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JP7314764B2 - パウチ - Google Patents
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JP7314764B2 - パウチ - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルムをヒートシールすることにより得られるパウチに関する。
例えばレトルト食品や冷凍食品を内容物とした電子レンジ用のパウチが広く利用されている。パウチを電子レンジ内で温めると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発し、パウチ内の圧力が上昇する。パウチ内の圧力が高まると、パウチが破袋して内容物が飛散することがあり得る。
そこで、加熱によって発生する蒸気を袋外部に逃がす蒸気抜け機構が設けられたパウチが提案されている。
特許文献1には、上部のサイドシール部に切り欠きを設け、切り欠き周囲のヒートシール部に易剥離性材料を用いた自立包装袋が開示されている。特許文献1の自立包装袋では、加熱によりパウチ内の圧力が高まった際に、易剥離性材料を用いたヒートシール部が剥離し、パウチ内の収容空間がパウチ外部と連通することにより、パウチ内の蒸気を切り欠きから外部に逃がすことができる。
特許文献2~4には、収容空間を取り囲む周囲領域に、積層フィルムがヒートシールされて形成されたシール領域と、シール領域によって収容空間から隔離され、ヒートシールされていない未シール領域と、未シール領域が形成される箇所で、シール領域が収容空間側に向けて張り出した張出部分とを有する形状のパウチが開示されている。特許文献2~4のパウチでは、2枚の積層フィルムを重ね、積層フィルムの周縁近傍をヒートシールし、パウチを作製している。加熱によりパウチ内の圧力が高まった際に、張出部分の角部に応力を集中する。この結果、張出部分のシール領域が剥離することにより、収容空間と未シール領域とが連通して、パウチ内の蒸気を外部に逃がすことができる。
特開2010-36968号公報 特開2015-120550号公報 特開2016-74457号公報 特開2016-74458号公報
特許文献1の包装袋では、切り欠き周囲のヒートシール部のみを易剥離性材料で形成する必要があった。製造工程が煩雑でありコストが増大するほか、材料コストも高いという問題があった。また、易剥離性材料を用いる場合、十分なシール強度を確保することができず、落下時などパウチに衝撃が加わったときに切り欠き周囲のヒートシール部で剥離が発生し、内容物が漏れ出す恐れがあった。
特許文献2~4では、シーラントが電子レンジによる加熱により軟化し、シール強度が低下する材料である必要がある。このため、シーラント材料が限定されてしまう。また、張出部分を形成することにより蒸気抜けを発生しやすくさせているが、蒸気抜けが遅い場合があり、この時張出部分以外でのシール部分にシール後退が発生することがあった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、加熱により内部圧力が高まった際にシール後退の発生を抑制して、所望の箇所から蒸気を外部に放出することができるとともに、加熱時に内容物が外部に噴出することを効果的に抑制することができるパウチを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の[1]~[7]を提供する。
[1]シーラント層を有する少なくとも1つの積層フィルムを、該シーラント層が内層側となるように重ねてヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間を有するパウチであって、前記積層フィルムをヒートシールした側部シール部を有し、前記側部シール部は、前記積層フィルムの側縁側に位置する側端シール部分と、前記積層フィルムの側縁と反対側で前記側端シール部分に接続され、かつ、前記側端シール部分よりも前記収容空間側に向けて張り出した、一対の突出部を有する張出シール部分と、を有し、前記突出部は、前記側縁が延在する方向に配列し、前記積層フィルムの少なくとも1つは、前記シーラント層よりも外側層に発熱インキ層を有し、前記発熱インキ層は、少なくとも前記一対の突出部の先端部の間の領域に、前記側端シール部分を含んで設けられている、パウチ。
[2]前記発熱インキ層が、前記側部シール部の収容空間側の内縁に達して設けられる、[1]に記載のパウチ。
[3]前記発熱インキ層が、前記側部シール部の前記収容空間側の内縁を越えて前記収容空間の一部に設けられる、[1]または[2]に記載のパウチ。
[4]前記発熱インキ層が、前記側部シール部の前記収容空間と反対側の縁部に達して設けられる、[1]~[3]のいずれかに記載のパウチ。
[5]前記一対の突出部が互いに離間し、前記一対の突出部の間において前記側端シール部分の内縁が前記収容空間に面し、前記発熱インキ層が前記一対の突出部に設けられていない、[1]~[4]のいずれかに記載のパウチ。
[6]前記一対の突出部が互いに離間し、前記一対の突出部の間において前記側端シール部分の内縁が前記収容空間に面し、前記発熱インキ層が、前記一対の突出部の一部を含み、かつ、前記一対の突出部の先端部に設けられていないように形成される、[1]~[4]のいずれかに記載のパウチ。
[7]前記一対の突出部が互いに接触し、前記一対の突出部が配列する方向を第1方向としたときに、前記発熱インキ層が設けられる領域の前記第1方向の幅は、前記張出シール部分の前記第1方向の幅の0.1~0.8の割合となる領域に設けられ、かつ、前記突出部の前記先端部の各々に設けられていない、[1]~[4]のいずれかに記載のパウチ。
本発明によれば、加熱により内部圧力が高まった際にシール後退の発生を抑制し、所望の箇所から蒸気を外部に放出することができるパウチを得ることができる。更に、本発明によれば、加熱時に内容物が外部に噴出することを効果的に抑制できるパウチを得ることができる。
本発明の一実施形態のパウチを示す平面図である。 積層フィルムの層構成を示す断面概略図である。 第1実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第1実施形態に係るパウチの変形例であり、張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第2実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第2実施形態に係るパウチの変形例であり、張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第3実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第4実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第5実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。 第5実施形態に係るパウチの変形例であり、張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。
以下、本発明について、詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
本発明は、シーラント層を有する少なくとも1つの積層フィルムを、該シーラント層が内層側となるように重ねてヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間を有するパウチであって、前記積層フィルムをヒートシールした側部シール部を有し、前記側部シール部は、前記積層フィルムの側縁側に位置する側端シール部分と、前記積層フィルムの側縁と反対側で前記側端シール部分に接続され、かつ、前記側端シール部分よりも前記収容空間側に向けて張り出した、一対の突出部を有する張出シール部分と、を有し、前記突出部は、前記側縁が延在する方向に配列し、前記積層フィルムの少なくとも1つは、前記シーラント層よりも外側層に発熱インキ層を有し、前記発熱インキ層は、少なくとも前記一対の突出部の先端部の間の領域に、前記側端シール部分を含んで設けられている、パウチである。
