JP7328353B2 - 多層吸音材 - Google Patents
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Description
しかし、ビーズ発泡成形法の発泡成形プロセスは、気泡セルが樹脂膜で隔てられた独立気泡であり、気泡の膨張に起因する発泡粒子間の相互に融着する機構によるため、通常得られる発泡体の気泡構造は基本的に独立気泡構造となるため、吸音性能に劣るのが一般的である。
一方、ビーズ発泡成形法により、発泡体内に連続した空隙構造、すなわち、連通空隙構造を設けた発泡体及びその製造方法が提案され、吸音性発泡材として使用できることも知られている。
更には、特定範囲の表面張力又はガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂を原料樹脂として選択することにより、機械強度、耐熱性、耐熱変形性、難燃性、耐溶剤性、剛性から選ばれる性能と高度の吸遮音性能とを併せ持った自立型の吸音構造材となり得ることを見出し、本発明を完成させた。
[1]
(A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層、(B’’)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
[2]
(A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層、(B’’1)厚み0.01~2.0mmの空気層、(B’)通気度が2~70cc/(cm2・sec)である繊維集合体を含む厚み(t’)0.1~4mmの層、(B’’2)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
[3]
(A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である通気性樹脂発泡体層であり、前記(A)低通気性樹脂層側と反対側の表面に複数の凹孔を有し、前記凹孔が設けられた部分以外の部分の厚み(L)が2~80mmであり、前記凹孔の深さが前記厚み(L)の30~95%であり、開口率が20~90%である通気性樹脂発泡体層、(B’’1)厚み0.01~2.0mmの空気層、(B’)通気度が2~70cc/(cm2・sec)である繊維集合体を含む厚み(t’)0.1~4mmの層、(B’’2)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
[4]
前記(B)通気性樹脂発泡体層が、凹構造部を有する樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体であり、融着した前記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の多層吸音材。
[5]
前記繊維集合体は、目つけが100~1000g/m2、平均みかけ密度が0.10~1.0g/cm3、平均繊維径が0.6~50μmであり、
厚みが3~80mmである、[2]又は[3]に記載の多層吸音材。
[6]
前記(B)通気性樹脂発泡体層は、20℃における表面張力が37~60mN/mである樹脂、又は、ガラス転移温度が-10℃以上280℃以下である樹脂を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の多層吸音材。
[7]
自立型吸音体である、[1]~[6]のいずれかに記載の多層吸音材。
本実施形態の多層吸音材の第一の態様は、(A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層、(B’’)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする。
中でも、本実施形態の多層吸音材は、吸音性能に一層優れる観点から、(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’)空気層、及び(C)低通気性樹脂層のみからなることが好ましい。
図4(A)は、本実施形態の多層吸音材の第一の態様の模式的な断面図である。
本実施形態の多層吸音材を構成する、(A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層について以下に説明する。
なお、本明細書において、(A)低通気性樹脂層の「低通気性」とは、気体を遮断又はほとんど通さない状態を意味し、通気抵抗が20kN・s/m3以上である樹脂層とする。
上記通気抵抗は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、チーグラー触媒又はメタロセン触媒等を用いて重合されたポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、プロピレン-ブテンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン3元共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリエチレン系樹脂が、それぞれ単独であるいは混合して用いられる。
上記樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、樹脂特性を制御する等の目的で、ガラス繊維、ガラス粒子、金属繊維、金属粒子、炭素繊維、炭素粒子、セルロース繊維等の無機又は有機充填材を適宜分散配合させた樹脂を用いてもよい。
更に、多層吸音材としての性能及び特徴を損なわない範囲で、(A)低通気性樹脂層の一部に積層する形で単層又は複数層の、ガラス、金属、金属酸化物等の無機材料の薄層を用いることもできる。
本実施形態の多層吸音材を構成する、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層について以下に説明する。
また、上記成形体は、樹脂発泡粒子を融合成形することにより得られる成形体であることが好ましい。
