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JP7346982B2 - スポット溶接方法、溶接装置及び車両 - Google Patents
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JP7346982B2 - スポット溶接方法、溶接装置及び車両 - Google Patents

スポット溶接方法、溶接装置及び車両 Download PDF

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本開示は、スポット溶接方法、溶接装置及び車両に関するものである。
従来より、溶接対象部材の片側に他の部材が配置されている場合や、スペース上の制約がある場合等には、インダイレクトスポット溶接が行われている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、インダイレクトスポット溶接において、アース電極との間で溶接対象の板状部材を挟持するための挟持部材を設け、アース電極と板状部材との十分な接触を確保し、アース電極と板状部材との当接部位の周辺の溶着や電食を抑制する技術が開示されている。
特開2016-59937号公報
特許文献1に開示された技術では、特許文献1の図1に記載されているように、アース電極と挟持部材とは一体化されたC型部材である一方、溶接電極は当該C型部材とは別部材として構成されている。そうすると、アース電極と溶接電極との電極間距離が長くなるため、装置が大型化し、狭い個所における溶接作業が困難であるという問題や、溶接時の無効電流が増加し、溶接作業の効率を向上させることが困難であるという問題があった。
そこで、本願発明者らは、溶接電極をアース電極と一体構造とすることにより、装置の小型化に資するとともに、溶接作業の効率を向上できるインダイレクトスポット溶接装置及び溶接方法を見出し、これについて出願を行っている(特願2018-181295)。
本開示は、溶接作業の効率をさらに向上できるスポット溶接方法、溶接装置及び車両をもたらすことを課題とする。
上記の課題を解決するために、ここに開示する第1の技術に係るスポット溶接方法は、所定方向に延びる第1フランジ部を有する第1部材と、前記所定方向に延びる第2フランジ部を有し、該第2フランジ部が前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成することにより、前記第1部材とともに前記所定方向に延びる中空部を備えた構造体を形成する第2部材と、前記構造体の前記中空部における前記第1部材の外側面に接合される第3部材と、をスポット溶接により接合させる方法であって、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のスポット溶接と、前記第1部材及び前記第3部材のスポット溶接とを、インダイレクトスポット溶接により同時に行う第1溶接工程を備えたことを特徴とする。
本構成によれば、第1フランジ部及び第2フランジ部のスポット溶接と、第1部材及び第3部材のスポット溶接とを同時に行うことができるから、作業工程の簡潔化、作業時間の短縮化を図ることができ、作業効率の向上に寄与できる。
第2の技術は、第1の技術において、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、ダイレクトスポット溶接により接合する第2溶接工程をさらに備えたことを特徴とする。
第1フランジ部及び第2フランジ部の接合のみを行う場合は、ダイレクトスポット溶接を行い、第1フランジ部及び第2フランジ部の接合と第3部材及び第1部材の接合を同時に行う場合は、インダイレクトスポット溶接を行えばよい。これらのスポット溶接を組み合わせることにより、第1部材及び第2部材の接合を強化することができ、構造体の強度を向上させることができる。
第3の技術は、第2の技術において、前記第2溶接工程を行った後に、前記第1溶接工程を行うことを特徴とする。
ダイレクトスポット溶接をまとめて先に行ってから、インダイレクトスポット溶接をまとめて行うことにより、両者の切り替え作業の時間を短縮化することができ、作業効率の向上に寄与することができる。また、ダイレクトスポット溶接をまとめて先に行うことにより、第1部材及び第2部材の接合が強化され、構造体の強度が増加する。そうすると、第3部材の位置決め精度が向上する。
第4の技術は、第1~3の技術のいずれか1つにおいて、前記フランジ接合部は、前記所定方向に並ぶ複数のフランジ溶接点において溶接されるものであり、前記第3部材は、前記第1部材に対し、前記所定方向に並ぶ複数の溶接点において溶接されるものであり、隣り合う前記フランジ溶接点間の間隔は、隣り合う前記溶接点の間隔よりも狭いことを特徴とする。
本構成によれば、フランジ溶接点の数を溶接点の数よりも多くすることができる。そうして、第1部材と第2部材との接合を強化し、構造体の強度を向上させることができる。
第5の技術は、第1~4の技術のいずれか1つにおいて、前記第1部材及び前記第2部材は、車両のそれぞれサイドシルレイン及びサイドシルインナであり、前記第3部材は、キャブサイドアウタであることを特徴とする。
本構成によれば、耐久性、強度及び意匠性に優れた車両のサイドシル構造をもたらすことができる。
第6の技術は、第1~5の技術のいずれか1つにおいて、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、ダイレクトスポット溶接により接合する第2溶接工程をさらに備え、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に、切欠き部を有する板状の第4部材が配置されており、前記切欠き部が配置されている位置において、前記第1溶接工程を行い、前記切欠き部が配置されていない位置において、前記第2溶接工程を行うことを特徴とする。
第1フランジ部と第2フランジ部との間に板状の第4部材が配置されている場合、フランジ接合部では、板3枚をスポット溶接することになる。第2溶接工程のダイレクトスポット溶接では、板3枚のスポット溶接を行うことができる。一方、第1溶接工程のインダイレクトスポット溶接では、フランジ接合部における板3枚のスポット溶接は困難である。従って、フランジ接合部において、第1溶接工程のインダイレクトスポット溶接により接合する個所に位置する第4部材には切欠き部を設け、実質的に第1フランジ部と第2フランジ部との板2枚とし、インダイレクトスポット溶接を行う。これにより、第1フランジ部と第2フランジ部との間に板状の第4部材が配置されている場合であっても、第1フランジ部及び第2フランジ部のスポット溶接と、第1部材及び第3部材のスポット溶接を同時に行うことができる。
