JP7296705B2 - フェライト系ステンレス鋼管、管端増肉構造体及び溶接構造体 - Google Patents
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Description
A=[Cr]+[Si]+0.5[Mn]+10[Al]+15([Sn]+[Sb
]) ・・・式(2)
特許文献5に記載の技術では、Sn、Sbを添加することで加熱後の耐食性を向上させているが、管端増肉部の隙間構造における隙間間隔と塩害腐食との関係については述べられていない。
A=[Si]×[Sn]+0.014[Si] -------(1)
ここで[Si]、[Sn]は、それぞれSi、Snの質量%としての含有量である。
特許文献8に記載の技術では、排気系部品の加熱後の耐食性について開示しているが、管端増肉部の隙間構造における隙間間隔と塩害腐食との関係については述べられていない。
A=[Mo]×[Sn] -------(1)
特許文献9に記載の技術では、排気系部品の加熱後の耐食性について開示しているが、管端増肉部の隙間構造における隙間間隔と塩害腐食との関係については、述べられていない。
[1] 鋼母材部と溶接部とからなる鋼管部を有し、
前記鋼母材部が、質量%で、
C:0.001~0.100%、
Si:0.01~5.00%、
Mn:0.01~2.00%、
P:≦0.050%、
S:≦0.0100%、
Cr:9.0~30.0%、
Al:0.521~5.000%、
N:0.001~0.050%を含有し、
更に、Ti:0.01~1.00%およびNb:0.001~1.000%のいずれか1種または2種を含有し、
残部がFeおよび不純物であり、
かつ上記Si量(質量%)及びAl量(質量%)が、2.5Al+Si≧0.100を満たし、
前記鋼管部の長手方向の一端に、前記鋼管部の端部が径方向外側または径方向内側に折り返されてなる管端増肉部が備えられ、
前記鋼管部の外径d1、前記管端増肉部の外径d2、前記Si量(質量%)及び前記Al量(質量%)の関係が、2.5Al+Si≧|{(d2-d1)/d1}|+0.1の関係を満たし、
前記管端増肉部が、前記鋼管部に対して拡管または縮管されていることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼管。
[2] さらに質量%で、
Ni:0.01~3.00%、
Mo:0.01~3.00%、
Sn:0.001~3.00%、
Cu:0.01~3.00%、
B:0.0001~0.0100%、
W:0.001~1.00%、
V:0.001~1.00%、
Sb:0.001~0.100%、
Co:0.001~0.500%、
Ca:0.0001~0.0050%、
Mg:0.0001~0.0050%、
Zr:0.0001~0.0300%、
Ga:0.0001~0.0100%、
Ta:0.001~0.050%、
REM:0.001~0.100%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼管。
[3] [1]または[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼管からなることを特徴とする管端増肉構造体。
[4] [3]に記載の管端増肉構造体の前記管端増肉部と、鋼管部材とが重ね隅肉溶接部により接合されてなり、
前記重ね隅肉溶接部の前記管端増肉部側の最大溶け込み深さが、前記鋼管部の肉厚tに対して0.3t~2.0tの範囲とされていることを特徴とする溶接構造体。
また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板は、さらに質量%で、Ni:0.01~3.00%、Mo:0.01~3.00%、Sn:0.01~3.00%、Cu:0.01~3.00%、B:0.0001~0.0100%、W:0.001~1.000%、V:0.001~1.000%、Sb:0.001~0.100%、Co:0.001~0.500%、Ca:0.0001~0.0050%、Mg:0.0001~0.0050%、Zr:0.0001~0.0300%、Ga:0.0001~0.0100%、Ta:0.001~0.050%、REM:0.001~0.100%の1種または2種以上を含有してもよい。
また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼管は、さらに質量%で、Ni:0.01~3.00%、Mo:0.01~3.00%、Sn:0.001~3.00%、Cu:0.01~3.00%、B:0.0001~0.0100%、W:0.001~1.00%、V:0.001~1.00%、Sb:0.001~0.100%、Co:0.001~0.500%、Ca:0.0001~0.0050%、Mg:0.0001~0.0050%、Zr:0.0001~0.0300%、Ga:0.0001~0.0100%、Ta:0.001~0.050%、REM:0.001~0.100%の1種または2種以上を含有してもよい。
Cは、耐粒界腐食性、加工性を低下させるため、その含有量を低く抑える必要がある。そのため、Cの含有量の上限を0.100%以下とする。しかしながら、C量を過度に低めることは精練コストを上昇させるため、C量の下限を0.001%以上とする。C量の好ましい範囲は、0.002~0.010%である。
