JP7337985B2 - 粘着剤付き光学フィルム - Google Patents
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Description
また、ディスプレイ表示装置の、出荷前に行なわれるディスプレイの性能試験では、オーブンを使用して行われる高温・高湿度での環境条件下における耐久試験に合格する必要がある。しかし、白濁防止性能が改善されていない粘着剤層を用いた光学フィルムの場合、オーブンから取り出した後、粘着剤層が白濁してしまい、ディスプレイの商品価値を損なうという問題があった。
吸湿試験として、深さ0.5mmの枠で成形した樹脂シートを60℃、90%RHの高温・高湿試験槽に50時間入れることで行い、目視観察で評価を行なう方法で確認した結果、この樹脂組成物であれば発泡が少なく透明性に優れているとしている。
吸湿試験として、樹脂フィルムに積層した粘着剤層(厚さ200μm)を介してガラス板に貼り合せた積層体を、60℃、90%RHの環境下に120時間放置した後、常温(25℃)下で30分間放置した後、ヘイズ値を測定して積層体の透明性を判定している。この粘着剤組成物によれば、高温・高湿下で放置された後でも、発泡が少なくて高い透明性を維持できるとしている。
すなわち、本願発明に係わる粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーに含まれる水酸基を含有する共重合可能なモノマーの含有割合を大幅に増大させることを回避し、代わりに非共重合性を有し、且つ親水基であるポリアルキレンオキサイド構造を備えているジエステル化合物を含有させる。本発明は、このことにより、該粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層の耐久性、粘着力の低下を防止すると共に、前記粘着剤層を高温・高湿度の雰囲気下に長期間に渡って放置しても白濁することのない、白濁防止性能に優れた粘着剤組成物を得ることを技術思想としている。
また、本願発明に係わる粘着剤組成物には、粘着剤層が酸化して黄変(b*値の増大)するのを抑制するために、酸化防止剤を含有させる。
R1COO-(R3-O)n-CO-R2 (1)
(但し、R1及びR2はそれぞれ炭素数4~17のアルキル基を示し、R3は炭素数2~5のアルキレン基を示し、nは3~25の整数を示す。)で表される(C)ジエステル化合物の少なくとも1種以上と、前記架橋剤として(D)イソシアネート化合物と、(E)酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、及びフォスファイト系酸化防止剤からなる酸化防止剤群から選ばれる1種以上の化合物とを含有してなり、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(C)ジエステル化合物を0.1~20重量部の割合で含有することを特徴とする粘着剤付き光学フィルムを提供する。
また、本願発明に係わる粘着剤組成物を用いた粘着剤層は、酸化防止剤を含有させているため、粘着剤層が酸化して黄変(b*値の増大)することが抑制されている。
本発明に係わる粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、前記アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上の合計100重量部に対して、共重合可能なモノマー群として、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.1~10重量部の割合で共重合させた、重量平均分子量が20~200万の、酸価が5.0以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーであり、前記粘着剤組成物が、さらに、下記式(1)
R1COO-(R3-O)n-CO-R2 (1)
(但し、R1及びR2はそれぞれ炭素数4~17のアルキル基を示し、R3は炭素数2~5のアルキレン基を示し、nは3~25の整数を示す。)で表される(C)ジエステル化合物の少なくとも1種以上と、前記架橋剤として(D)イソシアネート化合物と、(E)酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、及びフォスファイト系酸化防止剤からなる酸化防止剤群から選ばれる1種以上の化合物とを含有してなり、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(E)酸化防止剤を0.01~1.0重量部の割合で含有することを特徴とする。
芳香族基を有するアルキル基(アラルキル基)の炭素数は、芳香族基の炭素数を加えて計算する。例えば、ベンジル(メタ)アクリレートの場合、アルキル基の炭素数は、ベンジル基の炭素数と同じく、C7とする。
(A)アルキル基の炭素数がC1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上の合計100重量部に対して、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.1~10重量部の割合で共重合させることが好ましく、0.2~9.5重量部の割合で共重合させることがより好ましく、0.6~9.0重量部の割合で共重合させることが特に好ましく、1.2~8.5重量部の割合で共重合させることが最も好ましい。
カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの酸価に応じて調整することが好ましい。前記アクリル系ポリマーは、カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーを共重合させた共重合体でもよく、カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーを共重合させていない共重合体でもよい。アクリル系ポリマーの酸価は、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が最も好ましい。
R1COO-(R3-O)n-CO-R2 (1)
(但し、R1及びR2はそれぞれ炭素数4~17のアルキル基を示し、R3は炭素数2~5のアルキレン基を示し、nは3~25の整数を示す。)で表される化合物が好ましい。
R1、R2はいずれも飽和の炭化水素基であり、アクリル系ポリマーに共重合しないので、粘着剤組成物中に均等に分布させやすい。
粘着剤付き光学フィルムにおいては、基材フィルムとして、偏光板フィルム、位相差板フィルム、レンズフィルム、位相差板兼用の偏光板フィルム、レンズフィルム兼用の偏光板フィルム等の光学フィルムを用いることができる。
粘着剤付き光学フィルムは、光学フィルムの片面または両面に粘着剤層を積層してなるものであって、画像表示装置のガラス板等との貼り合せに用いることができる。これらの粘着剤付き光学フィルムは、粘着剤層を介してガラス基板等と貼り合せて、画像表示装置等に組み込むことができる。粘着剤付き偏光板などの粘着剤付き光学フィルムに用いられる粘着剤層は、十分な透明性を有することが好ましい。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置に、ブチルアクリレート90重量部、メチルメタクリレート10重量部、8-ヒドロキシオクチルアクリレート8.0重量部とともに、溶剤(酢酸エチル)を100重量部加えた。その後、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で8時間反応させ、重量平均分子量80万の、実施例1のアクリル系ポリマー溶液を得た。