[パウチ]
図1に、本発明の一実施形態に係るパウチの平面図を示す。図1に示すパウチは、平袋タイプのパウチである。パウチ1は、2枚のシート11(表シート11a,裏シート11b)が重ねて配置され、シート11の側縁13及び下縁14近傍が互いにヒートシールされている。これにより、2枚のシート11の間に内容物を収容する収容空間2が形成される。
図1に示すように、パウチ1では、シート11の上縁12間に開口4が形成される。パウチ1は開口4を広く確保する工夫がなされており、開口4から効率よく内容物を収容空間2に充填することができるようになっている。内容物が充填された後、開口4が設けられた上縁12近傍をヒートシールすることにより密閉して、パウチ1が得られる。
なお、本発明では、スタンディングパウチ、ガゼットパウチ、ボックスパウチ、四方パウチ、三方パウチ等の別の形状のパウチにも同様に適用可能である。
[積層フィルム]
本実施形態では、2枚のシート11の少なくとも一方は、積層フィルム30からなる。
図2は、積層フィルム30の層構成を示す断面概略図である。本実施形態のパウチは、2枚のシートをなす積層フィルム30をヒートシールすることによって製袋される。積層フィルム30には、容器内方側となる部分にシール性を有するシーラント層34が設けられている。また、積層フィルム30には、印刷基材となる基材層31が、シーラント層34よりも容器外方側となる部分に設けられている。積層フィルム30には、基材層31とシーラント層34との間に、発熱インキ層36が設けられている。さらに、積層フィルム30は、電子レンジ用のパウチに要求される種々の機能を付与するため、基材層31とシーラント層34との間に中間基材層33を含んでいる。
シート11の何れか一方が積層フィルム30からなる場合、他方のシートは、発熱インキ層が設けられていないこと以外は図2に例示される積層フィルム30と同じ構成を有するフィルムからなることが好ましい。
本実施形態のパウチ1は、2枚のシート11を重ねて製袋する場合を例にして説明しているが、1枚のシート(積層フィルム30)を、シーラント層34が容器内方側となるように折り重ねて製袋されるパウチであっても良い。
パウチのタイプによって、積層フィルムの使用枚数を適宜変更することができる。例えば、スタンディングパウチの場合、表シート、裏シート及び底面シートの3枚の積層フィルムを用いることが好ましい。この場合、底面シートには、発熱インキ層が設けられていないこと以外は図2に例示される積層フィルム30と同じ構成を有するフィルムからなることが好ましい。
以下、各層について詳細に説明する。
〔基材層〕
基材層31は、積層フィルム30のうち、製袋してパウチ1とするときに最も外側に位置する層である。
製袋してパウチ1としたときに、基材層31の内面に積層された絵柄層32(後述)を、基材層31を介して視認し得るよう、基材層31は透明性を有していることが好ましい。
また、電子レンジ用のパウチ1は、熱に対する耐性を必要とされる。このため、本実施形態の基材層31は、耐熱性を持つ材料からなる。例えば、基材層31として、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、またはポリプロピレン/エチレンービニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムを用いることができる。
上記のフィルムとして、ガスバリア性を高めるために、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフィルム、あるいは、エチレン-ビニルアルコール共重合体の塗膜を形成したフィルムを用いても良い。
基材層31の厚みは、例えば10~50μmであることが好ましい。この厚み範囲であれば、パウチ1に要求される耐熱性を満たしつつ、製品コストを抑えることができる。
〔発熱インキ層〕
本実施形態では、基材層31の収容空間側となる面に、発熱インキ層36が積層されている。発熱インキ層36は、基材層31とシーラント層34との間に設けられる。すなわち、発熱インキ層は、シーラント層34よりも外側層となる。発熱インキ層36は、後述するようにパウチ1としたときに所定位置に設けられるように、基材層31の平面内の所定の箇所に形成される。
発熱インキ層の厚みは、電子レンジ加熱時の発熱量、塗工性、製造コスト等を考慮すると、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、電子レンジ加熱時の発熱により積層フィルムのダメージを受けることを防止するとの観点から、発熱インキ層の厚みは、5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。
発熱インキ層36は、マイクロ波を吸収する材料を含む。マイクロ波を吸収する材料としては、導電性高分子及び導電性粒子から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも導電性高分子は、可視光の透過性が良好である点、マイクロ波によりスパークを生じにくい点で好適である。
導電性高分子としては、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類及びポリチオフェンビニレン類から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、これら化合物に加えてさらにドーパントを含むことがより好ましい。
ドーパントとしては、ハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、有機カルボン酸、遷移金属ハロゲン化物、電解質アニオン、有機シアノ化合物、キノン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、アルキルアンモニウムイオン及び四級ホスホニウム塩が挙げられる。
導電性粒子としては、カーボンブラック及び金属粒子が挙げられる。
導電性粒子を用いる場合、発熱インキ層はバインダー樹脂を含むことが好ましい。また、導電性高分子を用いる場合も、導電性の調整のために、他の樹脂を含有してもよい。樹脂としては、発熱性を阻害しない材料であれば特に限定されない。樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。
発熱インキ層を形成するための発熱インキには、更に、発熱性を損なわない範囲において必要に応じて、顔料、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
発熱インキに含まれる溶剤としては、通常の顔料インキに用いられる溶剤を適用することができ、例えば、メタノールやエタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサンやノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンやメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
発熱インキ層36は、上記の発熱インキを用い、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等の公知の印刷方式で形成することができる。
なお、発熱インキ層36と基材層31との密着性が良好でない場合は、発熱インキ層36と基材31との間にアンカーコート層を設けても良い。
〔シーラント層〕
シーラント層34は、上述したように、2つの積層フィルム30同士を重ね合わせて対向する縁部近傍をヒートシールすることで、当該縁部を貼り合わせて密封するために設けられている。また、シーラント層34は、積層フィルム30のうち、製袋してパウチ1としたときに、最も収容空間側(内側)に位置する層である。
シーラント層34には、ヒートシール性の他、電子レンジで加熱した場合の耐熱性、輸送時や落下時における耐衝撃性などが求められる。
シーラント層34としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂を含むフィルムなどが採用できる。具体的に、シーラント層34として、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることが好ましい。低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることにより、輸送時等での耐衝撃性を高めることができる。また、シーラント層34は、耐衝撃性及び耐突き刺し性の観点から、オレフィン系エラストマーを更に含んでいても良い。
