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JP7302266B2 - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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JP7302266B2 - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法に関し、特に、耐摩耗性及び画像特性の安定性に優れた電子写真感光体等に関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置は、軽印刷分野への利用が急拡大しており、電子写真感光体にはさらなる高耐久化及び高画質化が要請されている。高耐久化に対しては、例えば、多官能の硬化型アクリレートモノマーを含有させた保護層(例えば、特許文献1参照。)又は、重合性基を有するモノマーの重合物と微粒子を併用した保護層(例えば、特許文献2参照。)が用いられている。
ただし、これらの保護層を用いた場合は、保護層の正孔輸送能が低く電荷輸送層と保護層の界面に正孔が蓄積するため、画像メモリーが発生しやすく画質低下を引き起こす。保護層に電荷輸送性能を有する化合物を用いると、保護層の正孔輸送能が向上することにより上記の機構による画像メモリー発生が抑制されて高画質化につながるが(例えば、特許文献3参照。)、保護層の強度が低下するため十分な耐久性を確保できなかった。
このように、従来技術では耐久性及び画質において十分満足できる電子写真感光体を得ることができず、電子写真感光体にはなお一層の高耐久化及び高画質化技術が望まれていた。
特開平8-262779号公報 特開2003-43711号公報 特開2004-302450号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐摩耗性に優れ、感光体周期による画像濃度差(画像メモリー)が発生せず、耐摩耗性及び画像特性の安定性に優れた電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、電子写真感光体の最表面層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有することによって、耐摩耗性及び画像特性の安定性に優れた電子写真感光体等を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層の順に積層された電子写真感光体であって、
前記保護層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有し、かつ、
前記保護層全体に対する前記銅化合物の含有量(質量部)が、前記保護層全体に対する有機化合物よりなる電荷輸送剤の含有量(質量部)の2倍以上であることを特徴とする電子写真感光体。
.前記保護層が、架橋性の重合性化合物が光重合して硬化されてなる樹脂を含有することを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
.前記保護層が、p型半導体である酸化物微粒子を含有することを特徴とする第1項又は2項に記載の電子写真感光体。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
前記電子写真感光体の保護層の形成において、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを有機溶媒に溶解させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
.架橋性の重合性化合物を含有する保護層塗布液に活性線を照射して重合硬化させて前記保護層を形成する工程を有することを特徴とする第項に記載の電子写真感光体の製造方法。
本発明の上記手段により、耐摩耗性に優れ、感光体周期による画像濃度差(画像メモリー)が発生せず、耐摩耗性及び画像特性の安定性に優れた電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来の感光体での画像メモリーの原因の一つとして、露光時に発生した正孔が感光層内部でトラップされる現象が挙げられる。以下のような機構で、この現象を緩和することができると推測される。
一般に、有機分子性材料である電荷輸送材料に無機p型半導体を加えた場合、正孔輸送性能を維持するためには、電荷輸送材料と無機p型半導体界面の電荷移動障壁を低減する必要がある。これを実現するための条件としては、それぞれの正孔準位の差が小さく、かつ、分子スケールでの密な界面接触構造が形成されていることが挙げられる。
通常、無機p型半導体微粒子は分散液の状態で用いているが、超音波分散等の一般的な分散方法では粒子が解砕されることはないため、電荷輸送材料との分子スケールでの密な界面接触構造が形成しにくく、結果として電荷移動障壁の増大につながる。
一方、本発明に係る1価の銅化合物は、酸化物系などの通常の無機p型半導体微粒子と比べて柔らかく、一般的な分散方法でも解砕され得るため、電荷輸送材料との分子スケールでの密な界面接触構造を形成可能である。
特に、本発明に係る1価の銅化合物が可溶となる有機溶媒を選択すると、電荷輸送材料との分子スケールでのより密な界面接触構造を形成できるので好ましい。加えて、本発明に係る1価の銅化合物は、いずれも銅原子の3d軌道が正孔バンドを形成しており、そのエネルギー準位は5.2eV前後であるため、電荷輸送層の正孔準位エネルギーとの差が小さい。以上より、本発明に係る1価の銅化合物と電荷輸送材料の界面の電荷移動障壁の低減が実現し、全体としての正孔輸送性能を維持することが可能になる。
また、高耐久化と高画質化を両立する手段として、保護層を設けないことにより、露光時に発生した正孔が電荷輸送層と保護層の界面でトラップされる現象を解消するのが一つの方法である。この場合、電荷輸送材料の一部を本発明に係る1価の銅化合物に置き換えると、電荷輸送層の正孔輸送性能を維持したまま可塑剤として働く電荷輸送材料の減量ができるので、高耐久化と高画質化を両立することができる。
一方、保護層を設けた構成においては、露光時に発生した正孔が電荷輸送層と保護層の界面でトラップされる現象を解消することが、高耐久化の観点でより好ましい手段である。電荷輸送層と保護層の界面でトラップされるのを防止するために、正孔移動障壁を緩和する手段としては、例えば特許文献3に記載の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を保護層に含有する方法もあるが、未反応の化合物が保護層中に残存して一種の可塑剤として働くため、保護層の強度低下をもたらし耐久性の低下につながる。
そこで、本発明に係る保護層では、電荷輸送層と保護層の界面において、上記の機構に従って電荷輸送材料と本発明に係る1価の銅化合物の界面の電荷移動障壁の低減が実現するので、露光時に発生した正孔が電荷輸送層と保護層の界面でトラップされる現象を解消することができる。
加えて、保護層に可塑剤として働く電荷輸送材料の量が最低限で済むので、十分な耐久性を確保することができる。特に、p型半導体である酸化物微粒子を保護層に含有するときは、樹脂分子鎖との相互作用により保護層の強度がより上昇し、加えて、保護層内部の正孔輸送性も向上するため、より好ましい。
以上の機構により、本発明に係る1価の銅化合物を用いることにより、高画質化及び高耐久性が十分な水準で確保することができたと推測できる。
本発明の電子写真画像形成装置の一例を示す模式断面図
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層の順に積層された電子写真感光体であって、
前記保護層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有し、かつ、
前記保護層全体に対する前記銅化合物の含有量(質量部)が、前記保護層全体に対する有機化合物よりなる電荷輸送剤の含有量(質量部)の2倍以上であることを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記保護層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有することが、保護層がない場合に比べて、耐摩耗性をより向上し、かつ、電荷輸送層と保護層の界面にトラップされる正孔が減少して画像メモリー発生を防止できる点で好ましい。
前記保護層が、架橋性の重合性化合物が光重合して硬化されてなる樹脂を含有することが、熱可塑性樹脂に比べて、膜硬度が増加して耐摩耗性がより向上する点で好ましい。
前記保護層が、p型半導体である酸化物微粒子を含有することが、前記架橋性の重合性化合物と前記酸化物微粒子との間に架橋構造が形成されるため、膜硬度が増加して耐摩耗性がより向上し、かつp型半導体である酸化物微粒子導入の効果により保護層内部での正孔輸送性能が向上し、画像メモリー発生を防止できる点で好ましい。
本発明の電子写真感光体は、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に好適に用いられる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層の順に積層された電子写真感光体であって、
前記保護層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有し、かつ、前記保護層全体に対する前記銅化合物の含有量(質量部)が、前記保護層全体に対する有機化合物よりなる電荷輸送剤の含有量(質量部)の2倍以上であることを特徴とする。これにより、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)が可溶となる有機溶媒を選択すると、最表面層である保護層形成の際に、電荷輸送材料との分子スケールでのより密な界面接触構造を形成でき、電荷輸送材料とヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)の電荷移動障壁を低減することができ、画像メモリー発生の防止につながる。
また、架橋性の重合性化合物を含有する保護層塗布液に活性線を照射して重合硬化させて前記保護層を形成する工程を有することが好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体(以下、感光体ともいう。)は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層の順に、又は電荷発生層と電荷輸送層と保護層の順に積層された電子写真感光体であって、前記電子写真感光体の最表面層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを含有することを特徴とする。
本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を形成してなるものであり、導電性支持体と電荷発生層の間に中間層を有してもよい。電荷輸送層の上に保護層を有する構成が、耐摩耗性が向上する点で好ましい。また、電荷発生層及び電荷輸送層から感光層が構成されていることが好ましい。
なお、感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成(2)導電性支持体上に、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)~(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
<電荷輸送層>
本発明に係る電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質及び電荷輸送用バインダー樹脂を含有するものである。
保護層が存在しない場合は、電子写真感光体の最表面層となる本発明に係る電荷輸送層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少
なくとも一つを含有するものである。保護層が存在する場合は、最表面層となる保護層に前記ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを含有すれば、前記電荷輸送層にヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを含有しても良く、含有していなくても良い。
保護層が存在しない場合の本発明に係る電荷輸送層における、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)の添加量は、電荷輸送用バインダー樹脂100質量部に対して、5~30質量部の範囲内であることが好ましい。5質量部以上とすることによって、フィラー効果が十分に発揮でき、電荷輸送性が良好で、可塑剤となる電荷輸送剤の増量が不要で、膜強度の低下を防止することができる。また、30質量部以下とすることによって、電荷輸送層の抵抗及び帯電性の低下を防止し、画像にカブリが生じることもない。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)を単独で用いても良く、混合物、又は混晶として用いても良い。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)は、塗布液中に混入させて用いてもよく、塗布後に含侵やスプレー塗布等の方法に用いて導入してもよい。前者の塗布液中に混入させて用いる方法としては、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)を任意の溶媒に分散させた溶液を用意し、これを電荷輸送物質を電荷輸送用バインダー樹脂溶液中に溶解させた溶液と混合したものを塗布液として用いる方法がある。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)は、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド系溶媒に可溶であり、これらの溶媒を用いた溶液を用いるのがより好ましい。
電荷輸送物質は、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレン及びポリ-9-ビニルアントラセン等。これらの化合物を単独又は二種類以上混合して使用することができる。
また、電荷輸送層用バインダー樹脂は公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPA、BPA-ジメチルBPA共重合体等のタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐磨耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送層は塗布法に代表される公知の方法で形成することが可能であり、例えば、保護層が存在する場合には、塗布法で、電荷輸送用バインダー樹脂と電荷輸送物質とを溶解して塗布液を調製し、塗布液を一定の膜厚で塗布後、乾燥処理することにより所望の電荷輸送層を形成することができる。
なお、保護層が存在しない場合には、前記ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを上述した有機溶媒に溶解させて、塗布液を調製したのち、前記バインダー樹脂及び電荷輸送物質を下記溶媒に溶解させた塗布液と混合して電荷輸送層用塗布液を調製し、当該塗布液を塗布後、乾燥処理することにより電荷輸送層を形成することができる。
上記電荷輸送用バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン等が挙げられる。なお、電荷輸送層形成用の塗布液を作製する際に使用する溶媒は上記のものに限定されるものではない。
電荷輸送用バインダー樹脂と電荷輸送物質の混合比率は、電荷輸送用バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10~500質量部とすることが好ましく、20~100質量部とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質や電荷輸送用バインダー樹脂の特性、及び、これらの混合比等により異なるが、5~40μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば特開2000-305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
<保護層>
保護層が存在する場合、電子写真感光体の最表面層となる本発明に係る保護層は、保護層用バインダー樹脂と、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを含有する。
本発明に係る保護層における、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)の添加量は、保護層用バインダー樹脂100質量部に対して、10~40質量部の範囲内であることが好ましい。10質量部以上とすることによって、保護層に充分な正孔輸送性能を付与することができ好ましい。また、40質量部以下とすることによって、有機溶媒に対して全量溶解させることができるので均一な塗布液を得ることができ好ましい。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)を単独で用いても良く、混合物、又は混晶として用いても良い。他の化合物との混合物であっても良く、後述するp型半導体である酸化物微粒子と混合して用いることが耐摩耗性の点でより好ましい。
保護層の体積抵抗率が、10Ωcm以上であれば細線の像流れが発生しにくく、1014Ωcm以下であれば画像メモリーが発生しにくいので好ましい。保護層の体積抵抗率は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)の添加量で調整でき、上記の体積抵抗率の範囲内に収まるような添加量が好ましい。
体積抵抗率の測定方法としては、公知の装置(例えば、株式会社ダイヤインスツルメンツのハイレスタ-UP(MCP-450))を用い、温度20℃、相対湿度50%の環境下、印加電圧100V(1分間)で測定することにより求めることができる。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)は、塗布液中に混入させて用いてもよく、塗布後に含侵やスプレー塗布等の方法に用いて導入してもよい。前者の塗布液中に混入させて用いる方法としては、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)を任意の溶媒に分散させた溶液を用意し、この溶液を、後述するp型半導体である酸化物微粒子や電荷輸送物質等を保護層用バインダー樹脂溶液中に溶解させた溶液と混合したものを塗布液として用いる方法がある。
ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)は、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド系溶媒に可溶であり、これらの溶媒を用いた溶液を用いるのがより好ましい。
(p型半導体である酸化物微粒子)
p型半導体である酸化物微粒子(以下、単にp型半導体粒子ともいう。)としては、酸化銅(I)、CuAlO、CuGaO、CuInO、SrCu、酸化ニッケル(II)、酸化鉄(II)などを挙げることができる。
前記酸化物微粒子の平均粒径は、5~100nmの範囲内であることが好ましく、シランカップリング剤等の有機化合物で表面処理されていることが好ましい。
本発明に係る保護層における前記酸化物粒子の添加量は、保護層用バインダー樹脂100質量部に対して、20~100質量部の範囲内であることが好ましい。20質量部以上であると、樹脂分子鎖との相互作用により保護層の強度がより上昇し、加えて、保護層内部の正孔輸送性も向上するため好ましい。100質量部以下であると、塗布液粒子の分散状態が安定化しやすいので好ましい。
(表面処理p型半導体粒子)
前記p型半導体粒子は、表面処理剤で処理されたものであることが好ましく、さらに反応性有機基を有する表面処理剤で表面処理されたものがより好ましい。
(表面処理剤)
本発明に係る表面処理剤としては、p型半導体粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明においては、保護層の硬度をさらに高くする目的で、反応性有機基を有する表面処理剤が好ましく、反応性有機基を有する表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護膜を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S-1:CH=CHSi(CH)(OCH
S-2:CH=CHSi(OCH
S-3:CH=CHSiCl
S-4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S-5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S-6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S-7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S-8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S-9:CH=CHCOO(CHSiCl
S-10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S-11:CH=CHCOO(CHSiCl
S-12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S-13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S-14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S-15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S-16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S-17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S-18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S-19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S-20:CH=CHSi(C)(OCH
S-21:CH=C(CH)Si(OCH
S-22:CH=C(CH)Si(OC
S-23:CH=CHSi(OCH
S-24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S-25:CH=CHSi(CH)Cl
S-26:CH=CHCOOSi(OCH
S-27:CH=CHCOOSi(OC
S-28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S-29:CH=C(CH)COOSi(OC
S-30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S-31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S-32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S-33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S-34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S-35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S-36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
また、表面処理剤としては、前記S-1からS-36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
(表面処理p型半導体粒子の作製方法)
表面処理するに際して、粒子100質量部に対し、表面処理剤0.1~100質量部、溶媒50~5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
以下に、均一に表面処理剤で表面処理された金属酸化物粒子を製造する表面処理方法について説明する。
すなわち、p型半導体粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、p型半導体粒子を微細化すると同時に粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで均一に表面処理剤により表面処理されたp型半導体粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、p型半導体の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、p型半導体粒子に表面処理を行う際にp型半導体粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1~2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1~1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、表面処理剤によって表面処理されたp型半導体粒子を得ることができる。
保護層用バインダー樹脂としては、架橋性の重合性化合物(硬化性化合物ともいう。)が光重合して硬化されてなる樹脂を含有することが好ましい。
重合性化合物以外では、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の公知の樹脂を挙げることができる。また、重合性化合物と重合性化合物以外の樹脂を併用して用いることもできる。
(重合性化合物)
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物としては、ラジカル重合性の化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体が好ましい。
これらの重合性単量体としては、例えば以下の化合物を例示することができるが、本発明に使用可能な重合性単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007302266000001
Figure 0007302266000002
上記のラジカル重合性化合物は公知であり、また市販品として入手できる。
ここで、Rは下記アクリロイル基、R′は下記メタクリロイル基を表す。
Figure 0007302266000003
本発明に係る保護層には、これらの他に必要に応じて重合開始剤、滑剤粒子等を含有させて形成してもよい。
(重合開始剤)
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物を硬化反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明で使用できる重合開始剤としては、2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ-tert-ブチルヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1(イルガキュア369:BASFジャパン社製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-2-モルフォリノ(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2-ベンゾイルナフタレン、4-ベンゾイルビフェニル、4-ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4-ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:BASFジャパン社製)、ビス(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10-フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2-ジメチルアミノ)エチル、4,4′-ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく、さらに好ましくはα-ヒドロキシアセトフェノン構造、又はアシルフォスフィンオキサイド構造を有する開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は一種又は二種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し0.1~40質量部、好ましくは0.5~20質量部の範囲内である。
(滑剤粒子)
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。
フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から一種又は二種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
保護層には有機化合物よりなる電荷輸送剤(電荷輸送物質)を含んでもよいが、耐摩耗性を維持するために保護層用バインダー樹脂100質量部に対して10質量部以下の添加が好ましい。具体的な化合物例としては、例えば、特開2015-169870号公報の段落番号[0050]~[0060]に例示されているトリフェニルアミン骨格を有する化合物が挙げられる。
(溶媒)
前記ラジカル重合性の重合性化合物やp型半導体粒子等を溶解する溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(保護層の形成)
保護層は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを上述した有機溶媒に溶解させて塗布液を調製し、ラジカル重合性の重合性化合物、必要に応じて表面処理したp型半導体粒子、公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤、電荷輸送剤等を前記溶媒に溶解させた塗布液を調製し、これら2つの塗布液を混合して保護層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を感光層表面に塗布後、自然乾燥又は熱乾燥を行い、その後硬化処理して作製することができる。
保護層の膜厚は、0.2~10μmが好ましく、0.5~6μmがより好ましい。
本発明では、保護層の硬化は、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使い易さ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LED等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1~20mJ/cm、好ましくは5~15mJ/cmである。光源の出力電圧は、好ましくは0.1~5kWであり、特に好ましくは、0.5~3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100~300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy~100kGy(0.5~10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒~10分が好ましく、硬化効率又は作業効率の観点から1秒~5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び、活性線を照射中に保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層の膜厚などにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温~180℃が好ましく、80~140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1~200分が好ましく、5~100分が特に好ましい。本発明においては、上記乾燥条件で保護層を乾燥することにより、保護層に含有される溶媒量を20~75ppmの範囲に制御することができる。
<導電性支持体>
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
<中間層>
本発明では、導電性支持体と電荷発生層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。
中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン-アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等の中間層用バインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記中間層用バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層には抵抗調整の目的で各種導電性微粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物粒子。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物粒子を1種類若しくは2種類以上混合して用いることができる。2種類以上混合して用いる場合には、固溶体又は融着の形態をとってもよい。
このような金属酸化物粒子は、数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
中間層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物粒子等の無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとする中間層用バインダー樹脂を溶解するものが好ましい。
具体的には、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、t-ブタノール、sec-ブタノール等の炭素数2~4のアルコール類が、中間層用バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。
また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下のような助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
塗布液形成時の中間層用バインダー樹脂濃度は、中間層の膜厚や塗布方式に合わせて適宜選択することができる。また、無機微粒子等を分散させたとき、中間層用バインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、中間層用バインダー樹脂100質量部に対して無機微粒子を20~400質量部とすることが好ましく、50~200質量部の範囲内とすることがより好ましい。
無機微粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、及び、ホモミキサー等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、中間層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1~15μmが好ましく、0.3~10μmの範囲内がより好ましい。
<電荷発生層>
本発明に係る電荷発生層は、電荷発生物質と電荷発生層用バインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質を電荷発生層用バインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等があり、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独若しくは公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ-ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、電荷発生層用バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層用バインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層用バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1~600質量部が好ましく、50~500質量部の範囲内がより好ましい。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが0.01~5μmが好ましく、0.05~3μmの範囲内がより好ましい。
なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成することもできる。
[感光体の塗布方法]
本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58-189061号公報、特開2005-275373号公報に記載されている。
[電子写真画像形成装置]
本発明の電子写真画像形成装置は、前記した本発明の電子写真感光体を具備していることを特徴とする。
具体的に、本発明の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置ともいう。)は、(1)少なくとも本発明の電子写真感光体、(2)前述した電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、(3)帯電手段により帯電された電子写真感光体表面に像露光を行い潜像形成を行う露光手段、(4)露光手段により形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段、(5)現像手段により電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を用紙等の転写媒体又は転写ベルト上に転写する転写手段、を有するものである。
なお、電子写真感光体を帯電させる帯電手段では非接触帯電装置を用いることが好ましい。非接触帯電装置としては、コロナ帯電装置、コロトロン帯電装置、スコロトロン帯電装置を挙げることができる。
図1は、本発明の実施形態の一つを示すカラー画像形成装置の一例を説明する断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラー5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラー5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラー5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkに、それぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、又は、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Y(以下、単にクリーニング手段6Y、又は、クリーニングブレード6Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォック(登録商標)レンズ)とから構成されるもの、又は、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、レジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとからなる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
[感光体1の作製]
下記のようにして感光体1を作製した。
<導電性支持体>
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
<中間層>
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター:日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
中間層用バインダー樹脂:ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製):1質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製):3質量部
メタノール:10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるようにして浸漬塗布法で塗布した。
<電荷発生層>
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu-Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料):20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂(#6000-C:電気化学工業社製):10質量部
酢酸t-ブチル:700質量部
4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン:300質量部
上記成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
<電荷輸送層>
電荷輸送物質(4,4′-ジメチル-4″-(β-フェニルスチリル)トリフェニルアミン):225質量部
電荷輸送層用バインダー樹脂:ポリカーボネート(Z-300:三菱ガス化学社製):300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製):6質量部
テトラヒドロフラン:1600質量部
トルエン:400質量部
シリコーンオイル(KF-54:信越化学社製):1質量部
上記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
<保護層>
・保護層塗布液(1)
ヨウ化銅(I)(和光純薬社製):20質量部
アセトニトリル:500質量部
上記成分を混合撹拌してヨウ化銅(I)のアセトニトリル溶液を得た。
・保護層塗布液(2)
CuAlO粒子(特開2015-230431号子法記載の方法で合成した平均一次粒径20nmの粒子をシランカップリング剤KBM-503(信越化学社製)で表面処理したもの):80質量部
保護層用バインダー樹脂(重合性化合物:サートマー社製SR-350:トリメチロールプロパントリメタクリラート):100質量部
重合開始剤(イルガキュア819:BASFジャパン社製):15質量部
2-ブタノール:500質量部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散して塗布液(2)を得た。続けて、塗布液(2)に塗布液(1)を加えて再び超音波ホモジナイザーを用いて分散することにより保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの保護層を得た。このようにして「感光体1」を作製した。
[感光体2の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を臭化銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体2を得た。
[感光体3の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)をチオシアン酸銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体3を得た。
[感光体4の作製]
感光体1の製造において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を硫化第一銅(I)(三津和化学社製)に変更したことの他は、同様にして感光体4を得た。
[感光体5の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を10質量部に、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を90質量部に変更したことの他は、同様にして感光体5を得た。
[感光体6の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を30質量部に、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を70質量部に変更したことの他は、同様にして感光体6を得た。
[感光体7の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を10質量部に、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を20質量部に変更したことの他は、同様にして感光体7を得た。
[感光体8の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)20質量部を臭化銅(I)(和光純薬社製)40質量部に変更し、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を60質量部に変更したことの他は、同様にして感光体8を得た。
[感光体9の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子を酸化銅(I)粒子(イーエムジャパン社:平均一次粒径18nmの粒子をシランカップリング剤KBM-503(信越化学社製)で表面処理したもの)に変更したことの他は、同様にして感光体9を得た。
[感光体10の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子を酸化ニッケル(II)粒子(イオリテック社:平均一次粒径20nmの粒子をシランカップリング剤KBM-503(信越化学社製)で表面処理したもの)に変更したことの歩Kは、同様にして感光体10を得た。
[感光体11の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のアセトニトリルをブチロニトリルに変更したことの他は、同様にして感光体11を得た。
[感光体12の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のアセトニトリルをジエチルスルフィドに変更したことの他は、同様にして感光体12を得た。
[感光体13の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(2)のバインダー樹脂をサートマー社製SR-350(トリメチロールプロパントリメタクリラート)からサートマー社製SR-355(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)に変更したことの他は、同様にして感光体13を得た。
[感光体14の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を70質量部に変更し、電荷輸送物質としてCTM-1(4-プロピルビフェニルジフェニルアミン)を10質量部追加したことの他は、同様にして感光体14を得た。
[感光体15の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子の添加量を70質量部に変更し、バインダー樹脂をサートマー社製SR-350(トリメチロールプロパントリメタクリラート)からポリカーボネートEZ-5030(三菱ガス化学社製)に変更し、2-ブタノール500質量部をテトラヒドロフラン400質量部とトルエン100質量部の混合溶媒に変更し、電荷輸送物質としてCTM-2(4,4′-ジメチル-4″-(β-フェニルスチリル)トリフェニルアミン)を10質量部追加し、重合開始剤(イルガキュア819)を添加せず、塗布後のキセノンランプを用いた紫外線の照射工程を120℃20分間の加熱工程に変更したことの他は、同様にして感光体15を得た。
[感光体16の作製]
感光体6の作製において、保護層塗布液(2)にCuAlO粒子を添加しなかったこと、超音波ホモジナイザーによる分散工程を撹拌による溶解工程に変更したことの他は、同様にして感光体16を得た。
[感光体17の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を10質量部に変更したことの他は、同様にして感光体17を得た。
[感光体18の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(2)のバインダー樹脂であるサートマー社製SR-350(トリメチロールプロパントリメタクリラート)の添加量を60質量部に変更したことの他は、同様にして感光体18を得た。
[感光体19の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を臭化銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体19を得た。
[感光体20の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)をチオシアン酸銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体20を得た。
[感光体21の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を硫化第一銅(I)(三津和化学社製)に変更したことの他は、同様にして感光体21を得た。
[感光体22の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を臭化銅(I)(和光純薬社製)に変更し、その添加量を20質量部に変更し、保護層塗布液(2)に電荷輸送物質としてCTM-1(4-プロピルビフェニルジフェニルアミン)を10質量部追加したことの他は、同様にして感光体22を得た。
〔感光体23の作製〕
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を20質量部に変更し、バインダー樹脂をサートマー社製SR-350(トリメチロールプロパントリメタクリラート)からポリカーボネートEZ-5030(三菱ガス化学社製)に変更し、2-ブタノール500質量部をテトラヒドロフラン400質量部とトルエン100質量部の混合溶媒に変更し、電荷輸送物質としてCTM-2(4,4′-ジメチル-4″-(β-フェニルスチリル)トリフェニルアミン)を10質量部追加し、重合開始剤(イルガキュア819)を添加せず、塗布後のキセノンランプを用いた紫外線の照射工程を120℃20分間の加熱工程に変更したことの他は、同様にして感光体23を得た。
[感光体24の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のアセトニトリルを2-ブタノールに変更し、混合撹拌による溶液作製工程を超音波ホモジナイザーによる分散工程に変更したことの他は、同様にして感光体24を得た。
[感光体25の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のアセトニトリルを2-ブタノールに変更し、混合撹拌による溶液作製工程を超音波ホモジナイザーによる分散工程に変更したことの他は、同様にして感光体25を得た。
[感光体26の作製]
感光体24の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を臭化銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体26を得た。
[感光体27の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)20質量部を、ヨウ化銅(I)(和光純薬社製)10質量部と臭化銅(I)(和光純薬社製)10質量部の混合物に変更したことの他は、同様にして感光体27を得た。
[感光体28の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)30質量部を、ヨウ化銅(I)(和光純薬社製)15質量部と臭化銅(I)(和光純薬社製)15質量部の混合物に変更したことの他は、同様にして感光体28を得た。
[感光体29の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)を作製せず保護層塗布液(2)のみを用い、かつ、保護層塗布液(2)のバインダー樹脂をサートマー社製SR-350(トリメチロールプロパントリメタクリラート)の添加量を200質量部に変更したことの他は、同様にして感光体29を得た。
[感光体30の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)を作製せず保護層塗布液(2)のみを用い、かつ、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子80質量部をシリカ粒子(テイカ社MSN-002:平均一次粒径16nm:シリコーンオイル表面処理品)100質量部に変更したことの他は、同様にして感光体30を得た。
[感光体31の作製]
感光体16の作製において、保護層塗布液(1)を作製せず保護層塗布液(2)のみを用い、かつ、電荷輸送物質としてCTM-3(4-アクリロイルオキシビフェニルジトリルアミン)を50質量部追加し、2-ブタノールをテトラヒドロフランに変更したことの他は、同様にして感光体31を得た。
[感光体32の作製]
感光体1の作製において、保護層塗布液(1)を作製せず保護層塗布液(2)のみを用い、かつ、保護層塗布液(2)のCuAlO粒子80質量部を酸化銅(I)粒子(イーエムジャパン社:平均一次粒径18nmの粒子をシランカップリング剤KBM-503(信越化社製)で表面処理したもの)100質量部に変更したことの他は、同様にして感光体32を得た。
[感光体33の作製]
感光体1の作製において、電荷輸送層の製造工程を下記のとおりに変更し、保護層の形成を行わなかったことの他は、同様にして感光体33を得た。
<電荷輸送層>
・電荷輸送層塗布液(1)
ヨウ化銅(I)(和光純薬社製):90質量部
アセトニトリル:1200質量部
上記成分を混合撹拌してヨウ化銅(I)のアセトニトリル溶液を得た。
・電荷輸送層塗布液(2)
電荷輸送物質:CTM-2(4,4′-ジメチル-4″-(β-フェニルスチリル)トリフェニルアミン):135質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製):6質量部
テトラヒドロフラン:1600質量部
トルエン:400質量部
シリコーンオイル(KF-54:信越化学社製):1質量部
上記成分を混合撹拌して電荷輸送層塗布液(2)を得た。続けて、電荷輸送層塗布液(2)に電荷輸送層塗布液(1)を加えて撹拌を続けることにより電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
[感光体34の作製]
感光体33の作製において、電荷輸送層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)の添加量を60質量部に、電荷輸送層塗布液(2)の電荷輸送物質(CTM-2)の添加量を165質量部に変更したことの他は、同様にして感光体34を得た。
[感光体35の作製]
感光体33の作製において、電荷輸送層塗布液(1)のヨウ化銅(I)(和光純薬社製)を臭化銅(I)(和光純薬社製)に変更したことの他は、同様にして感光体35を得た。
[感光体36の作製]
感光体33の作製において、電荷輸送層塗布液(1)を作製せず電荷輸送層塗布液(2)のみを用い、電荷輸送物質(CTM-2)の添加量を225質量部に変更したことの他は、同様にして感光体36を得た。
[感光体37の作製]
感光体33の作製において、電荷輸送層塗布液(1)を作製せず電荷輸送層塗布液(2)のみを用い、シリカ粒子(テイカ社MSN-002:平均一次粒径16nm:シリコーンオイル表面処理品)60質量部を追加し、電荷輸送物質(CTM-2)の添加量を165質量部に変更したことの他は、同様にして感光体37を得た。
[評価]
市販のフルカラー複合機「bizhub Press C1070」(コニカミノルタ社製)に感光体1~37をそれぞれ搭載し、電子写真画像形成装置1~37を使用して評価を行った。
まず、画像比率5%の文字画像をA4横送りで各40万枚両面連続プリントを行う耐久試験(以下、「長期印刷」ともいう。)を実施し、長期印刷前(初期)及び長期印刷試験後に、パターンメモリー及び耐摩耗性についての評価を行った。
<パターンメモリー>
長期印刷の前後に、温度10℃、湿度15%RHの環境下において、縦方向の帯ベタ画像を、転写材:「A3/PODグロスコート(A3サイズ、100g/m)」(王子製紙社製)上に20枚連続印刷し、続けて全面ベタ画像を3枚印刷する。得られた全面ベタ画像の帯ベタ部の履歴発生、すなわちパターンメモリー(画像メモリー)の発生を、以下の評価基準に従って評価した。濃度計(RD-918;グレタグ・マクベス社製)を用いて、得られた全面ベタ画像のうち帯ベタ履歴部に対応する領域の反射濃度と、帯ベタ履歴部に該当しない領域の反射濃度を測定した。そして、測定された2つの反射濃度差(ΔID)を算出した。結果を表Iに示す。
(評価基準)
A:全面ベタのΔIDが0.005未満(合格)
B:全面ベタのΔIDが0.005以上0.010未満(合格)
C:全面ベタのΔIDが0.010以上0.030未満(不合格)
D:全面ベタのΔIDが0.030以上(不合格)
<減耗量>
耐久試験前後における保護層の膜厚を測定し、膜厚減耗量を算出し評価した。保護層の膜厚は均一膜厚部分(塗布の先端部及び後端部の膜厚変動部分を除く)を膜厚測定器によってランダムに10ケ所測定し、その平均値を保護層の膜厚とする。膜厚測定器は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、耐久試験前後の保護層膜厚の差を膜厚減耗量とする。100krot(10万回転)あたりの減耗量(μm)を記載した。なお、減耗量が0.5μm以下であることが好ましい。
Figure 0007302266000004
Figure 0007302266000005
なお、上記表I及び表IIにおける用語は以下のとおりである。
AN:アセトニトリル
BN:ブチロニトリル
EtS:ジエチルスルフィド
2-BuOH:2-ブタノール
THF:テトラヒドロフラン
Tol:トルエン
上記表I及び表IIに示す結果から明らかなとおり、本発明の感光体を用いた場合、比較例の感光体を用いた場合に比べて、画像メモリーが発生せず、耐摩耗性に優れていることが分かる。
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 像露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層の順に積層された電子写真感光体であって、
    前記保護層に、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一種の銅化合物を含有し、かつ、
    前記保護層全体に対する前記銅化合物の含有量(質量部)が、前記保護層全体に対する有機化合物よりなる電荷輸送剤の含有量(質量部)の2倍以上であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記保護層が、架橋性の重合性化合物が光重合して硬化されてなる樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記保護層が、p型半導体である酸化物微粒子を含有することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    前記電子写真感光体の保護層の形成において、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、チオシアン酸銅(I)及び亜硫化銅(I)のうち少なくとも一つを有機溶媒に溶解させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  7. 架橋性の重合性化合物を含有する保護層塗布液に活性線を照射して重合硬化させて前記保護層を形成する工程を有することを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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