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JP7325249B2 - 固体撮像素子及び撮像装置 - Google Patents
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JP7325249B2 - 固体撮像素子及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体組織測定用センサに好適な固体撮像素子、及び生体組織測定や観察に有用な撮像装置に関する。
生化学、生物学、医学等の分野において、生体細胞、タンパク等の各種生体組織の光学的な現象を観察するバイオイメージング技術が注目されている。観察方法の1つとしてインビトロ(in vitro)による蛍光バイオイメージングが知られている。
図6における点線L2に囲まれた図に示すように、半導体基板1B上に設けられたフォトダイオード101Bを含む固体撮像素子100Bの表面を被覆する膜102B上に、生体から採取した細胞等の測定試料3を直接載せる。光源2が測定試料3に対して上から励起光パルスEXを照射する。これにより、固体撮像素子100B内のフォトダイオード101Bは、膜102Bを介して、測定試料3から発する蛍光FLを検出する。
図6に示す蛍光測定では、単純に測定試料3に励起光パルスEXを入射させているため、通常では、図6における点線L1に囲まれた図のように、測定試料3を透過した励起光パルスEX1と蛍光FLとが混在する。蛍光FLのみをフォトダイオード101Bに入射させるためには、測定材料3を透過した励起光パルスEX1と蛍光FLとを分離する必要がある。
一般に、励起光パルスEXの波長は、蛍光FLの波長とは異なり、さらに蛍光FLの波長は、励起光パルスEXの波長に比べて長いことが多い。このため、図6における点線L2に囲まれた図のように、蛍光FLの波長域のみを通過させ、励起光EXの波長域を遮断する波長フィルタとして膜102Bを設けることがある。
しかしながら、蛍光FLの波長域をほとんど減衰させずに通過させ、かつ、励起光パルスEXの減衰が大きい波長フィルタの膜102Bを半導体基板1B上に設けることは、製造工程が複雑である。このため、固体撮像素子100Bの製造は、容易ではない。また、波長フィルタの膜102Bの形成は、減衰させる励起光パルスEXの波長範囲と、通過させる蛍光FLの波長範囲と、が制限されるため、様々な励起光パルスEXの波長と蛍光FLの波長とを組み合わせて評価することは難しく、汎用性に欠ける。
そこで、図7に示す特許文献1に記載の蛍光測定では、半導体基板1C内のフォトダイオード201上に形成する開口部について、半導体基板1Cに設けられた金属配線層202,203及び層間絶縁膜204を少しずつ水平方向にずらす。これにより、開口方向が垂直線から所定角度だけ傾斜した窓開口205が、フォトダイオード201毎に形成されている。
この場合、垂直に入射される励起光パルスEXは、金属配線層202により遮断されてフォトダイオード201に到達しない。窓開口205上にある測定試料3の蛍光FLは、励起光パルスEXの入射方向に寄らず発光するため、窓開口205の開口方向に沿ってフォトダイオード201に到達する。これにより、励起光パルスEXと蛍光FLとが分離される。
図8は、微弱な蛍光FLの強度や蛍光寿命を評価するために、フォトダイオード201にシングルフォトンアバランシェダイオード301(以下、SPAD301と記載)を利用した構成を示す。図8における点線L3に囲まれた図に示すように、SPAD301にアバランシェ増倍が発生するような大きな電圧(Vbd+ΔV、ここでVbdは衝突電離を起こし始める電圧、ΔVはさらに掛ける超過電圧とする)を与えておく。これにより、単一光子の入射によってアバランシェ増倍を起こし、SPAD301に大電流が流れる。
SPAD301に接続される負荷302に電流が流れると、SPAD301に掛かる電圧が下がってVbdに達する。これにより、アバランシェ増倍は停止するが、負荷302によって放電され、SPAD301に掛かる電圧は、初期電圧のVbd+ΔVに再び戻る。この一連の動作信号を画素回路303等で整形することで、単一光子の到来時間を開始点とする電気パルスを計測すると、蛍光は、励起光を照射された後、時間遅延して発光する。
