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JP7321066B2 - 触感提示装置 - Google Patents
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JP7321066B2 - 触感提示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、触感提示装置に関する。
近年、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット型PC等の携帯情報端末や、車載用ナビゲーションシステム等の電子機器等には、操作者の操作に対して、振動によって触感を提示する触感提示装置が組み込まれている場合が多い。
例えば下記特許文献1に示されるように、タッチパネルの前面側に配置された接触パネルを指先で触った際に、形状記憶合金ワイヤを利用して接触パネルを瞬間的に移動させて、指先に対して力学的な操作感覚(いわゆるクリック感)を疑似的に作用させる触感提示装置が知られている。
上記接触パネルはタッチパネルを覆った状態で、該接触パネルの面内方向に移動可能に筐体に支持されている。そのため、接触パネルを指先で触った際に、形状記憶合金ワイヤを利用して接触パネルだけを移動させることが可能とされている。
国際公開第2012/023606号
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の触感提示装置では、筐体に対して接触パネルを移動させる必要があるので、接触パネルと筐体との間に僅かな隙間をあけざるを得なかった。そのため、隙間を通じて例えば塵埃や水分が浸入する可能性があり、改善の余地があった。特に、防水性等の観点から使用範囲が限定されてしまうものであった。
さらに上記従来の触感提示装置を、例えばスマートフォン等の携帯情報端末に適用した場合には、例えば電話或いはメールの着信時に、その旨を知らせるための振動源としてまで、接触パネルを利用するは困難である。そのため、振動モータや振動アクチュエータ等の振動源を別に設ける必要があり、部品点数の増大化、高コスト化を招き易かった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、塵埃や水分等の侵入を防止しながら、操作者の操作に対して力学的な操作感覚を疑似的に作用させることができると共に、操作者の操作とは別に必要に応じて振動を発生させることが可能とされた触感提示装置を提供することである。
(1)本発明に係る触感提示装置は、指先で操作される操作パネルを有するケーシングと、前記ケーシング内に収容されると共に可動方向に沿って移動可能とされた可動基板と、前記ケーシングと前記可動基板との間に設けられ、前記ケーシングに対して前記可動基板を前記可動方向に瞬間的に変位させるアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータは、前記可動基板の変位に基づいて前記ケーシングに慣性力を作用させ、前記アクチュエータは、前記ケーシングに取り付けられた固定子と、前記可動基板に取り付けられた可動子と、前記固定子と前記可動子との間に配置され、温度に応じて長さが変化する形状記憶合金ワイヤと、を備え、前記形状記憶合金ワイヤは、通電加熱に伴う伸縮によって前記可動子と前記固定子との間隔を変化させ、前記ケーシングと前記可動基板との間には、前記可動子を前記固定子側に向けて接近させるように、前記可動基板を前記可動方向に沿って付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る触感提示装置によれば、アクチュエータを利用して可動基板を、いわゆる重錘等の代わりとしてケーシングに対して瞬間的に変位させることができ、ケーシング内で可動基板を例えば所定の加速度で可動方向に沿って移動させることができる。これにより、可動基板の変位に基づいて、ケーシング全体に可動基板の慣性力(推力)を作用させることができる。そのため、操作パネルに触れた指先に対して、力学的な操作感覚を疑似的に作用させることができ、指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用することができる。
特に、ケーシング内に収容される可動基板を変位させる構造であるため、従来のように例えば操作パネルとケーシングとの間に隙間を設ける必要がない。そのため、ケーシング内を容易に密封することができ、ケーシング内に塵埃や水分等が浸入することを防止することができる。従って、特別な防塵、防水構造等が不要となり、簡易な構造でケーシングを密封することが可能となるうえ、使用環境の制限を受けることなく、各種の用途に利用することができる。
従って、使い勝手に優れた触感提示装置とすることができ、例えばスマートフォンやスマートウォッチ等の携帯情報端末等として好適に利用することができる。さらに、操作者の操作とは別に必要に応じて可動基板を変位させることで、例えばケーシングを振動させることも可能である。これにより、例えば電話やメールの着信等を操作者に報知することが可能となり、そのための専用の振動源(例えば振動モータ等)を設ける必要がない。従って、構成の簡略化及び低コスト化に繋げることができる。
さらに、形状記憶合金ワイヤに対して通電を行うことで、形状記憶合金ワイヤを例えば瞬間的に収縮させることができ、可動子を固定子から離間させることができる。これにより、可動子が設けられている可動基板をケーシングに対して可動方向に沿って瞬間的に移動させることが可能である。そのため、ケーシング全体に可動基板の慣性力(推力)を作用させることができ、操作パネルに触れた指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用させることができる。
さらに、通電加熱によって生じた熱が形状記憶合金ワイヤから放熱されることで、形状記憶合金ワイヤを例えば瞬間的に伸長させることができ、可動子を固定子側に接近させることができる。これにより、可動子が設けられている可動基板をケーシングに対して可動方向に沿って瞬間的に逆方向に移動させることが可能であり、同様に操作パネルに触れた指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用させることができる。
従って、形状記憶合金ワイヤの伸縮を利用して可動基板を可動方向に振動させることが可能となる。特に、インパルス的な振動を発生させることが可能であり、例えば機械スイッチに近い触感を作用させることや、振動モータ等とは違った触感を作用させることが可能である。さらに、形状記憶合金は一般的に伸縮の再現性や応答性に優れている特性を有しているので、例えば操作パネルに対して指先を触れた瞬間にクリック感を与えるかのような触感を安定的に作用させることが可能である。
