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JP7328999B2 - ポリ(アリールエーテルスルホン)(paes)ポリマーを使用する3次元物体の製造方法 - Google Patents
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ポリ(アリールエーテルスルホン)(paes)ポリマーを使用する3次元物体の製造方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2018年6月18日出願の米国仮特許出願第62/686298号及び2018年7月16日出願の欧州特許出願第18183814.5号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本開示は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含有する部品材料から3次元物体の層を印刷することからなる工程を含む、付加製造システムを用いた3次元(3D)物体の製造方法に関する。本発明は、そのようなPAESとFPとを含むポリマーフィラメント、並びにフィラメントの製造及び3D物体の印刷のためのこのPAESの使用にも関する。
付加製造システムは、1つ以上の付加製造技術を使用して3D部品のデジタル表現から3D部品を印刷又は他の方法で構築するために使用される。商業的に利用可能な付加製造技術の例としては、押出ベースの技術、選択的レーザー焼結、粉末/バインダー噴射、電子ビーム溶融、及びステレオリソグラフィプロセスが挙げられる。これらの技術の各場合、3D部品のデジタル表現は、最初に複数の水平層にスライスされる。各スライスされた層に対して、続いて工具経路が生成され、これは、所与の層を印刷するように特定の付加製造システムに命令を与える。
例えば、押出ベースの付加製造システムにおいて、3D部品は、部品材料のストリップを押し出し、隣接させることによって層ごとに3D部品のデジタル表現から印刷され得る。部品材料は、システムの印刷ヘッドにより運ばれる押出チップを通して押し出され、x-y面の印字版上に一連の道として堆積される。押し出された部品材料は、前に堆積された部品材料に融合し、温度の降下時に固化する。そのとき、基材に対する印刷ヘッドの位置は、(x-y面に垂直の)z軸に沿ってインクリメントされ、次いで、このプロセスは、デジタル表現に類似する3D部品を形成するために繰り返される。フィラメントから出発する押出ベースの付加製造システムの例は、溶融フィラメント製造(FFF)と呼ばれる。ペレット付加製造(PAM)は、原材料をペレットとして印刷することができる3D印刷方法の例である。
別の例として、粉末ベースの付加製造システムにおいて、強力レーザーが、粉末を局部的に焼結して固体部品にするために使用される。3D部品は、粉末の層を順次堆積させること、続いて、画像をその層上へ焼結するためのレーザーパターンによって生み出される。粉末から出発する粉末ベースの付加製造システムの例は、選択的レーザー焼結(SLS)と呼ばれる。
マルチジェットフュージョン(「MJP」)は、付加製造印刷方法の別の例である。マルチジェットフュージョンの間、粉末材料の層全体が放射線に曝されるが、選択された領域のみが融合及び硬化して3D物体の層になる。MJP法は、粉末材料の選択された領域と接触して選択的に堆積された融剤を利用する。融剤は、粉末材料の層に浸透し、粉末材料の外表面に広がることができる。融剤は、放射線を吸収し、吸収された放射線を熱エネルギーに変換することができ、次いで、熱エネルギーは、融剤と接触している粉末材料を溶融又は焼結する。これにより、3D物体の層を形成するために、粉末材料が融合、結合、硬化される。
更に別の例として、炭素繊維複合材料3D部品は、連続繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)印刷方法を使用して製造することができる。この印刷は、熱溶解積層法(fused-deposition modeling)(FDM)に基づいており、ノズルにおいて繊維と樹脂とを組み合わせる。
熱可塑性樹脂系材料の付加製造(AM)の分野で認識されている要求は、上述したもののようなAM技術によって確実に加工できる改善された材料の選択を行うことで、射出成形などのより従来型の製造技術で見込まれる満足できる機械的特性及び外観特性を有すると同時に、AMで利用可能な特定の設計及びカスタム機能を示す機能性部品を得ることである。
本発明は、いくつかの技術的要件を有する、特には熱放出が少なく、煙の発生が少なく、有毒ガスの放出が少ない、航空宇宙用途の3D印刷部品又は物品に使用される付加製造材料の必要性に基づいている。
国際公開第2018/049365A1号パンフレット(SABIC)は、ワークピースを少なくとも85℃の水にさらすことによって構築材料から除去することが可能な、構築材料と犠牲材料とを含むワークピースを製造するための付加製造プロセスに関する。構築部分は、ポリエーテルイミド、ポリエーテルイミドスルホン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、イミド化ポリメタクリレート、それらのブレンド、又は任意の組み合わせを含む。この文献には、ドリップ防止剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の使用、及び溶融強度を高めるための繊維状PTFEについても記載されている。
本発明の一態様は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含有する部品材料から3D物体の層を印刷することからなる工程を含む、付加製造システムを用いた3次元(3D)物体の製造方法に関する。
このような製造方法によって得られる3D物体又は物品は、様々な最終用途において使用することができる。特に、航空宇宙産業における航空機部品及び複雑な形状の部品、並びに埋め込み型デバイス、歯科補綴物、ブラケット、及び自動車産業におけるボンネット下部品を挙げることができる。
一実施形態によれば、方法は、押出ベースの付加製造システムを用いた部品材料の押出も含む。部品材料はフィラメントの形態で成形することができ、例えば溶融フィラメント製造技術(FFF)で使用することができる。また、部品材料はペレットの形態であることができ、ペレットとしての原材料を印刷することができる3D印刷技術(PAM)において使用され得る。
本開示の別の態様は、例えば、3D印刷の準備が整えられたフィラメント又はペレットの形態の部品材料に関し、前記材料は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含む。本出願に記載の組成物、ペレット、及びフィラメントは、熱放出が少ないこと、煙の発生が少ないこと、及び有毒ガスの放出が少ないことが要求される航空宇宙市場向けの3D印刷部品に特によく適している。
本開示の更に別の態様は、3次元物体の製造のための、又は例えばFFF、PAM、SLS、MJF、若しくはFRTP印刷法などの付加製造システムで使用する、3次元物体の製造に使用するためのAMに対応したペレット若しくはフィラメントの製造のための、本明細書に記載の部品材料の使用に関する。
出願人は、物体を3D印刷するためにポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと低い溶融粘度を有するフルオロポリマーを使用すると、射出成形部品と比較して、改善された表面外観及び十分な機械的特性を示す3D物体を製造できることを見出した。
本開示は、押出ベースの付加製造システム(例えば、FFF)、粉末ベースの付加製造システム(例えば、SLS)又は連続繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)印刷法などの、付加製造システムを使用する3次元(3D)物体を形成又は製造する方法に関する。
本開示の方法は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含むポリマー成分を含有する部品材料から3D物体の層を印刷する工程を含む。
ある実施形態によれば、本開示の方法は、部品材料から3D物体の層を印刷するためにフィラメントの形態で部品材料を押し出す工程を含み、フィラメントは、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含むポリマー成分を含む。
別の実施形態によれば、本開示の方法は、部品材料から3D物体の層を印刷するためにペレットの形態で部品材料を押し出す工程を含み、ペレットは、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含むポリマー成分を含む。
ある実施形態によれば、本開示の方法は、部品材料から3D物体の層を印刷するために粉末材料の形態で部品材料を選択的に焼結する工程を含み、粉末材料は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含むポリマー成分を含む。この場合、粉末は、球形などの規則的な形状、或いはペレット又は粗い粉末の摩砕/粉砕によって得られる複雑な形状を有することができる。
出願人の功績は、驚くべきことに、スルホンポリマーと低溶融粘度のフルオロポリマーとの組み合わせを特定したことであり、これにより、材料のフィラメント及び印刷された部品を製造するための加工温度を下げると同時に、射出成形された物体と比較して改善された表面外観及び十分な機械的特性を有する3D印刷による3D物体を製造することができる。
