以下、空調設備の改修方法の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、電算センターなどの屋内施設に設定される機械室にヘッダダクトを有する空調設備の一例を示す。図1に示すように、空調設備2を配置した屋内設備1は、2つの空調機械室10,20と、2つの空調機械室10,20の間に設けられる空調室30(対象となる室)とを有する。ここで、空調機械室10,20は、複数の空調機が設置される部屋であり、空調室30は、空調機械室に設置された空調機からの空気により室内が冷却(温調)される部屋である。なお、空調機械室は、2つに限定されるものではなく、1つであっても3つ以上であってもよい。
空調機械室10は、例えば、空調機11,12,13,14と、ヘッダダクト15とを内部に設置する。空調機11,12,13,14は、各空調機11,12,13,14の給気送り出し部分が対応の基ダクト11a,12a,13a,14aを介してヘッダダクト15に接続される。図1においては、空調機械室10に対して、4台の空調機11,12,13,14を配設した場合を一例として取り上げているが、空調機の台数は4台に限定されるものではない。
空調機11,12,13,14は、図示を省略した制御装置により個別に駆動制御される。ここで、本実施形態においては、空調室30内の発熱機器が設置される実装部分(図1の下半分)と未設置の未実装部分(図1の上半分)があるが、空調機は未実装部分を受け持つものも空調機械室10に設置された状況を示している。白抜きの空調機は、実装部分の熱負荷に対応するため空気が送り出されている状態を示し、黒塗りの空調機は、未実装部分の受け持ちのため空気が送り出されていない状態を示している。図1においては、白抜きの空調機11,13からの空気がヘッダダクト15に送り出され、黒塗りの空調機12,14からの空気はヘッダダクト15に送り出されていない場合を例示している。なお、空調機11,12,13,14による空気の送り出しの有無の切り替えは、駆動する空調機からの給気が停止中の空調機に逆流し、所定の風量がヘッダダクト15へ供給不能とならないよう、空調機が有する不図示のダンパの開閉制御によって逆流防止や給気が行なわれる。
ヘッダダクト15は、例えば、空調機11,12,13,14のいずれかから送り出される空気を合流させ、例えば、ヘッダダクト15に接続された給気ダクト40,50へと送り出すダクトである。ヘッダダクト15は、電算センターなどの高熱負荷の施設では大風量となり、風量にもよるものの、例えば、幅2000mm×高さ1600mmの大きさであり、内部で人間が作業を行うことが十分可能な大きさである。
空調機械室20は、例えば、空調機21,22,23,24と、ヘッダダクト25とを内部に設置する。空調機21,22,23,24は、各空調機21,22,23,24の給気送り出し部分が対応の基ダクト21a,22a,23a,24aを介してヘッダダクト25に接続される。図1においては、空調機械室20に対して、4台の空調機21,22,23,24を配設した場合を一例として取り上げているが、空調機の台数は4台に限定されるものではない。
空調機21,22,23,24は、図示を省略した制御装置により個別に駆動制御される。図1においては、空調室30内の発熱機器が設置される実装部分(図1の下半分)と未設置の未実装部分(図1の上半分)があるが、空調機は未実装部分を受け持つものも空調機械室20に設置された状況を示している。白抜きの空調機21,23は、実装部分の熱負荷に対応するため空気がヘッダダクト25に送り出されている状態を示し、黒塗りの空調機22,24は、未実装部分の受け持ちのため空気はヘッダダクト25に送り出されていない場合を例示している。なお、空調機21,22,23,24による空気の送り出しの有無の切り替えは、駆動する空調機からの給気が停止中の空調機に逆流し、所定の風量がヘッダダクト25へ供給不能とならないよう、空調機が有する不図示のダンパの開閉制御によって逆流防止や給気が行なわれる。
ヘッダダクト25は、例えば、空調機21,22,23,24のいずれかから送り出される空気を合流させ、例えば、ヘッダダクト25に接続された給気ダクト40,50へと送り出すダクトである。ヘッダダクト25は、ヘッダダクト15と同様に、例えば、幅2000mm×高さ1600mmの大きさであり、内部で人間が作業を行うことが十分可能な大きさである。
空調室30は、例えば、電源機器やスーパーコンピュータなどの電子機器が設置される部屋である。なお、上述した電源機器や電子機器は、常時稼働するものである。空調室30は、例えば、給気ダクト40,50が、室内上部の天井裏に配設される。給気ダクト40,50は、直天上の場合は露出になっていてもよい。なお、給気ダクトの数は、2つには限られず、1つであっても、3つ以上であってもよい。
給気ダクト40は、給気を分岐する短管を介して接続され天井面や直天なら仮想天井面に設置される制気口41,42,43,44を有し、各ヘッダダクト15,25から送り出される空気を各制気口41,42,43,44に供給する。なお、図1中において、給気ダクト40に設けられる制気口に対して、図1中左側から符号41,42,43,44を付している。
制気口41,42,43,44は、電算センターや工場などの場合、並行短冊状の可動羽根を有するユニバーサル型グリルにシャッタを付けたレジスタ型吹出口が採用されることが多く、横羽根(H)及びシャッタ(S)により吹き出される空気の風向や風量を調整できる、例えばHS制気口である。制気口41、42,43,44は、短管ダクトを介して分岐されて給気ダクト40の下面に位置し吊られた形で設けられる。したがって、制気口41,42,43,44から吹き出される空気は、空調室30の上方から下方に向けた垂直方向からある程度分散されて吹き出される。したがって、これら制気口41,42,43,44から吹き出される空気は、これら制気口41,42,43,44の下方近辺に配設された例えば電源機器などの熱負荷発生機器を冷却する。ここで、図1中、制気口41,42,43,44の外周縁部の4方向からの外方に向けた矢印は、空気が空調室30の下方に向けて可動羽根により垂直方向からある程度分散されて吹き出されることを示す。
給気ダクト40は、制気口42と制気口43との間に区分ダンパ45を有する。区分ダンパ45は、詳細はボリュームダンパ(VD:Volume Damper)と同じ形式で、複数の羽根が回転などの移動により開閉され、その開閉状態によってダンパを通過する空気の流量が調整される。区分ダンパ45は、その閉止(閉塞)時に、給気ダクト40の図1中左側に位置するダクト部分(図1中符号40a)と、給気ダクト40の図1中右側に位置するダクト部分(図1中符号40b)とに区分する。この状態では、ヘッダダクト15から送り出される空気が、制気口41,42から空調室30の内部に吹き出され、また、ヘッダダクト25から送り出される空気が、制気口44,43から空調室30の内部に吹き出される。なお、本実施形態において、白抜きのダンパは、開口(開放)している状態を示し、黒塗りのダンパは、閉止(閉塞)している状態を示している。図1においては、黒塗りの区分ダンパ45は閉止(閉塞)した状態を示していて、実装エリア(空調室30の図1の下部分)を空調機械室10の空調機11,13が受け持つエリアと、空調機械室20の空調機21,23が受け持つエリアとに区分している。