さらに、弾性部材による弾性復元力(付勢力)を利用して、可動子を固定子側に向けて接近させるように可動基板を付勢するので、例えば形状記憶合金ワイヤの収縮を利用して可動子を固定子から離間させた後、形状記憶合金ワイヤの伸縮に伴って、弾性部材による付勢力を利用して可動子を固定子側に向けて確実に接近させることができる。
)前記アクチュエータは、前記形状記憶合金ワイヤに接触するように配置された熱伝動体を備え、前記固定子及び前記可動子は、前記熱伝動体として機能しても良い。
この場合には、熱伝動体を利用して、例えば形状記憶合金ワイヤを効率良く放熱することができ、通電加熱によって加熱された形状記憶合金ワイヤの温度を速やかに低下させることができる。これにより、形状記憶合金ワイヤに良好な放熱特性を具備させることができ、伸縮動作の応答性を高めることができる。従って、指先に対してさらに反応良く触感を作用させることができる。
)前記形状記憶合金ワイヤは、前記可動基板に対して電気的接続されても良い。
この場合には、例えば可動基板を回路パターン等が形成された制御基板等として利用することで、形状記憶合金ワイヤに対して容易に通電を行うことが可能となり、構成の簡略化に繋げることができる。
)前記弾性部材は、前記可動方向における弾性率が、前記可動方向に対して直交する2方向における弾性率よりも低くなるように形成され、弾性率の違いによって前記可動基板を前記可動方向に沿って移動可能に案内しても良い。
この場合には、弾性部材が可動方向に弾性変形し易く、可動方向に対して直交する2方向に弾性変形し難くなる。そのため、弾性部材を利用して可動基板を可動方向に沿ってがたつき少なくスムーズに移動させることができ、指先に対して狙い通りの触感を確実に作用させ易い。
)前記固定子は、前記可動方向に沿って配置された固定プレート、及び前記可動基板の厚さ方向に突出するように前記固定プレートに取り付けられた複数の固定ピンを備え、前記可動子は、前記可動方向に沿って配置されると共に、少なくとも一部分が前記固定プレートに対して前記可動基板の厚さ方向に向かい合うように配置された可動プレート、及び前記可動基板の厚さ方向に突出するように前記可動プレートに取り付けられた複数の可動ピンを備え、複数の前記固定ピン及び複数の前記可動ピンは、前記可動方向及び前記厚さ方向に対して直交する直交方向に沿って、一定の間隔をあけて交互に並ぶように配列され、前記形状記憶合金ワイヤは、前記固定ピン及び前記可動ピンに対して交互に接触しながら前記直交方向に波状に配置されることで、前記固定ピンと前記可動ピンとの間に挟み込まれても良い。
この場合には、形状記憶合金ワイヤが、固定ピン及び可動ピンに対して交互に接触しながら、固定ピン及び可動ピンの間を縫うように波状(ジグザグ状)に配置され、これによって固定ピンと可動ピンとの間に波状に挟み込まれている。そのため、形状記憶合金ワイヤが伸縮することで、複数の固定ピンと複数の可動ピンとの間隔を可動方向に変化させることができる。これにより、形状記憶合金ワイヤの伸縮を利用して、可動子が取り付けられている可動基板を可動方向に瞬間的に変位させることが可能となる。
固定子及び可動子のうち、形状記憶合金ワイヤと接触する部分については、絶縁性が要求されると共に、所定の熱導電率を具備することが要求される。この点、固定子に関しては、固定プレートに固定ピンを取り付けることで固定子を構成しているので、少なくとも固定ピンが絶縁性及び所定の熱導電率を具備すれば良く、固定子を簡便に構成することが可能である。従って、固定子を低コストで製造することができる。それに加え、固定プレートを、固定ピンとは異なる材料、例えば合成樹脂材料等で形成することが可能となるので、材料選択の自由度を向上でき、さらなる低コスト化を図り易い。
なお、可動子についても可動ピンを具備しているので、上述した固定子と同様の作用効果を奏功することができる。
)前記ケーシング内には、前記可動基板を前記可動方向に移動可能に案内する案内部材が設けられても良い。
この場合には、案内部材を利用して可動基板を可動方向に沿ってがたつき少なくスムーズに移動させることができるので、指先に対して狙い通りの触感を確実に作用させ易い。
)前記アクチュエータの少なくとも一部は、前記可動基板に対して該可動基板の厚さ方向に重なるように配置され、前記可動方向は、前記可動基板の面内に平行な方向とされても良い。
この場合には、可動基板の可動方向にケーシングの長さが長くなることを抑制することができ、触感提示装置全体のサイズを小型化し易い。
)前記アクチュエータと前記可動基板とは、前記可動方向に並ぶように配置され、前記可動方向は、前記可動基板の面内に平行な方向とされても良い。
この場合には、可動基板の厚さ方向にケーシングが厚くなることを抑制することができ、触感提示装置全体の薄型化を図り易い。
)前記ケーシングに設けられ、前記操作パネルを通じて情報を表示する表示パネルと、前記可動基板に実装され、前記操作パネルの操作に応じて前記表示パネルの表示を制御する制御部と、を備えても良い。
この場合には、表示パネルに表示された情報を視認しながら、操作パネルを指先で操作する際に、クリック感のような触感を感じながら操作を行える。従って、例えばスマートフォンやスマートウォッチ等の携帯情報端末等として好適に利用することができる。
本発明によれば、塵埃や水分等の侵入を防止しながら、操作者の操作に対して力学的な操作感覚を疑似的に作用させることができると共に、操作者の操作とは別に必要に応じて振動を発生させることができる。
本発明に係る携帯情報端末(触感提示装置)の第1実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示す携帯情報端末の分解斜視図である。 図2に示す制御基板がケーシング内に収容された状態における携帯情報端末の平面図である。 図3に示すA-A線に沿った携帯情報端末の縦断面図である。 図3に示すアクチュエータの拡大斜視図である。 図5に示すアクチュエータの動作を示す図である。 図3に示す状態から、可動子が固定子から離間するように制御基板が移動した状態における携帯情報端末の平面図である。 本発明に係る携帯情報端末(触感提示装置)の第2実施形態を示す図であって、制御基板がケーシング内に収容された状態における携帯情報端末の平面図である。 図8に示す携帯情報端末の斜視図である。 図8に示すB-B線に沿った携帯情報端末の縦断面図である。 本発明に係る携帯情報端末(触感提示装置)の第3実施形態を示す図であって、制御基板がケーシング内に収容された状態における携帯情報端末の平面図である。 図11に示す携帯情報端末の斜視図である。 本発明に係る携帯情報端末(触感提示装置)の第4実施形態を示す図であって、制御基板がケーシング内に収容された状態における携帯情報端末の平面図である。 図13に示すC-C線に沿った携帯情報端末の縦断面図である。 図13に示すD-D線に沿った携帯情報端末の縦断面図である。 図13に示すアクチュエータの拡大斜視図である。 本発明に係る触感提示装置をスマートウォッチに適用した場合の外観図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る触感提示装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、触感提示装置としてスマートフォン等の携帯情報端末を例に挙げて説明する。
