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JP7336871B2 - 全天周映像処理装置及びプログラム - Google Patents
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特許法第30条第2項適用 〔刊行物名〕 HCGシンポジウム2018予稿集 〔主催〕 電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ 〔発行年月日〕 2018年12月5日
本発明は、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術において、被写体の切り出し映像を全天周映像にマッピングする全天周映像処理装置及びプログラムに関する。
従来、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術として、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality : 複合現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)等が知られており、盛んに研究開発が行われている。以下、AR、MR、VR等を総称して、XR(X Reality:クロス・リアリティ)という。
XRに用いるカメラとして、例えば、全方位撮影可能な360度カメラ(例えば特許文献1,2を参照。)、ユーザに装備されるウェアラブル360度カメラ(例えば非特許文献1を参照。)等が知られている。これらのカメラにより撮影された全天周映像を用いて、XRの体験サービスを提供することができる。
XRに提示する物体を、視点に応じた映像としてARグラスまたはVRゴーグル上に表示するためには、当該物体は、3次元構造(3次元座標及び色を持つ点群または面の構造)を有することが望ましい。以下、ARグラス、VRゴーグル等を総称して、HMD(Head Mounted Display:頭部装着ディスプレイ)という。
特開2011-182003号公報 特開2011-160442号公報
FITT360-The First 360°Neckband Wearable Camera、[online]、Kickstarter、[平成31年3月18日検索]、インターネット<https://www.kickstarter.com/projects/467094941/fitt360-the-first-360-neckband-wearable-camera?lang=ja>
しかしながら、3次元構造の映像を表現するための3次元カメラ、すなわち屋外または大規模な撮影範囲にも対応し、かつ3次元構造の映像を取得可能な3次元カメラは存在しない。また、3次元構造の映像を生成したとしても、これを編集及び加工することは困難である。
このため、3次元構造の映像の代わりに2次元構造の映像を取得し、これをHMDに投影することで、3次元空間の映像を表現することは、従来から引き続き重要となる。
例えば、カメラにより撮影された2次元構造の映像から被写体の映像を切り出し、この切り出し映像を全天周映像にマッピングし、切り出し映像の投影位置を自在に変更することができれば、HMDに表現される映像は、XRを実現する際に一層効果的となる。つまり、HMDを用いて、2次元構造の映像を3次元的に提示することで、一層効果的な3次元空間の映像を表現することが可能となる。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、映像の編集及び加工が容易となり、かつ簡易な手法でXRの3次元映像を疑似的に提示可能な全天周映像処理装置及びプログラムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の全天周映像処理装置は、被写体を含む全天周映像を生成する全天周映像処理装置において、複数の撮影装置により撮影された前記被写体を含む複数の映像を入力し、前記複数の映像を統合し、アルファチャンネル付き全天周映像を第一全天周映像として生成する統合部と、前記映像から前記被写体の部分を切り出し、切り出し映像を生成する切り出し部と、前記統合部により生成された前記第一全天周映像に、前記切り出し部により生成された前記切り出し映像をマッピングし、前記第一全天周映像に前記切り出し映像を貼り付けた第二全天周映像を生成するマッピング部と、前記マッピング部により生成された前