本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る保持面の異物検出方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法を実施するバイト切削装置1の構成の概略を示す斜視図である。図2は、図1のバイト切削装置1における保持テーブル10の構成の概略を示す斜視図である。図3は、図2のIII-III断面図である。本発明の実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、図1に示すバイト切削装置1において実施される方法であり、バイト切削装置1の保持テーブル10の保持面11が平坦であるか否かを確認する方法である。
実施形態1に係る保持面の異物検出方法を実施するバイト切削装置1は、図1に示すように、保持テーブル10と、切削ユニット20と、加工送りユニット30と、切り込み送りユニット40と、制御ユニット50と、を備える。バイト切削装置1は、実際には、シリコン等の基板にバンプを設けた複数のデバイスが形成され、デバイスがモールド樹脂で封止された被加工物を旋回切削し、かつ、旋回切削後、洗浄するものである。
保持テーブル10は、被加工物を保持する保持面11を備え、Z軸方向の軸心周りに回転可能に設けられている。保持テーブル10は、ステンレス鋼等の金属材によって円盤状に形成されている。保持面11は、実施形態1では、円形状であり、水平面であるXY平面に概ね平行に設けられている。
保持テーブル10は、図1に示すように、装置本体2の上面に、加工送りユニット30によりX軸方向に移動可能に設けられている。保持テーブル10は、被加工物を搬出入する搬出入位置と、保持面11で保持した被加工物に対し切削ユニット20により切削加工を実行する加工位置との間で、X軸方向に移動可能に設けられている。
保持テーブル10は、図2及び図3に示すように、外周部に形成された外周環状保持部12と、外周環状保持部12の内側に形成された吸引凹部13と、吸引凹部13内に設けられた複数の支持ピン14と、を備える。保持テーブル10では、外周環状保持部12の上面及び複数の支持ピン14の上面が、保持面11を構成する。
保持テーブル10は、実施形態1では、外周環状保持部12の幅が1mm程度に形成され、支持ピン14の直径が1mmの円柱状に形成されている。また、保持テーブル10は、実施形態1では、図3に示すように、被加工物を保持する保持面11が、外周環状保持部12及び複数の支持ピン14の上面に形成された厚みが200μm程度のニッケル等により構成されたメッキ層で構成されている。なお、保持テーブル10は、本発明ではこれに限定されず、被加工物を保持面11で保持することが可能な形態であれば、どのような形態であってもよい。
保持テーブル10では、吸引凹部13が、吸引通路15を介して図示しない吸引手段に連通されている。保持テーブル10は、図示しない吸引手段を作動することにより、吸引通路15を介して吸引凹部13に負圧が作用し、保持面11上に載置された被加工物を吸引保持する。このとき、被加工物は、外周環状保持部12と複数の支持ピン14によって支持される。保持テーブル10は、鉛直方向であるZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在な図示しない支持基台に支持されている。
切削ユニット20は、図1に示すように、スピンドル21と、バイト工具22を含むバイトホイール23と、モーター24と、を備える。スピンドル21は、保持面11に直交する方向である鉛直方向に沿って軸心方向が配されている。バイトホイール23は、バイト工具22を鉛直方向の下方に向けて、鉛直方向の上方側がスピンドル21の先端に装着されている。モーター24は、スピンドル21に設けられ、スピンドル21を軸心回りに回転させる。切削ユニット20は、スピンドル21の先端に装着されたバイト工具22を含むバイトホイール23をモーター24で回転させることで、保持テーブル10に保持された被加工物を旋回切削する。切削ユニット20の切削加工面及び切削ユニット20による被加工物の被切削加工面は、保持面11に平行、すなわち水平面であるXY平面に概ね平行となる。
加工送りユニット30は、図1に示すように、装置本体2上に設置され、保持テーブル10を保持面11と平行な加工送り方向であるX軸方向に相対移動させるものである。加工送りユニット30は、保持テーブル10を支持した支持基台をX軸方向に移動させることで、保持テーブル10を搬出入位置と加工位置との間を移動させる。