FFF又はFDMのために使用される材料が、押出温度で連続的に押し出されるためにできるだけ低い溶融粘度を持たなければならないことは、一般に知られているし、文献に記載されている。また、ポリマーの溶融粘度は、堆積されたフィラメントが巻き上がるよりもむしろ平らになるように十分に低いものでなければならない。溶融粘度は、材料が押し出される温度を上げることによって下げることができるが、余りにも高い温度は、加熱される材料を分解させ得、且つ、エネルギー消費を増加させる。押出ベースの3D印刷方法で使用する場合、低い溶融粘度のポリマーは、十分な機械的特性を示す3D印刷された物品を提供するだけでなく、フィラメント材料へと容易に加工可能である必要もある。
低い溶融粘度のポリマーフィラメントを製造するために使用される温度だけでなく、3D物体を印刷するために設定される温度も有利に下げることができ、これにより、エネルギー消費がプラスの影響を受け、使用可能なプリンターの範囲が広げられる。
出願人は、本明細書において、スルホンポリマーと低い溶融粘度のフルオロポリマーとの組み合わせにより、FFFフィラメントを製造するために使用される押出温度を大幅に低下させることができることを示す。出願人は、材料の印刷特性が維持されると同時に、最終製品の表面外観が改善されることも示す。
「(コ)ポリマー」又は「ポリマー」という表現は、本明細書では、実質的に100モル%の同じ繰り返し単位を含有するホモポリマー及び少なくとも50モル%、例えば少なくとも約60モル%、少なくとも約65モル%、少なくとも約70モル%、少なくとも約75モル%、少なくとも約80モル%、少なくとも約85モル%、少なくとも約90モル%、少なくとも約95モル%又は少なくとも約98モル%の同じ繰り返し単位を含むコポリマーを指定するために用いられる。
「部品材料」という表現は、本明細書では、3D物体の少なくとも一部を形成することを意図される、材料、とりわけポリマー化合物のブレンドを意味する。部品材料は、本開示によれば、3D物体又は3D物体の部品の製造のために使用される供給原料として使用される。
本開示の方法は、フィラメント又は超微粒子(球などの規則的な形状を持った、又はペレットの粉砕/ミリングによって得られる複雑な形状を持った)の形態で例えばペレットとして使用するか造形することができる、部品材料の主要素とすることができるPAESポリマー(スルホンポリマーとも呼ばれる)を実際に用いて、3D物体(例えば、3Dモデル、3D物品又は3D部品)を構築する。本発明の方法は、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有するパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)も使用する。FPポリマーは超微粉末の形態であってもよい。
本出願において:
- いずれの記載も、特定の実施形態に関連して記載されているとしても、本開示の他の実施形態に適用可能であり、且つそれらと交換可能であり;
- 要素又は成分が、列挙された要素又は成分のリストに含まれる且つ/又はリストから選択されると言われる場合、本出願で明示的に企図される関連実施形態において、要素又は成分はまた、別の列挙された要素又は成分のいずれか1つであることができ、或いは、明示的にリストアップされた要素又は成分の任意の2つ以上からなる群から選択することもでき、要素又は成分のリストに列挙されたいかなる要素又は成分も、このようなリストから省略され得ることが理解されるべきであり、
- 端点による数値範囲の本明細書でのいずれの列挙も、列挙された範囲内に包含される全ての数、並びに範囲の端点及び同等物を含む。
一実施形態によれば、部品材料は、フィラメントの形態にある。「フィラメント」という表現は、少なくともPAESポリマーと特定のMwの少なくとも1種のFPとを含む、本開示による材料又は材料のブレンドから形成された糸状の物体又は繊維を指す。
フィラメントは、円筒形状又は実質的に円筒状の形状を有し得、又はリボンフィラメント形状などの、非円筒形状を有し得、更に、フィラメントは、中空形状を有し得、又はコア-シェル形状を有し得、別のポリマー組成物がコア又はシェルのいずれかを形成するために使用される。
別の実施形態によれば、部品材料は、例えば、1~200μm、例えば10~100μm又は20~80μmに含まれるサイズを有し、例えばブレード、ロール又はオーガーポンププリントヘッドによって供給されるための、マイクロ粒子の形態に又は粉末形態にある。
本開示のある実施形態によれば、付加製造システムを使用する3次元物体の製造方法は、部品材料を押し出すことからなる工程を含む。この工程は、例えば部品材料のストリップ又は層を印刷する又は堆積させるときに生じ得る。押出ベースの付加製造システムを使用する3D物体の製造方法はまた、溶融フィラメント製造技術(FFF)として知られる。
FFF 3Dプリンターは、例えば、Apiumから、Hyrelから、Robozeから、NVBotsから、AON3Dから、又はStratasys,Inc.から(商品名Fortus(登録商標)で)市販されている。
PAM 3Dプリンターは、例えば、Pollenから市販されている。BAAM(大面積付加製造)は、Cincinnati Incから市販されている工業サイズの付加装置である。
SLS 3Dプリンターは、例えば、EOS Corporationから商標名EOSINT(登録商標) Pで入手できる。
MJF 3Dプリンターは、例えば、HP Jet Fusionという 3D商標名でHewlett-Packard Companyから入手できる。
FRTP 3Dプリンターは、例えば、Markforgedから入手可能である。
部品材料
本開示の方法で使用される部品材料は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)とを含む。
本発明の部品材料は、他の成分を含み得る。例えば、部品材料は、少なくとも1つの添加剤、とりわけ充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、核剤、流動促進剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含み得る。充填材は、これに関連して、本質的に強化性であることも非強化性であることもできる。
部品材料は、例えば、部品材料の総重量に基づいて、30重量%までの少なくとも1つの添加剤を含み得る。
本発明のある実施形態によれば、部品材料は、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.25~1重量%の、例えば上で定義した2種又は3種の添加剤などの少なくとも1種の添加剤を含む。
充填材(F)を含む実施形態では、部品材料の総重量に対して、部品材料の充填材の濃度は、0.1重量%~30重量%、好ましくは0.5~25重量%、更により好ましくは1~20重量%の範囲である。好適な充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノファイバー、グラフェン、酸化グラフェン、フラーレン、タルク、ウォラストナイト、マイカ、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭化ケイ素、タングステン酸ジルコニウム、窒化ホウ素及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のある実施形態によれば、部品材料は、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、フラーレン、タルク、ウォラストナイト、マイカ、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭化ケイ素、タングステン酸ジルコニウム、窒化ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される充填材を、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.25~1重量%含む。
本発明の一実施形態によれば、本発明の部品材料は、ハロゲン系難燃剤及びハロゲンフリー難燃剤(ホウ酸亜鉛等)などの難燃剤を含む。
本発明の別の実施形態によれば、部品材料は、ヒドロキシアパタイド、α-トリカルシウムホスフェート(α-TCP)、β-TCP、及び硫酸バリウム(BaSO)からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含む。
本発明の別の実施形態によれば、本発明の部品材料は、フロー助剤と呼ばれる場合もあるフロー剤を含む。このフロー剤は、例えば親水性であり得る。親水性流動助剤の例は、シリカ、アルミナ及び酸化チタンからなる群からとりわけ選択される無機顔料である。ヒュームドシリカを挙げることができる。
ヒュームドシリカは、Aerosil(登録商標)(Evonik)及びCab-O-Sil(登録商標)(Cabot)の商標名で市販されている。
本発明のある実施形態によれば、部品材料は、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.25~1重量%のフロー剤、例えばヒュームドシリカを含む。
