JP7349779B2 - 石英ガラスるつぼ - Google Patents
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Description
図1に、本発明に係る石英ガラスるつぼの一例(第1の実施態様)の概略断面図を示す。図1に示したように、本発明の石英ガラスるつぼ110は、底部12、湾曲部13、及び直胴部14からなる。直胴部14はるつぼ形状のうち略円筒形の部分を指す。直胴部14と底部12の間の領域を湾曲部13と称する。るつぼの底部12は、例えば、るつぼの外径の約3分の2以下の直径を有する部分と定義することができる。直胴部14の高さは、例えば、るつぼの高さのうち上部4分の3の部分と定義することもできるが、るつぼの形状により様々である。
図2に示した第2の実施態様において、石英ガラスるつぼ120は、外層20のうち直胴部14の一部において、失透容易層21及び低失透層22を有している。低失透層22は、失透容易層21に隣接し、失透容易層21から内層30までの位置に存在している。さらに、外層20のうち、失透容易層21及び低失透層22が存在しない部分は、中失透層23が存在している。
図3に示した第3の実施態様において、石英ガラスるつぼ130は、外層20のうち直胴部14の一部において、失透容易層21及び低失透層22を有している。さらに、直胴部14のうち失透容易層21及び低失透層22の存在する部分にも、低失透層22に隣接して中失透層23が存在している。また、石英ガラスるつぼ130では、中失透層23は失透容易層21及び低失透層22の存在しない部分にも存在している。
図4に示した第4の実施態様においても、第3の実施態様と同様に、石英ガラスるつぼ140は、外層20のうち直胴部14の一部において、失透容易層21及び低失透層22を有している。ただし、この第4の実施態様においては、失透容易層21と低失透層22の間に中失透層23を有している。この場合も、加熱により失透容易層21で失透が発生することにより石英ガラスるつぼ140の強度を高めることができる。また、失透容易層21において多量に発生する失透が中失透層23を通じて進行しても、少なくとも低失透層22によって失透の伝搬が抑制される。これにより、石英ガラスるつぼ140全体における失透の進みすぎを抑制することができる。
以下のようにして、図3に示したような石英ガラスるつぼ130を作製した。失透容易層21の形成のための原料粉(原料粉A)として、Alをドープした粒径50~500μmの天然石英粉からなる原料粉を準備した。Alをドープする前の原料粉(ベース原料粉)は、石英ガラスとした後に1600℃で24時間加熱した場合、失透斑点数が13個/cm3となる原料粉であった。このベース原料粉にAlをドープすることにより、Alドープ原料粉を石英ガラスとした後に1600℃で24時間加熱した場合の失透斑点数が50個/cm3以上70個/cm3 以下となるように、ドープ量を調整した。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、中失透層を最外層に配置し、失透容易層と低失透層をその内側に配置した。また、各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、低失透層22の層厚割合を22%とした。また、各層における失透斑点数及び失透容易層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、低失透層22の層厚割合を18%とした。また、各層における失透斑点数及び失透容易層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透状態は「良好」であり、実施例1より失透が進行したが、操業において問題とはならなかった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、失透容易層21の層厚割合を5%とした。また、各層における失透斑点数及び低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。実施例1より失透の進行が少なかったが、操業において問題となる変形は発生しなかった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、失透容易層21の層厚割合を35%とした。また、各層における失透斑点数及び低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。実施例1より失透が進行したが、操業において問題とはならなかった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、実施例1における中失透層23に相当する層を形成するための原料粉として、石英ガラスとした後に加熱により失透がより進みやすい原料粉を用いた。各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであり、実施例1における中失透層23に相当する層において、失透斑点数が12個であった。これは本発明における「中失透層」の範囲よりも高く、シリコン単結晶引き上げにおける加熱により、実施例1よりも失透が進行しやすい。製造した石英ガラスるつぼについて実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透状態は「良好」であり、実施例1より失透が進行した。ただし、操業において問題とはならなかった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、低失透層22の層厚割合を10%とした。また、各層における失透斑点数及び失透容易層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透状態は「良好」であり、実施例1より失透が進行した。低失透層22が薄いことによると考えられる。ただし、操業において問題とはならなかった。
実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、実施例1における中失透層23に相当する層を形成するための原料粉として、石英ガラスとした後に加熱により失透がより進みやすい原料粉を用いた。各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであり、実施例1における中失透層23に相当する層において、失透斑点数が15個であった。これは本発明における「中失透層」の範囲よりも高く、シリコン単結晶引き上げにおける加熱により、実施例1よりも失透が進行しやすい。製造した石英ガラスるつぼについて実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透状態は「良好」であり、実施例1より失透が進行したが、操業において問題とはならなかった。
