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JP7355082B2 - 試験方法および製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体装置の試験方法および製造方法に関する。
従来、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体装置を収容した半導体モジュールが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1 特開2021-16246号公報
半導体モジュールの状態で検出される不良の割合を低減できることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、半導体装置を試験する試験方法を提供する。半導体装置は、メイントランジスタ部およびメインダイオード部を含むメイン素子部と、電流検出用のセンストランジスタ部とが設けられてよい。試験方法は、チップまたはウエハの状態の半導体装置において、センストランジスタ部をダイオード動作させる素子動作段階を備えてよい。試験方法は、ダイオード動作しているセンストランジスタ部の主端子間の電圧と主端子に流れる電流との関係を示す電圧-電流特性を測定する素子測定段階を備えてよい。試験方法は、電圧-電流特性に基づいて、半導体装置の良否を判定する素子判定段階を備えてよい。
素子測定段階において、メイン素子部の主端子の少なくとも一つを開放にした状態で、電圧-電流特性を測定してよい。
素子動作段階において、メイン素子部の定格電流よりも小さい第1の試験電流を、センストランジスタ部に流してよい。
素子判定段階では、電圧-電流特性と、参照特性とを比較して半導体装置の良否を判定してよい。素子判定段階において、半導体装置の構造に基づいて、電圧-電流特性および参照特性の少なくとも一方を補正してよい。
試験方法は、半導体装置を組み込んだ半導体モジュールにおいて、メイン素子部の主端子と、センストランジスタ部の主端子との間に電流測定用抵抗を接続した状態でメイン素子部に電流を流した場合に、電流測定用抵抗における降下電圧を取得するモジュール特性取得段階を備えてよい。試験方法は、降下電圧と、電圧-電流特性との相関を取得する相関取得段階を備えてよい。素子判定段階では、電圧-電流特性と、相関に応じて決定した参照特性とを比較して半導体装置の良否を判定してよい。
試験方法は、素子判定段階において良品と判定された半導体装置を組み込んだ半導体モジュールにおいて、メイン素子部の主端子と、センストランジスタ部の主端子との間に電流測定用抵抗を接続した状態でメイン素子部に第2の試験電流を流すモジュール動作段階を備えてよい。試験方法は、メイン素子部に第2の試験電流を流した場合の電流測定用抵抗における降下電圧を測定するモジュール測定段階を備えてよい。試験方法は、降下電圧に基づいて半導体モジュールの良否を判定するモジュール判定段階を備えてよい。
素子動作段階において、センストランジスタ部の主端子間に印加する電圧を、4V以上、6V以下に設定してよい。
本発明の第2の態様においては、半導体装置が組み込まれた半導体モジュールを製造する製造方法を提供する。製造方法は、第1の態様に係る試験方法により半導体装置を試験する素子試験段階を備えてよい。製造方法は、素子試験段階において良品と判定された半導体装置を用いて半導体モジュールを製造するモジュール製造段階を備えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
試験対象の半導体装置100の概要を説明する斜視断面図である。 半導体装置100を組み込んだ半導体モジュール200の概要を説明する回路図である。 複数の半導体モジュール200について、降下電圧Vesを測定した結果を示す図である。 本発明の一つの実施形態に係る、半導体装置100の試験方法を説明する図である。 素子動作段階S402および素子測定段階S404の一例を説明する図である。 複数の半導体装置100における、センストランジスタ部110の電圧-電流特性の測定例を示す図である。 半導体モジュール200の製造方法の概要を説明する図である。 素子試験の他の例を示す図である。 モジュール試験段階S710で行う試験項目の一例を説明する図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書においては半導体基板(または半導体装置)の深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。基板、層またはその他の部材の2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」の方向は、重力方向または半導体装置の実装時における方向に限定されない。