これらのシリカは、ナノメートルの一次粒子(ヒュームドシリカについて典型的には5~50nm)で構成されている。これらの一次粒子は、結合して凝集体を形成する。流動剤としての使用において、シリカは、様々な形態(基本粒子及び凝集体)で見出される。
一実施形態によれば、本開示の部品材料は、
- 少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマー、
- ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)、並びに
- 部品材料の総重量を基準として、0~30重量%の、例えば、充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、核剤、流動促進剤、及び安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、を含む。
別の実施形態によれば、本開示の部品材料は、
- 少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマー、
- ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)、並びに
- 部品材料の総重量を基準として、0~30重量%、0.1~28重量%、又は0.5~25重量%の、充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、核剤、流動促進剤、及び安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、
から本質的になる。
別の実施形態によれば、本開示の部品材料は、
- 60~99.5重量%、好ましくは70~99重量%、より好ましくは80~98.5%の、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマー、
- 0.5~40重量%、好ましくは1~30重量%、より好ましくは1.5~20重量%の、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)、並びに
- 部品材料の総重量を基準として、0~30重量%、0.1~28重量%、又は0.5~25重量%の、充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、核剤、流動促進剤、及び安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、
から本質的になる。
ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)
本発明のある実施形態によれば、部品材料は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)、例えば少なくとも60重量%(部品材料の総重量基準)の少なくとも1種のPAES、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも90重量%の、少なくとも1種のPAESを含有する。
本発明のある実施形態によれば、部品材料は、99.5重量%未満の少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)、例えば99重量%未満(部品材料の総重量基準)の少なくとも1種のPAES、98.5重量%未満、98重量%未満、97.5重量%未満、又は97重量%未満の少なくとも1種のPAESを含有する。
本発明の目的のためには、「ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)」は、式(K)の繰り返し単位(RPAES):
Figure 0007328999000001
を含む任意のポリマーとして定義することができ、
式中、
- Rは、各位置において、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから独立して選択され;
- hは、各Rについて、独立して、ゼロ又は1~4の範囲の整数であり;
- Tは、結合;-CH-;-O-;-SO-;-S-;-C(O)-;基-C(Rj)(Rk)-(Rj及びRkは、互いに同じ又は異なり、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ若しくはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから選択される)、例えば-C(CH-、-C(CF-、-C(=CCl)-、又は-C(CH)(CHCHCOOH)-;-N=N-;-RC=CR-(各R及びRは、互いに独立に、水素又はC1~C12アルキル、C1~C12アルコキシ、又はC6~C18アリール基である);-(CH-及び-(CF-(mは1~6の整数である);直鎖若しくは分岐の最大6個の炭素原子を有する脂肪族二価基;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。
ある実施形態によれば、Rj及びRkは、メチル基である。
式(K)において、Tは、好ましくは、結合、SO、又は-C(CH-である。
ある実施形態によれば、hは、各Rについてゼロである。言い換えれば、この実施形態によれば、繰り返し単位(RPAEs)は、式(K’):
Figure 0007328999000002
の単位である。
本発明のある実施形態によれば、PAES中の繰り返し単位の少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%又は全てが、式(K)又は式(K’)の繰り返し単位(RPAES)である。
一実施形態によれば、PAESは、ASTM D3418に従い示差走査熱量計(DSC)により測定した際に、160~250℃、好ましくは170~240℃、より好ましくは180~230℃の範囲のTgを有する。
ある実施形態によれば、ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)は、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU)である。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)ポリマーは、ビフェニル部分を含むポリアリーレンエーテルスルホンである。ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)は、ポリフェニルスルホン(PPSU)としても知られており、例えば4,4’-ジヒドロキシビフェニル(ビフェノール)と4,4’-ジクロロジフェニルスルホンとの縮合の結果として生じる。
本発明の目的のためには、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU)は、式(L):
Figure 0007328999000003
(式中、
- Rは、各位置において、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから独立して選択され;
- hは、各Rについて、独立して、ゼロ又は1~4の範囲の整数である)
の繰り返し単位(RPPSU)を含む任意のポリマーを意味する。
ある実施形態によれば、Rは、上の式(L)中での各位置において、1つ又は2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む、C1~C12部分;スルホン酸及びスルホネート基;ホスホン酸及びホスホネート基;アミン並びに第四級アンモニウム基からなる群から独立して選択される。
一実施形態によれば、hは、各Rについてゼロである。言い換えれば、この実施形態によれば、繰り返し単位(RPPSU)は、式(L’):
Figure 0007328999000004
の単位である。
別の実施形態によれば、繰り返し単位(RPPSU)は、式(L’’):
Figure 0007328999000005
の単位である。
従って、本発明のPPSUポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであり得る。コポリマーである場合、これは、ランダム、交互又はブロックコポリマーであり得る。
本発明のある実施形態によれば、PPSU中の繰り返し単位の少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%又は全てが、式(L)、(L’)及び/又は(L’’)の繰り返し単位(RPPSU)である。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU)がコポリマーである場合、それは、繰り返し単位(RPPSU)とは異なる、繰り返し単位(R*PPSU)、例えば、式(M)、(N’’)及び/又は(O):
Figure 0007328999000006
から製造することができる。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU)はまた、PPSUホモポリマーと、上に記載されたような、少なくとも1種のPPSUコポリマーとのブレンドであり得る。
本発明によれば、部品材料のポリマー成分は、
- 少なくとも12,000g/mol、例えば少なくとも12,500、又は少なくとも13,000g/molの数平均分子量(Mn)、及び
- 1.7未満、例えば1.6未満、又は1.5未満のPDI、
