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JP7301007B2 - 耐火性発熱体の製造方法 - Google Patents
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本発明は、耐火性発熱体の製造方法、特にマイクロ波の照射による発熱が可能な耐火性発熱体の製造方法に関するものである。
マイクロ波の照射による発熱が可能な発熱体は、例えば電子レンジや、産業用マイクロ波照射装置を用いてマイクロ波を照射すると、発熱体全体を迅速に加熱することができる。また、加熱に際し、火炎を使用せず、熱媒体となる液体(水や油)を介する必要もないので、マイクロ波照射装置さえ準備できれば、加熱工程が簡素な構成で実現できる。こうした長所を鑑み、マイクロ波の照射による発熱が可能な発熱体は、電子レンジ内で発熱する調理皿等、多彩な用途に使用されている。また、かかる発熱体は、マイクロ波を吸収することにより発熱するため、電磁波吸収体としても利用可能である。
例えば、特許文献1には、シリコーンゴムにマグネタイトを配合し、さらに酸化亜鉛を配合して変色を防止したマグネタイト含有シリコーンゴム組成物の技術が開示されており、かかるにマグネタイト含有シリコーンゴム組成物よれば、高温環境において使用した際の組成物の変色が抑制できることが開示されている。
特開2009-149800号公報
ところで、このようなマイクロ波の照射による発熱が可能な発熱体を、電子レンジを用いて加熱する調理皿に用いる場合には、通常ユーザはかかる調理皿を電子レンジでのみ使用するが、ユーザの不注意により、かかる調理皿が高温のガスオーブンに使用されたり、ガスコンロなどの直火にかけられてしまう恐れがある。
かかる調理皿の発熱部は、例えばシリコーンゴムにマグネタイトを含有させたシリコーンゴム組成物により構成されているため、直火にかけられるなど、高温にさらされると、ゴム成分が分解して可燃性のガスが発生したり、発熱部が発泡したり、崩壊したり、はがれたりするおそれがある。
本発明の目的は、火炎や直火などの高温にさらされた際の変質や変形が抑制された、耐火性の発熱体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような耐火性発熱体の製造品質を高める点にある。
発明者は、鋭意検討の結果、マイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を架橋した後に、焼成処理してセラミックス化すると、上記課題の少なくとも1つが解決されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、マイクロ波の照射による発熱が可能な耐火性発熱体の製造方法であって、マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体を、未架橋のシリコーンゴム組成物に混練する第1の工程、第1の工程により得られたマイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を、所定の形状に成形した後に、架橋する第2の工程、第2の工程により架橋されたマイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物を焼成処理してセラミックス化する第3の工程を有する、耐火性発熱体の製造方法である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、第3工程の焼成処理が270℃~330℃で行われる(第2発明)。また、第1発明において、好ましくは、第1工程において、未架橋シリコーンゴム100重量部に対し、マイクロ波吸収体が50~1000重量部配合されるよう、未架橋のシリコーンゴム組成物を混練する(第3発明)。また、第1発明ないし第3発明のいずれかにおいて、好ましくは、マイクロ波吸収体が、ニッケルジンク(NiZn)フェライトまたはマンガンジンク(MnZn)フェライトを含む(第4発明)。
本発明の耐火性発熱体の製造方法(第1発明)によれば、マイクロ波により発熱可能な発熱体が、火炎や直火などの高温にさらされた際の変質や変形が抑制された、耐火性の発熱体が得られる。また、得られる耐火性発熱体にひびなどの製造不良が発生しにくく、耐火性発熱体の製造品質が高められる。
さらに、第2発明のようにした場合には、得られる発熱体の耐火性と製造品質がより高められる。また、第3発明のようにした場合には、焼成処理における肉やせが特に少なくなり、耐火性発熱体の製造品質が特に高められる。また、第4発明のようにした場合には、高温にさらされても発熱特性が劣化しにくい耐火性発熱体が得られる。
第1実施形態の調理皿の構造を示す断面図である。 第1実施形態の調理皿の製造工程の一部を示すフローチャートである。
以下図面を参照しながら、電子レンジで発熱させることが可能な調理皿およびその製造方法を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、第1実施形態の調理皿1の構造を示す断面図である。調理皿1は、金属皿11と、金属皿11の底面に取り付けられた耐火性発熱体12を有する。耐火性発熱体12は、マイクロ波の照射による発熱が可能なように構成されていて、この調理皿1に食材を載せて、電子レンジ内部でマイクロ波を照射すると、耐火性発熱体12が発熱して、隣接する金属皿11が高温になり、食材に焼き目を付けることができる。