切り込み送りユニット40は、図1に示すように、装置本体2の上面の+X方向の端部に立設した直立壁3に配設されている。切り込み送りユニット40は、保持テーブル10の保持面11に直交する方向であるZ軸方向に沿って設けられたネジロッド及びネジロッドを回転駆動するパルスモータにより、移動基台を介して装着された切削ユニット20をZ軸方向に沿って移動させる。切り込み送りユニット40は、切削ユニット20を鉛直方向下方である-Z方向に沿って移動させ、バイト工具22を保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物に向けて移動させる。
制御ユニット50は、各部及び各ユニットを制御して、バイト切削装置1に実施形態1に係る保持面の異物検出方法に係る各動作を含む種々の動作を実施させるものである。制御ユニット50は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット50の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、バイト切削装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してバイト切削装置1の各部及び各ユニットに出力する。
バイト切削装置1は、図1に示すように、さらに、カセット60-1,60-2と、搬出入ユニット61と、位置合わせユニット62と、搬入ユニット63と、搬出ユニット64と、洗浄ユニット65と、を備える。カセット60-1,60-2は、いずれも複数のスロットを有する被加工物用の収容器であり、それぞれ、装置本体2の上面の-X方向の端部側に配設されている。カセット60-1は、バイト切削装置1による切削加工前の被加工物を収容し、カセット60-2は、バイト切削装置1による切削加工後の被加工物を収容する。
搬出入ユニット61は、切削加工前の被加工物をカセット60-1から位置合わせユニット62へ搬出するとともに、切削加工後の被加工物を洗浄ユニット65からカセット60-2へ搬入する。
位置合わせユニット62は、カセット60-1から搬出された切削加工前の被加工物の中心位置及びオリエンテーションフラット又はノッチの位置を検出して、中心位置合わせ及び方向位置合わせを行う。搬入ユニット63は、位置合わせユニット62で位置合わせされた切削加工前の被加工物を搬出入位置にある保持テーブル10の保持面11に搬入する。
搬出ユニット64は、切削加工後の被加工物を搬出入位置にある保持テーブル10の保持面11から洗浄ユニット65に搬出する。洗浄ユニット65は、切削加工後の被加工物を洗浄し、切削された被切削加工面に付着している切削屑等のコンタミネーションを除去する。
バイト切削装置1が保持面の異物検出方法を実施する際に切削加工する加工対象である被加工物100(図5等参照)は、バイト切削装置1が、実際に旋回切削しかつ旋回切削後、洗浄する上記の被加工物とは異なるものであり、保持面11に異物が付着しているか否かを確認するために、バイト切削装置1が旋回切削するものである。被加工物100は、実施形態1では、例えば、例えば、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素などを母材とする円板状のウエーハ等である。被加工物100は、表面101及び表面101とは反対側の裏面102が平坦に形成されている。被加工物100は、実施形態1では、表面101がデバイス形成されていないものであり、例えば、ダミーウエーハである。被加工物100は、ダミーウエーハ等のデバイスが形成されていないものである場合、バイト切削装置1が実施する実施形態1に係る保持面の異物検出方法において、後述する干渉縞300(図7参照)のデバイスによる影響を抑制することができるとともに、バイト切削装置1が安価に実施形態1に係る保持面の異物検出方法を実施することを可能にする。なお、被加工物100は、本発明では、デバイス形成されていないものに限定されず、表面101にデバイスが形成された半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等であってもよい。
図4は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法の処理を示すフローチャートである。実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、バイト切削装置1によって実施され、図4に示すように、樹脂被覆ステップST11と、保持ステップST12と、加工ステップST13と、被加工物取り外しステップST14と、判断ステップST15と、洗浄ステップST16と、を備える。実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、バイト切削装置1の保持テーブル10の保持面11に異物500(図9及び図10参照)があるか否かを検出する方法であり、バイト切削装置1の保持テーブル10の保持面11が平坦であるか否かを確認する方法である。
