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JP7345971B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関の運転制御を司る制御装置に関する。
内燃機関の排気系には高温の燃焼ガスが流入し、排気系を構成する部材は高熱に曝される。排気系の構成部材の温度が過剰に昇温すると、当該部材が必要十分な性能を発揮しなくなったり、当該部材がダメージを受けたりするおそれが生じる。例えば、内燃機関の排気通路には排気浄化用の三元触媒が装着されているが、この触媒が過熱すると有害物質の浄化能率が却って低下する。
そこで、従来より、排気系の構成部材の温度を推定または実測し、その温度が許容温度を超える場合に、燃料噴射量を増量して燃料の潜熱(気化熱)により対象の部材の温度降下を促す補正制御(“Over Temperature protection増量”)を実施している(以上、特許文献1を参照)。
特開2013-249792号公報
従前の補正制御では、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷率]に応じて、燃料噴射量の増分を設定していた。このため、各回転数毎及び各負荷率毎に予め燃料噴射量の増分を決定しておく適合作業が必要となり、開発工数が増す負担となっていた。
しかも、上記の適合作業は、排気系の構成部材の許容温度が変更される都度行わなければならない。現実に、構成部材の一部または全部が共通であっても、車種やモデル等に応じて、または開発の過程で、許容温度が変更されることが間々ある。あるいは、経年変化等により構成部材の許容温度が変化することも想定され得る。
本発明は、排気系の構成部材の温度が許容温度を超える場合における燃料噴射量の増分をより簡便に決定できるようにすることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、内燃機関の排気系を構成する部材の温度が許容温度を超える場合に、そうでない場合と比較して燃料噴射量を増量し当該部材の温度降下を促す補正制御を実施するものであり、前記部材の現在の温度と許容温度との差分と、前記補正制御を実施する際の目標空燃比との関係を規定するマップデータをメモリに格納しており、前記部材の現在の温度をキーとして当該マップを検索し、前記補正制御を実施する際の目標空燃比を知得して燃料噴射量を決定する内燃機関の制御装置を構成した。前記部材の現在の温度は、推定してもよく実測してもよい。前記部材の現在の温度を推定するのであれば、内燃機関の運転領域と、前記部材の現在の推定温度との関係を規定するマップデータをメモリに格納しておき、現在の内燃機関の運転領域をキーとして当該マップを検索し、前記部材の現在の推定温度を得るとともに、内燃機関の気筒における点火タイミングと、前記部材の現在の推定温度に加味する補正量との関係を規定するマップデータをメモリに格納しておき、現在の点火タイミングをキーとして当該マップを検索し、前記部材の現在の推定温度に加味するべき補正量を知得して同部材の現在の推定温度を補正することが好ましい。
本発明によれば、内燃機関の排気系の構成部材の温度が許容温度を超える場合における燃料噴射量の増分をより簡便に決定できるようになる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の内燃機関の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。 内燃機関の運転領域と排気系の構成部材の推定温度との関係を規定するマップデータを例示する図。 内燃機関の気筒における点火タイミングと排気系の構成部材の推定温度に加味する補正量との関係を規定するマップデータを例示する図。 排気系の構成部材の推定温度と補正制御における混合気の目標空燃比との関係を規定するマップデータを例示する図。 混合気の空燃比を平常の目標空燃比から変化させることで、構成部材の温度が平常の目標空燃比の下における温度からどのように変化するかを実験的に求めたグラフ。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(例えば、四気筒。図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気バルブよりも上流、各気筒1に連なる吸気ポートの近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路4を流通するガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよく、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
可変バルブタイミング(Variable Valve Timing)機構5は、各気筒1の少なくとも吸気バルブの開閉タイミングを可変制御できる。吸気VVT機構5は、例えば、各気筒1の吸気バルブを駆動する吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を液圧(潤滑油圧)によって変化させるベーン式のものや、電動機によって変化させる電動式のもの(モータドライブVVT)である。加えて、内燃機関に、各気筒1の排気バルブの開閉タイミングを可変制御できる排気VVT機構が付帯していることもある。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率またはエンジントルク)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3のサージタンク33内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサまたはマスタシリンダから吐出されるブレーキ作動液の圧力であるマスタシリンダ圧を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、車両が所在している路面の勾配を検出する傾斜角センサ(または、加速度センサ)から出力される傾斜角(または、加速度)信号h、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号p、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号q等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、VVT機構5に対して吸気バルブの開閉タイミングの制御信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、p、qを入力インタフェースを介して取得し、気筒1に吸入される空気量に見合った(そして、目標空燃比を具現し得るような)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR量(または、EGR率)、吸気バルブタイミング等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
図2に示すように、本実施形態のECU0は、内燃機関の排気系の構成部材、特に触媒41の現在温度を推定し(ステップS1)、その温度が所定の許容温度を超える場合(ステップS2)、そうでない場合と比較して燃料噴射量を増量する補正制御を実施する(ステップS3)。