蛍光による単一光子を検出するまでのタイミングを励起光パルスEX毎に計測し、その時間と回数とをヒストグラムに表示させることで、図8における点線L4に囲まれた図に示す時間毎の蛍光減衰曲線を得ることができる。また、時定数を計算することで蛍光寿命を計算することができる。例えば、励起光パルスEXとSPAD301とを同期させて計測を行うことで、蛍光による単一光子の各到来時間に対する到達回数を評価することができる。
特開2007-207789号公報
しかしながら、SPADの構造によっては、単一光子が入射する位置により、単一光子の入射からアバランシェ増倍を起こすまでの時間が一様ではないことが知られている。図9に、SPAD301の断面構造と、単一光子302A,302Bが入射したときの一動作例を示す。単一光子302Aが、SPAD301のカソード304付近に入射した場合、空乏層305の領域からカソード304までの距離が小さいため、アバランシェ増倍が瞬時に起こって増倍電流306が瞬時に発生する。
単一光子302Bが、SPAD301の中央付近に入射した場合、空乏層305の領域が大きくなるまでに時間が掛かることで、単一光子302Bが、中間層307に一時的に吸収され、経路308のような迷走経路を辿る。これにより、単一光子302Bは、時間遅延した後にアバランシェ増倍を起こし、増倍電流309が発生する。
このため、後述の第1タイミングと第2タイミングとが重なると、蛍光信号(=S)と励起光信号(=N)とからなるS/Nの区別をすることができなくなる。第1タイミングとは、励起光パルスEXによる単一光子302Bが時間遅延してアバランシェ増倍するとともに、増倍電流309が発生するタイミングである。第2タイミングとは、例えば、測定試料3に励起光パルスEXが入射されることで蛍光FLが発生し、蛍光FLによる単一光子がSPAD301に入射してアバランシェ増倍するタイミングである。
また、同じタイミングで発生した蛍光FLでも、単一光子302A,302Bと同様に、SPAD301への入射位置のバラつきにより、アバランシェ増倍する時間がバラつくと、蛍光減衰曲線の評価結果に影響が出る。特許文献1に記載の構造は、励起光と蛍光との直接的な分離を目的にしている。しかし、測定試料によって反射された励起光が入射されると、蛍光によるアバランシェ増倍を起こしたものと、反射された励起光が入射し、かつ、迷走した後にアバランシェ増倍を起こしたものと、の判別をすることができない。
本発明の一態様は、設計上対応が容易な方法で固体撮像素子を実現し、垂直上方向から入射する励起光を遮断しつつ、測定試料から放出された蛍光を選択的に検出することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像素子は、半導体基板上に設けられた光電変換部と、前記半導体基板の上面から見て、前記光電変換部の表面を被覆するように設けられた第1の遮光層及び第2の遮光層と、を有し、前記第1の遮光層は、前記光電変換部の面積よりも小さい面積で前記光電変換部の上面に形成されることで前記光電変換部の表面の一部を被覆し、前記第2の遮光層は、前記第1の遮光層とは離れて配置されており、前記第2の遮光層に窓開口が形成されていることにより、前記第2の遮光層は、前記半導体基板の上面から見て、前記光電変換部の表面のうち前記第1の遮光層によって被覆される部分以外の部分を被覆することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、設計上対応が容易な方法で固体撮像素子を実現することができ、垂直上方向から入射する励起光を遮断しつつ、測定試料から放出された蛍光を選択的に検出することができる。
本発明の実施形態に係る固体撮像素子を備える撮像装置の概略構成を示す図である。 図1に示す固体撮像素子において、蛍光がSPADに入射する範囲を示す図である。 図1に示す撮像装置の変形例としての撮像装置を示す概略断面図である。 図1に示す固体撮像素子に関して、半導体基板に画素を複数形成するとともに、窓開口が形成された固体撮像素子上に、測定試料を載せた場合の全体構成図である。 図1に示す固体撮像素子に関して、撮像装置を利用した場合の測定方法を示す概略断面図である。 従来の固体撮像素子を示す概略断面図である。 特許文献1に記載の従来技術を示す概略断面図である。 従来技術としてフォトダイオードを利用した構成と、蛍光減衰曲線と、を示す図である。 SPADの断面構造と、単一光子が入射したときの一動作例を示す図である。
〔実施形態〕
(撮像装置10の構成)