シーラント層34は、単層で構成されてもよいし、複数の層からなる多層構造で構成されてもよい。耐衝撃性、ヒートシール性、イージーピール性などの要求仕様に応じて、各層の材料や層構成を適宜変更することができる。
シーラント層34の厚みは、40μm以上200μm以下の範囲にあるのが好ましい。
この場合、パウチ1の流通過程において生じ得る落下に対する耐衝撃強度に優れると共に、内容物の充填し易さ、内容物の取り出し易さといった取扱性にも優れる。
〔絵柄層〕
本実施形態では、基材層31の容器内方側となる面に、絵柄を含む絵柄層32が積層されている。すなわち、絵柄層32は、基材層31とシーラント層34との間に設けられる。
絵柄層32は、図2に示すように、発熱インキ層を視認させて取り扱い時の安全性を確保するとの観点から、発熱インキ層36よりもシーラント層34側に設けられることが好ましい。あるいは、絵柄層の視認性や、発熱インキ層で発生した熱をシーラント層に伝熱させる際の効率を考慮して、基材層上に絵柄層を形成し、該絵柄層上に発熱インキ層が設けられる構成としても良い。
また、図2の変形例として、発熱インキ層と絵柄層とを積層させない構成としても良い。この場合、積層フィルムを平面視したときに、発熱インキ層と絵柄層とが隣接するように形成されていても良く、発熱インキ層と絵柄層とが離間して設けられる構成としても良い。
絵柄とは、基材層31に記録または印刷され得る種々の態様の記録対象のことであり、特に限定されることなく、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。食品を内包することが意図されたパウチ1に用いられる積層フィルム30では、絵柄として、内容物の図や、内容物の商品名、賞味期限、製造日、製造番号等の情報を示す文字が用いられる。
絵柄層32は、基材層31の全面に形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。絵柄層32は、商品の仕様に応じて基材層31に積層されるものであり、基材層31に絵柄層32が設けられなくてもよい。
本実施形態では、絵柄層32は、基材層31の内面に形成される。このような構成とすることにより、絵柄層32は、耐摩耗性に優れることから擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、絵柄の改ざんも効果的に防止することができる。
絵柄層は、主として、着色剤とバインダー樹脂を含む。
着色剤としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛及び鉛白等の白色顔料;カーボンブラック、チタンブラック及び鉄黒等の黒色顔料;黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青及びコバルトブルー等の有彩色無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー及びフタロシアニンブルー等の有彩色有機顔料;パール顔料、金属粒子及び金属鱗片等の光輝性材料;染料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
絵柄層は、例えば、基材層上に、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等の公知の印刷方式で、公知のインキを使用して形成することができる。絵柄層形成インキは、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とする。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。
絵柄層形成インキには、さらに、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
絵柄層のインキに含まれる溶剤としては、通常の顔料インキに用いられる溶剤を適用することができ、例えば、メタノールやエタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサンやノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンやメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
絵柄層中の着色剤の含有量は特に制限されるものではないが、絵柄層の全固形分の5~70質量%であることが好ましく、15~65質量%であることがより好ましく、20~60質量%であることがさらに好ましい。
絵柄層の厚みは特に限定されるものではなく、1.0~5.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.0~3.0μmである。
〔その他の層〕
本発明の積層フィルム30は、基材層31とシーラント層34との間に、中間基材層33を有していても良い。中間基材層33は、電子レンジ用のパウチに要求される種々の機能を補うために設けられている。
具体的に、食品を内容物として内包することに適したパウチとするため、内容物の酸化等の変質を防止しながら内容物を保存することができるように、中間基材層33は、水蒸気や酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有していてもよい。また、スタンディングパウチ形式のパウチ1は、売り場の商品棚に自立した状態で陳列される。このことから、パウチ1が商品棚から落下した際の衝撃等にも十分に耐え得るよう、中間基材層33は、耐屈曲性及び耐衝撃性を有していてもよい。また、中間基材層33は、消費者の購買意欲を高めるために、パウチ1の内容物が見えないように隠蔽性を十分に高める機能を有していてもよい。
このような機能をもつ中間基材層33として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムを用いることができる。上記のフィルムとして、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフィルム、あるいは、エチレン-ビニルアルコール共重合体の塗膜を形成したフィルムを用いても良い。
中間基材層33は、上記列挙したフィルムのうち一種で構成されていても良く、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
図2に示すように、本実施形態では、基材層31と中間基材層33との間、及び、中間基材層33とシーラント層34との間に接合層35が介在されている。この接合層35としては、それ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができる。例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。
本実施形態に適用できる積層フィルムとしては、以下の構成のフィルムが例示される。
(1)透明蒸着PET/発熱インキ層/絵柄層/シーラント層/ONy/シーラント層/CPP
(2)ONy/発熱インキ層/絵柄層/シーラント層/透明蒸着PET/シーラント層/CPP
(3)透明蒸着PET/発熱インキ層/絵柄層/PET/シーラント層/CPP
(4)透明蒸着PET/発熱インキ層/絵柄層/シーラント層/PET/シーラント層/PET/シーラント層/CPP
(5)透明蒸着PET/絵柄層/発熱インキ層/シーラント層/ONy/シーラント層/CPP
(6)ONy/絵柄層/発熱インキ層/シーラント層/透明蒸着PET/シーラント層/CPP
(7)透明蒸着PET/絵柄層/発熱インキ層/PET/シーラント層/CPP
(8)透明蒸着PET/絵柄層/発熱インキ層/シーラント層/PET/シーラント層/PET/シーラント層/CPP
〔シール部〕
積層フィルム30からなるシート11の周縁近傍をヒートシールすることによって、シール部50が形成される。図1に示す方向から見たときに、シール部50は、収容空間2の周りを取り囲み、当該収容空間2を密閉している。