給気ダクト50は、短管ダクトを介して分岐された給気を吹き出すよう給気ダクト50の側面に位置し横向きに向けられた形で制気口51,52,53,54を有し、各ヘッダダクト15,25から送り出される空気を各制気口51,52,53,54に供給する。なお、図1中において、給気ダクト50に設けられる制気口に対して、図1中左側から符号51,52,53,54を付している。
制気口51,52,53,54は、制気口41,42,43,44と同様に、並行短冊状の可動羽根を有するユニバーサル型グリルにシャッタを付けたレジスタ型吹出口で、横羽根(H)及びシャッタ(S)により吹き出される空気の風向や風量を調整できる、例えばHS制気口が一例として挙げられる。なお、図示は省略するが、レジスタ型吹き出し口であるHS制気口は、横羽根(H)が軸支されて取り付けられる吹出口フェースを天井下面側から取り外すと、その奥に位置するシャッタ(S)が手前に引き出せるようになっており、シャッタを外すと大きな開口を有する。制気口51,52,53,54は、給気ダクト50の側面に設けられているので、制気口51,52,53,54から吹き出される空気は、空調室30の側方から中央に向けて水平方向から横羽根(H)により分散されながら吹き出す。この空気の吹き出しにより、空調室30の中央に配設された例えば電源機器などの熱負荷発生機器を冷却する。ここで、図1中、制気口51,52,53,54から上方に向けた矢印は、空気が空調室の中央に向けて水平方向から分散されて吹き出されることを示す。
給気ダクト50は、制気口52と制気口53との間に区分ダンパ55を有する。区分ダンパ55は、区分ダンパ45と同様に、複数の羽根が回転などの移動により開閉され、その開閉状態によってダンパを通過する空気の流量が調整されるものである。区分ダンパ55は、その閉止(閉塞)時に、給気ダクト50の図1中左側に位置するダクト部分(図1中符号50a)と、給気ダクト50の図1中右側に位置するダクト部分(図1中符号50b)とに区分する。この状態では、ヘッダダクト15から送り出される空気が、制気口51,52から空調室30の内部に吹き出され、また、ヘッダダクト25から送り出される空気が、制気口54,53から空調室30の内部に吹き出される。なお、図1においては、黒塗りの区分ダンパ55は閉止(閉塞)した状態を示している。
以下、本実施形態では、屋内施設1に対する空調設備2において、後述する新規の給気ダクト60や給気ダクト40,50,60内に風量調整用ダンパ(流量調整用ダンパ)80(図4参照)を新設する改修工事を行うことを前提にして説明する。なお、新規の給気ダクト60は、図1中二点差線で示す位置Aに新設される。また、給気ダクト60は、主要ダクト60a,分岐用ダクト60c,60d,立ち上げダクト60e,60fを全て含む新規の給気ダクトのことを示す(図13参照)。
なお、改修工事においては、ヘッダダクト15又はヘッダダクト25から分岐用ダクト60d又は分岐用ダクト60cをヘッダダクトに穿孔して新規に設ける場合、上述した空調機械室10,20のいずれか一方に配設された空調機を駆動させ既設エリアの空調風量を確保しながら、他方に配設された空調機の駆動を停止させ、片側のヘッダダクトの通風を停止する。また、同時に、給気ダクト40に設けた区分ダンパ45及び給気ダクト50に設けた区分ダンパ55を各々開口させる。これらを行うことで、区分ダンパで区分したままでは空気の吹き出しが停止されると想定される制気口からの空気の吹き出しを継続的に可能にする。
しかしながら、上述した動作を行った場合、駆動停止した空調機に接続されたヘッダダクトにも駆動する空調機からの空気が、給気ダクト40,50を介して送り込まれる。したがって、例えばヘッダダクト15及びヘッダダクト25間に給気ダクト60を新設する場合や、給気ダクト40及び50内に、例えば風量調整用ダンパ(VD:Volume Damper)80等のダンパを設置する場合、ヘッダダクト15,25に送り込まれる空気の影響を受け、ヘッダダクト15,25内での作業を行うことはできない。
そこで、ヘッダダクト15,25内での作業を行えるようにするため、本実施形態では、給気ダクト40,50とヘッダダクト15,25との接続部分近傍において、既設の給気ダクト40,50を閉止して、ヘッダダクト15,25の内部への空気の送り込みを防止する。この給気ダクト40,50を閉止する方法として、本実施形態では、例えば折り畳まれたバルーン70を制気口のフェースと中のシャッタとを取り外した開口から給気ダクト40,50の内部に挿入した後、バルーン70を給気ダクト40,50内で膨らませて、膨らんだバルーン70により給気ダクト40,50を閉止する方法を採用する(図2,3参照)。
図2は、膨らませた状態のバルーンの一例を示す。図2に示すように、バルーン70を膨らませた状態の形状は、略直方体形状である。また、図示は省略するが、バルーン70は、萎ませた状態では、給気ダクト40,50の各制気口の開口から挿入可能な大きさに折り畳まれる。バルーン70の材質は、例えば透明や半透明の合成樹脂材である。なお、バルーン70の材質は、着色された合成樹脂材であっても良い。バルーン70の高さ(図2中Z方向の長さ)H及び幅(図2中X方向の長さ)Wは生地の寸法としては、例えばダクト内部の高さ及び幅に対して、マイナス50mm程度に設定される。一方、バルーン70の厚み(奥行き:図2中Y方向の長さ)Dについては、特に限定されるものではないが、厚みDと高さHとが構成する長方形の対角線が高さHの1.2倍以上であり、後述する風圧によって転がり倒れない寸法であることが望ましい。バルーン70の内部に圧縮空気を封入する場合、例えば適量の圧縮空気よりも若干多く封入される。したがって、バルーン70は、適量の圧縮空気を封入したときに比べ、若干膨らんだ状態となる。この状態にすることで、バルーン70の壁面のうち、給気ダクトの内壁面に対峙する側面が給気ダクト40,50の内壁面に圧接されて、給気ダクト40,50の閉止を可能とする。
バルーン70は、内部に、側面70a及び側面70bに跨って、複数箇所に糸などの牽引部材71が配設される。牽引部材71を設けることで、側面70a及び側面70bに直交する方向(給気ダクト40,50の長手方向)におけるバルーン70の膨張を防止することが可能となり、Y方向に厚みDが伸びることで高さHや幅Wの寸法が縮んでしまって空気漏れを起こすことを防止する。なお、図2においては、高さ方向(図2中Z方向)に3カ所、幅方向(図2中X方向)に4カ所の、計12カ所に、牽引部材71を設けているが、牽引部材71を設ける位置や箇所については、これに限定されるものではない。