図5は、図4の樹脂被覆ステップST11を示す断面図である。樹脂被覆ステップST11は、樹脂被覆ステップST11は、図5に示すように、被加工物100の表面101に樹脂201を被覆するステップである。
樹脂被覆ステップST11では、具体的には、まず、図5に示すように、樹脂被覆ユニット70の保持テーブル71が被加工物100の裏面102側を保持面72で保持する。樹脂被覆ステップST11では、次に、樹脂被覆ユニット70の樹脂供給部73が、保持面72で保持した被加工物100の露出している面側である表面101に向けて、樹脂液200を滴下して供給する。ここで、樹脂液200は、樹脂201を含有し、揮発性を有する溶剤によって樹脂201が分散して塗布液となったものである。
樹脂被覆ステップST11では、樹脂液200の供給後、保持テーブル71を保持面72に直交する方向に沿った軸心周りに回転させることで、保持テーブル71及び被加工物100を介して、被加工物100の表面101上の樹脂液200に遠心力を付与し、この遠心力により、被加工物100の表面101の全体に樹脂液200を薄く拡散して塗布する。樹脂被覆ステップST11では、その後、薄く拡散して塗布された樹脂液200中の溶剤が揮発することで、被加工物100の表面101上に薄い膜状の樹脂201が形成される。
なお、樹脂被覆ステップST11では、薄い膜状の樹脂201を、被加工物100の表面101上に1層のみ形成してもよく、2層以上重ねて形成してもよい。樹脂被覆ステップST11では、薄い膜状の樹脂201を1層のみ形成した場合はもちろん、2層以上重ねて形成した場合でも、同じ樹脂液200を用いて形成するので、層方向に分離せず、一体となった薄い膜上の樹脂201を被加工物100の表面101上に形成することができる。
樹脂被覆ステップST11では、さらに、樹脂201の種類に応じて、不図示の加熱装置を使用して、被加工物100の表面101上に形成した樹脂201を加熱硬化することが好ましい。樹脂被覆ステップST11では、樹脂201を2層以上重ねて形成した場合には、最後にまとめて2層以上の樹脂201を加熱硬化することが好ましい。
樹脂被覆ステップST11で使用する樹脂液200に含有される樹脂201は、切削加工後の被切削加工面の表面粗さが被加工物100よりも小さくなる材料であれば、どのような材料でも好適に使用することができる。樹脂被覆ステップST11で使用する樹脂液200に含有される樹脂201は、実施形態1では、具体的には、ポジ型レジスト膜として利用される樹脂、水溶性レジスト膜として利用される樹脂、光重合型レジスト膜として利用される樹脂等を好適に使用することができる。樹脂被覆ステップST11の樹脂201に使用される、ポジ型レジスト膜として利用される樹脂は、例えば、感光剤のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、有機アルカリ水溶液、可溶性のノボラック樹脂等が挙げられる。樹脂被覆ステップST11の樹脂201に使用される、水溶性レジスト膜として利用される樹脂は、例えば、カゼイン、水溶性樹脂に重クロム酸塩を加えたもの等が挙げられる。樹脂被覆ステップST11の樹脂201に使用される、光重合型レジスト膜として利用される樹脂は、例えば、所定のポリマ、モノマ等が挙げられる。
樹脂被覆ステップST11の樹脂201として、上で挙げたポジ型レジスト膜として利用される樹脂、または、光重合型レジスト膜として利用される樹脂を使用する場合、樹脂201を加熱硬化することが好ましく、この場合、樹脂201の加熱硬化により、後述する加工ステップST13で、バイト工具22の刃先に樹脂201が付着したり引き伸ばされたりする等に起因して被切削加工面が荒れてしまうことを抑制することができ、これにより、バイト工具22の刃先状態の確認及び精度確認を好適に実施できる。また、樹脂被覆ステップST11の樹脂201として、上で挙げた水溶性レジスト膜として利用される樹脂を使用する場合、硬化すれば、後述する加工ステップST13で、バイト工具22の刃先に樹脂201が付着したり引き伸ばされたりする可能性が十分に低いため、樹脂201を加熱硬化しなくてもよい。
