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JP7328558B2 - 発光素子及び発光素子の製造方法 - Google Patents
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JP7328558B2 - 発光素子及び発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子及び発光素子の製造方法に関する。
近年、紫外光を発光する発光素子の開発が盛んに進められている。例えば、特許文献1には、紫外光を発することに適した多重量子井戸構造を有する発光素子が開示されている。
特開平9-153645号公報
このような、多重量子井戸構造を有し、紫外光を発光する発光素子は、より高い発光出力を有するように改良が進められており、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、多重量子井戸構造を有し、高い発光出力で紫外光を発光する発光素子とその発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る発光素子は、
n側窒化物半導体層と、
前記n側窒化物半導体層上に設けられた窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層と、
前記活性層上に設けられたp側窒化物半導体層と、を有し、
前記複数の障壁層のうち少なくとも1つの前記障壁層は、前記n側窒化物半導体層側から順に、Al及びGaを含む第1障壁層と、前記第1障壁層に接して設けられ、Al、Ga、及びInを含み前記第1障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい第2障壁層とを有し、
前記複数の井戸層のうち少なくとも1つの前記井戸層は、前記第2障壁層に接して設けられ、前記第2障壁層よりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。
また、本発明に係る発光素子の製造方法は、
n側窒化物半導体層を成長させるn側窒化物半導体層成長工程と、前記n側窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層を成長させる活性層成長工程と、前記活性層上にp側窒化物半導体層を成長させるp側窒化物半導体層成長工程と、を含む窒化物半導体発光素子の製造方法であって、
前記活性層成長工程は、
Al原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて第1障壁層を成長させる第1障壁層成長工程と、
Al原料ガス、Ga原料ガス、In原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第1障壁層上に第2障壁層を成長させる第2障壁層成長工程と、
Ga原料ガス及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第2障壁層上に前記第2障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい井戸層を成長させる井戸層成長工程と、
を含む。
本発明の一実施形態に係る発光素子及び発光素子の製造方法によれば、多重量子井戸構造を有し、高い発光出力で紫外光を発光する発光素子とその発光素子の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る発光素子の構成を示す断面図である。 図1に示す発光素子の半導体積層体の構造を示した図である。 図2に示す半導体積層体の構造のバンドギャップエネルギーを示した図である。 図1に示す発光素子の半導体積層体の他の構造を示した図である。 図1に示す発光素子の半導体積層体の他の構造を示した図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、準備された第1基板の上面にn側窒化物半導体層を形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第1基板の上面に形成したn側窒化物半導体層上に第1障壁層を形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第1基板の上面に形成したn側窒化物半導体層上に第2障壁層を形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第1基板の上面に形成したn側窒化物半導体層上に井戸層を形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第1基板の上面にn側窒化物半導体層を介して形成した活性層上にp側窒化物半導体層を形成した、第1ウエハの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第1ウエハのp側窒化物半導体層上に、所定の形状の第2電極を形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第2電極が形成された第1ウエハのp側窒化物半導体層上に絶縁膜と、金属層とを形成したときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、一方の面に金属層を形成した第2基板を準備し、第1ウエハと第2基板とを対向させたときの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、作製された第2ウエハの断面図である。 本発明の一実施形態の発光素子の製造方法において、第2ウエハのn側窒化物半導体層上に、所定のパターンの第1電極を形成したときの断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態や実施例を説明する。なお、以下に説明する発光素子及び発光素子の製造方法は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態や実施例に分けて示す場合があるが、異なる実施形態や実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