ここに開示する第7の技術に係るスポット溶接装置は、所定方向に延びる第1フランジ部を有する第1部材と、前記所定方向に延びる第2フランジ部を有し、該第2フランジ部が前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成することにより、前記第1部材とともに前記所定方向に延びる中空部を備えた構造体を形成する第2部材と、前記構造体の前記中空部における前記第1部材の外側面に接合される第3部材と、をスポット溶接により接合させるための装置であって、前記第1フランジ部に加圧接触される柱状の第1電極と、前記第1電極と同軸上に対向配置され、該第1電極との間で前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を挟持する柱状の第2電極と、前記第3部材の外側面における前記第3部材の前記第1部材との溶接点の位置に加圧接触される柱状の第3電極と、前記第2電極及び前記第3電極間を電気的に接続する第1回路と、を備え、前記第1電極は、前記第2電極及び前記第3電極から絶縁されており、前記第2電極又は前記第3電極は、アースされており、前記第1電極は、前記第1フランジ部の外側面におけるフランジ溶接点の位置に加圧接触され、前記第2電極は、前記第2フランジ部の外側面における前記フランジ溶接点の位置に加圧接触され、前記第1電極及び前記第2電極により前記フランジ溶接点の位置において前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を挟持するとともに、前記第3電極を前記溶接点の位置において該第3部材の外側面に加圧接触させた状態で、前記第1回路に通電することにより、前記フランジ溶接点において前記第1部材及び前記第2部材をスポット溶接すると同時に、前記溶接点において前記第1部材及び前記第3部材をスポット溶接するインダイレクトスポット溶接を行うことを特徴とする。
本構成によれば、フランジ溶接点及び溶接点におけるスポット溶接を同時に行うことができるから、作業工程の簡潔化、作業時間の短縮化を図ることができ、作業効率の向上に寄与できる。
第8の技術は、第7の技術において、前記第1電極は、前記第3電極がアースされているときには、アースされている一方、前記第2電極がアースされているときは、アースされておらず、前記第1電極及び前記第2電極を電気的に接続する第2回路と、前記第1回路の電気的な接続と前記第2回路の電気的な接続とを切り替える切り替え装置と、を備え、前記第1回路の電気的な接続を切断するとともに、前記第2回路に通電することにより、前記フランジ溶接点におけるダイレクトスポット溶接を行い、前記切り替え装置により、前記第1回路の電気的な接続と前記第2回路の電気的な接続とを切り替えることにより、前記フランジ溶接点及び前記溶接点を同時に溶接するインダイレクトスポット溶接と、前記フランジ溶接点におけるダイレクトスポット溶接とを切り替え可能であることを特徴とする。
フランジ溶接点の接合のみを行う場合は、第2回路を用いてダイレクトスポット溶接を行い、フランジ溶接点及び溶接点の接合を同時に行う場合は、第1回路を用いてインダイレクトスポット溶接を行えばよい。これらのスポット溶接を一つの装置で行うことができるから、作業効率のさらなる向上に資することができる。
第9の技術は、第7又は第8の技術において、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極は、物理的に一体化されており、前記第3電極は、前記第1電極の軸心の周方向及び/又は径方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
本構成によれば、第3電極を、第1電極の軸心の周方向及び/又は径方向に移動可能とすることにより、フランジ溶接点に対する溶接点の位置を調整することができる。
ここに開示する第10の技術に係る車両は、前後方向に延び、上下方向の両端に第1フランジ部を有するサイドシルレインと、前後方向に延び、前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成する第2フランジ部を有し、前記サイドシルレインと接合された状態で内側に前後方向に延びる中空部を形成するサイドシルインナと、前記サイドシルレインの前記中空部の外側面に接合されたキャブサイドアウタと、を備えた車両であって、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは、前後方向に一定の間隔で並ぶ複数のフランジ溶接点でスポット溶接されており、前記キャブサイドアウタは、前後方向に一定の間隔で並ぶ複数の溶接点で、前記サイドシルレインにスポット溶接されており、隣り合う前記フランジ溶接点間の間隔は、隣り合う前記溶接点間の間隔よりも狭いことを特徴とする。
本構成によれば、耐久性、強度及び意匠性に優れたサイドシル構造を有する車両を得ることができる。
以上述べたように、本開示によれば、第1フランジ部及び第2フランジ部のスポット溶接と、第1部材及び第3部材のスポット溶接を同時に行うことができるから、作業工程の簡潔化、作業時間の短縮化を図ることができ、作業効率の向上に寄与できる。
実施形態1に係るスポット溶接装置を模式的に示す図である。 図1のスポット溶接装置の回路構成を示す図である。 図1のスポット溶接装置の第1電極、第3電極及び接続部の平面図である。 本実施形態に係る車両の一例を示す斜視図である。 図4のサイドシル構造部分の底面図である。 図5のA-A線における断面図である。 図5のB-B線における断面図である。 図5のC-C線における断面図である。 図4のサイドシル構造部分の右側面図である。 図9の右側面図を少し下側から見た斜視図である。 図9においてサイドステップを外した状態の図である。 実施形態1に係るスポット溶接方法の工程を説明するためのフローチャートである。 実施形態2に係るスポット溶接装置の図2相当図である。 実施形態2に係るスポット溶接装置の図2相当図である。 実施形態2に係るスポット溶接方法の工程を説明するためのフローチャートである。 実施形態3に係るスポット溶接方法を説明するための平面図である。 図16のE-E線における断面図である。 図16のD-D線における断面図である。 他の実施形態に係るワークに第3電極を加圧接触させた状態を模式的に示す図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
<スポット溶接装置>
図1~図3に示すように、実施形態1に係るスポット溶接装置1は、第1電極11と、第2電極12と、第3電極13とを備えている。第1電極11及び第3電極13と、第2電極12との間に、ワーク100が配置される。
≪ワーク及び車両≫