バルーン70の側面70aは、該側面70aの中心に、バルーン内部に通じる継手部72を有する。継手部72は、例えばタケノコタイプの継手が挙げられる。継手部72は、ポンプ73に一端が接続されたチューブ(ホース)74の他端を接続する(図3参照)。ポンプ73は、駆動時にチューブ74を介してバルーン70の内部に圧縮空気を送り込む。
ここで、継手部72の位置について説明する。図3は、バルーンの継手部72の位置の一例を示す。なお、図3では、制気口44の開口から搬入されたバルーン70が給気ダクト40内に設置され、ポンプ73によって圧縮空気が送り込まれている状態を示している。図3(a)に示すように、継手部72が、例えばバルーン70の高さ方向(図2中Z方向)における中点Cから下方にずれて配置されている場合、膨張する前にはバルーン下側に空気が偏重して導入され、上が細い状態で膨れていくのでどうしても倒れやすい。またバルーンがある程度膨張をうまくその位置でできたとしても、バルーン70の上部を構成する部分が給気ダクト40の内部を流れる空気の圧力を受けて、継手部72を上下の支点として下流側に移動してしまい、圧縮空気を封入している過程でバルーン70が倒れてしまう虞がある。また、バルーン70の高さ方向(図2中Z方向)における中点Cから上方にずれて配置されている場合、バルーン70の下部を構成する部分が給気ダクト40,50の内部を流れる空気の圧力を受けて下流側に移動し持ち上がってしまう。その結果、継手部72の位置が高さ方向(図2中Z方向)における中点Cからずれている場合には、給気ダクトに対するバルーン70の相対位置がずれてしまい、給気ダクト40,50を閉止することができない虞がある。このため、図3(b)に示すように、バルーン70の転がり防止対策のため、バルーン70の高さ方向(図2中Z方向)における継手部72の位置は、バルーン70の高さ方向(図2中Z方向)における中点Cとなる位置に設けられる。
また、バルーン70の幅方向(図2中X方向)における継手部72の位置も、高さ方向(図2中Z方向)と同様であり、バルーン70の幅方向(図2中X方向)における中点となる位置に継手部72が設けられる。なお、バルーン70の奥行き方向(図2中Y方向)の長さについては記載していないが、バルーン70を膨らませている過程におけるバルーン70の転がりを防止するため、バルーン70の奥行き方向(図2中Y方向)における長さを、高さ方向(図2中Z方向)における長さと同程度としてもよい。
次に、既設の給気ダクトの内部に後設置する風量調整用ダンパ80について説明する。図4は、風量調整用ダンパの一例を示す。なお、図4では、風量調整用ダンパ80が給気ダクト40内に設置された通風方向に直交する断面視の状態を示している。図4に示すように、風量調整用ダンパ80は、上下方向に2台、左右方向に2台の計4台の小さなダンパ81を組み合わせたものである。ダンパ81は、複数の駆動軸82、複数の羽根部83、伝達機構(図示省略)、を給気ダクト内に、開閉機構85及び操作ハンドル86を給気ダクトの外側にそれぞれ有する。なお、4台のダンパ81は、例えば給気ダクト40,50の各制気口の開口から搬入出可能な大きさであり、給気ダクト40,50の内部で風量調整用ダンパ80として組み立てることが可能なダンパである。図4では、1台のダンパ81につき3枚の羽根部83を有する場合を例示している。
駆動軸82は、駆動軸82の回転軸方向が水平方向となり、また、上下方向に所定の間隔を開けて枠体87に軸支される。なお、所定の間隔とは、例えばダンパ81が閉塞した状態で、隣り合う羽根部83が上端部又は下端部において重なり合うことができる間隔であればよい。
これら複数の駆動軸82のうち、上下方向における中央に位置する駆動軸82の両端部は、枠体87の外方に突出する。4台のダンパ81を組み立てる前に、既設の給気ダクト40の、ダンパ81それぞれの駆動軸82が位置する側面に駆動軸82が貫通する孔を開設する。まず、駆動軸82の両端部のうちの他端部を開設した給気ダクトの孔に挿通する。そして、駆動軸82の両端部のうちの一端部は、隣り合うダンパ81の枠体87から突出する駆動軸82に連結される(図示省略)。また、駆動軸82の両端部のうちの他端部は、給気ダクト40から突出し、必要に応じて、開閉機構85に接続され、その末端に操作ハンドル86を給気ダクト40外部から操作可能に設ける。
図示を省略した伝達機構は、例えば開閉機構85に接続された駆動軸82、又は隣り合う給気ダクト40に連結された駆動軸82が回転したときに、ダンパ81が有する他の駆動軸82を連動させて回転させるものである。伝達機構としては、複数のギヤを用いた機構、プーリ及びベルトを有する機構などが挙げられる。
開閉機構85は、操作ハンドル86の回転操作を受けて、操作ハンドル86の回転を、軸方向が直交する駆動軸82の回転に変換する機構である。なお、図4において、開閉機構85及び操作ハンドル86は、左右方向に並置された2台のダンパ81の両方に設けられているが、いずれか一方に設けられていてもよい。
次に、図1に示す空調設備に対する改修工事の流れ(改修方法)の一例について図5のフローチャートに基づいて説明する。図6から図12は、図5に示した空調設備の改修工事を行う際の空調設備の改修状態の一例を順に示し、図13は、改修工事後の空調設備の一例を示す。
以下、図1に示す屋内施設1に対する空調設備2に対して、給気ダクト60を新設し、同時に給気ダクト40,50,60内に風量調整用ダンパ80を新設する工事を、改修工事とする。なお、新設する給気ダクト60は、熱負荷発生機器の冷却の都合により、屋内施設1の下部の床面に沿って配設されるものとする。また、以下の手順では、図1に示す状態から、空調機械室20のヘッダダクト25、空調機械室10のヘッダダクト15の順で分岐用ダクト60d,60cを設ける場合を示している(図7,10参照)。
ステップS1は、制気口の養生を行う処理である。図1に示す状態において、作業者は、既設の給気ダクト40や給気ダクト50に設置する制気口41,42,43、制気口51,52,53に対しダクト内に堆積したごみが、既設ダクトを触ることで制気口を介して飛散しないようにフェース面を静かに開けてフェース面の上にフィレドンフィルタ(粗塵フィルタ)を載置する。その後、既設の給気ダクト40のバルーン70を挿入するための制気口44に対するレジスタ取り外しのための天井下の養生を行う。同様に給気ダクト50の制気口54に対するレジスタ取り外しのための天井下養生を行う。まず、ヘッダダクト25側に給気ダクト60を接続するための分岐用ダクト60dを設けるため、作業者は、制気口44,54の養生を行う。制気口44,54の養生を行うことで、制気口44及び制気口54の開口でのバルーン等の搬入出の際、制気口44及び制気口54から粉塵やごみ、ダクト内に残留する残留物の落下を防止する。ほかの制気口41,42,43,51,52,53のフェースに載置したフィレドンフィルタは、ダクト内の堆積粉塵が吹き出さないように抑えてくれる。なお、本実施形態における制気口44,54は、HS制気口であり、図示は省略するが、レジスタ型吹き出し口であるHS制気口は、横羽根(H)が軸支されて取り付けられる吹出口フェースを天井下面側から取り外すと、その奥に位置するシャッタ(S)が手前に引き出せるようになっていて、シャッタを外すと大きな開口を有する。このため、当該開口から給気ダクト40,50内に折り畳んだバルーン70や4台に分割されたダンパ81を搬入することができる。
