JP7300295B2 - 樹脂補強用アラミド繊維 - Google Patents
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Description
(1)アラミド繊維の表面もしくは繊維骨格内に、(A)エポキシ化合物、(B)シランカップリング剤、及び(C)酸変性ポリオレフィンが、付着もしくは浸透しており、前記(A)エポキシ化合物は、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、及びポリグリセロールポリグリシジルエーテルから選ばれる1種または2種以上であり、かつ、前記エポキシ化合物あるいはエポキシ化合物混合物のエポキシ当量が200(g/eq)以下であることを特徴とする樹脂補強用アラミド繊維。
(2)(A)エポキシ化合物の付着もしくは浸透量(質量%)をエポキシ化合物のエポキシ当量(g/eq)で除して算出されるアラミド繊維単位質量あたりのエポキシ官能基数(E)に対し、同様にして算出される、(B)シランカップリング剤が有するシラノール基数(S)の比率(S/E)が50%以下に制御されている前記(1)に記載の樹脂補強用アラミド繊維。
(3)(B)シランカップリング剤が、アミノ基含有シランカップリング剤である前記(1)または(2)に記載の樹脂補強用アラミド繊維。
(4)(C)酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリエチレンまたは無水マレイン酸変性ポリプロピレンである前記(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
(5)アラミド繊維が、あらかじめエポキシ化合物を繊維表面に付着させたアラミド繊維である前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
(6)アラミド繊維が、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたアラミド繊維である前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
(7)前記(1)~(6)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維をフィブリル化しパルプ状としたことを特徴とする樹脂補強用アラミド繊維パルプ。
(8)前記(1)~(6)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維を0.5mm以上に切断して短繊維としたことを特徴とする樹脂補強用アラミド短繊維。
(9)前記(1)~(6)のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維、繊維状材料として含む摩擦材料。
(10)前記(9)に記載の摩擦材料を用いた摺動部材。
また、本発明の樹脂補強用アラミド繊維をフィブリル化あるいは切断することにより、樹脂と高い接着力を有する、耐久性に優れた、樹脂補強用アラミド繊維パルプあるいは樹脂補強用アラミド短繊維を簡便に得ることができる。
脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
アミノ基含有シランカップリング剤としては、公知のものから適宜選択して用いればよく、その具体例としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、中でも、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、1,000~1,000,000が好ましく、5,000~500,000がより好ましい。無水マレイン酸変性ポリオレフィンのビカット軟化点は、樹脂補強用アラミド繊維を補強用に用いる樹脂の種類により選択すればよく、一般的には80℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。
エポキシ化合物は、あらかじめアラミド繊維の表面もしくは繊維骨格内に付着もしくは浸透させておくのがよい。そして、繊維処理剤中にアミノ基含有シランカップリング剤と酸変性ポリオレフィンを添加した場合、酸変性ポリオレフィンが有する酸変性部位とアミノ基含有シランカップリング剤が有するアミノ基とが、反応もしくはイオン結合により塩を形成し、アルコキシシリル基を有するポリオレフィンが生成する。このようにして生成したアルコキシシリル基を有するポリオレフィンが、あらかじめエポキシ化合物を付着もしくは浸透させておいたアラミド繊維中のエポキシ化合物のエポキシ基もしくは水酸基と反応(縮合硬化)することで、アラミド繊維表面にポリオレフィン膜が形成されるものと推察される。
一方、アミノ基含有シランカップリング剤のみを繊維処理剤中に添加した場合、酸変性ポリオレフィンが有する酸変性部位とアミノ基含有シランカップリング剤が有するアミノ基との反応が生じないため、アミノ基含有シランカップリング剤が有するアルコキシシリル基がアラミド繊維中のエポキシ化合物のエポキシ基もしくは水酸基と反応するが、ポリオレフィン膜を形成したときに比べて樹脂との接着性は弱くなるものと推察される。
第1の方法は、アラミド繊維に対して、(A)エポキシ化合物を付与し、アラミド繊維表面にエポキシ化合物を付着させる工程と、該工程で得られたアラミド繊維に対して、(B)シランカップリング剤及び(C)酸変性ポリオレフィンからなる繊維処理剤を付与する工程と、を備えるものである。さらに、該工程で得られたアラミド繊維を熱処理する工程を備えていてもよい。
第2の方法は、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたアラミド繊維に対して、上記の繊維処理剤を付与する工程を備えるものである。さらに、該工程で得られたアラミド繊維を熱処理する工程を備えていてもよい。
第3の方法は、アラミド繊維に対して、(A)エポキシ化合物、(B)シランカップリング剤及び(C)酸変性ポリオレフィンからなる繊維処理剤を付与する工程を備えるものである。さらに、該工程で得られたアラミド繊維を熱処理する工程を備えていてもよい。
添加物の具体例としては、硬化触媒、油剤、非イオン界面活性剤等の浸透剤、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、有機界面活性剤等の平滑剤、オキサゾリンや酸無水物等の樹脂改良剤、ラジカル禁止剤、顔料等が挙げられる。
機械加工法では、樹脂補強用アラミド繊維を1~50mmの長さに切断して短繊維とした後、該短繊維を、破砕、磨り潰し、衝撃あるいは叩解のような機械的剪断力を加えてフィブリル化する。
短繊維以外の繊維状材料としては、例えば、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、セルロース繊維、液晶ポリエステル系繊維、羊毛繊維等の、フィブリル化できる繊維を用いることができる。これらの繊維の中で、耐熱性と高強度の観点より、アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維が好ましく、摩耗特性の観点より、より好ましいのはアラミド繊維である。アラミド繊維の中でも、特にパラ系アラミドが好ましい。最も好ましいのは、パラ系アラミド繊維を高度にフィブリル化したアラミドパルプであり、該アラミドパルプとして、本発明の樹脂補強用アラミド繊維パルプを用いることができる。