窒化物半導体を用いた発光ダイオード等の発光素子に用いられる半導体積層体は、n側窒化物半導体層と、p側窒化物半導体層と、n側窒化物半導体とp側窒化物半導体の間に設けられた活性層と、を有する。活性層には、例えば、複数の井戸層と複数の障壁層を含む多重量子井戸構造が用いられ、青色光を発する発光素子では、例えば、InGaNからなる井戸層が用いられる。また、紫外光を発する発光素子であっても、比較的発光波長の長い場合、Inの含有量の小さいInGaNからなる井戸層を用いて構成することができる。紫外光を発する発光素子では、AlGaNからなる障壁層を用いることができる。
しかしながら、本発明者が種々の検討をしている過程で、InGaNからなる井戸層とAlGaNからなる障壁層を交互に含む活性層は、井戸層と障壁層との間の格子定数差が大きくなり格子緩和が生じやすく、また、井戸層や障壁層の表面粗さが大きくなる傾向があることが分かった。そして、本発明者はこれらの要因で活性層における再結合確率が低下しているのではないかと考えた。そこで、井戸層と障壁層と間の格子定数差を小さくし、かつ障壁層の表面粗さを小さくするために、障壁層としてAlInGaNを採用することを試みた。しかしながら、InGaNからなる井戸層とAlInGaNからなる障壁層とを用いた活性層は、井戸層と障壁層との間の格子定数差を小さくでき、障壁層の表面粗さを小さくし井戸層を結晶性良く成長できたが、活性層における再結合確率はほとんど変化しなかった。
発明者は、活性層における電子と正孔との再結合確率がほとんど変化しない原因は、障壁層にInを含有させることで、井戸層のバンドギャップエネルギーと障壁層のバンドギャップエネルギーとの差が小さくなるためであると推測した。つまり、井戸層と障壁層との間の格子定数差は小さくできるが、井戸層における電子の閉じ込め効果が低減し活性層で再結合が行われにくくなったためではないかと推測した。そこで、発明者は、Al、Ga、及びInを含む障壁層(第2障壁層)に加えて、第2障壁層のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有し、Al及びGaを含む障壁層(第1障壁層)を、第2障壁層のn側窒化物半導体層側に配置した。その結果、第1障壁層を設けない発光素子と比較して、再結合確率を向上させることができ、高い発光出力を示す発光素子を得ることができた。
本発明に係る発光素子は、上記の知見に基づいてなされたものであり、n側窒化物半導体層と、n側窒化物半導体層上に設けられた窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層と、活性層上に設けられたp側窒化物半導体層と、を有し、複数の障壁層のうち少なくとも1つの障壁層は、n側窒化物半導体層側から順に、Al及びGaを含む第1障壁層と、第1障壁層に接して設けられ、Al、Ga、及びInを含み第1障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい第2障壁層とを有し、複数の井戸層のうち少なくとも1つの井戸層は、第2障壁層に接して設けられ、第2障壁層よりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。
実施形態
以下、図面を参照しながら本実施形態の発光素子とその発光素子の製造方法について説明する。
1.発光素子
図1は、本実施形態に係る発光素子10の構成を示す断面図である。
本実施形態に係る発光素子10は、図1に示すように、第2基板22と、第2基板22上に配置された金属層40と、金属層40上に配置された第2電極32及び絶縁膜35と、第2電極32及び絶縁膜35上に配置された半導体積層体1と、半導体積層体1上に配置された第1電極31と、を備える。
半導体積層体1は、第2電極32側から順に、第2電極32と電気的に接続されたp側窒化物半導体層13と、活性層12と、n側窒化物半導体層11とを含む。第1電極31は、n側窒化物半導体層11上に配置され、n側窒化物半導体層11と電気的に接続される。半導体積層体1は、第2電極32、絶縁膜35、及び金属層40を介して第2基板22に接合されている。これにより、例えば、第2基板22として導電性を有する半導体基板又は金属からなる基板を用いることによって、第2基板22を介して半導体積層体1に給電することが可能になる。このような構造を有する半導体積層体1は、第1電極31と第2電極32との間に電圧を印加することにより活性層12を発光させることができる。半導体積層体1が発する光は、n側窒化物半導体層11の第1電極31が設けられている面側から主に出射される。
以下、本実施形態の発光素子10について詳細に説明する。
<n側窒化物半導体層>
n側窒化物半導体層11は、例えば、Si等のn型不純物をドープした窒化物半導体層を有する。n側窒化物半導体層11は、複数の層を含んで構成されている。また、n側窒化物半導体層11は、例えば、アンドープの半導体層を一部に含んでいてもよい。ここで、アンドープの半導体層とは、成長させるときにn型の不純物を添加することなく成長させた層のことをいい、例えば、隣接する層から拡散等により混入する不可避的な不純物を含んでいてもよい。
<p側窒化物半導体層>
p側窒化物半導体層13は、例えば、Mg等のp型不純物をドープした窒化物半導体層を有する。p側窒化物半導体層13は、複数の層を含んで構成されている。また、p側窒化物半導体層13は、例えば、アンドープの半導体層を一部に含んでいてもよい。p側窒化物半導体層13は、例えば、活性層12と接して設けられるp型クラッド層と、p型クラッド層上に設けられるp型コンタクト層と、を有する。p型クラッド層のバンドギャップエネルギーは、例えば、第2障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも大きい。p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーは、例えば、第2障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも小さい。
<活性層>
