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JP7333265B2 - 分散電源管理装置及び分散電源管理方法 - Google Patents
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本発明は、需要家の分散電源の導入を支援する分散電源管理装置及び分散電源管理方法に関する。
再生可能エネルギーによる発電形態の隆盛は、固定価格買取制度(いわゆるFIT)により下支えされ、継続してきたと言える。ただし、この固定価格買取制度は2019年以降、順次終了する予定である。よって、上述の発電形態に伴う機器運用や電力の売買等について将来的な検討が必要となっている。
そこで、例えば需要家の再生可能エネルギー導入を促す仕組みとして、再生可能エネルギーによって生じた余剰電力を他の需要家へ売電可能な市場の開設や、蓄電池を併用したエネルギーコスト削減などが近年進められている。
こうした余剰電力の融通に関する各種の従来技術として、特開2015-211594(特許文献1)、特開2012-10489(特許文献2)、特開2017-153274(特許文献3)、などが提案されている。
この従来技術である特許文献1には、「複数の電力供給元と複数の需要家との間でやりとりされることがある」ケースにおいて「複数の電力供給元から複数の需要家への電力配分を把握できる技術が提供される」と記載されている。
また従来技術である特許文献2には、「本発明によれば、電力を買電したい需要家と、余った再生可能エネルギにより発電した電力を売電したい需要家の売買を効果的に行い、再生可能エネルギで発電された電力の取引の活性化を図れる同時同量装置、その制御方法およびそのプログラムを実現できる。」と記載されている。
また従来技術である特許文献3には、「発電装置と蓄電池とを所有する複数の需要家間において効率的に余剰電力を融通し合うことが可能な電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法および電力取引マッチングプログラムを提供する」と記載されている。
特開2015-211594号公報 特開2012-10489号公報 特開2017-153274号公報
こうした特許文献1、特許文献2、特許文献3における電力融通方法は、余剰電力を有する電力供給者と電力供給を受けたい需要家を、供給者の余剰電力量、売電ニーズ、需要家の買電ニーズ、需給バランス、送電ロスなどに基づいてマッチングを行うことで余剰電力の効率的な融通を支援し、需要家の再生可能エネルギー導入を促すものである。
しかしながら、こうした再生可能エネルギー設備(特に太陽光発電システム)を導入するためには、基本的に需要家は自己所有する土地や住宅の余剰スペース(屋根上など)など設置場所の確保が必要である。そのため、自宅が賃貸マンション住いや借家であったり、(一般企業であれば)オフィスがビルの一区画であるなどの場合、設置場所の確保ができず、再生可能エネルギーの導入意思に関わらず設備導入ができないという問題がある。
一方、こうした設置場所を実需要地点で確保できない場合でも、需要家が自己所有する土地や住宅以外の他所に設置可能スペースを確保し再生可能エネルギー設備を導入し、発電電力の売電による経済メリットを享受したり、環境負荷低減へ貢献するという形態も考えられる。
しかし上述の先行技術のように他者間の電力需給関係に着目したマッチング技術は提案されているが、同一の需要家が他所に分散電源を自己所有するという点は考慮されておらず、設置スペースの賃借料などを踏まえた経済的合理性に基づいて設備導入地点を効率的に結びつける技術は提案されていない。また、自宅等で分散電源を導入する場合には、単純な長期的利回りによる経済的メリットに留まらず、自家消費分の確保や環境への貢献など多様な要望が考慮されるのであるが、上述の従来技術では需要家の詳細な要望が考慮されていない。
そこで本発明では、需要家が実際に電力を使用する地点(実需要地点)から離隔して他所で分散電源を導入し、需要家の詳細な要望に適応することのできる分散電源管理装置及び分散電源管理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、代表的な本発明の分散電源管理装置及び分散電源管理方法の一つは、需要家の希望する分散電源の導入形態を示す導入希望情報を取得し、需要家に対して提供可能な分散電源の導入形態を示す導入可能情報を取得し、導入希望情報と導入可能情報との適切な組み合わせを求めるマッチング処理を行う。そして、このマッチング処理では、導入可能情報に含まれる分散電源の設置場所に基づいて組み合わせを求めることとしている。
