JP7344935B2 - マンホールポンプの監視システム - Google Patents
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Description
マンホールポンプは、設置されている箇所毎に特有の挙動を示す場合が多い。そのため、施設の維持管理には、実際の流入量に応じた運転制御の見極め・実行、緊急出動対応などに対して、判断可能な特別な技能を有する熟練した技術者が24時間365日体制にて対応している。このような技術者は、近年の人口減少により高齢化が進んでおり、減少傾向が強くなっている。また、次世代技術者の確保・育成が必要となるが、次世代技術者についても地方都市では確保が困難である。このため、技術的な精度を確保した持続可能な下水道管理を行う仕組みが必要となる。
マンホールポンプの維持管理においては、日常的な点検を実施しても、異常・故障を予測することは困難なことから、事象発生対応型(事後保全型)による対応が主である。このため、計測機器の設置等によるマンホールポンプ及び機材の異常・故障の早期検知を実施することで、資機材の効率的な運用によるリスクを緩和し、状態監視保全(予防保全型)への管理にシフトする必要がある。
ストックマネジメント計画の現状では、点検対象施設の抽出、点検時期の見極め及び更新時期の予測が困難なため、団塊期に整備した施設の更新の平準化を図ることは困難であり、計画的な更新及び事業費の確保が難しい。事業費の確保が困難な自治体に至っては、今後下水道の使用制限措置などを取る必要性が高まっている。
このような事態を避けるために、予算の平滑化を図り事業計画を容易に立案することが必要となる。
日常及び定期点検情報は、ペーパーにて民間委託業者より管理者(維持管理部署)へ報告され、維持管理部署においてのみ共有・保管されていることから、計画的な点検・更新計画を策定するための基礎情報として有益に活用されていない。このことから、下水道事業として非効率な運営となっており事業費の確保が難しくなることが想定されること踏まえ、今後効率的に運営を図る必要がある。
前記オートエンコーダの入力層に入力するデータの選定に当たり、既存の日報データに着目し収集を行った。しかしながら、日報データは、マンホールポンプの各施設においてポンプの属性等、記載項目が異なる等の理由により、すべてのデータを統一的に使用することはできない。例えば全国展開時に新たなポンプの形式や出力などの属性が発生すると、同じシステムが適用できず汎用性が確保できないことから、ポンプの属性等の汎用性を阻害する恐れのある項目を入力値に含めないこととした。そこで、マンホールポンプの一般的な運用で作成される各種日報の共通のデータ項目を割り出し、その中でポンプの正常又は異常に影響を及ぼすものとして、ポンプの毎時の「運転回数24」と「運転時間25」を選定し、この2つの指標を利用することにした。そして、オートエンコーダに入力するためのデータは、連続した24時間分の、1時間毎の運転回数24と運転時間25のデータとした。そして、対象時刻から1時間後までの状態が正常または異常のいずれであるかを推定するために、対象時刻から23時間前までの計24時間分の運転回数24と運転時間25のデータセットを作成した。なお、運転回数24と運転時間25の2つの指標のみによってオートエンコーダによる算出結果に汎用性を持たせるために、過去何年にも亘る日報データを収集整理した。このデータセットをオートエンコーダに入力し、入力の復元を行う。
オートエンコーダのネットワーク図を図3に示す。このオートエンコーダは次の6つの部位からなっている。なお、運転回数24と運転時間25では数値の取りうる幅が2桁程度異なることから、それぞれの入力処理を分離した。