本明細書において「同一」または「等しい」のように称した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も含んでよい。当該誤差は、例えば10%以内である。
図1は、試験対象の半導体装置100の概要を説明する斜視断面図である。図1においては、半導体装置100の部分的な斜視断面図を示している。半導体装置100は、半導体基板10にトランジスタ等の半導体素子が形成された装置である。半導体基板10は、シリコン等の半導体材料で形成された基板である。半導体装置100は、複数のチップが形成されたウエハの状態であってよく、ウエハから切り出されたチップの状態であってもよい。半導体装置100は、半導体基板10の上面21および下面23に設けられた絶縁膜および電極等を備えるが、図1では半導体基板10以外の構造を省略している。図1においては、半導体基板10の上面21と平行な面内において直交する2つの軸をx軸およびy軸とする。また上面21と垂直な軸をz軸とする。本明細書では、z軸の方向を深さ方向と称する場合がある。
本例の半導体装置100は、メイン素子部150およびセンストランジスタ部110を備える。メイン素子部150は、メイントランジスタ部70およびメインダイオード部80を含む。メイントランジスタ部70は、例えばIGBT素子を含むが、他のトランジスタを含んでもよい。メインダイオード部80は、メイントランジスタ部70と逆並列に設けられた環流ダイオードを含む。本例の半導体装置100は、いわゆる逆導通IGBT(RC-IGBT)である。
センストランジスタ部110は、メイン素子部150に流れる電流を検出するために設けられている。センストランジスタ部110は、メイントランジスタ部70と同様の構造を有し、メイントランジスタ部70と同様の制御信号(例えばゲート電圧)が入力される。ただしxy面においてセンストランジスタ部110が占める面積は、メイントランジスタ部70が占める面積より小さい。センストランジスタ部110の面積は、メイントランジスタ部70の面積の1%以下であってよく、0.1%以下であってもよい。センストランジスタ部110に流れる電流の大きさは、メイントランジスタ部70に流れる電流の大きさに、上述した面積比に応じた値を乗じた大きさになる。このため、センストランジスタ部110に流れる電流を測定することで、メイントランジスタ部70に流れる電流の大きさを推定できる。
本例の半導体装置100は、境界部120および分離部130を更に備えている。境界部120は、xy面においてメイントランジスタ部70、メインダイオード部80およびセンストランジスタ部110の端部に設けられている。また、分離部130は、xy面において、センストランジスタ部110と、メイン素子部150との間に配置されている。
半導体基板10は、N-型のドリフト領域18を有する。ドリフト領域18は、メイン素子部150、センストランジスタ部110、分離部130および境界部120のそれぞれに設けられている。
半導体基板10の上面21側には、1つ以上のゲートトレンチ部40および1つ以上のダミートレンチ部30が設けられている。本明細書では、ゲートトレンチ部40およびダミートレンチ部30をトレンチ部と称する場合がある。トレンチ部の内部には、ポリシリコン等の導電部材と、導電部材と半導体基板10とを絶縁する絶縁膜とが設けられる。ゲートトレンチ部40は、半導体基板10の上面21の上方に配置されたゲート電極と電気的に接続される。ゲートトレンチ部40はゲート電圧が印加されてゲート電極として機能する。ダミートレンチ部30にはゲート電圧が印加されず、ゲート電極として機能しない。ダミートレンチ部30には、後述するエミッタ電極が接続されてよい。それぞれのトレンチ部は、半導体基板10の上面21からドリフト領域18まで深さ方向に設けられている。
複数のトレンチ部は、所定の配列方向に沿って、所定の間隔で配置されている。図1の例では、x軸と平行な方向に沿って、複数のトレンチ部が配列されている。またトレンチ部は、半導体基板10の上面21において、所定の方向に延伸している。図1の例では、y軸と平行な方向にトレンチ部が延伸している。
メイントランジスタ部70およびメインダイオード部80のそれぞれは、複数のトレンチ部を有する。本例のメイントランジスタ部70には、配列方向に沿って1以上のゲートトレンチ部40と、1以上のダミートレンチ部30とが交互に設けられている。ただし、メイントランジスタ部70におけるトレンチ部の配列はこれに限定されない。本例のメインダイオード部80には、複数のダミートレンチ部30が、配列方向に沿って設けられている。本例のメインダイオード部80には、ゲートトレンチ部40が設けられていない。