本発明によれば、実需要地点から離隔した他所の分散電源導入を支援することができる。
分散電源管理装置の構成図 分散電源管理装置のソフトウェア構成図 分散電源管理装置による全体の処理手順を示すフローチャート マッチング最適化処理の詳細を示すフローチャート マッチング結果評価処理の詳細を示すフローチャート 導入価値可視化処理の詳細を示すフローチャート 経済性可視化処理の詳細を示すフローチャート 環境貢献可視化処理の詳細を示すフローチャート 分散電源管理装置が使用するデータの具体例(その1) 分散電源管理装置が使用するデータの具体例(その2) 分散電源管理装置が使用するデータの具体例(その3) 分散電源管理装置が使用するデータの具体例(その4) 分散電源管理装置による分散電源の導入時の支援についての説明図 分散電源の導入後の運用についての説明図 分散電源の導入時の画面イメージ 分散電源の運用中の画面イメージ 経済性可視化部の変形例の説明図
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳述する。
本実施例に開示するシステムでは、需要家の分散電源導入希望情報と設置場所オファー情報を比較し、経済メリット、再生可能エネルギー比率変動、系統安定度への影響等に基づいてマッチング処理を行って最適な組合せを決定する。また運用時は、導入した分散電源の発電量に基づいて、実質電気料金を経済価値として、実質CO2排出量を環境価値として算出し需要家に提示する。
図13は、本実施例における分散電源管理装置による分散電源の導入時の支援についての説明図である。分散電源管理装置10は、需要家から分散電源導入希望情報を取得する。分散電源導入希望情報は、需要家の希望する分散電源の導入形態を示す情報である。
また、分散電源管理装置10は、分散電源の設置場所提供者から設置場所オファー情報を取得する。設置場所オファー情報は、需要家に対して提供可能な分散電源の導入形態を示す情報であり、少なくとも分散電源の設置場所を含む。また、分散電源管理装置10は、電力小売事業者から小売エリア電源情報を取得し、送配電事業者から系統情報を取得する。
分散電源管理装置10は、小売エリア電源情報や系統情報を参照しつつ、分散電源導入希望情報と設置場所オファー情報との適切な組み合わせを求めるマッチング処理を実行し、マッチング結果を需要家、設置場所提供者、電力小売事業者、送配電事業者に提供する。具体的には、分散電源管理装置10は、需要家に対してはマッチング結果として設置場所の情報を提供し、設置場所提供者に対してはマッチング結果として需要家の情報を提供する。この他、需要家に対して提供可能な提供場所が不足する場合に、設置場所提供者に対して報知を行ってもよい。さらに、需要家に対して提供可能な設置場所が追加された場合に、該追加による改善度合いを報知することも可能である。
また、分散電源管理装置10は、電力小売事業者に対してはマッチング結果としてエリア再生可能エネルギー比率を提供し、送配電事業者に対してはマッチング結果として系統影響度を提供する。ここで、再生可能エネルギー比率は、電力小売事業者が提供する電力のうちどれだけが再生可能エネルギーにより発電されたか示す。
図14は、本実施例における分散電源の導入後の運用についての説明図である。図14では、需要家は分散電源を導入済みであり、設置場所提供者に電力小売事業者を介して賃借料を支払い、設置場所提供者から設置場所の貸出を受けている。設置場所提供者は、需要家が導入した分散電源が発電した電力を電力小売事業者に通知する。また、分散電源管理装置10は、実質電気料金や実質CO2排出量を算出して電力小売事業者に通知する。そして、電力小売事業者は、需要家に対して実質電気料金や実質CO2排出量を提示する。このため、分散電源の導入によりどれだけの価値が生じたかを可視化することができる。
(1)分散電源管理装置の構成
