以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まずは、本発明の基本的な構成について説明する。
(基本的構成)
図1から図6は、本発明の適用例としてのプリント装置の基本的な構成の説明図である。本例のプリント装置は、プリント媒体としてのシートを供給するためのシート供給装置と、そのシートに画像をプリントするプリント部と、を含むインクジェットプリント装置である。尚、説明のために図中に示すように座標軸を設定する。すなわち、ロールRのシート幅方向をX軸方向、後述するプリント部400においてシートが搬送される方向をY軸方向、重力方向をZ軸方向とする。
図1のように、本例のプリント装置100には、長尺の連続シート(ウェブと呼ぶこともある)であるシート1をロール状に巻回したロールR(ロールシート)を上段と下段の2カ所のロール保持部にそれぞれセットすることが可能である。それらのロールRから選択的に引き出されたシート1に画像がプリントされる。ユーザは、操作パネル28に備わる各種のスイッチなどを用いて、シート1のサイズ指定、オンライン/オフラインの切り換えなど、プリント装置100に対する各種コマンドなどを入力することができる。
図2は、プリント装置100の要部の概略断面図である。2本のロールRに対応する2つのシート供給装置200が上下に配備されている。供給装置200によってロールRから引き出されたシート1は、シート搬送部(搬送機構)300によって、シート搬送経路に沿って画像をプリント可能なプリント部400に搬送される。プリント部400は、インクジェット式のプリントヘッド18からインクを吐出することによって、シート1に画像をプリントする。プリントヘッド18は、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクを吐出する。プリントヘッド18はインクジェット方式のみに限定されず、またプリント部400のプリント方式も限定されず、例えば、シリアルスキャン方式あるいはフルライン方式などであってもよい。シリアルスキャン方式の場合には、シート1の搬送動作と、シート1の搬送方向と交差する方向におけるプリントヘッド18の走査と、を伴って画像をプリントする。フルライン方式の場合には、シート1の搬送方向と交差する方向に延在する長尺なプリントヘッド18を用い、シート1を連続的に搬送しつつ画像をプリントする。
ロールRは、その中空穴部にスプール部材2が挿入された状態で供給装置200のロール保持部にセットされ、そのスプール部材2がロール駆動用のモータ33(図5参照)によって正転および逆転駆動される。供給装置200には、後述するように、駆動部3、アーム部材(移動体)4、アーム回転軸5、センサユニット6、揺動部材7、従動回転体(接触体)8,9、分離フラッパー(上側ガイド体)10、およびフラッパー回転軸11が備えられている。
搬送ガイド12は、供給装置200から引き出されるシート1の表裏面をガイドしつつ、そのシート1をプリント部400へ導く。搬送ローラ14は、後述する搬送ローラ駆動用のモータ35(図5参照)によって、矢印D1,D2方向に正転および逆転される。ニップローラ15は、搬送ローラ14の回転に応じて従動回転可能であり、ニップ力調整用のモータ37(図5参照)によって、搬送ローラ14に対して接離可能、かつニップ力の調整が可能である。搬送ローラ14によるシート1の搬送速度は、ロールRの回転によるシート1の引き出し速度よりも高く設定されており、これによりシート1にバックテンションを与えて、それを張った状態のまま搬送することができる。
プリント部400のプラテン17はシート1の位置を規制し、カッタ20は、画像がプリントされたシート1を切断する。ロールRのカバー42は、画像がプリントされたシート1が供給装置200に戻ることを防止する。このようなプリント装置100における動作は、後述するCPU201(図5参照)によって制御される。
図3は供給装置200の説明図であり、図3(a)におけるロールRは、その外径が比較的大きい状態にある。