配列方向において各トレンチ部の間には、メサ部が設けられている。本例のメサ部は、半導体基板10の上面において、トレンチに沿ってy軸方向に延伸して設けられている。メイントランジスタ部70のメサ部には、N+型のエミッタ領域12およびP型のベース領域14が、半導体基板10の上面21側から順番に設けられている。エミッタ領域12は、ドリフト領域18よりもドーピング濃度が高い。ベース領域14の下方にはドリフト領域18が設けられている。
エミッタ領域12は半導体基板10の上面21に露出しており、且つ、xy面においてトレンチ部と接して設けられている。ベース領域14は、エミッタ領域12の下方に設けられ、且つ、xy面においてトレンチ部と接して設けられている。エミッタ領域12およびベース領域14は、半導体基板10の上面21の上方に設けられたエミッタ電極と電気的に接続される。ベース領域14は、半導体基板10の上面21に設けられたP+型のコンタクト領域15を介して、エミッタ電極と接続されてよい。コンタクト領域15のドーピング濃度は、ベース領域14のドーピング濃度よりも高い。半導体基板10の上面21において、エミッタ領域12とコンタクト領域15とがy軸方向に沿って交互に配置されてよい。
メインダイオード部80のメサ部には、半導体基板10の上面21に接して、P型のベース領域14が設けられている。ベース領域14の下方には、ドリフト領域18が設けられている。
各トレンチ部は、半導体基板10の上面21から、ベース領域14を貫通して、ドリフト領域18に到達している。エミッタ領域12が設けられている領域においては、各トレンチ部はエミッタ領域12も貫通していてよい。ゲートトレンチ部40に所定のゲート電圧が印加されると、ベース領域14のうちゲートトレンチ部40に接する界面の表層に電子の反転層によるチャネルが形成される。当該チャネルによりエミッタ領域12とドリフト領域18との間で電流が流れる。
メイントランジスタ部70において、半導体基板10の下面23と接する領域には、P+型のコレクタ領域22が設けられる。コレクタ領域22のドーピング濃度は、ベース領域14のドーピング濃度より高い。
メインダイオード部80において、半導体基板10の下面23と接する領域には、N+型のカソード領域82が設けられる。カソード領域82のドーピング濃度は、ドリフト領域18のドーピング濃度より高い。コレクタ領域22およびカソード領域82は、半導体基板10の下面23に設けられたコレクタ電極と接続する。上述したゲート電極、エミッタ電極およびコレクタ電極は、アルミニウム等の金属材料で形成されてよい。
センストランジスタ部110は、メイントランジスタ部70と同様の構造を有する。ただし、センストランジスタ部110には、ダミートレンチ部30が設けられていなくてもよい。またセンストランジスタ部110の上方には、エミッタ電極に代えてセンス電極が設けられる。センス電極はエミッタ電極と同様の機能および構造を有し、且つ、エミッタ電極とは分離して設けられる。
境界部120には、1つ以上のトレンチ部が設けられる。境界部120に設けられるトレンチ部は、ダミートレンチ部30であってよく、ゲートトレンチ部40であってよく、ダミートレンチ部30およびゲートトレンチ部40の両方であってもよい。本例の境界部120のメサ部には、コンタクト領域15と、ベース領域14とが設けられる。コンタクト領域15は上面21に露出している。ベース領域14は、コンタクト領域15とドリフト領域18との間に設けられる。境界部120には、半導体基板10の下面23に接するコレクタ領域22が設けられてよい。
分離部130には、P+型のウェル領域11が設けられる。ウェル領域11は、ベース領域14よりもドーピング濃度が高い。またウェル領域11は、半導体基板10の上面21から、トレンチ部よりも深い位置まで設けられる。分離部130には、xy面内においてウェル領域11に挟まれたベース領域14が設けられてもよい。分離部130を設けることで、センストランジスタ部110とメイン素子部150との間におけるキャリアの移動を抑制する。
図2は、半導体装置100を組み込んだ半導体モジュール200の概要を説明する回路図である。半導体モジュール200は、半導体装置100を収容する樹脂ケースを有してよい。樹脂ケースには、半導体装置100と接続する配線パターン、端子および電気素子が収容されてよい。
図1において説明したように、半導体装置100はメイントランジスタ部70、メインダイオード部80およびセンストランジスタ部110を備える。メイントランジスタ部70およびメインダイオード部80は逆並列に接続されている。つまり、メイントランジスタ部70のエミッタと、メインダイオード部80のアノードが接続され、メイントランジスタ部70のコレクタと、メインダイオード部80のカソードが接続される。図2においては、半導体装置100のエミッタ電極を端子Eで示し、コレクタ電極を端子Cで示し、ゲート電極を端子Gで示し、センス電極を端子Sで示している。
