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JP7306795B2 - 電池システム - Google Patents
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Description

本開示は、電池システムに関し、特に、単電池の一方向から単電池を冷却するように構成された冷却装置を備える電池システムに関する。
特許第5223920号公報(特許文献1)は、電池の充放電制御装置を開示する。この充放電制御装置では、リチウムイオン二次電池からなるバッテリの負極電位がリチウム基準電位まで低下しないように、バッテリへの入力許可電力が調整される。これにより、負極における金属リチウムの析出が抑制され、電池の保護が図られている(特許文献1参照)。
特許第5223920号公報
複数の単電池(以下、単電池は「セル」とも称される。)が積層されて構成される組電池を、セルの積層方向に沿う一面(たとえば組電池の下方)から冷却装置によって各セルを冷却する冷却方式が検討されている。以下では、一般性を損なうことなく、複数のセルが水平方向に積層され、組電池の下方に設けられる冷却装置によって各セルが下方から冷却されるものとして説明する。
このような冷却方式では、各セルは一方向(下方)から冷却されるため、セル内において冷却装置による冷却効果にばらつきが生じる。具体的には、冷却装置に近いセル下方においては、冷却装置による冷却効果は相対的に大きく、冷却装置から遠いセル上方においては、冷却装置による冷却効果は相対的に小さい。このため、セル内において劣化度合いにばらつきが生じ、その結果、セル内において電流のばらつきが発生する。したがって、セルへの入力電流(或いは入力電力)を制限しても、セル内で相対的に電流の大きい部位において電流が制限値を超えてしまい、たとえば、リチウムイオン二次電池において負極にリチウム金属が析出してしまう等の問題が発生する可能性がある。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、セルの一方向からセルを冷却するように構成された冷却装置を備える電池システムにおいて、セルを適切に保護することである。
本開示における電池システムは、セルと、セルの一方向からセルを冷却するように構成された冷却装置と、セルへの入力電流又は入力電力を所定値以下に制限する入力制限制御を実行する制御装置とを備える。制御装置は、セルの劣化に伴ない生じるセル内の抵抗のばらつきを推定し、冷却装置の非作動時に、抵抗のばらつきによるセル内の電流のばらつきを用いて上記入力制限制御を実行する。
この電池システムでは、セルは、冷却装置によってセルの一方向から冷却される。そのため、セル内において、冷却装置から遠い部位では、冷却装置に近い部位よりも相対的に冷却効果が小さいために劣化が進行し、相対的に抵抗が高くなる。すなわち、セルの劣化に伴なってセル内に抵抗のばらつきが生じる。そこで、この電池システムにおいては、セルの劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつきが推定される。そして、セル内の温度ばらつきが小さい冷却装置の非作動時に、推定された抵抗ばらつきによるセル内の電流のばらつきを考慮して入力制限制御が実行される。これにより、たとえば、セル内の電流ばらつきからセル内での最大電流を推定し、その推定されたセル内最大電流が制限値を超えないようにセルへの入力電流又は入力電力を制御することができる。したがって、この電池システムによれば、セルを適切に保護することができる。
本開示における電池システムによれば、セルの一方向からセルを冷却するように構成された冷却装置を備える電池システムにおいて、セルを適切に保護することができる。