図1~図4に示すように、本実施形態の携帯情報端末1は、指先で操作されるタッチパネル(本発明に係る操作パネル)2を有するケーシング3と、ケーシング3内に収容されると共に移動可能とされた制御基板(本発明に係る可動基板)4と、ケーシング3と制御基板4との間に設けられ、ケーシング3に対して制御基板4を瞬間的に変位させるアクチュエータ5と、を備えている。
本実施形態では、ケーシング3の平面視でケーシング3の厚さ方向L1に対して互いに直交する2方向を第1方向L2及び第2方向L3という。
ケーシング3は、第1方向L2に沿った長さが第2方向L3に沿った長さよりも長い平面視矩形状に形成されていると共に、厚みの薄い有底筒状に形成されている。ケーシング3には、該ケーシング3に対して厚さ方向L1に重なるように配置されたカバーガラス6が一体的に組み合わされている。ケーシング3の開口部は、このカバーガラス6によって塞がれている。
なお、厚さ方向L1のうち、ケーシング3の底壁部10からカバーガラス6に向かう方向を上方といい、その反対を下方という。
ケーシング3は、底壁部10と、底壁部10の周囲を囲むと共に底壁部10から上方に向けて突出した4つの周壁部11とを有する有底筒状に形成され、上方に開口している。4つの周壁部11のうち第1方向L2に向かい合う一対の周壁部11を前壁部12及び後壁部13といい、第2方向L3に向かい合う一対の周壁部11を側壁部14という。
なお、ケーシング3は一部品である必要がなく、例えば複数の部品を一体に組み合わせて構成しても構わない。
カバーガラス6は、ケーシング3の開口部を上方から塞ぐように、ケーシング3に対して一体に組み合わされている。この際、カバーガラス6とケーシング3との間には、所定の防塵及び防水対策が施されている。これにより、ケーシング3の内部は密封された状態とされている。
制御基板4は、携帯情報端末1を動作させるための図示しない各種の電子部品が実装されると共に、両面に図示しない回路パターンが形成された例えばプリント基板とされ、ケーシング3の形状に対応して第1方向L2に沿った長さが第2方向L3に沿った長さよりも長い平面視矩形状に形成されている。
なお、制御基板4は、ケーシング3における周壁部11との間に所定の隙間があくように、ケーシング3のサイズよりも小さい外形サイズとされている。また、制御基板4は、制御基板4の面内方向である第1方向L2に移動可能とされている。従って、制御基板4の可動方向は、第1方向L2に一致している。さらに制御基板4は、図示しない支持部材によって可動方向である第1方向L2に移動可能に支持された状態で、ケーシング3内における厚さ方向L1の中央に配置されている。
制御基板4のうちケーシング3における側壁部14に対して向かい合う側縁部4aには、側壁部14側に向けて突出した案内突起(本発明に係る案内部材)15がそれぞれ形成されている。
案内突起15は、各側縁部4aにおいて第1方向L2に間隔をあけて2つ形成されている。そのため、図示の例では、案内突起15は合計4つ形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、案内突起15の数は適宜変更して構わない。
案内突起15は、側壁部14側に向けて突出した平面視半円状に形成され、側壁部14に対してケーシング3の内側から摺接している。これにより、案内突起15は、側壁部14に対して摺接しながら、制御基板4を可動方向にがたつき少なく移動可能に案内することが可能とされている。
なお、案内突起15は制御基板4に一体に形成されている必要はなく、例えばケーシング3の側壁部14側から制御基板4側に向けて突出するように形成され、制御基板4の側縁部4aに対して摺接していても構わない。
アクチュエータ5は、制御基板4を可動方向である第1方向L2に瞬間的に変位させ、変位に基づいてケーシング3に対して慣性力(推力)を作用させる役割を果たしている。
具体的には、アクチュエータ5は、ケーシング3に取り付けられた固定子20と、制御基板4に取り付けられると共に、固定子20に対して可動方向である第1方向L2に向かい合うように配置された可動子30と、固定子20と可動子30との間に配置され、温度に応じて長さが変化する形状記憶合金ワイヤ40と、を備えている。
図5に示すように、固定子20は、ケーシング3における前壁部12のうち第2方向L3の中央部分に固定されている。なお、図5では、図面を見易くするために、固定子20と可動子30とを離間させた状態で図示している。
固定子20は、第2方向L3に沿って延びる基部21と、基部21から可動子30側に向けて突出した複数の突起部22と、を備えている。複数の突起部22は、第2方向L3に一定の間隔をあけて配置されていると共に、可動子30側に向けて所定の突出量で突出するように形成されている。各突起部22の先端部は、平面視で丸みを帯びた形状、例えば円弧状に形成されている。
なお、図示の例では固定子20は3つの突起部22を有しているが、突起部22の数はこの場合に限定されるものではない。
可動子30は、制御基板4のうちケーシング3の前壁部12に対して向かい合う前縁部4b側の上面に固定されている。可動子30は、制御基板4における第2方向L3の中央部分に配置されていると共に、固定子20と同等の高さに配置されている。これにより、先に述べたように、固定子20と可動子30とは可動方向に向かい合うように対向配置されている。
可動子30は、第2方向L3に沿って延びる基部31と、基部31から固定子20側に向けて突出した複数の突起部32と、を備えている。第2方向L3に沿う基部31の長さは、固定子20における基部21の長さと同等とされている。
複数の突起部32は、第2方向L3に一定の間隔をあけて配置されていると共に、固定子20側に向けて所定の突出量で突出するように形成されている。各突起部32の先端部は、固定子20側と同様に平面視で丸みを帯びた形状、例えば円弧状に形成されている。
なお、図示の例では、可動子30は4つの突起部32を有しているが、突起部32の数はこの場合に限定されるものではない。
固定子20側の各突起部22間の間隔と、可動子30側の各突起部32間の間隔とは、同じ間隔(ピッチ)とされている。さらに、固定子20側の各突起部22の突出量と、可動子30側の各突起部32の突出量とは、同等とされている。そして、可動子30側の各突起部32の間に、固定子20側の各突起部22がそれぞれ入り込むように、固定子20及び可動子30は対向配置されている。これにより、可動子30側の各突起部32と固定子20側の各突起部22とは、櫛歯状に配列された状態とされている。