図6は、図4の保持ステップST12及び加工ステップST13を示す断面図である。保持ステップST12は、図6に示すように、樹脂201が被覆された被加工物100の裏面102側を保持テーブル10に保持するステップである。
保持ステップST12は、具体的には、保持テーブル10が搬出入位置に位置付けられて実施される。保持ステップST12では、搬出入ユニット61によりカセット60-1から搬出され、位置合わせユニット62で位置合わせされた切削加工前の被加工物100を、搬入ユニット63が、被加工物100の裏面102側を保持面11に向けて、搬出入位置にある保持テーブル10の保持面11に搬入する。保持ステップST12では、保持テーブル10が、樹脂201が被覆された表面101とは反対側である裏面102側を保持面11で保持することで、樹脂201が被覆された表面101側を鉛直方向上側に向けて露出させ、実質的に切削ユニット20に向けて保持する状態となる。
加工ステップST13は、図6に示すように、被加工物100の表面101側から切削ユニット20で樹脂201が完全に除去されない厚みまで被加工物100を切削加工するステップである。ここで、樹脂201が完全に除去されない厚みまで被加工物100を切削加工するとは、被加工物100自体を切削加工せず、被加工物100の表面101側に被覆した樹脂201のみを切削加工して薄肉化することで、被加工物100の表面101側の全面に、樹脂201より薄い切削加工後の樹脂202を残存させた状態にすることを指す。
加工ステップST13では、具体的には、まず、切り込み送りユニット40が、切削ユニット20を鉛直方向下方に移動させることで、バイト工具22の切削加工面を、保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物100の表面101と、樹脂被覆ステップST11で被加工物100の表面101上に形成した薄い膜状の樹脂201の上面との間の高さに移動させる。加工ステップST13では、例えば、切り込み送りユニット40が、バイト工具22の鉛直方向下側に向けられた先端の高さを樹脂201に切り込む位置に移動させる。
加工ステップST13では、次に、モーター24が、スピンドル21の先端に装着されたバイト工具22を含むバイトホイール23を回転させる。加工ステップST13では、そして、加工送りユニット30が、バイト工具22を含むバイトホイール23を回転させた状態で、被加工物100を保持している保持テーブル10を搬出入位置から加工位置に向けて移動させる。これにより、加工ステップST13では、バイト工具22の先端が、保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物100の表面101上に形成された薄い膜状の樹脂201に対して、周方向から接触する。そして、加工ステップST13では、加工送りユニット30が、保持テーブル10を完全に加工位置まで移動させることで、バイト工具22が、被加工物100の表面101上に形成された薄い膜状の樹脂201を、全面に渡って、樹脂201が完全に除去されない厚みまで切削加工して、切削加工後の樹脂202とする。
加工ステップST13では、切削ユニット20のバイト工具22で、被加工物100の表面101上の樹脂201を全面に渡って切削加工して樹脂202とした後、加工送りユニット30が、被加工物100を保持する保持テーブル10を加工位置から搬出入位置まで移動させる。
被加工物取り外しステップST14は、加工ステップST13の実施後かつ判断ステップST15の実施前に、被加工物100を保持テーブル10から外し、被加工物100の表面101側に異物500により生じた厚みの凹凸を転写させるステップである。ここで、被加工物100の表面101側に異物500により生じた厚みの凹凸は、異物500が付着した保持面11に被加工物100が吸引保持されて旋回切削されて、被加工物100の厚みがばらつくこと、即ち被加工物100の厚みが不均一になることをいう。
被加工物取り外しステップST14では、具体的には、まず、搬出ユニット64が、加工ステップST13の実施後に、搬出入位置に位置付けられた保持テーブル10から、表面101上に切削加工後の樹脂202が形成された被加工物100を取り外す。