(B)通気性樹脂発泡体層の空隙率を制御する方法としては、例えば、樹脂発泡粒子の凹構造部の形状を調整すること等が挙げられ、樹脂発泡粒子の凹構造部の深さを深くする程、空隙率は高くなる傾向にあり、樹脂発泡粒子の凹構造部の深さを浅くする程、空隙率は低くなる傾向にある。また、成形時の粒子相互の融着を低下させない範囲で成形時の粒子の膨張率を制御する方法も可能である。
上記空隙率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本明細書において、「連続した空隙部」とは、融着している樹脂発泡粒子間に相互に連続した空隙部が形成された結果として、成形体の相対する2面間(2表面間)に連続した空隙が生じ、流体が流動可能な状態となっていることを意味する。本実施形態の成形体は、少なくとも一方向に連続した空隙部を有することが好ましく、厚み方向に連続した空隙部を有することが好ましい。
本実施形態において、連続した空隙部としては、厚み10mmの(B)通気性樹脂発泡体層の試料を用いて、国際規格ISO9053に規定されているAC法により測定される厚み方向に測定した単位長さ流れ抵抗が、1,000,000N・s/m4以下であることが好ましく、より好ましくは500,000N・s/m4以下、更に好ましくは200,000N・s/m4以下である。
(B)通気性樹脂発泡体層を構成する樹脂発泡粒子は、上述の空隙部を形成することが可能であれば特に限定されず、下記の凹構造部を持つ樹脂発泡粒子(少なくとも一方の方向から見た外形において、凹形状部を有する樹脂発泡粒子)であっても、楕円球状、円柱状、多角柱状等の樹脂発泡粒子として一般的な形状の粒子であってもよいが、凹構造部を有する樹脂発泡粒子が好ましい。
本実施形態において、凹構造部を持つ樹脂発泡粒子と、凹構造部を持たない楕円球状、円柱状、多角柱状等の樹脂発泡粒子として一般的な形状の粒子とを任意の比率で混合使用して成形体を製造することにより、所望の吸音性能、機械的強度のバランスを調整することができる。
なお、本明細書において凹構造部を有するとは、樹脂発泡粒子の正射影像が凹図形となる正射影像が得られる方向が存在することを意味する。また、本明細書において凹図形とは、凹図形となる正射影像図形の外表面上の2点間を結んだ線分の少なくとも一部(好ましくは全線分)が樹脂発泡粒子の外部領域を通る線分となる2点を選ぶことが可能であることを言う。凹図形の例を図1に示す。
また、上記凹構造部は、発泡時に形成される発泡気泡と異なる構造である。
上記凹構造部は、上記樹脂発泡粒子の表面を連結する一個又は複数個の貫通孔であってもよいし、粒子を貫通しない一個又は複数個の凹部であってもよいし、一個又は複数個の貫通孔及び一個又は複数個の凹部が混在していてもよい。ここで、貫通孔とは、樹脂発泡粒子外表面に形成された2つの穴を結ぶ空洞であってよく、該空洞が映る正射影像において、該空洞が樹脂発泡粒子に囲まれている正射影像(空洞が樹脂発泡粒子内に孤立した空洞を形成する正射影像)が得られる構造としてよい。
上記溝状凹部としては、例えば、中空の略円の一部を切り取った形状(C形状、U形状等)の断面(図1)を重ねた形状(図2(a)(b))、中空の略多角形(三角形、四角形等)の一部を切り取った断面(図1)を重ねた形状等が挙げられる。ここで、上記中空の略円及び中空の略多角形における中空とは、略円であってもよいし、略多角形であってもよいが、中空を囲む形状と同一形状であることが好ましい。また、上記中空の形状の中心と、上記中空を囲む形状の中心とが重なる形状(例えば、同心円等)ことが好ましい。
樹脂の密度ρ0とは、発泡前の原料樹脂の密度であり、水没法により重計を使用して測定される密度である。
本明細書においてρ0、ρ1、ρ2はすべて、20℃、0.10MPaの環境下において測定し得られた値を意味するものとする。
なお、本実施形態の樹脂発泡粒子の形状は、特に限定されず、様々な形状としてよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリα-メチルスチレン、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリフェニレンオキサイドとポリスチレンとのブレンド又はグラフトポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンターポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、ハイインパクトポリスチレン等のスチレン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー、後塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン又はプロピレンと塩化ビニルのコポリマー等の塩化ビニル系重合体、ポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂、ナイロン-6、ナイロン-6,6、単独及び共重合ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、単独及び共重合ポリエステル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(フェニレンエーテル-ポリスチレンアロイ樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メタクリルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
樹脂の表面張力は、JISK6768「プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法」記載の方法において温度を20℃に変更した方法により測定される値を用いる。
樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠してDSC法により測定される値を用いる。すなわち、温度23±2℃及び相対湿度50±5%において24時間以上状態調節後、試験片をDSC装置の容器に入れ、非結晶性の場合にはガラス転移終了時より少なくとも約30℃高い温度まで、結晶性の場合には融解ピーク終了時より少なくとも約30℃高い温度まで加熱し、それぞれの温度に10分間保った後、ガラス転移温度より約50℃低い温度まで急冷する。加熱速度は、あらかじめ転移温度より約50℃低い温度で装置が安定するまで保持した後、加熱速度毎分20℃で転移終了時よりも約30℃高い温度まで加熱し、DSC曲線を描かせる。