活性層12は、窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えている。本実施形態に係る多重量子井戸構造は、図2に示すように、n側窒化物半導体層11側から順に、第1障壁層2及び第2障壁層3を含む障壁層4と、井戸層5とを交互に備えている。
(第1障壁層)
第1障壁層2は、n側窒化物半導体層11上に積層される。第1障壁層2は、Al及びGaを含む窒化物半導体層である。Al及びGaを含む窒化物半導体層は、例えば3元化合物である。第1障壁層2の一般式は例えば、AlGa1-aN(0<a<1)である。第1障壁層2のAl混晶比は、好ましくは0.05≦a≦0.15である。
第1障壁層2は、図3に示すように、第2障壁層3のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。また、第1障壁層2は、井戸層5のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。
第1障壁層2の膜厚は、第2障壁層3の膜厚よりも厚く形成されることが好ましい。第1障壁層2の膜厚は、例えば10nm以上35nm以下である。
(第2障壁層)
第2障壁層3は、第1障壁層2上に積層される。第2障壁層3は、Al、Ga、及びInを含む窒化物半導体層である。Al、Ga、及びInを含む窒化物半導体層は、例えば4元化合物である。第2障壁層3の一般式は例えば、AlInGa1-b-cN(0<b<1、0<c<1、b+c<1)である。第2障壁層3のAl混晶比は、好ましくは0.05≦b≦0.15である。また、第2障壁層3のIn混晶比は、好ましくは0.0001≦c≦0.01である。
第2障壁層3は、図3に示すように、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも小さく、かつ井戸層5のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。つまり、本実施形態に係る発光素子10の半導体積層体1は、第1障壁層のバンドギャップエネルギー>第2障壁層のバンドギャップエネルギー>井戸層のバンドギャップエネルギーの関係を有するバンドギャップエネルギー構造を有する。このように第2障壁層3は、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するため、第1障壁層2よりも、光吸収が生じやすいという懸念がある。そのため、第2障壁層3の膜厚は、第1障壁層2の膜厚よりも薄く形成されることが好ましい。第2障壁層3の膜厚は、例えば3nm以上25nm以下である。
(井戸層)
井戸層5は、第2障壁層3上に積層される。井戸層5は、窒化物半導体層であり、紫外光を発光する。本明細書では、紫外光は、波長が400nm以下の光を意味する。窒化物半導体層は、例えば3元化合物である。井戸層5の一般式は、例えば、InGa1-eN(0≦e<1)である。In混晶比は、好ましくは0≦e≦0.09である。このような組成を有する井戸層5は、紫外光を発光する。井戸層5が発する光のピーク波長は、例えば、365nm以上400nm以下である。井戸層5のピーク波長の例としては、365nmや385nmである。
また、井戸層5のIn混晶比は、第2障壁層3のIn混晶比と同一であることが望ましい。井戸層5のIn混晶比と第2障壁層3のIn混晶比とを同一にすることで、井戸層5と第2障壁層3との間の格子定数差を小さくでき、井戸層5と第2障壁層3との界面における格子緩和が抑制される。
井戸層5は、図3に示すように、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有する。また、井戸層5は、第2障壁層3のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有する。
井戸層5の膜厚は、例えば5nm以上30nm以下である。複数の井戸層5のうち、一部の井戸層5の膜厚を他の井戸層5の膜厚と異ならせてもよい。
このように、Al、Ga、及びInを含む第2障壁層3上に井戸層5が積層されることで、第2障壁層3と井戸層5との界面における格子緩和を抑制することができ、かつ表面粗さが小さい第2障壁層3上に井戸層5を結晶性良く成長させることができる。
このように、本実施形態における活性層は、n側窒化物半導体層側から順に、第1障壁層2、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有する第2障壁層3、及び第2障壁層3のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有する井戸層5を備える。これにより、井戸層5の結晶性を改善でき、かつ、井戸層5における電子の閉じ込め効果が高くすることができる。その結果、電子と正孔の再結合確率を高め、発光素子10の発光出力を高めることができる。
本実施形態における活性層12は、図3に示すように、全ての障壁層4が第1障壁層2及び第2障壁層3の2つの障壁層から構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、複数の障壁層4のうち、一部の障壁層4は第1障壁層2及び第2障壁層3の2つの障壁層から構成されており、他の障壁層4は第1障壁層2及び第2障壁層3のうち、一方の障壁層から構成されていてもよい。例えば、図4Aに示すように、複数の障壁層4のうち、p側窒化物半導体層13に接する障壁層を第1障壁層2のみで構成してもよい。これにより、井戸層5における再結合確率をさらに向上させることができる。また、例えば、図4Bに示すように、複数の障壁層4のうち、p側窒化物半導体層13に最も近い井戸層5に接する障壁層4を第1障壁層2及び第2障壁層3で構成し、他の障壁層4を第1障壁層2のみで構成してもよい。これにより、p側窒化物半導体層13の近くに位置し、電子と正孔の再結合が行われやすい井戸層5における電子の閉じ込め効果を得るとともに、すべての障壁層4を第1障壁層2及び第2障壁層3で構成する場合に比べて、第2障壁層2による光吸収を抑制することができる。
2.発光素子の製造方法
本実施形態に係る発光素子10の製造方法は、
(1)n側窒化物半導体層を成長させるn側窒化物半導体層成長工程と、
(2)n側窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層を成長させる活性層成長工程と、