運転回数入力ベクトルCIを48次元ベクトル{CI1_23, CI2_23, CI1_22, CI2_22, CI1_21, CI2_21, …, CI1_n, CI2_n, …, CI1_2, CI2_2, CI1_1, CI2_1, CI1_0, CI2_0}とする。ここで、CI1,CI2はそれぞれ同一ポンプ所におけるポンプNo.1、ポンプNo.2を、_nは復元対象時刻からn時間前を表している。例えば、復元対象時刻が21時台とすると、CI2_23は前日の22時台(21時の23時間前)のポンプNo.2の運転回数4(回)を、CI1_0は当日21時台のポンプNo.1の運転回数4(回)を表す。通常、同一ポンプ所におけるポンプNo.1とポンプNo.2は交互に運転しているため、通常均等な値になると考えられる。このようなことから、ポンプNo.1とポンプNo.2の区別なく、全体の平均運転回数(回)を各値から減じ偏差を求め、偏差の絶対値の最大値で除することで規格化した。これにより、規格化後の運転回数入力ベクトルCI’の各要素の値域は{-1≦CI’(1,2)_n≦1}となる。
運転時間入力ベクトルTIを48次元ベクトル{TI1_23,TI2_23,TI1_22,TI2_22, TI1_21,TI2_21,…,TI1_n,TI2_n,…,TI1_2,TI2_2,TI1_1,TI2_1,TI1_0,TI2_0}とする。ここで、TI1,TI2はそれぞれポンプNo.1、ポンプNo.2を、_nは復元対象時刻からn時間前を表している。例えば、復元対象時刻が21時台とすると、TI2_23は前日の22時台(21時の23時間前)のポンプNo.2の運転時間5(秒)を、TI1_0は当日21時台のポンプNo.1の運転時間5(秒)を表す。通常、同一ポンプ所におけるポンプNo.1とポンプNo.2は交互に運転しているため、通常均等な値になると考えられる。このようなことから、ポンプNo.1とポンプNo.2の区別なく、全体の平均運転時間(秒)を各値から減じ偏差を求め、偏差の絶対値の最大値で除することで規格化した。これにより、規格化後の運転時間入力ベクトルTI’の値域は{-1≦TI’(1,2)_n≦1}となる。
規格化した運転回数入力ベクトルCI’と運転時間入力ベクトルTI’をconcatinate関数で結合し、2×48行列P’を作成し、4層の畳込み層(畳込み(カーネルサイズ:3,マップ数:32)と活性化関数(LeakyReLU,Alpha:0.1)のセット)と2層の畳込み層(畳込み(カーネルサイズ:3,マップ数:16)と活性化関数(LeakyReLU,Alpha:0.1)のセット)の計6層を通すことで、16×2行列に圧縮(エンコード)した(圧縮率は1/3)。
エンコーダ部29の出力した16×2行列を2層の逆畳み込み層(逆畳み込み(カーネルサイズ:5、マップ数:16)と活性化関数(LeakyReLU、Alpha:0.1)のセット)、逆畳み込み層(逆畳み込み(カーネルサイズ:4、マップ数:32)と活性化関数(LeakyReLU、Alpha:0.1)のセット)、逆畳み込み層(逆畳み込み(カーネルサイズ:3、マップ数:32)と活性化関数(LeakyReLU、Alpha:0.1)のセット)、逆畳み込み層(逆畳み込み(カーネルサイズ:4、マップ数:32)と活性化関数(LeakyReLU、Alpha:0.1)のセット)及び逆畳み込み層(逆畳み込み(カーネルサイズ:6、マップ数:2))の計6層を通し、48×2行列を出力する。
デコーダ部210により生成した48×2行列の前半を48次元規格化運転回数出力ベクトルCO’として復元(規格化と逆の処理:残差の絶対値の最大値をかけて、平均値を足す)し、48次元運転回数出力ベクトルCOを得る。
デコーダ部210により生成した48×2行列の後半を48次元規格化運転時間出力ベクトルTO’として、復元(規格化と逆の処理:残差の絶対値の最大値をかけて、平均値を足す)し、48次元運転回数出力ベクトルTOを得る。
なお、構築した異常検知識別器において緊急出動や警報に紐づかない異常を検知したのは、オートエンコーダが、通常のポンプの動きと異なる現象(例えば、不明水の流入、不定期排水等、従来見落とされていた異常)を捉えたものであると思料される。