中でも、耐熱性、耐薬品、耐溶剤性に優れ、高耐熱発泡構造材料用途に適した樹脂としてポリアミド樹脂、耐熱性、高温剛性に優れた樹脂としては、変性ポリエーテル樹脂(フェニレンエーテル-ポリスチレンアロイ樹脂)が挙げられる。
なお、樹脂のガラス転移温度とは、樹脂発泡粒子を構成する全ての樹脂の混合樹脂のガラス転移温度としてよく、樹脂発泡粒子を構成する全ての樹脂のうち少なくとも一つの樹脂のガラス転移温度が上記範囲を満たすことが好ましく、全ての樹脂のガラス転移温度が上記範囲を満たすことがより好ましい。
本実施形態の多層吸音材を構成する、(B’’)厚み0.01~2.0mmの空気層について以下に説明する。
(B’’)空気層は、(B)通気性樹脂発泡体層と(C)低通気性樹脂層との間に形成される隙間層である。
(B’’)空気層は、例えば、(B)通気性樹脂発泡体層と(C)低通気性樹脂層とを部分的に接着することにより形成することができる。両層が部分的に接着した状態としては、特に限定されず、両層が複数の点で接着した状態や、両層の端縁のみが接着した状態等が挙げられる。
また、(B’’)空気層は、(B)通気性樹脂発泡体層と(C)低通気性樹脂層とを単に重ね合わせることにより形成されてもよい。この場合、両層の間に(B’’)空気層が形成されるように、両層を所定のフレーム(枠)に嵌め込み、少なくとも端部を固定する方法等が挙げられる。
上記のように定義される(B’’)空気層の厚みは、吸音性と形状安定性との両立の観点から、0.01~2.0mmであり、0.03~0.8mmであることが好ましく、0.05~0.5mmであることがより好ましい。
本実施形態の多層吸音材を構成する、(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層について以下に説明する。
なお、本明細書において、(C)低通気性樹脂層の「低通気性」とは、気体を遮断又はほとんど通さない状態を意味する。
(C)低通気性樹脂層の通気抵抗を制御する方法として、例えば、(C)低通気性樹脂層に貫通孔を設けることが挙げられ、貫通孔の直径を大きくする程、また、貫通孔の数を増やす程、通気抵抗を低減することができる。また、通気抵抗を増加させる方法としては、樹脂層の欠陥又は意図的に設けられた貫通孔の数を低減させる、且つ/又は、それらの大きさ(直径)を小さくすることが挙げられる。
上記通気抵抗は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、チーグラー触媒又はメタロセン触媒等を用いて重合されたポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、プロピレン-ブテンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン3元共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリエチレン系樹脂が、それぞれ単独であるいは混合して用いられる。
上記樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)低通気性樹脂層と(C)低通気性樹脂層とを、間に(B’’)空気層が形成されるように積層する手段としては、部分的に熱接着する方法の他、接着剤を介して部分的に積層一体化する方法等が挙げられるが、接着剤を用いることなく、(A)低通気性樹脂層と(C)低通気性樹脂層とを単に重ね合わせて積層してもよい。各積層方法は、上述の(A)低通気性樹脂層と(B)通気性樹脂発泡体層との積層方法と同様に行うことができる。
図5は、後述する実施例における周波数と残響室吸音率との関係を示す。
上記吸音率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
図6は、後述する実施例における周波数と音響透過損失との関係を示す。
上記透過損失は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
中でも、多層吸音材は、吸音性能に一層優れる観点から、(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’1)空気層、(B’)層、(B’’2)空気層、及び(C)低通気性樹脂層のみからなることが好ましい。
図4(B)は、本実施形態の多層吸音材の第二の態様の模式的な断面図である。
本実施形態の多層吸音材の第二の態様において、(A)低通気性樹脂層は、上述の(A)低通気性樹脂層を用いることができる。
本実施形態の多層吸音材の第二の態様において、(B)通気性樹脂発泡体層は、上述の(B)通気性樹脂発泡体層を用いることができる。
本実施形態の多層吸音材の第二の態様において、(B’’1)空気層及び(B’’2)空気層は、それぞれ上述の(B’’)空気層と同様に形成することができる。厚みの好適範囲もそれぞれ上述の範囲である。
本実施形態の多層吸音材の第二の態様において、(C)低通気性樹脂層は、上述の(C)低通気性樹脂層を用いることができる。
本実施形態の多層吸音材の第二の態様を構成する、(B’)通気度が2~70cc/(cm2・sec)である繊維集合体を含む厚み(t’)0.1~4mmの層について以下に説明する。
また、(B’)層は、上記繊維集合体以外に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、染料、顔料等の着色剤、可塑剤、滑剤、結晶化核剤、タルク、炭カル等の無機充填剤等を含む樹脂相を含んでいてもよい。また、(B’)層には、着色、撥水性、難燃性等を付与する目的で、染色等の着色加工、フッソ樹脂等の撥水加工、りん系等の難燃剤加工等の機能付与加工をしてもよい。
上記(B’)層の通気度は、後述の繊維集合体の通気度の測定方法と同じ方法により測定することができる。