(3)活性層上にp側窒化物半導体層を成長させるp側窒化物半導体層成長工程と、
(4)第1電極及び第2電極を形成する電極形成工程と、
(5)切断工程と、
を含む。
さらに、活性層成長工程は、
(2-1)Al原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて第1障壁層を成長させる第1障壁層成長工程と、
(2-2)Al原料ガス、Ga原料ガス、In原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第1障壁層上に第2障壁層を成長させる第2障壁層成長工程と、
(2-3)Ga原料ガス及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第2障壁層上に前記第2障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい井戸層を成長させる井戸層成長工程と、
を含む。
以下に、図5~図14を参照して、本実施形態の発光素子の製造方法について詳細に説明する。図5~図14では、図面の理解を容易にするために部材の大きさが誇張して描かれている場合がある。特に、図6~図8では、障壁層及び井戸層の厚さを誇張して描いている。
(1)n側窒化物半導体層成長工程
n側窒化物半導体層成長工程では、図5に示すように、例えば、サファイアからなる第1基板21を準備し、第1基板21上に、例えば、n型コンタクト層、n型クラッド層を成長させることにより、第1基板21側からn型コンタクト層、n型クラッド層を含むn側窒化物半導体層11を形成する。尚、第1基板21上にバッファ層を介してn側窒化物半導体層11を形成するようにしてもよい。
(2)活性層成長工程
次に、n側窒化物半導体層11の上に、活性層12を形成する。活性層12は、窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備える。活性層12は、以下の工程により形成される。
(2-1)第1障壁層成長工程
まず、Al原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて、図6に示すように、n側窒化物半導体層11の上に第1障壁層2を成長させる。第1障壁層2の組成を、例えば、AlGaNとする場合は、Al原料ガスの流量を0.5sccm以上2sccm以下に設定し、Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定することで、第1障壁層2を形成することができる。
第1障壁層2は、膜厚が10nm以上35nm以下の厚さに成長させることが望ましい。
(2-2)第2障壁層成長工程
次に、Al原料ガス、In原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて、図7に示すように、第1障壁層2の上に第2障壁層3を成長させる。第2障壁層3の組成を、例えば、AlInGaNとする場合は、Al原料ガスの流量を0.5sccm以上2sccm以下に設定し、In原料ガスの流量を3sccm以上15sccm以下に、望ましくは5sccm以上10sccm以下に設定し、Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定することで、第2障壁層3を形成することができる。このように、第2障壁層成長工程におけるAl原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスの各流量は、第1障壁層成長工程におけるAl原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスの各流量と同一に設定することができる。これにより、第1障壁層成長工程におけるAl原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスの放出を停止することなく、又はそれらの原料ガスの流量を変更することなく、それら3つの原料ガスにIn原料ガスを所定の流量で混合させることで、第2障壁層3を形成することができる。つまり、第1障壁層2と第2障壁層3とを、連続工程により形成することができる。
第2障壁層3は、膜厚が第1障壁層2の膜厚より薄くなるように成長させることが望ましい。第2障壁層3は、3nm以上25nm以下の膜厚で成長させることが望ましい。
(2-3)井戸層成長工程
次に、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて、図8に示すように、第2障壁層3の上に井戸層5を成長させる。井戸層5の組成を、例えば、InGaNとする場合は、In原料ガスの流量を6sccm以上25sccm以下に設定し、Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定することで、井戸層5を形成することができる。井戸層成長工程においては、Al原料ガスを導入せず井戸層5を成長させることが好ましい。つまり、Al原料ガスの流量を0sccmに設定して井戸層5を成長させることが好ましい。
井戸層5は、5nm以上30nm以下の膜厚で成長させることが望ましい。
第1障壁層成長工程、第2障壁層成長工程、及び井戸層成長工程を繰り返すことで、複数の第1障壁層2、複数の第2障壁層3、及び複数の井戸層5を含む活性層12が形成される。例えば、活性層成長工程は、第2障壁層成長工程で終了される。なお、図8では、図面の理解を容易にするために、1つの第1障壁層2、1つの第2障壁層3、及び1つの井戸層5をまとめて活性層12の符号を付している。
(3)p側窒化物半導体層成長工程
そして、活性層12の上に、例えば、p型クラッド層及びp型コンタクト層を成長させることにより、活性層12側から順にp型クラッド層とp型コンタクト層とを含むp側窒化物半導体層13を形成する。
このような工程により、図9に示すように、第1基板21の上に、n側窒化物半導体層11、活性層12、及びp側窒化物半導体層13を有する半導体積層体構造1aが形成された第1ウエハ100を準備する。
(4)第1電極及び第2電極を形成する電極形成工程