本開示の実施の形態に従う電池システムが搭載された電動車両の構成を概略的に示した図である。 図1に示す冷却装置の配置構成の一例を示した図である。 セル内における冷却装置による冷却効果のばらつきを説明する図である。 セルにおける抵抗分布を概略的に示す図である。 セルの新品時と劣化が進んだ後とにおける抵抗分布及び電流分布を説明する図である。 セルの劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつきβを示した図である。 セル内の抵抗ばらつきβの推定に用いられるマップである。 セル内の部位毎の温度と抵抗とを示した図である。 セル内の温度ばらつきにより生じるセル内の抵抗ばらつきを示した図である。 セル内の抵抗ばらつきαの推定に用いられるマップである。 電池ECUにより実行される入力制限制御の処理手順の一例を説明するフローチャートである。 冷却装置の冷媒温度の推移を示した図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<電池システムの構成>
図1は、本開示の実施の形態に従う電池システムが搭載された電動車両の構成を概略的に示した図である。なお、以下では、電動車両が電気自動車(EV(Electric Vehicle))である場合について代表的に説明するが、本開示に従う電池システムは、EVに搭載されるものに限定されず、ハイブリッド車両(HV(Hybrid Vehicle))やプラグインHV等に搭載されてもよく、さらには車両以外の用途にも適用可能である。
図1を参照して、電動車両1は、電池パック10と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」と称する。)120と、モータジェネレータ(以下「MG(Motor Generator)」と称する。)130と、駆動軸140と、駆動輪150と、車両ECU(Electronic Control Unit)160とを備える。
電池パック10は、組電池12と、冷却装置14と、センサユニット16と、電池ECU30とを含む。組電池12は、直列接続された複数のセルを含んで構成される。組電池12は、直列接続された複数のセルブロックを含むとともに、各セルブロックが並列接続された複数のセルを含んで構成されてもよい。
各セルは、代表的にはリチウムイオン二次電池であり、以下では、各セルがリチウムイオン二次電池であるものとするが、ニッケル水素二次電池等の他の電池であってもよい。なお、リチウムイオン二次電池は、リチウムを電荷担体とする二次電池であり、電解質が液体の一般的なリチウムイオン二次電池の他、固体の電解質を用いた所謂全固体電池も含み得る。
組電池12は、MG130を駆動するための電力を蓄えており、PCU120を通じてMG130へ電力を供給することができる。また、組電池12は、車両の制動時や下り坂走行時等にMG130が発電(回生発電)する電力を、PCU120を通じて受けて充電される。なお、特に図示していないが、組電池12は、車両外部の電源により組電池12を充電するための充電装置を用いて、上記電源により充電可能である。
冷却装置14は、組電池12を構成する各セルを冷却するように構成される。冷却装置14は、その内部に冷媒を流すことによってセルを冷却する。冷媒には、たとえば、電動車両1のエアコン(図示せず)に用いられる冷媒を用いることができる。冷却装置14は、温度に応じて作動/非作動(停止)が切替えられ、たとえば、セルの温度がしきい値以上になると作動し、セルの温度がしきい値未満のときは非作動(停止)となる。なお、冷却装置14の配置構成については、後ほど図2で説明する。
センサユニット16は、電圧センサ18と、電流センサ20と、温度センサ22とを含んで構成される。電圧センサ18は、セル毎の電圧Vbiを検出する。電流センサ20は、組電池12に流れる電流Ibを検出する。温度センサ22は、セルの温度Tbを検出する。温度センサ22は、隣接する複数(たとえば数個)のセルを纏まった温度監視単位として所定のセルの温度を検出するものであってもよいし、セル毎に温度を検出するものであってもよい。そして、各センサの検出値は、電池ECU30へ送信される。
電池ECU30は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))と、各種信号を入出力するための入出力ポートとを含んで構成される(いずれも図示せず)。電池ECU30は、センサユニット16の各センサから受ける信号並びにメモリに記憶されたプログラム及びマップに基づいて、各種制御を実行する。たとえば、電池ECU30は、温度センサ22の検出値に基づいて、冷却装置14の作動/停止を制御する。