金属皿11は、鋼板などの金属材料により構成される。調理皿1が直火にかけられても損傷等が生じないようなものであれば、金属材料は特に限定されず、アルミニウム板などであってもよいが、耐熱性の観点から、鋼板、ステンレス板などの鉄系の金属材料であることが特に好ましい。金属皿11の上面にフッ素系樹脂などが焼付塗装されて、食材が調理皿1にこびりつきにくくされることが好ましい。金属皿11の形状は、電子レンジの加熱室や食材等の形状に対応して決定すればよく、特に限定されない。
耐火性発熱体12は、マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体を含んでいる。後述するように、この耐火性発熱体12は、マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体を含有する未架橋のシリコーンゴム組成物を成形、架橋した後、焼成処理することによって得られる。
マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体には、900~5000メガヘルツのマイクロ波を吸収して発熱する発熱物質が好ましく使用できる。特に、家庭用電子レンジなどに使用される2450メガヘルツ付近のマイクロ波による発熱性能が高い物質を選択して使用することが好ましい。
マイクロ波吸収体としては、未架橋シリコーンゴムに混練可能であれば特に制限はない。未架橋シリコーンゴムに混練して分散させるために、マイクロ波吸収体は粉末状あるいは粒子状とされる。また、必要に応じて、マイクロ波吸収体に、未架橋シリコーンゴムとの混練を容易にする目的などのためにコーティング、カップリング剤処理などの表面処理を施しても良い。
マイクロ波吸収体に含まれる発熱物質としては、マグネタイトやフェライト、導電性金属酸化物などの金属化合物や、導電性カーボン、カーボンファイバー等を例示できる。これら発熱物質の粉末を直接マイクロ波吸収体として使用することもできるし、発熱物質の粉末をバインダなどで固めた粒子状として使用することも可能である。
マイクロ波吸収体に含まれる発熱物質の中でも、昇温特性が良好である点において、金属化合物が好ましく使用でき、特に、ニッケルジンク(NiZn)フェライトやマンガンジンク(MnZn)フェライト、マグネタイトが好ましく使用できる。また、マイクロ波吸収体がニッケルジンク(NiZn)フェライトやマンガンジンク(MnZn)フェライトを含むようにされていると、マイクロ波吸収体が高温にさらされても変性しにくいため、直火にさらされても耐火性発熱体12の発熱性能が維持されやすい。
上記調理皿1の製造方法、特に耐火性発熱体12の製造方法について説明する。図2は、第1実施形態の調理皿1の製造工程の一部を示すフローチャートである。図2に示されるように、調理皿1の製造工程は、マイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を混練する第1の工程、第1の工程により得られたマイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を、所定の形状に成形した後に、架橋する第2の工程、第2の工程により架橋されたマイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物を焼成処理してセラミックス化する第3の工程を含む。耐火性発熱体12はこれら第1の工程、第2の工程、第3の工程を含む構成により製造される。
第1の工程では、マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体を、未架橋のシリコーンゴムに練りこんで、未架橋のシリコーンゴム組成物へと混練する。混練は練りロールやバンバリーミキサーなどの通常の混練手段が利用できる。未架橋のシリコーンゴム組成物には、後の工程で架橋が可能となるよう、架橋剤や架橋助剤も必要に応じて混練される。未架橋のシリコーンゴム組成物には、充填剤等、他の材料も混練されてよい。
第1工程で使用される未架橋のシリコーンゴムは特に限定されず、多様なシリコーンゴムが使用できる。未架橋のシリコーンゴムとしては、例えば、ミラブルタイプのものや、液状タイプのものなどが使用できる。シリコーンゴムポリマーの種類や平均分子量、官能基等が異なる複数のシリコーンゴムポリマーを混合したシリコーンゴムであってもよい。未架橋のシリコーンゴムとして、後述する焼成工程でセラミックス化しやすいように、無機化シリコーンゴムを使用してもよい。なお、無機化シリコーンゴムとは、ベースポリマーであるシリコーンゴムに白金化合物と無機充填剤(カオリナイト、タルク、マイカ、シリカ、ケイ酸アルミニウム等)を配合したものである。
第1工程で使用されるマイクロ波吸収体は、ニッケルジンク(NiZn)フェライトまたはマンガンジンク(MnZn)フェライトを含むものであることが好ましい。種類の異なるマイクロ波吸収体を併用して混練してもよい。