図4~図11に示すように、ワーク100は、本実施形態に係る車両900のサイドシル構造の部品である。
図4は、本実施形態に係る車両900の後方下部構造を示す斜視図である。なお、図4では、タイヤ等の詳細な構成の図示を省略している。図5は、図4のサイドシル構造部分の底面図である。図6~図8は、図5のそれぞれA-A線、B-B線及びC-C線における断面図である。図9は、図4のサイドシル構造部分の右側面図である。図10は、図9の右側面図を少し下側から見た斜視図である。図11は、図9においてサイドステップを外した状態の図である。
本明細書において、車両900及びその部品について説明を行う場合は、図4に示すように、車両900の前後方向、左右方向及び上下方向を基準とする。車両900の前後方向、左右方向及び上下方向は、互いに垂直な方向である。
図6に示すように、ワーク100は、サイドシルレイン110(第1部材)と、サイドシルインナ120(第2部材)と、キャブサイドアウタ130(第3部材)とを備える。そして、ワーク100のさらに外側には、サイドステップ160(外装部材)が設けられる。
-サイドシルレイン-
サイドシルレイン110は、前後方向(所定方向)に延びる部材である。サイドシルレイン110は、第1本体部111と、第1フランジ部112と、を有する。
第1本体部111は、右側に凸であるU字型の断面を有し、前後方向に延びるハーフパイプ型の部分である。第1フランジ部112は、第1本体部111における上下方向の両端に接続され、前後方向に延びる板部分である。
-サイドシルインナ-
サイドシルインナ120は、サイドシルレイン110と同様に、前後方向に延びる部材である。サイドシルインナ120は、第2本体部121と、第2フランジ部122と、を有する。第2本体部121は、左側に凸であるU字型の断面を有し、前後方向に延びるハーフパイプ型の部分である。第2フランジ部122は、第2本体部121における上下方向の両端に接続され、前後方向に延びる板部分である。
-構造体-
サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120は、第1フランジ部112及び第2フランジ部122が互いに接合されることにより、前後方向に延びるパイプ型の構造体140を形成する。構造体140は、車両900の側方下部の骨格を形成する部品である。具体的には、例えば図11に示すように、第1フランジ部112と第2フランジ部122とは、前後方向に並ぶ複数のフランジ溶接点としての第1フランジ溶接点145及び第2フランジ溶接点147(以下、まとめて「フランジ溶接点145,147」ともいう。)においてスポット溶接される。そうして、第1フランジ部112及び第2フランジ部122は、構造体140のフランジ接合部142を形成する。第1フランジ部112及び第2フランジ部122が接合された状態で、図6~図8に示すように、第1本体部111及び第2本体部121により構造体140の本体部141が形成される。
本体部141は、第1本体部111及び第2本体部121の内側面により形成された前後方向に延びる中空部143を備える。すなわち、構造体140は、フランジ接合部142が形成されることにより、中空部143を備えた閉断面構造を有する部材となる。
-キャブサイドアウタ-
キャブサイドアウタ130は、車両900の側面の外装部材である。キャブサイドアウタ130は、サイドシルレイン110の第1本体部111の外側面に接合される。
キャブサイドアウタ130は、前後方向に延びる板状の第3フランジ部131を有する。第3フランジ部131は、サイドシルレイン110の第1本体部111の外側面に、前後方向に並ぶ複数の溶接点149においてスポット溶接される。
-サイドステップ-
ワーク100のサイドシルレイン110側には、キャブサイドアウタ130及びフランジ接合部142を保護するようにサイドステップ160が配置される。サイドステップ160は、車両900のサイドシル構造を覆って、車両900の意匠性向上、サイドシル構造の損傷抑制等に寄与する。
図4、図5及び図7に示すように、サイドステップ160は、取付部162を備える。取付部162には、ボルト孔163が設けられている。サイドステップ160は、ボルト孔163に挿入された不図示のボルトによりサイドシルレイン110に固定される。
図4及び図5に示すように、サイドステップ160は、車両900のジャッキアップ時に不図示のジャッキを取り付けるための凹部161を有する。図4、図6~図8等に示すように、サイドステップ160の凹部161以外の部分は、フランジ接合部142を覆っている。一方、サイドステップ160の凹部161が配置される部分は、フランジ接合部142が剥き出しになる。すなわち、構造体140のフランジ接合部142は、サイドステップ160に被覆された被覆部142A(一部)と、サイドステップ160に被覆されない露出部142B(他の一部)とを備える。
≪装置構成≫
本実施形態に係るスポット溶接装置1は、第1フランジ部112及び第2フランジ部122のスポット溶接と、サイドシルレイン110及びキャブサイドアウタ130のスポット溶接とを、インダイレクトスポット溶接により同時に行うための装置である。具体的には、第1フランジ部112及び第2フランジ部122は第2フランジ溶接点147においてスポット溶接される。また、サイドシルレイン110及びキャブサイドアウタ130は溶接点149においてスポット溶接される。
-電気回路及び電源装置-
スポット溶接装置1は、図2に示すように、第2電極12と第3電極13とに電気的に接続された第1回路16及び電源装置15を備えている。電源装置15は、図示はしないが、電極間に流れる電流量を制御する制御部等を含む。
-第1電極及び第2電極-
第1電極11及び第2電極12は、フランジ接合部142に加圧接触される。第1電極11と第2電極12との間にはフランジ接合部142が挟持される。
図1及び図2に示すように、第1電極11は、フランジ接合部142の第1フランジ部112側に配置され、第2電極12及び第3電極13から絶縁された円柱状の対向電極である。第2電極12は、フランジ接合部142の第2フランジ部122側に配置された円柱状の溶接電極である。なお、第1電極11及び第2電極12の形状は円柱状に限られず、楕円柱状、多角柱状等の柱状であってもよい。
図1に示すように、第2電極12は、第1電極11と物理的に一体化され、C型ガンを形成している。具体的には、図1に示すように、第2電極12は、基台2aに接続されている。基台2aは、支持部2cに接続されている。支持部2cの先端には、円柱状の第1電極用ガン11bが接続されている。第1電極用ガン11bの先端には、第1電極11が接続されている。すなわち、第1電極11及び第2電極12は、基台2a、支持部2c、第1電極用ガン11bとともにC型ガンを形成している。