搬送ガイド12には、回転軸5によって、アーム部材(移動体)4が矢印A1,A2方向に回転可能に取り付けられている。アーム部材4の上部には、ロールRから引き出されるシート1の下面をガイドするガイド部4b(下側ガイド体)が形成されている。アーム部材4と駆動部3の回転カム3aとの間には、アーム部材4を矢印A1方向に押圧するねじりコイルばね3cが介在されている。回転カム3aは、後述する加圧力調整用のモータ(図5参照)34によって回転され、その回転位置に応じて、ねじりコイルばね3cがアーム部材4を矢印A1方向に押圧する力が変化する。後述するように、シート1の先端を、アーム部材4と分離フラッパー10との間のシート供給口内にセットするときには、回転カム3aの回転位置に応じて、ねじりコイルばね3cによるアーム部材4の押圧力が3段階に切り換えられる。すなわち、比較的小さな力(弱ニップの押圧力)による押圧状態と、比較的大きな力(強ニップの押圧力)による押圧状態と、押圧力の解除状態と、に切り換えられる。
アーム部材4には揺動部材7が揺動自在に取り付けられ、その揺動部材7には、ロールRの周方向にずれて位置する第1および第2の従動回転体(回転体)8,9が回転可能に取り付けられている。これらの従動回転体8,9は、アーム部材4に対する矢印A1方向の押圧力によって、重力方向の下方からロールRの外周部に圧接する。すなわち、従動回転体8,9は、ロールRの水平方向の中心軸よりも重力方向の下方から、ロールRの外周部に圧接する。その圧接力は、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力に応じて変更される。
それぞれが揺動部材7を持った複数のアーム部材4が、X軸方向における位置が異なるように設けられている。揺動部材7には、図3(b)のように軸受け部7aと軸留め部7bとが設けられており、これらによって、アーム部材4の回転軸4aが所定のガタ付きをもって受け入れられる。
軸受け部7aは、揺動部材7の重心位置に設けられており、揺動部材7がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のそれぞれにおいて安定した姿勢となるように回転軸4aに支持される。また、回転軸4aがガタ付きをもって受け入れられているため、X軸方向におけるどの位置の揺動部材7も、アーム部材4に対する矢印A1方向の押圧力によって、ロールRの外周部に沿うように変位する。このような構成(イコライズ機構)により、ロールRの外周部に対する第1および第2の従動回転体8、9の圧接姿勢の変化が許容される。この結果、シート1と第1および第2の従動回転体8、9との接触領域が常に最大となるように保たれ、かつシート1に対する押圧力が均等化されて、シート1の搬送力のバラツキを抑えることができる。従動回転体8、9がロールRの外周部に圧接することにより、シート1の弛みの発生が抑制されて、その搬送力が増強される。
プリント装置100の本体(プリンタ本体)には、アーム部材4の上方に位置する分離フラッパー10が回転軸11を中心として矢印B1,B2方向に回転可能に取り付けられている。分離フラッパー10は、その自重によってロールRの外周面に当接して軽く押圧する構成となっている。ロールRをさらに強く押圧する必要がある場合には、ばねなどの付勢部材による付勢力を用いてもよい。分離フラッパー10におけるロールRとの接触部分には、押圧力がシート1に及ぼす影響を抑えるために、従動コロ10aが回転自在に備えられている。また、分離フラッパー10の先端の分離部10bは、ロールRからシートの先端を分離しやすくするために、ロールRの表面に極力近い位置まで延在するように形成されている。
シート1は、従動回転体8,9の上を通ってロールRから引き出され、その下面がアーム部材4の上部のガイド部4bによってガイドされてから、分離フラッパー10とアーム部材4との間に形成される供給パスを通して供給される。このように、ロールRの外周部に対して下方から従動回転体8,9を圧接させ、それらの従動回転体8,9の上を通って引き出されるシート1の下面をガイド部4bによってガイドする。これにより、シート1の自重を利用して、シート1をスムーズに供給することができる。また、ロールRのロール外径に応じて、従動回転体8,9とガイド部4bが移動することにより、ロールRの外径に拘らず、ロールRからシート1を確実に引き出して搬送することができる。
本実施形態の装置の特徴の一つは、シートの自動ローディング機能(自動給紙機能)である。自動ローディングにおいては、ユーザが未使用のロールRを装置にセットすると、装置がロールRをシート供給時(給紙時)とは逆方向(第2方向と称する)に回転させながらシートの先端を検知する。次いで、装置がシート供給時の回転方向(順方向または第1方向と称する)にロールRを回転させて、ロールRから分かれたシートの先端を自動的に送り出す。センサユニット6は、ロールRの外周面からシート1の先端が剥がれてシート剥離(シート分離)したことを検知する。センサユニット6により検知されたシート1の先端は、アーム部材4と分離フラッパー10との間のシート供給口内に自動的に挿入されて送り出される。この自動ローディング機能の、より詳細な手順については後述する。