また、電池ECU30は、セルへの入力電流(入力電力でもよい)を所定値以下に制限する「入力制限制御」を実行する。所定値には、任意の制限値を設定することができ、たとえば、負極にリチウム金属が析出しない最大入力電流(又は最大入力電力)を設定することができる。そして、この実施の形態では、電池ECU30は、セルと冷却装置14との配置関係に起因して生じるセル内の抵抗のばらつきを推定し、推定された抵抗ばらつきによるセル内の電流のばらつきを考慮して上記の入力制限制御を実行する。この点については、後ほど詳しく説明する。
PCU120は、車両ECU160からの制御信号に従って、組電池12とMG130との間で双方向の電力変換を実行する。PCU120は、たとえば、MG130を駆動するインバータと、インバータに供給される直流電圧を組電池12の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
MG130は、代表的には交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。MG130は、PCU120により駆動されて回転駆動力を発生し、MG130が発生した駆動力は、駆動軸140を通じて駆動輪150に伝達される。一方、電動車両1の制動時や下り斜面での加速度低減時には、MG130は、発電機として動作し、回生発電を行なう。MG130が発電した電力は、PCU120を通じて組電池12に供給され、組電池12に蓄えられる。
車両ECU160は、CPUと、メモリ(ROM及びRAM)と、各種信号を入出力するための入出力ポートとを含んで構成される(いずれも図示せず)。車両ECU160は、各種センサから受ける信号並びにメモリに記憶されたプログラム及びマップに基づいてPCU120を制御することにより、MG130の駆動や組電池12の充放電等を制御する。
図2は、図1に示した冷却装置14の配置構成の一例を示した図である。図2を参照して、組電池12を構成する複数のセル24は、幅広面が対向するようにして水平方向に積層され、バスバー26によって電気的に接続されている。冷却装置14は、各セル24の下方に配置され、各セル24を下方から冷却する。温度センサ22は、任意のセル24の上面に配置されており、セル24の上面温度(以下、単に「セル表面温度(Tb_sur)」と称される場合がある。)をセル24の温度として検出する。
なお、特に図示していないが、この実施の形態では、冷却装置14の入側冷媒温度(Tref_in)と出側冷媒温度(Tref_out)も検出され、セル表面温度(Tb_sur)とともにセル内の温度ばらつきの推定に用いられる(後述)。
<セル内での抵抗のばらつきの説明>
この実施の形態では、セル24は、セルの下方から冷却装置14によって冷却されるため、セル内において冷却装置14による冷却効果にばらつきがある。
図3は、セル24内における冷却装置14による冷却効果のばらつきを説明する図である。図3を参照して、冷却装置14の作動中、冷却装置14に近いセル下方においては、冷却装置14による冷却効果が相対的に大きく、温度は相対的に低くなる。一方、冷却装置14から遠いセル上方においては、冷却装置14による冷却効果が相対的に小さく、温度は相対的に高くなる。
このため、セル内において、冷却装置14による冷却効果のばらつきによって劣化度合いにばらつきが生じ、その結果、セル内において抵抗のばらつきが発生する。そして、この抵抗のばらつきにより、セル内において電流のばらつきが生じる。
図4は、セル24における抵抗分布を概略的に示す図である。図4を参照して、セル24を上下に分け、冷却装置14から離れたセル上方を「部位A」と称し、冷却装置14に近いセル下方を「部位B」と称する。抵抗42は、部位Aの平均抵抗を示し、抵抗43は、部位Bの平均抵抗を示す。抵抗42,43は、並列に接続された関係となる。
セル24の上面に設けられる端子から入力される電流は、抵抗42,43の抵抗比に応じて抵抗42,43に分岐して流れる。たとえば、抵抗43の方が抵抗42よりも抵抗値が小さければ、抵抗42よりも大きい電流が抵抗43に流れる。