本例の半導体モジュール200は、端子Cに接続される端子P、端子Eに接続される端子N、および、端子Gに接続される端子CTを有する。また半導体モジュール200は、これらの端子を接続する配線を有する。また本例の半導体モジュール200は、電流検出用の抵抗210を有する。抵抗210は、端子Nと端子Sとの間に接続される。抵抗210における降下電圧Vesを測定することで、センストランジスタ部110に流れる電流の大きさを検出できる。抵抗210の抵抗値は、例えば100Ω以上である。
半導体モジュール200の試験として、メイン素子部150をダイオード動作させたときの降下電圧Vesを検出する項目が考えられる。メイン素子部150のダイオード動作とは、メイントランジスタ部70およびセンストランジスタ部110をオフ状態にして、メインダイオード部80に対して順方向に所定の電流を流すことを指す。本例の試験では、第2の試験電流I2をメインダイオード部80に流している。第2の試験電流I2は、例えばダイオード動作時における半導体装置100の定格電流である。
センストランジスタ部110をオフ状態に制御しているので、センストランジスタ部110におけるエミッタ領域12とコレクタ領域22との間には電流が流れない。図1の電流経路91に示すように、センストランジスタ部110におけるベース領域14と、メインダイオード部80のカソード領域82とがダイオード動作することで電流が流れうるが、電流経路91は非常に長いので、当該電流はほとんど流れない。従って、降下電圧Vesは、ほとんど発生しない。
一方で、センストランジスタ部110の近傍のコレクタ領域22にN型の欠陥93(図1参照)が形成されると、センストランジスタ部110におけるベース領域14と欠陥93とがダイオード動作して電流が流れる。センストランジスタ部110のベース領域14と欠陥93との間の電流経路92は、電流経路91よりも短い。このため、電流経路92における電流が比較的に大きくなり、降下電圧Vesが大きくなる。欠陥93は、N型のドナーが誤って注入された領域であってよく、コレクタ領域22が欠損することでドリフト領域18が残留した部分であってもよい。欠陥93は、他の原因により、センストランジスタ部110のベース領域14との間で電流が流れる部分であってもよい。
図3は、複数の半導体モジュール200について、降下電圧Vesを測定した結果を示す図である。図3における横軸は半導体モジュール200のロットを示し、縦軸は降下電圧Vesを示している。
半導体モジュール200の試験においては、メイン素子部150をダイオード動作させたときの降下電圧Vesが所定の基準値Vrefを超えた場合に、半導体モジュール200を不良品と判定してスクリーニングする場合がある。しかし、半導体モジュール200の状態で不良品をスクリーニングすると、それまでの製造コストが無駄になってしまう。このため、欠陥93のような部分を有する半導体装置100を、半導体モジュール200に組み込む前にスクリーニングできることが好ましい。
図4は、本発明の一つの実施形態に係る、半導体装置100の試験方法を説明する図である。本明細書では、半導体装置100の試験を素子試験または素子試験段階と称する場合がある。本例の試験方法は、素子動作段階S402、素子測定段階S404および素子判定段階S406を備える。
図5は、素子動作段階S402および素子測定段階S404の一例を説明する図である。本例の素子動作段階S402では、チップまたはウエハ状態の半導体装置100において、センストランジスタ部110をダイオード動作させる。チップ状態とは、複数の半導体装置100が形成された半導体ウエハから半導体装置100が切り出されて個片化したチップの状態であり、且つ、半導体モジュール200に組み込まれていない状態を指す。またウエハ状態とは、半導体ウエハに設けられた半導体装置100が半導体ウエハから切り出されていない状態を指す。半導体ウエハには半導体装置100が複数形成される。チップ状態およびウエハ状態のいずれにおいても、それぞれの半導体装置100は、図1において説明した構造を有する。半導体装置100には、エミッタ電極、コレクタ電極、ゲート電極およびセンス電極等の各電極が設けられている。
また、センストランジスタ部110をダイオード動作させるとは、センストランジスタ部110をオフ状態に制御するゲート電圧を印加して、センス電極(端子S)からコレクタ電極(端子C)に所定の電流を流すことを指す。図5の例では、第1の試験電流I1をセンストランジスタ部110に流している。
図1に示すように、欠陥93が無い半導体装置100のセンストランジスタ部110をダイオード動作させると、電流経路91に沿って電流が流れる。一方で、欠陥93が存在する半導体装置100のセンストランジスタ部110をダイオード動作させると、電流経路92に沿って電流が流れる。欠陥93の有無および欠陥93の位置に応じて電流経路の長さが変化するので、センストランジスタ部110のダイオード特性も変動する。このため、センストランジスタ部110のダイオード特性を測定することで、半導体モジュール200における降下電圧Vesを測定するのと同様に、欠陥93の有無等を判別する試験を実施できる。ダイオード特性とは、例えばセンストランジスタ部110の主端子間の電圧(Vsc)と、主端子に流れる電流(I1)との関係を示す電圧-電流特性である。センストランジスタ部110の主端子とは、センス電極(端子S)およびコレクタ電極(端子C)である。