ステップS2は、区分ダンパを開放する処理である。図6に示すとおり、作業者は、区分ダンパ45及び区分ダンパ55を閉止状態から開放する。なお、図1で説明したとおり、本実施形態において、区分ダンパ45,55は、閉塞している状態を黒塗りで示し、開口している状態を白抜きで示す。
ステップS3は、空調機の切り替えを行う処理である。図6に示すとおり、作業者は、空調機械室10に配設された全ての空調機11,12,13,14を駆動させる。なお、これまで停止していた空調機12,14の基ダクト12aと14aに設置されている逆流を防止するダンパを、空調機12、14の動作に合わせて開放する。なお、図1で説明したとおり、本実施形態において、空調機11,12,13,14及び空調機21,22,23,24は、停止又はダンパが閉塞している状態を黒塗りで示し、駆動又はダンパが開放している状態を白抜きで示す。
また、図6に示すとおり、作業者は、空調機械室20に配設された全ての空調機21,22,23,24の駆動を停止する。なお、これまで運転していた空調機21,23の基ダクト21aと23aに設置され開放されていた逆流を防止するダンパを、空調機21、23の停止に合わせて閉止する。これによりこれまでも逆流防止で閉止されていた基ダクト22aと24aのダンパとも合わせて基ダクト21a,22a,23a,24aにあるダンパが閉止されたことで、ヘッダダクト25内の空気が行き止まりとなる。
したがって、空調機械室10に配設された空調機11,12,13,14から送り出される空気がヘッダダクト15に送り込まれる。ここで、ステップS2において、区分ダンパ45を開口している。その結果、ヘッダダクト15から給気ダクト40に送り込まれる空気は、制気口41,42から吹き出されるだけでなく、区分ダンパ45を通過して制気口43,44からも吹き出される。
なお、ヘッダダクト15から給気ダクト50に送り込まれる空気も同様にして、制気口51,52から吹き出されるだけでなく、区分ダンパ55を通過して制気口53,54からも吹き出される。しかし、この状態ではヘッダダクト25とは連通しているものの、ヘッダダクト25の空気の流れは止められている。
ステップS4は、バルーンを設置する処理である。図7に示すとおり、作業者は、制気口44の開口から給気ダクト40の内部に折り畳んだバルーン70を挿入する。同時に、制気口54から給気ダクト50の内部に折り畳んだバルーン70を挿入する。
図7に示すとおり、バルーン70を挿入配置する位置は、ヘッダダクト25の近傍の制気口44,54のすぐ下流である。各給気ダクト40,50に折り畳んだバルーン70を挿入した後、ポンプ73(図2,3参照)を駆動させ、バルーン70を膨らませる。バルーン70を膨らませることで、膨らんだバルーン70が給気ダクト40,50に圧接され、給気ダクト40,50が閉止される。もともとヘッダダクト25が行き止まりで空気が吹き出す箇所がなくなっているので、制気口44や54のすぐ下流でもほとんど空気流は無く穏やかなところでバルーン70を膨張できる。したがって、ヘッダダクト15から送り込まれる空気は、給気ダクト40,50からヘッダダクト25側に送り込まれることはない。給気ダクト40,50が閉止されることで、ヘッダダクト25にその後開口ができたとしても、ヘッダダクト25に給気の供給はなくなるので、ヘッダダクト25の内部での作業を無風で行うことが可能となる。
その一方、給気ダクト40,50がバルーン70により閉止されることで、給気ダクト40,50に送り込まれた空気は、給気ダクト40,50に設けた制気口41,42,43,44,51,52,53,54のいずれかから空調室30の内部に吹き出される。制気口44,54については、吹出し風量の観点から継手部72にチューブ74を取り付けたまま空気がチューブ74を通じて漏れないように処理したのち、シャッタ(S)の隙間とフェースの横羽根(H)の隙間にチューブ74を通してシャッタとフェースとを仮復旧することが望ましい。
したがって、ステップS4までの処理を行うと、空調機械室10に配設した全ての空調機11,12,13,14から送り出される空気により、空調室30の実装エリアに設置された例えば電子機器などの熱負荷発生機器が冷却される。
ステップS5は、ヘッダダクトに分岐用ダクトを接続する(分岐取り出しを行う)処理である。図7に示すとおり、作業者は、ヘッダダクト25の側板に穿孔して開口後、開口に分岐用ダクト60dを接続する。なお、ヘッダダクト25に対して分岐用ダクト60dを接続する処理は一般的な方法を採用すればよいので、その処理については詳細を省略する。これにより、分岐用ダクト60dが、空調機械室20から空調室30に跨って配設される。
ステップS6は、分岐用ダクトに風量調整用ダンパを設置する処理である。図7に示すとおり、作業者は、分岐用ダクト60dの末端側からそのダクト寸法に合致した1台の風量調整用ダンパ(流量調整用ダンパ)88を分岐用ダクト60dに設置する。新設なので、作業者は、既設のように風量調整用ダンパ80をダクト内側から設置する必要はない。なお、風量調整用ダンパ88において、風量調整用ダンパ80と同一の構成については同一の符号を付し、当該構成についての詳細な説明は省略する。
ステップS7は、分岐用ダクトに設置した風量調整用ダンパを閉塞する処理である。図7に示すとおり、作業者は、分岐用ダクト60dに設置した風量調整用ダンパ88が有する操作ハンドル86(図4参照)を操作して、風量調整用ダンパ88を閉塞する。
ステップS8は、バルーン70を撤去する処理である。図8に示すとおり、作業者は、仮復旧していた制気口44及び制気口54のシャッタとフェースとを取り外したのち、膨らんだバルーン70から空気を手動又はポンプ73等で排出し、萎ませる。そして、作業者は、バルーン70を萎ませた状態で制気口44,54の開口から各々取り出す。