図5は、セル24の新品時と劣化が進んだ後とにおける抵抗分布及び電流分布を説明する図である。電流分布については、冷却装置14の非動作時(停止時)と、冷却装置14の作動時とに分けて示されている。
図5を参照して、セル24の新品時は、セル上方の部位Aと、セル下方の部位Bとで、抵抗のばらつきはない(小さい)。セル24の劣化が進行している場合は、部位Aの抵抗は、部位Bの抵抗よりも高くなる。これは、上述のように、冷却装置14が作動した場合に、冷却装置14から離れた部位Aに対する冷却装置14の冷却効果が、冷却装置14に近い部位Bに対する冷却効果よりも小さいので、部位Aの方が部位Bよりも相対的に高温となり、その結果、部位Aの方が部位Bよりも劣化が進むためである。
したがって、セル24内の温度ばらつきが小さい冷却装置14の非作動時は、新品時においては、部位Aと部位Bとで抵抗のばらつきはない(小さい)ので、部位Aと部位Bとで電流のばらつきもない(小さい)。一方、セル24の劣化後は、上述のように、部位Aの抵抗は相対的に高くなり、部位Bの抵抗は相対的に低くなるので、部位Bには、部位Aよりも大きな電流が流れる。
このように、セル24の劣化が進行すると、セル内において電流のばらつきが発生するので、セル24への入力電流(或いは入力電力)を制限しても、セル内で相対的に電流の大きい部位Bにおいて電流が制限値を超えてしまい、リチウム金属の析出を抑制できない可能性がある。
そこで、この実施の形態に従う電池システムでは、電池ECU30は、セル24の劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつき(以下「抵抗ばらつきβ」と称する。)を推定する。なお、冷却装置14の作動中は、セル内に温度ばらつきが生じ、その温度ばらつきによる抵抗ばらつきも生じるので、この抵抗ばらつきβは、冷却装置14の非作動時におけるセル内の抵抗ばらつきである。そして、電池ECU30は、セル内の温度ばらつきが小さい冷却装置14の非作動時に、推定された抵抗ばらつきβによるセル内の電流ばらつきを考慮して入力制限制御を実行する。
たとえば、電池ECU30は、セル内の電流ばらつきを考慮してセル内での最大電流を推定し、その推定されたセル内最大電流に基づいて入力制限制御を行なってもよい。具体的には、推定されたセル内最大電流が、たとえばリチウム金属が析出しない電流上限を超えないように、セル24の入力電流又は入力電力を制限するようにしてもよい。このように、抵抗ばらつきβによるセル内の電流のばらつきを考慮して入力制限制御を実行することにより、セル24を適切に保護することができる。
抵抗ばらつきβは、セル24の劣化の進行度合い(劣化度)とセル24の温度(セル表面温度)とに依存する。図6は、セル24の劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつきβを示した図である。図6において、横軸はセル24の劣化度を示し、縦軸はセル内の抵抗ばらつきの大きさを示す。
劣化度は、たとえば、セル24の満充電容量の維持率と相関を示すパラメータであり、満充電容量の維持率が低下するほど劣化度が大きくなるように定義することができる。なお、劣化度の定義はこれに限らず、たとえば、セルの使用初期からの経過時間や内部抵抗の変化等を用いて定義してもよい。
セル内の抵抗ばらつきβは、たとえば、セル24の部位Aと部位Bとの抵抗比(部位Bの抵抗値/部位Aの抵抗値)で表すことができる。なお、抵抗ばらつきβの表し方はこれに限らず、たとえば、部位Aの抵抗値と部位Bの抵抗値との平均に対する部位A又は部位Bの抵抗値等によって表してもよい。
図6を参照して、線k1は、セル24の温度(セル表面温度)が相対的に高い場合のセル内の抵抗ばらつきβを示し、線k2は、セル24の温度(セル表面温度)が相対的に低い場合の抵抗ばらつきβを示す。このように、セル24の劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつきβは、セル24の劣化度とセル24の温度(セル表面温度)とに依存することが分かる。