素子測定段階S404においては、当該電圧-電流特性を測定する。素子測定段階S404においては、1つの電圧(Vsc)に対する電流(I1)を測定してよく、複数の電圧(Vsc)のそれぞれに対する電流(I1)を測定してもよい。
素子動作段階S402においては、メイン素子部150の主端子の少なくとも一つを開放にした状態で、センストランジスタ部110の電圧-電流特性を測定することが好ましい。本例においては、E端子(エミッタ電極)を開放状態にしている。これにより、メイン素子部150を動作させずに、センストランジスタ部110の電圧-電流特性を精度よく測定できる。
図6は、複数の半導体装置100における、センストランジスタ部110の電圧-電流特性の測定例を示す図である。上述したように、欠陥93の有無、および、欠陥93の位置等に応じて、センストランジスタ部110の電圧-電流特性は変化する。
素子判定段階S406では、センストランジスタ部110の電圧-電流特性に基づいて、半導体装置100の良否を判定する。素子判定段階S406では、予め設定される参照特性と、測定した電圧-電流特性とを比較することで、半導体装置100の良否を判定してよい。
例えば素子判定段階S406では、センストランジスタ部110の主端子間に所定の試験電圧Vtが印加されたときの、第1の試験電流I1に基づいて、それぞれの半導体装置100の良否を判定する。試験電圧Vtおよび第1の試験電流I1の組み合わせが、電圧-電流特性に相当する。素子判定段階S406では、試験電圧Vtを印加したときの第1の試験電流I1が所定の閾値電流Itを超えている場合に、半導体装置100を不良と判定してよい。閾値電流Itが上述した参照特性に相当する。
閾値電流Itは、降下電圧Vesを用いた試験で不良品と判定される半導体装置100の電圧-電流特性(Ves:NG)と、降下電圧Vesを用いた試験で良品と判定される半導体装置100の電圧-電流特性(Ves:OK)とを区別できるように設定することが好ましい。
降下電圧Vesを用いて試験で不良品と判定される半導体装置100は、良品と判定される半導体装置100に比べて第1の試験電流I1が流れやすい。このため、不良品のセンストランジスタ部110の電圧-電流特性は、良品のセンストランジスタ部110の電圧-電流特性に比べて、上側(電流が大きくなる方向)にシフトする。このため、閾値電流Itを適切に設定することで、降下電圧Vesを用いた試験と同様に、欠陥93の有無および位置等に応じた不良を検出できる。
また、閾値電流Itは、半導体モジュール200の試験において用いられるべき基準値Vrefに対応する値に設定してもよい。基準値Vrefは、半導体モジュール200に対して要求される仕様値であってよい。閾値電流Itを小さくすると、電圧-電流特性を用いた試験で不良品と判定される割合が高くなる。同様に、基準値Vrefを小さくすると、降下電圧Vesを用いた試験で不良品と判定される割合が高くなる。降下電圧Vesと基準値Vrefとを比較した試験における不良品の割合と、電圧-電流特性を用いた試験で不良品と判定される割合とが一致するように、閾値電流Itが設定されてよい。基準値Vrefと閾値電流Itとの関係は、実験またはシミュレーション等により予め取得しておくことが好ましい。
図1から図6において説明したようにチップまたはウエハ状態の半導体装置100に対して、センストランジスタ部110の電圧-電流特性を用いて試験することで、チップまたはウエハ状態で半導体装置100を予めスクリーニングできる。このため半導体モジュール200における不良品率を低減でき、製造コストを低減できる。また、センストランジスタ部110の電圧-電流特性を用いた試験により、半導体モジュール200の降下電圧Vesを用いた試験を代替できる。半導体モジュール200の降下電圧Vesを用いた試験は実施してよく、省略してもよい。
なお、第1の試験電流I1は、メイン素子部150の定格電流よりも小さくてよい。メイン素子部150の定格電流は、メイン素子部150をダイオード動作させたときの定格電流であってよい。メイン素子部150の定格電流より小さい第1の試験電流I1であっても、センストランジスタ部110の電圧-電流特性は測定できる。素子動作段階S402および素子測定段階S404においては、半導体装置100のC端子およびS端子に試験用のプローブを直接的に接触させて、電圧および電流を印加することが考えられる。本例では比較的に小さい第1の試験電流I1を用いるので、半導体装置100の端子と試験用のプローブとの接触抵抗が高くても、半導体装置100に電流を供給しやすい。第1の試験電流I1は、メイン素子部150の定格電流の半分以下であってよく、1/10以下であってもよい。第1の試験電流I1は、第2の試験電流I2の半分以下であってよく、1/10以下であってもよい。