以下、本発明に係る固体撮像素子100の一実施例である、半導体基板1上に設けられたSPAD11(SPAD:シングルフォトンアバランシェダイオード)と、SPAD11を用いた撮像装置10と、について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る固体撮像素子100を備える撮像装置10の概略構成を示す図である。図1におけるP1で示された図は、撮像装置10における1画素上に、主として細胞等の生体分子である測定試料3(撮像対象物)を載せた場合の概略断面図である。測定試料3は、固体撮像素子100の上面に配置される。
図1におけるP2で示された図は、撮像装置10における1画素上に測定試料3を載せていない場合の概略上面図である。撮像装置10の垂直上方に設置された光源2(光照射手段)より励起光パルスEXを測定試料3に入射する。換言すると、光源2は、測定試料3に窓開口15の開口方向の垂直上より光を照射する。これにより、測定試料3の蛍光FLの特性を測定する。撮像装置10は、固体撮像素子100を利用した装置である。光源2は、例えばレーザである。
本実施例の撮像装置10は、光源2と、固体撮像素子100と、を備えている。固体撮像素子100は、半導体基板1上に、SPAD11(光電変換部)と、第1の金属配線層121(第1の遮光層)と、第2の金属配線層14(第2の遮光層)と、を備えている。撮像装置10は、固体撮像素子100として、半導体基板1上に設けられたSPAD11の上面に、最下層(最下位層)の金属配線層(SPAD11に最も近い金属配線層)で形成される第1の金属配線層121が形成される。
第1の金属配線層121は、半導体基板1における励起光パルスEXの入射側とは反対側の表面に最も近い金属配線層である。第1の金属配線層121は、SPAD11の面積S1よりも小さい面積S2でSPAD11の上面に形成されることでSPAD11の一部を被覆する。つまり、第1の金属配線層121の面積S2は、SPAD11の面積S1より小さい。面積S1及び面積S2は、それぞれ、励起光パルスEXの入射側から固体撮像素子100を見た場合の面積である。
第1の金属配線層121によって遮光されていないSPAD11の端の部分は、第2の金属配線層14によって遮光される。つまり、第2の金属配線層14は、第1の金属配線層121の端を起点に、第1の金属配線層121とは異なる層で、窓開口15とSPAD11との残りの面積を遮光するように形成される。これにより、第1の金属配線層121及び第2の金属配線層14によって、直上から見て少なくともSPAD11の全体が被覆される。
この場合、垂直上方より入射される励起光パルスEXは、第1の金属配線層121と第2の金属配線層14との組み合わせにより遮光されるため、直接的にはSPAD11に到達しない。つまり、第1の金属配線層121及び第2の金属配線層14は、半導体基板1の上面から見て、SPAD11の表層を被覆するように設けられている。
しかしながら、窓開口15上にある測定試料3からの蛍光FLは、励起光パルスEXの入射方向に寄らず発光する。このため、第1の金属配線層121及び第2の金属配線層14の面積や位置が、それぞれの深さ方向に応じて適切に決定されることで、蛍光FLは、蛍光FLの入射角度によってSPAD11のガードリング層16への接続付近(範囲17)のみに入射する。ガードリング層16は、保護膜やカソードとしての層である。
よって、励起光パルスEXと蛍光FLとの直接的な分離を行いつつ、光電変換部としてのSPAD11の中心付近には、励起光パルスEX及び蛍光FLによる単一光子が入射されない。このため、単一光子が入射されてからアバランシェ増倍するまでの、入射位置による時間のバラつきが抑制される。このため、蛍光信号(=S)と励起光信号(=N)とからなるS/Nの区別をしやすくすることができる。
(蛍光FLがSPAD11に入射する範囲について)
図2は、図1に示す固体撮像素子100において、蛍光FLがSPAD11に入射する範囲を示す図である。範囲ALは、図2における点線L5で囲まれた図に示すように、SPAD11の左端に届く蛍光FLの範囲であり、範囲ARは、図2における点線L6で囲まれた図に示すように、SPAD11の右端に届く蛍光FLの範囲である。範囲ALと範囲ARとからなる領域は、蛍光FLがSPAD11に入射する範囲に対する総範囲となる。
ここで、特徴的なことは、第2の金属配線層14に形成された窓開口15の開口面積と同じ面積で第1の金属配線層121が形成されていることである。つまり、第1の金属配線層121の面積は、窓開口15の開口面積と同じである。これらの面積は、それぞれ、励起光パルスEXの入射側から固体撮像素子100を見た場合の面積である。なお、第1の金属配線層121や第2の金属配線層14の金属の縁端部等に当たって反射・散乱した光がSPAD11に入射することはあり得るが、そのときのSPAD11への入射光の強度は、垂直入射する元の励起光パルスEXの強度に比べて格段に小さい。