本実施例では、教師データを作成してニューラルネットワークに入力し学習させることによって、予測検出期間内の異常確度計算器を作成し、異常確度計算器によって算出される、評価用基準時刻R2を始点とする予測検出期間E内にポンプ異常が起こる確度Jを以て、ポンプ異常の未然検知を行う。予測検出期間Eとは、ポンプ異常の発生の予測の対象となる、評価用基準時刻R2を始点とする一定期間のことであって、予測検出期間Eの長さは教師データの作成時に定めるものである。なお、以降において学習用基準時刻R1および評価用基準時刻R2とは、ともに各種イベントを代表する、例えば現在時刻や任意の判定時刻、ポンプの異常発生時刻等を指していて、学習用基準時刻R1は教師データの作成時に用いる時刻であり、評価用基準時刻R2は異常確度計算器の利用時にユーザーが指定する時刻のことである。また、教師データの作成において、ポンプの異常発生時刻とは、前記異常検知識別器によって検知された異常の発生時刻を指す。
本実施例におけるIoT電流計は、0.05秒毎にサンプリングした電流値データを1分毎に1200個ずつ送信するものである。
また、以降において電流値時系列データとは、前記電流値データが時刻毎に並んでいるデータ列のことであり、前記IoT電流計による電流値データから、本実施例では最短1分間隔(IoT電流計による電流値データ転送の最短間隔)の任意の学習用基準時刻R1または評価用基準時刻R2を終点として収集される。そして、1つの電流値時系列データは、学習用基準時刻R1または任意の評価用基準時刻R2を終点とした所定期間P(本実施例では24時間とする)分の、1分刻毎または1秒刻毎のポンプの運転時間平均の電流値データの列(本実施例では1438分刻分と120秒刻分の計24時間分)として構成されている。
ここで、1分刻毎または1秒刻毎のポンプの運転時間平均の電流値データとはそれぞれ、IoT電流計が計測した1分間(本実施例では当該分刻の0秒から59.95秒まで)の電流値データ1200個または1秒間(本実施例では当該秒刻の0秒から0.95秒まで)の電流値データ20個のうち、ポンプが運転した時刻(分刻または秒刻)の電流値データのみ、すなわち値がゼロ以外の電流値データについて、その電流値の合計をそのデータ数の合計で除することで平均した電流値データのことであり、毎分刻または毎秒刻を代表した電流値データを意味する。
そして、所定期間P分の、1分刻毎または1秒刻毎のポンプの運転時間平均の電流値データの列(電流値時系列データ)とは、1分刻毎または1秒刻毎のポンプの運転時間平均の電流値データが、所定時間P分連なったデータ列のことである。(本実施例では、1分刻毎の運転時間平均1438個ののち1秒刻毎の運転時間平均120個の連続した24時間分のデータ列を用いた。)つまり、所定期間Pの長さが、異常確度計算器への入力データである電流値時系列データのデータ長となる。
異常確度計算器の構築は、ニューラルネットワークを用いて次のように行う。まずは、ニューラルネットワークに学習させる教師データを作成する。図5は教師データの説明図である。
異常時データ56は、ポンプの異常発生時刻に至るまでの予測検出期間E(本実施例では15時間とする)に所定期間Pの終点(学習用基準時刻R1)が含まれる電流値時系列データのことである。したがって実際のポンプ異常1ケースにつき、15時間×60分=900個の時刻をそれぞれ学習用基準時刻R1とする異常時データ56が収集可能である。但し、これら900個のすべてのデータを使うと、判定される異常に占める当該異常ケースの寄与が高くなりすぎると考えられることから、ランダムに選択した25%程度(本実施例では225個)を採用する。
正常時データ55は、収集した全ての電流値時系列データのうち異常時データ56以外のもの、すなわち、所定期間Pの終点(学習用基準時刻R1)から予測検出期間E(本実施例では15時間とする)が経過するまでの間にポンプ異常が発生していない場合の電流値時系列データのことである。正常時データ55の個数については、通常は異常発生数が少ないことから大量に収集可能であるが、異常時データ56との識別能力を獲得するために異常時データ数の2倍程度(本実施例では異常時データ1件当たり正常時データ450個)を採用する。