図7は、半導体モジュール200の製造方法の概要を説明する図である。本例の製造方法は、素子形成段階S702、ダイシング段階S704、チップ試験段階S706、モジュール製造段階S708およびモジュール試験段階S710を備える。
素子形成段階S702においては、ウエハ状態の半導体基板に、複数の半導体装置100を形成する。素子形成段階S702においては、ウエハ状態の半導体装置100を試験してもよい。素子形成段階S702においては、図4から図6において説明した素子試験を行ってよく、他の試験を行ってもよい。
ダイシング段階S704においては、複数の半導体装置100をウエハから切り出して個片化(チップ化)する。ダイシング段階S704においては、ウエハに対するテープ貼付等の処理を行ってよい。また、ダイシング段階S704においては、ウエハ状態での試験で不良品と判定された半導体装置100を分別してよい。
チップ試験段階S706では、チップ状態の半導体装置100を試験する。チップ試験段階S706では、図4から図6において説明した素子試験を行ってよく、他の試験を行ってもよい。ただし、素子形成段階S702およびチップ試験段階S706の少なくとも一方においては、図4から図6において説明した素子試験を行う。チップ試験段階S706には、半導体装置100の外観試験が含まれていてもよい。
モジュール製造段階S708では、チップ試験段階S706までの各試験で良品と判定された半導体装置100を用いて、半導体モジュール200を製造する。半導体モジュール200は、1つ以上の半導体装置100と、半導体装置100に接続される配線、端子および電気素子等と、半導体装置100、配線、端子、電気素子等を収容する樹脂ケースとを備えてよい。
モジュール試験段階S710では、半導体モジュール200を試験する。モジュール試験段階S710では、図2および図3において説明した試験を行ってよく、他の試験を行ってもよい。モジュール試験段階S710で良品と判定された半導体モジュール200が出荷されてよい。
本例では、素子形成段階S702およびチップ試験段階S706の少なくとも一方において、図4から図6において説明した素子試験を行う。このため、モジュール試験段階S710において不良品となる半導体モジュール200の割合を低減し、製造コストを低減できる。また、モジュール試験段階S710において図2および図3で説明した試験を省略することもできる。
図8は、素子試験の他の例を示す図である。本例の素子試験は、図4において説明した例に対して、モジュール特性取得段階S802および相関取得段階S804を更に備える。相関取得段階S804の後に、図4において説明した素子動作段階S402以降の処理を行ってよい。
モジュール特性取得段階S802では、半導体装置100を半導体モジュール200に組み込んだ場合の、図2において説明した降下電圧Vesに関する情報を取得する。つまり、メイン素子部150の主端子(本例では端子E)と、センストランジスタ部110の主端子(本例では端子S)との間に電流測定用の抵抗210を接続した状態で、メイン素子部150に試験電流I2を流した場合の降下電圧Vesを測定する。モジュール特性取得段階S802では、試験対象の半導体装置100と同一の構造を有する参照用の半導体装置を、半導体モジュール200と同一の構造を有する参照用の半導体モジュールに組み込んで、降下電圧Vesを測定してよい。モジュール特性取得段階S802では、複数の参照用半導体装置のそれぞれについて降下電圧Vesを測定してよい。モジュール特性取得段階S802では、欠陥93を形成した参照用半導体装置と、欠陥93を形成していない参照用半導体装置のそれぞれについて、降下電圧Vesを測定してよい。
相関取得段階S804では、降下電圧Vesと、センストランジスタ部110の電圧-電流特性との相関を取得する。相関取得段階S804では、モジュール特性取得段階S802で用いる参照用の半導体装置の電圧-電流特性を予め測定して、モジュール特性取得段階S802で測定した降下電圧Vesとの相関を取得してよい。
例えば相関取得段階S804では、図6に示したように、降下電圧Vesが所定の基準値を満たす(Ves:OK)参照用の半導体装置の電圧-電流特性と、降下電圧Vesが所定の基準値を満たさない(Ves:NG)参照用の半導体装置の電圧-電流特性とを分別してよい。