(B’)層に含まれる繊維集合体は、一種の繊維からなる集合体であってもよいし、複数種の繊維からなる集合体であってもよい。また、上記繊維集合体は、1つの繊維層からなる単層体であってもよいし、複数の繊維層からなる積層体であってもよい。繊維集合体の形態は、特に制限されず、例えば、織布、不織布、フエルト等のいずれの形態であってもよい。
上記繊維集合体の通気度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の目付けは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の平均みかけ密度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の平均繊維径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(B)通気性樹脂発泡体層と(B’)層とを接着剤を介して部分的に積層一体化する場合は、パウダー状や繊維状の熱接着剤を用いるとよい。
(B)通気性樹脂発泡体層と(B’)層とを部分的に熱接着することによる積層法の具体例としては、(B)通気性樹脂発泡体層に含まれる樹脂、及び(B’)層に含まれる繊維が軟化又は融解する加熱雰囲気下で、ネット、ロール等で加熱、加圧して接着する熱接着方法;(B)通気性樹脂発泡体層及び/又は(B’)層にホットメルト系の粉末、接着剤等を、スプレー式、ロール式等で塗布させ、加熱処理すること等で接合する接着方法;低融点繊維を含む不織布、くもの巣状の不織布、テープヤーンクロス、ホトメルト系フィルム、メッシュ等のシート状物を介在させて接着する接着性シート方法、タッカーや釘等を打ち込むことで固定する方法等が挙げられる。接着は、複数の点で接着されていてもよい。
(B’)層と(C)低通気性樹脂層とを、間に(B’’2)空気層が形成されるように積層する手段としては、部分的に熱接着する方法の他、接着剤を介して部分的に積層一体化する方法等が挙げられるが、接着剤を用いることなく、(B’)層と(C)低通気性樹脂層とを単に重ね合わせて積層してもよい。各積層方法は、上述の(B)通気性樹脂発泡体層と(B’)層との積層方法と同様に行うことができる。
また、本実施形態の多層吸音材の第二の態様では、(B)通気性樹脂発泡体層よりも音源側に(B’)層及び(B’’2)空気層が更に設けられたことにより、上述の本実施形態の多層吸音材の第一の態様と比較して、更に高い吸音性能を発揮することができる。
図5は、後述する実施例における周波数と残響室吸音率との関係を示す。
上記吸音率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態の多層吸音材の第二の態様では、(B)通気性樹脂発泡体層よりも音源側に(B’)層及び(B’’2)空気層が更に設けられたことにより、上述の本実施形態の多層吸音材の第一の態様と比較して、更に高い遮音性能を発揮することができる。
図6は、後述する実施例における周波数と音響透過損失との関係を示す。
上記透過損失は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
中でも、多層吸音材は、吸音性能に一層優れる観点から、(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’1)空気層、(B’)層、(B’’2)空気層、及び(C)低通気性樹脂層のみからなることが好ましい。
図4(C)は、本実施形態の多層吸音材の第三の態様の模式的な断面図である。
本実施形態の多層吸音材の第三の態様において、(A)低通気性樹脂層は、上述の(A)低通気性樹脂層を用いることができる。
本実施形態の多層吸音材の第三の態様において、(B)通気性樹脂発泡体層は、空隙率が15~97%であり、(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面に複数の凹孔を有し、前記凹孔が設けられた部分以外の部分の厚み(L)が2~80mmであり、前記凹孔の深さが前記厚み(L)の30~95%であり、開口率が20~90%である。
凹孔の開口形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。各凹孔の開口形状は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、各凹孔の開口面積は、(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面における各凹孔の開口部の面積を指す。
また、(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面における凹孔の配置は、開口面積密度(単位面積当たりの開口面積)が均一であることが好ましいが、必ずしも周期的に配置される必要はなく、ランダムに配置されていてもよい。
なお、凹孔の深さは、複数の凹孔の深さの平均値を指す。
なお、(B)通気性樹脂発泡体層の開口率は、(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側の表面の総面積に対する凹孔の総開口面積の割合を指し、下記式(I)で表される。
開口率=(各凹孔の開口面積の合計)×100/{(各凹孔の開口面積の合計)+((B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側の表面の、凹孔が設けられた部分以外の部分の面積)}・・・(I)
また、上記成形体は、樹脂発泡粒子を融合成形することにより得られる成形体であることが好ましい。
すなわち、(B)通気性樹脂発泡体層は、上述の第一及び第二の態様の(B)通気性樹脂発泡体層と同様の樹脂発泡体を用いることができ、上述の第一及び第二の態様の(B)通気性樹脂発泡体層において、(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面に、凹孔の深さが厚み(L)の50%以上である複数の凹孔を設けられたものを用いることができる。
(B)通気性樹脂発泡体層の空隙率及び融着強度は、上述の範囲であることが好ましい。
上記空隙率及び融着強度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の多層吸音材の第三の態様において、(B’’1)空気層及び(B’’2)空気層は、それぞれ上述の第二の態様の(B’’1)空気層及び(B’’2)空気層と同様に形成することができる。厚みの好適範囲もそれぞれ上述の範囲である。
