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JP7360044B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、成形品の製造方法に関する。
特許文献1には、成形体の周面に設けられたバリをカッターで切断することによって除去する技術が開示されている。
特開2020-1100号公報
特許文献1の方法では、ティーチングによって設定された特定の切断ラインに沿ってバリを切断している。この方法では、成形体が傾いた状態で位置決めされたり、成形体の収縮度合いにばらつきがあるような場合に、バリ切断の精度が低下する場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、成形体の周面に設けられたバリの切断精度を高めることが可能な、成形品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、成形品の製造方法であって、測定工程と、補正工程と、バリ切断工程を備え、前記測定工程では、成形体が位置決めされた状態で、前記成形体の周面の少なくとも1点の位置を測定し、前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいてマスター切断ラインを補正して補正後切断ラインを決定し、前記バリ切断工程では、前記補正後切断ラインに従って前記成形体の周面に設けられたバリを切断する、方法が提供される。
本発明では、成形体の周面の少なくとも1点の位置を測定し、その結果に基づいて切断ラインを補正し、補正された切断ラインに従ってバリを切断している。このため、成形体が傾いた状態で位置決めされたり、成形体の収縮度合いにばらつきがあるような場合でも、バリを高い精度で切断することができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記測定工程では、前記成形体の傾き量と拡縮量の少なくとも一方を測定し、前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいて前記マスター切断ラインの傾き量と拡縮量の少なくとも一方を補正する、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記拡縮量の補正は、補正前の切断ラインの一部を平行移動させることによって行う、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリの切断は、前記バリを切断するためのカッターを前記周面に押し付けながら移動させることによって行う、方法である。
好ましくは、成形品の製造方法であって、バリ切断工程と、バリ除去工程を備え、前記バリ切断工程では、成形体の周面に設けられたバリを切断してバリ処理台上に落下させ、前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を回転させることによって、前記バリを前記バリ処理台から除去する、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を90度以上回転させる、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリ処理台は、成形体載置体と、バリ受けを備え、前記バリ受けは、前記成形体載置体に隣接した位置であって、前記成形体載置体の上面よりも低い位置に設けられ、前記バリ切断工程では、前記成形体を前記成形体載置体の上面に固定した状態で前記バリを切断して前記バリ受け上に落下させる、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリ切断工程の前に位置決め工程を備え、前記位置決め工程では、前記成形体を吸着パッド上に載置し且つ前記吸着パッドから前記成形体に向けてエアーを吹き出した状態で前記成形体を移動させることによって前記成形体の位置決めを行う、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリ切断工程の前に位置決め工程を備え、前記位置決め工程では、前記成形体の周面を位置決めブロックで押して前記成形体を移動させることによって前記成形体の位置決めを行い、前記位置決めブロックは、前記成形体の周面に当接する位置決め面と、前記バリとの干渉を回避するための干渉回避溝を備える、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記バリ切断工程では、前記成形体の傾き量及び拡縮量に基づいて決定された切断ラインに沿って前記バリを切断する、方法である。