素子動作段階S402以降では、図4において説明した例と同様に、試験対象の半導体装置100を試験する。ただし素子判定段階S406では、相関取得段階S804において取得した相関に基づいて、半導体装置100の良否を判定する。上述したように素子判定段階S406では、センストランジスタ部110の電圧-電流特性と、所定の参照特性(例えば図6における閾値電流It)とを比較して半導体装置100の良否を判定する。本例の素子判定段階S406では、上述した相関に基づいて閾値電流Itを設定する。素子判定段階S406では、図6に示したように、降下電圧Vesが所定の基準値を満たす(Ves:OK)電圧-電流特性と、降下電圧Vesが所定の基準値を満たさない(Ves:NG)電圧-電流特性とを区別できるように、閾値電流Itを設定する。つまり閾値電流Itの大きさは、良品(Ves:OK)の電圧-電流特性における試験電圧Vtに対する電流より大きく、不良品(Ves:NG)の電圧-電流特性における試験電圧Vtに対する電流より小さい。これにより、降下電圧Vesを用いた試験と同様の結果を、電圧電流特性を用いた試験で得ることができる。
図4から図8において説明した素子動作段階S402および素子測定段階S404において、センストランジスタ部110の主端子間に印加する試験電圧Vtは、4V以上、6V以下であってよい。図6に示すように、試験電圧Vtが大きいほど、良品(Ves:OK)の電圧-電流特性と、不良品(Ves:NG)の電圧-電流特性との電流値の乖離が大きくなる。このため、試験電圧Vtを大きくすることで、良否を判定するための閾値電流Itを設定しやすくなり、また、良否の判定精度が向上する。試験電圧Vtは、4V以上であってよく、4.5V以上であってもよい。一方で、試験電圧Vtおよび第1の試験電流I1が大きくなると、半導体装置100の端子と試験用プローブとの接触部分における発熱が大きくなってしまう。試験電圧Vtは、6V以下であってよく、5.5V以下であってもよい。
また、素子判定段階S406においては、半導体装置100の構造に基づいて、センストランジスタ部110の電圧-電流特性および参照特性(例えば閾値電流It)の少なくとも一方を補正してよい。一例として素子判定段階S406においては、半導体装置100のロット毎に、閾値電流Itを補正してよい。図6に示した電圧-電流特性は、半導体装置100の構造を示す構造パラメータに応じて変動する。構造パラメータは、例えば半導体基板10の厚み、ベース領域14、ドリフト領域18等の各領域のドーピング濃度等である。構造パラメータは、センストランジスタ部110がダイオード動作するときの電流経路の抵抗値に影響を与えるパラメータであってよい。電流経路の抵抗値が変動すると、電圧-電流特性が変動する。
素子判定段階S406においては、半導体装置100の各ロットにおける構造パラメータの値を取得してよい。当該値は、ロット内における平均値であってよい。素子判定段階S406では、当該ロットの構造パラメータの値に基づいて、当該ロットに属する半導体装置100に対する閾値電流Itを補正してよい。構造パラメータの値と、用いるべき閾値電流Itの値との関係は、予め実験的に取得してよく、シミュレーション等により取得してもよい。また、閾値電流Itを補正するのに代えて、電圧-電流特性を補正することでも、同様の効果が得られる。
図9は、モジュール試験段階S710で行う試験項目の一例を説明する図である。本例のモジュール試験段階S710では、図2および図3において説明した試験を行う。本例のモジュール試験段階S710は、モジュール動作段階S902、モジュール測定段階S904、および、モジュール判定段階S906を備える。
モジュール動作段階S902では、素子判定段階S406において良品と判定された半導体装置100を組み込んだ半導体モジュール200を、図2において説明したように動作させる。つまりモジュール動作段階S902では、メイン素子部150の主端子(本例では端子E)と、センストランジスタ部110の主端子(本例では端子S)との間に電流測定用の抵抗210を接続した状態で、メイン素子部150に第2の試験電流I2を流す。図2において説明したように、モジュール動作段階S902およびモジュール測定段階S904では、メイントランジスタ部70およびセンストランジスタ部110はオフ状態に制御される。また第2の試験電流I2は、メインダイオード部80に対して順方向の電流である。
モジュール測定段階S904では、メイン素子部150に第2の試験電流I2を流した場合の抵抗210における降下電圧Vesを測定する。半導体モジュール200は、抵抗210の両端間の電圧を測定するための端子を有してよい。
モジュール判定段階S906では、降下電圧Vesに基づいて半導体モジュール200の良否を判定する。モジュール判定段階S906では、図3において説明したように、降下電圧Vesが所定の基準値Vrefを超えるか否かに基づいて、半導体モジュール200の良否を判定してよい。モジュール判定段階S906で良品と判定された半導体モジュール200が出荷されてよい。図1から図8において説明したように、ウエハ状態またはチップ状態の半導体装置100に対して、センストランジスタ部110の電圧-電流特性を用いた試験を行うことで、半導体モジュール200における降下電圧Vesを用いた試験と同等の試験を予め実施できる。このため、モジュール判定段階S906において不良と判定される半導体モジュール200の割合を低減し、製造コストを低減できる。