そこで、この実施の形態では、セル24の劣化度(たとえば満充電容量の維持率)と温度(セル表面温度)とをパラメータとして、セル内の抵抗ばらつきβが予め実験等により求められ、図7に示されるようなマップとして予め準備される。そして、このようなマップを用いて、セルの劣化度と温度センサ22の検出値(セル表面温度)とに基づいて抵抗ばらつきβが推定される。
再び図5を参照して、冷却装置14の作動時においては、冷却装置14から離れた部位Aと、冷却装置14に近い部位Bとに温度のばらつきが生じ、この温度ばらつきによる抵抗のばらつきが加わる。具体的には、冷却装置14の作動時は、図8に示されるように、部位Aの温度T1は、部位Bの温度T2よりも高い。このため、劣化による抵抗ばらつきβが生じていない新品時においては、部位Aの抵抗値R1は、部位Bの抵抗値R2よりも相対的に小さくなり、部位Aに部位Bよりも大きな電流が流れる。
そこで、この実施の形態では、電池ECU30は、冷却装置14の作動時には、冷却装置14の作動に伴なうセル内の温度ばらつきを推定する。そして、電池ECU30は、温度ばらつきを考慮したセル内の抵抗ばらつき(以下「抵抗ばらつきα」と称する。)を推定し、その推定された抵抗ばらつきαによるセル内の電流のばらつきを考慮して入力制限制御を実行する。
冷却装置14の作動中におけるセル内の温度ばらつきは、温度センサ22により検出される温度と、冷却装置14の冷媒温度とから推定することができる。たとえば、セル24の上面に配置される温度センサ22により検出されるセル表面温度(Tb_sur)は、セル24内の高温部の温度を示し、冷却装置14の出側冷媒温度(Tref_out)と入側冷媒温度(Tref_in)との平均温度は、セル24内の低温部の温度を示すものと考え、セル表面温度(Tb_sur)と上記平均温度との温度差に基づいてセル内の温度ばらつきを推定することができる。
図9は、セル内の温度ばらつきにより生じるセル内の抵抗ばらつきを示した図である。図9において、横軸はセル24の温度(セル表面温度Tb_sur)を示し、縦軸はセル24の抵抗の大きさを示す。
図9を参照して、線k3で示されるように、温度のばらつき(ΔT1,ΔT2)によって抵抗のばらつき(α11,α22)が生じる。また、温度ばらつきに基づくセル内の抵抗ばらつき(α11,α22)は、セルの温度(T1,T2)によって異なる。すなわち、セル内の抵抗ばらつきαは、セル内の温度ばらつきと、セルの温度(セル表面温度)とに依存することが分かる。また、線k4は、線k3で示される特性を有するセルよりも劣化度が大きいセルの特性を示す。セルの劣化が進行すると、セルの温度と抵抗との関係も変化する。
そこで、この実施の形態では、セル内の温度ばらつきと、セル24の温度(セル表面温度)と、セルの劣化度(たとえば満充電容量の維持率)とをパラメータとして、冷却装置14の作動時におけるセル内の抵抗ばらつきαが予め実験等により求められ、図10に示されるようなマップとして予め準備される。そして、このようなマップを用いて、セル内の温度ばらつきの推定値と、温度センサ22の検出値(セル表面温度)と、セルの劣化度とに基づいて抵抗ばらつきαが推定される。
なお、セル24の劣化が進行すると、上述のように、冷却装置14から離れたセル上方の部位Aの抵抗は、冷却装置14に近いセル下方の部位Bの抵抗よりも高くなる。したがって、セル24の劣化が進行している状況下で冷却装置14が作動すると、セル24の劣化に伴なう抵抗のばらつきと、冷却装置14の作動に伴なうセル内の温度ばらつきによる抵抗のばらつきとが相殺され、セル内の抵抗ばらつきは小さくなる。したがって、セル内における電流のばらつきも小さくなる。
このように、冷却装置14の作動時は、セル24の劣化が進行している状況下では電流のばらつきが問題とならないことから、冷却装置14の作動時における入力制限制御は、セル24の劣化が所定レベルに達した後は実施しないものとしてもよい。
図11は、電池ECU30により実行される入力制限制御の処理手順の一例を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、所定時間毎又は所定条件の成立時にメインルーチンから呼び出されて実行される。
図11を参照して、電池ECU30は、冷却装置14が作動中であるか否かを判定する(ステップS10)。一例として、冷却装置14は、温度センサ22により検出される温度Tbが所定値(たとえば30℃)を超えると作動し、温度Tbが所定値を下回ると停止(非作動)する。