図1は、本実施例に係る分散電源管理装置10の構成例を示す図である。分散電源管理装置10は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶部26、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ22、記憶部26に保持されるプログラムをメモリ22に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU(Central Processing Unit)等の演算部21、ユーザの入力を受け付けるキーボードやマウス等の入力部23、処理結果を出力するディスプレイ等の出力部24、および通信ネットワーク11と接続し、外部の電子端末12などといった他装置との通信処理を担うネットワークインターフェイス等の通信部25を少なくとも備えている。
記憶部26は、プログラムを実行することで実装される、設置場所参考情報提示部31、マッチング最適化部32、導入価値可視化部33を保持することができる。これらの設置場所参考情報提示部31、マッチング最適化部32、導入価値可視化部33は、後述する分散電源導入管理機能を実現する機能部である。
この分散電源管理装置10は、特定の場所に設置されたローカルサーバでもよいし、クラウドサーバとしてSaaS(Software as a Service)形態などで提供されてもよい。
通信ネットワーク11には、需要家の電子端末12、設置場所提供者の電子端末13、電力小売事業者の電子端末14、送配電事業者の電子端末15などが接続している。電子端末12は、需要家から分散電源の導入希望情報の入力を受け付ける。すなわち、電子端末12は、導入希望情報取得部として機能する。電子端末13は、設置場所提供者から提供可能な分散電源の設置場所を含む導入可能情報の入力を受け付ける。すなわち、電子端末13は、導入可能情報取得部として機能する。同様に、電子端末14は、電力小売事業者から小売エリア電源情報などの入力を受け付ける。同様に、電子端末15は、送配電事業者から系統情報などの入力を受け付ける。
(2)分散電源導入管理機能
次に、分散電源管理装置10の分散電源導入管理機能について説明する。この分散電源導入管理機能は、需要家の分散電源導入希望情報と設置場所オファー情報を比較し、経済メリット、再生可能エネルギー比率変動、系統安定度への影響に基づき、最適な組合せを決定し、また運用時は、導入した分散電源の発電量に基づいて、実質電気料金を経済価値として、実質CO2排出量を環境価値として算出し需要家に提示する機能である。
このような分散電源導入管理機能を実現するため、分散電源管理装置10の記憶部26は、図2に示すように、プログラムとして、設置場所参考情報提示部31、マッチング最適化部32、導入価値可視化部33を保持することができる。図2は、分散電源導入管理機能に係る分散電源管理装置10のソフトウェア構成図である。
マッチング最適化部32は、マッチング組合せ仮決定部41、供給地点発電電力価値評価部42、設置費用推定部43、投資回収期間推定部44及びマッチング結果評価部45を有する。
マッチング組合せ仮決定部41は、分散電源導入希望情報101と設置場所オファー情報107を用い、組合せを仮決定する処理部である。なお、設置場所オファー情報107は、設置場所参考情報提示部31にも利用される。すなわち、設置場所参考情報提示部31は、設置場所オファー情報107に含まれる情報を適宜読み出して出力することができる。これは、例えば需要家が指定した条件を満たす設置場所を検索し、検索結果を電子端末12に送信する場合に用いられる。設置場所参考情報提示部31からの検索結果の提示は、例えば図15に示す形態で需要家に提示される。
供給地点発電電力価値評価部42は、日射量予測値102、エリア需要予測値103、小売販売予想価格104、エリアプライス予測値105を参照し、仮決定された設置場所における発電電力の価値を評価する処理を行う。
設置費用推定部43は、タイプ別設置費用108を参照し、仮決定された条件における設置費用を推定する処理を行う。
投資回収期間推定部44は、発電電力の価値を評価結果や設置費用の推定結果に基づいて、投資金額の回収に要する時間を推定する処理を行う。