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像が貼り付けられ、前記アルファ値が設定された第三全天周映像を生成するアルファ値設定部と、前記アルファ値設定部により生成された前記第三全天周映像の半径に、前記撮影装置から前記被写体までの間の距離を設定することで、前記第三全天周映像の半径を変更し、前記半径の変更に伴ってサイズが変更された前記切り出し映像を含み、前記切り出し映像の投影位置を変更した第四全天周映像を生成する半径設定部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の全天周映像処理装置は、被写体を含む全天周映像を生成する全天周映像処理装置において、単眼カメラの撮影装置により撮影された前記被写体を含むアルファチャンネル付き全天周映像を第一全天周映像として入力し、前記第一全天周映像から前記被写体の部分を切り出し、切り出し映像を生成する切り出し部と、前記第一全天周映像に、前記切り出し部により生成された前記切り出し映像をマッピングし、前記第一全天周映像に前記切り出し映像を貼り付けた第二全天周映像を生成するマッピング部と、前記マッピング部により生成された前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像が貼り付けられ、前記アルファ値が設定された第三全天周映像を生成するアルファ値設定部と、前記アルファ値設定部により生成された前記第三全天周映像の半径に、前記撮影装置から前記被写体までの間の距離を設定することで、前記第三全天周映像の半径を変更し、前記半径の変更に伴ってサイズが変更された前記切り出し映像を含み、前記切り出し映像の投影位置を変更した第四全天周映像を生成する半径設定部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3の全天周映像処理装置は、請求項1または2に記載の全天周映像処理装置において、前記アルファ値設定部は、前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分の各画素のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分の各画素の画素値に0を設定し、前記第三全天周映像を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項4の全天周映像処理装置は、請求項1に記載の全天周映像処理装置において、前記マッピング部が、前記複数の撮影装置のうち予め設定された基準カメラの前記撮影装置のカメラパラメータに含まれる水平角度及び垂直角度を用いて、前記被写体の方向を特定し、前記第一全天周映像における前記被写体の方向に前記切り出し映像をマッピングし、前記第二全天周映像を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項5の全天周映像処理装置は、請求項2に記載の全天周映像処理装置において、前記マッピング部が、予め設定された水平角度を用いて、前記被写体の方向を特定し、前記第一全天周映像における前記被写体の方向に前記切り出し映像をマッピングし、前記第二全天周映像を生成する、ことを特徴とする。
さらに、請求項6のプログラムは、コンピュータを、請求項1から5までのいずれか一項に記載の全天周映像処理装置として機能させることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、被写体の切り出し映像を全天周映像にマッピングし、切り出し映像の投影位置を変更するようにした。これにより、映像の編集及び加工が容易となり、かつ簡易な手法でXRの3次元映像を疑似的に提示することができる。
本発明の実施形態による全天周映像処理装置を含む全天周映像処理システムの全体構成例を示す概略図である。 撮影側の装置構成例を説明する図である。 全天周映像処理装置の構成例を示すブロック図である。 全天周映像処理装置の処理例を示すフローチャートである。 全天周映像処理装置が入力する映像Iの例を示す概略図である。 切り出し映像Kの例を示す概略図である。 単眼カメラの場合のマッピング例(ステップS405)を説明する図である。 多視点カメラの場合のマッピング例(ステップS405)を説明する図である。 全天周映像Z3の例を示す概略図である。 半径設定処理例(ステップS407)を説明する図である。 全天周映像Z4の例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、透明度を示すアルファチャンネルを有する全天周映像(アルファチャンネル付き全天周映像)に、被写体の切り出し映像をマッピングし、全天周映像のアルファチャンネルの値(アルファ値)を設定し、全天周映像の半径を設定することで、切り出し映像の投影位置を変更することを特徴とする。