また、本例においては上下2つの供給装置200を備えているため、一方の供給装置200からシート1を供給している状態から、他方の供給装置200からシート1を供給する状態に切り換えることができる。このような場合、一方の供給装置200は、それまで供給していたシート1をロールRに巻き戻す。そのシート1の先端は、それがセンサユニット6もしくはセンサユニット6の近傍に設けた別のシート端部センサによって検出される位置まで退避される。
図4は、ロールRの外径が比較的小さいときにおける供給装置200の説明図である。
アーム部材4は、ねじりコイルばね3cによって常に矢印A1方向に押圧されているため、ロールRの外径の減少に応じて矢印A1方向に回転する。また、ロールRの外径の変化に応じて回転カム3を回転させることにより、ロールRの外径の変化に拘わらず、ねじりコイルばね3cによるアーム部材4の押圧力を所定の範囲に維持することができる。また、分離フラッパー10も常に矢印B1方向に押圧されているため、ロールRの外径の減少に応じて矢印B1方向に回転する。これにより分離フラッパー10は、ロールRの外径が小さくなった場合にも搬送ガイド12との間に供給パスを形成して、下面10cによってシート1の上面をガイドする。このように、ロールRの外径の変化に応じて、アーム部材4と分離フラッパー10が回転することにより、ロールRの外径の如何に拘らず、それらの間にほぼ一定の大きさの供給パスが形成される。
図5は、プリント装置100における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。プリント装置100のCPU201は、ROM204に記憶された制御プログラムにしたがって、供給装置200、シート搬送部300、およびプリント部400を含むプリント装置100の各部を制御する。CPU201には、操作パネル28から、シート1の種類、幅、および種々の設定情報などが入力インターフェイス202を介して入力される。またCPU201は、外部インターフェイス205を介して、パーソナルコンピュータなどのホスト装置を含む種々の外部装置29に接続されており、外部装置29との間において、プリントデータなどの種々の情報の授受を行う。またCPU201は、RAM203に対して、シート1に関する情報などの書き込みおよび読み出しをする。モータ33は、スプール部材2を介してロールRを正転および逆転させるためロール駆動用のモータであり、ロールRを回転駆動可能な駆動機構(回転機構)を構成する。押圧力調整用のモータ34は、アーム部材4に対する押圧力を調整するために回転カム3aを回転させるモータであり、搬送ローラ駆動用のモータ35は、搬送ローラ14を正転および逆転させるためのモータである。ロールセンサ32は、ロールRが供給装置200にセットされたときに、ロールRのスプール部材2を検出するためのセンサである。ロール回転量センサ36は、ロールRの回転量を検出するためのセンサであり、例えば、ロールRの回転量に応じた数のパルスを出力するロータリーエンコーダである。
図6は、ロールRのセットから始まるシート1の供給準備処理を説明するためのフローチャートである。
プリント装置100のCPU201は、アーム部材4を「弱ニップの押圧力」によって矢印A1方向に押圧する状態(弱ニップ状態)で待機しており、まずは、ロールRがセットされたか否かを判定する(ステップS1)。本例においては、ロールセンサ32がロールRのスプール部材2を検出したときに、ロールRがセットされたと判定する。CPU201は、ロールRがセットされた後に、アーム部材4を「強ニップの押圧力」によって矢印A1方向に押圧する状態(強ニップ状態)に切り換える(ステップS2)。次いで、アーム部材4と分離フラッパー10との間のシート供給口内にシート1の先端を挿入するための、シート先端セット処理を実行する(ステップS3)。このシート先端セット処理(自動ローディング)によって、シート1の先端が供給口内に挿入される。より詳細な動きについては後述する。