被加工物取り外しステップST14で取り出した被加工物100の表面101上に被覆された切削加工後の被加工物100の樹脂202の表面には、凹凸が形成される。切削加工後の樹脂202の表面は、具体的には、保持面11に異物500が付着していた箇所上の被加工物100の表面101の領域では凸となり、凹凸が形成される。このように、本発明では、被加工物が保持テーブル10に保持されている状態では、異物500により被加工物100の厚みにばらつきは生じているが、被加工物100の保持面11に接している面(本実施形態では裏面102)に凹凸があり、被加工物100の露出している反対側の面(本実施形態では表面101)は平坦になっているため可視光において干渉縞が確認しにくい。しかし、被加工物取り外しステップST14において被加工物100を保持テーブル10から取り外すことで、表面101側に異物による凹凸が転写されるため可視光でも干渉縞が見えやすい状態となる。異物500により被加工物100の面内に厚みばらつきがあった場合に被加工物100の表面101側に厚みの凹凸が転写される。
図7は、図4の加工ステップST13を経て形成された干渉縞300を模式的に示す上面図である。干渉縞300は、切削加工後の樹脂202の厚みの凹凸に起因して、光学現象により生じているものである。このため、干渉縞300は、図7に示すように、切削加工後の樹脂202において厚みが等しい位置を結んだ曲線である等厚線の群として表される。干渉縞300、すなわち等厚線の密度は、切削加工後の樹脂202の厚みの変化量の傾斜を表している。
判断ステップST15は、加工ステップST13の実施後に切削加工後の樹脂202に形成される干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えるか否かを判断するステップである。実施形態1に係る保持面の異物検出方法では、切削加工後の樹脂202に形成される干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超える場合(判断ステップST15でYes)、処理を洗浄ステップST16に進め、切削加工後の樹脂202に形成される干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えない、すなわち許容範囲内である場合(判断ステップST15でNo)、洗浄ステップST16を実施せずに処理を終了させる。ここで、本実施形態では、干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えるとは、干渉縞300が可視光で認識できる場合であり、干渉縞300の状態が所定の許容範囲内であるとは、干渉縞300が可視光で認識できない場合である。
判断ステップST15では、具体的には、干渉縞300が可視光で認識できた場合、干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えると判断し、保持テーブル10の保持面11は十分に平坦ではなく、異物500が保持テーブル10の保持面11に存在すると判断する(判断ステップST15でYes)。干渉縞300が可視光で認識できない場合、干渉縞300の状態が所定の許容範囲内であると判断する。保持テーブル10の保持面11は十分に平坦であり、異物500が保持テーブル10の保持面11に存在しないと判断する(判断ステップST15でNo)。
また、判断ステップST15では、干渉縞300が可視光で認識できた場合、干渉縞300が認識できた領域を、保持テーブル10の保持面11において異物500が存在している領域と対応しているとして認識することができる。
なお、判断ステップST15は、実施形態1では、制御ユニット50が、所定の撮像装置及び所定の画像解析装置等を使用して機械的に実施してもよく、オペレータが切削加工後の樹脂202が形成された被加工物100を視認して実施してもよく、また、干渉縞300の領域、例えば干渉縞300の中で厚みが一番薄くなる干渉縞300の中央と干渉縞300の外側の領域との厚みを測定し、しきい値以上の厚みの差があるかを確認するという厚み測定による判断を実施してもよい。
洗浄ステップST16は、切削加工後の樹脂202に形成される干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えていた場合は保持テーブル10の保持面11を洗浄するステップである。すなわち、洗浄ステップST16は、判断ステップST15でYesと判断した場合にのみ実施する。
図8は、図4の洗浄ステップST16の詳細の処理を示すフローチャートである。洗浄ステップST16は、実施形態1では、図8に示すように、有機溶剤供給ステップST21と、異物除去ステップST22と、を有する。なお、洗浄ステップST16は、本発明ではこの形態に限定されず、保持テーブル10の保持面11に付着した異物500を除去可能であれば、どのような形態であってもよい。