以下では、本発明のパウチにおけるシール部の形態を、例を挙げて説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るパウチでは、図1に示すように、シール部50の外縁50aは、シート11の縁部12~14に沿って、周状に延びている。一方、シール部50の内縁50bは、外縁50aに対して間隔を空けながら、周状に延びている。
シール部50は、横方向d1に互いに対向して位置する第1側部シール部51及び第2側部シール部52と、横方向d1に直交する上下方向d2に互いに対向して位置する上部シール部53及び下部シール部54と、を含んでいる。言い換えると、横方向d1とは、第1側部シール部51と第2側部シール部52とが配列方向であり、上下方向d2とは、該配列方向に直交する方向である。
各側部シール部51、52は、2枚のシート11の側縁13近傍をヒートシールしてなる。上部シール部53は、シート11の上縁12近傍をヒートシールしてなる。下部シール部54は、シート11の下縁14近傍をヒートシールしてなる。
図3は、第1実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図3に示すように、第1側部シール部51は、側端シール部分56と、張出シール部分55とで構成されている。
側端シール部分56は、シート11(積層フィルム30)の側縁13近傍をヒートシールしてなる。すなわち、側端シール部分56は、収容空間2に対して、シート11(積層フィルム30)の側縁13側に位置する。側端シール部分56は、パウチ1の上下方向d2に伸び、上部シール部53及び下部シール部54に接続する。
なお、図1及び図3では、上部シール部53側の側端シール部分56の幅(収容空間2からパウチ外部に向かう方向の幅)を、下部シール部54側の側端シール部分56の幅(収容空間2からパウチ外部に向かう方向の幅)よりも大きくしている。これは、加熱後に後述するノッチから開封する際の取り扱い性を考慮した構成である。ただし、本実施形態はこれに限定されず、側端シール部分56は、上部シール部53から下部シール部54まで同幅であっても良い。
本実施形態において、張出シール部分55が設けられる位置は特に限定されないが、電子レンジ加熱の際に、内容物に接触しない位置に設けられることが好ましい。例えば、下部シール部54を下にしてパウチ1を立てて加熱する場合は、張出シール部分55は第1側部シール部51の上方(上部シール部53の近傍)に設けられることが好ましい。
図1及び図3において、張出シール部分55は、一対の突出部57(57a,57b)を有する。突出部57a,57bはそれぞれ、側部シール部51の内縁21から収容空間2に向けて延び出している。すなわち、突出部57a,57bは、第1側部シール部51と側縁13と反対側で接続し、側端シール部分56よりも収容空間2側に向けて張り出している。図1及び図3において、突出部57a,57bは、パウチ1を平面視したときに矩形を有する。突出部57a,57bの先端部は、角を有していても良いし、扇形に湾曲していても良い。図1及び図3に示すように、突出部57a,57bの形状及び大きさは等しいことが好ましいが、異なっていても構わない。
なお、平面視とは、図において横方向d1及び上下方向d2の両方に直交する方向からパウチ1を見ることをいう。
図1及び図3に示すように、突出部57a,57bは互いに離間しており、側端シール部分56の長さ方向(上部シール部53から下部シール部54まで伸びる方向、図3では上下方向d2)に配列する。一対の突出部57a,57bの間で、側端シール部分56の内縁21が収容空間2に面する。
図1及び図3に示すように、上側の側端シール部分56に、開封の際の起点となり得るノッチ7が形成されている。ノッチ7が設けられた位置は、収容空間2に収容された内容物を取り出すためにパウチ1を開封するときの開封予定位置となる。ノッチ7は、シート11を貫通している。ノッチ7は、側端シール部分56に形成された切れ目であってもよいし、所定の巾をもつ切欠きであってもよい。側端シール部分にノッチ7が形成されていることにより、ノッチ7からパウチ1を容易に開封し始めることができる。
ノッチ7は、第1側部シール部51及び第2側部シール部52の少なくとも一方に設けられていることが好ましい。例えば、図1に示すように、ノッチ7は第1側部シール部51だけでなく、第2側部シール部52にも設けられていても良い。この場合、2つのノッチ7が形成される位置は、パウチ1の上下方向d2で略同一の高さであることが好ましい。
なお、ノッチ7は、下側の側端シール部分56に形成されていても良い。
開封予定位置は、ノッチ7に限られず、それ自体既知の種々の易開封手段を設けることができる。他の易開封手段として、複数の微細な小孔を設ける例が挙げられる。
なお、本実施形態では、特許文献2~4のパウチで形成されているような、シートの側端側に未シール領域は設けられる必要はない。
本実施形態において、発熱インキ層は、少なくとも、一対の突出部57(57a,57b)の先端部58(58a,58b)の間の領域において、側端シール部分56を含んで設けられる。
図3では、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図3に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形である。
発熱インキ層が設けられる領域の横方向d1の一方端部は、第1側部シール部51の側縁13(第1側部シール部51の収容空間2と反対側の縁部)に達するように設けられている。
なお、第1側部シール部51の側縁13近傍に発熱インキ層が設けられていなくても、第1側部シール部51の発熱インキ層の面積が十分確保できれば、後述するシートの剥離効果を奏することができるが、確実にシートの剥離を発生させるためには、図3の構成とすることが特に好ましい。
発熱インキ層が設けられる領域の横方向d1の他方端部は、第1側部シール部51の収容空間2側の内縁に達して設けられている。図3において、一対の突出部57の間で側端シール部分56が収容空間2に面しているので、発熱インキ層が設けられる領域は、側端シール部分56の内縁21に達するように設けられる。
なお、発熱インキ層は、第1側部シール部51の内縁に達するように設けられていなくても、内縁近傍まで設けられていれば後述するシートの剥離効果を奏することができるが、確実にシートの剥離を発生させるためには、図3の構成とすることが特に好ましい。
発熱インキ層が設けられる領域の上下方向d2の両端は、一対の突出部57(57a,57b)の間の領域に位置する。
図3では、発熱インキ層は矩形領域となるように設けられているが、本実施形態はこれに限定されない。上述した塗布領域の要件を満たすのであれば、発熱インキ層が設けられる領域は、三角形、台形、楕円形など、他の形状であっても良い。
加熱により内容物から蒸気が発生すると、収容空間2が膨らむ。収容空間2は、パウチ1の中央付近から拡がっていくとみなすことができる。従って、シール部50に掛かる圧力はパウチ1の中央付近からの距離に依存し、パウチ1の中央付近から近いほど、シール部は蒸気による強い負荷を受ける。
一方で、電子レンジ加熱時に、発熱インキ中の導電性高分子や導電性粒子により、発熱インキ層が設けられた側端シール部分56が加熱される。これにより、電子レンジ加熱後の比較的早期に、側端シール部分56でのシート11の接合力が低下している。このため、収容空間2内の圧力が高まった際に、接合力が弱まった側端シール部分56でシート11の剥離が発生する。そして、剥離箇所から収容空間2内の蒸気がパウチ1外部に放出される。
このように、本実施形態のパウチは、電子レンジ加熱時に、側端シール部分56の発熱インキ層が設けられる領域で確実にシート11の剥離を発生させ、収容空間2内の蒸気を外部に逃がすことが可能となる。本実施形態のパウチは、蒸気発生量が少ない内容物を収容する場合でも蒸気抜けを発生させることが可能である。
本実施形態では、第1側部シール部51(側端シール部分56)に発熱インキ層が形成されているため、フラットテーブル式電子レンジを用いてパウチ1を立てた状態で加熱する場合であっても、内容物によりマイクロ波が発熱インキ層に到達することが阻害されない。このため、本実施形態のパウチ1は、使用する電子レンジの加熱方式に依らず、発熱インキ層が設けられる領域で確実に蒸気抜けを発生させることができる。