なお、(B’’1)空気層の厚みは、(B)通気性樹脂発泡体層に設けられた凹孔に相当する部分であっても、凹孔の内空は含めずに計算するものとする。
本実施形態の多層吸音材の第三の態様において、(C)低通気性樹脂層は、上述の(C)低通気性樹脂層を用いることができる。
本実施形態の多層吸音材の第三の態様において、(B’)層は、上述の(B’)層を用いることができる。
また、本実施形態の多層吸音材の第三の態様では、(B)通気性樹脂発泡体層よりも音源側に(B’)層及び(B’’2)空気層が更に設けられたことにより、上述の本実施形態の多層吸音材の第一の態様と比較して、更に高い吸音性能を発揮することができる。
上記吸音率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態の多層吸音材の第三の態様では、(B)通気性樹脂発泡体層よりも音源側に(B’)層及び(B’’2)空気層が更に設けられたことにより、上述の本実施形態の多層吸音材の第一の態様と比較して、更に高い遮音性能を発揮することができる。
上記透過損失は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
国際標準規格ISO9053のAC法を適用して日本音響エンジニアリング(株)製、流れ抵抗測定システムAirReSys型を使用して測定した。すなわち、フィルム状の(A)及び(C)の樹脂層試料を用い、流速F=0.5mm/sの一様流中の流れる状態で材料表裏面の差圧P(Pa)を測定し、その差圧からP/F(kN・s/m3)として求めた。20kN・s/m3を超える高抵抗を示した場合は、「>20kN・s/m3」と表記した。
発泡前の樹脂の質量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cm3)を測定し、W/V(g/cm3)を樹脂の密度とした。
樹脂発泡粒子の質量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cm3)を測定し、W/V(g/cm3)を樹脂発泡粒子の真密度とした。
比重計により予備発泡後の樹脂原料ペレットの密度を測定した。
樹脂発泡粒子100gをメスシリンダーに入れ振動させその体積が恒量に達した時平坦化させた上面の目盛りを読んだ値として嵩体積V1(cm3)、樹脂発泡粒子を入れたメスシリンダーの質量W1(g)とメスシリンダーの質量W0(g)を測定し、下式により求めた。
ρ2=[W1-W0]/V1
100gの樹脂発泡粒子をJIS Z8801で規定される、呼び寸法がd1=5.6mm、d2=4.75mm、d3=4mm、d4=3.35mm、d5=2.36mm、d6=1.7mm、d7=1.4mm、d8=1mmである標準ふるいを用いて分級を行い、ふるいdiを通過して、ふるいdi+1で止まる粒子の重量割合をXi、全粒子集合体の平均粒子径Dを次式により求めた。
D=ΣXi(di・di+1)1/2
(iは1~7の整数を表す)
以下の式より、(B)通気性樹脂発泡体層の空隙率を求めた。
(B)通気性樹脂発泡体層の空隙率(%)=[(B-C)/B]×100
但し、B:(B)通気性樹脂発泡体層の見掛け体積(cm3)、C:(B)通気性樹脂発泡体層の真の体積(cm3)であり、見掛け体積は(B)通気性樹脂発泡体層の外形寸法から算出される体積、真の体積Cは(B)通気性樹脂発泡体層の空隙部を除いた実体積をそれぞれ意味する。真の体積Cは(B)通気性樹脂発泡体層を液体(例えばアルコール)中に沈めた時の増量した体積を測定することにより得られる。
単位長さ流れ抵抗の測定から以下のように判定した。
単位長さ流れ抵抗値の測定方法としては、国際標準規格ISO9053のAC法を適用して日本音響エンジニアリング(株)製、流れ抵抗測定システムAirReSys型を使用して測定した。すなわち、厚み10mmの平板状樹脂発泡成形体試料を用い、流速F=0.5mm/sの一様流中の流れる状態で材料表裏面の差圧P(Pa)を測定し、その差圧と材料厚みt(m)からP/(t・F)(N・s/m4)として求めた。単位長さ流れ抵抗値が200,000N・s/m4以下の場合を連続した空隙部有り(○)、200,000N・s/m4を超える場合を連続した空隙部無し(×)と評価した。
JIS K6767Aに基づき引っ張り強度を測定し、(B)通気性樹脂発泡体層の破断伸度が2%以上の場合を融着強度に優れる(◎)、破断伸度が1%以上2%未満の場合を融着強度が良好(〇)、破断伸度が1%未満の場合を融着強度が劣る(×)と評価した。
JIS L-1913「一般不織布試験方法」の単位面積当たりの質量(ISO法)の記載の方法に従って評価した値を繊維集合体の目付けとした。
JIS L-1913「一般不織布試験方法」の厚さ(ISO法)の記載の方法に従って平均厚み評価し、上記(8)の繊維集合体の目付けの値から、(繊維集合体の平均みかけ密度)=(繊維集合体の目付け)/(厚み)として求めた。
顕微鏡で500倍の拡大写真を撮り、不作為に選んだ繊維30本の直径の平均値を求めた。
JIS L-1096「織物及び編物の生地試験方法」記載の方法に従って測定した。
日本音響エンジニアリング社製音響透過損失・残響室法吸音率測定システムAbLossを用い、残響室法により吸音率を気温25℃において測定した。多層吸音材から1000mm×1000mmサイズの試料を作製し、低通気性樹脂層(A)側が床面に接触する向きに試料を静置し測定した。500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hzの7点を中心周波数とする1/3オクターブ、7帯の平均吸音率を測定し、測定結果より、7帯の平均吸音率のうち、吸音率0.27以上の周波数が6点より多い場合を吸音特性に特に優れる(*)、5~6点の場合を吸音特性に優れる(◎)、3~4点の場合を吸音特性が良好(〇)、2点以下の場合を吸音特性が劣る(×)として評価した。