マッチング結果評価部45は、仮決定した組合せを評価する処理部であり、制約充足チェック部、導入後経済メリット評価部、導入後エリア電源比率評価部、系統安定度影響評価部などを有する。制約充足チェック部は、各種の制約がどの程度満たされているかを評価する。導入後経済メリット評価部は、導入によってどの程度の経済的なメリットが見込めるかを評価する。導入後エリア電源比率評価部は、エリア毎電源構成比106を参照し、導入による再生可能エネルギーの比率の向上を評価する。例えば、電力小売事業者向けに再生可能エネルギー比率の低いエリアへの優先配置を考慮することができる。系統安定度影響評価部は、エリアPV(Photovoltaics)導入可能量109を参照し、導入による電源系統への影響を評価する。例えば、送配電事業者向けにPV大量導入による系統不安定化(逆潮、電圧変動)の影響低減を考慮することができる。
マッチング結果評価部45は、それぞれの評価結果を統合し、規定の終了条件に達していなければ、マッチング組合せ仮決定部41に再度組合せを仮決定させる。規定の終了条件に達したならば、マッチング結果評価部45は、最適な組合せをマッチング結果110に登録する。登録されたマッチング結果は、導入価値可視化部33などに利用される。
導入価値可視化部33は、経済性可視化部51と環境貢献可視化部61とを有する。経済性可視化部51は、さらに、発電電力買取価格決定部52、需要家売電収入決定部53及び需要家実質電気料金算出部54を有する。また、環境貢献可視化部61は、さらに、CO2排出換算量算出部62、CO2排出低減量算出部63及び実質CO2排出換算量算出部64を有する。
発電電力買取価格決定部52は、小売販売価格111やエリアプライス実績値112を参照し、導入された分散電源により発電された電力の買取価格を決定する処理を行う。
需要家売電収入決定部53は、発電電力買取価格決定部52により決定された買取価格と、分散電源発電量113とを用いて需要家が売電により得られる収入を決定する。
需要家実質電気料金算出部54は、分散電源の設置場所賃借料114と需要地点の使用量に基づく電気料金115を参照し、需要家の実質の電気料金を算出して、実質電気料金116に登録する処理を行う。
CO2排出換算量算出部62は、需要地点使用量117を参照し、電力の使用量をCO2の排出量に換算する処理を行う。
CO2排出低減量算出部63は、分散電源発電量113を参照し、分散電源による発電によってCO2の排出量をどれだけ低減できたかを算出する。
実質CO2排出換算量算出部64は、CO2排出換算量算出部62が算出した排出量からCO2排出低減量算出部63が算出した低減量を減算することで、需要家による実質のCO2排出量を算出し、実質CO2排出量118に登録する。
(3)分散電源導入管理機能に関する各種処理
次に、かかる本実施の形態による分散電源導入管理機能に関連して分散電源管理装置10により実行される各種処理の処理内容について説明する。なお、以下においては、各種処理の処理主体をプログラム又はモジュールとして説明するが、実際上は、そのプログラム又はモジュールに基づいて演算部がその処理を実行することは言うまでもない。
図3は、分散電源管理装置10による全体の処理手順を示すフローチャートである。これまでに説明してきたように、分散電源管理装置10は、導入時にマッチング最適化処理(ステップS201)を行い、その後、導入された分散電源について導入価値可視化処理(ステップS202)を行う。
図4は、マッチング最適化処理の詳細を示すフローチャートである。マッチング最適化処理が開始されると、まず、マッチング最適化部32は各種のデータを取得する(ステップS301)。その後、マッチング組合せ仮決定部41が導入希望情報と設置場所オファー情報の組合せを仮決定する(ステップS302)。
供給地点発電電力価値評価部42は、仮決定された設置場所へ導入した場合の将来の経済性を発電推定量、市場販売予測値に基づき評価する(ステップS303)。発電推定量は例えば、設置場所提供者によって提供された設置場所の座標情報に基づき推定を行ってもよい。設置費用推定部43は、導入規模/エリアに基づく設置費用を推定する(ステップS304)。投資回収期間推定部44は、発電電力の価値を評価結果や設置費用の推定結果に基づいて、投資金額の回収に要する時間を推定する(ステップS305)。