同一条件下でヒートシールした場合、シール部50内の任意の一地点における接合力は、他の一地点の接合力と等しくなるように設計されている。しかしながら、ヒートシール時にシール部50内で接合力の分布が生じる場合がある。発熱インキ層を設けない場合には、電子レンジ加熱により収容空間内の圧力が上昇する際に、張出シール部分以外の接合力が弱いシール部でシール後退が発生する虞がある。本実施形態のように、少なくとも一対の突出部の先端部の間の領域に、側端シール部分を含んで発熱インキ層が設けられていることにより、側端シール部分56でのシート11の接合力を低下させることができ、他のシール部におけるシール後退を抑制できるという効果も奏する。
このようにシール後退を抑制できることから、本実施形態のパウチでは、シール部50の幅を従来よりも小さくすることができる。具体的に、シール部50の幅は、4mm程度とすることが可能である。この結果、袋の小型化が可能である。あるいは、外周の大きさを同じとして収容空間の容積を大きくすることもできる。
内容物が液体を多く含む場合、電子レンジ加熱中に蒸気が発生するだけでなく、液体が沸騰する。例えばパウチ1を立てて電子レンジ加熱した場合に、収容空間2下方から液体が沸き上がるだけでなく、収容空間2の上方(パウチを立てた場合に上部シール部53)に到達して下方に落ちる場合もある。張出シール部分55が設けられていると、沸騰した内容物が突出部57a,57bの間の側端シール部分56に到達することが制限されるため、側端シール部分56の剥離箇所を通じて内容物がパウチ1外部に噴出することを抑制できる。
発熱インキ層による発熱量は、塗布された発熱インキ中のマイクロ波を吸収する材料の含有量に依存する。すなわち、発熱量は、特にパウチ1を平面視したときの発熱インキ層が設けられる領域の面積に依存することになる。該面積は、側端シール部分の剥離性、製造コストなどを考慮して適宜設定される。パウチを平面視したときに、発熱インキ層が設けられる領域の面積は、0.3cm~4.5cmであることが好ましく、0.4cm~3.0cmであることがより好ましい。
本実施形態において、一対の突出部57a,57bが配列する方向(図3においては上下方向d2)の間隔は特に制限されない。一方で、第1側部シール部51の長さに対して突出部57a,57bの間隔が大きくなると、突出部57a,57bによる噴出抑制効果を十分に発揮することができなくなる場合がある。この観点から、該間隔は、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましい。また、第1側部シール部51の長さに対する該間隔が占める割合は、1/5以下であることが好ましく、1/7以下であることが好ましい。
突出部の間隔とは、パウチを平面視したときに、突出部と側端シール部分とが接続する辺の端部のうち、互いに近い方の端部の距離を指す。
発熱インキ層が設けられる領域の長さ(図3においては上下方向d2の長さ)は、蒸通性、内容物の漏出防止、生産コスト等に影響する。発熱インキ層が設けられる領域の長さが大きいと、発熱インキ塗布量が増大し生産コストが高くなるほか、シート11の剥離が大きくなるため、内容物が漏出しやすくなる。発熱インキ層が設けられる領域の長さが小さいと、シート11が剥離した際に収容空間2内の蒸気が噴出する勢いが強く、蒸気に伴って内容物がパウチ1外部に噴出する虞がある。また、発熱インキ層が設けられる領域の面積が小さくなるため、側端シール部分56を十分に加熱することができず、剥離が発生しない場合が懸念される。このような観点から、発熱インキ層が設けられる領域の第1方向の長さは、1~20mmであることが好ましく、4~15mmであることがより好ましい。
なお、発熱インキ層は、形成される領域内でベタ塗りされていても良いし、格子状等のパターンで塗布されていても良い。
本実施形態において、突出部57a,57bの長さ(側端シール部分56の内縁21から先端部58a,58bまでの横方向d1の長さ)は特に制限されないが、収容空間2の容積、内容物を充填する際に障害物とならないことなどを考慮して適宜設定する。特に、後述するように電子レンジ加熱時の内容物の噴出抑制効果を得るとの観点から、突出部57a,57bの長さは、1~20mmであることが好ましく、1~10mmであることがより好ましい。また、一対の突出部の間隔L1に対する突出部57a,57bの長さL2の比(L2/L1)が、0.2~1.5であることが好ましく、0.3~1.0であることがより好ましい。
上記したように、本実施形態のパウチは、特許文献2~4に対し、張出シール部分の形状も簡略であり、未シール領域が設けられていない。このため、特許文献2~4に開示される未シール領域を有するパウチに比べて、収容空間の容積を大きくすることができるとともに、内容物充填時に障害となりにくいというメリットを有している。また、異物の混入を抑制することが可能となる。更に、パウチの製袋工程が容易であるという製造上のメリットを有している。
図4は、第1実施形態の変形例を説明する図である。図4において、図3と同じ構成に同じ符号が付されている。図4において、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。
図4に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形であり、横方向d1の一方端部が、側端シール部分56の内縁21(第1側部シール部分51の収容空間2側の内縁)を超えて収容空間2の一部に設けられている。このような構成とすることにより、発熱インキ層が設けられる領域の面積を大きくすることができるため、シート11の接合力が十分に低下するように、側端シール部分56を加熱することができる。更に、発熱インキ層の印刷ずれやシールずれ等の生産上の公差を許容することができる。一方で、収容空間2に形成される発熱インキ層の面積が大きくなると、シートが過度に加熱されてシートの収縮等が発生する恐れがある。また、生産コストが上昇するほか、発熱インキ層が目立ち、意匠性が悪くなる恐れがある。上記を考慮すると、収容空間2に形成される発熱インキ層は、側端シール部分56の内縁21から5mm以下の領域内に形成されていることが好ましい。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図5において、図3と共通する構成には同じ符号が付されている。
第2実施形態は、張出シール部分の形状以外は、第1実施形態と同じである。
図5の張出シール部分155は、一対の突出部155(155a,155b)が平面視したときに直角三角形である。一対の突出部155(155a,155b)は互いに離間しており、側端シール部分56の長さ方向に配列する。一対の突出部155(155a,155b)の間で、側端シール部分56の内縁21(第1側部シール部51の内縁)が収容空間2に面する。
突出部155a,155bは、直角をなす2辺のうち一辺が側端シール部分56の収容空間2側の内縁21(積層フィルム30の側縁13と反対側の内縁)と接続する。2辺のうち他辺は、側端シール部分56よりも収容空間2側に向けて横方向d1に張り出している。突出部155a,155bの先端部は、図5のように角部を有していても良いし、扇形に湾曲していても良い。
図5において、突出部155a,155bの斜辺は互いに対向して配置される。なお、図5の変形例として、収容空間2側に向けて横方向d1に張り出す辺同士が対向し、斜辺が上側シール部53及び下側シール部54を向くように、突出部155a,155bが配列されていても良い。
一対の突出部155a,155bの形状及び大きさは等しいことが好ましいが、異なっていても構わない。
図5は例示であり、突出部が三角形であれば、突出部の形状及び大きさ(頂点の角度及び辺の長さ)は特に限定されない。例えば、突出部は、二等辺三角形や正三角形などであっても良い。突出部の形状及び大きさは、空間2の容積、内容物を充填する際に障害物とならないこと、内容物の噴出抑制効果などを考慮して適宜設定する。
なお、図5では、側端シール部分56の幅を上部シール部53から下部シール部54側に向けて同幅としているが、本実施形態はこれに限定されない。図3のように、加熱後の開封時の取り扱い性を考慮して、上側シール部53近傍の側端シール部分56の幅を広く設計することも可能である。