形状記憶合金ワイヤ40は、例えばニッケル-チタン合金製のワイヤとされ、可動子30側の各突起部32と固定子20側の各突起部22との間に波状に挟み込まれている。なお、形状記憶合金ワイヤ40の材質は、ニッケル-チタン合金に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
形状記憶合金ワイヤ40の両端部は、制御基板4の上面に設けられた接続端子41に接続されている。接続端子41は、制御基板4における図示しない回路パターンに導通している。これにより、形状記憶合金ワイヤ40は、接続端子41を介して制御基板4に電気的接続されており、所定の電圧が印加されることで通電可能とされている。
形状記憶合金ワイヤ40は、通電によって加熱されることで瞬間的に収縮する。これにより、図6に示すように、形状記憶合金ワイヤ40は緩んだ状態から張った状態に移行するので、可動子30を固定子20から離間させるように可動方向である第1方向L2に沿って移動させることが可能となる。
このように、形状記憶合金ワイヤ40は、通電加熱に伴う伸縮によって、可動子30と固定子20との間隔を変化させることが可能とされている。
なお、上述した固定子20及び可動子30は、形状記憶合金ワイヤ40の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。具体的には、固定子20及び可動子30は、アルミニウム材料で形成され、その表面にはアルマイト処理等によって、絶縁膜となる陽極酸化膜が形成されている。
従って、固定子20及び可動子30は、形状記憶合金ワイヤ40に対して接触するように配置されて、該形状記憶合金ワイヤ40を放熱させる放熱体(本発明に係る熱伝動体)としても機能する。
上述のように構成されたアクチュエータ5は、図3に示すように、少なくとも可動子30及び形状記憶合金ワイヤ40が制御基板4に対して、厚さ方向L1に重なるように配置されている。
図2~図4に示すように、ケーシング3と制御基板4との間には、可動子30を固定子20側に向けて接近させるように、制御基板4を可動方向である第1方向L2に沿って付勢するコイルばね(弾性部材)45が設けられている。
コイルばね45は、ケーシング3における後壁部13と、制御基板4のうち後壁部13に対して向かい合う後縁部4cとの間に圧縮状態で配置されている。コイルばね45の一端部側は後壁部13に接続され、コイルばね45の他端部側は制御基板4の後縁部4cに接続されている。これにより、コイルばね45は、弾性復元力(付勢力)を利用して制御基板4の全体を固定子20側に向けて付勢している。
なお、コイルばね45の数は1つに限定されるものではなく、例えば第2方向L3に間隔をあけて複数配置しても構わない。
上述のように制御基板4が固定子20側に向けて付勢されているので、図3に示すように、形状記憶合金ワイヤ40は可動子30と固定子20との間に挟み込まれた状態とされている。また、形状記憶合金ワイヤ40によって、コイルばね45によって付勢された制御基板4は、それ以上固定子20側に変位することが抑制され、図3に示すように位置決めされた状態とされている。
図4に示すように、タッチパネル2は、カバーガラス6に対して重なるように該カバーガラス6の下方に配置されている。タッチパネル2は、合成樹脂材或いはガラス材で形成された薄型の透明パネルであって、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式等の公知の接触検知機能を具備している。これにより、タッチパネル2は、カバーガラス6を通じて指先で触れた箇所を検知することが可能とされている。従って、タッチパネル2の上面は、カバーガラス6を通じて操作者の指先等によって操作される操作面、いわゆる触感提示面2aとされている。
タッチパネル2の下方には、該タッチパネル2に対して重なるように表示パネル46が配置されている。表示パネル46は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の液晶表示装置であって、タッチパネル2及びカバーガラス6を通じて各種の情報を表示可能としている。
これにより、表示パネル46に表示された各種情報に対応して、カバーガラス6を通じてタッチパネル2を指先で触れることで、触れた場所に対応する操作内容に基づいた入力信号(指令信号)が制御部47に送られる。
制御部47は、携帯情報端末1を総合的に制御するCPU等であって、制御基板4に実装されている。さらに制御基板4には、フラッシュメモリ等の各種記憶部、小型のスピーカ、小型のマイクロフォン、小型のカメラ等が実装されている。なお、これら記憶部、スピーカ、マイクロフォン及びカメラ等については、図示を省略している。
特に制御部47は、タッチパネル2の操作に伴う上記入力信号に基づいて、表示パネル46の表示を制御している。さらに制御部47は、タッチパネル2の操作に基づいて、接続端子41を介して形状記憶合金ワイヤ40に所定の電圧を印加して、形状記憶合金ワイヤ40への通電を制御している。
さらに、ケーシング3内には、各種の構成品に電力を供給する図示しない電源部が配設されていると共に、図示しない取出し可能なメモリカート等が配設されている。なお、電源部としては、例えば充放電可能な二次電池等とされている。
(携帯情報端末の作用)
上述のように構成された携帯情報端末1を使用する場合の作用について説明する。
この場合には、図1に示すように、タッチパネル2及びカバーガラス6を通じて、表示パネル46に表示された情報を視認しながら、カバーガラス6を通じてタッチパネル2を指先で操作することで、触れた場所に対応する操作を行うことができる。これにより、携帯情報端末1が有する各種機能を適宜利用することができる。
特に、カバーガラス6を通じてタッチパネル2を操作することで、アクチュエータ5を利用して制御基板4をケーシング3に対して瞬間的に変位させることができるので、ケーシング3内で制御基板4を例えば所定の加速度で可動方向である第1方向L2に沿って移動させることができる。これにより、制御基板4の変位に基づいて、ケーシング3全体に制御基板4の慣性力(推力)を作用させることができる。そのため、タッチパネル2に触れた指先に対して、力学的な操作感覚を疑似的に作用させることができ、指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用することができる。
より詳細に説明する。
カバーガラス6を通じてタッチパネル2が指先で操作されると、制御部47は接続端子41を通じて形状記憶合金ワイヤ40に対して通電を行う。これにより、形状記憶合金ワイヤ40を加熱して、瞬間的に収縮させることができる。そのため、図6に示すように、固定子20の各突起部22と可動子30の各突起部32との間に挟み込まれた形状記憶合金ワイヤ40を、緩んだ状態から張った状態にすることができ、コイルばね45の弾性復元力(付勢力)に抗して可動子30を固定子20から離間させることができる。
これにより、図7に示すように、コイルばね45を弾性変形させながら、可動子30が設けられている制御基板4をケーシング3に対して可動方向である第1方向L2に沿って瞬間的に移動させることが可能である。そのため、ケーシング3全体に制御基板4の慣性力(推力)を作用させることができ、タッチパネル2に触れた指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用させることができる。
さらに、通電加熱によって生じた熱が形状記憶合金ワイヤ40から放熱されることで、形状記憶合金ワイヤ40を例えば瞬間的に伸長させることができ、張った状態から緩んだ状態に移行させることができる。
このとき制御基板4は、コイルばね45による弾性復元力(付勢力)によって、可動子30が固定子20側に向けて接近するように付勢されている。そのため、形状記憶合金ワイヤ40の伸長に伴って、コイルばね45による付勢力を利用して可動子30を固定子20側に向けて確実に接近させることができる。そのため、可動子30が設けられている制御基板4をケーシング3に対して可動方向である第1方向L2に沿って瞬間的に逆方向に移動させることができ、図3に示す状態に復帰させることができる。この復帰の際、先ほどと同様にタッチパネル2に触れた指先に対してクリック感を与えるかのような触感を作用させることができる。
従って、形状記憶合金ワイヤ40の伸縮を利用して制御基板4を可動方向に振動させることが可能となる。特に、インパルス的な振動を発生させることが可能であり、例えば機械スイッチに近い触感を作用させることや、振動モータ等とは違った触感を作用させることが可能である。さらに、形状記憶合金は一般的に伸縮の再現性や応答性に優れている特性を有しているので、タッチパネル2に対して指先を触れた瞬間にクリック感を与えるかのような触感を安定的に作用させることが可能である。
さらに、本実施形態の携帯情報端末1では、ケーシング3内に収容される制御基板4を変位させる構造であるため、従来のように例えばタッチパネル2及びカバーガラス6とケーシング3との間に隙間を設ける必要がない。そのため、ケーシング3内を容易に密封することができ、ケーシング3内に塵埃や水分等が浸入することを防止することができる。従って、特別な防塵及び防水構造等が不要となり、簡易な構造でケーシング3を密封することが可能となるうえ、使用環境の制限を受けることなく、各種の用途に利用することができる。従って、使い勝手に優れており、携帯情報端末1として好適に利用することができる。
しかも、操作者の操作とは別に必要に応じて制御基板4を変位させることで、例えばケーシング3を振動させることも可能である。これにより、例えば電話やメールの着信等を操作者に報知することが可能となり、そのための専用の振動源(例えば振動モータ等)を設ける必要がない。従って、構成の簡略化及び低コスト化に繋げることもできる。
上述したように、本実施形態の携帯情報端末1によれば、塵埃や水分等の侵入を防止しながら、操作者の操作に対して力学的な操作感覚を疑似的に作用させることができると共に、操作者の操作とは別に必要に応じて振動を発生させることができる。
さらに、本実施形態の携帯情報端末1は、固定子20及び可動子30が形状記憶合金ワイヤ40を放熱させる放熱体としても機能するので、形状記憶合金ワイヤ40を効率良く放熱することができ、通電加熱によって加熱された形状記憶合金ワイヤ40の温度を速やかに低下させることができる。これにより、形状記憶合金ワイヤに良好な放熱特性を具備させることができ、伸縮動作の応答性を高めることができる。従って、指先に対してさらに反応良く触感を作用させることができる。
なお、本実施形態において、形状記憶合金ワイヤ40の伸縮に伴う制御基板4の瞬間的な変位は、例えば制御基板4を4m/s~8m/sの速度で、50μm~10μmの変位で行うことが可能とされている。また、形状記憶合金ワイヤ40への通電時間としては、例えば数ms~数十msとされ、通電に伴う形状記憶合金ワイヤ40の収縮率としては、例えば数%とされている。
さらに、形状記憶合金ワイヤ40は、接続端子41を介して制御基板4に電気的接続されているので、形状記憶合金ワイヤ40に対して容易に通電を行うことが可能となり、構成の簡略化に繋げることができる。また、案内突起15を利用して制御基板4を可動方向に沿ってがたつき少なくスムーズに移動させることができるので、指先に対して狙い通りの触感を確実に作用させ易い。
さらに、アクチュエータ5は、可動子30及び形状記憶合金ワイヤ40が制御基板4に対して厚さ方向L1に重なるように配置されているので、制御基板4の可動方向である第1方向L2にケーシング3の長さが長くなることを抑制することができ、携帯情報端末1全体のサイズを小型化し易い。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る触感提示装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、制御基板4を可動方向に案内部材として、案内突起15が制御基板4に一体的に形成されていたが、本実施形態では案内部材が制御基板4側ではなく、ケーシング3側に設けられている。
図8~図10に示すように、本実施形態の携帯情報端末(本発明に係る触感提示装置)50は、ケーシング3における側壁部14に、制御基板4を可動方向に沿って案内する一対の案内部材51がそれぞれ設けられている。案内部材51は、制御基板4を間に挟んで第2方向L3に向かい合うように配置され、ケーシング3における側壁部14の内側に固定されている。
案内部材51は、制御基板4よりも厚く形成されると共に第1方向L2に沿って延びるように形成され、制御基板4の側縁部4aに対して摺接する基台部52と、基台部52から第2方向L3に沿って制御基板4側に向かって突出するように形成され、制御基板4を厚さ方向L1から挟み込むように配置された上フランジ片53及び下フランジ片54と、を備えている。
基台部52の第1方向L2に沿った長さは、制御基板4の第1方向L2に沿った長さよりも短く形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、基台部52の長さは、制御基板4の長さと同等であっても構わない。
上フランジ片53及び下フランジ片54は、基台部52と同等の長さに形成され、制御基板4を間に挟んで厚さ方向L1に向かい合うように形成されている。上フランジ片53の下面は制御基板4の上面に対して摺接しており、下フランジ片54の上面は制御基板4の下面に対して摺接している。
上フランジ片53と下フランジ片54との間の空間は、第1方向L2に開口すると共に制御基板4側に開口するガイド孔55とされている。制御基板4は、ガイド孔55内に入り込んだ状態で案内部材51によって支持され、第1方向L2に移動可能に案内されている。さらに制御基板4は、上フランジ片53及び下フランジ片54によって厚さ方向L1に対しても位置決めされた状態で支持されている。
上述のように構成された一対の案内部材51の各上フランジ片53には、上フランジ片53のうち可動子30側に位置する部分から第2方向L3に沿って突出する支持突起56がそれぞれ形成されている。各支持突起56は、第2方向L3に向かい合うように配置されている。
そして、制御基板4の上面には、可動子30を固定子20側に向けて接近させるように、可動子30及び制御基板4を可動方向である第1方向L2に付勢する板ばね部材(本発明に係る弾性部材)57が配置されている。
板ばね部材57は、支持突起56、上フランジ片53及び可動子30と同等の厚みとされ、両端部から中央部に向けて可動子30側に向けて突出するように凸状に湾曲している。板ばね部材57は、両端部が支持突起56に対して可動子30側から接触し、且つ中央部が可動子30に対して接触するように、可動子30と支持突起56との間に弾性変形した状態で配置されている。これにより、板ばね部材57は、弾性復元力(付勢力)利用して、可動子30を固定子20側に向けて常時付勢している。
(携帯情報端末の作用)
上述のように構成された携帯情報端末50の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
それに加えて本実施形態の場合には、板ばね部材57が上フランジ片53及び可動子30と同等の厚さで形成され、制御基板4に対して厚さ方向L1に重なって配置されているので、第1実施形態の携帯情報端末1よりも、さらに可動方向である第1方向L2へのケーシング3の長さを短くすることができる。従って、携帯情報端末50のさらなる小型化を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る触感提示装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、アクチュエータ5が制御基板4に対して厚さ方向L1に重なるように配置されていたが、本実施形態ではアクチュエータ5が制御基板4に対して可動方向に並ぶように配置されている。
図11及び図12に示すように、本実施形態の携帯情報端末(本発明に係る触感提示装置)60は、アクチュエータ5と制御基板4とが可動方向である第1方向L2に並ぶように配置されている。
アクチュエータ5を構成する可動子30は、制御基板4と厚さ方向L1に同等の厚みで形成され、制御基板4における前縁部4bに対して取り付けられている。アクチュエータ5を構成する固定子20は、可動子30と同等の厚みで形成され、可動子30に対して可動方向である第1方向L2に向かうようにケーシング3における前壁部12に取り付けられている。
なお、本実施形態では、形状記憶合金ワイヤ40の両端部が接続される接続端子41の図示を省略している。
さらに本実施形態では、制御基板4における側縁部4aとケーシング3における側壁部14との間に、可動子30を固定子20側に向けて接近させるように制御基板4を可動方向に付勢する板ばね部材(本発明に係る弾性部材)61が配置されている。
板ばね部材61は、各側縁部4aにおいて第1方向L2に間隔をあけて2つ形成されている。そのため、図示の例では、板ばね部材61は合計4つ形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、板ばね部材61の数は適宜変更して構わない。
板ばね部材61は、例えば制御基板4と同等の厚みで形成されると共に、第1方向L2に沿った幅が厚みよりも小さい板片状に形成され、一端部側がケーシング3の側壁部14に接続され、他端部側が制御基板4の側縁部4aに接続されている。そして、板ばね部材61は、弾性復元力(付勢力)を利用して制御基板4の全体を固定子20側に向けて常時付勢している。
特に、本実施形態の板ばね部材61は、可動方向である第1方向L2における弾性率が、第1方向L2に対して直交する2方向、すなわち第2方向L3及び厚さ方向L1における弾性率よりも低くなるように形成され、弾性率の違いによって制御基板4を可動方向である第1方向L2に沿って移動可能に案内する機能も果たしている。
従って、本実施形態では、第1実施形態における案内突起15、及び第2実施形態における案内部材51が不要となる。さらに、制御基板4は板ばね部材61によって厚さ方向L1に対しても位置決めされた状態で支持されている。ただし、本実施形態において、例えば第1実施形態における案内突起15、或いは第2実施形態における案内部材51をさらに具備しても構わない。
(携帯情報端末の作用)
上述のように構成された携帯情報端末60の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
それに加えて本実施形態の場合には、アクチュエータ5と制御基板4とが可動方向である第1方向L2に沿って並んでいるので、厚さ方向L1にケーシング3が厚くなることを抑制することができ、携帯情報端末60全体の薄型化を図り易い。さらに、板ばね部材61を利用して、制御基板4を可動方向である第1方向L2に沿ってがたつき少なくスムーズに移動させることができるので、指先に対して狙い通りの触感を確実に作用させ易い。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る触感提示装置の第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、基部21から可動子30側に向けて突出した突起部22を有するように固定子20が形成され、基部31から固定子20側に向けて突出した突起部32を有するように可動子30が形成されていたが、本実施形態では固定子が複数の固定ピンを有し、可動子が複数の可動ピンを有している。
図13~図16に示すように、本実施形態の携帯情報端末(本発明に係る触感提示装置)70は、複数の固定ピン81を有する固定子80と、複数の可動ピン91を有する可動子90と、を具備するアクチュエータ71を備えている。
固定子80は、可動方向である第1方向L2に平行に配置された固定プレート82と、厚さ方向L1に突出するように固定プレート82に取り付けられた複数の固定ピン81と、を備えている。
固定プレート82は、第1方向L2に沿った長さよりも第2方向L3に沿った長さの方が長い平面視長方形状に形成された板状プレートであって、ケーシング3における前壁部12のうち第2方向L3の中央部分に固定されている。この際、固定プレート82は、制御基板4よりも上方に位置するように固定されている。
固定ピン81は、円柱状に形成され、固定プレート82から下方に向けて突出するように固定プレート82に対して取り付けられている。具体的には、固定ピン81は圧入によって固定プレート82に固定されている。
ただし、固定プレート82に対する固定ピン81の取付け方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば接着等によって固定しても構わない。さらに、例えば固定プレート82を合成樹脂材料で形成し、固定ピン81を金属材料で形成する場合には、インサート成形によって固定プレート82と固定ピン81とを一体に組み合わせても構わない。
固定ピン81の先端部(下端部)は、丸みを帯びた半球状に形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、固定ピン81の先端部を平坦状に形成しても構わない。