図2に示した石英ガラスるつぼ120を作製した。原料粉としては、実施例1において用いた失透容易層21の形成のための原料粉(原料粉A)及び低失透層22の形成のための原料粉(原料粉B)、中失透層23の形成のための原料粉(原料粉C)並びに内層30形成用の原料粉を用いた。
外層において、低失透層で失透容易層を挟む構成を有する石英ガラスるつぼを作製した。原料粉としては、実施例1において用いた失透容易層21の形成のための原料粉(原料粉A)及び低失透層22の形成のための原料粉(原料粉B)並びに内層30形成用の原料粉を用いた。
実施例1の石英ガラスるつぼ130とは、外層20における各層の順番を入れ替えて、石英ガラスるつぼを製造した。すなわち、外層から、中失透層、低失透層、失透容易層の構成として石英ガラスるつぼを作製した。この場合、失透容易層が内層と接するため、内層においても失透が進みすぎてしまい、操業結果の評価はいずれも「不良」となった。
基本的に実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、図3の失透容易層21に相当する層の原料粉においてAlドープ濃度を少なくし、失透斑点数を50個/cm3未満となるように調整した。また、各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。耐変形性が「不良」であり、操業結果に影響があった。外層における失透が不十分であるためと考えられる。
基本的に実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、外層において、図3の失透容易層21に相当する層の原料粉においてAlドープ濃度を多くし、失透斑点数を70個/cm3を超えるように調整した。また、各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透容易層に相当する層による失透が発生しすぎたため、失透状態が「不良」となった。
比較例2と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、さらに、外層において、図3の低失透層22に相当する層(最外層から2つ目の層)の原料粉として中失透層となるような原料粉(ただし、最外層から3つ目の層よりも失透斑点数が少なくなるような原料粉)を用いた。また、各層における失透斑点数及び失透容易層・低失透層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。耐変形性が「不良」であり、操業結果に影響があった。外層における失透が不十分であるためと考えられる。失透状態は「良好」であり、実施例1より失透が進行した。
比較例3と同様に石英ガラスるつぼを製造したが、さらに、外層において、図3の低失透層22に相当する層(最外層から2つ目の層)の原料粉として中失透層となるような原料粉(ただし、最外層から3つ目の層よりも失透斑点数が少なくなるような原料粉)を用いた。また、各層における失透斑点数及び失透容易層の層厚割合は表2に記載の通りであった。実施例1と同様に操業結果を評価し、表2に示した通りとなった。失透容易層に相当する層による失透が発生しすぎたため、失透状態が「不良」となった。
図5に示したような構成を有する石英ガラスるつぼ200を製造した。この石英ガラスるつぼ200は、外層220が全て中失透層223で構成されており、その外層220上に内層230が形成されている。原料粉としては、実施例1の石英ガラスるつぼ130において用いた中失透層23の形成のための原料粉及び内層30形成用の原料粉を用いた。
図6に示したような構成を有する石英ガラスるつぼ300を製造した。この石英ガラスるつぼ300は、外層220において、失透容易層221及び中失透層223で構成されており、その外層220上に内層230が形成されている。低失透層は有していない。原料粉としては、実施例1の石英ガラスるつぼ130において用いた失透容易層21の形成のための原料粉及び中失透層23の形成のための原料粉並びに内層30形成用の原料粉を用いた。
12…底部、 13…湾曲部、 14…直胴部、
20…外層、 21…失透容易層、 22…低失透層、 23…中失透層、
30…内層、
200、300…石英ガラスるつぼ、
220…外層、 221…失透容易層、 223…中失透層、
230…内層。
Claims (4)
- 底部、湾曲部及び直胴部からなる石英ガラスるつぼであって、
気泡を含有する不透明石英ガラスからなる外層と、透明石英ガラスからなる内層とを有し、
前記外層は、少なくとも前記直胴部の一部において、複数層から構成されており、
前記複数層から構成される外層のうち、全ての層において、前記石英ガラスるつぼを1600℃で24時間加熱した際の失透斑点数が70個/cm 3 以下であり、
前記複数層のうち、少なくとも1層が、前記石英ガラスるつぼを1600℃で24時間加熱した際の失透斑点数が50個/cm3以上70個/cm3以下である失透容易層であり、
前記複数層のうち、前記石英ガラスるつぼの肉厚方向において、前記失透容易層の内側に位置する層が、前記石英ガラスるつぼを1600℃で24時間加熱した際の失透斑点数が2個/cm3以下である低失透層であり、
前記失透容易層の厚さが、前記石英ガラスるつぼの肉厚の5%以上35%以下であり、
前記低失透層の厚さが、前記石英ガラスるつぼの肉厚の20%以上70%以下であり、
前記失透容易層は、前記低失透層よりも内側に位置しないものであることを特徴とする石英ガラスるつぼ。 - 前記複数層からなる外層は、前記失透容易層及び前記低失透層以外の層として、前記石英ガラスるつぼを1600℃で24時間加熱した際の失透斑点数が2個/cm3を超え10個/cm3以下である中失透層を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスるつぼ。
- 前記外層の前記複数層のうち、最外層が前記失透容易層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の石英ガラスるつぼ。
- 前記外層は天然石英ガラスからなり、前記内層は合成石英ガラスからなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の石英ガラスるつぼ。
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