これにより、全天周映像に対し、被写体の切り出し映像の投影位置すなわち視聴者からの距離を変更することができる。映像の編集及び加工は、2次元映像である全天周映像及び切り出し映像に対して行えばよいから、編集及び加工作業は容易となる。
また、マッピング処理、アルファ値設定処理及び半径設定処理を行うことで、HMDに用いる全天周映像を得ることができるから、簡易な手法で、XRの3次元映像を疑似的に提示することができる。
〔全天周映像処理システム〕
まず、XRの3次元映像を疑似的に提示する全天周映像処理システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態による全天周映像処理装置を含む全天周映像処理システムの全体構成例を示す概略図である。全天周映像には、半天周等の映像が含まれるものとする。以下、アルファチャンネル付き全天周映像を、単に全天周映像という。アルファチャンネルは透明度を示すチャンネルであり、画素毎に有している。
この全天周映像処理システム1は、n台の撮影装置2-1~2-n、n台の測距装置3-1~3-n、全天周映像処理装置4及びHMD5を備えて構成される。nは、1以上の整数である。以下、n台の撮影装置2-1~2-nを総称して、撮影装置2といい、n台の測距装置3-1~3-nを総称して、測距装置3という。
撮影装置2は、被写体及びその周囲等を撮影するカメラであり、映像Iを全天周映像処理装置4へ出力する。つまり、撮影装置2-1~2-nは、それぞれの位置からの撮影にて取得した映像I1~Inを全天周映像処理装置4へ出力する。
測距装置3は、当該測距装置3と被写体との間の距離を測定するセンサーであり、測定した距離を距離データdとして全天周映像処理装置4へ出力する。つまり、測距装置3-1~3-nは、それぞれの位置からの測定にて取得した距離データd1~dnを全天周映像処理装置4へ出力する。
測距装置3-1~3-nは、それぞれ撮影装置2-1~2-nに対応する。距離データd1~dnは、撮影装置2-1~2-nと被写体との間の距離に相当する。測距装置3-1~3-nは、当該測距装置3-1~3-nと被写体との間の距離が撮影装置2-1~2-nと被写体との間の距離に一致するように、撮影装置2-1~2-n付近に設置される。
図1に示す撮影側の装置である撮影装置2-1~2-n及び測距装置3-1~3-nからなる構成は、後述する図2(4)に相当する。
図2は、撮影側の装置構成例を説明する図である。撮影側の装置は、撮影装置2及び測距装置3からなる。
図2(1)に示す撮影側の装置は、1台の単眼カメラである撮影装置2及び1台の測距装置3により構成される。
図2(2)に示す撮影側の装置は、2台のステレオカメラである撮影装置2-1,2-2により構成される。この例では、測距装置3が存在しない。
図2(3)に示す撮影側の装置は、4台の多視点カメラである撮影装置2-1~2-4により構成される。この例では、測距装置3が存在しない。
図2(4)に示す撮影側の装置は、4台の多視点カメラである撮影装置2-1~2-4、及び4台の測距装置3-1~3-4により構成される。
図1に戻って、全天周映像処理装置4は、撮影装置2-1~2-nから映像I1~Inを入力すると共に、測距装置3-1~3-nから距離データd1~dnを入力する。そして、全天周映像処理装置4は、映像I1~Inを統合(スティッチング)して全天周映像Z1を生成し、映像I1~Inから被写体を切り出して切り出し映像K1~Knを生成する。以下、n個の切り出し映像K1~Knを総称して、切り出し映像Kという。
全天周映像処理装置4は、全天周映像Z1に切り出し映像Kをマッピングして全天周映像Z2を生成し、全天周映像Z2に含まれる切り出し映像Kの部分のアルファ値及び他の部分のアルファ値をそれぞれ設定して全天周映像Z3を生成する。全天周映像Z3は、例えば被写体の切り出し映像Kのみを含む映像となる。
全天周映像処理装置4は、全天周映像Z3の半径に距離データdを設定して全天周映像Z4を生成する。全天周映像処理装置4は、全天周映像Z4をHMD5に出力する。全天周映像Z4も、例えば被写体の切り出し映像Kのみを含む映像である。全天周映像処理装置4の詳細については後述する。