上記を言い換えると、教師データは、所定期間Pの終点(学習用基準時刻R1)から予測検出期間E経過時点までの間に異常が発生したか否かの状態と、当該所定期間P分抽出された電流値時系列データとのセットが複数集まったデータ行列である。
まず、Squeeze-and-Excitationブロックを多段にした多層SE構造によりマルチスケールで特徴が獲得しやすいニューラルネットワークをベースネットワークとして学習を開始し、AutoML/NASにより300~400個程度の学習済みニューラルネットワークを自動で作成する。AutoML/NASによる学習とは、ニューラルネットワークの学習において、一般にハイパーパラメータと呼ばれる技術者が設定するパラメータをソフトウエアで自動的に設定したり(AutoML)、ネットワーク構造を自動的に変更(NAS:ネットワーク構造自動検索)して、自動的にチューニング作業を進める機能の総称である。
ニューラルネットワークへの入力項目は、同一ポンプ場の異常3件以上を含む学習データと、ポンプの定格電流と、アラート設定値である。アラート設定値とは、既存システムにおけるアラートがポンプの定格電流の何倍で発報することになっているかを指す係数である。本発明の異常確度計算器は、対象ポンプにつき学習用の異常データが3件以上あれば構築が可能であるため、一般に大量のデータが必要であるといわれる深層学習において、異常データが少ない状況下でもデータを確保しやすい量であることから、有用性が非常に高いものである。
また、選定したニューラルネットワークはパレート最適解であるので、実際に異常発報アプリケーションに組み込み使用する際には、入力データに含まれるノイズ等を原因とする確度Jの時間的なバラツキによる異常未然検知の不具合を抑えるため、異常発報アプリケーションの運用時に移動平均等の手法でノイズ除去し、確度Jを安定させる必要がある。なお、異常発報アプリケーションは、異常確度計算器により算出された確度Jの呼び出し、表示、他セクションへの受け渡し、および異常未然検知情報の発報等の機能を有するものである。
上記表2の検証用データに対する、異常確度計算器の的中率は表3の通りである。8件の既存アラート発報のうち7件について的中となり、的中率は87.5%であった。
マンホールポンプ(以下、ポンプとする)の劣化予測のフローチャートS1~S9を図7に示す。本実施形態では、ポンプの寿命時期は、同種の設備であっても運転状況や環境等により分散することから、「ポンプの寿命は単なる時間経過ではなく、運転した仕事量に依存する」と仮定し、各ポンプの累積仕事量の変化からポンプ寿命を予測する。また、IoTデバイスを活用することでポンプのリアルタイムでの状態監視が可能となり、現地での点検作業を省力化するとともに、蓄積した計測データを用いて累積仕事量の変化の予測式である余寿命算定モデル73を構築する。この余寿命算定モデル73により将来的なポンプの限界累積仕事量(ポンプ寿命時点での累積仕事量)に達するまでの残り年数(余寿命)を算定し、将来的な更新時期を予測する。
決定木モデル72は、維持管理業者(熟練技術者)による、経験に基づく長命または短命の判断の曖昧な特徴を明確化して定義するための、AIによる教師データありの識別手法である。分類問題を解くAI分析には様々な方法があるが、存在するデータ項目や用途(余寿命算定結果をストックマネジメントや最適運転等に利用すること)を考慮し、ポンプの劣化予測には機械学習のうち教師データありの識別の手法に該当する決定木を用いた分析を行う。該決定木分析の特徴は、カテゴリ変数と数値変数を混合して取り扱えること、
及び、木構造により簡潔明瞭に出力ができることである。
短命ポンプの特徴:
(1)年間運転時間X[0]が761.5h(約2.1h/日)以上である。