ステップS9は、給気ダクトに風量調整用ダンパを設置する処理である。ここまでの状態では、バルーン70を取り除いても、バルーン70があった位置から下流側には開放された開口が存在しないので、給気は制気口44,54を最終開口として流出し、制気口44,54の下流にはダクト隙間からの弱い気流以外の強い気流は存在していない。図8に示すとおり、作業者は、制気口44,54の開口からまず給気ダクト40,50のダンパ81の駆動軸82が挿通される孔を給気ダクト40,50の側板に開設する。その後制気口44,54の開口から4台のダンパ81を搬入し、各駆動軸82をダクト側板の孔に挿通しながら高さ方向に2台、幅方向に2台の計4台を組み合わせた風量調整用ダンパ80を給気ダクト40,50に設置する。そして、給気ダクト40,50の側板外部から開閉機構85を接続設置する。なお、図8に示すとおり、給気ダクト40,50に設置された風量調整用ダンパ80は、開口した状態で保持される。これにて図8に示す、ヘッダダクト25側の分岐用ダクト60dの取り出しと、ヘッダダクト25に近い側の既設の給気ダクト40,50内の各風量調整用ダンパ80の取付が完了した。
今度は、ヘッダダクト15側の分岐用ダクト60cの取り出しと、ヘッダダクト15に近い側の既設の給気ダクト40,50内の各風量調整用ダンパ80の取付にうつる。
ステップS10は、制気口の養生を行う処理である。図9に示す状態において、作業者は、既設の給気ダクト40や給気ダクト50に設置されてステップS9で復旧された制気口44、制気口54に対しダクト内に堆積したごみが、既設ダクトを触ることで制気口を介して飛散しないようにフェース面を静かに開けてフェース面の上にフィレドンフィルタを載置する。その後、既設の給気ダクト40のバルーン70を挿入するための制気口41に対するレジスタ取り外しのための天井下の養生を行う。同様に給気ダクト50の制気口51に対するレジスタ取り外しのための天井下養生を行う。まず、ヘッダダクト15側に給気ダクト60を接続するための分岐用ダクト60cを設けるため、作業者は、制気口41,51の養生を行う。制気口41,51の養生を行うことで、制気口41,51の開口でのバルーン70やダンパ81等の搬入出の際、制気口41,51から粉塵やごみ、ダクト内に残留する残留物の落下を防止する。ほかの制気口42,43,44,52,53,54のフェースに載置したフィレドンフィルタは、ダクト内の堆積粉塵が吹き出さないように抑えてくれる。なお、本実施形態における制気口41,51は、HS制気口であり、図示は省略するが、レジスタ型吹き出し口であるHS制気口は、横羽根(H)が軸支されて取り付けられる吹出口フェースを天井下面側から取り外すと、その奥に位置するシャッタ(S)が手前に引き出せるようになっていて、シャッタを外すと大きな開口を有する。
ステップS11は、空調機の切り替えを行う処理である。図9に示すとおり、作業者は、空調機械室20に配設された全ての空調機21,22,23,24を駆動させ、全ての空調機21,22,23,24からヘッダダクト25への空気の送り出しを行う。なお、すべて閉止されていた基ダクト21a,21b,21c,21dのダンパを開放し各空調機から空気を送り出す。
また、図9に示すとおり、作業者は、空調機械室10に配設された全ての空調機11,12,13,14の駆動を停止する。そして、基ダクト11a,12a,13a,14aに設置される逆流防止ダンパをすべて閉じることで逆流を防止する。なお、これにより基ダクト21a,22a,23a,24aにあるダンパが閉止されたことで、ヘッダダクト15内の空気が行き止まりとなる。
したがって、空調機械室20に配設された空調機21,22,23,24から送り出される空気がヘッダダクト25に送り込まれる。このとき、区分ダンパ45は開口されているので、ヘッダダクト25から給気ダクト40に送り込まれる空気は、制気口44,43だけでなく、区分ダンパ45を通過して制気口42,41からも吹き出される。
なお、ヘッダダクト25から給気ダクト50に送り込まれる空気も同様にして、制気口54,53だけでなく、区分ダンパ55を通過して制気口52,51からも吹き出される。しかし、この状態ではヘッダダクト15とは連通しているものの、ヘッダダクト15の空気の流れは止められている。
ステップS12は、バルーンを設置する処理である。図10に示すとおり、作業者は、制気口41の開口から給気ダクト40の内部に折り畳んだバルーン70を挿入する。同時に、制気口51の開口から給気ダクト50の内部に折り畳んだバルーン70を挿入する。なお、図10に示すとおり、バルーン70を挿入配置する位置は、ヘッダダクト15の近傍の制気口41,51のすぐ下流である。各給気ダクト40,50に折り畳んだバルーン70を挿入した後、ポンプ73(図2,3参照)を駆動させ、バルーン70を膨らませる。バルーン70を膨らませることで、膨らんだバルーン70が給気ダクト40,50の内壁面に圧接され、給気ダクト40,50が閉止される。もともとヘッダダクト15が行き止まりで空気が吹き出す箇所がなくなっているので、制気口41や51のすぐ下流でもほとんど空気流は無く穏やかなところでバルーン70を膨張できる。したがって、ヘッダダクト25から送り込まれる空気は、給気ダクト40,50からヘッダダクト15側に送り込まれることはない。給気ダクト40,50が閉止されることで、ヘッダダクト15にその後開口ができたとしても、ヘッダダクト15に給気の供給はなくなるので、ヘッダダクト15の内部での作業を無風で行うことが可能となる。
その一方、給気ダクト40,50がバルーン70により閉止されることで、給気ダクト40,50に送り込まれた空気は、給気ダクト40,50に設けた制気口44,43,42,41,54,53,52,51のいずれかから空調室30の内部に吹き出される。制気口41,51については、吹出し風量の観点から継手部72にチューブ74を取り付けたまま空気がチューブ74を通じて漏れないように処理したのち、シャッタ(S)の隙間とフェースの横羽根(H)の隙間にチューブ74を通してシャッタとフェースとを仮復旧することが望ましい。
したがって、ステップS10からステップS12までの処理を行うと、空調機械室20に配設した全ての空調機21,22,23,24から送り出される空気により、空調室30の実装エリアに設置された例えば電子機器などの熱負荷発生機器が冷却される。
ステップS13は、ヘッダダクトに分岐用ダクトを接続する(分岐取り出しを行う)処理である。図10に示すとおり、作業者は、ヘッダダクト15の側板に穿孔して開口後、その開口に分岐用ダクト60cを接続する。なお、ヘッダダクト15に対して分岐用ダクト60cを接続する処理は一般的な方法を採用すればよいので、その処理については詳細を省略する。これにより、分岐用ダクト60cが、空調機械室20から空調室30に跨って配設される。
ステップS14は、分岐用ダクトに風量調整用ダンパを設置する処理である。図10に示すとおり、作業者は、分岐用ダクト60cの末端側からそのダクト寸法に合致した1台の風量調整用ダンパ88を分岐用ダクト60cに設置する。分岐用ダクト60cは分岐用ダクト60d(ステップS6)と同様に、新設なので、作業者は、既設のように風量調整用ダンパ80をダクト内側から設置する必要はない。