HMD5は、全天周映像処理装置4から全天周映像Z4を入力し、HMD5のセンサー情報に基づいてユーザの視線方向を特定し、全天周映像Z4から視線方向の映像を切り出し、切り出した映像を表示する。
ここで、HMD5が、実物の光線がそのまま網膜に届く光学シースルー型ARゴーグルの場合、HMD5は、全天周映像Z4から切り出した視線方向の映像のみを表示する。後述のように、全天周映像Z4に含まれる被写体の部分が非透過であり、それ以外の部分が透過である場合、HMD5により、実際の背景に対して被写体のみが表示される。
また、HMD5が、ゴーグルの前にカメラを備えており、当該カメラの撮影により得られた背景映像を用いるビデオシースルー型ARゴーグルの場合、HMD5は、背景映像に視線方向の映像を合成し、合成映像を表示する。後述のように、全天周映像Z4に含まれる被写体の部分が非透過であり、それ以外の部分が透過である場合、背景映像に被写体のみが合成された合成映像が表示される。
このように、全天周映像処理装置4による全天周映像Z4の生成処理、及びHMD5による映像表示処理を繰り返すことで、映像I1~Inに対応した3次元映像を動画として疑似的に表示することができる。
〔全天周映像処理装置4〕
次に、図1に示した全天周映像処理装置4について説明する。図3は、全天周映像処理装置4の構成例を示すブロック図であり、図4は、全天周映像処理装置4の処理例を示すフローチャートである。
この全天周映像処理装置4は、統合部10、切り出し部11、マッピング部12、アルファ値設定部13及び半径設定部14を備えている。
全天周映像処理装置4は、撮影装置2-1~2-nから映像I1~Inを入力すると共に(ステップS401)、測距装置3-1~3-nから距離データd1~dnを入力する(ステップS402)。
統合部10は、映像I1~Inを統合して全天周映像Z1を生成する(ステップS403)。そして、統合部10は、全天周映像Z1をマッピング部12に出力する。
具体的には、統合部10は、映像I1~Inから、予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する映像Iを特定し、特定した映像Iを基準にして映像I1~Inを統合し、映像Iを基準位置とした全天周映像Z1を生成する。基準カメラの撮影装置2は、撮影装置2-1~2-nのうち、ユーザにより予め設定されたカメラである。
尚、撮影装置2が図2(1)に示した単眼カメラである場合には、統合部10による統合処理は不要である。単眼カメラにより、全天周映像Z1(例えば半天周映像)が取得される。
図5は、全天周映像処理装置4が入力する映像Iの例を示す概略図であり、撮影装置2が図2(1)に示した単眼カメラである場合を示している。全天周映像処理装置4は、単眼カメラである撮影装置2から、映像I-1,I-2,I-3,I-4をこの順番に入力する。
これらの映像I-1,I-2,I-3,I-4は、被写体である人間が遠い位置から撮影装置2へ向かって近づいている時系列の映像である。
図3及び図4に戻って、切り出し部11は、映像I1~Inから被写体の部分を切り出し、切り出し映像K1~Knを生成する(ステップS404)。そして、切り出し部11は、切り出し映像K1~Knをマッピング部12に出力する。
例えば被写体が人物である場合、切り出し部11は、人物認識処理により、映像Iから人物を切り出す。また、例えば被写体が一般物である場合、切り出し部11は、テンプレートマッチング処理により、映像Iから予め設定された物を切り出す。人物認識処理及びテンプレートマッチング処理は既知であるため、詳細な説明については省略する。
図6は、切り出し映像Kの例を示す概略図であり、撮影装置2が図2(1)に示した単眼カメラである場合を示している。
切り出し映像K-1は、図5に示した映像I-1から人物の被写体が切り出された映像であり、切り出し映像K-2は、図5に示した映像I-2から人物の被写体が切り出された映像である。
切り出し映像K-3は、図5に示した映像I-3から人物の被写体が切り出された映像であり、切り出し映像K-4は、図5に示した映像I-4から人物の被写体が切り出された映像である。
切り出し映像K-1,K-2,K-3,K-4は、被写体である人間が遠い位置から撮影装置2へ向かって近づいている映像I-1,I-2,I-3,I-4から切り出された時系列の映像である。
尚、図4の処理例では、統合部10が映像I1~Inを統合して全天周映像Z1を生成した後、切り出し部11が映像I1~Inから切り出し映像K1~Knを生成するようにした。これに対し、切り出し部11が映像I1~Inから切り出し映像K1~Knを生成した後、統合部10が映像I1~Inを統合して全天周映像Z1を生成するようにしてもよい。