マッチング結果評価部45は、仮決定した組合せを評価するマッチング結果評価処理(ステップS306)を実行し、規定の終了条件に達したか否かを判定する(ステップS307)。規定の終了条件に達していなければ(ステップS307;No)、ステップS302に戻り、マッチング組合せ仮決定部41に再度組合せを仮決定させる。規定の終了条件に達したならば(ステップS307;Yes)、マッチング結果評価部45は、マッチングの結果を通知し(ステップS308)、マッチング最適化処理を終了する。
図5は、マッチング結果評価処理の詳細を示すフローチャートである。マッチング結果評価処理が開始されると、マッチング結果評価部45は、各種の制約がどの程度満たされているかを評価する制約充足チェック(ステップS401)、需要家が分散電源導入によってどの程度の経済的なメリットが見込めるかを評価する導入後経済メリット評価(ステップS402)、導入による再生可能エネルギーの比率の向上を評価する導入後エリア電源比率評価部(ステップS403)、導入による電源系統への影響を評価する系統安定度影響評価(ステップS404)を行って、マッチング結果評価処理を終了する。制約充足チェックは、例えば推定した投資回収期間と需要家の分散電源導入希望情報であるところの投資回収期間限度の比較や、推定した設置費用と需要家の分散電源導入希望情報であるところの設置費用限度額の比較を行う。導入後経済メリット評価は、例えば推定した供給地点発電電力価値と設置費用に基づき評価を行う。系統安定度影響評価は、例えば推定した供給地点の発電推定量と当該エリアのPV導入可能量に基づき、当該エリアのPV導入の許容範囲を逸脱しないかをチェックする。
このように、分散電源管理装置10は、需要家の分散電源導入希望情報と設置場所オファー情報を比較し、経済メリット、再生可能エネルギー比率変動、系統安定度への影響に基づき、最適なマッチングを決定することができる。なお、以上の処理は、ユーザとしての需要家の検索時などの所定のタイミングに実行される。
図6は、導入価値可視化処理の詳細を示すフローチャートである。導入価値可視化処理が開始されると、導入価値可視化部33は、経済性可視化処理(ステップS501)と環境貢献可視化処理(ステップS502)を行って、導入価値可視化処理を終了する。
図7は、経済性可視化処理の詳細を示すフローチャートである。経済性可視化処理が開始されると、まず、経済性可視化部51が各種データを取得し(ステップS601)。その後、発電電力買取価格決定部52は、導入された分散電源により発電された電力の買取価格を決定する(ステップS602)。買取価格の決定は、例えば、小売事業者が分散電源の導入エリアにおいて設定している小売販売価格と、当該導入エリアにおけるエリアプライスなどの電力市場販売価格に基づいて決定される。
需要家売電収入決定部53は、発電電力買取価格決定部52により決定された買取価格を用いて需要家が売電により得られる収入を決定する(ステップS603)。需要家実質電気料金算出部54は、需要家の実質の電気料金を算出する(ステップS604)。この実質の電気料金では、発電電力買取による売電収入が反映されている。その後、需要家実質電気料金算出部54が算出の結果を需要家に通知にして(ステップS605)、経済性可視化処理を終了する。
図8は、環境貢献可視化処理の詳細を示すフローチャートである。環境貢献可視化処理が開始されると、まず、環境貢献可視化部61が各種データを取得する(ステップS701)。その後、CO2排出換算量算出部62は、電力の使用量をCO2の排出量に換算する(ステップS702)。
CO2排出低減量算出部63は、分散電源による発電によってCO2の排出量をどれだけ低減できたかを算出する(ステップS703)。実質CO2排出換算量算出部64は、CO2排出換算量算出部62が算出した排出量からCO2排出低減量算出部63が算出した低減量を減算することで、需要家による実質のCO2排出量を算出する(ステップS704)。その後、実質CO2排出換算量算出部64は、算出の結果を需要家に通知して(ステップS605)、環境貢献可視化処理を終了する。
(4)具体例と変形例
次に、分散電源管理装置10が使用するデータの具体例について説明する。図9~図12は、分散電源管理装置が使用するデータの具体例である。図9~図12に示すように、分散電源導入希望情報101は、需要家ID、導入規模、設置費用限度額、投資回収期間限度、導入希望エリア、居住エリアなどの項目を有する。例えば、需要家ID「3」には、導入規模「10kW」、設置費用限度額「~30万円」、投資回収期間限度「~5年」、導入希望エリア「四国」、居住エリア「北海道」が関連付けられている。