第2の金属配線層14は、半導体基板1の上面に最も近い最上位層で形成された金属配線層で形成されている。つまり、第2の金属配線層14は、半導体基板1における励起光パルスEXの入射側の表面に最も近い金属配線層である。また、第2の金属配線層14は、実質的にほぼベタパターンの接地電位(GND)または電源として利用されている。
前述した通り、第1の金属配線層121は、最下層であり、第2の金属配線層14は、最上位層である。この構成によれば、誘電体膜の形成のような特別なプロセスを追加することなく、同一半導体プロセス上で固体撮像素子100を構成することができる。このため、励起光パルスEXと蛍光FLとの分離や、単一光子が例えばSPAD11に入射する位置によるアバランシェ増倍までの時間のバラつきを抑制することができる。
窓開口15以外から光が入射しないように、半導体基板1に設けられた金属配線層12及び層間絶縁膜13で遮光する。多層の金属配線層12は、層間絶縁膜13を挟んで設けられている。複数の層間絶縁膜13も、金属配線層12を挟んで設けられている。第1の金属配線層121は、アノード端子A1としてSPAD11の中央位置に接続することで、金属配線の配置の複雑さが解消される。測定試料3が細胞のような微小分子である場合、窓開口15上に測定試料3を固定することで詳細な評価をすることができる。
(変形例)
図3は、図1に示す撮像装置10の変形例としての撮像装置10Aを示す概略断面図である。撮像装置10Aは、固体撮像素子100Aを備え、固体撮像素子100Aは、固体撮像素子100と比べて、誘電泳動電極20を備えている点が異なる。図3に示すように、半導体基板1には、第2の金属配線層14と同じ金属配線層で形成された誘電泳動電極20が形成されている。つまり、誘電泳動電極20の材質は、第2の金属配線層14の材質と同じである。
誘電泳動電極20は、第1の金属配線層121の上方に形成されている。誘電泳動電極20の近傍に測定試料3が存在した場合、誘電泳動電極20に与える各周波数ωの繰り返し信号によって、液体21中の測定試料3に及ぼされる誘電泳動力は、以下の式(1)で表される。
Figure 0007325249000001
なお、前記の式(1)においては、液体21の複素誘電率をε =ε-jσ/ω、測定試料3の複素誘電率をε =ε-jσ/ω、測定試料3の半径をr、繰り返し信号によって発生する電界強度の実効値をERMSとする。また、誘電泳動力を以下の(2)に示す通りとする。
Figure 0007325249000002
前記の式(1)中のRe[(ε -ε )/(ε +2ε )]が正である場合、測定試料3から誘電泳動電極20に対し、電界強度が強い方向へ向かう力(正の誘電泳動力)が働く。このため、窓開口15内にある誘電泳動電極20上に測定試料3を留めることができる。窓開口15上に留めた測定試料3から発光する蛍光FLをSPAD11にて評価し、細胞の特性を把握する。つまり、半導体基板1に誘電泳動電極20を形成することにより、細胞等の測定試料3を窓開口15の上方にトラップすることができるため、細胞の蛍光寿命等を定量的に評価することができる。
(撮像装置10における1画素が複数構成される場合)
次に、上記1画素が複数構成され、窓開口15付近で発光した蛍光FLのみを受光する固体撮像素子100と、固体撮像素子100を用いた蛍光の撮像装置10の測定方法と、について例を挙げて説明する。図4は、図1に示す固体撮像素子100に関して、半導体基板1に画素を複数形成するとともに、窓開口15が形成された固体撮像素子100上に、測定試料3を載せた場合の全体構成図である。図5は、図1に示す固体撮像素子100に関して、撮像装置10を利用した場合の測定方法を示す概略断面図である。
図5に示すように、SPAD11は複数存在し、第2の金属配線層14には、第1の金属配線層121の垂直上において、窓開口15がSPAD11毎に形成される。前記構成によれば、窓開口15の上方に複数の測定試料3をそれぞれ配置することにより、複数の測定試料3に対して評価をすることができる。このため、測定試料3の評価の作業を効率的に進めることができる。
撮像装置10は、例えば、測定試料3a,3b,3cの蛍光イメージングをオンチップで行うものであり、図4に示すように、半導体基板1上に測定試料3a,3b,3cが積載される。測定試料3a,3b,3cの直上には、測定試料3a,3b,3cに励起光を照射するための光源2が配置されている。