図3及び図4に戻って、マッピング部12は、統合部10から全天周映像Z1を入力すると共に、切り出し部11から切り出し映像K1~Knを入力する。
マッピング部12は、切り出し映像K1~Knのうち、予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する切り出し映像Kを特定し、全天周映像Z1内の所定位置に切り出し映像Kをマッピングし、全天周映像Z2を生成する(ステップS405)。そして、マッピング部12は、全天周映像Z2をアルファ値設定部13に出力する。予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する切り出し映像Kとは、基準カメラの撮影装置2により取得された映像Iから切り出された映像である。
これにより、切り出し映像Kが全天周映像Z1の所定位置に貼り付けられ、後述する半径設定部14にて後述する全天周映像Z3の半径が設定されるから、切り出し映像Kの被写体は、実空間のサイズに調整される。
図7は、単眼カメラの場合のマッピング例(ステップS405)を説明する図である。撮影装置2が単眼カメラである場合、マッピング部12は、例えば予め設定された水平角度を用いて、全天周映像Z1の中心から見た被写体の方向を特定する。予め設定された水平角度は、ユーザにより指定される。
そして、マッピング部12は、全天周映像Z1の中心から見た被写体の方向の位置に切り出し映像Kをマッピングすることで、全天周映像Z1に切り出し映像Kを貼り付け、全天周映像Z2を生成する。
図8は、多視点カメラの場合のマッピング例(ステップS405)を説明する図である。撮影装置2が多視点カメラである場合、マッピング部12は、予め設定された基準カメラの撮影装置2(本例の場合は撮影装置2-2)のカメラパラメータに含まれる水平角度及び垂直角度を用いて、全天周映像Z1の中心から見た被写体の方向を特定する。カメラパラメータは、撮影装置2が設置されることにより、一義的に決定される。
そして、マッピング部12は、全天周映像Z1の中心から見た被写体の方向の位置に切り出し映像Kをマッピングすることで、全天周映像Z1に切り出し映像Kを貼り付け、全天周映像Z2を生成する。
図3及び図4に戻って、アルファ値設定部13は、マッピング部12から全天周映像Z2を入力する。そして、アルファ値設定部13は、全天周映像Z2のうち、切り出し映像Kがマッピングされた部分(貼り付けられた部分)の各画素のアルファ値に255を設定する。また、アルファ値設定部13は、全天周映像Z2のうち、切り出し映像Kがマッピングされていない部分(切り出し映像Kを除く部分)の各画素のアルファ値に0を設定する。
アルファ値に255を設定することは、非透過の値に設定することを意味し、当該部分は、画素値が反映された非透過の映像となり、HMD5において表示されることとなる。また、アルファ値に0を設定することは、透過の値に設定することを意味し、当該部分は、画素値が反映されない透過の映像となり、HMD5において表示されることはない。
これにより、切り出し映像Kの部分の画素は、全天周映像Z2内で非透過となるように設定され、切り出し映像K以外の部分の画素は、全天周映像Z2内で透過となるように設定される。
アルファ値設定部13は、切り出し映像Kの部分の各画素値を反映し、それ以外の部分の画素値を反映しない全天周映像Z3を生成する(ステップS406)。そして、アルファ値設定部13は、全天周映像Z3を半径設定部14に出力する。
尚、アルファ値設定部13は、全天周映像Z2のうち、切り出し映像Kがマッピングされた部分の各画素のアルファ値に128を設定するようにしてもよい。この場合、切り出し映像Kの部分は、全天周映像Z2内で半透明となる。
図9は、全天周映像Z3の例を示す概略図である。この全天周映像Z3-4は、図5に示した映像I-4及び図6に示した切り出し映像K-4に対応する映像である。
切り出し映像K-4の部分のアルファ値に255が設定されることで、当該部分は非透過となり、それ以外の部分のアルファ値に0が設定されることで、当該部分は透過となる。つまり、全天周映像Z3-4において、切り出し映像K-4の部分は非透過となり、その他の部分は透過となる。
したがって、全天周映像Z3-4は、切り出し映像K-4の部分については図示しない全天周映像Z2の画素値がそのまま反映された映像となり、切り出し映像K-4以外の部分についてはその画素値が反映されない映像となる。