また、設置場所オファー情報107は、設置場所ID、エリア、座標、設置可能規模、設置スペース賃借料、設置タイプなどの項目を有する。例えば、設置場所ID「1」は、エリア「東京」、座標「35.47,139.64」、設置可能規模「4.5kW」、設置スペース賃借料「XX円/月」、設置タイプ「A」が関連付けられている。
また、タイプ別設置費用108は、エリア、設置タイプ、設置費用などの項目を有する。例えば、エリア「東京」、設置タイプ「A」、設置費用「30万円/kW」などが登録されている。
また、エリアプライス予測値105は、タイムスタンプ、エリアプライス(東京)[円/kWh]、エリアプライス(中部)[円/kWh]、エリアプライス(北陸)[円/kWh]などの項目にそれぞれ値が与えられている。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、エリアプライス(東京)[円/kWh]は「8.60, 8.37, …」である。
また、日射量予測値102は、タイムスタンプと座標ごとの日射量[MJ/m]の項目を有する。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、座標(35.47,139.64)の日射量[MJ/m]は「1.44, 1.52, …」である。
また、エリア需要予測値103は、タイムスタンプとエリアごとの需要予測値の項目を有する。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、東京エリア需要予測値[MWh]は「32100, 32800, …」である。
また、小売販売予想価格104は、タイムスタンプとエリアごとの販売価格の項目を有する。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、販売価格(東京)[円/kWh]は「15.5, 15.5, …」である。
また、エリア毎電源構成比106は、エリアごとの電源の構成を示す。例えば、東京エリアでは、再生可能エネルギーによる発電の比率が10%であり、天然ガスによる発電の比率が50%であり、石炭による発電の比率が3%である。
また、エリアPV導入可能量109は、エリア、地区ID、PV導入可能量などの項目を有する。例えば、エリア「東京エリア」、地区ID「1」、PV導入可能量「100万kW」が登録されている。
また、マッチング結果110は、マッチング結果IDに対し、需要家IDと設置場所IDの組合せを関連付けている。例えば、マッチングID「1」に対し、需要家ID{1}と設置場所ID{2}の組合せが関連付けられている。
小売販売価格111は、タイムスタンプとエリアごとの販売価格の項目を有する。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、販売価格(東京)[円/kWh]は「15.5, 15.5, …」である。
エリアプライス実績値112は、タイムスタンプ、エリアプライス(東京)[円/kWh]、エリアプライス(中部)[円/kWh]、エリアプライス(北陸)[円/kWh]などの項目にそれぞれ値が与えられている。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、エリアプライス(東京)[円/kWh]は「8.60, 8.37, …」である。
分散電源発電量113は、タイムスタンプと設置場所IDごとの発電量の項目を有する。例えば、タイムスタンプは「2020-01-01 00:00, 2020-01-01 00:30, …」であり、発電量:設置場所ID=1は「2.3kWh,1.5kWh,…」である。
設置場所賃借料114は、設置場所IDに賃借料を対応付けたデータである。例えば、設置場所ID「1」の賃借料は「XX円/日」である。
需要地点の使用量に基づく電気料金115は、需要家IDに需要地点電気料金を対応付けたデータである。例えば、需要家ID「1」に需要地点電気料金「XX円/日」を対応付けている。
実質電気料金116は、需要家IDに実質電気料金を対応付けたデータである。例えば、需要家ID「1」に実質電気料金「YY円/日」を対応付けている。