(2)特殊な排水影響を受け、かつ年間運転時間X[0]が210h(約0.6h/日)以上である。
(3)年間運転時間X[0]が209.5h(約0.6h/日)以下かつ、社会的影響度X[1]が大きい、病院・介護施設及び商業施設からの排水影響を受ける施設である。
なお、図8中のginiとは、決定木分析において不純度や不平等度を示す指標であるジニ係数であり、決定木はジニ係数を指標に構築される。具体的には、多くの要素に対し決定木分析を行うと、自動的に数値化されるジニ係数の値が小さくなるように、決定木が構成される。また、ジニ係数の値が大きい要素が、維持管理業者が長命/短命を分類した特徴や共通点を表す。そして、図9の決定木分析結果を示すグラフ中の点P1およびP2で表されるように、運転時間の短い施設であっても、特殊な排水影響を受ける施設は決定木モデル72によって短命に分類された。
・決定木モデルM:運転時間のみで分類したケース。
・決定木モデルN:運転時間と出動頻度で分類したケース。
・決定木モデルO:運転時間と特殊な排水影響で分類したケース。
次に、上記の決定木モデル72による各ポンプの長命/短命分類の結果を用いて、余寿命算定モデル73による余寿命算定を行う。
ポンプの仕事量について以下に定義する。
[数1] ポンプの累積仕事量W=仕事率w×総運転時間t=電圧V(一定)×消費電流I×総運転時間t
ポンプが寿命を迎える時点での累積仕事量Wである限界累積仕事量Gは、これまでの実績から平均的な運転時間(6時間/日)とポンプの標準耐用年数(15年)から算定したものである。
[数2] 限界運転時間=標準耐用年数15年×365日×6時間/日
[数3] 限界累積仕事量G(ポンプ寿命)=電圧V(一定)×計画電流Ip×限界運転時間
なお、「計画電流Ip」は最大電流値の70~80%の、仕事率が最も効率的となるときの電流値である。
[数4] 仕事経過率y(%)=累積仕事量W/限界累積仕事量G
である。
そして、仕事経過率yの近似式を以下のように得る。
ポンプの寿命は環境や地域性等により異なり、各ポンプによって運転状況も異なることから、上記決定木モデル72によって分類された長命/短命ポンプそれぞれのグループについて余寿命算定を行った結果を以下に示す。
[数5] 余寿命(年)=寿命年数-稼働年数
寿命予測式(余寿命算定モデル73)を
[数6] y=f(x)
とする。ここで、yは仕事経過率、xは稼働年数であり、y=100%のときのxを寿命年数とする。
ある時点までのポンプの稼働年数と累積仕事量Wとは、前述したように、蓄積してあるリアルタイム電流値データを基に算出することができるので、これを、図10に示すように、横軸を時間(稼働年数)xとし、縦軸を仕事経過率yとしたグラフ上にプロットする。なお、グラフは縦軸を累積仕事量Wとしてもよいが、本実施形態例ではよりわかりやすくするために縦軸を仕事経過率yとした。
そして、逆関数
[数7] x=g(y)
とし、グラフにプロットした仕事経過率(座標点)から寿命予測式(余寿命算定モデル73)を近似すると、
余寿命算定モデル73は
短命ポンプの場合
[数8] y=0.0831e^(0.1375x)
長命ポンプの場合
[数9] y=0.0157x
となった。
前記ポンプの累積仕事量Wにおける「消費電流I」及び「総運転時間t」は、IoTデバイス5により常時送られてくるポンプの稼働時間を含むリアルタイム電流値データが蓄積されているので、前記蓄積した電流値データから算出することができる。
目的1:既存システムなどの日報データを取り込み、自動的にAIエンジン搭載検知予測システムに連携することで、AIエンジンに教師データを受け渡す。
目的2:AIエンジン搭載検知予測システムからの異常未然検知の連携を受け、維持管理者に対してアラートメールを通知、および画面上で異常検知状況をリアルタイムでモニタリングを可能とすることで、マンホールポンプの異常に対する早期の対処を可能にする。また、異常を検知したマンホールに対する対応を入力することにより、マンホールポンプに対するメンテナンスの管理を可能にする。