図3及び図4に戻って、半径設定部14は、アルファ値設定部13から全天周映像Z3を入力すると共に、測距装置3-1~3-nから距離データd1~dnを入力する。そして、半径設定部14は、距離データd1~dnのうち、予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する距離データdを特定する。予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する距離データdとは、基準カメラの撮影装置2に対応する測距装置3により取得された距離データである。
半径設定部14は、全天周映像Z3の半径に距離データdを設定することで、全天周映像Z3の半径を変更し、全天周映像Z4を生成する(ステップS407)。そして、半径設定部14は、全天周映像Z4を出力する(ステップS408)。全天周映像Z4は、例えば圧縮符号化され、符号化信号としてインターネットを介して、または放送波として送信される。
これにより、全天周映像Z3の半径の変更に伴い、全天周映像Z3に含まれる被写体のサイズも変更される。半径が短くなればなるほど、被写体のサイズは小さくなり、半径が大きくなればなるほど、被写体のサイズは大きくなる。
つまり、マッピング部12により、ステップS405にて切り出し映像Kが全天周映像Z1にマッピングされる。そして、半径設定部14により、ステップS407にて全天周映像Z3の半径に距離データdが設定される。これにより、全天周映像Z3に含まれる被写体に対し、そのサイズを直接変更する処理を行う必要がない。
したがって、全天周映像Z3の半径を変更することで、被写体のサイズも変更されるから、簡易な処理にて、実空間内で適切な被写体のサイズが反映された全天周映像Z4を得ることができる。
尚、全天周映像Z3の半径を変更するために用いる距離データdは、予め設定された基準カメラの撮影装置2に対応する測距装置3から被写体の代表点までの距離であってもよいし、被写体の複数点までの距離の平均または中央値であってもよい。
このように、距離データdは、例えば被写体の代表点までの距離であればよく、または、平均等の簡易な処理にて求めた距離であればよいから、処理時間を大幅に短縮することができる。
また、図2(2)及び図2(3)に示した構成例のように、撮影側の装置に測距装置3を含まない場合には、例えば2台の撮影装置2-1,2-2により取得された映像I1,I2に基づいたステレオマッチングの手法により、距離データdを求めるようにしてもよい。
図10は、半径設定処理例(ステップS407)を説明する図であり、図11は、全天周映像Z4の例を示す概略図である。図11に示す全天周映像Z4は、図5に示した映像I-4、図6に示した切り出し映像K-4及び図9に示した全天周映像Z3-4に対応する映像である。
図10に示すように、全天周映像Z3の半径に距離データdが設定されることで、全天周映像Z3の半径が変更され(図10の例では、半径が短くなり)、被写体の切り出し映像Kのサイズを小さくした全天周映像Z4が生成される。
同様に、図9に示した全天周映像Z3-4に対し、図11に示すように、被写体である人物のサイズを小さくした全天周映像Z4-4が生成される。
以上のように、本発明の実施形態の全天周映像処理装置4によれば、統合部10は、映像I1~Inを統合して全天周映像Z1を生成し、切り出し部11は、映像I1~Inから被写体の部分を切り出して切り出し映像K1~Knを生成する。
マッピング部12は、切り出し映像K1~Knのうち、基準となる切り出し映像Kを特定し、全天周映像Z1内で被写体の方向を特定し、その方向に切り出し映像Kをマッピングして全天周映像Z2を生成する。
例えば、単眼カメラを用いた場合、マッピング部12は、予め設定された水平角度を用いて被写体の方向を特定する。また、多視点カメラを用いた場合、マッピング部12は、基準となるカメラパラメータに含まれる水平角度及び垂直角度を用いて被写体の方向を特定する。
アルファ値設定部13は、全天周映像Z2のうち、切り出し映像Kがマッピングされた部分のアルファ値に255を設定し、その他の部分のアルファ値に0を設定し、全天周映像Z3を生成する。これにより、全天周映像Z3の切り出し映像Kの部分は、非透過となって画素値が反映された映像となり、その他の部分は、透過となって画素値が反映されない映像となる。
半径設定部14は、距離データd1~dnのうち、基準となる距離データdを特定し、全天周映像Z3の半径に距離データdを設定することで、全天周映像Z3の半径を変更し、全天周映像Z4を生成する。これにより、被写体は、全天周映像Z3の半径に対応したサイズとなる。