本実施形態において、発熱インキ層は、少なくとも、一対の突出部155a,155bの先端部158a,158bの間の領域において、側端シール部分56を含んで設けられる。
図5では、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図5に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形である。
図3と同様に、発熱インキ層は、側端シール部分56内で一対の突出部155a,155bの間の領域に設けられている。
図5において、発熱インキ層は、側部シール部51の側縁13に達して設けられる。また、発熱インキ層は、側端シール部分56の収容空間2の内縁21(第1側部シール部分51の内縁)に達して設けられている。図5の変形例として、発熱インキ層は、図4のように側端シール部分56の内縁21を超えて収容空間2の一部に設けられていても良い。
図6は、第2実施形態の変形例であり、張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図6において、図3及び図5と共通する構成には同じ符号が付されている。
図6において、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図6に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに三角形(二等辺三角形)である。
該領域の底辺は、第1シール領域51の側縁13と一致する。すなわち、発熱インキ層は、側部シール部分51の収容空間2と反対側の縁部に達して設けられている。底部の長さは、図6のように、突出部157a,157bの間隔よりも大きくても良い。
頂角は、平面視したときに収容空間2内に設けられる。従って、図6の発熱インキ層は、側端シール部分56(側部シール部分51)の内縁を超えて設けられている。なお、図6において、突出部157a,157bには発熱インキ層は設けられていない。
このように、本実施形態では発熱インキ層が設けられる領域の形状は特に限定されない。上述した塗布領域の要件を満たすのであれば、発熱インキ層が設けられる領域は、台形、楕円形など、他の形状であっても良い。
図5及び図6に示すように発熱インキ層を設けることにより、電子レンジ加熱した際に側端シール部分の発熱インキ層形成領域で、確実にシートの接合力を低下させてシートの剥離を発生させることができる。このため、他のシール部でのシール後退を抑制するという効果を奏することができる。
更に、発熱インキ層形成領域を挟むように一対の突出部を設けることにより、電子レンジ加熱中の内容物の噴出を抑制することができる。
第1実施形態及び第2実施形態では、突出部がそれぞれ矩形及び三角形である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、突出部は、台形や五角形などの多角形など、上述した本発明の効果を奏する限り、他の形状を適用することも可能である。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図7において、図3と共通する構成には同じ符号が付されている。
第3実施形態は、張出シール部分の形状以外は、第1実施形態と同じである。
図7の張出シール部分255の一対の突出部257(257a,257b)は互いに離間しており、側端シール部分56の長さ方向に配列する。一対の突出部257(257a,257b)の間で、側端シール部分56の内縁21(第1側部シール部51の内縁)が収容空間2に面する。
第3実施形態における張出シール部分は、側端シール部分よりも収容空間2側に向けた張り出した弧形を有する形状であり、角領域を有さない。図7に示す例では、突出部257a,257bの先端部258a,258bは、平面視したときに半楕円であり、長軸が上下方向d2(第1方向)と略一致する。図7の例では、突出部257a,257bは半楕円と矩形を組み合わせた形状とし、矩形部分が側端シール部分56と接続する。
図7は例示であり、突出部の先端が弧形を有するのであれば、突出部の形状及び大きさは特に限定されない。例えば、半楕円の突出部の長軸部分や短軸部分が側端シール部分と接続しても良い。また、突出部の先端は、平面視したときに半円としても良いし、非対称の孤形としても良い。突出部の大きさは、収容空間2の容積や、内容物を充填する際に障害物とならないこと、内容物の噴出抑制効果などを考慮して適宜設定する。
一対の突出部257a,257bの形状及び大きさは等しいことが好ましいが、異なっていても構わない。
本実施形態において、発熱インキ層は、少なくとも、一対の突出部257a,257bの先端部258a,258bの間の領域において、側端シール部分56を含んで設けられる。
図7では、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図7に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形である。
図3と同様に、発熱インキ層は、側端シール部分56内で、一対の突出部257a,257bの間の領域に設けられる。
図7において、発熱インキ層は、側部シール部51の収容空間2と反対側の縁部13に達して設けられる。また、発熱インキ層は、側端シール部分56の内縁21に達して設けられている。図7の変形例として、発熱インキ層は、図4のように側端シール部分56の内縁21を超えて収容空間2の一部に設けられていても良い。
図7はあくまで例示であって、本実施形態では発熱インキ層が設けられる領域の形状及び大きさは特に限定されない。上述した塗布領域の要件を満たすのであれば、例えば、発熱インキ層が設けられる領域は、三角形、台形、楕円形など、他の形状であっても良い。
図7に示すように発熱インキ層を設けることにより、電子レンジ加熱した際に側端シール部分の発熱インキ層形成領域で、確実にシートの接合力を低下させてシートの剥離を発生させることができる。このため、他のシール部でのシール後退を抑制するという効果を奏することができる。
更に、発熱インキ層形成領域を挟むように一対の突出部を設けることにより、電子レンジ加熱中の内容物の噴出を抑制することができる。
第3実施形態のように張出シール部分が角領域を有さない形状であると、パウチを落下させたときの衝撃で張出シール部分からの破袋を防止することができるという有利な効果を奏することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、張出シール部分の一部に発熱インキ層が設けられている点で、第1~3実施形態と異なる。
本実施形態において、発熱インキ層は、一対の突出部の間の領域と、各突出部の一部と、側端シール部分56とを含んで設けられる。
ここでは、図5と同じ形状の張出シール部分を有するパウチを例に挙げて説明する。図8は、第4実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図8において、図3と共通する構成には同じ符号が付されている。
図8では、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図8に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形である。発熱インキ層は、突出部158a,158bの斜辺側の領域を含んで設けられているが、突出部158a,158bの先端には設けられていない。
図8において、発熱インキ層は、側部シール部51の収容空間2と反対側の縁部13に達して設けられる。また、発熱インキ層は、側端シール部分56の収容空間2の内縁21(第1側部シール部51の内縁)に達して設けられている。図7の変形例として、発熱インキ層は、図4のように側端シール部分56の内縁12を超えて収容空間2の一部に設けられていても良い。
図8はあくまで例示であって、本実施形態では発熱インキ層が設けられる領域の形状及び大きさは特に限定されない。上述した塗布領域の要件を満たすのであれば、例えば、発熱インキ層が設けられる領域は、三角形、台形、楕円形など、他の形状であっても良い。