ステップS10において冷却装置14が作動中でないと判定されると(ステップS10においてNO)、電池ECU30は、冷却装置14の非作動時におけるセル内の抵抗ばらつきβを推定する(ステップS20)。詳しくは、電池ECU30は、セル24の満充電容量を算出し、初期状態からの満充電容量の維持率に基づいてセルの劣化度を算出する。なお、満充電容量の算出方法は、公知の種々の手法を用いることができる。
そして、電池ECU30は、図7に示したマップをメモリから読出し、算出された劣化度と、温度センサ22により検出される温度Tb(セル表面温度)とから、マップを用いて抵抗ばらつきβを推定する。その後、電池ECU30は、ステップS70へと処理を移行する(後述)。
一方、ステップS10において冷却装置14が作動中であると判定された場合は(ステップS10においてYES)、電池ECU30は、セル内の温度ばらつきに基づくセル内の抵抗ばらつきαを推定する。セル内の温度ばらつきは、温度センサ22により検出される温度Tbと、冷却装置14の冷媒温度とから推定され、この実施の形態では、冷却装置14の動作が安定しているか否かで、採用する冷媒温度を変えている。
図12は、冷却装置14の冷媒温度の推移を示した図である。図12を参照して、線k11は、冷却装置14の出側冷媒温度Tref_outを示し、線k12は、冷却装置14の入側冷媒温度Tref_inを示している。
時刻t0において、冷却装置14の作動が開始したものとする。時刻t1までは、冷却装置14の出側冷媒温度Tref_outと入側冷媒温度Tref_in(Tref_out>Tref_in)との温度差が所定の動作安定基準Xよりも大きく、冷却装置14の動作は不安定(過渡的)であると判定される。時刻t1において上記温度差が動作安定基準Xを下回ると、冷却装置14の動作が安定したものと判定される。
そして、この実施の形態では、冷却装置14の動作が安定している場合には、セル内の温度ばらつきの推定に用いられる冷却装置14の冷媒温度に、出側冷媒温度Tref_outと入側冷媒温度Tref_inとの平均値である平均冷媒温度Tref_aveが用いられる。一方、冷却装置14の動作が不安定である場合には、セル内の温度ばらつきの推定に用いられる冷媒温度に、出側冷媒温度Tref_outと入側冷媒温度Tref_inとのうち低い方が用いられる。冷却装置14の動作が不安定のときは、温度ばらつきを最大で見積もるものである。
再び図11を参照して、ステップS10において冷却装置14が作動中であると判定されると(ステップS10においてYES)、電池ECU30は、冷却装置14の冷媒温度が安定しているか否かを判定する(ステップS30)。具体的には、図12で説明したように、冷却装置14の出側冷媒温度Tref_outと入側冷媒温度Tref_inとの温度差が所定の動作安定基準Xを下回っているか否かが判定される。
そして、ステップS30において冷媒温度は安定していると判定されると(ステップS30においてYES)、電池ECU30は、温度センサ22により検出されるセル温度(セル表面温度(Tb_suf)と、冷却装置14の平均冷媒温度Tref_aveとに基づいて、セル内の温度ばらつきを推定する(ステップS40)。
一方、ステップS30において冷媒温度は安定していないと判定されると(ステップS30においてNO)、電池ECU30は、温度センサ22により検出されるセル温度(セル表面温度(Tb_suf)と、出側冷媒温度Tref_outと入側冷媒温度Tref_inとのうち低い方の冷媒温度(最低冷媒温度)とに基づいて、セル内の温度ばらつきを推定する(ステップS50)。
ステップS40又はS50においてセル内の温度ばらつきが推定されると、電池ECU30は、冷却装置14の作動に伴なうセル内の温度ばらつきに基づくセル内の抵抗ばらつきαを推定する(ステップS60)。詳しくは、電池ECU30は、図10に示したマップをメモリから読出し、推定されたセル内の温度ばらつきと、温度センサ22により検出される温度Tb(セル表面温度)と、セルの劣化度とから、マップを用いて抵抗ばらつきαを推定する。その後、電池ECU30は、ステップS70へと処理を移行する。