図4または図8において説明した素子試験においては、複数の半導体装置100を並列に試験してよい。例えばウエハ状態の複数の半導体装置100のそれぞれに対して測定用のプローブを接触させて、素子試験を行ってよい。素子試験においては比較的に小さい第1の試験電流I1を用いるので、複数の半導体装置100を並列に試験することが比較的に容易である。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10・・・半導体基板、11・・・ウェル領域、12・・・エミッタ領域、14・・・ベース領域、15・・・コンタクト領域、18・・・ドリフト領域、21・・・上面、22・・・コレクタ領域、23・・・下面、30・・・ダミートレンチ部、40・・・ゲートトレンチ部、70・・・メイントランジスタ部、80・・・メインダイオード部、82・・・カソード領域、91、92・・・電流経路、93・・・欠陥、100・・・半導体装置、110・・・センストランジスタ部、120・・・境界部、130・・・分離部、150・・・メイン素子部、200・・・半導体モジュール、210・・・抵抗

Claims (8)

  1. メイントランジスタ部およびメインダイオード部を含むメイン素子部と、電流検出用のセンストランジスタ部とが設けられた半導体装置を試験する試験方法であって、
    チップまたはウエハの状態の前記半導体装置において、前記センストランジスタ部をダイオード動作させる素子動作段階と、
    前記ダイオード動作している前記センストランジスタ部の主端子間の電圧と主端子に流れる電流との関係を示す電圧-電流特性を測定する素子測定段階と、
    前記電圧-電流特性に基づいて、前記半導体装置の良否を判定する素子判定段階と
    を備える試験方法。
  2. 前記素子測定段階において、前記メイン素子部の主端子の少なくとも一つを開放にした状態で、前記電圧-電流特性を測定する
    請求項1に記載の試験方法。
  3. 前記素子動作段階において、前記メイン素子部の定格電流よりも小さい第1の試験電流を、前記センストランジスタ部に流す
    請求項1または2に記載の試験方法。
  4. 前記素子判定段階では、前記電圧-電流特性と、参照特性とを比較して前記半導体装置の良否を判定し、
    前記素子判定段階において、前記半導体装置の構造に基づいて、前記電圧-電流特性および前記参照特性の少なくとも一方を補正する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の試験方法。
  5. 前記半導体装置を組み込んだ半導体モジュールにおいて、前記メイン素子部の主端子と、前記センストランジスタ部の主端子との間に電流測定用抵抗を接続した状態で前記メイン素子部に電流を流した場合に、前記電流測定用抵抗における降下電圧を取得するモジュール特性取得段階と、
    前記降下電圧と、前記電圧-電流特性との相関を取得する相関取得段階と
    を更に備え、
    前記素子判定段階では、前記電圧-電流特性と、前記相関に応じて決定した参照特性とを比較して前記半導体装置の良否を判定する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の試験方法。
  6. 前記素子判定段階において良品と判定された前記半導体装置を組み込んだ半導体モジュールにおいて、前記メイン素子部の主端子と、前記センストランジスタ部の主端子との間に電流測定用抵抗を接続した状態で前記メイン素子部に第2の試験電流を流すモジュール動作段階と、
    前記メイン素子部に前記第2の試験電流を流した場合の前記電流測定用抵抗における降下電圧を測定するモジュール測定段階と、
    前記降下電圧に基づいて前記半導体モジュールの良否を判定するモジュール判定段階と
    を更に備える請求項1から5のいずれか一項に記載の試験方法。
  7. 前記素子動作段階において、前記センストランジスタ部の主端子間に印加する電圧を、4V以上、6V以下に設定する
    請求項1から6のいずれか一項に記載の試験方法。
  8. 半導体装置が組み込まれた半導体モジュールを製造する製造方法であって、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の試験方法により前記半導体装置を試験する素子試験段階と、
    前記素子試験段階において良品と判定された前記半導体装置を用いて前記半導体モジュールを製造するモジュール製造段階と
    を備える製造方法。
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