その後、熱硬化性樹脂等を含浸した紙状物から60℃以下の温度で揮発成分を除去しプリプレグを作製する。
その後、プリプレグを、プレス機等を用いて130℃以上190℃以下で1分以上15分以下、圧力50kgf/cm2以上500kgf/cm2以下で加熱プレスし、得られた熱硬化性樹脂成形体に130~190℃の高温処理を施し硬化させることにより摩擦材料とする。摩擦材料は、必要に応じて任意の大きさや形状に裁断したり、成形加工したりして、自動車や産業用建機・機械の低摩擦材として、ワッシャー、ギアー、クラッチ板、ブレーキ板、軸及び軸受け等の摩擦材及び摺動部材の補強用繊維として利用できる。
約5gの試料の質量(乾燥前質量)を測定する。次いで、300℃×20分熱処理した後、25℃、65%RHで5分間放置し、再度質量(乾燥後質量)を測定する。
水分率(質量%)=[(乾燥前質量-乾燥後質量)/(乾燥後質量)]×100
作製した材料について、ASTM D638号の方法により引張強度を測定した。
公知の方法で得られたポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)(分子量約20,000)1kgを4kgの濃硫酸に溶解し、直径0.1mmのホールを1,000個有する口金からせん断速度30,000sec-1となるよう吐出し、4℃の水中に紡糸した後、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液で、10℃×15秒の条件で中和処理した。その後、脱水処理をして、110℃で低温乾燥を行い、水分率を50質量%に調整した。
このPPTA繊維に、エポキシ化合物として、グリセロールポリグリシジルエーテルを含有する油剤(ジイソステアリルアジペート/ジオレイルアジペート/硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物/鉱物油の混合物)を、公知の油剤付与方法によって浸透させた。
次いで、表1に示す量のシランカップリング剤と酸変性ポリオレフィンを、溶剤に溶解させて付与し、120℃で乾燥することにより、PPTA繊維表面に付着させた。
実施例1において、グリセロールポリグリシジルエーテルに替えて、ソルビトールポリグリシジルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様にして、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたPPTA繊維を得た。次いで、実施例1と同様にして、シランカップリング剤と酸変性ポリオレフィンをPPTA繊維表面に付着させた。
実施例1で得た、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたPPTA繊維を用いた。
実施例2で得た、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたPPTA繊維に、表1に示す量の酸変性ポリオレフィンのみを溶剤に溶解させて付与し、実施例1と同様にして、PPTA繊維表面に付着させた。
実施例2において、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたPPTA繊維に、表1に示す量のシランカップリング剤と酸変性ポリオレフィンを、溶剤に溶解させて付与し、室温で乾燥することにより、PPTA繊維表面に付着させた。
切断した含水PPTA繊維複合体短繊維の乾燥重量として200gを、60kgのイオン交換水に分散させ、シングルディスクリファイナーを用い3,000rpmの条件でフィブリル化し、PPTA繊維複合体パルプを得た。JIS P8121-2号の方法により測定したパルプのろ水度は770mLであった。
・アミノ基含有シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン
・酸変性ポリオレフィン;無水マレイン酸変性ポリエチレン
一方、アミノ基含有シランカップリング剤と酸変性ポリオレフィンを付与しない比較例1のPPTA繊維、及び、シランカップリング剤を付与しない比較例2のPPTA繊維では、樹脂に対する接着力が不十分であるため、引張強さが不十分であることがわかる。また、エポキシ官能基数に対するシラノール基数の比率が50%を超える、シラノール基過剰の比較例3のPPTA繊維では、繊維と樹脂の接着性が低下することがわかる。
Claims (10)
- アラミド繊維の表面もしくは繊維骨格内に、(A)エポキシ化合物、(B)シランカップリング剤、及び(C)酸変性ポリオレフィンが、付着もしくは浸透しており、前記(A)エポキシ化合物は、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、及びポリグリセロールポリグリシジルエーテルから選ばれる1種または2種以上であり、かつ、前記エポキシ化合物あるいはエポキシ化合物混合物のエポキシ当量が200(g/eq)以下であることを特徴とする樹脂補強用アラミド繊維。
- (A)エポキシ化合物の付着もしくは浸透量(質量%)をエポキシ化合物のエポキシ当量(g/eq)で除して算出されるアラミド繊維単位質量あたりのエポキシ官能基数(E)に対し、同様にして算出される、(B)シランカップリング剤が有するシラノール基数(S)の比率(S/E)が50%以下に制御されている請求項1に記載の樹脂補強用アラミド繊維。
- (B)シランカップリング剤が、アミノ基含有シランカップリング剤である請求項1または2に記載の樹脂補強用アラミド繊維。
- (C)酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリエチレンまたは無水マレイン酸変性ポリプロピレンである請求項1~3のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
- アラミド繊維が、あらかじめエポキシ化合物を繊維表面に付着させたアラミド繊維である請求項1~4のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
- アラミド繊維が、あらかじめエポキシ化合物を繊維骨格内に浸透させたアラミド繊維である請求項1~4のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維。
- 請求項1~6のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維をフィブリル化しパルプ状としたことを特徴とする樹脂補強用アラミド繊維パルプ。
- 請求項1~6のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維を0.5mm以上に切断して短繊維としたことを特徴とする樹脂補強用アラミド短繊維。
- 請求項1~6のいずれかに記載の樹脂補強用アラミド繊維を、繊維状材料として含む摩擦材料。
- 請求項9に記載の摩擦材料を用いた摺動部材。
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