を有する少なくとも1種のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU)、例えば、少なくとも60重量%(部品材料中のポリマー成分の総重量基準)の少なくとも1種のPPSU、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の少なくとも1種のPPSUを含む。
ある実施形態によれば、ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)は、ポリスルホン(PSU)ポリマーである。
本発明の目的のためには、ポリスルホン(PSU)は、式(N):
Figure 0007328999000007
(式中、
- Rは、各位置において、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから独立して選択され;
- hは、各Rについて、独立して、ゼロ又は1~4の範囲の整数である)
の繰り返し単位(RPSU)を含む任意のポリマーを意味する。
ある実施形態によれば、Rは、上の式(N)における各位置において、1つ又は2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含むC1~C12部分;スルホン酸及びスルホネート基;ホスホン酸及びホスホネート基;アミン並びに第四級アンモニウム基からなる群から独立して選択される。
ある実施形態によれば、hは、各Rについてゼロである。言い換えれば、この実施形態によれば、繰り返し単位(RPSU)は、式(N’):
Figure 0007328999000008
の単位である。
本発明のある実施形態によれば、PSU中の繰り返し単位の少なくとも50モル%、少なくとも60モル%(ポリマー中の繰り返し単位の総モル数を基準として)、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%又は全てが、式(N)及び/又は(N’)の繰り返し単位(RPSU)である。
別の実施形態によれば、ポリスルホン(PSU)は、その繰り返し単位の少なくとも50モル%超が式(N’’):
Figure 0007328999000009
の繰り返し単位(RPSU)である任意のポリマーを意味し、モル%はポリマー中の総モル数基準である。
本発明のある実施形態によれば、PSU中の繰り返し単位の少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%又は全てが、式(N’’)の繰り返し単位(RPSU)である。
それ故、本発明のPSUポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであり得る。コポリマーである場合、これは、ランダム、交互又はブロックコポリマーであり得る。
ポリスルホン(PSU)がコポリマーである場合、それは、繰り返し単位(RPSU)とは異なる繰り返し単位(R PSU)、例えば、上に記載された式(L’’)、(M)及び/又は(O)の繰り返し単位などでできていることができる。
ポリスルホン(PSU)はまた、PSUホモポリマーと、上に記載されたような、少なくとも1種のPSUコポリマーとのブレンドであり得る。
本発明によれば、ポリマー系材料は、
- 少なくとも12,000g/mol、例えば少なくとも12,500又は少なくとも13,000g/molの数平均分子量(Mn)、及び
- 1.7未満、例えば1.6未満、又は1.5未満のPDI、
を有する少なくとも1種のポリスルホン(PSU)、例えば、少なくとも60重量%(部品材料中のポリマー成分の総重量基準)の少なくとも1種のPSU、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の少なくとも1種のPSUを含む。
一実施形態によれば、ポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)は、ポリエーテルスルホン(PES)ポリマーである。
本明細書において、「ポリエーテルスルホン(PES)」は、式(O):
Figure 0007328999000010
の繰り返し単位を含む任意のポリマーを意味する。
ある実施形態によれば、PES中の繰り返し単位の少なくとも60モル%、70モル%%、80モル%%、90モル%、95モル%、99モル%、最も好ましくは全てが、式(O)の繰り返し単位である。
本発明のPAESは、当業者が利用可能な任意のプロセスによって調製することができる。
本発明のPAESは、例えば、少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシモノマー(a1)と、少なくとも2個のハロゲン置換基を含む少なくとも1種の芳香族スルホンモノマー(a2)との縮合によって調製することができる。縮合は、溶媒中で行われてもよく、或いは縮合は無溶媒で、すなわち、溶媒の不存在下で溶融物中で行われてもよい。縮合が無溶媒である場合、反応は、モノマーに対して不活性な材料製の装置の中で行うことができる。この場合、モノマーを十分に接触させ、揮発性反応生成物の除去が実行可能であるように装置が選択される。適切な装置としては、撹拌反応器、押出機、及び例えばList AG又はBUSSからの混合混錬機などの混錬機が挙げられる。混合混錬機を使用すると、押出機よりも滞留時間を長くすることができるため、無溶媒PAESの調製に特に有用な場合がある。装置は、例えば、
- 5~500s-1の範囲、好ましくは10~250s-1、特には20~100s-1の範囲の剪断速度(すなわち、回転する混練機要素と壁との間の隙間における混練材料の速度勾配)、及び
- 0.2~0.8、好ましくは0.22~0.7、特には0.3~0.7、具体的には0.35~0.64の範囲の充填レベル(すなわち、モノマーを充填することができ、混合を可能にする、混錬機内の体積容量が開始モノマーによって充填される割合)
で運転することができる。
縮合が溶媒中で行われる場合、溶媒は、例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、N,Nジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロベンゼン、及びスルホランからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である。縮合は、好ましくは、スルホラン又はNMPの中で行われる。
縮合は、例えば、炭酸カリウム(KCO)、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、及びナトリウムtert-ブトキシドからなる群から選択される塩基の存在下で行うことができる。塩基は、縮合反応中に成分(a1)を脱プロトン化するように機能する。
縮合は、好ましくは、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、又は炭酸カリウム(KCO)と炭酸ナトリウム(NaCO)の両方のブレンドの存在下で行われる。ある実施形態によれば、工程(a)の縮合は、例えば、約100μm未満、例えば50μm未満、30μm未満、又は20μm未満の体積平均粒子サイズを有する無水KCOを含む、低粒子サイズのアルカリ金属炭酸塩の存在下で行われる。
(a1):(a2)のモル比は、0.9~1.1、例えば0.92~1.08又は0.95~1.05であってもよい。
ある実施形態によれば、モノマー(a2)は、4,4’-ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)又は4,4’-ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)、好ましくはDCDPSのうちの少なくとも1つを含む4,4-ジハロスルホンである。
ある実施形態によれば、モノマー(a1)は、モノマー(a1)の総重量を基準として、少なくとも50重量%の4,4’-ジヒドロキシビフェニル(ビフェノール)、少なくとも50重量%の2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、又は少なくとも50重量%の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)を含む。
縮合により、反応混合物のモノマーは、通常同時に反応する。反応は、好ましくは一段階で行われる。これは、モノマー(a1)の脱プロトン化、及びモノマー(a1)と(a2)との間の縮合反応が、中間生成物の分離なしの単一の反応段階で行われることを意味する。
ある実施形態によれば、縮合は、極性非プロトン性溶媒と、水との共沸混合物を形成する溶媒と、の混合物中で行われる。水との共沸混合物を形成する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。これは好ましくはトルエン又はクロロベンゼンである。共沸混合物形成溶媒及び極性非プロトン性溶媒は、典型的には約1:10~約1:1、好ましくは約1:5~約1:1の重量比で用いられる。水は、共沸混合物形成溶媒と共に共沸混合物として反応塊から連続的に除去されるため、重合中、実質的に無水の状態が維持される。共沸混合物形成溶媒、例えばクロロベンゼンは、反応で形成された水が除去された後、典型的には蒸留によって反応混合物から除去され、極性非プロトン性溶媒中に溶解していたPAESが残る。
反応混合物の温度は、約150℃~約350℃、好ましくは約210℃~約300℃に約1時間~15時間維持される。