第1工程で混練される未架橋シリコーンゴムと粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体の配合割合は、好ましくは、未架橋シリコーンゴム100重量部に対しマイクロ波吸収体を50~1000重量部、より好ましくは、未架橋シリコーンゴム100重量部に対しマイクロ波吸収体を100~600重量部とされる。マイクロ波吸収体の配合量が50重量部よりも多くすると、焼成工程において耐火性発熱体にひびなどの不良が発生しにくくなる。また、マイクロ波吸収体の配合量が1000重量部以下であれば、未架橋シリコーンゴム組成物の均一な混練や、第2工程における成形が行いやすい。
第2の工程では、第1の工程により得られたマイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を、所定の形状に成形した後に、架橋する。架橋システムは特に限定されないが、有機過酸化物系の架橋システムであることが好ましい。
成形は、ロール成形やプレス成形など、未架橋シリコーンゴム組成物を加圧する成形であることが好ましい。上記実施形態の調理皿1を製造する際には、金属皿11に未架橋シリコーンゴム組成物を押し付けるようにプレス加工して、金属皿11に、マイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物が密着するように、所定の厚みや大きさに成形することが好ましい。金属皿11と耐火性発熱体12の一体化が良好となるよう、金属皿11の表面を荒らしたり、バインダ処理するなどすることが好ましい。
成形され、金属皿11に密着するようにされた未架橋シリコーンゴム組成物を架橋する。有機過酸化物系の架橋システムであれば、加熱して架橋する。架橋に使用する架橋剤や架橋助剤は、シリコーンゴムの架橋が可能な架橋システム用のものが使用でき、例えば、有機過酸化物系の架橋システム用の架橋剤(例えばベンゾイルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイド、2-4ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等)や架橋助剤が利用できる。
本実施形態のように、金属皿11と耐火性発熱体12を一体化したい場合には、架橋する際に、金属皿11に未架橋シリコーンゴム組成物が密着するよう、加圧した状態で加熱して架橋することが好ましい。また、有機過酸化物系の架橋システムの場合は、架橋障害が生じないよう、金型等により酸素を遮断した環境下で架橋を行うことが好ましい。
第2の工程を経て架橋が完了すると、所定の形状に成形され、架橋された、マイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物が、金属皿11に架橋接着された状態となる。
第3の工程では、第2の工程により架橋されたマイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物を焼成処理してセラミックス化する。
焼成処理は、好ましくは、焼成温度270℃~330℃で行われる。焼成温度が250℃以下であると、焼成が不十分となりやすく、得られる耐火性発熱体の耐火性が不十分となる恐れがある。また焼成温度が400℃以上であると、焼成処理の際に焼成反応が急激に進んで多量のガスが発生してしまい、シリコーンゴム組成物が発泡したり、水膨れ状となったり、金属板11からはがれたりするといった製造不具合が生じやすくなる。焼成温度は一定であってもよいが、焼成温度を変化させてもよく、例えば焼成開始時には焼成温度を低くしつつ、焼成が進むにつれて焼成温度を高めるようにしてもよい。
焼成処理の雰囲気は特に限定されないが、発生するガスの放散をうながしつつ、発泡等の製造不具合を避けるため、大気圧程度の空気中で焼成処理が行われることが好ましい。また、シリコーンゴム組成物から放出されるガスの濃度が高くならないように、適宜、空気を換気しながら焼成処理が行われることが好ましい。
焼成処理は、焼成が十分に進行するだけの焼成時間にわたって行われる。焼成温度を高くすると焼成時間を短くできる傾向がある。しかしながら、焼成温度が高いと発泡などの不具合が生じやすく、焼成時間が短いと耐火性が低下する恐れがあるので、そうならないように、焼成温度や焼成時間を調整すればよい。成形され架橋されたシリコーンゴム組成物が厚肉のものであると、ガスが抜けにくいので、薄肉のものよりも焼成時間を長くとる必要がある。
例えば、成形体の厚みが3mmであれば、焼成温度280℃で焼成時間100時間程度で、マイクロ波吸収体を含有する架橋されたシリコーンゴム組成物に対し十分に焼成処理を行い、セラミックス化することができる。
焼成を行うことにより、架橋されたシリコーンゴム組成物から、ガスやモノマー成分が抜けて、シリコーンゴム組成物はセラミックス化する。焼成処理において発生するガスには、シリコーンゴムが分解/変性する際に発生するガスが含まれている。マイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物がセラミックス化することにより、組成物は弾力性を失い、陶器や瓦のような硬質のセラミックスになる。