次に、図10に示すように、p側窒化物半導体層13上に、例えばリフトオフプロセス等の周知の技術を用いて、所定のパターンの第2電極32を形成する。そして、図11に示すように、p側窒化物半導体層13の上の第2電極32が形成されていない部分に絶縁膜35を形成し、さらに、第2電極32及び絶縁膜35上に、金属層40aを形成する。絶縁膜35は、例えば、第2電極32上にレジストを形成した後、p側窒化物半導体層13の上の第2電極32が形成されていない部分及びレジストの上に絶縁膜を形成し、レジストを、レジスト上に形成された絶縁膜とともに除去することで形成することができる。
次に、図12に示すように、別途、一方の面に金属層40bが形成された第2基板22を準備し、第2基板22の金属層40bと第1基板21の金属層40aとを接合する。これにより、p側窒化物半導体層13上に第2電極32と、絶縁膜35と、金属層40a、40bとを介して第2基板22を接合する。第2基板22を接合した後、例えば、レーザリフトオフやウェットエッチングにより、第1基板21を除去する。
以上のようにして、第1基板21上に形成した半導体積層体構造1aを第2基板22上に金属層40と第2電極32及び絶縁膜35とを介して転写する。なお、金属層40は、金属層40a及び金属層40bが接合して形成された層である。このようにして、図13に示すような、第2基板22上に、表面にn側窒化物半導体層11が露出した半導体積層体構造1aを備えた第2ウエハ200を準備する。すなわち、第2ウエハ200において、第2基板22上には、金属層40と第2電極32及び絶縁膜35とを介してp側窒化物半導体層13、活性層12、n側窒化物半導体層11とが第2基板22側から順に積層されている。
次に、図14に示すように、第2ウエハ200の半導体積層体構造1aの一部を、例えば、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングにより、除去することで複数の半導体積層体1に分離する。第2ウエハ200のn側窒化物半導体層11上に、所定のパターンの第1電極31を形成する。第1電極31は、上述した第2電極32の形成方法と同様に、レジストを用いたリフトオフプロセスやエッチングプロセスにより形成することができる。
(5)切断工程
最後に、第1電極31が形成された第2ウエハ200を、所望の大きさの個々の発光素子10に分割する。この分割は、ダイシングなどにより、図14に示す所定の切断位置CLに沿って行う。
実施例1.
実施例1の発光素子を以下のように作製した。
まず、サファイアからなる第1基板21を準備し、その上にn型コンタクト層、n型クラッド層を成長させることにより、第1基板21側から順にn型コンタクト層、n型クラッド層を含むn側窒化物半導体層11を形成した。
次に、n側窒化物半導体層11の上に、Al0.095Ga0.905Nからなる第1障壁層2を積層した。第1障壁層2の膜厚は29nmの厚さに成長させた。第1障壁層2を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.78sccmに設定し、Ga原料ガスを43sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
次に、第1障壁層2の上に、In0.005Ga0.995Nからなる井戸層5を積層した。井戸層5の厚さは8nmに成長させた。井戸層5を成長させる際の各原料ガスの流量は、In原料ガスを15sccmに設定し、Ga原料ガスを38sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
上記第1障壁層2、及び井戸層5の積層構造を4回繰り返して形成した。
次に、井戸層5の上にAl0.095Ga0.905Nからなる第1障壁層2を積層した。第1障壁層2の膜厚は15nmの厚さに成長させた。第1障壁層2を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.78sccmに設定し、Ga原料ガスを43sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
次に、第1障壁層2の上に、Al0.0945In0.0005Ga0.9050Nからなる第2障壁層3を積層した。第2障壁層3の厚さは14nmの厚さに成長させた。第2障壁層3を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.78sccmに設定し、In原料ガスを6sccmに設定し、Ga原料ガスを43sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。第2障壁層3は、第1障壁層2を成長させる際に用いたAl原料ガス、Ga原料ガス及びN原料ガスに上記の流量に設定したIn原料ガスを混合させて成長させた。
次に、第2障壁層3の上に、In0.005Ga0.995Nからなる井戸層5を積層した。井戸層5の厚さは15nmに成長させた。井戸層5を成長させる際の各原料ガスの流量は、In原料ガスを15sccmに設定し、Ga原料ガスを38sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
その後、最後に形成した井戸層5の上に、AlGaNからなる障壁層を積層させることで活性層12を形成した。
このように成長させた活性層12を形成した後、p型クラッド層とp型コンタクト層とを含むp側窒化物半導体層13を形成し、第1ウエハ100を準備した。
次に、第1ウエハ100のp側窒化物半導体層13上に、所定のパターンの第2電極32を形成し、金属層40を介して第2基板22に転写する。その後、第1基板21を除去して、n側窒化物半導体層11上に所定のパターンの第1電極31を形成し、発光素子10毎に切断した。
以上のように形成された実施例1の発光素子について1000mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、温度を25℃と85℃として駆動させたときの出力をそれぞれ測定し、出力の維持率(温度85℃における出力/温度25℃における出力)を評価した。さらに、発光素子の発光波長の半値幅と、逆方向電圧をそれぞれ評価した。
その結果、実施例1の発光素子の発光出力は1806.7mWであった。また、出力の維持率が85.3%、発光波長の半値幅が8.6nm、逆方向電圧が9.0Vであった。
参考例1.