その後、CPU201は、ロール駆動用のモータ33(図5参照)によりロールRを矢印C1方向に回転させて、シート1の供給を開始する(ステップS4)。シート1の先端がシートセンサ16によって検知されたときに(ステップS5)、CPU201は、搬送ローラ14を矢印D1方向に正転させて、シート1の先端をピックアップした後に、モータ33およびモータ35を停止する(ステップS6)。その後、CPU201は、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力を解除して、第1および第2の従動回転体8,9をロールRから離間(ニップ解除状態)させる(ステップS7)。
その後、CPU201は、シート搬送部300内においてシートが斜めに傾いたまま搬送(斜行)されたか否かを検知する。具体的には、シート搬送部300内においてシート1を所定量搬送させて、そのときに生じる斜行量を、プリントヘッド18を搭載するキャリッジもしくはシート搬送部300に備わるセンサによって検知する。その斜行量が所定の許容量よりも大きい場合には、シート1にバックテンションを与えながら、搬送ローラ14およびロールRの正転および逆転を伴ってシート1のフィードとバックフィードとを繰り返す。このような動作により、シート1の斜行を補正する(ステップS8)。このように、シート1の斜行の補正時、およびシート1に対する画像のプリント動作時に、供給装置200をニップ解除状態とすることにより、従動回転体8,9が、シート1の斜行の補正精度および画像のプリント精度に及ぼす影響を回避することができる。その後、CPU201は、シート搬送部300によって、シート1の先端をプリント部400におけるプリント開始前の待機位置(定位置)まで移動させる(ステップS9)。これにより、シート1の供給準備が完了する。その後、シート1は、ロールRの回転を伴ってロールRから引き出され、シート搬送部300によってプリント部400に搬送される。
以下、本発明の実施形態として、このようなプリント装置100の基本的構成における図5のシート先端セット処理(ステップS3)について説明する。
(第1の実施形態)
図7は、本実施形態で使用するセンサユニット6の詳細図である。センサユニット6にはLED、OLED、LD等の発光部6cとフォトダイオード等の受光部6dを含む光学センサ60が配されている。発光部6cから発光されロールシートの下向きの表面(ロールにおいて外周面となっていたシート外面であり且つプリント部でプリントされる面)で反射された光を受光部6dが検出する。この際、光学センサ60とロールシートの距離が短いほど受光部6dが受光する光量は多く、出力値は大きくなる。反対に、上記距離が長いほど受光部6dが受光する光量は少なく、センサ60の出力値は小さくなる。
ここで、上記構成の下、CPU201が光学センサ60の出力を検出しながらロールRを時計回り(C2方向)に回転させた場合を考える。このとき、シート先端Fは、分離フラッパー10の従動コロ10aから外れアーム部材4の上に落下した後、センサユニット6上において、光学センサ60の検出位置を通過する。本実施形態では、このときの光学センサ60の検出出力の変化を検出して、シート1の先端を検出する。
具体的に説明する。ロールRのC2方向への回転に伴い、シート1の先端Fが分離フラッパー10の従動コロ10aを抜けてアーム部材4の上に落下すると、光学センサ60とこれが検出するシート1の表面は急激に近づき、光学センサ60の出力値は低い値から高い値に変化する。更にロールRがC2方向へ回転すると、暫くは高い出力値が維持されるが、やがてシート先端Fが光学センサ60の検出位置を通過すると、光学センサ60とこれが検出するシート1の表面の距離は再び広がり、光学センサ60の出力値は低い値に移行する。CPU201は、このような出力値の変化をロール回転量センサ36が検出する回転量に対応づけて検知することにより、シート先端Fが通過したか否かを判断する。その後CPU201は、上記方法で検出されたシート先端Fを先頭にして、シート1を供給口内に給送する。
図8(a)~(c)は、給送時におけるシート1の様々な給送状態を示す図である。また、図9(a)および(b)は、図8(a)~(c)に示す給送状態のそれぞれに対応するセンサユニット6の出力値Vを示す図である。図9(a)および(b)において、横軸は、ロールRの回転角度θ、縦軸は光学センサ60の出力値Vを示している。
図8(a)は、シートSがアーム部材4に沿って正常に給送される状態を示している。図8(a)において、シート1は搬送ガイド12に支持されながらこれに沿って進行し、シートジャムは招致されない。この際、シート1は光学センサ60に近接した位置を進み、その出力値Vは図9(a)および(b)に示す破線L0のように、高い値が維持される。