図9は、図8の有機溶剤供給ステップST21を示す断面図である。有機溶剤供給ステップST21は、図9に示すように、保持面11に有機溶剤400を供給するステップである。
有機溶剤供給ステップST21では、具体的には、図9に示すように、保持テーブル洗浄ユニット80の有機溶剤供給部81が、保持面11、すなわち外周環状保持部12の上面及び複数の支持ピン14の上面に向けて、有機溶剤400を供給する。有機溶剤供給ステップST21では、滴下、噴射、散布、塗布等の方法により有機溶剤400を供給することができる。有機溶剤供給ステップST21では、前の判断ステップST15で保持テーブル10の保持面11において異物500が存在している領域を求めていた場合、異物500が存在している領域及びその周辺のみに有機溶剤400を供給してもよい。有機溶剤供給ステップST21では、異物500が存在している領域に有機溶剤400を供給することで、異物500が保持面11に固着しているような場合であっても、有機溶剤400が保持面11に好適に濡れて、保持面11と異物500との間に入り込み、異物500を保持面11から好適に浮かび上がらせることができる。
有機溶剤供給ステップST21で使用する有機溶剤400は、実施形態1では、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IsoPropyl Alcohol、IPA)、ノルマルプロピルアルコール(n-Propyl Alcohol、NPA)、アセトン等が挙げられる。
図10は、図8の異物除去ステップST22を示す断面図である。異物除去ステップST22は、図10に示すように、有機溶剤400によって保持面11から浮かび上がった異物500を洗浄するステップである。
異物除去ステップST22では、具体的には、図10に示すように、保持テーブル洗浄ユニット80の洗浄ブラシ82を、保持面11に対して所定の圧力で押圧しながら相対的に水平方向に移動させて、保持面11にこすり付けることで、有機溶剤400によって保持面11から浮かび上がった異物500を保持面11から除去する。また、異物除去ステップST22では、エアと水を混ぜた二流体洗浄水を供給して有機溶剤400によって保持面11から浮かび上がった異物500を保持面11から除去しても良い。
このように、実施形態1に係る保持面の異物検出方法では、洗浄ステップST16を実施することで、保持テーブル10の保持面11から異物500を除去して、保持テーブル10の保持面11を十分に平坦な正常状態に戻すことができる。
実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、樹脂被覆ステップST11で表面101に樹脂201を被覆した被加工物100を、保持ステップST12で異物500の有無を検出したい保持面11に保持させて、加工ステップST13で樹脂201を完全に除去されない厚みまで切削加工する。このため、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、靱性の高い樹脂201を被覆して加工するので、従来の靱性の低い被加工物100を加工する場合と比較して、被切削加工面の表面粗さが小さい状態を形成することができる。これにより、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、切削加工により形成した樹脂202が、従来のようにレーザ干渉計などの特別な測定器を使用することなく、可視光でも樹脂202の厚みばらつきに起因する干渉縞300を十分に明瞭に観察することができる。
また、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、加工ステップST13で、被加工物100に被覆した樹脂201の上面を平坦に加工する。このため、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、加工ステップST13で、切削加工後の樹脂202を、保持テーブル10の保持面11に異物500がある場合に、異物500に起因する被加工物100の面内の厚みばらつきに基づく厚みの凹凸を有するものとすることができる。
以上により、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、判断ステップST15で、切削加工後の樹脂202に形成される干渉縞300の状態が所定の許容範囲を超えるか否かを判断することで、保持テーブル10の保持面11に異物500があるか否かを判断することができるので、保持テーブル10の保持面11の異物500をより容易に検出することができるという作用効果を奏するものとなる。