第1電極用ガン11b及び第1電極11の中心軸は、軸心L1である。第2電極12は、第1電極11と同軸上に対向配置されている。すなわち、第1電極11と第2電極12とは同一の軸心L1を有する。
第1電極用ガン11bにおける第1電極11が接続された側と反対側には、第1電極駆動手段2bが設けられている。
第1電極用ガン11bは、第1電極駆動手段2bの動作に伴って図1中矢印G1で示すように軸心L1方向に移動する。そして、第1電極用ガン11bの移動に伴って、第1電極11も、軸心L1方向に移動する。すなわち、第1電極11は、第1電極駆動手段2bの動作に伴って、第2電極12に近づくように移動する。そうして、第1電極11は、フランジ接合部142の第1フランジ部112の外側面における第2フランジ溶接点147の位置に加圧接触される。一方、第2電極12は、フランジ接合部142の第2フランジ部122の外側面における第2フランジ溶接点147の位置に加圧接触される。こうして、第2電極12は、第1電極11との間で、フランジ接合部142における第2フランジ溶接点147を挟持する。
第1電極駆動手段2bは、特に限定されるものではないが、例えばエアシリンダによる駆動機構や、モータ駆動によるボールネジ機構、ロボットアーム等を採用することができる。
第1電極11は、第1電極先端面11aにおいてサイドシルレイン110に加圧接触する。なお、第1電極先端面11aの形状は、軸心L1を中心とする円形であるが(図3参照)、十分な通電量を確保することができれば当該形状に限定されるものではなく、例えば軸心L1を中心とする楕円形、矩形等の形状であってもよい。第1電極先端面11aの最大径は、十分な通電量を確保する観点から、例えば5mm以上16mm以下とすることができる。
また、第2電極12は、第2電極先端面12aにおいてサイドシルインナ120に接触する。第2電極先端面12aの形状も、特に限定されるものではないが、第1電極11との間で確実にフランジ接合部142を挟持する観点から、第1電極先端面11aの中心と同一中心を有する円形、楕円形、矩形等の形状とすることができる。第2電極先端面12aの最大径は、第1電極11との間で確実にフランジ接合部142を挟持する観点から、例えば3mm以上8mm以下とすることができる。なお、第2電極先端面12aの最大径は、第1電極先端面11aの最大径よりも小さいことが望ましい。これにより、第1電極先端面11aと第2電極先端面12aとによりフランジ接合部142を挟持したときの滑りを抑制することができる。
第1電極11の加圧力は、サイドシルレイン110との十分な接触を確保するとともに第2電極12との間で確実にフランジ接合部142を挟持する観点から、例えば1.5kN以上6kN以下とすることができる。
-第3電極-
第3電極13は、図2に示すようにアースされた円柱状のアース電極である。第3電極13は、キャブサイドアウタ130の外側面の溶接点149の位置に加圧接触される。なお、第3電極13の形状は円柱状に限られず、楕円柱状、多角柱状等の柱状であってもよい。
第3電極13は、第1電極11に接続され、第1電極11及び第2電極12からなるC型ガンにさらに物理的に一体化されている。
具体的に、第1電極用ガン11bには、接続部4を介して、円柱状の第3電極用ガン13bが設けられている。そして、円柱状の第3電極13は、第3電極用ガン13bの先端に設けられている。なお、第3電極13及び第3電極用ガン13bの中心軸は、軸心L2である。軸心L2は、第1電極11及び第1電極用ガン11bの軸心L1と平行であり、軸心L1からずれた位置にある。
第3電極用ガン13bには、第3電極駆動手段3が設けられている。第3電極駆動手段3により、第3電極用ガン13bは、図1中矢印G2で示すように、軸心L2方向に移動可能である。第3電極用ガン13bの移動は、第1電極用ガン11bの移動とは独立している。すなわち、第3電極13は、第1電極11の軸心L1方向の移動と独立して、軸心L2方向に移動可能に構成されている。第3電極駆動手段3としては、例えばエアシリンダによる駆動機構や、モータ駆動によるボールネジ機構等を採用することができる。
第3電極用ガン13bを第1電極用ガン11bと物理的に一体化することにより、第1電極11と第3電極13との電極間距離を短縮化することができる。具体的に、第1電極先端面11aの中心と第3電極先端面13aの中心との距離、すなわち軸心L1と軸心L2との最短距離は、電路を短縮し通電量及び溶接時間を低減させて効率的な溶接を可能とする観点から、例えば30mm以上150mm以下とすることができる。本構成とすることで、電路を短くすることができ、溶接に要する通電時間を短縮化することができる。そうして、第3電極13、第1電極11、及び第2電極12の加圧接触に伴うワーク100の変形を抑制できる。また、通電に伴う溶接対象個所の過度の溶着等を抑制することができる。さらに、溶接工程のコスト削減及び簡略化をもたらすことができる。
第3電極13は、図1に示すように、第3電極先端面13aにおいてキャブサイドアウタ130に加圧接触する。第3電極先端面13aの形状は、軸心L2を中心とする円形である(図3参照)。なお、第3電極先端面13aの形状は、十分な通電量を確保することができれば当該円形に限定されず、例えば軸心L2を中心とする楕円形、矩形等の形状であってもよい。第3電極先端面13aの最大径は、十分な通電量を確保しつつ電路を絞る観点から、例えば3mm以上16mm以下とすることができる。
また、第3電極13の加圧力は、キャブサイドアウタ130との十分な接触を確保しつつキャブサイドアウタ130の損傷を抑える観点から、例えば0.4kN以上2.0kN以下とすることができる。
第3電極13を第1電極11と物理的に一体化させたから、第1電極11に対して、第3電極13の軸心L2方向の相対的な位置を高精度で維持できる。そうすると、第3電極13の加圧力を高精度でコントロールすることができる。そして、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の変形を抑制しつつ、第3電極13の接触抵抗を安定的にコントロールして、優れた溶接品質を再現性よくもたらすことができる。
なお、本実施形態に係るスポット溶接装置1において、図3中符号G3の矢印で示すように、第3電極13は、第1電極11の軸心L1の周方向に回転可能である。また、第3電極13は、図1中符号G4の矢印で示すように、第1電極11の軸心L1の径方向にも移動可能である。
<スポット溶接方法>
本実施形態に係るインダイレクトスポット溶接方法は、図12に示すように、挟持工程S1と、加圧接触工程S2と、第1通電工程S3(第1溶接工程)とを備えている。
-挟持工程-
まず、挟持工程S1において、フランジ接合部142を第1電極11及び第2電極12により挟持する。