ステップS15は、分岐用ダクトに設置した風量調整用ダンパを閉塞する処理である。図10に示すとおり、作業者は、分岐用ダクト60cに設置した風量調整用ダンパ88が有する操作ハンドル86(図4参照)を操作して、風量調整用ダンパ88を閉塞する。
ステップS16は、バルーンを撤去する処理である。図11に示すとおり、作業者は、仮復旧していた制気口41及び制気口51のシャッタとフェースとを取り外したのち、膨らんだバルーン70から空気を手動又はポンプ73等で排出し、萎ませる。そして、作業者は、バルーン70を萎ませた状態で制気口41,51の開口から各々取り出す。
ステップS17は、給気ダクトに風量調整用ダンパを設置する処理である。ここまでの状態では、バルーン70を取り除いても、バルーン70があった位置から下流側には開放された開口が存在しないので、給気は制気口41,51を最終開口として流出し、制気口41、51の下流にはダクト隙間からの弱い気流以外の強い気流は存在していない。図11に示すとおり、作業者は、制気口41,51の開口からまず給気ダクト40,50のダンパ81の駆動軸82が挿通される孔を給気ダクト40,50の側板に開設する。その後制気口41,51の開口から4台のダンパ81を搬入し、各駆動軸82を給気ダクト40,50の側板の孔に挿通しながら高さ方向に2台、幅方向に2台の計4台を組み合わせた風量調整用ダンパ80を給気ダクト40,50に設置する。そして、給気ダクト40,50の側板外部から開閉機構85を接続設置する。
これにて図11に示す、ヘッダダクト15側の分岐用ダクト60cの取り出しと、ヘッダダクト15に近い側の既設の給気ダクト40,50内の各風量調整用ダンパ80の取付が完了した。
ステップS18は、空調機械室に設置された空調機を通常運転に切り替える処理である。図12に示すとおり、作業者は、空調機械室10の空調機11,12,13,14のうち、熱負荷発生機器はいまだ実装エリアしか設置されていないため、空調機11,13のみを駆動させ、空調機11,13からヘッダダクト15への空気の送り出しを行う。同時に、作業者は、空調機械室20の空調機21,22,23,24のうち、空調機21,23のみを駆動させ、空調機21,23からヘッダダクト25への空気の送り出しを行う。なお、空気の送り出しを行う空調機11,13,21,23はその基ダクト11a,13a,21a,23aにある逆流防止ダンパを開放し、空気の送り出しを行わない空調機12,14,22,24はその基ダクト12a,14a,23a,24aにある逆流防止ダンパを閉塞する。
ステップS19は、区分ダンパを閉塞する処理である。図12に示すとおり、作業者は、区分ダンパ45,55を閉塞する。これにより、給気ダクト40の左側のダクト部分40aと、右側のダクト部分40bとが区分される。また、給気ダクト50の左側のダクト部分50aと右側のダクト部分50bとが区分される。つまり、ヘッダダクト15から給気ダクト40に送り出される空気は、制気口41,42から空調室30に吹き出す。また、ヘッダダクト25から給気ダクト40に送り出される空気は、制気口44,43から空調室に吹き出す。
また、ヘッダダクト15から給気ダクト50に送り出される空気は、制気口51,52から空調室30に吹き出す。また、ヘッダダクト25から給気ダクト50に送り出される空気は、制気口54,53から空調室30に吹き出す。
ステップS20は、制気口の養生を取り除く処理である。図12に示す状態において、作業者は、制気口41及び制気口51の養生を取り除く。なお、ステップS10において、制気口44及び制気口54の養生を取り除いていない場合は、本ステップにおいて、制気口41及び制気口51の養生を取り除くとともに制気口44及び制気口54の養生も取り除く。既設の給気ダクト40や給気ダクト50に設置する制気口42,43,44、制気口52,53,54に対しダクト内に堆積したごみが、既設ダクトを触ることで制気口を介して飛散しないようにフェース面の上に載置したフィレドンフィルタを静かにフェース面を開けて取り除く。
ステップS21は、新規の給気ダクトを分岐用ダクトに接続する処理である。図12に示すとおり、作業者は、ヘッダダクト15から分岐させた分岐用ダクト60c、ヘッダダクト25から分岐させた分岐用ダクト60d間に新規の主要ダクト60aを接続する。なお、新規の主要ダクト60aは、空調室30の床面に沿って配設される。したがって、主要ダクト60aは、両端部に、床面から垂直方向に立ち上がる立ち上げダクト60e,60fを有する。このような主要ダクト60aの両端に設けた立ち上げダクト60e,60fを、上述した分岐用ダクト60c,60dに接続する。なお、主要ダクト60aに設けられる制気口61,62,63,64は、分岐用ダクト60c,60dに接続する前に設けられていることが好ましい。なお、分岐用ダクト60c,60dに接続される主要ダクト60aには、区分ダンパを設けてもよいし、設けなくともよい。なお、図12及び後述の図13において、符号2’は、改修後の空調設備を示す。
ステップS22は、分岐用ダクトの風量調整用ダンパ88を開口する処理である。図13に示すとおり、作業者は、操作ハンドル86(図4参照)を操作して、閉塞している新規の給気ダクト60の風量調整用ダンパ88を開口する。これにより、新規の給気ダクト60に空気が送り込まれ、主要ダクト60aが有する制気口61,62,63,64から空調室30の内部へと空気が吹き出す。これにより、本実施形態における空調設備2の改修工事が全て終了する。
なお、図5に示す手順においては、給気ダクト40,50にバルーン70を設置した後、最初に、分岐用ダクト60d,60c及び分岐用ダクト60d,60c内の風量調整用ダンパ88を新設し、分岐用ダクト60d,60c内の風量調整用ダンパ88を閉塞させた。そして、次に、給気ダクト40,50からバルーン70を撤去して、給気ダクト40,50内に風量調整用ダンパ80を新設する例について説明したが、手順はこれには限られない。給気ダクト40,50にバルーン70を設置した後、最初に、給気ダクト40,50内に風量調整用ダンパ80を新設し、給気ダクト40,50内の風量調整用ダンパ80を閉塞させて、次に、給気ダクト40,50からバルーン70を撤去して、分岐用ダクト60d,60c及び分岐用ダクト60d,60c内の風量調整用ダンパ88を新設してもよい。
以上、本実施形態では、給気ダクト40,50の途中に制気口がある場合に、作業者は、制気口の開口から給気ダクト40,50内に挿入したバルーン70を膨張させて、ヘッダダクト15,25の近傍において、給気ダクト40,50を閉止する。この際、2つの空調機械室の各々に設置した空調機のうち、一方の空調機械室に設置した空調機のみを駆動させながら、駆動させる空調機を空調機械室ごとに切り替えて使用しているので、空調室30に設置した電子機器に対する冷却を継続して行うことが可能となる。また、切り替えた空調機による風量は、改修工事の前後で変化するものではないので、空調室30に設置した電子機器を安定して冷却することが可能となる。