図8に示すように発熱インキ層を設けることにより、電子レンジ加熱した際に側端シール部分の発熱インキ層形成領域で、確実にシートの接合力を低下させてシートの剥離を発生させることができる。本実施形態の構成では、発熱インキ層が設けられる領域の面積を十分に確保することができるため、収容空間内の蒸気を確実に剥離部分から放出させることができる。このため、他のシール部でのシール後退を抑制するという効果を確実に得ることができる。
更に、発熱インキ層形成領域を挟むように一対の突出部を設けることにより、電子レンジ加熱中の内容物の噴出を抑制することができる。本実施形態では、突出部にも発熱インキ層が設けられているが、先端部には発熱インキ層が設けられていないため、例えば図5及び図6の態様に対して、内容物の噴出抑制効果が低下することはない。
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態に係るパウチにおける張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図9において、図3と共通する構成には同じ符号が付されている。
第5実施形態では、一対の突出部357(357a,357b)が、側端シール部分56の長さ方向に配列し、互いに接触するように設けられている。第5実施形態では、突出部357a,357bの間で側端シール部分の内縁は収容空間2に露出していない。
図9の例では、張出シール部分355は、一対の突出部357(357a,357b)が平面視したときに直角三角形である。図5の場合と同様に、突出部357a,357bの直角をなす2辺のうち一辺が側端シール部分56の内縁21と接続し、他辺は側端シール部分56よりも収容空間2側に向けて横方向d1に張り出している。突出部357a,357bの斜辺は互いに対向して配置され、底角で突出部357a,357bが接触する。一対の突出部357(357a,357b)の形状及び大きさは等しいことが好ましいが、異なっていても構わない。
図10は、第5実施形態の変形例であり、張出シール部分付近の第1側部シール部の拡大図である。図10において、図3及び図5と共通する構成には同じ符号が付されている。
図10の例では、張出シール部分455は、直角三角形である一対の突出部457(457a,457b)が、平面視したときに互いに重複するように接続される。このため、平面視したときに突出部457a,457bの先端部458a,458bの間の領域で、連結領域459が形成されている。この連結領域459は、側端シール部分56の内縁21よりも収容空間2側に位置する。従って、突出部457の重複部分(連結領域459)の幅(横方向d1の幅)は、側端シール部分56の幅よりも大きくなっている。
一対の突出部457a,457bの形状及び大きさは等しいことが好ましいが、異なっていても構わない。
本実施形態において、発熱インキ層は、少なくとも、一対の突出部の先端部の間の領域において、側端シール部分56を含んで設けられる。突出部が接続することから、突出部の一部に発熱インキ層は設けられるが、先端部の各々には設けられない。
図9及び図10では、発熱インキ層が設けられる領域を斜線で示している。図9及び図10に示す例では、発熱インキ層が設けられる領域は、平面視したときに矩形である。
図9において、発熱インキ層は、側部シール部51の収容空間2と反対側の縁部13に達して設けられる。また、発熱インキ層は、突出部355a,355bの一部領域に設けられている。このため、発熱インキ層は、側端シール部分56及び突出部355からはみ出して、収容空間2の一部に設けられている。ただし、発熱インキ層は突出部357a,357bの先端部358a,358bには設けられていない。
図10において、発熱インキ層は、側部シール部51の収容空間2と反対側の縁部13に達して設けられる。また、発熱インキ層は、連結領域459及び突出部455a,455bの一部領域に設けられている。発熱インキ層は、連結領域459からはみ出して、収容空間2の一部に設けられている。すなわち、発熱インキ層は、第1側部シール部51の収容空間2側の内縁を越えて収容空間2の一部に設けられる。ただし、発熱インキ層は突出部457a,457bの先端部457a,458bには設けられていない。
本実施形態において、一対の突出部が配列する方向を第1方向としたときに、発熱インキ層が設けられる領域の第1方向の幅(図9及び図10では上下方向d2の幅)は、張出シール部分355,455の第1方向の幅の0.1~0.8の割合となる領域に設けられる。
本実施形態においても、発熱インキ層を設けることにより、電子レンジ加熱した際に側端シール部分の発熱インキ層形成領域で、確実にシートの接合力を低下させてシートの剥離を発生させることができる。このため、他のシール部でのシール後退を抑制するという効果を奏することができる。
上記の割合の幅で発熱インキ層が設けられることにより、突出部の間で収容空間が露出していない場合、特に、図10のように、突出部の間の領域で側部シール部51の幅が側端シール部56の幅よりも大きくなる場合でも、電子レンジ加熱によりシート11の剥離を確実に発生させることが可能となる。
更に、発熱インキ層形成領域を挟むように一対の突出部が設けられているため、電子レンジ加熱中の内容物の噴出を抑制することができる。本実施形態では、突出部の先端部には発熱インキ層が設けられていないため、例えば図5及び図6の態様に対して、内容物の噴出抑制効果を低下させることはない。
図9及び図10は例示であり、本実施形態では突出部の形状は特に限定されない。例えば、突出部は台形、楕円形、円形などであっても良い。突出部の大きさは特に限定されないが、空間2の容積、内容物を充填する際に障害物とならないこと、内容物の噴出抑制効果などを考慮して適宜設定する。
ただし、本実施形態では、2つの先端部が認識できないように接続される場合は除かれる。例えば、2つの直角三角形を斜辺が上部シール部53及び下部シール部54を向くように配置されると、1つの三角形と見なされ、先端部が1つのみとなるので、本実施形態からは除外される。
本実施形態では、発熱インキ層が設けられる領域の形状は特に限定されない。上述した塗布領域の要件を満たすのであれば、発熱インキ層が設けられる領域は、他の形状であっても良い。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって何ら限定されるものではない。
[試料の作製]
<実施例1>
1.積層フィルムの作製
基材層としてアルミナ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)を準備した。基材層の蒸着面側に、導電性高分子を含むインキ(東京インキ株式会社製、品番MWヒート剤)をグラビア印刷して乾燥し、厚み1μmの発熱インキ層を形成した。なお、発熱インキ層は、項目2.で説明する箇所に形成されるように、パターニングして形成した。
次いで、基材層の発熱インキ層を形成した側の面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU-004/H-1)を用いたドライラミネート法により、中間基材層(延伸Ny、厚み15μm)を貼り合わせた。
次いで、中間基材層(延伸Ny)上に、上記接着剤を用いたドライラミネート法により、シーラント層(CPP、厚さ70μm)を貼り合わせ、積層フィルムを得た。
2.パウチの作製
上記した積層フィルムから、一対のシートを得た。2枚のシートを重ね合わせ、側縁及び下縁をヒートシールして、図3に示す形状である平袋タイプのパウチ(上縁はヒートシールされていない開口となっている)を得た。側端シール部分及び張出シール部分に関して寸法を以下に記載する。パウチの収容空間の容積は420cm3とした。
(側端シール部分)
上部シール部53側の幅(パウチ縁部13から横方向d1の幅):10mm
下部シール部54側の幅(パウチ縁部13から横方向d1の幅):6mm
突出部の間の領域での幅(パウチ縁部13から横方向d1の幅):6mm
(張出シール部分)
突出部57a,57bの長さ(突出部間の側端シール部の内縁21から横方向d1の長さ):10mm
突出部57a,57bの幅(上下方向d2(第1方向)の長さ):3mm
突出部57a,57bの間隔:15mm
ヒートシール条件は以下の通りとした。
・温度:180℃
・時間:1.5秒
・圧力:2.0MPa(エアーシリンダー式)
実施例1では、図3のように、平面視したときに矩形となる発熱インキ層を形成した。発熱インキ層の上下方向d2(第1方向)の幅を、10mmとした。