実施例1の発光素子において、障壁層をAlGaNから構成される単一の層とした以外は、実施例1の発光素子と同様にして参考例1の発光素子を作製した。障壁層を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.78sccmに設定し、Ga原料ガスを43sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。障壁層の膜厚は、29nmに成長させた。
以上のように形成された参考例1の発光素子について1000mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、実施例1と同様に、出力の維持率、発光波長の半値幅、及び逆方向電圧をそれぞれ評価した。
その結果、参考例1の発光素子の発光出力は1779.6mWであった。また、出力の維持率が84.7%、発光波長の半値幅が8.7nm、逆方向電圧が8.5Vであった。
これらの実施例1及び参考例1の評価結果を表1に記載する。なお、表1において、障壁層が第1障壁層と第2障壁層から構成されている場合は、「第1障壁層/第2障壁層」と記載している。なお、「第1障壁層/第2障壁層」の記載は、n側窒化物半導体層側から第1障壁層と第2障壁層とが順に積層されていることを意味する。
Figure 0007328558000001
これらの結果から、第1障壁層2と、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーの第2障壁層3とを有する障壁層4を形成した実施例1の発光素子は、参考例1の発光素子よりも高い発光出力であることが確認された。また、実施例1の発光素子は、出力の維持率、発光波長の半値幅、及び逆方向電圧が参考例1の発光素子よりも良好であることが確認された。このことから、実施例1の発光素子は参考例1の発光素子よりも、井戸層における表面粗さが良好であり、また障壁層と井戸層との間の格子緩和が抑制されていると推測される。
実施例2.
実施例2の発光素子を以下のように作製した。
まず、サファイアからなる基板を準備し、その上にn型コンタクト層、n型クラッド層を成長させることにより、第1基板21側から順にn型コンタクト層、n型クラッド層を含むn側窒化物半導体層11を形成した。
次に、n側窒化物半導体層11の上に、Al0.095Ga0.905Nからなる第1障壁層2を積層した。第1障壁層2の膜厚は15nmの厚さに成長させた。第1障壁層2を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
次に、第1障壁層2の上に、Al0.0945In0.0005Ga0.9050Nからなる第2障壁層3を積層した。第2障壁層3の厚さは14nmの厚さに成長させた。第2障壁層3を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、In原料ガスを6sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。第2障壁層3は、第1障壁層2を成長させる際に用いたAl原料ガス、Ga原料ガス及びN原料ガスに上記の流量に設定したIn原料ガスを混合させて成長させた。
次に、第2障壁層3の上に、In0.005Ga0.995Nからなる井戸層5を積層した。井戸層5の厚さは8nmに成長させた。井戸層5を成長させる際の各原料ガスの流量は、In原料ガスを15sccmに設定し、Ga原料ガスを45sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
上記第1障壁層2、第2障壁層3、及び井戸層5の積層構造を4回繰り返して形成した。
次に、井戸層5の上に、Al0.095Ga0.905Nからなる第1障壁層2を積層した。第1障壁層2の膜厚は15nmの厚さに成長させた。第1障壁層2を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
次に、第1障壁層2の上に、Al0.0945In0.0005Ga0.9050Nからなる第2障壁層3を積層した。第2障壁層3の厚さは14nmの厚さに成長させた。第2障壁層3を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、In原料ガスを6sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。第2障壁層3は、第1障壁層2を成長させる際に用いたAl原料ガス、Ga原料ガス及びN原料ガスに上記の流量に設定したIn原料ガスを混合させて成長させた。
次に、第2障壁層3の上に、In0.005Ga0.995Nからなる井戸層5を積層した。井戸層5の厚さは15nmに成長させた。井戸層5を成長させる際の各原料ガスの流量は、In原料ガスを15sccmに設定し、Ga原料ガスを45sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。
その後、最後に形成した井戸層5の上に、AlGaNからなる障壁層を積層させることで活性層12を形成した。
このように成長させた活性層12を形成した後、p型クラッド層とp型コンタクト層とを含むp側窒化物半導体層13を形成し、第1ウエハ100を準備した。
次に、第1ウエハ100のp側窒化物半導体層13上に、所定のパターンの第2電極32を形成し、n側窒化物半導体層11上に所定のパターンの第1電極31を形成し、発光素子10毎に切断した。
以上のように形成された実施例2の発光素子について100mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、発光素子の発光波長の半値幅と、井戸層の表面粗さをそれぞれ評価した。
その結果、実施例2の発光素子の発光出力は48.7mWであった。また、発光波長の半値幅が12.4nm、表面粗さが5.3nmであった。
参考例2.
