本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明者らは、高画質化を目的として樹脂微粒子の検討を行った結果、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットとを一分子内に有したビニル系樹脂微粒子を外添することにより、従来にない優れたエンボス転写性と耐擦過性が得られることを見出した。
本発明の効果が得られた理由は以下のように考えている。
エンボス転写性が悪化する主な原因は、上述した通り、転写時に発生する空隙に転写バイアスに起因した放電が発生し、転写前のトナーが一部逆極性に帯電することで帯電量分布がブロード化し、トナー画像の一部が転写されなくなることである。よって、エンボス転写性を改善する為には、放電によるトナーの帯電量分布のブロード化を抑制する必要がある。
本発明における樹脂微粒子は、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットとを一分子内に有した構造を有することを特徴とする。
本発明における樹脂微粒子は、含窒素ビニル系単量体ユニットを有することで、放電による逆極性の帯電を局在化することなく、周囲のトナーへ非局在化させることができ、放電の影響を緩和していることが予想される。しかしながら、含窒素ビニル系単量体ユニットを含有するだけでは、エンボス転写性の向上は得られなかった。本発明者らは鋭意検討した結果、含窒素ビニル系単量体ユニットとシクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと一分子内に有した樹脂微粒子を用いることでエンボス転写性向上に効果が得られることを見出した。シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットを有することで、転写前のトナーの付着力が低下して、トナー画像の転写性が向上したためと考えられる。
即ち、本発明のトナーにおいては、上記樹脂微粒子をトナー粒子表面に存在させることで、高い転写性と放電による逆極性帯電の緩和の効果により、従来にない優れたエンボス転写性を得るに至った。
更に、本発明のトナーが、優れた耐擦過性を有することを見出した。紙との擦過により画像の一部が、擦過した側に移る現象があり、この現象が生じにくいということが、耐擦過性に優れているということである。尚、紙と画像表面の摩擦係数が高く、更に内部凝集エネルギーが低い場合に、十分に定着した画像であっても画像が移行する現象が生じやすくなる。含窒素ビニル系単量体ユニットを有する樹脂微粒子を外添したトナーにおいては、窒素官能基の存在に起因して、紙と定着画像表面の摩擦係数が高くなるため、耐擦過性が低下しやすいと考えられるが、本発明の構成においては、優れた耐擦過性が得られる。
本発明における樹脂微粒子を表面に存在させたトナーは、紙と定着画像表面の摩擦係数が低くなり、耐擦過性が向上する。この理由は、以下のように考えられる。まず、樹脂微粒子を構成するビニル系樹脂が、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットとを一分子内に有した構造を有するため、窒素官能基よりもかさ高いシクロアルキル(メタ)アクリレートユニットが樹脂微粒子の最表面に配向しやすくなる。そして、定着画像表面においても、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットに由来するユニットが存在するようになるため、摩擦係数が小さくなり、良好な耐擦過性を発現することができたと考えられる。
上述した結果、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットとを一分子内に有する樹脂微粒子を外添したトナーを用いることで、従来にない優れた耐擦過性を得るに至った。
樹脂微粒子は、シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットとを有していれば特に限定されない。ここで、ユニットとは、単量体が反応した結果、形成される形態をいう。ビニル系樹脂においては、ビニル系単量体が有するビニル基が反応することによって形成されるユニットを指す。
樹脂微粒子を構成するビニル樹脂は、シクロアルキル(メタ)アクリレート単量体及び含窒素ビニル系単量体の重合体でもよいが、その他の単量体との重合体であってもよい。
シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットを形成しうる単量体としては、シクロプロピルアクリレート、シクロブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロオクチルメタクリレート、ジヒドロシクロペンタジエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレートなどの単量体が挙げられる。これらは、単独であっても併用されてもよい。
これらの中でも、分子構造の立体障害の観点から、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレートが好ましい。
含窒素ビニル系ユニットを形成しうる単量体としては、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレタン結合、ウレア結合、含窒素複素環化合物から水素原子を1つ除くことにより形成される1価の官能基、及び4級アンモニウム塩基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を有していれば公知の含窒素ビニル系単量体を用いることができる。上記官能基を有することで、放電による逆極性の帯電の局在化を抑制でき、周囲のトナーへ非局在化させることができ、放電の影響を緩和できる。
これらの中でも、アミノ基含有ビニル系単量体、アミド基含有ビニル系単量体が好ましい。
含窒素ビニル系ユニットを形成しうる単量体としては、以下の単量体を例示できる。
アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノスチレン、メチルα-アセトアミノアクリレート、N-アリールフェニレンジアミンの如きアミノ基含有ビニル系単量体。
アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N’-メチレン-ビスアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドンの如きアミド基含有ビニル系単量体。