図8(b)は、シート先端Fに折れや破損があり従動コロ10aに当接し、給送されるシート1が座屈した状態を示している。図8(b)の実線で示したシート1Aはアーム部材4より浮き上がっており、図8(a)に比べてセンサユニット6から離れてしまっている。この場合、センサユニット6の出力値Vは、図9(a)の実線L1で示すように、ある回転角度以降で低い値が維持される。本実施形態では、センサユニット6の実線L1のような出力変化を検出した場合、CPU201はシートジャムが発生する懸念があると判断する。
一方、図8(b)において、点線で示したシート1Bは、座屈しながらもその一部はセンサユニット6に近接した位置にある。この場合、光学センサ60の出力値Vは高い値が維持され、この時点の出力値からは図8(a)のような正常な給送と区別することはできない。但しこの状態から更にロールRをC1方向に回転させると、シート1Bは図8(c)のシート1Cに示すような蛇腹状態に変化してしまう。
蛇腹状態のシート1CがロールRの回転に伴って進行すると、光学センサ60とシート1との距離は、近づいたり離れたりする。このため、光学センサ60の出力値Vは、図9(b)の実線L2で示すように、ある回転角度以降で増減変動を繰り返す。よって、本実施形態では、給送時において実線L2のような出力変化を検出した場合も、シートジャムが発生する懸念があると判断する。
図10は、図6のステップS3に示すシート先端セット処理において、CPU201が実行する具体的な工程を説明するためのフローチャートである。本処理は主に、シート1の端部を検出するための端部検出工程と、検出された端部を先頭にしてシート1の給送状態を判断するための判断工程(ジャム検出工程)とで構成されている。
本処理が開始されると、CPU201はまずステップS101において、光学センサ60の出力検出を開始する。次に、CPU201はステップS102に進み、ロールRのC2方向への回転を開始する。具体的には、ロール回転量センサ36で、ロールRの回転量をカウントしながらロール駆動用モータ33を駆動して、ロールRを巻き取る方向すなわち図のC2方向に一定速度で回転させる。
次にCPU201はステップS103に進み、光学センサ60の出力値Vが所定の閾値T0に対し、LowからHighに切り替わったか否かを判断する。ここで、LowからHighに切り替わるとは、シート先端Fが、分離フラッパー10の従動コロ10aから外れアーム部材4の上に落下したことを意味する。CPU201は、このようなLowからHighへの切り替えが確認されるまで、光学センサ60の出力検出を継続する。ステップS103において、光学センサ60の判定結果がLowからHighに切り替わったと判断した場合、CPUはステップS104に進む。
更にCPU201は、ステップS104において、光学センサ60の出力値Vが閾値T0に対し、HighからLowに切り替わったか否かを判断する。ここで、HighからLowに切り替わるとは、シート先端Fが、センサユニット6上を通過したことを意味する。CPU201は、このようなHighからLowへの切り替えが確認されるまで、光学センサ60の出力検出を継続する。ステップS104において、光学センサ60の判定結果がHighからLowに切り替わったと判断した場合、CPUはステップS105に進み、シート先端Fを検出したと判断し、現在の回転角度をRAM203に記憶する。そして、ステップS106に進み、ロールRのC2方向への回転を停止する。
次にCPU201はステップS107に進み、カウンタNをリセットする(N=0)。カウンタNは、給送動作を開始してから光学センサ60の出力値が所定の閾値を超えて変動する回数をカウントするための変数である。
ステップS108において、CPU201は、ロールRの順方向(図のC1方向)への回転を開始する。具体的には、ロール回転量センサ36で、ロールRの回転量をカウントしながらロール駆動用モータ33を駆動して、ロールRを送り出す方向すなわち図のC1方向に回転させる。これにより、シート1は、ステップS105で検出されたシート先端Fを先頭に、アーム部材4と分離フラッパー10との間を進行していく。