目的3:マンホールポンプの異常未然検知状況を地図と一覧で表示することにより、現在異常を検知しているマンホールポンプをまとめて把握することを可能にする。
目的4:異常未然検知の内容に対する維持管理業者の対応を記録として残すことにより、異常検知の内容・マンホールポンプの設備諸元・電流値の波形に対する熟練した技術者の対応を若手の技術者に伝えることを可能にする。また、AIエンジン搭載検知予測システムにフィードバックすることにより、予測精度向上に役立つ教師データの蓄積を可能にする。
目的5:維持管理業者が実施する点検・修繕業務を入力可能にすることにより、入力した点検・修繕のデータを蓄積及び維持管理部署等との情報連携を可能にする。
以上の5つの目的のための統合監視クラウドシステム1の機能は次のとおりである。
ストックマネジメント支援システム3より電流・漏れ電流計測地点の施設情報の連携を受け、データベースに反映する。データベースの同期手法として,ストックマネジメント支援システム3側のAPIを呼び出し、同期対象データを取得する。なお、同期対象データは表7の施設諸元とする。
既存の遠隔監視システムの運転日報データ取り込み、運転日報データとして蓄積する。本実施例で対象とする既存の遠隔監視システムの運転日報データは、フィールドで広く採用されている既存遠隔監視システムが保有する運転日報データ項目(Excel形式)を標準とする。その他の既存遠隔監視システムの日報データについては、標準形式に変換した上で連携する。表8に標準データ項目を示す。
統合監視クラウドシステム1はAIエンジン搭載検知予測システム2により、異常未然検知の通知(ポンプID,異常検知日時,異常予測日時,異常種別,15時間以内の異常発生確率)を受け取る。
異常発生確率が所定のしきい値を超えている異常未然検知の通知を受け取った時、維持管理業者に異常未然検知のアラートメールを送信する。アラートメールを受け取った維持管理業者は、メールに記載されているURLを選択することにより、異常未然検知の状況やマンホールポンプ施設の地図を確認できる画面を表示する。
異常未然検知を検出したマンホールポンプの施設について、異常発生確率がしきい値を超えている異常未然検知の通知を受け取った時、維持管理業者に異常未然検知のアラートメールを送信する。アラートメールを受け取った維持管理業者は、メールに記載されているURLを選択することにより異常未然検知の状況を確認できる画面を表示する。
該画面で、詳細な異常未然検知内容を表示するには、画面内の「異常未然検知内容」内メニューにて「詳細」を選択すると、最終異常確度Kの時間変化をグラフで表示する。
また、「異常未然検知内容」内メニューの「電流値グラフ」を選択することで、異常未然検知の通知があった時刻周辺の電流値の時間変化をグラフ表示することができる。
そして、維持管理業者は設備諸元・電流値グラフと異常未然検知の内容から判断して、マンホールポンプの異常に対する対応を行い、対応の内容を「対応入力」の欄に記入し、「対応状況」を「完了」に変更する。対応が完了となっている場合には、「帳票出力」ボタンを選択することで、緊急出動時の記録を帳票出力することができる。
蓄積された異常未然検知の履歴および、通知された異常検知に対して過去に維持管理業者が対応した内容を画面に表示することで、異常検知の内容・マンホールポンプの設備諸元・電流値の波形に対する熟練した技術者の対応を若手の技術者に伝えることを可能にする。
マンホールポンプの維持管理業者向けに、AIエンジン搭載検知予測システム2で異常未然検知された結果を地図上に一覧表示した画面で閲覧可能とする。異常が検知された施設は、画面上で強調表示され、維持管理業者は当該情報をもとに現地調査を行う。また、異常検知された内容に対して、異常なし、ポンプの詰まり等の調査結果を維持管理業者が登録することにより、AIの教師データとして実現象の情報を蓄積可能とする。