また、分岐用ダクト60dを接続した後、分岐用ダクト60dに風量調整用ダンパ88を設置し、該風量調整用ダンパ88を閉塞した状態とすることで、給気ダクト40,50の制気口44,54から下流側のダクト部分と、ヘッダダクト25の内部は、空気が滞留した状態となる。したがって、各制気口から空気を吹き出させた状態であっても、制気口44,54の開口から複数のダンパ81を搬入し、給気ダクト40,50の内部でこれらダンパ81を組み付けて風量調整用ダンパ80を給気ダクト40,50の内部に設置する作業を、空気の流れの影響を受けずに容易に行うことができる。なお、分岐用ダクト60cを接続する作業も同様である。
また、本実施形態に開示した空調設備2の改修工事では、改修工事中も空調機を継続運転させることが可能となり、室内環境及び既設設備への影響を無くすことができる。さらに、工事中も空調機を継続運転することが可能となることで、作業日や作業時間帯の制約を受けずに作業を行うことが可能であり、24時間系統の設備においても作業を行うことも可能である。
また、本実施形態では、空調設備2の改修工事は、複数のダンパ81を給気ダクト40,50内で組み立てることで風量調整用ダンパ80を設置することにより行われる。すなわち、本実施形態の空調設備2の改修方法によれば、バルーン70や風量調整用ダンパ80等により風速が弱い箇所を作り出せれば、給気ダクト40,50の内部で風量調整用ダンパ80の設置作業を行うことが可能である。これにより、給気ダクト40,50内での作業を主にすることになるため、作業環境周辺にある稼働設備へのトラブル発生のリスクを回避することができる。
また、本実施形態によれば、従来の工法のように、仮設空調を設置する必要も無く、取り合いダクトの制作や吊り込みをする必要も無い。このため、従来の工法に比べ、工期の短縮やコストの削減を図ることができる。また、本実施形態では、空調を停止する必要が無く、休日や夜間作業で対応する必要が無いため、平日に作業することが可能であり、これによっても工期の短縮やコストの削減を図ることが可能である。
以下、図14から図16を用いて、バルーンの転がり防止対策の変形例について説明する。
図3においては、バルーン70の転がり防止対策のため、バルーン70の継手部72は、バルーンの側面の中心に配置する場合を一例として取り上げている。しかしながら、バルーン70の転がり対策は上記の構成に限定する必要はない。なお、図14から図16において、図3と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
バルーン70の転がり対策としては、例えば、バルーン70に設けられる継手部72の位置ではなく、バルーン70を設置する箇所を、例えば給気ダクト40の内部を流れる空気の流動方向において、給気ダクト40の補強ロッド91(図14参照)や、給気ダクトの繋ぎ目に設置されるスリーブ92の内部に挿通されるパイプ93(図15参照)の上流側とすることが考えられる。
図14に示すように、補強ロッド91は、給気ダクト40の強度を補強する目的等で用いられる部材である。ここで、図14においては、矢印の方向が空気が流れる方向である。この場合、バルーン70は、給気ダクト40の内部を流れる空気の流動方向において、補強ロッド91の上流側に配置すればよい。この場合、バルーン70を膨らます過程において、バルーン70は、側面70aにおいて、流動する空気の流れを受ける。その結果、バルーン70は、下流側に流されるが、補強ロッド91に支持されるため、バルーン70自体の転がりは防止される。また、バルーン70の設置箇所が、給気ダクト40の繋ぎ目に設置されるスリーブ92の内部に挿通されるパイプ93(図15参照)の上流側であっても、すなわち、給気ダクト40が有する躯体貫通部のスリーブ92の断面を貫通するパイプ93の上流側であっても、同様である。
また、バルーン70の転がり防止対策としては、バルーン70の側面70aの外周縁近傍の複数位置とチューブ74との間を係留ロープを張設することも可能である。図16に示すように、例えばチューブ(ホース)74から延出される係留ロープ94a,94b,94c,94dを、継手部72が設けられるバルーン70の側面70aの四隅に取り付ける。これにより、バルーン70の側面70aは、係留ロープ94a,94b,94c,94dにより張設される。この係留ロープ94a,94b,94c,94dを張設することで、バルーン70が給気ダクト40の内部を流れる空気の影響を受けても、係留ロープ94a,94b,94c,94dによりバルーン70のが保持されるので、バルーン70の転がりが防止される。なお、バルーン70の側面70aの外周縁近傍の複数位置であればよいので、側面70aの四隅とする必要はない。
なお、図3及び図14から図16で示したバルーン70の転がり防止対策は、いずれか2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、図17を用いて、空調設備の改修方法の別の実施形態を示す。
図17は、空調機が機械室に設置されて屋内施設がある室の天井内給気ダクトへ、機械室か屋内施設がある室かのどちらかにある給気メインダクトを介して接続される空調設備の一例を示す。なお、図17に示す実施形態において、図1から図13に示した実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、当該構成についての詳細な説明は省略する。
図17に示すように、空調設備200を配置した屋内設備100は、1つの空調機械室110と、隣接する1つの空調室130(対象となる室)とを有する。ここで、空調機械室110は、2つの空調機111,112が設置される部屋であり、空調室130は、空調機械室110に設置された空調機111,112からの空気により室内が冷却(温調)される部屋である。
空調機械室110は、例えば、空調機111,112を含む。空調機111,112は、給気送り出し部分として対応する基ダクト111a,112aの中間に逆流防止ダンパを介して給気メインダクト115に接続される。
空調機111は、図示を省略した制御装置により駆動制御される。ここで、図17に示す実施形態においては、空調室130内の発熱機器が設置される実装部分(図17の下半分)と未設置の未実装部分(図17の上半分)があるが、空調機112は未実装部分を受け持つもので既に空調機械室110に設置された状況を示している。白抜きの空調機は、実装部分の熱負荷に対応するため空気が送り出されている状態を示し、黒塗りの空調機は、未実装部分の受け持ちのため空気が送り出されていない状態を示している。図17においては、白抜きの空調機111からの空気が給気メインダクト115に送り出され、黒塗りの空調機112からの空気は給気メインダクト115に送り出されていない場合を例示している。なお、空調機111,112による空気の送り出しの有無の切り替えは、駆動する空調機からの給気が停止中の空調機に逆流し、所定の風量がヘッダダクトへ供給不能とならないよう、空調機の出口の基ダクトにある不図示のダンパの開閉制御によって逆流防止や給気が行なわれる。
