以下、本発明の電子機器を適用した実施の形態について説明する。
実施の形態の電子機器は、プッシュスイッチを含む。以下では、まず、実施の形態1、2で実施の形態の電子機器に含まれるプッシュスイッチについて説明し、実施の形態3以降で電子機器について説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1のプッシュスイッチ100を示す斜視図である。図2は、プッシュスイッチ100の分解図である。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称すが、普遍的な上下関係を表すものではない。
プッシュスイッチ100は、筐体110、金属プレート120A、120B、メタルコンタクト130A、リーフスプリング130B、押圧部材140、及びインシュレータ150を含む。
以下では、金属プレート120A、120Bについては、図1及び図2に加えて図3及び図4を用いて説明する。図3は、筐体110にインサート成型により埋め込まれた金属プレート120A、120Bを透過的に示す図である。図4は、金属プレート120A、120Bを示す図である。また、押圧部材140については、図2に加えて図5を用いて説明する。図5は、押圧部材140の裏面側を示す図である。また、断面構造については、図1におけるA1-A1矢視断面を示す図6及び図7を用いて説明する。A1-A1矢視断面は、プッシュスイッチ100のY方向の中央でXZ平面に沿った切断面で得る断面である。また、プッシュスイッチ100は、一例として、X方向の長さがY方向の長さよりも長い形状を有する。このため、筐体110、押圧部材140、及びインシュレータ150も一例として、X方向の長さがY方向の長さよりも長い形状を有する。
以下では、プッシュスイッチ100、筐体110、押圧部材140、及びインシュレータ150については、X方向が長手方向であり、Y方向が短手方向である。X方向は第1軸方向の一例であり、Y方向は第2軸方向の一例である。また、筐体110の-X方向の端部は、第1軸方向における第1端部の一例であり、筐体110の+X方向の端部は、第1軸方向における第2端部の一例である。
プッシュスイッチ100は、オフ(非導通状態)の時には、メタルコンタクト130Aは金属プレート120B(周辺固定接点121B)には接触しているが、金属プレート120A(中央固定接点121A)には接触していない。すなわち、金属プレート120Aと金属プレート120Bとは電気的に接続されていない状態である。また、プッシュスイッチ100は、インシュレータ150を下方向に押圧することによって、押圧部材140およびリーフスプリング130Bを介してメタルコンタクト130Aを押圧し、メタルコンタクト130Aが反転動作を行い金属プレート120Aに接触して、金属プレート120Aと金属プレート120Bとはメタルコンタクト130Aを介して電気的に接続され、オン(導通状態)になるスイッチである。メタルコンタクト130Aを金属プレート120Aに接触させるためにインシュレータ150を押すストロークは、非常に短く、0.05mmである。また、メタルコンタクト130Aを反転動作させるのに必要な操作荷重は、一例として3.3Nである。この操作荷重は、誤ってインシュレータ150に接触した程度では、プッシュスイッチ100をオンにすることが困難な程度の荷重である。すなわち、誤操作を抑制できる荷重である。
筐体110は、樹脂製であり、金属プレート120A、120Bを保持する。筐体110と金属プレート120A、120Bは、インサート成型によって一体的に作製される。換言すれば、金属プレート120A、120Bは、インサート成型により筐体110に埋め込まれる。筐体110は、開口部111と、開口部111に連通する収納部112とを有する。開口部111は、+Z方向側の面に形成されている。また、筐体110は、底壁113と側壁114とを有する。底壁113は、筐体110の底にある板状の部分であり、側壁114は、底壁113の四方で上側に向かって延在している側壁である。底壁113と側壁114に囲まれた空間が収納部112である。
また、筐体110は、X方向の両端に凹部115A、115Bを有する。凹部115Aは、第1凹部の一例であり、+X方向に凹んでいる。凹部115Bは、第2凹部の一例であり、-X方向に凹んでいる。凹部115A、115BがX方向に凹む長さは等しく、Y方向における長さも等しい。また、凹部115A、115BのY方向における位置も等しい。
また、以下では、筐体110の底壁113と側壁114のうち平面視で四隅に位置する部分を角部116A、116Bと称す。角部116Aは、筐体110の-X方向側のY方向両側にある。角部116Aのうちの-X方向側の部分は、凹部115Aよりも-X方向側に突出している。角部116Bは、筐体110の+X方向側のY方向両側にある。角部116Bのうちの+X方向側の部分は、凹部115Bよりも+X方向側に突出している。
収納部112は、開口部から下側に向かって形成されており、-X方向側の収納部112Aと、+X方向側の収納部112Bとを有する。収納部112Bは、収納部112Aよりも深く、底壁113は収納部112A及び収納部112Bの間で段差を形成している。
収納部112Bの底部には金属プレート120Aの中央固定接点121Aと、金属プレート120Bの周辺固定接点121Bとが配置され、収納部112Bに表出している。収納部112Bには、中央固定接点121Aと周辺固定接点121Bの上側に、メタルコンタクト130Aとリーフスプリング130Bがこの順に重ねて配置され(図6参照)、その上に押圧部材140が収納部112A及び112Bにわたって収納される。
底壁113は、筐体110の底の部分であり、平面視で矩形状の板状の部分である。底壁113は、収納部112Aと収納部112Bとの間の段差を有する。底壁113は、金属プレート120A、120Bを保持し、金属プレート120Aの中央固定接点121Aと、金属プレート120Bの周辺固定接点121Bとの上面を表出させている。
側壁114は、底壁113の四辺に沿って設けられており、底壁113のうちの収納部112よりも外側の部分の上から上方向に延在している。側壁114の四隅の底壁113との境界部分には、金属プレート120A、120Bの延在部125A、125Bが埋め込まれている。
金属プレート120Aは、中央固定接点121Aと、端子122Aと、延在部125Aとを有する。金属プレート120Aは、一例として銅製である。中央固定接点121Aは、インシュレータ150が下方向に押圧されていない状態(図6参照)では、メタルコンタクト130Aには接触しておらず、インシュレータ150が下方向に押圧された状態(図7参照)では、メタルコンタクト130Aに接触する。端子122Aは、筐体110の凹部115A内で-X方向側に突出している。
延在部125Aは、一対の第1延在部の一例であり、Y方向に延在する端子122AのY方向の両側が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。延在部125Aは、筐体110の角部116Aの厚さ方向における下側に埋め込まれている。延在部125Aは、角部116Aにおける底壁113と側壁114とにわたって設けられている。
金属プレート120Bは、周辺固定接点121Bと、端子122Bと、延在部125Bとを有する。金属プレート120Bは、一例として銅製である。周辺固定接点121Bは、インシュレータ150が下方向に押圧されていない状態(図6参照)において、メタルコンタクト130Aの+X方向側の端部に接触しており、インシュレータ150が下方向に押圧された状態(図7参照)においてもメタルコンタクト130Aに接触する。端子122Bは、凹部115A内で筐体110の+X方向側に突出している。
延在部125Bは、一対の第2延在部の一例であり、Y方向に延在する端子122BのY方向の両側が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。延在部125Bは、筐体110の角部116Bの厚さ方向における下側に埋め込まれている。延在部125Bは、角部116Bにおける底壁113と側壁114とにわたって設けられている。
延在部125A、125Bは、筐体110の角部116A、116Bを補強することで、プッシュスイッチ100全体の剛性を向上させるために設けられている。延在部125Aと端子122Aとは、筐体110のY方向の略全体にわたって設けられており、Y方向に延在する端子122AのY方向の両端を上側に折り曲げた形状を有する。同様に、延在部125Bと端子122Bとは、筐体110のY方向の略全体にわたって設けられており、Y方向に延在する端子122BのY方向の両端を上側に折り曲げた形状を有する。このため、延在部125A、125Bは、平面視で筐体110の四隅に位置し、角部116Bの厚さ方向における下側に位置する。