また、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、さらに、加工ステップST13の実施後かつ判断ステップST15の実施前に、被加工物100を保持テーブル10から外し、被加工物100の表面101側に異物500により生じた厚みの凹凸を転写させる被加工物取り外しステップST14を実施する。このため、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、表面101側に異物による凹凸が転写されるため可視光でも干渉縞がさらに見えやすい状態となるので、保持テーブル10の保持面11の異物500をさらに容易に検出することができるという作用効果を奏する。
また、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、洗浄ステップST16が、保持面11に有機溶剤400を供給する有機溶剤供給ステップST21と、有機溶剤400によって保持面11から浮かび上がった異物500を洗浄する異物除去ステップST22とを有する。このため、実施形態1に係る保持面の異物検出方法は、判断ステップST15を経て検出した異物500が保持テーブル10の保持面11に固着している場合でも、好適に異物500を保持面11から除去することができるという作用効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る保持面の異物検出方法を図面に基づいて説明する。図11は、実施形態2に係る保持面の異物検出方法における保持ステップST12及び加工ステップST13を示す断面図である。図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態2に係る保持面の異物検出方法は、図11に示す研削装置1-2において実施される方法である。実施形態2に係る保持面の異物検出方法を実施する研削装置1-2は、図11に示すように、実施形態1に係る保持面の異物検出方法を実施するバイト切削装置1において、切削ユニット20に代えて、研削ユニット90を備えたものである。
研削装置1-2において、保持テーブル10は、被加工物100を搬出入する搬出入位置と、保持面11で保持した被加工物100に対し研削ユニット90により研削加工を実行する加工位置との間で、X軸方向に移動可能に設けられている。
研削ユニット90は、図11に示すように、スピンドル91と、研削砥石92を含む研削ホイール93と、モーター94と、を備える。スピンドル91は、保持面11に直交する方向である鉛直方向に沿って軸心方向が配されている。研削ホイール93は、研削砥石92を鉛直方向の下方に向けて、鉛直方向の上方側がスピンドル91の先端に装着されている。モーター94は、スピンドル91に設けられ、スピンドル91を軸心回りに回転させる。研削ユニット90は、スピンドル91の先端に装着された研削砥石92を含む研削ホイール93をモーター94で回転させることで、保持テーブル10に保持された被加工物100を研削する。研削ユニット90の研削加工面及び研削ユニット90による被加工物100の被研削加工面は、保持面11に平行、すなわち水平面であるXY平面に概ね平行となる。
研削装置1-2において、切り込み送りユニット40は、移動基台を介して装着された研削ユニット90をZ軸方向に沿って移動させる。研削装置1-2において、切り込み送りユニット40は、研削ユニット90を鉛直方向下方である-Z方向に沿って移動させ、研削砥石92を保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物100に向けて移動させる。
本発明の実施形態2に係る保持面の異物検出方法は、本発明の実施形態1に係る保持面の異物検出方法において、加工ステップST13を変更したものであり、その他の処理については実施形態1と同様である。
実施形態2に係る加工ステップST13は、図11に示すように、被加工物100の表面101側から研削ユニット90で樹脂201が完全に除去されない厚みまで被加工物100を研削加工するステップである。
実施形態2に係る加工ステップST13では、具体的には、まず、加工送りユニット30が、被加工物100を保持する保持テーブル10を搬出入位置から加工位置まで移動させる。加工ステップST13では、次に、モーター94が、スピンドル91の先端に装着された研削砥石92を含む研削ホイール93を回転させる。実施形態2に係る加工ステップST13では、そして、切り込み送りユニット40が、研削砥石92を含む研削ホイール93を回転させた状態で、研削ユニット90を鉛直方向下方に移動させることで、研削砥石92の研削加工面を、加工位置にある保持テーブル10の保持面11に向けて接近させる。これにより、実施形態2に係る加工ステップST13では、研削砥石92の先端が、保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物100の表面101上に形成された薄い膜状の樹脂201に対して、上面側から接触する。