実施例2の発光素子において、障壁層をAl0.095Ga0.905Nから構成される単一の層とした以外は、実施例2の発光素子と同様にして参考例2の発光素子を作製した。障壁層を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。障壁層の膜厚は、29nmに成長させた。
以上のように形成された参考例2の発光素子について100mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、実施例2と同様に、発光素子の発光波長の半値幅と、井戸層の表面粗さをそれぞれ評価した。
その結果、参考例2の発光素子の発光出力は47.4mWであった。また、発光波長の半値幅が12.6nm、表面粗さが6.0nmであった。
参考例3.
実施例2の発光素子において、障壁層をAl0.0945In0.0005Ga0.9050Nから構成される単一の層とした以外は、実施例2の発光素子と同様にして参考例3の発光素子を作製した。障壁層を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、In原料ガスを6sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。障壁層の膜厚は、29nmに成長させた。
以上のように形成された参考例3の発光素子について100mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、実施例2と同様に、発光素子の半値幅と、井戸層の表面粗さをそれぞれ評価した。
その結果、参考例3の発光素子の発光出力は48mWであった。また、発光波長の半値幅が12.3nm、表面粗さ4.7nmであった。
参考例4.
実施例1の発光素子において、第1障壁層をAl0.0945In0.0005Ga0.9050Nとし、第2障壁層をAl0.095Ga0.905Nとした以外は、実施例2の発光素子と同様にして参考例4の発光素子を作製した。つまり、参考例4の発光素子は、第1障壁層の組成を実施例2の第2障壁層の組成と同一にし、第2障壁層の組成を実施例2の第1障壁層の組成と同一にして作製された発光素子である。このような参考例4の発光素子は、第2障壁層のバンドギャップエネルギーが第1障壁層のバンドギャップエネルギーよりも大きくなる。従って、参考例4の発光素子における半導体積層体のバンドギャップエネルギー構造は、第2障壁層のバンドギャップエネルギー>第1障壁層のバンドギャップエネルギー>井戸層のバンドギャップエネルギーの関係を有している。
第1障壁層を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、In原料ガスを6sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。第1障壁層の膜厚は、15nmに成長させた。第2障壁層を成長させる際の各原料ガスの流量は、Al原料ガスを1.53sccmに設定し、Ga原料ガスを39sccmに設定し、N原料ガスを7slmに設定した。第2障壁層の膜厚は、14nmに成長させた。
以上のように形成された参考例4の発光素子について100mAの電流を流したときの発光出力を評価した。また、実施例2と同様に、発光素子の発光波長の半値幅と、井戸層の表面粗さをそれぞれ評価した。
その結果、参考例4の発光素子の発光出力は47.3mWであった。また、発光波長の半値幅が12.5nm、表面粗さが6.6nmであった。
これらの実施例2、及び参考例2~参考例4の評価結果を表2に記載する。なお、表2において、障壁層が第1障壁層と第2障壁層から構成されている場合は、「第1障壁層/第2障壁層」と記載している。なお、「第1障壁層/第2障壁層」の記載は、n側窒化物半導体層側から第1障壁層と第2障壁層とが順に積層されていることを意味する。
Figure 0007328558000002
これらの結果から、第1障壁層2と、第1障壁層2のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーの第2障壁層3とを有する障壁層4を形成した実施例2の発光素子は、参考例2~参考例4の発光素子よりも高い発光出力であることが確認された。
また、実施例2及び参考例4より、バンドギャップエネルギーの関係が第1障壁層>第2障壁層である実施例2の発光素子が、バンドギャップエネルギーの関係が第2障壁層>第1障壁層である参考例4の発光素子よりも高い発光出力であることが確認された。これは、実施例2の方が参考例4よりも高い電子の閉じ込め効果を有するためであると推測される。また、実施例2の発光素子は、発光波長の半値幅が参考例2~参考例4の発光素子と同等であり、井戸層の表面粗さは参考例2及び参考例4よりも良好な値であることが確認された。このことから、実施例2の発光素子は参考例2及び参考例4の発光素子よりも、障壁層や井戸層における結晶性が良好であると推測される。実施例2の発光素子の表面粗さは、障壁層の組成をAlInGaNのみとした参考例3に比べると表面粗さは良くない結果となったが、実施例2の発光素子の発光出力は、参考例3の発光素子よりも高いことが確認された。このことから、実施例2の発光素子は、障壁層や井戸層における結晶性を良好にしつつ、高い電子の閉じ込め効果を有していると推測される。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態及び実施例における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1 半導体積層体
1a 半導体積層体構造
2 第1障壁層
3 第2障壁層
4 障壁層
5 井戸層
10 半導体素子
11 n側窒化物半導体層
12 活性層
13 p側窒化物半導体層
21 第1基板
22 第2基板
31 第1電極
32 第2電極
35 絶縁膜
40、40a、40b 金属層
100 第1ウエハ
200 第2ウエハ

Claims (17)

  1. n側窒化物半導体層と、
    前記n側窒化物半導体層上に設けられた窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層と、
    前記活性層上に設けられたp側窒化物半導体層と、を有し、
    前記複数の障壁層のうち少なくとも1つの前記障壁層は、前記n側窒化物半導体層側から順に、Al及びGaを含む第1障壁層と、前記第1障壁層に接して設けられ、Al、Ga、及びInを含み前記第1障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい第2障壁層とを有し、