マンホールポンプの維持管理業者6が実施した定期点検及び通常点検の結果を入力することで、点検結果の蓄積及び維持管理部署等との情報連携を可能にする。マンホールポンプの定期点検結果は点検登録画面より入力することができる。登録した点検結果は、点検履歴画面にて一覧表示することができ、詳細ボタンより点検の内容を閲覧することができる。
既存システムのアラート発報及び異常未然検知により出動して実施したマンホールポンプの修繕、定期点検によって見つかった異常に対する修繕、周辺住民等からの連絡により実施した調査に対する修繕について、実施した内容を入力することで、修繕の記録を蓄積し、維持管理部署等との情報連携を可能にする。修繕の内容は修繕登録画面より入力することができ、入力した修繕内容は修繕履歴画面より一覧で表示することができる。また、「帳票出力」のボタンを選択することにより、修繕内容を帳票出力することができる。
統合監視クラウドシステム1の機能は以上である。
(ケース1)マンホールポンプの基本的な設備台帳諸元データなどの属性情報を双方システムが同期・共有するための連携(統合監視クラウドシステム1がデータを受け取るための連携)。
(ケース2)統合監視クラウドシステムで蓄積・管理された劣化予測結果データをストックマネジメント支援システムが受け取るための連携。
なお、APIは、一般的なデータ形式(JSON形式など)での応答が可能な汎用性のあるWeb-APIとすることで、普及展開時における柔軟性な対応を可能とする。各ケースにおけるデータ取得及び応答の流れを図12(a)および(b)にそれぞれ示す。
(ケース1)
統合監視クラウドシステム1から設備台帳APIを呼び出す。
呼び出された設備台帳APIが統合監視クラウドシステム1に、設備台帳ID・設備名称等のデータを渡す。
(ケース2)
ストックマネジメント支援システム3から統合監視クラウドシステム1のAPIを呼び出す。
呼び出された統合監視クラウドシステム1のAPIがストックマネジメント支援システム3に、設備台帳ID・余寿命等のデータを渡す。
上記のようにして、ストックマネジメント支援システム3と統合監視クラウドシステム1との連携を行った。
2 AIエンジン搭載検知予測システム
3 ストックマネジメント支援システム
5 IoTデバイス
6 維持管理業者
7 自治体
Claims (1)
- 情報をクラウドシステムにより一元管理する統合監視クラウドシステムと、
前記情報を活用してAIにより異常検知識別器を構築し異常の未然検知さらには劣化予測を行うAIエンジン搭載検知予測システムと、
前記統合監視クラウドシステムに集積した情報を基にストックマネジメント計画の立案支援を図るストックマネジメント支援システムと、を備え、
前記統合監視クラウドシステムと前記AIエンジン搭載検知予測システムと前記ストックマネジメント支援システムはいずれもクラウド上で実装構築されており、
前記AIエンジン搭載検知予測システムは、IoTデバイスからのリアルタイム計測データを用いてリアルタイムで異常未然検知と劣化予測を行い、
前記統合監視クラウドシステムは、前記異常未然検知と劣化予測の情報を受け取って蓄積し、
前記ストックマネジメント支援システムは、前記統合監視クラウドシステムに蓄積された前記情報を基に状態監視によるストックマネジメント計画の適正な立案支援を図り、
前記ストックマネジメント計画と前記異常未然検知と劣化予測の情報は必要に応じて維持管理業者及び自治体に通知され、
前記AIエンジン搭載検知予測システムは、前記維持管理業者にとって夜間対応となる時間帯の長さに基づいて予め定めた検出期間内に異常を検出したときの前記IoTデバイスからの計測データである異常時データを含む学習用データを用いた機械学習によって生成された学習済モデルである前記異常検知識別器に前記リアルタイム計測データを入力して前記検出期間内に異常が発生するか否かを推論することで前記異常未然検知を行うことを特徴とするマンホールポンプの監視システム。
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