具体的には例えば、第1電極11と第2電極12とを十分に離間させた状態で、第2電極12の第2電極先端面12a上に構造体140のフランジ接合部142における第2フランジ溶接点147を配置する。そして、第1電極駆動手段2bの動作により、軸心L1方向に第1電極11を移動させ、第1電極先端面11aをフランジ接合部142の第2フランジ溶接点147に加圧接触させる。そうして、フランジ接合部142の第2フランジ溶接点147を第1電極11及び第2電極12により挟持する。
-加圧接触工程-
次に、加圧接触工程S2において、構造体140のサイドシルレイン110の第1本体部111の外側面に、キャブサイドアウタ130の第3フランジ部131を接触させる。そして、第3電極駆動手段3を駆動させて、第3電極13を軸心L2方向に移動させ、キャブサイドアウタ130の第3フランジ部131における溶接点149に第3電極13を加圧接触させる。
-第1通電工程-
そして、第1通電工程S3において、第2電極12及び第3電極13間に電流を流す。第2電極12の第2電極先端面12aから、第2フランジ部122、第2フランジ溶接点147、サイドシルレイン110、及び溶接点149を通って、第3電極13の第3電極先端面13aに到達する電路C1が形成される。そうして、第2フランジ溶接点147及び溶接点149におけるスポット溶接が同時に行われる。電源装置15の制御部により、第1電極11及び第3電極13の適切な加圧力を保持しつつ、適切な電流量、溶接時間を調整し、第1フランジ部112と第2フランジ部122との溶接、及び、キャブサイドアウタ130とサイドシルレイン110との溶接を完了する。
-特徴及び作用効果-
本実施形態に係るスポット溶接装置1及び方法は、以下を特徴とする。すなわち、第1電極11及び第2電極12により第2フランジ溶接点147を挟持するとともに、第3電極13を溶接点149に加圧接触させた状態で、第1回路16に通電する。そうして、第2電極12及び第3電極13間の通電によるインダイレクトスポット溶接を行う。これにより、第2フランジ溶接点147においてサイドシルレイン110の第1フランジ部112及びサイドシルインナ120の第2フランジ部122をスポット溶接する。また、同時に、溶接点149においてサイドシルレイン110及びキャブサイドアウタ130をスポット溶接する。
本構成によれば、第1フランジ部112及び第2フランジ部122のスポット溶接と、サイドシルレイン110及びキャブサイドアウタ130のスポット溶接を同時に行うことができるから、作業工程の簡潔化、作業時間の短縮化を図ることができる。そうして、スポット溶接作業の作業効率の向上に寄与することができる。そして、耐久性、強度及び意匠性に優れたサイドシル構造を有する車両を得ることができる。
なお、図11に示すように、第2フランジ溶接点147は、第1フランジ溶接点145とは異なる位置、例えば隣り合う第1フランジ溶接点145の間に配置されることが望ましい。
第1フランジ溶接点145は、既にスポット溶接されているところであるから、第2フランジ溶接点147を第1フランジ溶接点145と同一個所に設定すると、第2電極12と第2フランジ部122との間で十分な接触面積を確保することが難しくなり得る。そうすると、第1通電工程S3において十分な電流量を確保し難くなる。本構成によれば、第2フランジ溶接点147を第1フランジ溶接点145とは異なる位置に配置させることにより、第2電極12と第2フランジ部122との十分な接触面積を確保できる。そうして、第2フランジ溶接点147及び溶接点149における十分な接合強度を確保することができる。
また、図11に示すように、フランジ溶接点145,147は、互いにある程度の間隔を有して前後方向にほぼ一列に並んで配置されていることが好ましい。そして、隣り合うフランジ溶接点145,147間の間隔は、一定であることがより好ましい。隣り合うフランジ溶接点145,147間の間隔が一定であれば、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の接合強度が、前後方向全体に亘って均一になる。
また、溶接点149も、互いにある程度の間隔を有して前後方向にほぼ一列に並んで配置されている。なお、隣り合う溶接点149間の間隔は、一定であることが望ましい。隣り合う溶接点149間の間隔が一定であれば、キャブサイドアウタ130及びサイドシルレイン110の接合強度が、前後方向全体に亘って均一になる。
なお、隣り合うフランジ溶接点145,147間の間隔は、隣り合う溶接点149間の間隔よりも狭いことが望ましい。ただし、インダイレクトスポット溶接は、通常のダイレクトスポット溶接より、隣接打点へ分流しやすくなるため、溶接品質を保証する観点から隣り合うフランジ溶接点145,147間の間隔は、十分な間隔を有するものとする。上述のごとく、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120からなる構造体140は、車両900の骨格部品である。従って、キャブサイドアウタ130及びサイドシルレイン110間の接合強度よりも、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の接合強度の方が高いことが要求される。本構成によれば、フランジ溶接点145,147の数を溶接点149の数よりも多くすることができる。そうして、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の接合を強化し、構造体140の強度を向上できる。
また、本実施形態に係るスポット溶接装置1において、図1及び図3に示すように、第3電極13は、軸心L2方向、軸心L1の周方向及び軸心L1の径方向に移動可能に構成されている。当該構成により、第2フランジ溶接点147に対する溶接点149の位置を調整可能である。
具体的に、図11には、対応する第2フランジ溶接点147と溶接点149とを破線で示している。すなわち、例えば第1電極11及び第2電極12が第2フランジ溶接点147Aを挟持したときに、第3電極13を溶接点149Aに接触させて、インダイレクトスポット溶接を行う。
ところで、第1フランジ溶接点145と第2フランジ溶接点147とは、電路の長さ及び電流量が異なるから、大きさが揃わない場合がある。そうすると、外部から視認できる部分には、意匠性の観点から、第1フランジ溶接点145のみを設ける構成が考えられる。
具体的に、フランジ接合部142における露出部142Bのサイドシルレイン110側は、サイドステップ160により覆われていないから、外部から視認可能である。一方、フランジ接合部142における被覆部142Aは、サイドステップ160により覆われているから、外部から視認されにくい。従って、被覆部142Aに第2フランジ溶接点147を形成する一方、露出部142Bに第2フランジ溶接点147を形成しない構成により、車両900のサイドシル構造の意匠性を向上させることができる。