需要地点使用量117は、需要家IDに需要地点使用量を対応付けたデータである。例えば、需要家ID「1」に需要地点使用量「XX kWh/日」を対応付けている。
実質CO2排出量118は、需要家IDに実質排出量を対応付けたデータである。例えば、需要家ID「1」に実質排出量「XX(kg-CO2)/日」を対応付けている。
図15は、設置場所参考情報提示部31によって需要家に提示される分散電源の導入時の画面イメージである。図15では、需要家による導入希望エリアの選択を受け付け、選択されたエリアの詳細情報を表示している。具体的には、エリアFの選択を受け付けて、地名、再生可能エネルギー比率、設置場所オファー数、平均賃借料、平均日照時間、電源構成比を表示した状態である。
図16は、分散電源の運用中の画面イメージである。図16では、需要地点での電気の使用量と、供給地点での発電量および売電量を棒グラフで表示している。また、需要地点での要需要量と電気料金、供給地点での総発電量と売電収入を表示している。さらに、経済性指標として電気料金、賃借料、手数料、売電収入、実質的な電気料金の負担額などを表示している。同様に、環境貢献指標として、電気の使用量に基づくCO2排出換算量、発電用に基づくCO2排出低減量、実質のCO2排出量を表示している。
このように、生成した電力の売電収入等と需要家により使用された電力の電気料金等とを対比して表示出力することで、需要家に分散電源導入によるエネルギーコスト削減の経済メリット、環境貢献を実感させることができる。
これまでの説明では、分散電源で発電した電力を全て売電する構成を例示したが、分散電源で発電して提供した電力を需要家が使用した電力から差し引いて電気料を算定してもよい。すなわち、分散電源により生成した電力を需要家が使用したものとみなして電気料金を課するのである。
この変形例では、図2に示した経済性可視化部51の構成を変更することになる。図17は、経済性可視化部の変形例の説明図である。図17に示した経済性可視化部71は、発電電力取得部72、使用電力取得部73、差分算出部74及び需要家実質電気料金算出部75を有する。
発電電力取得部72は分散電源発電量113から分散電源による発電量を取得する。使用電力取得部73は、需要家が実際に使用した電気の使用量を取得する。差分算出部74は、使用量と発電量の差分を算出する。
需要家実質電気料金算出部75は、使用量が発電量よりも大きいならば、差分と需要地点の使用量に基づく電気料金115とを用いて電気料金を算出し、設置場所賃借料114を加えて実質電気料金116に登録する。使用量が発電量よりも小さいならば、差分と小売販売価格111とエリアプライス実績値112と用いて売電価格を算出し、設置場所賃借料114を差し引いて実質電気料金116に登録する。この場合の実質電気料金は負の値となり得る。
(5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の分散電源管理装置では、需要家の分散電源導入希望情報と設置場所オファー情報を比較し、経済メリット、再エネ比率変動、系統安定度への影響に基づき、最適なマッチングを決定し、また運用時は、導入した分散電源の発電量に基づいて、実質電気料金を経済価値として、実質CO2排出量を環境価値として算出し需要家に提示する。
かかる構成により、需要家の自己所有地以外の他所への分散電源導入を支援し、発電された電力の価値を導入者が享受できる仕組みを提供することができ、需要家は電源設置場所や実需要地点などの空間的制約に縛られることなく分散電源を導入して経済価値・環境価値を享受できる。換言するならば、需要家の実需要地点に分散電源設置スペースがない場合でも需要家の住宅事情を考慮しつつ分散電源を資産として提供し、分散電源導入によるエネルギーコスト削減の経済メリット、環境貢献を実感させることができる。
なお、本発明は上記実施形態だけに限定される事なく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化できる。例えば、需要家と設置場所との関係は1対1に限定されるものではない。