そして、実施形態2に係る加工ステップST13では、研削砥石92の研削加工面を、保持テーブル10の保持面11で吸引保持した被加工物100の表面101と、樹脂被覆ステップST11で被加工物100の表面101上に形成した薄い膜状の樹脂201の上面との間の高さまで移動させることで、研削砥石92が、被加工物100の表面101上に形成された薄い膜状の樹脂201を、全面に渡って、樹脂201が完全に除去されない厚みまで研削加工して、研削加工後の樹脂202とする。加工ステップST13では、例えば、切り込み送りユニット40が、研削砥石92の鉛直方向下側に向けられた先端の高さを、被加工物100の表面101上に形成された薄い膜状の樹脂201の厚み方向の中央付近まで移動させて、研削加工をする。
実施形態2に係る保持面の異物検出方法は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法と同様に、樹脂被覆ステップST11で表面101に樹脂201を被覆した被加工物100を、保持ステップST12で異物500の有無を検出したい保持面11に保持させて、加工ステップST13で樹脂201を完全に除去されない厚みまで研削加工する。そして、実施形態2に係る保持面の異物検出方法は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法と同様に、加工ステップST13で、研削加工後の樹脂202を、保持テーブル10の保持面11に異物500がある場合に、異物500に起因する被加工物100の面内の厚みばらつきに基づく厚みの凹凸を有するものとすることができる。このため、実施形態2に係る保持面の異物検出方法は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法と同様の作用効果を奏するものとなる。
次に、本発明の発明者は、本発明の保持面の異物検出方法の効果を確認した。結果を以下の表1に示す。表1は、表面を切削加工後に、可視光で干渉縞300が認識できたものを丸で示し、可視光で干渉縞300が認識できなかったものをバツで示している。
表1中の本発明方法1は、実施形態1に係る保持面の異物検出方法において、樹脂被覆ステップST11でポジ型レジスト膜として利用される樹脂の一例である感光剤のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを樹脂201として含有する樹脂液200を使用して被加工物100の表面101に被覆し、被覆した樹脂201を加熱硬化して、樹脂201を被覆した被加工物100の裏面102側を異物500を有する保持テーブル10の保持面11で保持し、樹脂201を完全に除去されない厚みまでバイト工具22で切削加工して切削加工後の樹脂202を形成したものである。表1中の本発明方法2は、樹脂201を水溶性レジスト膜として利用される樹脂の一例であるカゼインに変更し、被覆した樹脂201の加熱硬化をしないこと以外、表1中の本発明方法1と同じ処理を実行したものである。表1中の本発明方法3は、樹脂201を光重合型レジスト膜として利用される樹脂の一例である所定のポリマに変更したこと以外、表1中の本発明方法1と同じ処理を実行したものである。表1中の本発明方法4は、バイト工具22での切削加工を研削砥石92での研削加工に変更したこと以外、表1中の本発明方法1と同じ処理を実行したものである。表1中の比較例は、被加工物100の表面101に樹脂201を被覆しないで、樹脂201の代わりに被加工物100の表面101を切削加工したこと以外、表1中の本発明方法1と同じ処理を実行したものである。
表1によれば、比較例は、可視光で干渉縞300が認識できなかったのに対し、本発明方法1、本発明方法2、本発明方法3及び本発明方法4は、可視光で干渉縞300が認識できた。よって、表1によれば、樹脂被覆ステップST11で樹脂201を被覆して、樹脂201を完全に除去されない厚みまで加工して、加工後の樹脂202を形成することで、可視光で干渉縞300が認識可能とすることができることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。