詳細には、図11に示すように、例えば第1電極11及び第2電極12により第2フランジ溶接点147Aを挟持した場合を考える。なお、図11において、前側から順に溶接点149における溶接を行っているとする。第1電極11及び第2電極12により第2フランジ溶接点147Aを挟持した状態で、第3電極13を溶接点149Aに接触させて、第2フランジ溶接点147A及び溶接点149Aにおける溶接を行う。その後、第1電極11及び第2電極12による第2フランジ溶接点147Aの挟持を開放する。そして、図3に示すように、第3電極13を第1電極11における軸心L2の周方向に回転させる。そして、第1電極11及び第2電極12により第2フランジ溶接点147Aを再度挟持させるとともに、第3電極13を溶接点149Bに接触させて、溶接点149Bの溶接を行う。
また、第1電極11及び第2電極12による第2フランジ溶接点147Aの挟持を開放し、第3電極13を第1電極11における軸心L2の周方向にさらに回転させるとともに、径方向且つ第1電極11から離れる方向へ移動させる。そして、第1電極11及び第2電極12により第2フランジ溶接点147Aを再度挟持させるとともに、第3電極13を溶接点149Cに接触させて、溶接点149Cにおける溶接を行う。このように、第3電極13の第1電極11の軸心L1の周方向及び/又は径方向の位置を調整することにより、フランジ溶接点145,147に対する溶接点の位置を調整することができる。
(実施形態2)
以下、本開示に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
<スポット溶接装置>
-電気回路及び電源装置-
図13及び図14は、本実施形態に係るスポット溶接装置1の図2相当図である。
図13及び図14に示すように、本実施形態に係るスポット溶接装置1は、上述の第1回路16に加え、第1電極11及び第2電極12を電気的に接続する第2回路17を有している。第1回路16及び第2回路17は、共通の電源装置15に接続されている。そして、スポット溶接装置1は、第1回路16の電気的な接続と第2回路17の電気的な接続とを切り替えるスイッチ18(切り替え装置)を備える。スイッチ18を図13に示す符号18Aの状態とすれば、第1回路16の電気的な接続が切断され且つ第2回路17の電気的な接続がONとなる。一方、スイッチ18を図14に示す符号18Bの状態とすれば、第2回路17の電気的な接続が切断され且つ第1回路16の電気的な接続がONとなる。
図13及び図14に示すように、第1電極11及び第3電極13は、それぞれ第2回路17及び第1回路16において、アースされたアース電極である。そして、第2電極12は、いずれの回路においても溶接電極である。なお、図示はしないが、第2電極12をアース電極としてもよい。この場合、第1回路16及び第2回路17において、それぞれ第3電極13及び第1電極11が溶接電極となる。
<スポット溶接方法>
本実施形態に係るスポット溶接方法は、図15に示すダイレクトスポット溶接工程SIIとしての挟持工程S11及び第2通電工程S12(第2溶接工程)と、インダイレクトスポット溶接工程SIとしての、上記実施形態1の各工程S1~S3(図12参照)を含む。
具体的に、図15に示すダイレクトスポット溶接工程SIIでは、挟持工程S11で、第1電極11及び第2電極12により、第1フランジ部112及び第2フランジ部122の第1フランジ溶接点145を挟持させる。挟持工程S11は、挟持位置を第1フランジ溶接点145とする以外は、図12の挟持工程S1と同様の工程である。
次に、第2通電工程S12において、スイッチ18を図13の状態とし、第1回路16の電気的な接続を切断するとともに第2回路17の電気的な接続をONとする。そして、第2回路17に通電することにより、第1フランジ溶接点145におけるダイレクトスポット溶接を行う。当該第2通電工程S12では、溶接点149におけるスポット溶接は行われない。なお、図13では、第3電極13は、キャブサイドアウタ130に接触するように記載されているが、接触していなくてもよい。
このように、本実施形態に係るスポット溶接装置1及び方法によれば、ダイレクトスポット溶接工程SIIにより、第1フランジ溶接点145におけるスポット溶接を行うことができる。
また、スイッチ18を図14の状態とし、上記実施形態1に記載の方法(図12参照)により、第2フランジ溶接点147及び溶接点149を同時に溶接するインダイレクトスポット溶接も行うことができる。
すなわち、本実施形態に係るスポット溶接装置1及び方法によれば、スイッチ18を切り替えることにより、第1フランジ溶接点145におけるダイレクトスポット溶接と、第2フランジ溶接点147及び溶接点149におけるインダイレクトスポット溶接とを切り替えることができる。そうして、2種類のスポット溶接を一つの装置で行うことができ、作業効率の向上に資することができる。
なお、ダイレクトスポット溶接工程SIIを行った後に、インダイレクトスポット溶接工程SIを行うことが望ましい。特に、全ての第1フランジ溶接点145におけるダイレクトスポット溶接工程SIIを行った後に、全ての第2フランジ溶接点147及び溶接点149におけるインダイレクトスポット溶接工程SIを行うことが望ましい。
ダイレクトスポット溶接をまとめて先に行ってから、インダイレクトスポット溶接をまとめて行うことにより、両者の切り替え作業の時間を短縮化することができ、作業効率のさらなる向上に寄与することができる。また、ダイレクトスポット溶接をまとめて先に行うことにより、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の接合が強化され、構造体140の強度が増加する。そうして、キャブサイドアウタ130の位置決め精度が向上する。
(実施形態3)
図16~図18に示すように、サイドシルレイン110及びサイドシルインナ120の間に、構造体140の剛性向上等の観点から、板状のスペーサ170(第4部材)が配置される場合がある。そうすると、図17に示すように、フランジ接合部142は3枚の板が積層された構造となる。
実施形態1で予め第1フランジ溶接点145をダイレクトスポット溶接により溶接しておく場合、及び、実施形態2の図13に示すダイレクトスポット溶接を行う場合であれば、3枚積層構造においても溶接できる。しかしながら、実施形態1の図2及び実施形態2の図14に示すインダイレクトスポット溶接では、第2フランジ溶接点147が3枚積層構造となるから、第2フランジ溶接点147及び溶接点149の溶接を同時に行うことは困難である。