なお、固定ピン81は、下端部が後述する可動プレート92に対して近接する長さ、或いは下端部と可動プレート92との間に僅かな隙間が確保される長さで形成されている。
上述した固定ピン81は、可動方向である第1方向L2及び厚さ方向L1に直交する直交方向である第2方向L3に一定の間隔をあけて配置されている。図示の例では、固定プレート82に対して3つの固定ピン81が取り付けられている。ただし、固定ピン81の数は、この場合に限定されるものではない。
可動子90は、可動方向である第1方向L2に平行に配置された可動プレート92と、厚さ方向L1に突出するように可動プレート92に取り付けられた複数の可動ピン91と、を備えている。
可動プレート92は、第1方向L2に沿った長さよりも第2方向L3に沿った長さの方が長い平面視長方形状に形成された板状プレートであって、制御基板4における前縁部4bのうち第2方向L3の中央部分に固定されている。従って、可動プレート92は、固定プレート82よりも下方に配置され、且つ制御基板4に対して第1方向L2に並ぶように配置されている。また、可動プレート92は、少なくとも一部分が固定プレート82に対して厚さ方向L1に向かい合うように配置されている。
可動ピン91は、円柱状に形成され、可動プレート92から上方に向けて突出するように可動プレート92に対して取り付けられている。具体的には、可動ピン91は圧入によって可動プレート92に固定されている。
ただし、可動プレート92に対する可動ピン91の取付け方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば接着等によって固定しても構わない。さらに、例えば可動プレート92を合成樹脂材料で形成し、可動ピン91を金属材料で形成する場合には、インサート成形によって可動プレート92と可動ピン91とを一体に組み合わせても構わない。
可動ピン91の上端部(先端部)は、丸みを帯びた半球状に形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、可動ピン91の先端部を平坦状に形成しても構わない。
なお、可動ピン91は、上端部が固定プレート82に対して近接する長さ、或いは上端部と固定プレート82との間に僅かな隙間が確保される長さで形成されている。
上述した可動ピン91は、可動方向である第1方向L2及び厚さ方向L1に直交する直交方向である第2方向L3に一定の間隔をあけて配置されている。図示の例では、可動プレート92に対して4つの可動ピン91が取り付けられている。ただし、可動ピン91の数は、この場合に限定されるものではない。
上述した複数の固定ピン81間の間隔と、複数の可動ピン91間の間隔とは、同じ間隔(ピッチ)とされている。さらに、固定ピン81の長さと可動ピン91の長さとは同等とされている。これにより、固定ピン81及び可動ピン91は、第2方向L3に沿って一定の間隔をあけて交互に配列されている。
なお、固定ピン81及び可動ピン91の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば形状記憶合金ワイヤ40の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。具体的には、固定ピン81及び可動ピン91は、アルミニウム材料で形成され、その表面にはアルマイト処理等によって絶縁膜となる陽極酸化膜が形成されている。
ただし、固定ピン81及び可動ピン91を、アルミニウム以外の金属材料、例えば真鍮等で形成しても構わないし、合成樹脂材料で形成しても構わない。
なお、本実施形態の固定ピン81及び可動ピン91は、形状記憶合金ワイヤ40に対して接触するように配置されて、該形状記憶合金ワイヤ40を放熱させる放熱体(本発明に係る熱伝動体)としても機能する。
上述のように構成された固定子80及び可動子90に対して、形状記憶合金ワイヤ40は、固定ピン81及び可動ピン91に対して交互に接触しながら、固定ピン81及び可動ピン91の間を縫うように第2方向L3に波状(ジグザグ状)に配置されている。これにより、形状記憶合金ワイヤ40は、固定ピン81と可動ピン91との間に波状に挟み込まれている。
なお、形状記憶合金ワイヤ40の両端部は、可動プレート92に取り付けられた接続端子41に接続されている。接続端子41は、図示しない配線部を介して制御基板4における図示しない回路パターンに導通している。
(携帯情報端末の作用)
上述のように構成された携帯情報端末70の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
すなわち、形状記憶合金ワイヤ40が固定ピン81と可動ピン91との間に波状に挟み込まれているので、形状記憶合金ワイヤ40が伸縮することで、固定ピン81と可動ピン91との間隔を第1方向L2に変化させることができる。これにより、形状記憶合金ワイヤ40の伸縮を利用して、可動子90が取り付けられている制御基板4を第1方向L2に瞬間的に変位させることができる。従って、タッチパネル2に触れた指先に対してクリック感を与えるような触感を作用させることができる。
このように、固定ピン81及び可動ピン91を利用するアクチュエータ71の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
なお、固定ピン81の下端部及び可動ピン91の上端部は共に丸みを帯びて形成されているうえ、固定ピン81と可動プレート92との間、及び可動ピン91と固定プレート82との間は近接或いは僅かな隙間が確保されている。そのため、固定ピン81及び可動ピン91を利用する場合であっても、可動子90及び制御基板4の移動が阻害されることなく、制御基板4のスムーズな移動を可能とすることができる。
特に、本実施形態の場合には、固定プレート82に固定ピン81を取り付けることで固定子80を構成しているので、少なくとも固定ピン81が絶縁性及び所定の熱導電率を具備すれば良く、固定子80を簡便に構成することが可能である。従って、固定子80を低コストで製造することができる。
例えば、中実のアルミニウムの棒材を所定の外径に仕上げた後、所定の長さで切断し、丸みを帯びるように先端部を加工することで、固定ピン81として利用することができる。そのため、低コストで固定子80を製造することが可能となる。
それに加え、固定プレート82を、固定ピン81とは異なる材料、例えば合成樹脂材料等で形成することが可能となるので、材料選択の自由度を向上でき、さらなる低コスト化を図り易い。
なお、可動子90についても可動ピン91を具備しているので、上述した固定子80と同様の作用効果を奏功することができる。