N-(4-ビニルフェニル)マレインイミド、N-ビニルマレインイミド等のごときイミド基含有ビニル系単量体。
N-ビニル-N、N’-トリメチレンウレアの如きウレア結合を有するビニル系単量体。
4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N-ビニルピロール、N-ビニルチオピロリドン、9-ビニルカルバゾール、4-メチル-5-ビニルチアゾール、1-ビニルインドールの如き含窒素複素環化合物から水素原子を1つ除くことにより形成される1価の官能基を有するビニル系単量体。
トリメチルビニルアンモニウムブロマイドの如き4級アンモニウム塩基を有するビニル系単量体。
更に、ウレタン結合を有する含窒素ビニル系単量体ユニットは、例えばウレタン基とアクリル基を有するウレタンアクリレートのオリゴマーを用いることで形成できる。
その他の単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-ヒドロキシスチレン、p-アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなどのスチレン系モノマー;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸のアルキルエステル(該アルキルの炭素数が1以上18以下);酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;ビニルメチルエーテルのようなビニルエーテル系単量体;塩化ビニルのようなハロゲン元素含有ビニル系単量体;ブタジエン、イソブチレンなどのジエン系単量体及びこれらの併用が挙げられる。
樹脂微粒子の体積平均粒子径は、0.05μm以上0.50μm以下が好ましく、0.10μm以上0.30μm以下がより好ましい。これにより、樹脂微粒子がトナー粒子を適切に被覆できるため、より効果的に上述した作用が発現し、エンボス転写性と耐擦過性が良好となる。
本発明における樹脂微粒子を得るためには公知の製造方法が利用可能である。
具体的には、以下の方法が挙げられる。
(1)シクロアルキル(メタ)アクリレートユニットと含窒素ビニル系単量体ユニットを含有する樹脂を合成した後に、水系媒体中で乳化して微粒子を得る方法。
(2)シクロアルキル(メタ)アクリレート単量体と含窒素ビニル系単量体を用いて乳化重合法により微粒子を得る方法。
水系媒体中で樹脂微粒子を生成させることにより、体積平均粒子径を好ましい範囲に制御しやすくなる。
樹脂微粒子の体積平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100)(日機装社製)を用いて、0.001μm~10μmのレンジ設定で測定される。
樹脂微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。樹脂微粒子の含有量を上記範囲にすることで、上述した樹脂微粒子の効果を得やすくなり、エンボス転写性と耐擦過性が良好となる。
樹脂微粒子は、前記含窒素ビニル系単量体ユニットを1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、5質量%以上15質量%以下含有することがより好ましい。含窒素ビニル系単量体ユニットの含有量を上記範囲にすることで、転写時の放電の影響を効果的に緩和すると共に、画像表面の摩擦係数を低く維持することが可能となり、エンボス転写性と耐擦過性が良好となる。
樹脂微粒子のトナー粒子に対する固着率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。固着率が上記範囲であることにより、画像表面に樹脂微粒子が所望量保持されるため、効果が得られやすくなり、エンボス転写性と耐擦過性がより良好となる。
<樹脂微粒子の固着率の測定方法>
(水洗処理)
50mL容量のバイアルに「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤)の10質量%水溶液20gを秤量し、トナー1gと混合する。
いわき産業(株)製「KM Shaker」(model: V.SX)にセットし、speedを50に設定して30秒間振とうする。これにより、樹脂微粒子の固着状態に依っては、樹脂微粒子がトナー粒子表面から、水溶液側へ移行する。
その後、磁性トナーの場合は、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束した状態で、上澄み液に移行した樹脂微粒子を分離させ、沈殿しているトナーを真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、サンプルとする。
なお、非磁性トナーの場合は、遠心分離機(H-9R;株式会社コクサン社製)(1000rpmにて5分間)にて、トナーと上澄み液に移行した樹脂微粒子を分離する。
(測定)
水洗処理を施していないトナー及び乾固したサンプルをそれぞれSEMにより観察し、トナー粒子表面に存在している樹脂微粒子をカウントして、以下の式により固着率とする。
固着率(%)=(乾固したサンプルにおける樹脂微粒子数)/(水洗処理を施していないトナーにおける樹脂微粒子数)×100
なお、トナー及び乾固したサンプルのそれぞれに関しては、各100個について測定して平均した値を用いる。
トナー粒子は公知の結着樹脂を用いることができる。例えば、結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。
スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂が混合又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。さらに好ましくは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含む態様である。
本発明におけるトナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが好ましい。結晶性ポリエステルを含有することで、転写時の放電の影響をより効果的に緩和することができ、エンボス転写性が良好となる。上記特性を効果的に得る上で、結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下含有することが好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物を含むビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
