗装体及び塗装体の製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2020122114A (ja) | 2020-08-13 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7284586B2 (ja) | 水系塗料組成物 | |
| JP6498618B2 (ja) | 防食塗料組成物、防食塗膜、防食塗膜付き基材及び防食塗膜付き基材の製造方法 | |
| JP7712095B2 (ja) | 防食塗料組成物の製造方法 | |
| CN106118363B (zh) | 水性环氧树脂涂料组合物、防腐蚀涂装方法和涂装体 | |
| EP2414464A1 (en) | Anti-corrosive coating composition | |
| JP2025036478A (ja) | 防食組成物1および防食塗料組成物 | |
| JP6949543B2 (ja) | 防錆塗料組成物 | |
| JP7783703B2 (ja) | 防食塗料組成物 | |
| JP7496241B2 (ja) | 防食塗料組成物 | |
| KR101746954B1 (ko) | Cr-free 에폭시 워시 프라이머 고접착력 방식도료 조성물 및 그 제조방법 | |
| CN111647334A (zh) | 层状鳞片型重防腐涂料及制备方法 | |
| JP7761439B2 (ja) | 水系防食塗料組成物 | |
| JP7216119B2 (ja) | 水系一次防錆塗料組成物およびその用途 | |
| JP7429560B2 (ja) | 防食塗料組成物 | |
| JP7837446B1 (ja) | 水性塗料組成物、塗膜、塗膜付き基材および塗膜付き基材の製造方法 | |
| WO2025121185A1 (ja) | 防食塗料組成物キット、防食塗料組成物の製造方法、防食塗膜、防食塗膜付き基材および防食塗膜付き基材の製造方法 | |
| JP7841164B1 (ja) | 水系塗料組成物キット、水系塗料組成物、塗膜、塗装品、および塗装品の製造方法 | |
| JP2026041070A (ja) | 水系塗料組成物用キット、塗膜、塗膜付き基材および塗膜付き基材の製造方法 | |
| CN107011773A (zh) | 一种高铁车身用水性快干防腐漆 | |
| JP2024171577A (ja) | 防食塗料組成物、防食塗膜、防食塗膜付き基材および防食塗膜付き基材の製造方法 | |
| JP2026016276A (ja) | 塗料組成物、塗膜、塗装品、および塗装品の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211209 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220812 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220927 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221122 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230119 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230425 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230519 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7284586 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |