JP7305877B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、エアバッグが左右に傾斜することを抑制しつつエアバッグを展開させることができる鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
自動二輪車1は、車体フレーム10(車体)と、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11と、車体フレーム10の後部に支持されるパワーユニット12と、後輪3と、乗員が跨るようにして着座するシート13とを備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。
また、自動二輪車1は、車体フレーム10等の車体を覆う車体カバー14を備える。
図1及び図2を参照し、車体フレーム10は、車体フレーム10の前端部に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15の後面から後下方に延びるダウンフレーム16と、ダウンフレーム16の下端部から後方に延びる左右一対のロアフレーム17と、ロアフレーム17の後端部から後上方に延びる左右一対のシートフレーム18とを備える。
ヘッドパイプ15及びダウンフレーム16は、前輪2と同様に車幅の中央に位置する。
シートフレーム18の後部とパワーユニット12の後端部との間には、リアサスペンション20が掛け渡される。
シート13に着座する乗員が足を置く板状のステップフロア21は、シート13の前下方に左右一対で設けられ、ロアフレーム17を上方から覆う。
ヘッドパイプ15の軸線15aは、車両側面視で鉛直方向に対し後傾する。ステアリングシャフト11cの回動の軸線は、軸線15aに一致する。ハンドルポスト11dは、軸線15aに沿うようにヘッドパイプ15側から後上方に斜めに延びる。
前輪2は、フロントフォーク11aの下端部を左右に連結する車軸2aに支持される。
前輪2を上方から覆うフロントフェンダー22は、フロントフォーク11aに固定される。
図1及び図3を参照し、車体カバー14は、操舵系11及びヘッドパイプ15を前方側から覆うフロントカバー23と、操舵系11及びヘッドパイプ15を後方側から覆うインナーカバー24と、ステップフロア21の下方でロアフレーム17を外側方から覆うロアカバー25と、シート13の下方でシートフレーム18を外側方から覆うサイドカバー26とを備える。
車両側面視では、インナーカバー24とシート13の前端部との間に、車両側面視で下方に窪む跨ぎ空間27が区画される。乗員は、自動二輪車1に乗降する際に、跨ぎ空間27を介して自動二輪車1を跨ぐことができる。
エアバッグ装置30は、エアバッグユニット31と、自動二輪車1に対する衝撃を検出する加速度センサ(不図示)と、この加速度センサの検出結果に基づいてエアバッグユニット31の動作を制御するエアバッグ制御装置(不図示)とを備える。
エアバッグユニット31の後部は、インナーカバー24の中央部に設けられる切り欠き部から車体カバー14の外側である跨ぎ空間27に露出する。
エアバッグユニット31は、ヘッドパイプ15及びハンドルポスト11dの後方に配置され、車両側面視でヘッドパイプ15の後面に沿うように後傾して配置される。
図2、図5を参照し、ステー32は、ヘッドパイプ15の上部に設けられる第1のステー33と、ダウンフレーム16の上部に設けられる第2のステー34とを備える。
第1のステー33は、ヘッドパイプ15とダウンフレーム16の上端との接続部16aよりも上方に設けられる。
第2のステー34は、第1のステー33の下方に配置される。
エアバッグユニット31は、シート13(図1参照)に着座する乗員の前方に設けられる箱状のリテーナ41と、リテーナ41に収納されるエアバッグ42と、エアバッグ42内にガスを放出するインフレータ43と、インフレータ43及びエアバッグ42をリテーナ41に固定する固定部材44と、リテーナ41を外側から覆う外装部材40とを備える。
リテーナ後半体53は、リテーナ41の後側の略半分を構成する後側ケースである。
前側ケース55にリテーナ後半体53を後方から結合させることで、リテーナ41が形成される。
リテーナ41は、ステー32(図2参照)を介して車体フレーム10の前端部に固定され、ヘッドパイプ15及びダウンフレーム16の後方に位置する。
上下延在部45は、ヘッドパイプ15に沿って上下方向に延びる箱状部であり、車両側面視では後傾している。上下延在部45は、車幅の中央に位置し、ハンドルポスト11d、ヘッドパイプ15、及びダウンフレーム16の上端部に後方から重なる。
側方延出部46は、車幅方向に延びる箱状部である。側方延出部46は、上下延在部45の側部からヘッドパイプ15の外側方を通り、車幅方向外側且つ前方側に延出する。
上下延在部45の上部には、エアバッグ通路47を上方に露出させる開口48(図6~図8参照)が形成される。エアバッグ42は、開口48から上方へ展開される。
インフレータ43は、側方延出部46内に配置されており、車幅の中央に位置するヘッドパイプ15に対して車幅方向外側にオフセットして配置される。
リテーナ41のリテーナ前半体52と、インフレータ収容部51と、リテーナ後半体53との各部品について説明する。
図8、図9に示すように、リテーナ前半体52は、上下に長い略矩形の前壁部65を備える。前壁部65は、上下延在部45の前側の側面を構成する。前壁部65の下縁には、後方に延びる下壁部68が形成されている。前壁部65の左右一側の側縁には、後方に延びる一側側壁(側面)66が形成されている。前壁部65の左右他側の側縁上部には、後方に延びる他側側壁67が形成されている。
インフレータ収容部51は、上壁部79、下壁部80、及び、内側側壁部82が、リテーナ前半体52に外側から重なった部分である溶接固定部51b(固定箇所)によって、リテーナ前半体52に対し溶接される。
インフレータ収容部51の下壁部80には、配線通し孔79aが設けられる。配線通し孔79aには、インフレータ43を上記エアバッグ制御装置に接続する配線49(図7参照)が通される。
さらに、リテーナ後半体53は、後壁部85の下縁、側部後壁部86の下縁、及び延出部側壁87の下縁から前方に延出する下壁部90(図7参照)と、側部後壁部86の上縁及び延出部側壁87の上縁から前方に延出する延出部上壁91とを備える。延出部上壁91は、他側側壁89の下端に連続する。
側部後壁部86の内面には、リテーナ41の内側に一段突出する段差形状93が設けられる。段差形状93は、上下方向よりも左右方向に長いリブ状に形成され、リテーナ41内を左右に延びる。
段差形状93は、上下に並べて複数配置される。上下に並べて配置される複数の段差形状93は、インフレータ43が噴出するガスの流れを車幅方向にガイドする。
段差形状93は、側部後壁部86の一部をリテーナ41の外側から内側に押し出すようにして形成される。
リテーナ後半体53の一側側壁88には、前縁が後方に凹状に切り欠かれた切り欠き部88a(図6参照)が形成されている。切り欠き部88aは、側面視では、第2固定片57bに重複している(図6参照)。
前側ケース55のリテーナ前半体52は、一側側壁66から車幅方向外側に延出する第1固定片56a及び第2固定片57aを備える。これに対応して、リテーナ後半体53は、一側側壁88から車幅方向外側に延出する第1固定片56b及び第2固定片57bを備える。第1固定片56a及び第1固定片56bは、第1固定部56(図6参照)を構成する。第1固定片56aと第1固定片56bとは、第1固定部56に後方から挿通される締結具56c(図6参照)によって締結される。第2固定片57a及び第2固定片57bは、第2固定部57(図6参照)を構成する。第2固定片57aと第2固定片57bとは、第2固定部57に後方から挿通される締結具57c(図6参照)によって締結される。
第6固定片61a及び第6固定片61bは、第6固定部61(図7参照)を構成する。第6固定片61aと第6固定片61bとは、第6固定部61に後方から挿通される締結具61c(図7参照)によって締結される。
固定部56~64が締結されることで、前側ケース55とリテーナ後半体53とが締結され、リテーナ41が構成される。
エアバッグ42は、ガスの流れにおけるエアバッグ42の上流端が、固定部材44とフランジ部43bとの間に挟持されることで、インフレータ43に接続される。
固定部収納部105の前面の上部には、この前面を貫通する第1取付孔105aが設けられる。第1取付孔105aにはカバー締結具108が挿通される。カバー締結具108は、第1固定片56bの上部に設けられた第1のカバー固定孔部56d(図8参照)に締結される。
固定部収納部106内には、上述の第4固定部59、第5固定部60、及び第6固定部61が収納される。固定部収納部106の前面には、この前面を貫通する第3取付孔106a(図4参照)が設けられる。第3取付孔106aにはカバー締結具110が挿通される。カバー締結具110は、第4固定片59bの上部に設けられた第3のカバー固定孔部59d(図8参照)に締結される。
カバー締結具108、109、110により、外装部材40がリテーナ41に締結される。なお、本実施の形態の外装部材40は、リテーナ41の前面に設けられた爪部(不図示)に係合しており、前部が上方に抜け止めされた状態でリテーナ41に装着されている。
エアバッグユニット31は、外装部材40のリッド部103がハンドルホルダー11fの後方に並ぶように配置される。
外装部材40のリッド部103、後面部101a、側部後面部102a、固定部収納部105、及び固定部収納部106は、跨ぎ空間27に露出する。
ハンドルホルダー11fの後部は、リッド凹部103aに配置される。このため、リッド部103を、車両前後方向においてハンドルホルダー11fに近づけて配置できる。
テアライン115及びヒンジ部116は、テアライン115及びヒンジ部116の周囲の部分の外装部材40の板厚に対し、板厚が小さく形成された溝状の脆弱部である。
テアライン115は、ヒンジ部116よりも板厚が小さく形成されており、ヒンジ部116よりも優先的に開裂する。ヒンジ部116は、開裂することもあるが、外装部材40は、ヒンジ部116を起点として変形する。
ヒンジ部116は、リッド部103の上面において後縁103bとリッド凹部103aとの間を車幅方向に直線状に延びる。
このため、外装部材40によってリテーナ41を上方及び周囲から全体的に覆うことができ、リテーナ41の防水性を向上できる。
インフレータ43からエアバッグ42内に放出されるガスは、側方延出部46及び上下延在部45によって進路を案内され、エアバッグ通路47内をL字状に流れる。
この際、インフレータ43から噴出されるガスの一部は、エアバッグ42を介し側方延出部46の段差形状93に当たり、段差形状93に沿うように車幅方向内側に流れる。
上下延在部45内を上方に流れるガスによってエアバッグ42が上方に膨張すると、外装部材40は、テアライン115及びヒンジ部116の部分を起点に開裂し、リッド部103が開いて開口48が露出する。そして、エアバッグ42は、上方に流れるガスによって、開口48から図1の様に上方に展開する。
エアバッグ42は、展開した状態でリテーナ41のエアバッグ通路47(図8参照)内に位置する基端部121と、展開した状態でエアバッグ通路47の外側に位置する外側展開部122とを一体に備える袋である。
展開部本体122Bは、首部122Aとの接続部である下端から左右の幅を広げながら上方に延びる末広がりの形状に形成される。展開部本体122Bは、左右の幅が最大となる頭部対向部122Dを上端部に備える。頭部対向部122Dは、エアバッグ42が作動して展開した状態で、乗員の頭部を受けることが想定された部分である。
首部122A、展開部本体122B、及び、膨出部122Cは、中心線C1を基準に左右対称に設けられる。
展開部本体122Bは、首部122Aと頭部対向部122Dとの間の位置に、中縫い部133、133を一対備える。中縫い部133、133は、中心線C1を基準に左右対称に設けられる。
左右の中縫い部133、133の間には、上流側よりもガスGの通路が狭くなる絞り部135が形成される。また、外側展開部122の左右の側部と中縫い部133、133との間には、上流側よりもガスGの通路が狭くなる絞り部136、136が形成される。
絞り部135,136,136によって頭部対向部122Dの上流側のガスGの通路が絞られるため、頭部対向部122Dに迅速にガスGが供給される。
本実施の形態のエアバッグ42は、前面基布123と後面基布124との縫合部131に縫合されて、前面基布123と後面基布124との間に側面視において周長差を形成するパネル125、125を備える。パネル125、125は、前面基布123や後面基布124と同様に布で構成される。パネル125、125は、首部122Aの左右に一対設けられる。図12において、左側のパネル125は左側面視を図示しており、右側のパネル125は右側面視を図示している。パネル125、125は、左右対称に構成される。
バッグ左右延在部121Aは、リテーナ41のインフレータ43側から中心線C1側へ左右方向に延びる。
バッグ上方延在部121Bは、上下延在部45内を中心線C1にやや傾斜して上方に延びる。バッグ上方延在部121Bの上端には、上方に延びる外側展開部122が連続する。
すなわち、エアバッグ42では、外側展開部122は中心線C1に対し左右対称であるが、基端部121は、L字状のエアバッグ通路47に沿うように、中心線C1に対し左右非対称に設けられる。
基端部121は、リテーナ41内に収納されると、エアバッグ通路47に沿って略直角に湾曲する形状となる。
基端部121の前面基布123には、バッグ左右延在部121Aの中心線C1から車幅方向にオフセットした位置に、インフレータ43に接続される接続口121E(図11参照)が設けられる。
エアバッグ42は、ガスGをガイドするループディフューザ141を備える。ループディフューザ141は、開口141Aをその一端に備えるL字状の袋状に形成されている。ループディフューザ141の周縁部は、開口141A以外の部分は閉じている。
ループディフューザ141は、基端部121のガス流路内に配置され、インフレータ43側から外側展開部122の下端部まで延びる。ループディフューザ141は、基端部121の内面に縫い合わされることでエアバッグ42に結合される。
インフレータ43からのガスGの流れ方向をループディフューザ141によって制御できるため、エアバッグ42内へのガスGの充填順序を制御でき、エアバッグ42を効率良く上方に展開できる。
右側の繋留体171は、右側のパイプ部137の内側に縫合された上端171Aと、上端171Aから直線状に下方に延びる上直線部171Bと、上直線部171Bから下方に延びて下方に向かうに連れて中心線C1から遠ざかる傾斜部171Cと、傾斜部171Cから下方に直線状に延びる下直線部171Dと、下直線部171Dの下端に形成され右側のサイドタブ139の前面に縫合された下端部171Eと、を備える。右側の繋留体171は、展開された状態では、傾斜部171Cの下部はリテーナ41内に延びており、傾斜部171Cの上部は外側展開部122と重複している。
なお、本実施の形態では、固定タブ161はスリット孔66aを通じてリテーナ41の外部に導出する構成を説明したが、例えば、スリット孔66aを省略すると共に、一側側壁66のエアバッグ通路47内に固定部を設け、固定タブ161をその固定部に固定する構成でもよい。
エアバッグ装置30のインフレータ43が作動すると、エアバッグ42内にガスGが噴射される。エアバッグ42は、ガスGの圧力で膨張し、上方に展開する。
すなわち、インフレータ43が作動すると、ループディフューザ141にガスGが噴射される。ガスGは、ループディフューザ141にガイドされてL字状の基端部121を移動する。基端部121を通過したガスGは外側展開部122に進入して外側展開部122を展開させる。
このように、本実施の形態では、エアバッグ42は、ハンドル11eに接触することが抑制されつつ、効率良く展開される(図1参照)。
上記実施の形態では、固定タブ161やスリット孔66aが一つずつ設けられた構成を説明したが、一つに限定されず、複数設けられる構成でもよい。
また、上記実施の形態では、繋留体171、172を設ける構成を説明したが、繋留体172を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、鞍乗り型車として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の車両及び4輪以上を備える鞍乗り型車両に適用可能である。
15 ヘッドパイプ
41 リテーナ
42 エアバッグ
43 インフレータ
66 一側側壁(側面)
66a スリット孔(開口部)
121 基端部
121A バッグ左右延在部
121B バッグ上方延在部
122 外側展開部
141 ループディフューザ
161 固定タブ(タブ)
G ガス
L2 インフレータの中心を通過する線
X1 長手方向
Claims (5)
- ヘッドパイプ(15)の後方に設けられるリテーナ(41)と、インフレータ(43)と、前記リテーナ(41)に収納され、前記インフレータ(43)が放出するガス(G)によって膨張して乗員の前方で展開するエアバッグ(42)とを備える鞍乗り型車両において、
前記エアバッグ(42)は、展開した場合に、前記リテーナ(41)内に位置する基端部(121)と、前記基端部(121)から延び前記リテーナ(41)の外側に展開する外側展開部(122)と、を備え、
前記基端部(121)は、前記インフレータ(43)に接続されるバッグ左右延在部(121A)と、前記バッグ左右延在部(121A)から上方に延びるバッグ上方延在部(121B)とを備え、
前記基端部(121)にはタブ(161)が設けられ、
前記タブ(161)は前記リテーナ(41)に固定されており、
前記タブ(161)は、前記バッグ左右延在部(121A)の長手方向(X1)において前記インフレータ(43)とは反対側に設けられている、
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記リテーナ(41)の側面(66)には、前記タブ(161)を挿通させる開口部(66a)が形成され、
前記タブ(161)は、前記開口部(66a)を通じて前記リテーナ(41)の外側で固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 前記タブ(161)は、正面視で、前記バッグ左右延在部(121A)に沿って延びる前記インフレータ(43)の中心を通過する線(L2)よりも下方に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。 - 前記インフレータ(43)には、ガス(G)をガイドするループディフューザ(141)が設けられ、
前記ループディフューザ(141)は前記基端部(121)のガス流路に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - (削除)
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