このように、被写体の切り出し映像Kを全天周映像Z1にマッピングし、全天周映像のアルファ値を設定し、全天周映像Z3の半径を設定することで、切り出し映像Kの投影位置を変更した全天周映像Z4を生成するようにした。
これにより、映像の編集及び加工は、2次元映像である全天周映像Z4及び切り出し映像Kに対して行えばよいから、3次元映像に比べて、編集及び加工が容易となり、現存のルールを用いることができる。
また、マッピング処理、アルファ値設定処理及び半径設定処理を行うことで、HMD5に用いる全天周映像Z4を得ることができるから、簡易な手法でXRの3次元映像を疑似的に提示することができる。つまり、HMD5を用いるユーザの視点位置を原点として、全天周映像Z4の半径に従い、被写体を擬似的に3次元映像のように提示することができる。
また、切り出し部11は、2次元映像である映像Iから被写体の部分を切り出すようにしたから、現行の枠のある映像でなく、枠のない映像を得ることができ、HMD5において、より実在感のある映像を提示することができる。
また、HMD5により、全天周映像Z4が右目用及び左目用の映像に変換されて表示されるため、両眼視差のある映像を提示することができる。HMD5により、視点の移動に伴った見え方にて、被写体を変化させることができる。
また、VRのバーチャル空間またはバーチャルチャット等において、測定した物体の距離を全天周映像Z4の半径に反映することで、所定の奥行きの位置に物体が提示される。これにより、手前にある物体が背後にある物体を隠して見えないようにするオクルージョン(見え隠れ)を加味した映像提示が可能となる。
HMD5がARグラスの場合、例えば市販されている両眼視差を利用することで、ユーザから数m程度の奥行きの移動を表現することができる。
奥行きの分解能としては、10mまでの距離を1mm単位で表す場合は10,000通りを表す必要があり、符号化のためには14ビットのビット長が必要となる。ビットレートは、映像Iのフレーム速度が90fpsの場合、14×90=1,260bpsとなり、映像Iのビットレートと比較すれば、拡張による増加分は非常に小さくなる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば前記実施形態では、撮影側の装置の構成例として図2(1)~(4)を挙げて説明した。これらの構成は例示であり、本発明は他の構成例にも適用がある。
また、前記実施形態では、図3に示した通り、全天周映像処理装置4は、統合部10、切り出し部11、マッピング部12、アルファ値設定部13及び半径設定部14を備えるようにした。
これに対し、撮影装置2が単眼カメラである場合、全天周映像処理装置4は、切り出し部11、マッピング部12、アルファ値設定部13及び半径設定部14を備える。この場合、切り出し部11は、単眼カメラの撮影装置2から全天周映像Z1を入力し、全天周映像Z1から被写体の部分を切り出し、切り出し映像Kを生成する。マッピング部12は、単眼カメラの撮影装置2から全天周映像Z1を入力し、全天周映像Z1に、切り出し部11により生成された切り出し映像Kをマッピングする。
また、前記実施形態では、全天周映像処理装置4のアルファ値設定部13は、全天周映像Z2について、切り出し映像Kの部分のアルファ値に255を設定することで、当該部分を非透過に設定するようにした。また、アルファ値設定部13は、切り出し映像Kを除く部分のアルファ値に0を設定することで、当該部分を透過に設定するようにした。
これに対し、アルファ値設定部13は、全天周映像Z2について、さらに、切り出し映像Kを除く部分の各画素の画素値(RGBの値)に0を設定するようにしてもよい。これにより、全天周映像処理装置4が、後段の半径設定部14により生成された全天周映像Z4を圧縮符号化して送信する際に、符号化効率を向上させることができ、送信データ量を少なくすることができる。
尚、本発明の実施形態による全天周映像処理装置4のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。全天周映像処理装置4は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
全天周映像処理装置4に備えた統合部10、切り出し部11、マッピング部12、アルファ値設定部13及び半径設定部14の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