図1Aは、成形体4の斜視図であり、図1Bは、図1A中の領域Bの拡大図である。 図2Aは、成形品4bの製造システム10の斜視図であり、図2Bは、図2A中の領域Bの拡大図である。 図3Aは、図2Bから成形体載置体3c、バリ受け3f、及びポール3gを除いた図であり、図3Bは、図3A中の領域Bの拡大図である。 搬入工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図である。 図5Aは、図4の正面図であり、図5Bは、図5A中の領域Bの拡大図である。 図6Aは、位置決め工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図であり、図6Bは、図6A中の領域Bの拡大図である。 図7Aは、位置決め工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図であり、図7Bは、図7A中の領域Bの角度を変えて見た拡大図である。 図8A~図8Dは、切断ライン決定工程の説明図である。 図9Aは、補正前の切断ラインを示し、図9Bは、補正後の切断ラインを示す。 図10Aは、バリ切断工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図であり、図10Bは、図10A中の領域Bの拡大図である。 図11Aは、バリ切断工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図であり、図11Bは、図11A中の領域Bの拡大図である。 バリ除去工程を説明するための、図2Aに対応する斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.成形品4bの製造システム10
図1~図2に示すように、本発明の一実施形態の成形品4bの製造システム10は、移動用ロボットハンド1と、切断用ロボットハンド2と、バリ処理台3を備える。
製造システム10は、図1に示す成形体4の周面4cに設けられたバリ4aを切断して成形品4bを得るために用いられる。成形体4は、一対の分割金型を用いて形成される成形体であり、ブロー成形体、真空成形体、射出成形体等の何れであってもよい。バリ4aは分割金型の合わせ面に形成される。また、成形体4は、分割金型を開いて取り出した直後の状態のものであってもよく、分割金型を開いて得られた成形体に対して前処理を行った後の状態のものであってもよい。
前処理としては、分割金型での成形時に形成されたバリの一部を取り除く処理が挙げられる。特に、ブロー成形や真空成形などのように、パリソンや樹脂シートを分割金型で挟んで成形体を形成する方法によって成形体を形成した場合、成形品4bの周囲に大型のバリが形成されやすいので、前処理として、成形時に形成されたバリのうち、バリ4a以外の部分を除去する処理を行うことが好ましい。
成形品4bは、一例では、ラゲッジボードのようなボード状の部材である。成形品4bは、そのまま最終製品としてもよく、成形品4bに対して、後処理を行って最終製品としてもよい。
ロボットハンド1,2は、不図示のロボットのロボットアームに装着して用いられる。ロボットアームは、ロボットハンド1を移動させる機能を有する。ロボットアームは、後述する各種工程の実現に必要な軸数を有するものであればよく、6軸以上を有するものが好ましい。
ロボットハンド1は、前工程で形成された成形体4を保持してバリ処理台3に移動させるために用いられる。ロボットハンド1は、ベース1aと、アーム1bと、吸着パッド1cを備える。ベース1aは、ロボットアームに装着される。アーム1bは、ベース1aから延びるように設けられる。アーム1bは、細長い形状であり、一対設けられている。吸着パッド1cは、真空吸引によって成形体4を吸着可能に構成されている。吸着パッド1cは、アーム1bに設けられている。吸着パッド1cは、各アーム1bに複数ずつ(本実施形態では3つずつ)設けられている。
一例では、各アーム1bに設けられた3つの吸着パッド1cのうち、先端1b1側の2つの吸着パッド1cが第1真空系統に繋がり、残りの1つの吸着パッド1cが第2真空系統に繋がるように構成される。このような構成によれば、成形体4が3つの吸着パッド1cで吸着可能なサイズであれば第1及び第2真空系統を作動させることによって成形体4を吸着し、成形体4が3つの吸着パッド1cで吸着不能な比較的小型である場合には、第1真空系統のみを作動させて、先端側の2つの吸着パッド1cで成形体4を吸着することができる。これによって、小型の成形体4を吸着する場合のエアリークを防ぐことができる。
ロボットハンド2は、ベース2aと、カッター2bと、測距装置2cを備える。カッター2bと、測距装置2cは、ベース2aに固定されている。カッター2bは、例えば超音波カッターであり、バリ4aと成形品4bの境界において成形体4の周面4cに沿ってカッター2bを移動させることによって、バリ4aを切断するために用いられる。カッター2bは、カッター2bの刃の幅方向に直交する方向に付勢可能になっており、これによってカッター2bを周面4bに押し付けながら移動させてバリ4aの切断を行うことができる。付勢は、バネやシリンダ機構などによって行うことができる。測距装置2cは、測距装置2cと成形体4の周面4cの間の距離を測定するために用いられる。測距装置2cを用いて、成形体4がバリ処理台3に固定された状態で、成形体4の周面4cに沿った複数の測定点において測距することによって、成形体4の周面4cに沿った複数の測定点の座標を得ることができ、これによって、成形体4の傾き量と拡縮量を算出することができる。ロボットハンド2は、算出された傾き量及び拡縮量に基づいて決定された切断ラインに沿ってバリ4aを切断するように構成されている。このような構成によれば、成形体4が傾いた状態でバリ処理台3に固定されている場合や、成形体4の拡縮量のばらつきが大きい場合でも、バリ4aの切断を高精度に実施することができる。