ステップS20又はS60においてセル内の抵抗ばらつきが推定されると、電池ECU30は、推定されたセル内の抵抗ばらつきに基づいて、セル内の電流ばらつきを推定する(ステップS70)。そして、電池ECU30は、推定されたセル内の電流ばらつきに基づいて、セル内の最大電流を推定する(ステップS80)。
次いで、電池ECU30は、ステップS80において推定されたセル内最大電流が所定の上限値よりも大きいか否かを判定する(ステップS90)。この上限値は、たとえば、負極にリチウム金属が析出しない電流上限とすることができる。そして、ステップS90においてセル内最大電流が上限値よりも大きいと判定されると(ステップS90においてYES)、電池ECU30は、セルへの入力電流又は入力電力を制限する入力制限制御を実行する(ステップS100)。具体的には、電池ECU30は、PCU120(図1)を制御して組電池12への入力電流又は入力電力を制限することにより、セルへの入力電流又は入力電力を制限する。
なお、ステップS90においてセル内最大電流は上限値以下であると判定されたときは(ステップS90においてNO)、電池ECU30は、ステップS100を実行することなくリターンへと処理を移行する。
以上のように、この実施の形態においては、セル24の劣化に伴ない生じるセル内の抵抗ばらつきβが推定される。そして、セル内の温度ばらつきが小さい冷却装置14の非作動時に、推定された抵抗ばらつきβによるセル内の電流のばらつきを考慮して入力制限制御が実行される。したがって、この実施の形態によれば、セルを適切に保護することができる。
また、この実施の形態においては、冷却装置14の作動時においては、セル24内の温度ばらつきが推定され、推定された温度ばらつきに基づくセル内の抵抗ばらつきαが推定される。そして、冷却装置14の作動時は、推定された抵抗ばらつきαによるセル内の電流のばらつきを考慮して入力制限制御が実行される。したがって、この実施の形態によれば、冷却装置14の作動時においても、セル内の抵抗ばらつきを考慮してセルを適切に保護することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、10 電池パック、12 組電池、14 冷却装置、16 センサユニット、18 電圧センサ、20 電流センサ、22 温度センサ、24 セル、26 バスバー、30 電池ECU、42,43 抵抗、120 PCU、130 MG、140 駆動軸、150 駆動輪、160 車両ECU。

Claims (2)

  1. 単電池と、
    前記単電池の一方向から前記単電池を冷却するように構成された冷却装置と、
    複数の前記単電池を含む組電池への入力電流又は入力電力を制限することにより前記単電池への入力電流又は入力電力を所定値以下に制限する、入力制限制御を実行する制御装置とを備え、
    前記冷却装置は、前記単電池の下方から前記単電池を冷却するように構成され、
    前記制御装置は
    1つの前記単電池の上面の温度と前記冷却装置の冷媒温度との温度差に基づいて、前記単電池内の温度ばらつきを推定し、前記冷媒温度は、前記冷却装置の入側冷媒温度と出側冷媒温度との平均温度であり、
    前記温度ばらつきに基づく前記単電池内の抵抗のばらつきを推定し、
    前記制御装置は、前記冷却装置の非作動時に、
    前記抵抗のばらつきに基づいて、前記抵抗のばらつきによる前記単電池内の電流のばらつきを推定し、
    前記電流のばらつきに基づいて、前記単電池内の最大電流を推定し、
    前記最大電流が上限値よりも大きい場合に、前記入力制限制御を実行する、電池システム。
  2. 記制御装置は、前記冷却装置の作動時に、
    前記温度ばらつきに基づく前記抵抗ばらつきに基づいて、前記抵抗のばらつきによる前記電流のばらつきを推定し、
    前記電流のばらつきに基づいて、前記最大電流を推定し、
    前記最大電流が前記上限値よりも大きい場合に、前記入力制限制御を実行する、請求項1に記載の電池システム。
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