ステップS1では、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷率(または、エンジントルク、吸入空気量、サージタンク33内吸気圧若しくは燃料噴射量等)]に基づいて、対象の構成部材41の温度推定を行う。図3に示すように、ECU0のメモリには、内燃機関の運転領域に係るパラメータ[エンジン回転数,エンジン負荷率等]と、対象の構成部材41の推定温度Tijとの関係を規定するマップデータが格納されている。ECU0は、現在の運転領域をキーとして当該マップを検索し、構成部材41の推定温度Tijを知得する。
さらに、ステップS1にて、構成部材41の推定温度Tijに、現在の内燃機関の気筒1における混合気への火花点火のタイミングやその他の要素に基づく補正を加えてもよい。例えば、点火タイミングがMBT(Minimum advance for Best Torque)から遅角するほど、熱機械変換効率が低下して、気筒1から排気通路4に排出される排気ガスの温度が上昇し、その分だけ構成部材41の温度が高くなると考えられる。図4に示すように、ECU0のメモリには、内燃機関の気筒1における点火タイミング等と、対象の構成部材41の推定温度Tijに加味する補正量tkとの関係を規定するマップデータが格納されている。ECU0は、現在の点火タイミング等をキーとして当該マップを検索し、推定温度Tijに加味するべき補正量tkを知得する。
しかして、ECU0は、ステップS2にて対象の構成部材41の推定温度(Tij+tk)と許容温度とを比較し、前者が後者を上回るならば、ステップS3の燃料噴射量の増量補正を実行することとなる。
ステップS3では、構成部材41の推定温度から許容温度を減算した差分ΔTに基づいて、燃料噴射量の増量補正を実行する際の混合気の目標空燃比を求める。図5に示すように、ECU0のメモリには、構成部材41の推定温度と許容温度との差分ΔTと、燃料噴射量の増量補正を実行する際の目標空燃比との関係を規定するマップデータが格納されている。ECU0は、現在の温度の差分ΔTをキーとして当該マップを検索し、混合気の目標空燃比を知得する。そして、この目標空燃比を達成するような燃料噴射量を現在の吸入空気量から算出して、インジェクタ11から気筒1に対して燃料噴射を行う。
ステップS3での混合気の目標空燃比に関して補足する。構成部材41の現在の推定温度から許容温度を減算した差分ΔTは、増量して噴射した燃料の潜熱によって当該構成部材41の温度を降下させるべき幅を意味する。実は、この温度降下幅ΔTと、燃料噴射量の増量補正を実行する際の目標空燃比との関係は、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷率等]による影響を大きく受けない。
図6は、気筒1に充填される混合気の空燃比を燃料噴射量の増量補正を伴わない平常の目標空燃比から変化させることで、構成部材41の温度が平常の目標空燃比の下における温度からどのように変化するかを実験的に求めたものである。図6の横軸は混合気の空燃比、縦軸は構成部材41の温度の変化量である。混合気の空燃比が平常の目標値に合致するときの構成部材41の温度の変化量は、0である。平常の目標空燃比は、理論空燃比またはその近傍の値であり、ガソリンエンジンでは約14.6である。
図6中、実線はエンジン回転数が最低に近い運転領域での構成部材41の温度の変化量を表し、破線はそれよりも幾分エンジン回転数が高い運転領域での構成部材41の温度の変化量を表し、一点鎖線はさらにエンジン回転数が高い運転領域での構成部材41の温度の変化量を表し、二点鎖線はエンジン回転数が最高に近い運転領域での構成部材41の温度の変化量を表している。縦軸方向に沿った実線と二点鎖線との乖離は、せいぜい10℃ないし20℃程度しかない。このことは、差分ΔTと目標空燃比との関係を、広範な運転領域に一律に適用可能であることを示唆している。つまり、図5に例示するようなマップデータを適合により作成すれば、構成部材41の温度が許容温度を超える場合の燃料噴射量の増分を決定できるということである。
その上、図5に例示するマップデータは、構成部材41の許容温度が変更されたとしてもそのまま援用することが可能である。許容温度が変更された結果、差分ΔTが拡縮し、当該差分ΔTに対応する目標空燃比が変化する。ひいては、ステップS3による燃料噴射量が増減する。
本実施形態では、内燃機関の排気系を構成する部材41の温度が許容温度を超える場合に、そうでない場合と比較して燃料噴射量を増量し当該部材41の温度降下を促す補正制御を実施するものであり、前記部材41の現在の温度と許容温度との差分ΔTに基づいて、前記補正制御を実施する際の目標空燃比を定める内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、補正制御中の燃料噴射量の増分をより簡便に決定できるようになり、開発工数の削減に寄与し得る。また、経年劣化等に起因して構成部材41の許容温度が変動したとしても、制御装置0がそれに対処することが可能となる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限定されるものではない。特に、保護の対象となる構成部材は、排気浄化用の触媒41に限定されない。対象となる構成部材には、触媒41の上流または下流にあって排気が流通するマニホルド42その他の排気管や、空燃比センサ43、44等が含まれ得る。
また、上記実施形態では、対象の構成部材41の現在温度を、現在の内燃機関の運転領域等を基に推定していた。だが、構成部材41の現在温度をセンサを介して直接に検出、計測することを妨げない。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
12…点火プラグ
4…排気通路
41…排気系の構成部材(触媒)
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
i…点火信号
j…燃料噴射信号

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系を構成する部材の温度が許容温度を超える場合に、そうでない場合と比較して燃料噴射量を増量し当該部材の温度降下を促す補正制御を実施するものであり、
    前記部材の現在の温度と許容温度との差分と、前記補正制御を実施する際の目標空燃比との関係を規定するマップデータをメモリに格納しており、
    前記部材の現在の温度をキーとして当該マップを検索し、前記補正制御を実施する際の目標空燃比を知得して燃料噴射量を決定する内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の運転領域と、前記部材の現在の推定温度との関係を規定するマップデータをメモリに格納しており、
    現在の内燃機関の運転領域をキーとして当該マップを検索し、前記部材の現在の推定温度を得るとともに、
    内燃機関の気筒における点火タイミングと、前記部材の現在の推定温度に加味する補正量との関係を規定するマップデータをメモリに格納しており、
    現在の点火タイミングをキーとして当該マップを検索し、前記部材の現在の推定温度に加味するべき補正量を知得して同部材の現在の推定温度を補正する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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