Siは、本実施形態における重要な元素である。Siは、表面に濃縮して腐食発生を抑制するのみならず、母材の腐食速度も低減する非常に有益な元素である。そのため、Siの含有量の下限を0.01%以上とする。ただし、Siの過度な含有は鋼の伸び減少を引き起こし、加工性を低下させるため、Siの含有量の上限を5.00%以下とする。Si量の好ましい範囲は、0.30~3.00%、より好ましい範囲は0.70~1.20%である。
Mnは、脱酸元素として有用であるが、過剰量のMnを含有させると、耐食性を劣化させる。そのため、Mn量を0.01~2.00%とする。Mn量の好ましい範囲は、0.05~1.00%、より好ましい範囲は0.02~0.50%である。
Pは、加工性・溶接性を劣化させる元素であるため、その含有量を制限する必要がある。そのため、P量を0.050%以下とする。P量の好ましい範囲は、0.030%以下である。
Sは、耐食性を劣化させる元素であるため、その含有量を制限する必要がある。そのため、S量を0.0100%以下とする。S量の好ましい範囲は、0.0070%以下である。
Crは、塩害環境での耐食性を確保するために、9.0%以上の含有が必要である。Crの含有量を増加させるほど、耐食性は向上するが、加工性、製造性を低下させる。そのため、Cr量の上限を30.0%以下とする。Cr量の好ましい範囲は、9.5~25.0%、より好ましい範囲は10.0~15.0%である。
Ti:0.01~1.00%
Tiは、ステンレス鋼の鋭敏化を防止するために、0.01%以上含有する必要がある。ただし、多量の含有は合金コスト増加や靭性の低下、鋼中介在物増加による耐食性低下、製造性低下に繋がるため、Ti量の上限を1.00%以下とする。Ti量の好ましい範囲は、0.03~0.50%、より好ましい範囲は0.10~0.25%である。
Nbは、高温強度の向上や溶接部の耐粒界腐食性の向上に有用であるが、過剰の含有は、加工性や製造性を低下させる。そのため、Nb量を0.001~1.000%とする。Nb量の好ましい範囲は、0.005~0.500%である。
Alは、本実施形態における重要な元素である。Alは、鋼表面に濃縮して腐食発生を抑制するのみならず、母材の腐食速度も低減する非常に有益な元素である。そのため、Alの含有量の下限を0.010%以上とする。ただし、Alの過度な含有は材料の伸び減少を引き起こし、加工性を低下させるため、Alの含有量の上限を5.000%以下とする。Al量の好ましい範囲は、0.050~3.000%、より好ましい範囲は0.800~2.500%である。
Nは、耐孔食性に有用な元素であるが、耐粒界腐食性、加工性を低下させる。そのため、Nの含有量を低く抑える必要がある。そのため、N量の上限を0.050%以下とする。しかしながら、N量を過度に低めることは精練コストを上昇させるため、N量の下限を0.001%以上とする。N量の好ましい範囲は、0.002~0.020%である。
本実施形態では、鋼中のAl量とSi量が、2.5Al+Si≧0.100%の関係を満たすことが好ましい。これにより、管端増肉部の隙間の耐食性を向上させることができる。より好ましくは2.5Al+Siが0.500%以上、1.500%以上、3.000%以上または7.000%以上である。
Niは、耐食性を向上させるため、0.01%以上含有することができる。ただし、多量の含有は合金コスト増加に繋がるため、Ni量の上限を3.00%以下とする。Ni量の好ましい範囲は、0.02~1.00%である。
Moは、耐食性を向上させるため、0.01%以上含有することができる。しかし、過剰の含有は、加工性を劣化させると共に、高価であるためコストアップに繋がる。そのため、Mo量の上限を3.00%以下とする。Mo量の好ましい範囲は、0.05~1.00%である。
Snは、耐食性を向上させるため、0.001%以上含有することができる。しかし、過剰の含有はコスト増加に繋がる。そのため、Sn量の上限を3.00%以下とする。Sn量の好ましい範囲は、0.005~1.00%であり、より好ましくは0.010~1.00%である。
Cuは、耐食性を向上させるため、0.01%以上含有することができる。しかし、過剰の含有はコスト増加に繋がる。そのため、Cu量の上限を3.00%以下とする。Cu量の好ましい範囲は0.02~1.00%、より望ましい範囲は0.05~0.09%である。
Bは、2次加工性を向上させるのに有用な元素であり、0.0100%以下含有することができる。B量の下限を、安定した効果が得られる0.0001%以上とする。B量の好ましい範囲は、0.0005~0.0050%である。
Wは、耐食性を向上させるため、1.00%以下を含有することができる。安定した効果を得るためには、W量の下限を0.001%以上とする。W量の好ましい範囲は、0.005~0.80%である。
Vは、耐食性を向上させるため、1.00%以下を含有することができる。安定した効果を得ためには、V量の下限を0.001%以上とする。V量の好ましい範囲は、0.005~0.50%である。
Sbは、耐全面腐食性を向上させるため、0.100%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、Sb量の下限を0.001%以上とする。Sb量の好ましい範囲は、0.010~0.080%である。