SPAD11による検出信号は、図示しない画像データ処理部に送られ、該画像データ処理部で所定の画像処理が実行される。その結果、撮像装置10は、画像を得るものとする。つまり、撮像装置10は、光源2による照射光に応じて測定試料3a,3b,3cから放出された反射光、散乱光または蛍光を、窓開口15を通してSPAD11の端に導入して検出する。前記構成によれば、撮像装置10は、適切な方向から測定試料3a,3b,3cに光を照射し、SPAD11に対して適切に光を導入する。これにより、撮像装置10は、画像処理を適切に行うことができ、測定試料3a,3b,3cに対して評価を正確に行うことができる。
図5に示すように、半導体基板1の表層に複数形成されたSPAD11のそれぞれの上に窓開口15が形成される。すなわち、全てのSPAD11の上に形成される各窓開口15の開口面積は、互いに同一であり、複数の窓開口15のそれぞれから蛍光FLの入射が行われる。ガードリング層16上に積載された測定試料3a,3b,3cに対し、上方から真下に向かって平行性の高い励起光パルスEXが照射される。
測定試料3a,3b,3cが励起光パルスEXを受けることで、測定試料3a,3b,3cからはほぼ全方向に蛍光FLが放出される。このため、測定試料3a,3b,3cにおいて蛍光FLが発する位置により、蛍光FLは、複数存在する窓開口15を通過して、各SPAD11に到達する。一方、励起光パルスEXは、その一部が測定試料3a,3b,3cに吸収される。
励起光パルスEXの残りのほとんどは、測定試料3a,3b,3cを透過するが、第1の金属配線層121及び第2の金属配線層14により遮断される。このため、SPAD11は、励起光パルスEXの影響をほとんど受けずに、測定試料3a,3b,3cより放出される蛍光FLのみに対応した検出信号を出力する。撮像装置10は、この検出信号に基づいて蛍光信号を測定する。
上記のような励起光パルスEXの遮断と蛍光FLの受光とは、これらの方向性の相違のみを利用している。パルス光や連続波からなる励起光と、その蛍光の波長が重なる場合や場合によって異なる波長の励起光と、を交互に入射しても問題がない。窓開口15を通して、垂直上方から入射される励起光が測定試料3a,3b,3cを直接的に透過しない構成や、SPAD11の中心部に単一光子が入射しないような構成であればよい。さらに、SPAD11は、ガードリング層16付近の感度がより高くなるような注入濃度で形成されることで、単一光子をより効率的に受光できるようにしてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る固体撮像素子は、半導体基板上に設けられた光電変換部と、前記半導体基板の上面から見て、前記光電変換部の表層を被覆するように設けられた第1の遮光層及び第2の遮光層と、を有し、前記第1の遮光層は、前記光電変換部の面積よりも小さい面積で前記光電変換部の上面に形成されることで前記光電変換部の一部を被覆し、前記第2の遮光層は、前記第1の遮光層の端を起点に、前記第1の遮光層とは異なる層で、窓開口と前記光電変換部との残りの面積を遮光するように形成されることで、少なくとも前記光電変換部の全体を被覆することを特徴とする。
前記構成によれば、励起光と蛍光との直接的な分離を行いつつ、例えば、SPADで構成される光電変換部の中心に単一光子が入射されない構成になっているため、単一光子が入射されてからアバランシェ増倍するまでの時間のバラつきが抑制される。このため、蛍光信号(=S)と励起光信号(=N)とからなるS/Nの区別をしやすくすることができる。
本発明の態様2に係る固体撮像素子は、前記態様1において、前記第1の遮光層は、前記光電変換部に最も近い金属配線層で形成されていてもよい。また、本発明の態様3に係る固体撮像素子は、前記態様1または2において、前記第2の遮光層は、前記半導体基板の上面に最も近い最上位層で形成された金属配線層で形成されていてもよい。
前記構成によれば、誘電体膜の形成のような特別なプロセスを追加することなく、同一半導体プロセス上で固体撮像素子を構成することができる。このため、励起光と蛍光との分離や、単一光子が例えばSPADに入射する位置によるアバランシェ増倍までの時間のバラつきを抑制することができる。
本発明の態様4に係る固体撮像素子は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記光電変換部は、シングルフォトンアバランシェダイオードであってもよい。