このように、Y方向に延在する端子122A、122BのY方向の両端を上側に折り曲げた形状をそれぞれ有する延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに埋め込めば、筐体110が上側から応力を受けても、金属製の延在部125A、125Bが存在することにより、筐体110の剛性を飛躍的に向上させることができる。特に、筐体110の角部116A、116Bの剛性を飛躍的に向上させることができる。また、これにより、プッシュスイッチ100の長手方向に対してねじられる際の曲げ剛性を飛躍的に向上させることができる。
このような補強は、従来のスイッチのように、Y方向に延在する端子122AのY方向の両端から+X方向側に延在する延在部と、Y方向に延在する端子122BのY方向の両端から-X方向側に延在する延在部とを有する構成では、筐体110の角部116A、116Bに延在部が存在しないため、実現し得ない構成である。従来のスイッチは、強度がそれほど要求されない用途に適しているが、より高い強度が求められる環境下での用途が想定される場合は、筐体110の角部116A、116Bに延在部125A、125Bを埋め込んだ構成が有効的である。
また、従来のスイッチのように、Y方向に延在する端子122AのY方向の両端から+X方向側に延在する延在部と、Y方向に延在する端子122BのY方向の両端から-X方向側に延在する延在部とを有する構成では、延在部が収納部112側に折り曲げられるため、収納部112の容積が小さくなる可能性がある。
これに対して、実施の形態のプッシュスイッチ100は、延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに埋め込んだため、延在部125A、125Bは、角部116A、116Bの底壁113及び側壁114の内部に存在する。すなわち、延在部125A、125Bを設けても収納部112のサイズには影響を及ぼさない。
特に、梃子の原理を利用した押圧部材140を含む場合に、収納部112のX方向の長さが長ければ、梃子の原理における支点と作用点の長さと、支点と力点との長さとの比を大きくすることができる。このような観点からも、Y方向に延在する端子122A、122BのY方向の両端を上側に折り曲げた形状をそれぞれ有する延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに設けることは有用である。
また、筐体110の凹部115A、115Bの凹んだ空間の内部に端子122A、122Bを収めたので、プッシュスイッチ100のX方向の長さを短くすることができる。
なお、ここでは、延在部125A、125Bが筐体110の角部116A、116Bにおいて、底壁113と側壁114とにわたってそれぞれ設けられている形態について説明する。しかしながら、延在部125A、125Bは、それぞれ、角部116A、116Bにおいて、底壁113及び側壁114のいずれか一方に設けられていてもよい。例えば、底壁113がある程度厚い場合には、延在部125A、125Bが底壁113のみに設けられていてもよい。また、例えば、底壁113が比較的薄いような場合に、延在部125A、125Bが角部116A、116Bにおいて、側壁114のみに設けられていてもよい。すなわち、延在部125A、125Bは、角部116A、116Bにおいて、底壁113及び/又は側壁114に設けられていればよい。
メタルコンタクト130Aは、金属部材で実現される金属ばねであり、中央部に上側にドーム状に突出し反転動作可能なドーム部131Aを有する(図2、4参照)。メタルコンタクト130Aは、可動接点部材の一例である。メタルコンタクト130Aは、一例として、ステンレス製である。
ドーム部131Aは、上側から押圧されるとドーム部131Aが反転動作して、下側に凸になる(図7参照)。この状態で、メタルコンタクト130Aは、中央固定接点121Aに接触し、中央固定接点121Aと周辺固定接点121Bを導通させる。メタルコンタクト130Aは、下面に銀めっきが施されている。下面は、電流が流れる中央固定接点121A及び周辺固定接点121Bと接触するからである。また、ドーム部131Aが反転動作することで、操作者に操作感触を与えることができる。
メタルコンタクト130Aは、平面視で円形に成型された板金をパンチング処理でドーム部131Aを作製してから、+Y方向側と-Y方向側とをX軸に沿って切除することによって作製される。このため、メタルコンタクト130Aは、+Y方向側と-Y方向側とをX軸に沿った切除部132Aを有する。切除部132Aは、プッシュスイッチ100をY軸方向に小型化するために形成されている。
リーフスプリング130Bは、メタルコンタクト130Aから銀めっきを取り除いた構成を有する。このため、リーフスプリング130Bは、ドーム部131Bと切除部132Bを有する。
押圧部材140は、収納部112の収納部112A及び112Bの内部にわたって収納される(図6参照)。押圧部材140は、平板状の金属部材であり(図2、3、4参照)、本体部141、支点部142(第1支点部の一例)、作用点部143(第1作用点部の一例)、及び、力点部144(第1力点部の一例)を有する。押圧部材140は、梃子の様な動作が可能な部材であり、支点部142、作用点部143、及び力点部144は、それぞれ、梃子の支点、作用点、及び力点として機能する。押圧部材140は、一例として板金加工で作製される。押圧部材140は、一例としてステンレス製である。
押圧部材140は、梃子の原理を利用するため、撓みが少なく、ある程度の高い剛性を有することが必要である。このため、押圧部材140は、金属で構成され、Y軸方向にある程度広い幅を有するとともに、Z軸方向の厚さもある程度厚くされている。
本体部141は、作用点部143の下側への変位を得やすくするために、力点部144に対して、支点部142及び作用点部143が下側に湾曲するように反った形状を有する。
支点部142は、-X方向側に設けられ、収納部112Aの底面に接する。支点部142は、十分なY軸方向の幅を有する。これは、押圧部材140が動くときに支点部142がY軸方向において傾きにくくすることで、リーフスプリング130B及びメタルコンタクト130Aに効率的に力を伝達できるようにするためである。なお、ここでは、支点部142は、押圧部材140のY軸方向の幅の全体に設けられているが、何本かに分割されていてもよい。
また、支点部142は、-Z方向側に突出している。このように支点部142を-Z方向側に突出させることにより、押圧部材140を収納部112の底面から+Z方向側に離すことができ、押圧部材140を動かし易くなる。
作用点部143は、+X方向側に設けられ、メタルコンタクト130Aを押圧する凸部143A(第1凸部の一例)を有する。凸部143Aは、図5に示すように、平面視で円形で、下面が平坦であり、円錐台状の形状を有する。
凸部143Aは、リーフスプリング130Bの上面に接触するように配置されており、押圧部材140が梃子の原理で動作して作用点部143が下方向に押圧されると、リーフスプリング130B及びメタルコンタクト130Aを下側に押圧する。リーフスプリング130B及びメタルコンタクト130Aが反転動作すると、メタルコンタクト130Aは、中央固定接点121Aに接触する。
力点部144は、支点部142と作用点部143との間に設けられ、凸部144Aを有する。凸部144Aは、半球体状に突出している。インシュレータ150が押圧されていない状態では、凸部144Aとインシュレータ150は接触しておらず、間には空隙があるが、インシュレータ150が下側に押圧されると、凸部144Aに接触し、凸部144Aが下側に押圧される。これは、梃子の原理を利用した押圧部材140の力点に力が加えられた状態である。
インシュレータ150は、樹脂シートからなり筐体110の上面に接着され、開口部111を覆っている。インシュレータ150は、平面視における中央に位置する突出部151を有する(図1、2、4参照)。突出部151は、樹脂シートを加熱加工することによって形成される。また、インシュレータ150は、平面視での筐体110の形状に合わせて、凹部115A、115Bに対応した切り欠き部155A、155Bを有する。
筐体110の収納部112に、金属プレート120A、120B、メタルコンタクト130A、リーフスプリング130B、及び押圧部材140が収納されて、インシュレータ150が筐体110に接着される。インシュレータ150が筐体110に接着されることで、金属プレート120A、120B、メタルコンタクト130A、リーフスプリング130B、押圧部材140は、収納部112内にガタつかないように保持される。
突出部151は、平面視で力点部144と重なる位置に配置され、力点部144に接触するように撓み変形可能であり(図7参照)、図6に示すように撓み変形していない状態では、力点部144とは離間している。
図8は、プッシュスイッチ100のFS(Force-Stroke)特性を示す図である。横軸がインシュレータ150を下方に押し込むストローク(S)であり、縦軸がインシュレータ150を下方に押し込む際に必要な力(F)である。力(F)は操作荷重である。
図8に示すように、ストロークがゼロの位置からインシュレータ150を押し込むと、S1までは操作荷重は緩やかに立ち上がり、非常に小さな値になる。これは、インシュレータ150の突出部151を押し込むために必要な操作荷重が非常に小さいことを表している。
S1は、0.1mmである。プッシュスイッチ100は、インシュレータ150の上にさらにボタン等を取り付けることを想定している。ボタンとは、例えば車室内の押しボタン型スイッチや、電子機器等の押しボタンスイッチ等の実際に押圧操作される部品である。
例えば、携帯機器のように振動が加わりやすい製品において、インシュレータ150とボタンとの間に隙間があると、製品に振動が加わるとボタンにも振動が伝わり異音が発生する恐れがある。そのため、未操作時にはボタンを他部品に押し付けることで異音の発生を抑えることがある。その様な製品に用いられる場合には、ボタンと他部品との間に隙間が生じないように、ボタンで予めインシュレータ150を少し押圧した状態(プリテンションが掛かった状態)で取り付けられることがある。この様な場合には、インシュレータ150がS1以下のストロークだけ押された状態にされる。このため、押しボタンスイッチを操作する際には、ストロークがS1から始まる場合もある。
ストロークがS1に到達すると、インシュレータ150が力点部144の凸部144Aに接触し、ストロークがS1を越えると、押圧部材140がメタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを押圧し、ストロークがS2に到達した時点で操作荷重はF3(極大値)になり、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bが反転する。この時に急激に操作荷重が低下し始めることで、利用者の指先にはクリック感が提供される。さらにインシュレータ150を押し続けると、ストロークがS3に達したところで操作荷重はF2に低下する。このときに、メタルコンタクト130Aは中央固定接点121Aに接触し、プッシュスイッチ100はオン状態に切り替わる。
プッシュスイッチ100は、梃子の原理を利用するために、図6及び図7に示すように、一例として、支点部142と作用点部143との間が2mm、作用点部143と力点部144との間が1mmに設定されている。
このため、プッシュスイッチ100をオンにするためにインシュレータ150を押圧するストロークは、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを単独で押圧して反転させるために必要なストロークの1/2になる。単独でとは、押圧部材140を用いずに、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを直接押圧することを意味する。
また、プッシュスイッチ100をオンにするためにインシュレータ150を押圧するのに必要な操作荷重は、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを単独で押圧して反転させるために必要な操作荷重の2倍になる。
ここで、メタルコンタクト130Aを単独で押圧して反転させるために必要なストロークは、0.1mmである。これは、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを重ねた状態でも同一である。
メタルコンタクト130Aは、プッシュスイッチ100がオフの状態では、中央固定接点121Aに接続されておらず、絶縁状態を保っている。この状態での中央固定接点121Aとメタルコンタクト130Aの間隔は、0.1mmである。0.1mmあれば、メタルコンタクト130Aと中央固定接点121Aとの絶縁状態を保持できることが分かっている。メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bが反転して0.1mm下方に動くと、メタルコンタクト130Aが中央固定接点121Aに接触する。
これに対して、プッシュスイッチ100をオンにするためにインシュレータ150を押圧するストロークは、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを単独で押圧して反転させるために必要なストロークの1/2になるため、0.05mmである。
すなわち、プッシュスイッチ100は、梃子の原理を利用することにより、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bのストロークを0.1mmだけ確保しつつ、オンするのに必要なストロークを短縮することができる。
ここで、このような梃子の原理を利用せずに、メタルコンタクト130Aを単独で押圧して反転させるために必要なストロークを0.05mmにすると、プッシュスイッチ100がオフの状態での中央固定接点121Aとメタルコンタクト130Aの間隔は、0.05mmになり、耐電圧及び絶縁抵抗が小さくなるため、絶縁状態を保持するのが困難になるおそれがある。
また、メタルコンタクト130Aのストロークを0.05mmにすると、インシュレータ150のプリテンションを掛けた状態の設定が困難になるおそれがある。
また、プッシュスイッチ100をオンにするためにインシュレータ150を押圧するのに必要な操作荷重は、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを単独で押圧して反転させるために必要な操作荷重の2倍になるため、プッシュスイッチ100を操作する際のクリック感を2倍にすることができる。
以上のように、Y方向に延在する端子122A、122BのY方向の両端を上側に折り曲げた形状をそれぞれ有する延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに埋め込んだので、筐体110の剛性を飛躍的に向上させることができる。特に、筐体110の角部116A、116Bの剛性を飛躍的に向上させることができる。また、これにより、プッシュスイッチ100の長手方向に対してねじられる際の曲げ剛性を飛躍的に向上させることができる。
したがって、剛性の高いプッシュスイッチ200を提供することができる。
また、Y方向に延在する端子122A、122BのY方向の両端を上側に折り曲げた形状をそれぞれ有する延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに設けたので、収納部112のX方向の長さを確保することができる。このため、押圧部材140における支点部142と作用点部143の長さと、支点部142と力点部144との長さとの比を大きく取ることが可能になる。
また、筐体110の凹部115A、115Bの凹んだ空間の内部に端子122A、122Bを収めたので、プッシュスイッチ100のX方向の長さを短くすることができ、プッシュスイッチ100の長手方向における小形化を図ることができる。このため、コンパクトなプッシュスイッチ100で、梃子の原理を利用した押圧部材140を有効的に活用することができる。
また、実施の形態1によれば、ショートストローク化と、電気的な安定性とを両立したプッシュスイッチを提供することができる。また、操作時のクリック感を増大させることができるので、操作感の向上を図ることができる。
また延在部125A、125Bを筐体110の角部116A、116Bに設けた構成により、押圧部材140における支点部142と作用点部143の長さと、支点部142と力点部144との長さとの比を大きく取ることが可能になるため、操作時のクリック感をより増大させることができ、操作感の一層の向上を図ることができる。
また、梃子の原理を利用することにより、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bは操作荷重が小さいものを使用してもプッシュスイッチとして必要な操作荷重に対応しやすくなる。一般的に操作荷重が重いメタルコンタクト130Aよりも、操作荷重が軽いメタルコンタクト130Aよりも動作寿命が長い傾向にある。すなわち、プッシュスイッチ100の動作寿命を長くすることができる。
また、本実施形態においては、所定の操作荷重を確保するために、メタルコンタクト130Aにリーフスプリング130Bを重ねることで対応しているが、求められる操作荷重が軽くてもよい場合には、枚数を少なくする(リーフスプリング130Bを省く)ことも可能となる。
また、押圧部材140は金属板金をプレス加工することで作製できるので、支点部142、作用点部143、力点部144等の各部を容易に形成することができる。
なお、以上では、プッシュスイッチ100が梃子の原理を利用した押圧部材140を含む形態について説明したが、押圧部材140は、梃子の原理を利用しない構成であってもよい。すなわち、押圧部材140の代わりに、梃子の原理を利用せずに、インシュレータ150の押圧荷重をリーフスプリング130Bに直接的に伝達する押圧部材を用いてもよい。
また、以上では、支点部142と作用点部143との間を2mm、作用点部143と力点部144との間を1mmに設定する形態について説明したが、これらの距離を調整することにより、インシュレータ150のストロークと押圧荷重を自在に設定することができる。
また、以上では、プッシュスイッチ100がメタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを含む形態について説明したが、メタルコンタクト130Aのみを含む構成であってもよい。
また、以上では、押圧部材140が凸部143A及び凸部144Aを含む形態について説明したが、押圧部材140は、凸部143A及び/又は凸部144Aを含まなくてもよい。
<実施の形態2>
図9は、実施の形態2のプッシュスイッチ200を示す斜視図である。図10は、プッシュスイッチ200の分解図である。実施の形態2では、実施の形態1と同様のXYZ座標系を用いる。X方向は第1軸方向の一例であり、Y方向は第2軸方向の一例である。-Y方向は、第2軸方向における一端側であり、+Y方向は、第2軸方向における他端側である。
プッシュスイッチ200は、筐体210、金属プレート220A、220B、220C、メタルコンタクト130A、リーフスプリング130B、押圧部材240、及びインシュレータ150を含む。
以下では、押圧部材240については、図10に加えて図11を用いて説明し、金属プレート220A、220B、220Cについては、図10に加えて図12を用いて説明する。図11は、押圧部材240の裏面側を示す図であり、図12は、金属プレート220A、220B、220Cの構造を示す図である。図12では筐体210を透過的に示す。また、断面構造については、図9におけるA2-A2矢視断面を示す図13A~図13Cと、B2-B2矢視断面を示す図14A~図14Cとを用いて説明する。A2-A2矢視断面は、プッシュスイッチ200のY方向の中央でXZ平面に沿った切断面で得る断面である。B2-B2矢視断面は、プッシュスイッチ200のY方向の中央よりも-Y側にオフセットした位置でXZ平面に沿って切断して得る断面である。
実施の形態2のプッシュスイッチ200は、実施の形態1のプッシュスイッチ100の押圧部材140に、ばね接点245を追加した押圧部材240を含むとともに、金属プレート120A、120Bの代わりに金属プレート220A、220B、220Cを含む構成を有する。このため、実施の形態1のプッシュスイッチ100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
筐体210は、樹脂製であり、金属プレート220A、220B、220Cを保持する。筐体210の-X方向の端部は、第1軸方向における第1端部の一例であり、筐体210の+X方向の端部は、第1軸方向における第2端部の一例である。
筐体210と金属プレート220A、220B、220Cは、インサート成型によって一体的に作製される。換言すれば、金属プレート220A、220B、220Cは、インサート成型により筐体210に埋め込まれる。筐体210は、開口部111と、開口部111に連通する収納部212と、底壁213と、側壁214と、凹部215A、215Bとを有する。開口部111は、+Z方向側の面に形成されている。
底壁213は、筐体210の底にある板状の部分であり、側壁214は、底壁213の四方で上側に向かって延在している側壁である。底壁213と側壁214に囲まれた空間が収納部212である。底壁213は、収納部212Aと収納部212Bとの間の段差を有する。
凹部215Aは、筐体210の-X方向側の端部で+X方向に凹んでおり、凹部215Bは、筐体210の+X方向側の端部で-X方向に凹んでいる。凹部215A、215BがX方向に凹む長さは等しく、Y方向における長さも等しい。また、凹部215A、215BのY方向における位置も等しい。
また、以下では、筐体210の底壁213と側壁214のうち平面視で四隅に位置する部分を角部216A、216Bと称す。角部216Aは、筐体110の-X方向側のY方向の両側にある。角部216Aのうちの-X方向側の部分は、凹部215Aよりも-X方向側に突出している。角部216Bは、筐体210の+X方向側のY方向の両側にある。角部216Bのうちの+X方向側の部分は、凹部215Bよりも+X方向側に突出している。
収納部212は、開口部から下側に向かって形成されており、-X方向側の収納部212Aと、+X方向側の収納部212Bとを有する。収納部212Bは、収納部212Aよりも深く、底壁213は収納部212A及び収納部212Bの間で段差を形成している。
収納部212Bの底部には金属プレート220Aの中央固定接点221Aと、金属プレート220Bの周辺固定接点221Bと、プリセンス端子223Bとが配置され、収納部212Bに表出している。収納部212Bには、中央固定接点221Aと周辺固定接点221Bの上側に、メタルコンタクト130Aとリーフスプリング130Bがこの順に重ねて配置され(図13A~図13C参照)、その上に押圧部材240が収納部212A及び212Bにわたって収納される。また、押圧部材240のばね接点245は、プリセンス端子223Bの上に位置している。
底壁213は、筐体210の底の部分であり、平面視で矩形状の板状の部分である。底壁213は、金属プレート220A、220B、230Cを保持し、収納部212Aと収納部212Bとの間の段差を有する。底壁213は、収納部212Bの部分で、金属プレート220Aの中央固定接点221Aと、金属プレート220Bの周辺固定接点221Bと、プリセンス端子223Bとの上面を表出させている。
側壁214は、底壁213の四辺に沿って設けられており、底壁213のうちの収納部212よりも外側の部分の上から上方向に延在している。側壁214の四隅の底壁213との境界部分には、金属プレート220A、220B、220Cの延在部225A、225B、225Cが埋め込まれている。
金属プレート220Aは、中央固定接点221Aと、端子222Aと、延在部225A(図12参照)とを有する。端子222Aは、第1端子の一例である。金属プレート220Aは、実施の形態1の金属プレート120Aと比べると、金属プレート220Cが追加されたことによって平面的な形状が異なるが、機能的には実施の形態1の金属プレート120Aと同様であり、中央固定接点221Aと、端子222Aと、延在部225Aとは、実施の形態1の中央固定接点121Aと、端子122Aと、延在部125Aとにそれぞれ対応する。
延在部225Aは、第1延在部の一例であり、端子222Aの+Y方向の端部が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。換言すれば、延在部225Aは、端子222Aの+Y方向の端部に連通して+Y方向に延在する部分が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。延在部225Aは、筐体210の+Y方向側の角部216Aの厚さ方向における下側に埋め込まれている。延在部225Aは、+Y方向側の角部216Aにおける底壁213と側壁214とにわたって設けられている。
金属プレート220Bは、周辺固定接点221Bと、2つの端子222Bと、プリセンス端子223Bと、延在部225B(図12参照)とを有する。2つの端子222Bのうち、+Y方向側の端子222Bは、第3端子の一例であり、-Y方向側の端子222Bは、第4端子の一例である。また、2つの延在部225Bのうち、+Y方向側の延在部225Bは、第3延在部の一例であり、-Y方向側の延在部225Bは、第4延在部の一例である。
金属プレート220Bは、実施の形態1の金属プレート120Bの形状を変更し、端子222Bを2個に増やすとともに、2個のプリセンス端子223Bを追加した構成を有する。このため、周辺固定接点221Bと、端子222Bと、延在部225Bとは、機能的には、それぞれ、実施の形態1の周辺固定接点121Bと、端子122Bと、延在部125Bとに相当する。
2個の端子222Bは、周辺固定接点221Bの+Y方向側の端部と-Y方向側の端部とから、それぞれ、+X方向側に伸延するように延在している。また、2個のプリセンス端子223Bは、周辺固定接点221Bの+Y方向側の端部と-Y方向側の端部とから、それぞれ、-X方向側に伸延するように延在している。このため、金属プレート220Bは、平面視でH型の形状を有する。
2つの延在部225Bのうちの+Y方向側の延在部225Bは、端子222Bの+Y方向の端部が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。換言すれば、2つの延在部225Bのうちの+Y方向側の延在部225Bは、端子222Aの+Y方向の端部に連通して+Y方向に延在する部分が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。+Y方向側の延在部225Bは、筐体210の+Y方向側の角部216Bの厚さ方向における下側に埋め込まれている。+Y方向側の延在部225Bは、+Y方向側の角部216Bにおける底壁213と側壁214とにわたって設けられている。
2つの延在部225Bのうちの-Y方向側の延在部225Bは、端子222Bの-Y方向の端部が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。換言すれば、2つの延在部225Bのうちの-Y方向側の延在部225Bは、端子222Aの-Y方向の端部に連通して-Y方向に延在する部分が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。-Y方向側の延在部225Bは、筐体210の-Y方向側の角部216Bの厚さ方向における下側に埋め込まれている。-Y方向側の延在部225Bは、-Y方向側の角部216Bにおける底壁213と側壁214とにわたって設けられている。
金属プレート220Cは、端子221Cと、端子222Cと、延在部225C(図12参照)とを有する。端子222Cは、第2端子の一例である。金属プレート220Cは、一例として銅製である。端子221Cは、収納部212Aの底面に露出し、収納部212Aの内部で押圧部材240の支点部142の下面に接触している。端子222Cは、筐体210の-X方向側から突出している。端子221Cは、端子222Cよりも+Z方向側に位置する。
延在部225Cは、第2延在部の一例であり、端子222Cの-Y方向の端部が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。換言すれば、延在部225Cは、端子222Cの-Y方向の端部に連通して-Y方向に延在する部分が上側に向けて折り曲げられて斜め上方に延在している部分である。延在部225Cは、筐体210の-Y方向側の角部216Aの厚さ方向における下側に埋め込まれている。延在部225Cは、-Y方向側の角部216Aにおける底壁213と側壁214とにわたって設けられている。
押圧部材240は、収納部212の収納部212A及び212Bの内部にわたって収納される(図13A~図13C参照)。押圧部材240は、第1押圧部材の一例である。本体部241、支点部142、作用点部143、力点部144、及びばね接点245を有する。押圧部材240は、梃子の様な動作が可能な部材である。押圧部材240は、一例として板金加工で作製される。
本体部241は、実施の形態1の押圧部材140の本体部141と同様であるが、X軸方向における中央部の+Y方向側と-Y方向側とに、ばね接点245が設けられている。また、本体部241は、作用点部143の下側への変位を得やすくするために、力点部144に対して、支点部142及び作用点部143が上側に湾曲するように反った形状を有する。
ばね接点245は、本体部241のX軸方向における中央部の+Y方向側と-Y方向側とから、+X方向側かつ-Z方向側に(斜め下方向に)延在している。ばね接点245は、Z軸方向に変位可能であり、Z軸方向の変位に対して復元力を発揮する。ばね接点245は、第1弾性片部の一例である。
以上のようなプッシュスイッチ200において、延在部225A、225B、225Cは、実施の形態1のプッシュスイッチ100と同様に、筐体210の角部216A、216Bを補強することで、プッシュスイッチ200全体の剛性を向上させるために設けられている。
筐体210が上側から応力を受けても、金属製の延在部225A、225B、225Cが存在することにより、筐体210の剛性を飛躍的に向上させることができる。特に、筐体210の角部216A、216Bの剛性を飛躍的に向上させることができる。また、これにより、プッシュスイッチ200の長手方向に対してねじられる際の曲げ剛性を飛躍的に向上させることができる。
プッシュスイッチ200は、延在部225A、225B、225Cを筐体210の角部216A、216Bに埋め込んだため、延在部225A、225B、225Cは、角部216A、216Bの底壁213及び側壁214の内部に存在する。すなわち、延在部225A、225B、225Cを設けても収納部212のサイズには影響を及ぼさない。
特に、梃子の原理を利用した押圧部材240を含む場合に、収納部212のX方向の長さが長ければ、梃子の原理における支点と作用点の長さと、支点と力点との長さとの比を大きくすることができる。このような観点からも、延在部225A、225B、225Cを筐体210の角部216A、216Bに設けることは有用である。
また、筐体210の凹部215A、215Bの凹んだ空間の内部に端子222A、222B、222Cを収めたので、プッシュスイッチ200のX方向の長さを短くすることができる。
なお、ここでは、延在部225A、225B、225Cが筐体210の角部216A、216Bにおいて、底壁213と側壁214とにわたってそれぞれ設けられている形態について説明する。しかしながら、延在部225A、225B、225Cは、それぞれ、角部216A、216Bにおいて、底壁213及び側壁214のいずれか一方に設けられていてもよい。例えば、底壁213がある程度厚い場合には、延在部225A、225B、225Cが底壁213のみに設けられていてもよい。また、例えば、底壁213が比較的薄いような場合に、延在部225A、225B、225Cが角部216A、216Bにおいて、側壁214のみに設けられていてもよい。すなわち、延在部225A、225B、225Cは、角部216A、216Bにおいて、底壁213及び/又は側壁214に設けられていればよい。
ここで、図13A~図13C及び図14A~図14Cを用いてプッシュスイッチ200の動作について説明する。図13A及び図14Aは、インシュレータ150が押圧されていない状態であり、プッシュスイッチ200がオフの状態である。
図13B及び図14Bは、インシュレータ150が少し押されて、ばね接点245の先端が金属プレート220Bのプリセンス端子223Bに接続され、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bは反転しておらず、メタルコンタクト130Aは、金属プレート220Aの中央固定接点221Aに接触していない状態である。
押圧部材240の支点部142は、金属プレート220Cの端子221Cに接触しているため、この状態では、押圧部材240によって金属プレート220Bのプリセンス端子223Bと、金属プレート220Cの端子221Cとが接続された状態である。すなわち、端子222Bと端子222Cとが導通することになる。
このように、メタルコンタクト130Aが金属プレート220Aの中央固定接点221Aに接触する前に、ばね接点245の先端が金属プレート220Bのプリセンス端子223Bに接続されることにより、インシュレータ150が少し押されているが、メタルコンタクト130Aが中央固定接点221Aに接触していない状態を検出することができる。
このような構成により、プッシュスイッチ200の端子222A、222B、及び222Cに接続された電子機器では、インシュレータ150が少し押されて端子222Bと端子222Cとが導通しているが、端子222Aと端子222Cとが接続されていない状態(メタルコンタクト130Aが中央固定接点221Aに接触する前の状態)を検出(プリセンス)できるようになっている。
図13C及び図14Cは、インシュレータ150がさらに押し込まれて、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bが反転し、メタルコンタクト130Aが金属プレート220Aの中央固定接点221Aに接触した状態である。この状態では、ばね接点245の先端は、金属プレート220Bのプリセンス端子223Bに接続された状態に保持される。この状態では、端子222Aと端子222Cとが導通することになる。
従って、プッシュスイッチ200は、図13B及び図14Bに示すように、インシュレータ150が少し押されて端子222Bと端子222Cとが導通した状態と、インシュレータ150がさらに押し込まれて、端子222Aと端子222Cとが導通した状態との2段階の状態を実現することができる。
図15は、プッシュスイッチ200のFS(Force-Stroke)特性を示す図である。ストロークがゼロの位置からS21までの区間は、実施の形態1のプッシュスイッチ100におけるストロークがゼロの位置からS1までの区間(図8参照)と同一である。すなわち、ストロークS1とS21は等しく、操作荷重F21とF1は等しい。
ストロークがS21を越えてS22に達すると、ばね接点245がプリセンス端子223Bに接触し、端子222Bと端子222Cとが導通する。このときの操作荷重はF23である。
インシュレータ150がさらに押し込まれると、押圧部材240がメタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bを押圧し、ストロークがS23に到達した時点で操作荷重はF24(極大値)になり、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130Bが反転する。この時に急激に操作荷重が低下し始めることで、利用者の指先にはクリック感が提供される。さらにインシュレータ150を押し続けると、ストロークがS24に達したところで操作荷重はF22に低下する。このときに、メタルコンタクト130Aは中央固定接点221Aに接触し、プッシュスイッチ100はオン状態に切り替わる。
なお、ばね接点245の変位量を調整することにより、ストロークS22を調整可能であり、ばね接点245の弾性力を調整することにより、操作荷重F23を調整可能である。
以上のように、端子222A、122B、222Cに設けた延在部225A、225B、225Cを筐体210の角部216A、216Bに埋め込んだので、筐体210の剛性を飛躍的に向上させることができる。特に、筐体210の角部216A、216Bの剛性を飛躍的に向上させることができる。また、これにより、プッシュスイッチ200の長手方向に対してねじられる際の曲げ剛性を飛躍的に向上させることができる。
したがって、剛性の高いプッシュスイッチ200を提供することができる。
また、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、ショートストローク化と、電気的な安定性とを両立したプッシュスイッチ200を提供することができる。また、操作時のクリック感を増大させることができるので、操作感の向上を図ることができる。
また、ばね接点245を用いることにより、2段階の接続状態を実現したプッシュスイッチ200を提供することができる。また、実施の形態2のプッシュスイッチ200は、実施の形態1のプッシュスイッチ100と同様に上記以外の効果も奏し、同様の変形が可能である。
なお、以上では、プッシュスイッチ200が梃子の原理を利用した押圧部材240を含む形態について説明したが、押圧部材240は、梃子の原理を利用しない構成であってもよい。すなわち、押圧部材240の代わりに、梃子の原理を利用せずに、インシュレータ150の押圧荷重をリーフスプリング130Bに直接的に伝達する押圧部材を用いてもよい。
また、ばね接点245は、少なくとも1個あればよく、3個以上設けてもよい。
次に、実施の形態1、2のプッシュスイッチ100、200を適用可能な電子機器について説明する。
<実施の形態3>
図16は、実施の形態3の電子機器300を示す図である。電子機器300は、例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の携帯型の電子機器である。ここでは、電子機器300は、一例としてスマートフォンである。また、ここでは、一例として、電子機器300が、プッシュスイッチ100Aを含む形態について説明する。プッシュスイッチ100Aは、スイッチの一例であり、実施の形態1のプッシュスイッチ100からインシュレータ150を取り除いた構成を有する。なお、XYZ座標系は、実施の形態1、2と共通である。
電子機器300は、ケース310、ディスプレイパネル320、及びカバー330を含む。ケース310は、電子機器300のハウジングであり、金属及び/又は樹脂等で形成されており、外表面の一部には、ディスプレイパネル320及びカバー330が露出している。
ディスプレイパネル320は、液晶、有機EL(Electroluminescence)、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)等の表示部である。ディスプレイパネル320には、タッチパネルが取り付けられている。
カバー330は、一例としてケース310の側面に露出しており、裏側にはプッシュスイッチ100Aが設けられている。カバー330は、周囲のケース310の表面と面一であり、周囲のケース310の表面とフラットである。
カバー330は、操作部331A、331Bを有する。カバー330自体は、一例として金属製の薄板状の部材であり、操作部331A、331Bは、ケース310の内側に変形可能である。一例として、操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分と面一でフラットである。なお、カバー330は、金属製に限らず変形可能であれば、樹脂等であってもよい。
また、一例として、操作部331A、331Bは、押圧されると50μmほど内側に変形可能である。操作部331A、331B、一例として、電子機器300の電源のオン/オフの切り替え、又は、音量の増大、減少等に用いることができる。すなわち、プッシュスイッチ100Aは、一例として、電源スイッチ又は音量調整用のスイッチとして利用される。
操作部331A、331Bには、一例として、電源のオン/オフの切り替え、又は、音量の増大、減少等の機能を表す記号(マーク)が施されていてもよい。このような記号(マーク)は、例えば、印刷、塗装等で行うことができる。また、記号(マーク)は、エンボス加工等の機械的な加工によって形成してもよい。エンボス加工等を行う場合には、操作部331A、331Bが操作部331A、331B以外の部分よりも凹む場合がある。
図17は、電子機器300のカバー330及びその周辺を拡大して示す図である。図18は、図17に示す部分を電子器300の内側から示す図である。図19は、図17に示す部分の分解図である。図20は、図17におけるC-C矢視断面を示す図である。ここでは、電子機器300(図16参照)の構成のうちのプッシュスイッチ100Aに関係する構成について説明する。
電子機器300(図16参照)は、ケース310、ディスプレイパネル320、及びカバー330の他に、図17乃至図20に示すように、プッシュスイッチ100A、防水ラバー340、ステム350、FPC(Flexible Printed Circuit)360、金属板370等を含む。
ケース310は、側部311、係合部312、裏面部313、及びネジ留め部314を有する。
側部311は、ケース310のうち、電子機器300の側面側に位置する部分である。側部311は、表面311A、裏面311B、凹部311C、貫通孔311Dを有する。表面311Aは、側部311の+Z方向側の面であり、裏面311Bは、側部311の-Y方向側の面である。裏面311Bは、ケース310の内側を向く面である。凹部311C(図17参照)は、表面311Aから-Z方向側に凹んだ部分であり、カバー330やステム350の一部が収納される。2つの貫通孔311Dは、側部311をZ方向に貫通しており、2つのステム350がそれぞれ収納される。
係合部312(図17、図18参照)は、ケース310の表面側(-Y方向側)において、ケース310のXZ面視における内側に突出する薄い壁状の部分である。係合部312には、ディスプレイパネル320の端部が係合する。
裏面部313は、ケース310の裏面側になる壁部である。ネジ留め部314は、側部311の裏面311Bに溶接等で固定されたナットであり、ネジ375がネジ留めされる。
カバー330は、表面331と裏面332を有し、X方向に長手方向を有する板状(プレート状)の部材である。表面331は、+Z方向側の面であり、操作部331A、331Bが設けられている。裏面332は、表面331の反対側の面である。
防水ラバー340は、カバー330の部分の防水性を確保するために設けられるラバー(ゴム)製の部材である。防水ラバー340は、-Z方向側の面に、ステム350の+Z方向側の部分が収納される2つの凹部341(図20参照)を有する。
プッシュスイッチ100Aは、実施の形態1のプッシュスイッチ100からインシュレータ150を取り除いた構成を有するとともに、筐体110の-Z方向側の面に設けられた2つの凸部118を有する。凸部118は、プッシュスイッチ100をFPC360及び金属板370に固定する際に用いられる。
ステム350は、プッシュスイッチ100Aの押圧部材140の凸部144A(図2参照)を押圧する部材である。ステム350は、樹脂製、ゴム製、又は金属製であり、直方体状の部材の-Z方向側に凸部351を有する。ステム350は、貫通孔311D内に収容され、+Z方向側の部分は、防水ラバー340の凹部341に嵌め込まれる。凸部351は、プッシュスイッチ100Aの押圧部材140の凸部144Aに当接する。
ステム350は、筐体310の側部311に対してZ方向に移動可能であり、カバー330の操作部331A、331Bが-Z方向に押圧されて撓むと、-Z方向に移動してプッシュスイッチ100Aの押圧部材140の凸部144A(図2参照)を押圧する。これにより、プッシュスイッチ100Aは、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)が反転動作して導通状態になる。
FPC360は、回路基板の一例であり、プッシュスイッチ100Aが実装され、端子122A、122Bが接続される配線を有するフレキシブル基板である。プッシュスイッチ100AがFPC360に実装された構成は、スイッチモジュールである。FPC360は、X方向に長く、ケース310のY方向の厚さに対応してY方向には幅細い。FPC360は、開口部361、362を有する。開口部361にはネジ365が挿通され、開口部362にはプッシュスイッチ100Aの凸部118が挿通される。
金属板370は、FPC360と同様に、X方向に長く、ケース310のY方向の厚さに対応してY方向には幅細い金属製の板状部材である金属板370は、開口部371、372を有する。開口部371にはネジ375が挿通され、開口部372にはプッシュスイッチ100Aの凸部118が挿通される。
FPC360に実装されたプッシュスイッチ100Aは、FPC360の-Z方向側の面に金属板370が当接した状態で、ネジ375をケース310のネジ留め部314にネジ留めすることによって、ケース310に取り付けられる。FPC360は、ネジ375によってネジ留め部314にネジ留めされることによって、ケース310の内側から外側に向かって押し付けられるようにケース310に取り付けられる。
ネジ375をネジ留め部314にネジ留めすると、FPC360の+Z方向側の面は、ネジ留め部314の-Z方向側の端面に当接する。すなわち、FPC360の+Z方向側の面をネジ留め部314の-Z方向側の端面に当接させることで、プッシュスイッチ100AのZ方向におけるケース310に対する位置が決まる。
この状態で、ネジ375の+Z方向側の先端は、側部311の裏面311Bの凹部311B1(図20参照)の内部に収納されており、ネジ375は、ネジ留め部314以外ではケース310に触れていない。また、この状態で、プッシュスイッチ100Aは、ケース310には接触していない。プッシュスイッチ100Aの筐体110の+Z方向側の面と、ケース310の裏面311Bとの間には隙間がある。
また、カバー330は、-Z方向側の面に両面テープ335を貼り付けて、防水ラバー340の+Z方向側の面に貼り付けられる。防水ラバー340は、凹部341にステム350の+Z方向側の端部を嵌め込んだ状態で、両面テープ345によってケース310の凹部311Cに接着される。
これにより、図20に示す断面構造が完成する。カバー330の表面331は、ケース310の側部311の表面311Aと面一であり、ステム350の凸部351は、プッシュスイッチ100Aの押圧部材140の凸部144Aに当接する。
以上のような構成の電子機器300は、カバー330の操作部331A、331Bを-Z方向に押圧すると、カバー330及びラバー部材340が撓み、ステム350が-Z方向に移動することで、プッシュスイッチ100Aの押圧部材140の凸部144A(図2参照)を押圧する。これにより、プッシュスイッチ100Aは、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)が反転動作して導通状態になる。
凸部144Aが押圧されると、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)が反転動作するため、操作部331A、331Bに触れている利用者の指先等にはクリック感が提供される。これにより、利用者は、操作部331A、331Bの操作が電子機器300に受け付けられて完了したことを触覚で検知することができる。
また、カバー330の操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分と面一でフラットであり、電子機器300の側面では、ケース310とカバー330が面一であるため、電子機器300の意匠性が良い。
したがって、意匠性が良く、操作の完了を触感で利用者にフィードバックできる電子機器300を提供することができる。
また、プッシュスイッチ100Aは、梃子の原理を利用するため、支点と作用点の長さと、支点と力点との長さとの比を大きくすることで、クリック感をさらに増大させることができる。
なお、以上では、カバー330の操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分と面一でフラットである形態について説明したが、操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分よりも凹んでいてもよいし、突出していてもよい。
また、以上では、プッシュスイッチ100Aが梃子の原理を利用した押圧部材140を含む形態について説明したが、押圧部材140は、梃子の原理を利用しない構成であってもよい。すなわち、押圧部材140の代わりに、梃子の原理を利用せずに、押圧部材140の押圧荷重をリーフスプリング130Bに直接的に伝達する構成であってもよい。
図21は、実施の形態3の変形例の電子機器300Aの断面を示す図である。図21に示す断面は、図20に対応する断面である。電子機器300は、図17乃至図20に示す電子機器300のケース310をケース310Aに置き換えた構成を有する。その他の構成は、電子機器300と同様であるため、同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
ケース310Aは、図20に示すケース300に対して、凸部315を追加した構成を有する。ケース310Aの構成は、凸部315以外は、図20に示すケース310と同様である。
凸部315は、ケース310Aの裏面311Bの貫通孔311DのX方向の両側に設けられており、-Z方向側に突出している。凸部315の突出量は、凸部315の-Z方向側の端面がプッシュスイッチ100Aの筐体110の角部116(図3参照)の+Z方向側の面に当接した状態で、FPC360がネジ留め部314に当接しない状態になる量である。
電子機器300Aでは、プッシュスイッチ100Aは、ケース310Aの凸部315の-Z方向側の端面に、プッシュスイッチ100Aの筐体110の角部116の+Z方向側の面が当接している。
ケース310Aの凸部315の-Z方向側の端面と、プッシュスイッチ100Aの筐体110の角部116の+Z方向側の面とが当接した状態で、ネジ375がネジ留め部314にネジ留めされるため、プッシュスイッチ100Aの筐体110の角部116の+Z方向側の面には、凸部315から受ける反力による荷重が掛かる。
プッシュスイッチ100Aは、筐体110の角部116A、116B(図3参照)に延在部125A、125Bを埋め込んであるので、角部116A、116Bの剛性が高く、Z方向における耐荷重性が非常に高い。
このため、角部116で凸部315から掛かる荷重を十分に受け止めることができる。
図22は、プッシュスイッチ100Aをケース310Aに取り付ける際のZ方向の誤差を説明する図である。ここでは、図20に示す電子機器300と図21に示す電子機器300Aとを比較して説明する。
プッシュスイッチ100Aは、押圧部材140の凸部144Aの50μm程度のストロークでメタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)を反転動作させるため、ケース310又は310Aに対するZ方向の位置の誤差は、非常に重要である。誤差が大きすぎると、反転動作に必要なストロークを確保できないおそれがあるからである。また、一般的に、ネジ等を使って部材を他の部材に取り付ける際に生じうる位置の誤差は、少なくても100μm程度になるからである。
図20に示す電子機器300では、プッシュスイッチ100Aが実装されたFPC360を金属板370に載せた状態で、FPC360及び金属板370に通したネジ375をケース310のネジ留め部314にネジ留めすることによって、プッシュスイッチ100Aのケース310に対するZ方向の位置が決まる。
図20に示す電子機器300は、FPC360に接する筐体110の-Z方向側の面がケース310に取り付けられる際の基準面になるため、電子機器300におけるケース310に対するプッシュスイッチ100AのZ方向の位置の誤差には、(1)で示す筐体110の底壁113の厚さ、(2)で示すメタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)のZ方向の厚さ、及び、(3)で示す押圧部材140のZ方向の寸法(厚さ)に含まれる誤差が影響することになる。(3)で示す寸法は、押圧部材140の凸部143Aの-Z方向側に最も突出した位置から、凸部144Aの頂部までの寸法である。
このように、電子機器300では、(1)、(2)、3)の3つの厚さの誤差が、プッシュスイッチ100Aのケース310に対するZ方向の位置誤差に影響を与えることになる。
これに対して、図21に示す電子機器300Aでは、筐体110の+Z方向側の面がケース310に取り付けられる際の基準面になるため、(4)で示す押圧部材140の凸部144Aの頂部と、筐体110の+Z方向側の面とのZ方向の距離のみが、ケース310Aに対するプッシュスイッチ100Aの取り付け位置の誤差に影響することになる。
このため、図21に示す電子機器300Aは、図20に示す電子機器300に比べて、プッシュスイッチ100Aのケース310に対する取り付け位置の誤差を小さくすることができ、ショートストロークタイプのプッシュスイッチ100Aの性能を発揮しやすい構成である。
そして、図21に示す電子機器300Aの構成は、ケース310Aが凸部315を有すること以外は、図20に示す電子機器300と同様である。
すなわち、電子機器300Aの利用者は、操作部331A、331Bの操作が電子機器300Aに受け付けられて完了したことを触覚で検知することができる。また、カバー330の操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分と面一でフラットであり、電子機器300Aの側面では、ケース310Aとカバー330が面一であるため、電子機器300Aの意匠性が良い。
したがって、意匠性が良く、操作の完了を触感で利用者にフィードバックできる電子機器300Aを提供することができる。
また、プッシュスイッチ100Aの取り付け位置の誤差をより低減できる電子機器300Aを提供することができる。
図23は、実施の形態3の変形例の電子機器300Bの断面を示す図である。図24は、図23の一部を拡大して示す図である。図23に示す断面は、図20に対応する断面である。電子機器300Bは、図17乃至図20に示す電子機器300のケース310、カバー330、ステム350を、それぞれ、ケース310B、カバー330B、ステム350Bに取り替えた構成を有する。また、電子機器300Bは、防水ラバー340を含まない。
また、電子機器300Bは、電子機器300のプッシュスイッチ100Aの代わりにプッシュスイッチ100Bを含む。その他の構成は、電子機器300と同様であるため、同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図23及び図24には、カバー330Bの操作部331A、331Bのうち、操作部331Aが押圧されている状態を示す。この状態で、操作部331Aに対応するプッシュスイッチ100Bは導通状態になっている。なお、操作部331A,331BをZ方向に押圧する際のストロークは、一例として50μm程度であり、図23及び図24には、押圧による変形を誇張して示す。
プッシュスイッチ100Bは、プッシュスイッチ100Aの押圧部材140(図6参照)の凸部144Aが+Z方向に大きくなった構成を有する。凸部144Aは、図23及び図24に示すように、+Z方向に大きく突出しており、一例として直方体状である。
電子機器300Bは、防水機能を有するラバー製のカバー330Bを含むため、防水ラバー340を有しない。筐体310Bは、貫通孔311DがX方向に大きくなり、凹部311C(図20参照)を含まない。また、貫通孔311Dには、段差部311D1が設けられている。段差部311D1は、貫通孔311Dの-Z方向側がX方向に長くなることによって、貫通孔311Dの+Z方向側の部分との間に段差を形成する部分である。
カバー330Bは、ケース310Bの側面(+Z方向側の面)の所定の部分を覆うラバー(ゴム)製の部材であり、利用者が操作部331A、331Bを押圧すると、金属製のカバー330(図20参照)よりも変形しやすい。金属よりも弾性が大きいからである。カバー330Bは、電子機器300Bの側面の全体にわたって設けられていてもよいし、電子機器300Bの側面の一部に設けられていてもよい。
ステム350Bは、凹部352、凸部353、凸部354を有する。凹部352は、ステムの-Z方向側の面から+Z方向に凹んでいる部分であり、ステム350BのX方向における中央部に設けられている。凹部352には、プッシュスイッチ100Bの凸部144Aが嵌め込まれる。
凸部353は、ステム350Bの-Z方向側の面において、凹部352のX方向の両側から-Z方向に突出している部分であり、通常の押圧力では、操作部331A、331Bが押圧されてもプッシュスイッチ100Bの筐体110の+Z方向側の面には当接しない。通常の押圧力とは、電子機器300Bの設計段階において設定する、大多数の利用者が押圧する際に掛かる応力である。操作部331A、331Bが通常の押圧力よりも大きい所定の押圧力で押されると、プッシュスイッチ100Bの筐体110の+Z方向側の面には当接し、それ以上の押圧を阻止する。すなわち、凸部353は、非常用のストッパである。
凸部354は、ステム350Bの-Z方向側のX方向における両側から±X方向に突出しており、カバー310Bの段差部311D1内に収容される。凸部354は、ステム354が+Z方向に抜けないようにするために設けられている。
以上のような構成を有する電子機器300Bでは、操作部331A、331Bが押圧されてプッシュスイッチ100Bの凸部144Aが押圧されると、メタルコンタクト130A及びリーフスプリング130B(図2参照)が反転動作するため、操作部331A、331Bに触れている利用者の指先等にはクリック感が提供される。これにより、利用者は、操作部331A、331Bの操作が電子機器300に受け付けられて完了したことを触覚で検知することができる。
また、カバー330Bはラバー製であるため、図23及び図24に示す操作部331Aのように、変形しやすく、利用者にとって、より操作しやすい構成である。
また、カバー330Bの操作部331A、331Bは、操作部331A、331B以外の部分と面一でフラットであり、電子機器300Bの側面では、ケース310Bとカバー330Bが面一であるため、電子機器300Bの意匠性が良い。
したがって、意匠性が良く、操作の完了を触感で利用者にフィードバックできる電子機器300Bを提供することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電子機器について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、本国際出願は、2020年2月17日に出願した日本国特許出願2020-024542号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。