日本音響エンジニアリング社製音響透過損失・残響室法吸音率測定システムAbLossを用い、無響室・残響室法により透過損失を気温25℃において測定した。多層吸音材から600mm×600mmサイズの試料を作製し、有効測定面を500mm×500mmとして、低通気性樹脂層(A)側が無響室側となる向きに無響室―残響室間に試料を設置して透過損失(dB)を測定した。測定結果より、500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hzの7点を中心周波数とする1/3オクターブ、7帯の平均透過損失のうち、透過損失12dB以上の周波数が6点より多い場合を遮音特性に特に優れる(*)、5~6点の場合を遮音特性に優れる(◎)、3~4点の場合を遮音特性が良好(〇)、2点以下の場合を遮音特性が劣る(×)として評価した。更に、1000Hz、1250Hz、1600Hz,2000Hzの4点を中心周波数とする1/3オクターブ、4帯の平均透過損失のうち、透過損失16dB以上の周波数帯が4点である場合を1000~2000Hz域の遮音特性に特に優れる(*)、3点の場合を同周波数域の遮音特性に優れる(◎)、2点の場合を同周波数域の遮音特性が良好(〇)、1点以下の場合を同周波数域の遮音特性に劣る(×)として評価した。
30cm角の多層吸音材平板サンプルを片持ちで水平に保持し、たわみ量を評価した。1cm程度以上の明確なたわみが発生するサンプルを劣る(×)とし、1cm程度以上の明確なたわみが見られないサンプルを良好(〇)とした。
(A-1)ポリアミド6(厚み:1mm、通気抵抗:>20kN・s/m3)(東レプラスチック精工製)
(A-2)ポリアミド6(厚み:2mm、通気抵抗:>20kN・s/m3(東レプラスチック精工製)
(A-3)ポリエチレンテレフタレート(厚み:1mm、通気抵抗:>20kN・s/m3(東レプラスチック精工製)
(B-1)
ポリアミド6樹脂(UBEナイロン「1022B」、宇部興産製、20℃における表面張力46mN/m)を、押出機を用いて溶融し、図3(a1)記載の断面形状の異形押し出しダイから吐出させたストランドをペレタイザーでペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み3時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ミニペレットを発泡装置に移し、240℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド樹脂発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド樹脂発泡粒子の集合体に含まれるポリアミド樹脂発泡粒子の平均粒子径は2.0mmであった。ポリアミド樹脂発泡粒子を切断し観察したところ、ポリアミド樹脂発泡粒子には独立気泡が切断面一面にまんべんなく多数形成されていた。ポリアミド樹脂発泡粒子の断面は図3(a2)に記した形状で凹構造部を有していた。
得られたポリアミド樹脂発泡粒子集合体を再度圧力釜に入れ、10℃にて4MPaの炭酸ガスを3時間吸収させた。次いでこの炭酸ガスを含浸したポリアミド樹脂発泡粒子を型内発泡成形装置の金型内に充填し、230℃の空気を30秒間吹き込み、ポリアミド樹脂発泡粒子同士が融着した成形体(B-1)を得た。成形体の発泡倍率は7.5倍であった。成形体を切断し観察したところ、セル径が200~400μmである独立気泡を多数有するポリアミド樹脂発泡粒子の集合体が形成されていた。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持つことが確認された。
樹脂発泡粒子及び成形体の評価結果を表1に記す。
(B-2)~(B-5)、(B-7)
発泡粒子の断面形状及び平均粒子径、成形体の厚み及び空隙率をそれぞれ表1に示すとおりとした以外は、成形体(B-1)と同様の条件で、成形体(B-2)~(B-5)、(B-7)を得た。
樹脂発泡粒子及び成形体の評価結果を表1に記す。
(B-6)
樹脂種として共重合ポリエステル系樹脂を用いて、以下のように樹脂発泡粒子及び成形体を作製した。
エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸との重縮合体(イソフタル酸含有率2質量%、20℃における表面張力43mN/m)100質量部と、ピロメリット酸二無水物0.3質量部と、炭酸ナトリウム0.03質量部との混合物を押出機により270~290℃で溶融、混練しながらバレルの途中で発泡剤としてブタンを混合物に対して1.0質量%の割合で注入し、図3(a1)記載の断面形状の異形押出しダイを通して予備発泡させたのち、直ちに冷却水槽で冷却しペレタイザーを用いて小粒状に切断して樹脂発泡粒子を製造した。得られた樹脂発泡粒子の断面形状は、図3(a2)であった。また、得られた樹脂発泡粒子の嵩密度ρ2は0.14g/cm3、平均粒子径は1.5mmであった。
上記の樹脂発泡粒子を密閉容器に入れ、炭酸ガスを0.49MPaの圧力で圧入して4時間保持したのち、密閉容器から取り出した樹脂発泡粒子を直ちに型内発泡成形機の金型内に充填して型締めし、型内にゲージ圧0.02MPaの水蒸気を10秒間、次いでゲージ圧0.06MPaの水蒸気を20秒間導入し、120秒間保熱したのち水冷して、樹脂発泡粒子同士が融着した成形体(B-6)を得た。成形体の発泡倍率は4.6倍であった。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持つことが確認された。
樹脂発泡粒子及び成形体の評価結果を表1に記す。
(C-1)ポリアミド6(厚み:0.2mm、通気抵抗:>20kN・s/m3)(東レプラスチック精工製、ポリアミドN6)
(C-2)ポリプロピレン(厚み:0.075mm)(東レ製、トレファン)に直径0.5mmの貫通孔を複数個設けて通気抵抗を2kN・s/m3に調節したフィルム。
(C-3)ポリエチレンテレフタレート(厚み:0.1mm、通気抵抗:>20kN・s/m3)(東レ製、ルミラー)
(C-4)ポリプロピレン(厚み:0.03mm)(東レ製、トレファン)に直径0.5mmの貫通孔を複数個設けて通気抵抗を1kN・s/m3に調節したフィルム。
(F-1)