焼成処理を経ることにより、マイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物は、耐火性発熱体12となる。この耐火性発熱体12は、後述するように、直火にさらされても変形や変質しない、安定なセラミックスである。また、焼成処理の前に、マイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物は金属皿11に密着し加硫接着していたため、焼成処理の後でも、耐火性発熱体12と金属皿11は互いに密着し接着した状態で一体化している。
発明の作用および効果について説明する。
上記実施形態の製造方法により製造される耐火性発熱体12は、マイクロ波吸収体を含んでおり、マイクロ波の照射により、耐火性発熱体12の全体が発熱する。また、上記実施形態の製造方法により耐火性発熱体12を製造すると、所望の形状に成形された耐火性発熱体12を得ることができる。
また、第2工程における成形に際し、マイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を加圧して金属皿11に密着するように成形、架橋を行えば、金属皿11に耐火性発熱体12を密着状態で一体化できる。
また、上記実施形態の製造方法により製造される耐火性発熱体12は、焼成処理によりセラミックス化されているので、直火にさらされても、発煙、発火したり、変形したり、割れたり、崩落したりしにくく、耐火性に優れている。
この点に関し、従来公知の、マイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物からなる発熱体の場合は、火炎等の直火にさらされると、火炎にさらされた部分が水泡状に膨らんだり、はがれたり、可燃性のガスが出て発煙するなどしていた。
また、上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法によれば、所定の形状を有するセラミックス化された耐火性発熱体を、割れやひびなどの形状不具合を生ずることなく、精度よく製造することができる。上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法では、粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体がシリコーンゴム組成物中に混練・分散された状態で焼成処理が行われるため、マイクロ波吸収体が組成物中で骨材のように働いて、焼成処理の際にシリコーンゴムの部分が肉痩せしても、骨材が支えになって、組成物としての寸法変化や収縮が抑制されるからである。
また、上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法において、さらに、第3工程の焼成処理が270℃~330℃で行われるようにすると、焼成反応が十分に進行してセラミックス化がより完全に行われて耐火性発熱体12の耐火性がより向上するとともに、焼成反応が急激に進行してしまい耐火成形体にひびや発泡、水膨れ、はがれといった製造不良が生ずることが抑制される。
また、上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法において、さらに、第1工程において、未架橋シリコーンゴム100重量部に対し、マイクロ波吸収体が50重量部以上配合されるよう、未架橋のシリコーンゴム組成物を混練すれば、マイクロ波吸収体の骨材としての働きが高められ、マイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物が、焼成処理において肉痩せして収縮してしまうことが効果的に抑制され、得られる耐火性発熱体12にひびや割れ、水膨れ、気泡、はがれ等の製造不良が発生することがより効果的に抑制される。同じ観点から、マイクロ波吸収体を、マグネタイトやフェライト系のマイクロ波吸収体として、50重量部以上配合することが特に好ましい。
また、上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法において、さらに、第1工程において、未架橋シリコーンゴム100重量部に対し、マイクロ波吸収体が1000重量部以下配合されるよう、未架橋のシリコーンゴム組成物を混練すれば、第1工程の混練や第2工程の成形が行いやすく、製造効率が高められる。
また、上記実施形態の耐火性発熱体の製造方法において、マイクロ波吸収体が、ニッケルジンク(NiZn)フェライトまたはマンガンジンク(MnZn)フェライトを含むようにすることが好ましい。これらのマイクロ波吸収体は、500℃程度までであれば、高温にさらされても変性してしまうことがなく、温度が下がれば再びマイクロ波による発熱性が回復するため、耐火性発熱体12が火炎などの直火にさらされて高温になっても、耐火性発熱体としての発熱性が劣化しにくく、再利用しやすいからである。
以下、上記実施形態の製造方法により製造した耐火性発熱体の耐火性能を評価した結果を示す。
(実施例)