無機成分、例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は過剰の塩基は、PAESの単離の前又は後に、溶解及び濾過、ふるい分け、又は抽出などの適切な方法によって除去することができる。
ある実施形態によれば、縮合終了時のPAESの量は、PAESと極性非プロトン性溶媒の総重量を基準として、少なくとも30重量%、例えば少なくとも35重量%、又は少なくとも37重量%、又は少なくとも40重量%である。
反応の終わりに、PAESポリマーは、PAES溶液を得るために他の成分(塩、塩基、…)から分離される。例えばPAESポリマーを他の成分から分離するために濾過を使用することができる。その後、PAES溶液をそのまま工程(b)で使用することができ、或いは、PAESは、例えば凝固又は溶媒揮発分除去により、溶媒から回収することができる。
パー(ハロ)フルオロポリマー(FP)
部品材料は、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)を含有する。
本発明によれば、パー(ハロ)フルオロポリマー(FP)は、ホモポリマーであってもよく、或いは例えばランダム、交互、又はブロックコポリマーなどのコポリマーであってもよい。
本発明によれば、パー(ハロ)フルオロポリマーは、少なくとも98モル%のパー(ハロ)フルオロモノマー由来の繰り返し単位、少なくとも98.5モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%、又は少なくとも99.9モル%のパー(ハロ)フルオロモノマー由来の繰り返し単位を有する重付加ポリマーであってもよく、このモル%は、ポリマー(FP)の総モル数基準である。好ましくは、本発明のパー(ハロ)フルオロポリマーは、ポリマー中の総モル数を基準として、パー(ハロ)フルオロモノマー由来の繰り返し単位を100モル%含む重付加ポリマーである。
本発明の目的のためには、パー(ハロ)フルオロモノマーは、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つのフッ素原子とを含み、炭素原子に直接結合した(すなわち単結合C-Hを介して炭素原子に結合している)水素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーであってもよい。
本発明によれば、パー(ハロ)フルオロモノマーは、炭素原子とフッ素原子に加えて、フッ素以外の少なくとも1つのハロゲン原子、例えば、少なくとも1つの塩素原子、少なくとも1つの臭素原子、及び/又は少なくとも1つのヨウ素原子を含んでいてもよい。或いは、パー(ハロ)フルオロモノマーは、炭素原子とフッ素原子のみを含んでいてもよい。この実施形態によれば、パー(ハロ)フルオロモノマーはパーフルオロモノマーである。
本発明によれば、パー(ハロ)フルオロモノマーは、ハロゲン原子以外の少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよく、特にこれは、少なくとも1つの酸素原子、リン原子、及び/又は窒素原子を更に含んでいてもよい。この実施形態によれば、パー(ハロ)フルオロモノマーは、ヘテロ原子に結合している少なくとも1つの水素原子も更に含んでいてもよい。例えば、パー(ハロ)フルオロモノマーは、-OH、-NH、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-SOH、-SOH、-PO、又は-POからなる群から選択される部位を含んでいてもよい。
好ましい実施形態によれば、パー(ハロ)フルオロモノマーは水素原子を含まない。
本発明のある実施形態によれば、パー(ハロ)フルオロポリマーは、パー(ハロ)フルオロモノマーとは異なるモノマー由来の繰り返し単位を含まない。
或いは、パー(ハロ)フルオロポリマーは、ポリマー(FP)の総モル数を基準として、最大2モル%のパー(ハロ)フルオロモノマーとは異なるモノマー由来の繰り返し単位、最大1モル%、最大0.5モル%、又は最大0.1モル%のパー(ハロ)フルオロモノマーとは異なるモノマー由来の繰り返し単位を含む。
パー(ハロ)フルオロモノマー以外のエチレン性不飽和モノマーの例は、
- エチレン、プロピレン、及びC4~C12モノオレフィン、
- テトラブロモエチレンやヘキサブロモプロピレンなどの非フッ素化パーハロゲン化モノオレフィン、
- フッ化ビニリデンやトリフルオロエチレンなどの部分的にフッ素化されたモノオレフィン、及び
- 塩化ビニリデンなどの部分的にハロゲン化された非フッ素化モノオレフィン、
である。
本発明のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)は、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
本発明の目的のためには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、少なくとも98モル%のテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰り返し単位、少なくとも98.5モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%、又は少なくとも99.9モル%のテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰り返し単位を有するパー(ハロ)フルオロモノマーであり、モル%はポリマー(FP)の総モル数基準である。好ましくは、本発明のパー(ハロ)フルオロポリマーは、ポリマー中の総モル数を基準として100モル%のテトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰り返し単位を含む重付加ポリマーである。
一実施形態によれば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の全ての繰り返し単位がテトラフルオロエチレン(TFE)由来であり、その場合のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は「ホモポリマー」としての資格を有することができる。
別の実施形態によれば、PTFEは、ポリマー(FP)の総モル数を基準として、最大2モル%のTFEとは異なるエチレン性不飽和フッ素化モノマー由来の繰り返し単位、最大1モル%、最大0.5モル%、又は最大0.1モル%の、TFEとは異なるエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含む。
繊維状又はフィブリル状PTFE(高分子量PTFE又は高分子量PTFEとしても知られている)の使用は、火災状況における熱可塑性プラスチックのアンチドリップ剤として文献に記載されている。本発明の一実施形態によれば、PTFEは非フィブリル状又は非繊維状である。好ましくは、PTFEは低分子量PTFE(低分子量PTFE)である。
改質PTFE及び/又は熱可塑性TFEコポリマーのTFEとは異なる適したエチレン性不飽和フッ素化モノマーの非限定的な例は、
- ヘキサフルオロプロペン(HFP)、パーフルオロイソブチレンなどのC~Cパーフルオロオレフィン;
- トリフルオロエチレン(TrFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、フッ化ビニル(VF)、ペンタフルオロプロピレン、及びヘキサフルオロイソブチレンなどのC~C水素含有フルオロオレフィン;
- クロロトリフルオロエチレン(CTFE)及びブロモトリフルオロエチレンなどのC~Cクロロ、及び/又はブロモ、及び/又はヨード含有フルオロオレフィン;
- 式CF=CFORf1(式中、Rf1は、C~Cフルオロアルキル、例えば-CF、-C、-Cである)のフルオロアルキルビニルエーテル;
- 式CF=CFOX(式中、Xは、1つ又は2つ以上のエーテル性酸素原子を含むC~C12フルオロオキシアルキル基である)のフルオロオキシアルキルビニルエーテル、特に、式CF=CFOCFORf2(ここで、Rf2は、-CFCF、-CFCF-O-CF、及び-CFなどの、C~Cフルオロ(オキシ)アルキル基である)のフルオロメトキシアルキルビニルエーテル
- 式:
Figure 0007328999000011
(式中、各Rf3、Rf4、Rf5、Rf6は、互いに等しいか又は異なり、独立して、フッ素原子であるか、1つ以上の酸素原子を任意選択的に含むC~Cフルオロ(ハロ)フルオロアルキル、例えば-CF、-C、-C、-OCF、-OCFCFOCFである)
のフルオロジオキソール;
である。
上で説明したように、本発明のポリマー(FP)は、低い溶融粘度ポリマー、例えば低い溶融粘度のPTFEである。例えば本発明によく適したPTFEなどのポリマーは、通常超微粉末として提供され、これは例えばPTFE/改質PTFEなどの標準的な高分子量FPの照射によって得ることができ、通常、標準的な高分子量/高溶融粘度PTFE/改質PTFEの典型的な分子量よりもかなり低い分子量を有することが知られており、これによってPTFE及び/又は改質PTFEの超微粉末をそれ自体で溶融流動性にすることができる。
好ましくは、ポリマー(FP)は、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.sの溶融粘度、例えば最大1.4×10Pa.s、最大1.3×10Pa..、最大1.0×10Pa.s、最大0.8×10Pa.sの溶融粘度を有する変性されていてもよいPTFE超微粉末からなる群から選択される。
例えば本発明によく適したPTFE又は改質PTFEなどのFPの超微粉末は、ISO 13320に従ってレーザー光回折により決定されるそれらの平均粒子サイズd50によって特徴付けることができる。一実施形態によれば、FP超微粉末のd50は、最大25.0μm、例えば最大22.0μm、又は最大20.0μmである。d50の下方境界は特に限定されない。ただし、取り扱いの便宜のため、FP超微粉末のd50は一般的に少なくとも0.5μm、好ましくは少なくとも1.0μmであると理解されている。
2.0μm~15.0μmの間、好ましくは2.5μm~12.0μmの間の平均サイズd50を有するPTFE又は改質PTFEの超微粉末によって特に良い結果が得られた。
例えばPTFE又は改質PTFEなどのFPの超微粉末の平均サイズd50は、例えばレーザー回折粒度LS(商標)13 320MW-Beckman Coulter計測器を使用して、レーザー光回折によってISO13320に従って決定される。
例えば本発明によく適したPTFE又は改質PTFEなどのFPの超微粉末は、これらのカルボン酸鎖末端基(特に-COOH及び-COF基)の量によって特徴付けることができる。一実施形態によれば、FP超微粉末のカルボキシル鎖末端基の量は、少なくとも13mモル/kg、好ましくは少なくとも14mモル/kg、より好ましくは少なくとも15mモル/kg、及び/又は有利には最大50mモル/kg、好ましくは最大40mml/kg、より好ましくは最大30mモル/kgである。
カルボン酸鎖の末端基(-COOH及び-COF)の量は、PIANCA,M.ら著、End groups in fluoropolymers.Journal of Fluorine Chemistry.1999,vol.95,p.71-84に記載の方法に従って決定することができる。当該鎖末端の濃度は、ポリマー(F)1kg当たりの基のmmolとして表される。
本発明の組成物において特に有効であることがわかったPTFE超微粉末は、Solvay Specialty Polymers USA,LLC.から市販されているPOLYMIST(登録商標)PTFE微粉化粉末である。
本発明の部品材料は、別個の芳香族ポリマーを含んでいてもよい。これは、例えば2種又は3種の別個のポリマー、例えば1種のポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)ポリマー、例えばポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、1種のポリエーテルイミド(PEI)、及び/又は1種のポリアリーレンスルフィド(PAS)、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)であってもよい。これは、2種の異なるPAESポリマー、例えば異なる分子量のPPSUとPSUも含んでいてもよい。
一実施形態によれば、本開示の部品材料は、部品材料の総重量を基準として:
- 少なくとも30重量%の少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマー、例えば少なくとも40重量%、少なくとも50重量%のPAESポリマー、
- 少なくとも0.2重量%、例えば少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、又は少なくとも1.4重量%の、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)、
- 部品材料の総重量を基準として、0~30重量%の、例えば、充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、核剤、流動促進剤、及び安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、
を含む。
一実施形態によれば、本開示の部品材料は、部品材料の総重量を基準として、最大10重量%、例えば最大9重量%、最大8重量%、又は最大5重量%の、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)を含む。
ある実施形態によれば、本発明の部品材料は、部品材料のポリマー成分の総重量を基準として、
a)30~95重量%の少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)、及び
b)5~70重量%の、ポリスチレン標準を用いて160℃でフェノール及びトリクロロベンゼン(1:1)を使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定される75,000~150,000g/モルの範囲の重量平均分子量(Mw)を例えば有する少なくとも1種のポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)、
を含むポリマー成分を含む。
本開示の部品材料は、当業者に周知の方法によって製造することができる。例えば、このような方法には溶融混合プロセスが含まれるが、これらに限定されない。溶融混合プロセスは、典型的には、熱可塑性ポリマーの溶融温度よりも上にポリマー成分を加熱し、これにより熱可塑性ポリマーの溶融物を形成することによって実施される。いくつかの実施形態では、処理温度は、約250~450℃、好ましくは約290~440℃、約300~430℃又は約310~420℃の範囲である。好適な溶融混合装置は、例えば、ニーダ、バンバリー(Banbury)ミキサー、一軸スクリュー押出機、及び二軸スクリュー押出機である。好ましくは、所望の成分を全て押出機に、押出機の供給口又は溶融物のいずれかに投与するための手段を備えた押出機が使用される。部品材料の調製プロセスにおいて、部品材料の成分、例えばPPSU、FP、及び任意選択的な添加剤は、溶融混合装置に供給され、その装置中で溶融混合される。成分は、乾燥ブレンドとしても知られる粉末混合物又は顆粒ミキサーとして同時に供給されることができ、又は別々に供給されることができる。
溶融混合中に成分を組み合わせる順序は、特に限定されない。一実施形態では、成分は、所望量の各成分が一緒に添加され、続いて混合されるような、単一バッチで混合することができる。他の実施形態では、最初のサブセットの成分を最初に一緒に混合することができ、1つ以上の残りの成分を、更なる混合のために混合物に添加することができる。明確にするために、各成分の全所望量が単一量として混合される必要はない。例えば、1つ以上の成分について、一部の量を最初に添加し、混合し、続いて、残りのいくらか又は全てを添加し、混合することができる。
部品材料の形状
本開示は、少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含む例えばフィラメント材料又はペレットなどの部品材料にも関する。
3Dプリンターを使用した3次元物体の製造方法における使用によく適したこの材料は、物体を3D印刷するために使用されるプリンターに合わせられた任意の形態であってもよい。例えば、部品材料は、フィラメント又はペレットの形態であってもよく、或いはこれは超微粉末の形態であってもよい。
部品材料に関して上に記載された実施形態の全てが、部品材料の形状に等しく適用される。
例として、本開示の部品材料は、他の成分を含み得る。例えば、材料は、少なくとも1種の添加剤、とりわけ充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、核剤、流動促進剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含み得る。
部品材料がペレット形態の場合、ペレットは球形であってもよく、これは少なくとも0.5mm、例えば少なくとも0.6mm、又は少なくとも0.7mm、及び最大5mm、例えば最大4mm、又は最大3mmの直径を有していてもよい。
部品材料がフィラメント形態である場合、フィラメントは円筒形状若しくは実質的に円筒形状を有していてもよく、或いはリボンフィラメント形状などの非円筒形状を有していてもよく;更に、フィラメントは中空形状を有していてもよく、或いはコア-シェル形状を有してもよく、本開示の支持材料はコア若しくはシェルのいずれかを形成するために使用される。
フィラメントが円筒形状を有する場合、その直径は、0.5mm~5mm、例えば0.8~4mm又は例えば1mm~3.5mmで変動し得る。フィラメントの直径は、特定のFFF 3Dプリンターに供給するために選択することができる。FFFプロセスにおいて広範囲にわたって使用されるフィラメント直径の例は、1.75mm又は2.85mm直径である。標準偏差が減少したフィラメントサイズの良好な制御は、本発明のPPSUポリマーで得ることができる。とりわけ、フィラメントは、円筒形状と、0.5~5mm±0.15mm、例えば0.8~4mm±0.1mm又は例えば1~3.5mm±0.08mmに含まれる直径とを有することができる。
本開示のフィラメント又はペレットは、溶融混合プロセスなどの、しかしそれらに限定されない方法によって部品材料から製造することができる。溶融混合プロセスは、典型的には、熱可塑性ポリマーの最高溶融温度及びガラス転移温度よりも上にポリマー成分を加熱し、これにより熱可塑性ポリマーの溶融物を形成することによって実施される。いくつかの実施形態では、処理温度は、約250~450℃、好ましくは約290~440℃、約300~430℃又は約310~420℃の範囲である。
フィラメントの製造プロセスは、溶融混合装置で実施することができ、このため、溶融混合によりポリマー組成物を調製する技術における当業者に公知の任意の溶融混合装置を使用することができる。好適な溶融混合装置は、例えば、ニーダ、バンバリー(Banbury)ミキサー、一軸スクリュー押出機、及び二軸スクリュー押出機である。好ましくは、所望の成分を全て押出機に、押出機の供給口又は溶融物のいずれかに投与するための手段を備えた押出機が使用される。フィラメントの製造プロセスにおいて、部品材料の成分、即ち本発明の少なくともPAESとFP、並びに任意選択的な添加剤が、溶融混合装置に供給され、その装置で溶融混合される。成分は、乾燥ブレンドとしても知られる粉末混合物又は顆粒ミキサーとして同時に供給されてもよく、或いは別々に供給されてもよい。
既に上で説明したように、溶融混合中に印刷される材料の成分を混ぜ合わせる順序は特に限定されない。
フィラメントの製造方法は、例えばダイを使った押出の工程も含む。この目的のために、任意の標準的な成形技術を用いることができ、溶融/軟化形態のポリマー組成物を成形することを含む標準的な技術を有利に適用でき、これにはとりわけ圧縮成形、押出成形、射出成形、トランスファー成形などが挙げられる。押出成形が好ましい。例えば物品が円筒形状のフィラメントである場合は環状のオリフィスを有するダイなどのダイを用いて物品を成形することができる。
方法は、異なる条件下での溶融混合又は押出のいくつかの連続工程を任意選択的に含み得る。
プロセス自体、又は関連する場合、プロセスの各工程は、溶融混合物を冷却することを含む工程を更に含んでもよい。
一実施形態によれば、フィラメント材料の製造方法は、
- 本発明の少なくとも1種のPAES及び少なくともFPを準備する工程、並びに
- PAES及びFPを押出機でフィラメントの形態に加工する工程であって、押出機出口でのフィラメントの温度が
400℃未満、好ましくは390℃未満、より好ましくは380℃未満である工程、
を含む。
支持材料
本開示の方法は、構築中の3D物体を支持するためのポリマー成分を採用することもできる。3D物体を構築するために使用される部品材料と同様の又は異なるこのポリマー成分は、本明細書では支持材料と呼ばれる。支持材料は、高温部品材料(例えば、約320~400℃の処理温度を必要とするPPSU)にとって必要とされるより高い運転条件において垂直方向及び/又は横方向支持を提供するために3D印刷中に必要とされ得る。
本方法との関連で場合により使用される、支持材料は、有利には、高温用途に耐えるために、高い溶融温度(即ち260℃超)を有する。支持材料はまた、湿気への暴露時に十分に膨潤する又は変形するために、110℃よりも低い温度で吸水挙動又は水への溶解性を有し得る。
本開示のある実施形態によれば、付加製造システムを使用する3D物体の製造方法は、
- 支持材料を準備する工程、
- 支持構造物の層を支持材料から印刷する工程、及び
- 支持構造物の少なくとも一部を3次元物体から取り除く工程、
を更に含む。
様々なポリマー成分を支持材料として使用することができる。とりわけ、支持材料は、例えば、特許出願国際公開第2017/167691号パンフレット及び国際公開第2017/167692号パンフレットに記載されているものなどの、ポリアミド又はコポリアミドを含み得る。
別の実施形態によれば、PAES構築材料のより低い温度でのより容易な加工性に起因して、支持材料は、例えばポリグリコール酸(PGA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、アイオノマー、又は(メタ)アクリル酸ベースのポリマーなどのより低いTm及び/又はより低いTgポリマー組成物とすることができる。
用途
本開示は、例えばFFF、SLS、MJF、又はFRTP印刷法などの付加製造システムを使用する3次元物体の製造のための、上述した少なくとも1種のPAESと少なくともFPとを含む部品材料の使用にも関する。
本開示は、例えばFFF、SLS、MJF、又はFRTP印刷法などの例えば付加製造システムを使用する3次元物体の製造のための、上述した少なくとも1種のPAESと少なくともFPとを含むフィラメント材料の使用にも関する。
部品材料に関して上述した実施形態の全てが、部品材料の使用又はフィラメント材料の使用に等しく適用される。
本開示は、例えばFFF、PAM、SLS、MJF、又はFRTP印刷法などの例えば付加製造システムを使用する3次元物体の製造において使用するフィラメントの製造のための、上述した少なくとも1種のPAESと少なくともFPとを含む部品材料の使用にも関する。
本開示はまた、本明細書に記載される部品材料を使用して、少なくとも一部は本開示の3D物体の製造方法から得ることができる3D物体又は3D物品に関する。これらの3D物体又は3D物品は、本発明の実施例で示されるように、本発明のFPを含まない3D物体と比較して、改善された引張特性及び耐衝撃性を示す。これらの3D物体又は3D物品は、同じ材料を用いて製造された射出成形された物体と比較して、改善された審美的特性も示す(ミラー効果なし)。
そのような製造方法によって得ることができる3D物体又は物品は、様々な最終用途において使用することができる。特に、航空宇宙産業における航空機部品及び複雑な形状の部品、並びに埋め込み型デバイス、歯科補綴物、ブラケット、及び自動車産業におけるボンネット下部品を挙げることができる。
参照により本明細書中に組み込まれている任意の特許、特許出願、及び公開資料の開示が、これがある用語を不明確とし得る程度まで本出願の記載と対立する場合、本記載が優先するものとする。
本開示は、以下の実施例に関連してより詳細にこれから記載されるが、それらの目的は、例示的であるにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図しない。
出発原料
以下のポリマーを使用して、フィラメントを作製した:
PPSU#1:以下のプロセスに従って調製された、46,500g/モルのMwのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(PPSU):
PPSUの合成は、66.5g(0.481モル)の乾燥KCOを添加した400gのスルホランの混合物中に溶解した83.8gの4,4’-ビフェノール(0.450モル)、131.17gの4,4’-ジクロロジフェニルスルホン(0.457モル)の1Lフラスコ中での反応によって達成された。反応混合物を210℃まで加熱し、ポリマーが予期されるMwを有するまでこの温度に維持した。次に、過剰の塩化メチルを反応物に添加した。反応混合物を600gのMCBで希釈した。塩の濾過、凝固、洗浄及び乾燥によってポリ(ビフェニルエーテルスルホン)を回収した。GPC分析は、46,500g/モルの数平均分子量(Mw)、19,500g/モルのMn、2.48のPDI指数を示した。
PPSU#1の分子量は、移動相として塩化メチレンを使用して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定した。Agilent Technologies製のガードカラム付きの2本の5μ混合Dカラムを分離のために使用した。254nmの紫外光検出器を、クロマトグラムを得るために用いた。1.5mL/分の流量及び移動相中の20μLの0.2w/v%溶液の注入量を選択した。校正は、12の狭い分子量のポリスチレン標準(ピーク分子量範囲:371,000~580g/モル)を用いて行った。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を報告した。
FP#1:Polymist(登録商標)F5Aは、Solvay Specialty Polymers USA,LLCから入手可能なPTFE超微粉末であり、ASTM D3835に従って372℃及び1000s-1で測定される150Pa.s.の溶融粘度と、レーザー光回折により測定される3.90μmのd50と、約20mmol/kgのカルボン酸鎖末端基量とを有する。
FP#2:KT-300Mは、Kitamura Ltd.から入手可能なPTFE超微粉末であり、レーザー光回折(Microtrac FRA)により測定される40μmのd50を有する。この製品の溶融粘度は、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定できなかった。したがって、溶融粘度は1.5×10Pa.sよりも大きい。
黒色顔料:Keystone Aniline CorporationのMPC Channel Black
コンパウンドの調製
各配合物は、直径26mmのCoperion(登録商標)ZSK-26、12のバレルセクション及び48の全体のL/D比を有する二軸同時回転部分噛み合い押出機を使用して溶融配合した。バレルセクション2~12及びダイを、以下の通りの設定点温度に加熱した:
バレル 2~8:350℃
バレル 9~12:340℃
ダイ:360℃
いずれの場合も、成分は、重量フィーダーを使用してバレルセクション1で供給した。押出機を、約150RPMのスクリュー速度で運転した。真空を、約27インチの水銀の真空レベルでバレルゾーン10に適用した。単一孔ダイを配合物の全てについて用いて直径およそ2.6~2.7mmのフィラメントを生じさせ、ダイを出るポリマーフィラメントを水中で冷却し、ペレタイザーに供給して長さおよそ2.7mmのペレットを生成した。フィラメント加工の前に、ペレットをデシカント式乾燥機で140℃で16時間乾燥させた。