ステップS109において、CPU201は、ステップS108でロールRの回転を開始してから所定の回転量を超えたか否かを判断する。ここで、所定の回転量とは、シート1の搬送異常が検出されないときに、シート1がシート供給口内に正常に到達したとみなすことができる程度の回転量である。所定の回転量を超えたと判断した場合、CPU201は、ステップS117で光学センサ60の出力検出を終了し、本処理すなわちシート先端セット処理(図6のステップS3)を終了する。一方、ステップS109で所定の回転量を超えていない場合、CPU201はステップS110に進む。
ステップS110において、CPU201は、光学センサ60の出力値Vが予め定められている閾値T1と閾値T2の範囲に含まれているか否かを判断する。本実施形態において、閾値T1およびT2は、シート1が図8(b)に示す実線1Aのような座屈状態になっていないか否かを判断するための閾値である。
ロールRのC1方向への回転に伴い、センサユニット6上を通過したシート1が実線1Aのような状態に変化するとき、センサ60とシート1は近接状態から分離状態に移行し、センサ出力値は低下する。本実施形態において、上限閾値T2は、これよりも低下したら分離状態とみなすためのセンサ出力値である。閾値T2の設定方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の方法を採用することができる。
まず、図11(a)のように、シート先端Fがセンサ60の検出領域に到達する前であって、センサ60がロールRの外周面を検出した際に得られる出力値Fvを予め取得しておく。また、図11(b)のように、シート先端Fがセンサ60の検出領域を通過した後であって、センサ60が正常に搬送されるシート1の面を検出した際に得られる出力値Nvを予め取得しておく。そして、これらを用いて、下記式に従って下限閾値T2を算出する。
T2=(Fv+Nv)/2×0.2
ここでは、FvとNvの平均値に対し、シート1の蛇行や浮きに起因する出力値の20%程度の変動を考慮して設定している。
一方、ロールRを回転させながらの光学センサ60の出力値Vにおいては、たとえシート1が正常に進行していても、外乱による衝撃等によって出力値Vが図12に示すように突発的に変動する場合がある。この場合、出力値Vは急激に低下するものの早期に回復し、且つシート1の搬送状態とは無関係であり、出力変動は無視されることが好ましい。よって、本実施形態では、出力値Vが上限閾値T2よりも更に下がりすぎて外乱変動であるとみなすためのセンサ出力値を、下限閾値T1として設定する。下限閾値T1についても、特に限定されるものではないが、例えば下式を用いて設定することができる。
T1=Fv×0.8
ここでは、正常搬送の範囲内において、想定しうる最低のFvに対し、更に20%低減させた出力値を外乱と区別するための閾値T1として設定している。このように、本実施形態では、図12に示すような外乱による突発的な変動は除外しつつ、図9(a)の実線L1のような座屈状態を確実に検出するために、閾値T1とT2を用意している。
図10のフローチャートに戻る。ステップS110で出力値VがT1<V<T2を満たすとき、CPU201はシート1が座屈状態(ジャム状態)にあると判断し、ステップS115にジャンプする。そして、ロールRの回転を停止した後、ステップS116に進み所定のエラー処理を実行する。具体的には、シート1の先端を正常にセットできず、給送不良である旨を操作パネルのディスプレイに表示し、ユーザにシート1の確認を促す。
一方、ステップS110で出力値VがT1<V<T2を満たさないとき、CPU201はステップS111に進み、閾値T1、T2とは別の閾値T3およびT4を用いて、シート1が図8(c)に示す実線1Cのような蛇腹状態になっていないか否かを判断する。
シート1が実線1Cのような蛇腹状態で進行するとき、光学センサ60とシート1は近接したり分離したりを繰り返す。よって本実施形態では、分離したと判断するための下限閾値T3と近接したと判断するための上限閾値T4を用意し、これらの間を所定回数(Tn)変動した場合に、シート1が蛇腹状態にあると判断する。この際、下限閾値T3は、上述した座屈状態を判別するための上限閾値T2よりは大きな値に設定されていることが好ましく、ここではこれら閾値T3、T4を下記式に従って設定する。
T3=(Fv+Nv)×0.2
T4=(Fv+Nv)×0.4
図10のフローチャートに戻る。ステップS111において、CPU201は、センサ出力値VがT3>Vを満たしているか否かを判断する。T3>Vを満たしていないとき、現状においてシートジャムは発生していないとみなし、CPU201はステップS109に戻り、センサの出力検出を継続する。一方、センサ出力値VがT3>Vを満たしているとき、CPU201はステップS112に進む。