具体的には、1の設置場所を複数の需要家が共同所有し、その持ち分に応じて発電量の割り当てを受ける構成としてもよい。また、1の需要家が複数の設置場所に組合せられてもよい。この場合には、設置場所ごとの特性の違いを利用して、複数の設置場所が総合的に需要家の希望を満たすよう選択することが可能となる。この需要家の希望は、経済的リターンの向上、天災などの各種リスクの低減、リスク-リターンの最適化を含むことができる。さらに、需要家による電気使用量を時刻や季節に応じて予測し、発電量が常に需要家の電気使用量を上回るようにしてもよい。
10…分散電源管理装置、12~15…電子端末、31 設置場所参考情報提示部31、32…マッチング最適化部、33…導入価値可視化部、101…分散電源導入希望情報、102…日射量予測値、103…エリア需要予測値、104…小売販売予想価格、105…エリアプライス予測値、106…エリア毎電源構成比、107…設置場所オファー情報

Claims (10)

  1. 需要家の分散電源の導入を支援する分散電源管理装置であって、
    前記需要家の希望する前記分散電源の導入形態を示す導入希望情報を取得する導入希望情報取得部と、
    前記需要家に対して提供可能な前記分散電源の導入形態を示す導入可能情報を取得する導入可能情報取得部と、
    前記導入希望情報と前記導入可能情報との適切な組み合わせを求めるマッチング処理部と
    を備え、
    前記マッチング処理部は、前記導入可能情報に含まれる前記分散電源の設置場所に基づいて前記組み合わせを求め、前記需要家に対して提供可能な前記分散電源が不足する場合に、提供者に対して報知を行う
    ことを特徴とする分散電源管理装置。
  2. 前記マッチング処理部は、前記設置場所における日射量の予測、前記設置場所が所在する地域の需要の予測、前記設置場所が所在する地域における電力価格の予測、前記設置場所の賃借価格のうち少なくとも一つを用い、前記導入希望情報に適合する設置場所を選択することを特徴とする請求項1に記載の分散電源管理装置。
  3. 前記需要家が前記分散電源を導入した場合に、該分散電源により生成した電力を前記需要家が使用したものとみなして仮想的な自家消費を提供する導入結果処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の分散電源管理装置。
  4. 前記導入結果処理部は、前記生成した電力と前記需要家により使用された電力との差分を売買決済の対象とすることを特徴とする請求項3に記載の分散電源管理装置。
  5. 前記導入結果処理部は、前記生成した電力、前記需要家により使用された電力、及び前記売買決済の内容を前記需要家に提示することを特徴とする請求項4に記載の分散電源管理装置。
  6. 前記導入結果処理部は、前記生成した電力の売電収入と前記需要家により使用された電力の電気料金とを対比して前記需要家に提示することを特徴とする請求項3に記載の分散電源管理装置。
  7. 前記導入結果処理部は、前記分散電源の導入によってなされた環境への貢献度合いを前記需要家に提示することを特徴とする請求項3に記載の分散電源管理装置。
  8. 前記マッチング処理部は、
    導入先となる電力系統の系統安定度に及ぼす影響を加味してマッチングする
    ことを特徴とする請求項1に記載の分散電源管理装置。
  9. 前記マッチング処理部は、前記需要家に対して提供可能な前記分散電源が追加された場合に、該追加による改善度合いを報知することを特徴とする請求項1に記載の分散電源管理装置。
  10. 需要家の分散電源の導入を支援する分散電源管理方法であって、
    分散電源管理装置が、前記需要家の希望する前記分散電源の導入形態を示す導入希望情報を取得する導入希望情報取得ステップと、
    前記分散電源管理装置が、前記需要家に対して提供可能な前記分散電源の導入形態を示す導入可能情報を取得する導入可能情報取得ステップと、
    前記分散電源管理装置が、前記導入希望情報と前記導入可能情報との適切な組み合わせを求めるマッチング処理ステップと
    を含み、
    前記マッチング処理ステップは、前記導入可能情報に含まれる前記分散電源の設置場所に基づいて前記組み合わせを求め、前記需要家に対して提供可能な前記分散電源が不足する場合に、提供者に対して報知を行う
    ことを特徴とする分散電源管理方法。
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