フィラメントの製造
ブレンドをストランドへと押し出し、これを0.75”の32L/D汎用単軸スクリューを備えたBrabender(登録商標)Intelli-Torque Plasti-Corder(登録商標)トルクレオメーター押出機でペレット化した。
実施例1(本発明)及び実施例2(比較例)のフィラメントでは、4つの加熱ゾーンは340-350-360-360℃に調整した。その後、0.75”の32L/D汎用単軸スクリュー、フィラメントヘッドアダプター、2.5mmノズル、並びに冷却タンクとベルトプラーとデュアルステーションコイラーとを含むESI-Extrusion Servicesの下流装置を備えたBrabender(登録商標)Intelli-Torque Plasti-Corder(登録商標)トルクレオメーター押出機を使用して、ペレットを低い加工温度で非常に容易に直径1.75mmのフィラメントへと押出した。Beta LaserMike(登録商標)DataPro1000を使用してフィラメント寸法を監視した。溶融ストランドを空気で冷却した。Brabender(登録商標)速度は50rpmであり、プラーの速度は28fpmであった。
溶融フィラメント製造バー(FFFバー)
試験バー(即ち、ASTM D638V型バー)は、直径1.75mmの上記フィラメントから、直径0.5mmのノズルを備えたHyrel 16A 3Dプリンターで印刷した。押出機の温度は370℃であり、ベッドの温度は200℃であった。印刷中、バーを造形プラットホーム上でXY方向に方向付けた。2mm幅の縁及び3つの外周を持った試験バーを印刷した。工具パスは、部品の長軸に対して45°の角度を持ったクロスハッチパターンであった。第1の層の堆積のためのノズルの速度は25mm/秒であり、それ以外の場合、次の層の速度は35mm/秒であった。各場合で第1の層の高さは0.5mmであり、後続の層は高さ0.4mm及び充填密度100%で堆積された。
機械的特性
2ftlbのハンマーを使用してASTM D256法に従ってノッチ付き衝撃強さを決定した。結果を下の表1に示す。
V型バーを使ってASTM D638法に従って引張り強さ及び弾性率を決定した。引張試験速度は0.05”/分であった。
Figure 0007328999000012
3D印刷されたバーを用いて表面特性を比較するために、Ex1(本発明)とEx2(比較)の両方の組成物を、V型バーでASTMD638法に射出成形した。Ex2の射出成形バーは、深い黒色の表面を示すが、表面に若干の粒状性の兆候がみられ、これはPTFE KT-300MとPPSUの相溶性がないことを示している。したがって、PTFE KT-300MとPPSUとの組み合わせは、利用に十分に優れた表面外観を有さない。Ex1の射出成形バーは、より均一な表面を示す(非相溶性の兆候なし)ものの、表面は黒色よりも銀色に見え、ミラー効果は利用に望ましくない。
その後、両方の組成物を上述した通りに3D印刷した。
非常に驚くべきことに、Ex1のフィラメントを3D印刷すると、射出成形されたバーと比較して改善された表面外観を有するバーが得られる。3D印刷されたサンプルでは、深い黒色の均一な色のバーが得られた。バーは、射出成形されたバーで観察された銀色及び鏡の外観を示さなかった。
Ex2の組成物に関する限り、3D印刷はバーの表面外観を改善せず、機械的特性は実施例1の組成物で得られたものよりもはるかに低い。
これにより、本発明者らは、PPSUと特定のメルトフローのPTFEとの組み合わせを含む組成物を3D印刷すると、より優れた表面外観と機械的特性(より高い引張強さ、観察されるより高い靭性(ノッチ付き耐衝撃性)、及びより高い破断点伸びを有する)を有する部品が得られることを示す。
低メルトフローのPTFEと少なくとも1種のPPSUとの組み合わせを含む、実施例1の組成物から印刷された部品は、航空宇宙用途によく適している。

Claims (12)

  1. - 少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、
    - ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、
    を含有する部品材料から3次元物体の層を印刷することからなる工程を含み、
    前記FPが、前記FP中の総モル数を基準として、テトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰り返し単位を少なくとも98モル%有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、付加製造システムを用いた3次元(3D)物体の製造方法。
  2. 層を印刷する前記工程が前記部品材料を押し出すことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記部品材料が、円筒形の形状を有し、直径が0.5~5mm±0.15mmの間に含まれるフィラメントの形態である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記PAESポリマーが、前記PAES中の総モル数を基準として、少なくとも95モル%の式(K):
    Figure 0007328999000013

    の繰り返し単位(RPAES)を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法
    (式中、
    - Rは、各位置において、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから独立して選択され;
    - hは、各Rについて、独立して、ゼロ又は1~4の範囲の整数であり;
    - Tは、結合;-CH-;-O-;-SO-;-S-;-C(O)-;基-C(Rj)(Rk)-(Rj及びRkは、互いに同じ又は異なり、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ若しくはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムから選択される);-N=N-;-RC=CR-(各R 及びRは、互いに独立に、水素又はC1~C12-アルキル、C1~C12アルコキシ、又はC6~C18アリール基である);-(CH-及び-(CF-(mは1~6の整数である);直鎖若しくは分岐の最大6個の炭素原子を有する脂肪族二価基;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される)。
  5. 基-C(Rj)(Rk)-が、-C(CH -、-C(CF -、-C(=CCl )-又は-C(CH )(CH CH COOH)-である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記PAESポリマーが、前記PAES中の総モル数を基準として、少なくとも95モル%の式(K’):

    Figure 0007328999000014

    の繰り返し単位(R PAES )を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記部品材料が、
    - 少なくとも1種の追加のポリマー、並びに/又は
    - 前記部品材料の総重量を基準として最大30重量%の、充填材、着色剤、潤滑剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、及び核剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、
    を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記PAESがポリ(ビフェニルスルホン)(PPSU)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記PPSUが、少なくとも95モル%の式(L’’):

    Figure 0007328999000015

    の繰り返し単位(R PPSU )を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも1種のポリ(アリールエーテルスルホン)(PAES)ポリマーと、ASTM D3835に従って1mm×10mmのハステロイダイを使用して372℃及び1000s-1で測定される最大1.5×10Pa.s.の溶融粘度を有する少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロポリマー(FP)と、を含有する部品材料の、押出ベースの付加製造システムを使用する3次元(3D)物体製造のための使用であって、
    前記FPが、前記FP中の総モル数を基準として、テトラフルオロエチレン(TFE)由来の繰り返し単位を少なくとも98モル%有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、使用。
  11. 前記PAESがポリ(ビフェニルスルホン)(PPSU)である、請求項10に記載の使用。
  12. 前記PPSUが、少なくとも95モル%の式(L’’):

    Figure 0007328999000016

    の繰り返し単位(R PPSU )を含む、請求項11に記載の使用。
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