一方、結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナー、非磁性二成分トナーのいずれのトナーとしても使用できる。
磁性一成分トナーとして用いる場合、着色剤としては、磁性酸化鉄粒子が好ましく用いられる。磁性1成分トナーに含まれる磁性酸化鉄粒子としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
磁性酸化鉄粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、30質量部以上150質量部以下が好ましい。
非磁性一成分トナー、及び非磁性二成分トナーとして用いる場合の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーに離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を用いてもよい。本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
特に好ましく用いられるワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスである。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用して使用してもよい。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
トナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。既知の荷電制御剤としては、アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物が挙げられる。前記カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。必要に応じて一種類又は二種類以上の荷電制御剤を併用してもかまわない。荷電制御剤は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下添加することが好ましい。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。磁性キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等の磁性キャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性キャリアコアも用いることができる。
樹脂コートキャリアは、磁性キャリアコア粒子と磁性キャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂被覆層からなる。樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン-アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数を併用して用いることができる。
本発明における磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子上に形成された樹脂被覆層を有しており、
前記樹脂被覆層は、N元素、Si元素、F元素を含有しており、
X線光電子分光法による元素分析において、
(i)前記磁性キャリアの表面分析で検出されるN原子、Si原子、F原子、C原子及びO原子の総和に対するN原子、Si原子、F原子の割合をそれぞれN1、S1、F1(原子%)とし、
(ii)前記磁性キャリア表面から深さ40nmの位置で検出されるN原子、Si原子、F原子、C原子及びO原子の総和に対するN原子、Si原子、F原子の割合をそれぞれN2、S2、F2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2及びF2が、
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
の関係を満たす磁性キャリアが好ましい。
上記範囲内の磁性キャリアを用いることで、トナーとの帯電性がより良好となり、エンボス転写性が良好となる。
<磁性キャリアのX線光電子分光法による元素分析方法>
磁性キャリアの元素分析は、X線光電子分光分析(XPS)を用いて、以下のように測定する。測定サンプルとしては、XPS専用プラテン上に加工されたφ2mm・深さ2mmのサンプルセット孔に、磁性キャリアをセットする。そして、下記XPS装置により、X線照射箇所およびGCIB照射によるスパッタリング箇所を、上記サンプルセット孔部に設定する。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000VersaProbeII
照射線:Al-Kα線
ビーム径:100μm
出力:25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
Stepsize:0.125eV
XPSピーク:F1s、Si2p、N1s、C1s、O1s
測定範囲:300μm×200μm
以上の条件よりN1、S1、F1(原子%)の測定を行った。
更に、以下のスパッタ条件により、磁性キャリア表面から深さ40nmの位置までスパッタを行い、上記測定条件により測定した値をN2、S2、F2(原子%)とした。
GUNタイプ:GCIB
SputterSetting:20kV
なお、深さ40nmの位置に関しては、事前にスパッタレート(時間に対する深さのレート)を測定し、40nmに相当するスパッタ時間を算出し、該当する時間スパッタすることで、深さ40nmの位置とした。
本発明の磁性キャリアを好ましく製造する方法としては、磁性キャリアコア粒子を浮遊流動させながら被覆樹脂溶液をスプレーし、磁性キャリアコア粒子表面に樹脂被覆層を形成させる方法及びスプレードライ法が挙げられる。かかる流動床被覆装置を使用する場合には、特に流動層の形成状態及び被覆樹脂を溶解した樹脂溶液の噴霧形式が重要である。前述した流動層の形成状態としては、磁性キャリアコア粒子の凝集が起こらず、且つ、効率良く被覆層を形成するため流動層内に回転式底板ディスクと撹拌羽根を設け、旋回流を形成させながら被覆を行う方式を挙げることができる。具体的にはかかる手法としては、(1)流動層を円筒の管体内を上昇する気体流によって形成し、(2)更に、被覆樹脂溶液を流動層の移動方向に対して垂直方向から供給し、(3)且つ樹脂溶液の噴霧圧が1.5kg/cm2以上でスプレー塗布されることを特徴とする磁性キャリア製造方法を挙げることができる。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために、シリカ微粉体をトナー粒子に外添することが好ましい。シリカ微粉体は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上400m2/g以下であることがさらに好ましい。また、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。