なお、上記第4実施形態では、固定プレート82を制御基板4よりも上方に配置して、固定ピン81を下方に向けて突出するように形成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、固定プレート82を制御基板4よりも下方に配置して、固定ピン81を上方に向けて突出するように形成しても構わない。この場合には、可動ピン91を、可動プレート92から下方に向けて突出するように形成すれば良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば上記各実施形態では、触感提示装置をスマートフォン等の携帯情報端末に適用した場合に例に挙げて説明したが、例えば図17に示すように、スマートウォッチ100に適用しても構わない。さらに、携帯情報端末に限定されるものではなく、例えば車載用カーナビゲーションシステム等でも良く、タッチ時に指先に対して物理的な操作触感を疑似的に作用させる各種の電子機器等に適用しても構わない。
さらに上記各実施形態では、アクチュエータの一例として形状記憶合金ワイヤを用いた場合を説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば圧電素子を利用した圧電アクチュエータや、ソレノイド型の電磁アクチュエータや、ボイスコイル型の電磁アクチュエータ(例えばリニアモータ)等であっても構わない。
さらに上記各実施形態では、可動基板の一例として制御基板を説明したが、この場合に限定されるものではなく、所定の重量を有する専用の可動基板であっても構わない。
ただし、各実施形態のように、制御基板を利用することで構成の簡略化を図ることができるので、好ましい。特にこの場合において、例えば制御基板に二次電池等の電源部を一体的に組み合わせ、電源部及び制御基板を含めた可動対象全体の重量を重くすることが好ましい。このようにすることで、より明瞭な触感を指先に対して作用させることが可能となる。
さらに上記各実施形態では、制御基板を該制御基板の面内に沿った第1方向に移動(変位)させた場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、制御基板の厚さ方向に対して移動(変位)させても構わない。
L2…第1方向(可動方向)
L3…第2方向(直交方向)
1、50、60、70…携帯情報端末(触感提示装置)
2…タッチパネル(操作パネル)
3…ケーシング
4…制御基板(可動基板)
5、71…アクチュエータ
15…案内突起(案内部材)
20…固定子、熱伝動体
30…可動子、熱伝動体
40…形状記憶合金ワイヤ
45…コイルばね(弾性部材)
46…表示パネル
47…制御部
51…案内部材
57、61…板ばね部材(弾性部材)
80…固定子
90…可動子
81…固定ピン、熱伝動体
91…可動ピン、熱伝動体
100…スマートウォッチ(触感提示装置)

Claims (9)

  1. 指先で操作される操作パネルを有するケーシングと、
    前記ケーシング内に収容されると共に可動方向に沿って移動可能とされた可動基板と、
    前記ケーシングと前記可動基板との間に設けられ、前記ケーシングに対して前記可動基板を前記可動方向に瞬間的に変位させるアクチュエータと、を備え、
    前記アクチュエータは、前記可動基板の変位に基づいて前記ケーシングに慣性力を作用させ
    前記アクチュエータは、
    前記ケーシングに取り付けられた固定子と、
    前記可動基板に取り付けられた可動子と、
    前記固定子と前記可動子との間に配置され、温度に応じて長さが変化する形状記憶合金ワイヤと、を備え、
    前記形状記憶合金ワイヤは、通電加熱に伴う伸縮によって前記可動子と前記固定子との間隔を変化させ、
    前記ケーシングと前記可動基板との間には、前記可動子を前記固定子側に向けて接近させるように、前記可動基板を前記可動方向に沿って付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする触感提示装置。
  2. 請求項に記載の触感提示装置において、
    前記アクチュエータは、前記形状記憶合金ワイヤに接触するように配置された熱伝動体を備え
    前記固定子及び前記可動子は、前記熱伝動体として機能する、触感提示装置。
  3. 請求項又はに記載の触感提示装置において、
    前記形状記憶合金ワイヤは、前記可動基板に対して電気的接続されている、触感提示装置。
  4. 請求項に記載の触感提示装置において、
    前記弾性部材は、前記可動方向における弾性率が、前記可動方向に対して直交する2方向における弾性率よりも低くなるように形成され、弾性率の違いによって前記可動基板を前記可動方向に沿って移動可能に案内する、触感提示装置。
  5. 請求項からのいずれか1項に記載の触感提示装置において、
    前記固定子は、前記可動方向に沿って配置された固定プレート、及び前記可動基板の厚さ方向に突出するように前記固定プレートに取り付けられた複数の固定ピンを備え、
    前記可動子は、前記可動方向に沿って配置されると共に、少なくとも一部分が前記固定プレートに対して前記可動基板の厚さ方向に向かい合うように配置された可動プレート、及び前記可動基板の厚さ方向に突出するように前記可動プレートに取り付けられた複数の可動ピンを備え、
    複数の前記固定ピン及び複数の前記可動ピンは、前記可動方向及び前記厚さ方向に対して直交する直交方向に沿って、一定の間隔をあけて交互に並ぶように配列され、
    前記形状記憶合金ワイヤは、前記固定ピン及び前記可動ピンに対して交互に接触しながら前記直交方向に波状に配置されることで、前記固定ピンと前記可動ピンとの間に挟み込まれている、触感提示装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の触感提示装置において、
    前記ケーシング内には、前記可動基板を前記可動方向に移動可能に案内する案内部材が設けられている、触感提示装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の触感提示装置において、
    前記アクチュエータの少なくとも一部は、前記可動基板に対して該可動基板の厚さ方向に重なるように配置され、
    前記可動方向は、前記可動基板の面内に平行な方向とされている、触感提示装置。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の触感提示装置において、
    前記アクチュエータと前記可動基板とは、前記可動方向に並ぶように配置され、
    前記可動方向は、前記可動基板の面内に平行な方向とされている、触感提示装置。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の触感提示装置において、
    前記ケーシングに設けられ、前記操作パネルを通じて情報を表示する表示パネルと、
    前記可動基板に実装され、前記操作パネルの操作に応じて前記表示パネルの表示を制御する制御部と、を備える、触感提示装置。
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