1 全天周映像処理システム
2 撮影装置
3 測距装置
4 全天周映像処理装置
5 HMD(Head Mounted Display:頭部装着ディスプレイ)
10 統合部
11 切り出し部
12 マッピング部
13 アルファ値設定部
14 半径設定部
I 映像
K 切り出し映像
Z1,Z2,Z3,Z4 全天周映像
d 距離データ

Claims (6)

  1. 被写体を含む全天周映像を生成する全天周映像処理装置において、
    複数の撮影装置により撮影された前記被写体を含む複数の映像を入力し、前記複数の映像を統合し、アルファチャンネル付き全天周映像を第一全天周映像として生成する統合部と、
    前記映像から前記被写体の部分を切り出し、切り出し映像を生成する切り出し部と、
    前記統合部により生成された前記第一全天周映像に、前記切り出し部により生成された前記切り出し映像をマッピングし、前記第一全天周映像に前記切り出し映像を貼り付けた第二全天周映像を生成するマッピング部と、
    前記マッピング部により生成された前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像が貼り付けられ、前記アルファ値が設定された第三全天周映像を生成するアルファ値設定部と、
    前記アルファ値設定部により生成された前記第三全天周映像の半径に、前記撮影装置から前記被写体までの間の距離を設定することで、前記第三全天周映像の半径を変更し、前記半径の変更に伴ってサイズが変更された前記切り出し映像を含み、前記切り出し映像の投影位置を変更した第四全天周映像を生成する半径設定部と、
    を備えたことを特徴とする全天周映像処理装置。
  2. 被写体を含む全天周映像を生成する全天周映像処理装置において、
    単眼カメラの撮影装置により撮影された前記被写体を含むアルファチャンネル付き全天周映像を第一全天周映像として入力し、前記第一全天周映像から前記被写体の部分を切り出し、切り出し映像を生成する切り出し部と、
    前記第一全天周映像に、前記切り出し部により生成された前記切り出し映像をマッピングし、前記第一全天周映像に前記切り出し映像を貼り付けた第二全天周映像を生成するマッピング部と、
    前記マッピング部により生成された前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像が貼り付けられ、前記アルファ値が設定された第三全天周映像を生成するアルファ値設定部と、
    前記アルファ値設定部により生成された前記第三全天周映像の半径に、前記撮影装置から前記被写体までの間の距離を設定することで、前記第三全天周映像の半径を変更し、前記半径の変更に伴ってサイズが変更された前記切り出し映像を含み、前記切り出し映像の投影位置を変更した第四全天周映像を生成する半径設定部と、
    を備えたことを特徴とする全天周映像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の全天周映像処理装置において、
    前記アルファ値設定部は、
    前記第二全天周映像について、前記切り出し映像の部分の各画素のアルファ値に非透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分の各画素のアルファ値に透過の値を設定し、前記切り出し映像を除く部分の各画素の画素値に0を設定し、前記第三全天周映像を生成する、ことを特徴とする全天周映像処理装置。
  4. 請求項1に記載の全天周映像処理装置において、
    前記マッピング部は、
    前記複数の撮影装置のうち予め設定された基準カメラの前記撮影装置のカメラパラメータに含まれる水平角度及び垂直角度を用いて、前記被写体の方向を特定し、前記第一全天周映像における前記被写体の方向に前記切り出し映像をマッピングし、前記第二全天周映像を生成する、ことを特徴とする全天周映像処理装置。
  5. 請求項2に記載の全天周映像処理装置において、
    前記マッピング部は、
    予め設定された水平角度を用いて、前記被写体の方向を特定し、前記第一全天周映像における前記被写体の方向に前記切り出し映像をマッピングし、前記第二全天周映像を生成する、ことを特徴とする全天周映像処理装置。
  6. コンピュータを、請求項1から5までのいずれか一項に記載の全天周映像処理装置として機能させるためのプログラム。
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