本発明の態様5に係る固体撮像素子は、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記光電変換部は複数存在し、前記光電変換部毎に前記第2の遮光層にて形成された前記窓開口が形成されていてもよい。前記構成によれば、窓開口の上方に複数の測定試料をそれぞれ配置することにより、複数の測定試料に対して評価をすることができる。このため、測定試料の評価の作業を効率的に進めることができる。
本発明の態様6に係る撮像装置は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記固体撮像素子を利用した撮像装置であって、前記第1の遮光層の上方に、前記第2の遮光層と同じ金属配線層で形成された誘電泳動電極が形成されていてもよい。前記構成によれば、細胞等の測定試料を窓開口の上方にトラップすることができるため、細胞の蛍光寿命等を定量的に評価することができる。
本発明の態様7に係る撮像装置は、前記態様6において、前記固体撮像素子の上面に撮像対象物を配置し、該撮像対象物に前記窓開口の開口方向の垂直上より光を照射する光照射手段を備え、該照射光に応じて前記撮像対象物から放出された反射光、散乱光または蛍光を、前記窓開口を通して前記光電変換部の端に導入して検出してもよい。
前記構成によれば、撮像装置は、適切な方向から撮像対象物に光を照射し、光電変換部に対して適切に光を導入する。これにより、撮像装置は、画像処理を適切に行うことができ、測定試料3に対して評価を正確に行うことができる。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 半導体基板
2 光源(光照射手段)
3、3a、3b、3c 測定試料(撮像対象物)
10、10A 撮像装置
11 SPAD(光電変換部)
14 第2の金属配線層(第2の遮光層)
15 窓開口
20 誘電泳動電極
100、100A 固体撮像素子
121 第1の金属配線層(第1の遮光層)
S1 SPADの面積
S2 第1の金属配線層の面積

Claims (7)

  1. 半導体基板上に設けられた光電変換部と、
    前記半導体基板の上面から見て、前記光電変換部の表面を被覆するように設けられた第1の遮光層及び第2の遮光層と、を有し、
    前記第1の遮光層は、前記光電変換部の面積よりも小さい面積で前記光電変換部の上面に形成されることで前記光電変換部の表面の一部を被覆し、
    前記第2の遮光層は、前記第1の遮光層とは離れて配置されており、
    前記第2の遮光層に窓開口が形成されていることにより、前記第2の遮光層は、前記半導体基板の上面から見て、前記光電変換部の表面のうち前記第1の遮光層によって被覆される部分以外の部分を被覆することを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記第1の遮光層は、前記光電変換部に最も近い金属配線層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記第2の遮光層は、前記半導体基板の上面に最も近い最上位層で形成された金属配線層で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記光電変換部は、シングルフォトンアバランシェダイオードであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  5. 前記光電変換部は複数存在し、前記光電変換部毎に前記第2の遮光層にて形成された前記窓開口が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の固体撮像素子を利用した撮像装置であって、前記第1の遮光層の上方に、前記第2の遮光層と同じ金属配線層で形成された誘電泳動電極が形成されていることを特徴とする撮像装置。
  7. 前記固体撮像素子の上面に撮像対象物を配置し、該撮像対象物に前記窓開口の開口方向の垂直上より光を照射する光照射手段を備え、該照射光に応じて前記撮像対象物から放出された反射光、散乱光または蛍光を、前記窓開口を通して前記光電変換部の端に導入して検出することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
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