従って、本実施形態に係るスポット溶接方法は、図16~図18に示すように、スペーサ170において、第2フランジ溶接点147に対応する位置に切欠き部171を設けたことを特徴とする。すなわち、スペーサ170は、当該切欠き部171と、第1フランジ溶接点145に対応する位置に設けられた平坦部172とを備える。
実施形態1に係るスポット溶接方法では、図17に示すように、平坦部172が配置されている第1フランジ溶接点145の位置で予めダイレクトスポット溶接を行っておく。そして、切欠き部171が配置されている第2フランジ溶接点147の位置を第1電極11及び第2電極12で挟持し、図2のインダイレクトスポット溶接を行う。
実施形態2に係るスポット溶接方法においても同様である。詳細には、図17に示すように、平坦部172が配置されている第1フランジ溶接点145の位置を第1電極11及び第2電極12で挟持し、第2通電工程S12を行う。そして、切欠き部171が配置されている第2フランジ溶接点147の位置を第1電極11及び第2電極12で挟持し、第1通電工程S3を行う。なお、限定する意図ではないが、スペーサ170が配置されている場合も、全ての第1フランジ溶接点145において、ダイレクトスポット溶接工程SIIを行った後に、インダイレクトスポット溶接工程SIを行うことが望ましい。ダイレクトスポット溶接工程SIIを先に行うことにより、スペーサ170がサイドシルレイン110及びサイドシルインナ120間に固定される。そうして、インダイレクトスポット溶接工程SIにおける溶接作業の精度が向上する。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、ワーク100は、車両900のサイドシル構造に用いられる部品を例として説明した。本実施形態に係るスポット溶接装置1及び方法は、当該部品に限られず、その他の部品のスポット溶接にも用いることができる。
具体的には例えば、第1部材及び第2部材の一方が、上記実施形態のように、ハーフパイプ型の部材であり、他の一方が板状の部材であってもよい。
さらに、第1本体部の外側面に所定方向に並ぶ複数の溶接点においてスポット溶接可能であれば、第3部材の形状は特に限定されない。第3部材は、例えば板状部材、板状のフランジ部を有する部材等である。
第1部材、第2部材、第3部材及び外装部材の具体例としては、以下のものを挙げることができる。すなわち、第1部材及び第2部材は、具体的には例えば、フロントパネル、フロアパネル、リアパネル、サイドシル、トンネルレイン、クロスメンバ、フレーム、アウターパネル等の互いに接合され得る車両部品等である。また、第3部材及び外装部材は、上記車両部品にさらに接合されるアウタ等の部品である。
第1部材、第2部材及び第3部材は、通電且つ一般的にスポット溶接可能な金属製部材であればよい。具体的には例えば、鉄、鋼、アルミニウム及びこれらの合金等や表面メッキ処理された金属製部材である。外装部材の材質は特に限定されず、外装部材の用途に応じて適宜決定される。
上記実施形態において、フランジ接合部142は、スポット溶接と、例えば接着剤、リベット等による他の各種接合工法との併用により形成されてもよい。
また、実施形態1の構成では、第2電極12をアース電極、第3電極13を溶接電極としてもよい。実施形態2の構成では、第2電極12をアース電極、第1電極11又は第3電極13を溶接電極としてもよい。実施形態3の構成においても同様である。
図19に示すように、溶接点149におけるキャブサイドアウタ130の第3フランジ部131のサイドシルレイン110と対向する側には、第1通電工程S3における溶接を促進させる観点から、凸部133を設けてもよい。凸部133は、溶接点149において、キャブサイドアウタ130側からサイドシルレイン110側に向かって凸状の突起である。凸部133が存在することにより、キャブサイドアウタ130をサイドシルレイン110に接触させて通電させたときに、電路C1が凸部133内に制限される。そうして、溶接の起点となるナゲット形成が促進され、効率的且つ迅速な溶接が可能となる。
凸部133のサイズは、特に限定されるものではないが、ナゲット形成を促進させ、溶接時間を短縮化させる観点から、例えば凸部133の最大径が1mm以上5mm以下とすることができる。凸部133の形成方法は、特に限定されるものではないが、プレス成形や、ポンチ打ち等により形成することができる。また、図13では、凸部133は、キャブサイドアウタ130に形成されているが、サイドシルレイン110に形成されていてもよい。
また、凸部133を形成する代わりに、金属片等の別部材を配置する構成としてもよい。さらに、別の手法として、第3電極13の第3電極先端面13aの径を最小化してキャブサイドアウタ130及びサイドシルレイン110の通電密度を高めてもよい。なお、凸部、金属片等の別部材等は、フランジ溶接点145,147の各部材間に設けてもよい。
さらに、上記実施形態では直流電流を用いる構成を例に挙げて説明しているが、交流電流を用いることもできる。
本開示は、溶接作業の効率をさらに向上できるスポット溶接方法、溶接装置及び車両をもたらすことができるので、極めて有用である。
1 スポット溶接装置
2a 基台
2b 第1電極駆動手段
2c 支持部
3 第3電極駆動手段
4 接続部
11 第1電極
11a 第1電極先端面
11b 第1電極用ガン
12 第2電極
12a 第2電極先端面
13 第3電極
13a 第3電極先端面
13b 第3電極用ガン
15 電源装置
16 第1回路
17 第2回路
18 スイッチ(切り替え装置)
100 ワーク
110 サイドシルレイン(第1部材)
111 第1本体部
112 第1フランジ部
120 サイドシルインナ(第2部材)
121 第2本体部
122 第2フランジ部
130 キャブサイドアウタ(第3部材)
131 第3フランジ部
133 凸部
140 構造体
141 本体部
142 フランジ接合部
142A 被覆部
142B 露出部
143 中空部
145 第1フランジ溶接点(フランジ溶接点)
147 第2フランジ溶接点(フランジ溶接点)
149 溶接点
160 サイドステップ(外装部材)
C1 電路
L1 (第1電極及び第1電極用ガンの)軸心
L2 (第3電極及び第3電極用ガンの)軸心
SI インダイレクトスポット溶接工程
S1 挟持工程
S2 加圧接触工程
S3 第1通電工程
SII ダイレクトスポット溶接工程
S11 挟持工程
S12 第2通電工程

Claims (10)

  1. 所定方向に延びる第1フランジ部を有する第1部材と、
    前記所定方向に延びる第2フランジ部を有し、該第2フランジ部が前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成することにより、前記第1部材とともに前記所定方向に延びる中空部を備えた構造体を形成する第2部材と、
    前記構造体の前記中空部における前記第1部材の外側面に接合される第3部材と、