シリカ微粉体のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉体の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
シリカ微粉体は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、あるいは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
さらに本発明のトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。帯電補助剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
本発明におけるトナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。例えば、粉砕法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。結着樹脂、着色剤及び必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する。混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。この際、微粉砕時の排気温度を調整することで、トナー粒子の平均円形度を制御することができる。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、トナー粒子の表面処理を行い、トナー粒子の平均円形度を制御することもできる。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
次に本発明に関わるトナー粒子の粒度分布の測定方法に関して記載する。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り部及び%は、質量基準である。
<結着樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・テレフタル酸: 90.0モル部
・無水トリメリット酸: 10.0モル部
上記ポリエステルユニットを構成するモノマー100質量部をチタンテトラブトキシド500ppmと共に5リットルオートクレーブに混合した。
そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。結着樹脂1のTmは130℃、Tgは57℃であった。
<結晶性ポリエステル1の製造例>
・1,10-デカンジカルボン酸 50モル部
・エチレングリコール 50モル部
上記モノマー及びモノマー総量に対して、0.2%のジブチル錫オキシドを、窒素導入管、脱水管、攪拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル1を得た。
<樹脂微粒子分散液1の製造例>
撹拌装置のついたビーカーに、ドデシル硫酸ナトリウム2部と、イオン交換水1600部を投入し、25℃にて完全に溶解するまで撹拌を続け、水系媒体1を調製した。ついで、密閉容器に、以下の原料とトルエン160部を仕込み、70℃に加熱して完全に溶解し、モノマー溶液1を調製した。
・アミノエチルメタクリレート 10部
・シクロヘキシルメタクリレート 10部
・スチレン 60部
・メチルメタクリレート 20部
上記のモノマー溶液1を25℃まで降温した後、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシピバレートを6部混合し、上記の水系媒体1に投入し、高出力超音波ホモジナイザー(VCX-750)で超音波を照射することで、上記のモノマー溶液1の乳化液を調製した。
加熱乾燥した四口フラスコに、上記乳化液を仕込んだ。乳化液を200rpmで撹拌しながら30分間窒素をバブリングした後、75℃にて6時間攪拌を行った。その後、乳化液を撹拌させた状態で空冷し、反応を停止させ、粗粒子状の樹脂の分散体を得た。
前記分散体中の微粒子状の樹脂とトルエンを16500rpmで2.5時間遠心分離機により分離した。
その後、上澄みを除去することで、濃縮された樹脂微粒子の分散体を得た。
その後、撹拌装置のついたビーカーに、濃縮された樹脂微粒子の分散体を、高出力超音波ホモジナイザー(VCX-750)を用いて、アセトンに分散させることで、固形分濃度10.0質量%の樹脂微粒子分散液1を調製した。樹脂微粒子分散液1中の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
<樹脂微粒子分散液2~11の製造例>
スチレン以外のモノマーの種類及び体積平均粒径を表1のように変更した以外は、樹脂微粒子分散液1の製造例と同様にして、樹脂微粒子分散液2~11を得た。
<実施例1>
・結着樹脂1 100部
・結晶性ポリエステル1 5部
・ベヘン酸ベヘニル(融点72℃) 4部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4部
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmのトナー粒子1を得た。
続いて、還流冷却管、撹拌機、温度計を備えた反応容器にイオン交換水300部を投入し、25℃にて希塩酸を加えてpHを4に調整した。次いで、上記トナー粒子1を100部と樹脂微粒子分散液1を固形分で1.0部となるように緩やかに添加して、200回転/分で15分攪拌を行った。次いで、加熱用オイルバスを用いて80℃(固着温度)に加熱して、1時間攪拌を続けた。その後分散液を20℃まで冷却した後、ろ過し、イオン交換水で洗浄した。その後、乾燥および分級した。
得られた粉体100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(アミノシランカップリング剤による表面処理、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)1.0部と酸化チタン微粒子0.5部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
<実施例2~9、比較例1~3>
結晶性ポリエステルの量、樹脂微粒子分散液の種類と量、及び固着温度を表2のように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、実施例用のトナー2~9、比較例用のトナー10~12を得た。尚、実施例7~9は参考例として記載するものである。
<磁性キャリアコア粒子の製造例>
・Fe2O3 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
該仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、ジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
該フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性キャリアコア粒子を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
熱硬化型シリコーン樹脂溶液(メチルシリコーン樹脂)を被覆樹脂量が磁性コア粒子100部に対して0.2部になるよう流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して磁性キャリアコア粒子1に塗布した。尚、上述の樹脂溶液は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向から噴霧した。次いで、熱硬化型フッ素樹脂溶液(FEP)と熱硬化型メラミン樹脂溶液を固形分比で20部:1部となるように十分な撹拌を行って混合し、キャリア被覆溶液を作製した。この被覆溶液を流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して、磁性キャリアコア粒子100部に対して、フッ素樹脂とメラミン樹脂の合計が2部となるように磁性コア粒子に塗布した。その後、得られたキャリアを流動床中で温度280℃で1時間乾燥して溶剤を除去後、磁性キャリア1を得た。
得られたキャリアに対して、X線光電子分光法による元素分析を行ったところ、N1が0.4、S1が0.7、F1が57.6、N2が0.3、S2が1.6、F2が56.7であった。
<磁性キャリア2の製造例>
熱硬化型シリコーン樹脂溶液(メチルシリコーン樹脂)を被覆樹脂量が磁性コア粒子100部に対して3部になるよう流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して上述の磁性コア粒子1に塗布した。尚、上述の樹脂溶液は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向から噴霧した。その後、得られたキャリアを流動床中で温度280℃で1時間乾燥して溶剤を除去後、磁性キャリア2を得た。得られたキャリアに対してX線光電子分光法による元素分析を行ったところ、N1が0、S1が54.3、F1が0、N2が0、S2が54.0、F1が0であった。
<二成分現像剤1の調製、及び評価>
トナー1と磁性キャリア1を、磁性キャリア90部に対して、トナー1が10部になるように、V型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合して二成分現像剤1を調製した。得られた現像剤1を用いて以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<評価>
画像形成装置として、imagePRESS C800(キヤノン製)を用い、現像剤担持体の直流電圧VDC、転写電流を自由に設定できるように改造した。この改造機のシアン位置の現像器に二成分現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になるように静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワーを調整し、後述の評価を行った。
<エンボス転写性の評価>
紙:レザック66 250g A4サイズ紙
紙上のトナーの載り量:0.90mg/cm2
評価画像:ベタ画像
転写電流値を変更しながら、上記画像を得て、得られた画像をスキャナー(商品名:CanoScan 9000F、キヤノン(株)製)を用い、読み取り解像度600dpi、画像補正処理OFFでJPG画像を読み込み、ImageJにて、画像全面の濃度ヒストグラムを計測し、その標準偏差を求めた。標準偏差が最小値となる転写電流値における標準偏差の値に応じ以下の評価基準にてランク付けを行った。
(評価基準)
A:標準偏差10未満
B:標準偏差10以上12未満
C:標準偏差12以上14未満
D:標準偏差14以上16未満
E:標準偏差16以上
<耐擦過性>
紙:OKトップコート+、王子製紙製、127g/m2
評価画像:ハーフトーン画像(画像濃度:0.20以上0.25以下)
画像濃度の測定は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、画像濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定することによって行い、得られた相対濃度を画像濃度の値とした。
上記画像サンプルの上に、紙(OKトップコート+、王子製紙製、127g/m2)を重ねるとともに、その上に500gの錘を接地面積が12.6cm2となるように乗せて、10回擦る耐擦過性試験を行った。その後、紙の12.6cm2の領域内(錘が乗っていた領域内)に付着したトナーをカブリ計で測定し、求めたカブリ値に対して、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:カブリが2%以下
B:カブリが2%以上5%未満
C:カブリが5%以上10%未満
D:カブリが10%以上15%未満
E:カブリが15%以上
<二成分現像剤2~9の調製、及び評価>
トナー及び磁性キャリアを表3のように変更した以外は、二成分現像剤1の調製と同様にして、二成分現像剤2~9を得た。さらに、二成分現像剤1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<二成分現像剤10~12の調製、及び評価>
トナー及び磁性キャリアを表4のように変更した以外は、二成分現像剤1の調製と同様にして、二成分現像剤10~12を得た。更に、二成分現像剤1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。