    前記複数の井戸層のうち少なくとも1つの前記井戸層は、前記第2障壁層に接して設けられ、前記第2障壁層よりも小さいバンドギャップエネルギーを有しかつ前記第2障壁層より薄い膜厚を有する発光素子。
  2. 前記複数の障壁層のうち最も前記p側窒化物半導体層側に位置する障壁層は、前記第1障壁層からなり、該第1障壁層は前記p側窒化物半導体層に接して設けられている請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記複数の障壁層のうち前記p側窒化物半導体層に最も近くに位置する井戸層の上に位置する障壁層のみが、前記第1障壁層と前記第2障壁層とを含む請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記複数の井戸層のうち少なくとも1つの前記井戸層はInを含み、
    前記複数の井戸層のうち少なくとも1つの前記井戸層のIn混晶比は、前記第2障壁層のIn混晶比と同一である請求項1~3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記第2障壁層の膜厚は、前記第1障壁層の膜厚よりも薄い請求項1~4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記複数の障壁層のそれぞれは、前記第1障壁層及び前記第2障壁層を有する請求項1~のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. n側窒化物半導体層を成長させるn側窒化物半導体層成長工程と、前記n側窒化物半導体層上に、窒化物半導体からなる複数の井戸層と、窒化物半導体からなる複数の障壁層とを備えた紫外光を発する活性層を成長させる活性層成長工程と、前記活性層上にp側窒化物半導体層を成長させるp側窒化物半導体層成長工程と、を含む発光素子の製造方法であって、
    前記活性層成長工程は、
    Al原料ガス、Ga原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて第1障壁層を成長させる第1障壁層成長工程と、
    Al原料ガス、Ga原料ガス、In原料ガス、及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第1障壁層上に第2障壁層を成長させる第2障壁層成長工程と、
    Ga原料ガス及びN原料ガスを含む原料ガスを用いて前記第2障壁層上に前記第2障壁層よりバンドギャップエネルギーの小さい前記井戸層を、前記第2障壁層より薄い膜厚に成長させる井戸層成長工程と、
    を含む発光素子の製造方法。
  8. 前記複数の障壁層のうち最も前記p側窒化物半導体層側に位置し、前記p側窒化物半導体層に接する障壁層を、第1障壁層成長工程により成長させ、
    前記複数の障壁層のうち前記p側窒化物半導体層に接する前記障壁層以外の障壁層を、前記第1障壁層成長工程と前記第2障壁層成長工程とにより成長させる請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記複数の障壁層のうち前記p側窒化物半導体層に最も近くに位置する井戸層の上に位置する障壁層のみを、前記第1障壁層成長工程と前記第2障壁層成長工程とにより成長させる請求項7又は8に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記第2障壁層成長工程における前記Al原料ガス、前記Ga原料ガス、及び前記N原料ガスの各流量は、前記第1障壁層成長工程における前記Al原料ガス、前記Ga原料ガス、及び前記N原料ガスの各流量と同一である請求項7~9のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記第1障壁層成長工程において、
    前記Al原料ガスの流量を0.5sccm以上2sccm以下に設定し、前記Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、前記N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定し、
    前記第2障壁層成長工程において、
    前記Al原料ガスの流量を0.5sccm以上2sccm以下に設定し、前記Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、前記N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定し、前記In原料ガスの流量を3sccm以上15sccm以下に設定する請求項7~10のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  12. 前記第2障壁層成長工程において、前記In原料ガスの流量を5sccm以上10sccm以下に設定する請求項11に記載の発光素子の製造方法。
  13. 前記井戸層成長工程において、
    前記Ga原料ガスの流量を20sccm以上50sccm以下に設定し、前記N原料ガスの流量を4slm以上10slm以下に設定し、前記In原料ガスの流量を6sccm以上25sccm以下に設定する請求項11又は12に記載の発光素子の製造方法。
  14. 前記井戸層成長工程において、前記Al原料ガスを導入せずに前記井戸層を成長させる請求項13に記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記第2障壁層成長工程において、前記第2障壁層の膜厚を前記第1障壁層の膜厚よりも薄く成長させる請求項14のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  16. 前記第1障壁層成長工程において、前記第1障壁層を10nm以上35nm以下の厚さに成長させる請求項15のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  17. 前記第2障壁層成長工程において、前記第2障壁層を3nm以上25nm以下の厚さに成長させる請求項16のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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