    をスポット溶接により接合させる方法であって、
    前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のスポット溶接と、前記第1部材及び前記第3部材のスポット溶接とを、インダイレクトスポット溶接により同時に行う第1溶接工程を備えた
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、ダイレクトスポット溶接により接合する第2溶接工程をさらに備えた
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  3. 請求項2において、
    前記第2溶接工程を行った後に、前記第1溶接工程を行う
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1つにおいて、
    前記フランジ接合部は、前記所定方向に並ぶ複数のフランジ溶接点において溶接されるものであり、
    前記第3部材は、前記第1部材に対し、前記所定方向に並ぶ複数の溶接点において溶接されるものであり、
    隣り合う前記フランジ溶接点間の間隔は、隣り合う前記溶接点の間隔よりも狭い
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記第1部材及び前記第2部材は、車両のそれぞれサイドシルレイン及びサイドシルインナであり、
    前記第3部材は、キャブサイドアウタである
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1つにおいて、
    前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、ダイレクトスポット溶接により接合する第2溶接工程をさらに備え、
    前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に、切欠き部を有する板状の第4部材が配置されており、
    前記切欠き部が配置されている位置において、前記第1溶接工程を行い、
    前記切欠き部が配置されていない位置において、前記第2溶接工程を行う
    ことを特徴とするスポット溶接方法。
  7. 所定方向に延びる第1フランジ部を有する第1部材と、
    前記所定方向に延びる第2フランジ部を有し、該第2フランジ部が前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成することにより、前記第1部材とともに前記所定方向に延びる中空部を備えた構造体を形成する第2部材と、
    前記構造体の前記中空部における前記第1部材の外側面に接合される第3部材と、
    をスポット溶接により接合させるための装置であって、
    前記第1フランジ部に加圧接触される柱状の第1電極と、
    前記第1電極と同軸上に対向配置され、該第1電極との間で前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を挟持する柱状の第2電極と、
    前記第3部材の外側面における前記第3部材の前記第1部材との溶接点の位置に加圧接触される柱状の第3電極と、
    前記第2電極及び前記第3電極間を電気的に接続する第1回路と、
    を備え、
    前記第1電極は、前記第2電極及び前記第3電極から絶縁されており、
    前記第2電極又は前記第3電極は、アースされており、
    前記第1電極は、前記第1フランジ部の外側面におけるフランジ溶接点の位置に加圧接触され、
    前記第2電極は、前記第2フランジ部の外側面における前記フランジ溶接点の位置に加圧接触され、
    前記第1電極及び前記第2電極により前記フランジ溶接点の位置において前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を挟持するとともに、前記第3電極を前記溶接点の位置において該第3部材の外側面に加圧接触させた状態で、前記第1回路に通電することにより、前記フランジ溶接点において前記第1部材及び前記第2部材をスポット溶接すると同時に、前記溶接点において前記第1部材及び前記第3部材をスポット溶接するインダイレクトスポット溶接を行う
    ことを特徴とするスポット溶接装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1電極は、前記第3電極がアースされているときには、アースされている一方、前記第2電極がアースされているときは、アースされておらず、
    前記第1電極及び前記第2電極を電気的に接続する第2回路と、
    前記第1回路の電気的な接続と前記第2回路の電気的な接続とを切り替える切り替え装置と、
    を備え、
    前記第1回路の電気的な接続を切断するとともに、前記第2回路に通電することにより、前記フランジ溶接点におけるダイレクトスポット溶接を行い、
    前記切り替え装置により、前記第1回路の電気的な接続と前記第2回路の電気的な接続とを切り替えることにより、前記フランジ溶接点及び前記溶接点を同時に溶接するインダイレクトスポット溶接と、前記フランジ溶接点におけるダイレクトスポット溶接とを切り替え可能である
    ことを特徴とするスポット溶接装置。
  9. 請求項7又は請求項8において、
    前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極は、物理的に一体化されており、
    前記第3電極は、前記第1電極の軸心の周方向及び/又は径方向に移動可能に構成されている
    ことを特徴とするスポット溶接装置。
  10. 前後方向に延び、上下方向の両端に第1フランジ部を有するサイドシルレインと、
    前後方向に延び、前記第1フランジ部と接合されてフランジ接合部を形成する第2フランジ部を有し、前記サイドシルレインと接合された状態で内側に前後方向に延びる中空部を形成するサイドシルインナと、
    前記サイドシルレインの前記中空部の外側面に接合されたキャブサイドアウタと、
    を備えた車両であって、
    前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは、前後方向に一定の間隔で並ぶ複数のフランジ溶接点でスポット溶接されており、
    前記キャブサイドアウタは、前後方向に一定の間隔で並ぶ複数の溶接点で、前記サイドシルレインにスポット溶接されており、
    隣り合う前記フランジ溶接点間の間隔は、隣り合う前記溶接点間の間隔よりも狭い
    ことを特徴とする車両。
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