シリコーンゴム(モメンティブ社製 TSE2570-4U)100重量部に対し、マンガンジンク(Mn-Zn)フェライト(JFEケミカル株式会社製 LD-M)100重量部、架橋剤等を混練し(第1の工程)、マイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を得た。かかる未架橋シリコーンゴム組成物を、鉄板に密着するよう、厚さ3mmにプレス成形しながら加熱して架橋し(第2の工程)、マイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物を得た。さらに、マイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物が鉄板に一体化された状態で、これらを280℃に加熱されたギアオーブンに入れ、100時間の焼成処理を行い、シリコーンゴム組成物をセラミックス化させて(第3工程)、実施例の耐火性発熱体12を得た。
得られた実施例の耐火性発熱体12は、弾力性のない硬質なセラミックス状であり、鉄板に一体化していた。また、得られた耐火性発熱体12は、焼結処理前のマイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物と実質的に同じ形状や寸法を有しており、ひびや割れ、水膨れやはがれといった製造不良も認められなかった。
(比較例1)
上記実施例の第1工程と第2工程を実行して、マイクロ波吸収体を含有する架橋シリコーンゴム組成物を得た。これを焼成処理せずに、そのまま、比較例1の、鉄板に一体化された発熱体として試験に供した。
(比較例2)
上記比較例1のシリコーンゴムをアクリロニトリルブタジエンゴム(JSR株式会社製 JSR N239SV)に変更し、マンガンジンクフェライト100重量部を配合して、混練、成形、架橋工程を行い、マイクロ波吸収体を含有する架橋アクリロニトリルブタジエン組成物を得た。これを焼成処理せずに、そのまま、比較例2の、鉄板に一体化された発熱体として試験に供した。
これら実施例、比較例の発熱体を耐火性試験に供した。耐火性試験は、発熱体の側が下になるように、鉄板を鉛直方向に対し45℃傾けて配置し、発熱体にガスバーナの火炎が直接当たるように1分間加熱して、試験中および試験後の発熱体の状態を観察した
実施例の耐火性発熱体では、ガスバーナの火炎が発熱体にあたっても、ガスが発生したり発熱体が変形したりすることはなく、外観上、特段の変化は見られなかった。また、試験が終了した後に観察しても、試験前と外観上特に変化はなかった。
比較例1の発熱体では、ガスバーナの火炎が発熱体にあたると、火炎にさらされた部分からガスが発生し、発煙した。また、火炎にさらされた部分が水膨れのように膨らんだりした。試験が終了しても、膨らんだ部分は元に戻らず、周囲と比べて焼け焦げたような外観となった。また、膨らんだ部分はもろく、崩れやすかった。
比較例2の発熱体では、ガスバーナの火炎が発熱体にあたると、火炎にさらされた部分からガスが発生し、発煙、発火した。そして、発火した部分が水膨れのように膨らんだりした。試験終了後に観察すると、膨らんだ部分がかなりもろくなっており、発熱体が失われやすかった。
以上のように、上記実施形態の製造方法により焼成処理して得られた耐火性発熱体は、耐火性に優れることが示された。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の説明では、耐火性発熱体が電子レンジで使用される調理皿である場合を例として説明したが、具体的用途は、調理皿に限定されない。上記実施形態の製造方法により製造される耐火性発熱体は、その他の用途、例えば、カーボンファイバー補強プラスチック(CFRP)製品を製造する際の樹脂型や金型に取り付けて使用してもよい。上記実施形態の製造方法により製造される耐火性発熱体は、マイクロ波により発熱し、耐火性に優れるため、高温で使用される発熱体に適している。
上記実施形態の製造方法により製造される耐火性発熱体は、例えば電子レンジで加熱可能な調理皿に使用でき、産業上の利用価値が高い。
1 調理皿
11 金属皿
12 耐火性発熱体

Claims (4)

  1. マイクロ波の照射による発熱が可能な耐火性発熱体の製造方法であって、
    マイクロ波照射により発熱する粉末状または粒子状のマイクロ波吸収体を、未架橋のシリコーンゴム組成物に混練する第1の工程、
    第1の工程により得られたマイクロ波吸収体を含有する未架橋シリコーンゴム組成物を、所定の形状に成形した後に、架橋する第2の工程、
    第2の工程により架橋されたマイクロ波吸収体を含有するシリコーンゴム組成物を焼成処理してセラミックス化する第3の工程を有する、
    耐火性発熱体の製造方法。
  2. 第3工程の焼成処理が270℃~330℃で行われる、
    請求項1に記載の耐火性発熱体の製造方法。
  3. 第1工程において、未架橋シリコーンゴム100重量部に対し、マイクロ波吸収体が50~1000重量部配合されるよう、未架橋のシリコーンゴム組成物を混練する
    請求項1に記載の耐火性発熱体の製造方法。
  4. マイクロ波吸収体が、ニッケルジンク(NiZn)フェライトまたはマンガンジンク(MnZn)フェライトを含む、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐火性発熱体の製造方法。
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