ステップS112において、CPU201はカウンタNが予め定められたカウント閾値Tnを超えているか否かを判断する。超えていない場合はステップS113に進み、ロールRが所定の回転角度だけ回転するのを待機した後、出力値VがT4<Vを満たす状態になったか否かを判断する。T4<Vであるとき、CPU201は蛇腹における1つ分の山谷(すなわち、T3>Vの状態とT4<Vの状態)が確認されたとみなし、S114に進みカウンタNをインクリメントする。そして、ステップS109に戻りセンサの出力検出を継続する。一方、T4<Vではないとき、CPU201は、そのままステップS109に戻りセンサの出力検出を継続する。
ステップS112でカウンタNがカウンタ閾値Tnを超えたと判断したとき、CPU201はシート1が蛇腹状態(ジャム状態)にあると判断する。よって、ステップS115にジャンプしてロールRの回転を停止した後、所定のエラー処理を実行する。その後、ステップS117で光学センサ60の出力検出を停止する。以上で本処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、アーム部材4に設置された光学センサ60の出力値に基づいて、ロールシートRの先端の検出と、これを先頭としたシート供給の状態確認を行うことができる。すなわち、シート1がシート搬送部300内に案内されたり、搬送ローラ14が駆動されたりする前のシート先端セット処理において、シートジャムを早期に検出しこれを解消しておくことが可能となる。
なお、以上では、閾値T1~T4の設定方法を式を用いて例示したが、閾値の設定方法は上述した方法に限定されるものではない。また、同じ光学センサを用いた場合であっても、シートの反射率はシートの種類によって変わり、結果としてFvやNvもシートの種類によって変化する。更に、座屈状態と判断するに適したセンサとシートの距離や、蛇腹状態と判断するに適した山谷の個数も、シートの剛性に応じて異なる。すなわち、閾値T1~T4やカウンタ閾値Tnは、装置が搭載可能なシートの種類ごとに個別に適正化されることが好ましい。
また、以上では、センサユニット6の構成として、発光部6cと受光部6dを備える光学センサ60を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、受光部6dにて検出される光は正反射光でなくても良いし、検出の対象となるシート1との距離に応じてその出力値が変化するセンサであれば、どのような構成のセンサも用いることができる。例えば、対象物までの距離を非接触で検出する超音波センサや静電センサなどの距離センサを用いることもできる。
更に、以上では、1つのセンサの出力値Vに基づいて、シート先端Fの検出やシートジャムの判断を行ったが、本発明はこのような形態に限定されるものでもない。シートセンサユニット6には、X方向またはY方向に複数センサを配置させても良い。この場合、これら複数のセンサの出力値を用いて、シート先端Fの検出やシートジャムの判断を行えば、シート先端Fの検出やシートジャムの判断を更に確実なものにすることができる。
また、以上では、2本のロールシートをセット可能なプリント装置100を例に説明したが、無論セット可能なロールシートの数はこれに限定されない。1本のロールシートをセット可能な形態であっても良いし、3本以上のロールシートをセット可能な形態であっても良い。さらに本発明はロールシートに限らずカットシートの搬送中のジャム発生をセンサの出力値の変化から判断することも可能である。
また、本発明は、紙、フィルム、および布などを含む種々のシートの供給装置、および、その供給装置を含むプリント装置および画像の読取り装置などの種々のシート処理装置として広く適用することができる。画像の読取り装置は、供給装置から供給されたシートの記録画像を読取りヘッドによって読取る。また、シート処理装置は、プリント装置および画像の読取り装置のみに限定されず、供給装置から供給されたシートに対して種々の処理(加工、塗布、照射、検査など)を施す装置であればよい。シートの供給装置を独立した装置として構成する場合には、その装置にCPUを含む制御部を備えることができる。また、シートの供給装置をシート処理装置に備える場合には、それらの供給装置およびシート処理装置の少なくとも一方にCPUを含む制御部を備えることができる。