パウチ内に、内容物として水(160g)を収容し、上縁の開口をヒートシールして密封し、実施例1のパウチを得た。
<実施例2>
図4に示す箇所に発熱インキ層を形成したこと以外は、実施例1と同様の工程にて実施例2のパウチ(平袋タイプのパウチ)を得た。発熱インキ層が形成された領域の形状は矩形であり、上下方向d2(第1方向)の幅を10mm、側縁13からの横方向d1の幅を10mmとした。
<実施例3>
実施例1と同じ積層フィルムを用いて、張出シール部分が図5に示す形状である平袋タイプのパウチを得た。側端シール部分の幅は、上部シール部53から下部シール部54まで6mmとした。張出シール部分に関して寸法を以下に記載する。パウチの収容空間の容積は420cm3とした。
(張出シール部分)
突出部157a,157bの長さ(内縁21から横方向d1の長さ):7mm
先端部158a,158bの角度:45°
突出部157a,157bの間隔:10mm
発熱インキ層が形成された領域の形状は矩形であり、上下方向d2(第1方向)の幅を7mmとした。
<実施例4>
実施例1と同じ積層フィルムを用いて、張出シール部分が図7に示す形状である平袋タイプのパウチを得た。側端シール部分の幅は、上部シール部53から下部シール部54まで6mmとした。張出シール部分に関して寸法を以下に記載する。パウチの収容空間の容積は420cm3とした。
(張出シール部分)
突出部の形状:先端部が半楕円弧(長軸が上下方向d2に一致)、側端シール部との接続部が矩形
半楕円弧部分の寸法:長軸3mm、短軸2mm
矩形部分の寸法:内縁21から横方向d1の長さ3mm、上下方向d2(第1方向)の長さ6mm
突出部257a,257bの間隔:15mm
発熱インキ層が形成された領域の形状は矩形であり、上下方向d2(第1方向)の幅を6mmとした。
<実施例5>
実施例1と同じ積層フィルムを用いて、張出シール部分が図9に示す形状である平袋タイプのパウチを得た。側端シール部分の幅は、上部シール部53から下部シール部54まで6mmとした。張出シール部分に関して寸法を以下に記載する。パウチの収容空間の容積は420cm3とした。
(張出シール部分)
突出部357a,357bの長さ(内縁21から横方向d1の長さ):7mm
先端部358a,358bの角度:45°
張出シール部分355の幅(上下方向d2(第1方向)の長さ):7mm
発熱インキ層が形成された領域の形状は矩形であり、上下方向d2(第1方向)の幅を10mm、側縁13からの横方向d1の幅を10mmとした。
<比較例1>
張出シール部分及び発熱インキ層を設けないこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例1のパウチ(平袋タイプのパウチ)を得た。
<比較例2>
張出シール部分を設けずに、実施例1と同じ位置の第1側部シール部に同形状の発熱インキ層を設けたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例2のパウチ(平袋タイプのパウチ)を得た。
[評価]
<シール性評価>
実施例及び比較例のパウチを、フラットテーブル式電子レンジの庫内に立てて配置した。その後、600W、180秒間の条件で加熱した。その後、パウチを電子レンジ庫内から取り出し、シール部の状態を目視で観察した。各実施例及び比較例で20個のパウチについて試験を行い、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:すべてのパウチで、発熱インキ層が形成された領域で剥離が確認でき、発熱インキ層が形成される領域以外のシール部で剥離またはシール後退がなかったもの。
B:発熱インキ層が形成される領域以外のシール部で、シール後退が発生したパウチが1つでも確認できたもの。
C:発熱インキ層が形成される領域以外のシール部で、シール後退、及び、加熱中の内容物の漏出が発生したパウチが1つでも確認できたもの。
<吹きこぼれ評価>
実施例及び比較例のパウチを上記条件で加熱している間に、発熱インキ層が設けられた領域を通じた吹きこぼれの様子を目視で観察した。各実施例及び比較例で20個のパウチについて試験を行い、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:すべてのパウチで、吹きこぼれが確認できなかったもの。
B:吹きこぼれが確認できたパウチが1~4個あったもの。
C:吹きこぼれが確認できたパウチが5個以上あったもの。
実施例はいずれも、発熱インキ層が形成された領域以外でのシール部のシール後退は確認されなかった。また、実施例のパウチは、電子レンジ加熱中の比較的早期に発熱インキ層が形成された領域から緩やかに蒸気が放出される様子が確認できた。更に、内容物の噴出(吹きこぼれ)は確認されなかった。
比較例1のパウチでは、発熱インキ層が設けられていないため、シール部の様々な箇所でシール後退及びシール剥がれによる内容物の漏出が確認された。
比較例2のパウチでは、電子レンジ加熱中の比較的早期から発熱インキ層が形成された領域から緩やかに蒸気が放出される様子が確認でき、シール後退は確認されなかった。しかしながら、発熱インキ層が形成された領域からの内容物の噴出が確認された。
1 パウチ
2 収容空間
11 シート
30 積層フィルム
31 基材層
34 シーラント層
36 発熱インキ層
51 側部シール部(第1側部シール部)
55,155,255,355,455 張出シール部分
56 側端シール部分
57,157,257,357,457 突出部

Claims (7)

  1. シーラント層を有する少なくとも1つの積層フィルムを、該シーラント層が内層側となるように重ねてヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間を有するパウチであって、
    前記積層フィルムをヒートシールした側部シール部を有し、
    前記側部シール部は、前記積層フィルムの側縁側に位置する側端シール部分と、前記積層フィルムの側縁と反対側で前記側端シール部分に接続され、かつ、前記側端シール部分よりも前記収容空間側に向けて張り出した、一対の突出部を有する張出シール部分と、を有し、前記突出部は、前記側縁が延在する方向に配列し、
    前記積層フィルムの少なくとも1つは、前記シーラント層よりも外側層に発熱インキ層を有し、
    前記発熱インキ層は、少なくとも前記一対の突出部の先端部の間の領域に、前記側端シール部分を含んで設けられている、パウチ。
  2. 前記発熱インキ層が、前記側部シール部の収容空間側の内縁に達して設けられる、請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記発熱インキ層が、前記側部シール部の前記収容空間側の内縁を越えて前記収容空間の一部に設けられる、請求項1または請求項2に記載のパウチ。
  4. 前記発熱インキ層が、前記側部シール部の前記収容空間と反対側の縁部に達して設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパウチ。
  5. 前記一対の突出部が互いに離間し、前記一対の突出部の間において前記側端シール部分の内縁が前記収容空間に面し、
    前記発熱インキ層が前記一対の突出部に設けられていない、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパウチ。
  6. 前記一対の突出部が互いに離間し、前記一対の突出部の間において前記側端シール部分の内縁が前記収容空間に面し、
    前記発熱インキ層が、前記一対の突出部の一部を含み、かつ、前記一対の突出部の先端部に設けられていないように形成される、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパウチ。
  7. 前記一対の突出部が互いに接触し、
    前記一対の突出部が配列する方向を第1方向としたときに、
    前記発熱インキ層が設けられる領域の前記第1方向の幅は、前記張出シール部分の前記第1方向の幅の0.1~0.8の割合となる領域に設けられ、かつ、前記突出部の前記先端部の各々に設けられていない、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパウチ。
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