Coは、二次加工性と靭性を向上させるために、0.500%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、Co量の下限を0.001%以上とする。Co量の好ましい範囲は、0.010~0.300%である。
Caは、脱硫のために含有されるが、過剰に含有すると、水溶性の介在物CaSが生成して耐食性を低下させる。そのため、0.0001~0.0050%の範囲でCaを含有することができる。Ca量の好ましい範囲は、0.0005~0.0030%である。
Mgは、組織を微細化し、加工性、靭性の向上にも有用である。そのため、0.0050%以下の範囲でMgを含有することができる。安定した効果を得るためには、Mg量の下限を0.0001%以上とする。Mg量の好ましい範囲は、0.0005~0.0030%である。
Zrは、耐食性を向上させるために、0.0300%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、Zr量の下限を0.0001%以上とする。Zr量の好ましい範囲は、0.0010~0.0100%である。
Gaは、耐食性と耐水素脆化性を向上させるために、0.0100%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、Ga量の下限を0.0001%以上とする。Ga量の好ましい範囲は、0.0005~0.0050%である。
Taは、耐食性を向上させるために、0.050%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、Ta量の下限を0.001%以上とする。Ta量の好ましい範囲は、0.005~0.030%である。
REMは、脱酸効果等を有するので、精練で有用な元素であるため、0.100%以下含有することができる。安定した効果を得るためには、REM量の下限を0.001%以上とする。REM量の好ましい範囲は、0.003~0.050%である。
ここで、REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。REMは、これら希土類元素から選択される1種以上であり、REMの量とは、希土類元素の合計量である。
また、鋼管部の端部を径方向外側に折り曲げて増肉する場合と、径方向内側に折り曲げて増肉する場合が考えられるが、径方向外側に折り曲げて増肉する場合は、増肉箇所の内径は素管の鋼管部1aの内径と同じになる。一方、径方向内側に折り曲げて増肉する場合は、管端増肉部1bの外径は素管である鋼管部の外径と同じになる。
更に、管端増肉部1bを形成した後、次工程にて拡管または縮管を行う工法を採用してもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
即ち、本発明は産業上極めて有益である。
Claims (4)
- 鋼母材部と溶接部とからなる鋼管部を有し、
前記鋼母材部が、質量%で、
C:0.001~0.100%、
Si:0.01~5.00%、
Mn:0.01~2.00%、
P:≦0.050%、
S:≦0.0100%、
Cr:9.0~30.0%、
Al:0.521~5.000%、
N:0.001~0.050%を含有し、
更に、Ti:0.01~1.00%およびNb:0.001~1.000%のいずれか1種または2種を含有し、
残部がFeおよび不純物であり、
かつ上記Si量(質量%)及びAl量(質量%)が、2.5Al+Si≧0.100を満たし、
前記鋼管部の長手方向の一端に、前記鋼管部の端部が径方向外側または径方向内側に折り返されてなる管端増肉部が備えられ、
前記鋼管部の外径d1、前記管端増肉部の外径d2、前記Si量(質量%)及び前記Al量(質量%)の関係が、2.5Al+Si≧|{(d2-d1)/d1}|+0.1の関係を満たし、
前記管端増肉部が、前記鋼管部に対して拡管または縮管されていることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼管。 - さらに質量%で、
Ni:0.01~3.00%、
Mo:0.01~3.00%、
Sn:0.001~3.00%、
Cu:0.01~3.00%、
B:0.0001~0.0100%、
W:0.001~1.00%、
V:0.001~1.00%、
Sb:0.001~0.100%、
Co:0.001~0.500%、
Ca:0.0001~0.0050%、
Mg:0.0001~0.0050%、
Zr:0.0001~0.0300%、
Ga:0.0001~0.0100%、
Ta:0.001~0.050%、
REM:0.001~0.100%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼管。 - 請求項1または請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼管からなることを特徴とする管端増肉構造体。
- 請求項3に記載の管端増肉構造体の前記管端増肉部と、鋼管部材とが重ね隅肉溶接部により接合されてなり、
前記重ね隅肉溶接部の前記管端増肉部側の最大溶け込み深さが、前記鋼管部の肉厚tに対して0.3t~2.0tの範囲とされていることを特徴とする溶接構造体。
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