給気メインダクト115は、例えば、空調機111,112のいずれかから送り出される空気を合流させ、例えば、給気メインダクト115に接続されたサブメイン給気ダクトである給気ダクト140,160へと送り出すダクトである。給気メインダクト115は、電算センターなどの高熱負荷の施設では大風量となり、風量にもよるものの例えば、幅2000mm×高さ1600mmの大きさであり、内部で人間が作業を行うことが十分可能な大きさである。
空調室130は、例えば、電源機器やスーパーコンピュータなどの電子機器が設置される部屋である。なお、上述した電源機器や電子機器は、常時稼働するものである。空調室130は、例えば、給気ダクト140が、室内上部の天井裏に配設される。給気ダクト140は直天井の場合は露出になっていてもよい。なお、給気ダクト140の数は、1つには限られず、図17のように2つであっても、3つ以上であってもよい。
給気ダクト140は、給気を分岐する短管を介して接続され天井面や直天なら仮想天井面に設置される制気口141,142,143,144,145,146,147,148を有し、給気メインダクト115から送り出される空気を各制気口141,142,143,144,145,146,147,148に供給する。なお、図17中において、給気ダクト140に設けられる制気口に対して、図17中左側から符号141,142,143,144、及び符号145,146,147,148を付している。
制気口141,142,143,144,145,146,147,148は、並行短冊状の可動羽根を有するユニバーサル型グリルにシャッタを付けたレジスタ型吹出口が採用されることが多く、横羽根(H)及びシャッタ(S)により吹き出される空気の風向や風量を調整できる、例えばHS制気口である。制気口141,142,143,144,145,146,147,148は、短管ダクトを介して分岐されて給気ダクト140の下面に位置し吊られた形で設けられる。したがって、制気口141,142,143,144,145,146,147,148から吹き出される空気は、空調室130の上方から下方に向けた垂直方向からある程度分散され吹き出される。したがって、これら制気口141,142,143,144,145,146,147,148から吹き出される空気は、これら制気口141,142,143,144,145,146,147,148の下方近辺に配設された例えば電源機器などの熱負荷発生機器を冷却する。ここで、図17中、制気口141,142,143,144,145,146,147,148の外周縁部の4方向からの外方に向けた矢印は、空気が空調室130の下方に向けて可動羽根により垂直方向からある程度分散され吹き出されることを示す。
図17に示す実施形態では、屋内施設100に対する空調設備200において、新規の給気ダクト160や給気メインダクト115内に風量調整用ダンパ80(図4参照)を新設する改修工事を行うことを前提にして説明する。なお、新規の給気ダクト160は、図17中二点差線で示す位置Bに新設される。なお、この場合の給気ダクト160は、直天井下などの容易に設置可能場所に設置可能な新規の給気ダクトを示す。
なお、図17に示す実施形態の改修工事においては、上述した空調機械室110に配設された空調機を駆動させ既設エリアの空調風量を確保しながら、未実装エリアへの空調機からの空気が、給気メインダクト115を介して送り込まれる。したがって、例えば給気メインダクト115の側方にダクトを切り込んで、例えば風量調整用ダンパ80等のダンパを設置したり、新設の給気ダクト160を接続する場合、切り込んだ開口から漏れ出ることになる給気メインダクト115に送り込まれる空気の風圧の影響を受け、給気メインダクト115内での作業を行うことはできない。
そこで、給気メインダクト115内での作業を行えるようにするため、図17に示す実施形態では、給気メインダクト115の末端近傍や、給気メインダクト115の基での分岐予定部に、蓋を設置済みのダクト端面161を設け、制気口141あるいは制気口145近傍において、改修予定部の給気メインダクト115の分岐後流側を閉止して、その改修予定部下流の給気メインダクト115の内部への空気の送り込みを防止する。この給気メインダクト115を閉止する方法として、図17で示す実施形態では、図1から図13で示した実施形態と同様に、例えば折り畳まれたバルーン70を、制気口141あるいは制気口145のフェースと中のシャッタとを取り外した開口から改修予定部の給気メインダクト115の分岐後流側の内部に挿入した後、バルーン70を改修予定部下流の給気メインダクト115内で膨らませて、膨らんだバルーン70により改修予定部下流の給気メインダクト115を閉止する方法を採用する。
図17に示す実施形態における改修工事の方法も、図1から図13に示した実施形態における改修工事の方法に準じる手順になることはもちろんである。
すなわち、制気口141,145の養生、及び制気口142,143,144,146,147,148の養生を行う処理は、ステップS1に準じて行われる。
また、給気メインダクト115の改修予定部の分岐後流側にバルーン70を設置する処理は、ステップS4に準じる手順となる。作業者は、制気口141又は制気口145のいずれかからダクト内をほふく前進して分岐後流側へチューブ74を延長しながら、制気口141又は制気口145の外からポンプ73を駆動できるようにバルーン70を設置する。
また、給気メインダクト115の分岐後流側に分岐する給気ダクト160を接続する処理は、ステップS5に準じて行われる。給気メインダクト115の側板には、給気メインダクト115の末端近傍や、給気メインダクト115の基での改修予定部に、蓋を設置済みのダクト端面161があり、その蓋を開放して新規の給気ダクト160を接続していく。
そして、給気メインダクト115のバルーン閉塞部上流側に風量調整用ダンパ80を設置する処理は、ステップS9に準じて行えばよい。一方、給気メインダクト115のバルーン閉塞部下流側に風量調整用ダンパ88を設置する処理は、ステップS6に準じて行えばよい。
その後、バルーン70を撤去する処理は、ステップS8に準じて行えばよい。
以上、図17に示す実施形態においても、図1から図13に示した実施形態と同様の効果を奏する。
なお、図17に示す実施形態においても、図3及び図14から図16で示したバルーン70の転がり防止対策の1つ又はいずれか2つ以上を用いてもよい。これにより、図17に示す実施形態においても、図3及び図14から図16で示したバルーン70の転がり防止対策と同様の効果を奏する。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。