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブを捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウェブ(目付け45g/m2、平均繊維径14μm)上に、ポリエチレンテレフタレート(25℃法の溶液粘度ηsp/c0.50、融点260℃)をメルトブローノズルで、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm2/hrで糸条を直接に噴出させ、極細繊維ウエブ(目付け10g/m2、平均繊維径2μm)を形成した。更に極細繊維ウェブの上に、2成分紡糸口金を用いて、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点130℃)、芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点263℃)からなる複合長繊維ウェブ(目付け45g/m2、平均繊維径18μm)を積層した積層ウェブを、一対のエンボスロール/フラットロール温度230℃/105℃、線圧300N/cmで部分熱圧着し、目付け100g/m2、平均みかけ密度0.25g/cm3、平均繊維径14μm、厚み0.4mmの不織布(F-1)を得た。
(F-2)
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブを捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウェブ(目付け22.5g/m2、平均繊維径14μm)上に、ポリエチレンテレフタレート(25℃法の溶液粘度ηsp/c0.50、融点260℃)をメルトブローノズルで、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm2/hrで糸条を直接に噴出させ、極細繊維ウェブ(目付け10g/m2、平均繊維径2μm)を形成した。更に極細繊維ウェブの上に、2成分紡糸口金を用いて、鞘成分が共重合ポリエステル樹脂(融点130℃)、芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点263℃)からなる複合長繊維ウェブ(目付け22.5g/m2、平均繊維径18μm)を積層した積層ウェブを、一対のエンボスロール/フラットロール温度230℃/145℃、線圧300N/cmで部分熱圧着し、目付け55g/m2、平均みかけ密度0.25g/cm3、平均繊維径13.5μm、厚み0.25mm、熱圧着率20%の繊維集合体(F-2)を得た。
(G-1)
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブを捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウェブ(目付け100g/m2、平均繊維径14μm)をロール圧延により、目付け400g/m2、平均みかけ密度0.23g/cm3、平均繊維径14μm、厚み0.5mm、熱圧着率15%の繊維集合体(フェルト)(G-1)を得た。
表2に示すとおり、(A)低通気性樹脂層として(A-1)、(B)通気性樹脂発泡体層として(B-1)、(C)低通気性樹脂層として(C-1)を使用した。(A-1)、(B-1)、及び(C-1)を下からこの順に重なるようにセットし、(B-1)と(C-1)との間に(B’’)空気層が形成されるように各層の張力を調整して周期20cmの正方格子点上の固定密度でタッカーで留めて固定し、多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’)空気層、(C)低通気性樹脂層を、表2に示すとおりの構成とした以外は、実施例1と同様にして多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すとおり、(A)低通気性樹脂層として(A-1)、(B)通気性樹脂発泡体層として(B-1)、(C)低通気性樹脂層として(C-1)を使用した。また、(B’)層として、不織布(F-1)6枚を重ね、50本/cm2のパンチ密度でニードルパンチ加工した繊維集合体を用いた。(A-1)、(B-1)、繊維集合体、及び(C-1)を下からこの順に重なるようにセットし、(B-1)と繊維集合体との間に(B’’1)空気層が、繊維集合体と(C-1)との間に(B’’2)空気層が、それぞれ形成されるように配置を調整して周囲のみをタッカーで留めて固定し、多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’1)空気層、(B’)層、(B’’2)空気層、(C)低通気性樹脂層を、表2に示すとおりの構成とした以外は、実施例6と同様にして多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
(B)通気性樹脂発泡体層の成形時に片方の金型表面に周期的に配置された凸形状を付与することにより、(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面に周期的に凹孔を形成した以外は実施例6と同様の作製方法を適用し、多層吸音材を得た。
(B)通気性樹脂発泡体層の凹孔の形状は、平均深さ5mm(厚み(L)に対する平均深さの割合が63%)、深さ方向に垂直な断面の形状が、(B)通気性樹脂発泡体層表面側が直径平均28mmの円、内部側(底面側)が直径平均15mmの円の円錐台形であり、各凹孔の断面中心が周期30mmの正方格子配置をなすように作製した。開口率は68%であった。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
実施例6と比較して、特に1~2kHz域における遮音性能が向上していることが分かる。
(B)通気性樹脂発泡体層の成形時に片方の金型表面に周期的に配置された凸形状を付与することにより、(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面に周期的に凹孔を形成した以外は実施例7と同様の作製方法を適用し、多層吸音材を得た。