モノマーの組成を、各々、表1の(A)、(B)、(F)の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液と同様にして、実施例2~5及び比較例1~4のアクリル系ポリマー溶液を得た。ここで、(F)は、カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーを表す。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、いずれも20~200万の範囲内であった。
[実施例1]
実施例1のアクリル系ポリマー溶液に対して、ポリプロピレングリコール-ジ-ステアラート(分子量800)を5重量部、コロネート(登録商標)Lを0.3重量部、イルガノックス(登録商標)1010を0.1重量部の割合で加えて撹拌混合して、実施例1の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる剥離フィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去し、粘着剤層の厚さが175μmである粘着フィルムを得た。
その後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに粘着シートを転写させ、「PETフィルム/粘着剤層/剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)」の積層構成を有する、実施例1の粘着フィルムを得た。
添加剤を、各々、表1の(C)、(D)、(E)、(X)の記載のようにする以外は、上記の実施例1の粘着剤組成物及び粘着フィルムと同様にして、実施例2~5及び比較例1~4の粘着剤組成物及び粘着フィルムを得た。ここで、(X)は、イオン性化合物を表す。
また、表1に用いた、各成分の略記号の化合物名を、表2に示す。また、表2の(D)群において、HDIは、ヘキサメチレンジイソシアネートを、TDIは、トリレンジイソシアネートを、XDIは、キシリレンジイソシアネートを意味する。
実施例1~5及び比較例1~4の粘着フィルムを、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングした後、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させたものを、全光線透過率及び表面抵抗率の測定試料とした。
また、実施例1~5及び比較例1~4の粘着フィルムを、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングした後、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)で粘着剤層の両面を覆った状態の試料を、ヘイズ値及びb*値の測定試料とした。
また、粘着剤層の厚みを25μmとして同様に製造した粘着フィルムの粘着剤層の片面を、保護層の片面がCOPフィルムである偏光板に転写で貼り合せた。その後、粘着剤層の反対側の面を無アルカリガラス板(厚み0.7mm)の表面に貼り合せ、1日放置した後、50℃、5気圧、20分間オートクレーブ処理し、室温でさらに12時間放置した状態の試料を、粘着力及び耐久性の測定試料とした。
上記で得られた、全光線透過率の測定試料について、ヘイズメータ(製造者:日本電色株式会社、型式:Haze Meter、NDH2000)を用いて、JIS K7105に準じて、粘着剤層の全光線透過率を測定した。
上記で得られた、ヘイズ値及びb*値の測定試料について、ヘイズメータ(製造者:日本電色株式会社、型式:Haze Meter、NDH2000)を用いて、粘着剤層のヘイズ値及びb*値を測定した。これを湿熱処理前のヘイズ値及びb*値とする。
更に、ヘイズ値及びb*値の測定試料を、温度85℃、85%RHの雰囲気下で240時間放置した後、室温環境に取り出して、粘着剤層のヘイズ値及びb*値を測定した。これを湿熱処理後のヘイズ値及びb*値とする。
なお、上記の測定試料では、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)で粘着剤層の両面を覆った状態の試料を、ヘイズ値及びb*の測定試料としたが、剥離フィルム自体のヘイズ値及びb*値は、いずれも無視できる程度に小さいことを確認した。
上記で得られた、粘着力の測定試料(25mm幅の粘着フィルムを、無アルカリガラス板の表面に貼り合せたもの)を、180°方向に引張試験機を用いて0.3m/minの引張速度において剥がして、測定した剥離強度を粘着力(N/25mm)とした。
上記で得られた、耐久性の測定試料を、80℃(Dry)の雰囲気下に250時間放置後、室温に取り出し、被着体からの剥がれ、発泡の発生の有無等を目視にて確認した。評価基準は、剥がれ・発泡が全く確認されない場合を「○」、剥がれ・発泡が僅かに確認された場合を「△」、剥がれ・発泡が明確に確認された場合を「×」と評価した。
上記で得られた、表面抵抗率の測定試料について、抵抗率計ハイレスタUP-HT450(三菱化学アナリテック製)を用いて粘着剤層の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
Claims (4)
- アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤層であって、
前記アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上の合計100重量部に対して、共重合可能なモノマー群として、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.1~10重量部の割合で共重合させた、重量平均分子量が20~200万の、酸価が5.0以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーであり、
前記粘着剤層が、さらに、下記式(1)
R1COO-(R3-O)n-CO-R2 (1)
(但し、R1及びR2はそれぞれ炭素数4~17のアルキル基を示し、R3は炭素数2~5のアルキレン基を示し、nは3~25の整数を示す。)で表される(C)ジエステル化合物の少なくとも1種以上と、前記架橋剤として(D)イソシアネート化合物と、(E)酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、及びフォスファイト系酸化防止剤からなる酸化防止剤群から選ばれる1種以上の化合物とを含有してなり、
前記(C)ジエステル化合物の重量平均分子量が300~1200であり、
塗工厚みが175μmの粘着剤層において、前記粘着剤層のヘイズ値が1.0%以下であり、前記粘着剤層を、温度85℃、85%RHの雰囲気下で240時間放置した後、室温環境に取り出した際の、前記粘着剤層のヘイズ値が0.0%超過4.0%以下であり、かつ、b*値が0.0超過0.5以下であることを特徴とする粘着剤層。 - 樹脂フィルムの片面に、請求項1に記載の粘着剤層を積層させたことを特徴とする粘着フィルム。
- 請求項2に記載の粘着フィルムが用いられた、前記粘着剤層の厚みが25~250μmであるタッチパネル用光学フィルム。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1に記載の粘着剤層が積層されている粘着剤付き光学フィルム。
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