(B)通気性樹脂発泡体層の凹孔の形状は、平均深さ14mm(厚み(L)に対する平均深さの割合が74%)、深さ方向に垂直な断面の形状が、(B)通気性樹脂発泡体層表面側が直径平均28mmの円、内部側(底面側)が直径平均13mmの円の円錐台形であり、各凹孔の断面中心が格子点間距離50mmの六角格子配置をなすように作製した。開口率は57%であった。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
実施例7と比較して、特に1~2kHz域における遮音性能が向上していることが分かる。
(B)通気性樹脂発泡体層の(A)低通気性樹脂層側と反対側((B’’1)空気層側)の表面に、周期的に配置された凹孔を切削加工により形成した以外は実施例7と同様の作製方法を適用し、多層吸音材を得た。
(B)通気性樹脂発泡体層の凹孔の形状は、平均深さ12mm(厚み(L)に対する平均深さの割合が63%)、深さ方向に垂直な断面の形状が、(B)通気性樹脂発泡体層表面側が平均1辺28mmの正方形、内部側(底面側)が平均1辺40mmの正方形の四角錐台形であり、各凹孔の断面中心が周期50mmの正方格子配置をなすように作製した。開口率は64%であった。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
実施例7と比較して、特に1~2kHz域における遮音性能が向上していることが分かる。
(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’)空気層、(C)低通気性樹脂層を、表2に示すとおりの構成とした以外は、実施例1と同様にして多層吸音材を得た
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。評価結果を表2に示す。
(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層のみの構成とした多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。結果を表2に示す。
(A)低通気性樹脂層、(B)通気性樹脂発泡体層、(B’’1)空気層、(B’)層、(B’’2)空気層、(C)低通気性樹脂層を、表2に示すとおりの構成とした以外は、実施例6と同様にして多層吸音材を得た。
評価方法(13)~(15)に記載の方法により、多層吸音材の吸音特性、遮音特性、及び自立性を評価した。結果を表2に示す。
一方、比較例1~6の結果により、本発明の要件を満たさない場合には、500~2000Hzの周波数域で吸遮音性能の何れかが劣る、または自立性を有しない、ということが分かる。
本実施形態の多層吸音材の用途例としては、軽量性と静音化が求められる自動車、電車、汽車等の車両及び航空機等の駆動騒音低減に使用される部材が挙げられ、特に自立性と耐熱変形性と断熱性が要求される自動車エンジンルーム内のエンジンカバー、エンジンカプセル、エンジンルームフード、変速機ケーシング、吸音カバー、電気自動車用モーターのケーシング、吸音カバー等に特に好適に使用できる。
更に本実施形態の多層吸音材は、静音化が求められるエアコン等の空調機器、冷凍機、ヒートポンプ等や、ダクト等の風路を形成する部分、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、掃除機等の各種家庭用電気製品、プリンター、コピー機、FAX等のOA機器、の他壁材芯材、床材心材等の建築用資材にも好適に用いることができる。
2:(B)通気性樹脂発泡体層
3:(B’’)空気層
3a:(B’’1)空気層
3b:(B’’2)空気層
4:(C)低通気性樹脂層
5:(B’)層
6:凹孔
Claims (7)
- (A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層、(B’’)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
- (A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である厚み(L)2~80mmの通気性樹脂発泡体層、(B’’1)厚み0.01~2.0mmの空気層、(B’)通気度が2~70cc/(cm2・sec)である繊維集合体を含む厚み(t’)0.1~4mmの層、(B’’2)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
- (A)厚み0.5~10mmの低通気性樹脂層、(B)空隙率が15~97%である通気性樹脂発泡体層であり、前記(A)低通気性樹脂層側と反対側の表面に複数の凹孔を有し、前記凹孔が設けられた部分以外の部分の厚み(L)が2~80mmであり、前記凹孔の深さが前記厚み(L)の30~95%であり、開口率が20~90%である通気性樹脂発泡体層、(B’’1)厚み0.01~2.0mmの空気層、(B’)通気度が2~70cc/(cm2・sec)である繊維集合体を含む厚み(t’)0.1~4mmの層、(B’’2)厚み0.01~2.0mmの空気層、及び(C)通気抵抗が20kN・s/m3以上である厚み(t)0.05~3.0mmの低通気性樹脂層が、この順に積層されていることを特徴とする、多層吸音材。
- 前記(B)通気性樹脂発泡体層が、凹構造部を有する樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体であり、融着した前記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の多層吸音材。
- 前記繊維集合体は、目つけが100~1000g/m2、平均みかけ密度が0.10~1.0g/cm3、平均繊維径が0.6~50μmであり、
厚みが3~80mmである、請求項2又は3に記載の多層吸音材。 - 前記(B)通気性樹脂発泡体層は、20℃における表面張力が37~60mN/mである樹脂、又は、ガラス転移温度が-10℃以上280℃以下である樹脂を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の多層吸音材。
- 自立型吸音体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の多層吸音材。
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