ロボットハンド2の数は、1つであっても2つ以上であってもよい。複数のロボットハンド2を用いて測距及び切断を行うことによって処理の高速化が実現可能である。
バリ処理台3は、ベース3aと、受け渡し吸着ユニット3bと、成形体載置体3cと、固定吸着ユニット3dと、位置決めユニット3eと、バリ受け3fと、ポール3gと、回転ユニット3hを備える。
回転ユニット3hは、回転駆動部3h1と、軸受部3h2を備える。ベース3aは、回転駆動部3h1と軸受部3h2によって挟まれており、軸受部3h2によって軸受された状態で、回転駆動部3h1によって回転駆動されるように構成されている。回転駆動の回転軸は、水平面に対する角度が45度以下が好ましく、30度以下がさらに好ましく、5度以下がさらに好ましい。この角度は、具体的には例えば、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
受け渡し吸着ユニット3bは、駆動ユニット3b1と、吸着パッド3b2を備える。駆動ユニット3b1は、好ましくはシリンダ機構であり、ベース3aに固定された固定部3b11と、固定部3b11に対して移動(好ましくは、スライド移動)可能に構成された移動部3b12を備える。吸着パッド3b2は、真空吸引によって成形体4を吸着可能に構成されており、移動部3b12に固定されている。
成形体載置体3cは、好ましくは、ベース3aに固定された壁であり、成形体載置体3c上に成形体4が載置されて固定された状態でバリ4aの切断が行われる。成形体4は、固定吸着ユニット3dによって成形体載置体3c上に固定される。
固定吸着ユニット3dは、成形体4を吸着可能な位置に複数配置されている。固定吸着ユニット3dは、好ましくは成形体4の外周に隣接した位置に配置することが好ましい。この場合、バリ4aを切断する際に成形体4の位置ずれが生じにくいからである。各固定吸着ユニット3dは、支柱3d1と、吸着パッド3d2を備える。吸着パッド3d2は、支柱3d1に固定され、支柱3d1はベース3aに固定されている。吸着パッド3d2は、真空吸引によって成形体4を吸着可能に構成されている。
図2~図3に示すように、位置決めユニット3eは、成形体4の外周に沿って複数配置されている。各位置決めユニット3eは、台座3e1と、駆動ユニット3e2と、位置決めブロック3e3を備える。台座3e1はベース3aに固定されている。駆動ユニット3e2は、好ましくはリニアスライダ機構であり、台座3e1に固定された固定部3e21と、固定部3e21に対して移動(好ましくは、スライド移動)可能に構成された移動部3e22を備える。位置決めブロック3e3は、移動部3e22に固定されている。駆動ユニット3e2で位置決めブロック3e3を移動させることによって位置決めブロック3e3で成形体4の周面4cを押して成形体4を移動させることによって成形体4の位置決めを行うように構成されている。位置決めブロック3e3は、成形体4の周面4cに当接する位置決め面3e31と、バリ4aとの干渉を回避するための干渉回避溝3e32を備える。
図2Bに示すように、バリ受け3fは、成形体載置体3cに隣接した位置であって、成形体載置体3cの上面3c1よりも低い位置に設けられる。これによって、成形体4を成形体載置体3cの上面に固定した状態でバリ4aを切断してバリ受け3f上に落下させることができる。成形体載置体3cの周囲には、各種ユニットを駆動させるのに必要な配線や配管が配置されるが、切断したバリ4aが配線や配管に絡まるとトラブル発生の原因となる。本実施形態では、バリ受け3f上にバリ4aを落下させることによってトラブル発生を抑制している。バリ受け3f上のバリ4aは、回転ユニット3hによってバリ処理台3を回転させてバリ4aを落下させることによって除去することができる。バリ処理台3の下方には不図示のコンベアが設置されていてもよく、この場合、バリ4aをコンベア上に落下させ、コンベアによって廃棄又は再生ラインに移動させることができる。
図2Bに示すように、バリ受け3fは、移動部3e22と同じ高さか、これよりも高い位置に配置されている。これによって、落下したバリ4aが移動部3e22に引っかかることが抑制される。バリ受け3fを固定する位置は限定されず、バリ受け3fは、例えば、ベース3aに固定してもよく、成形体載置体3cに固定してもよい。
図2Bに示すように、ポール3gは、位置決めブロック3e3に隣接した位置においてベース3aに固定されている。図10Bに示すように、ポール3gの上端3g1は、成形体4が成形体載置体3cの上面3c1に載置された状態でバリ4aよりも高い位置になっている。図10Bに示すように、バリ4aを切断する際に、位置決めブロック3e3の先端3e33がポール3gよりもバリ4aから離れた位置になるように位置決めブロック3e3を後退させる。これによって、バリ4aが位置決めブロック3e3に引っかかることが抑制される。ポール3gは円柱状であることが好ましいが、上記目的が達成可能であれば別の形状であってもよい。
2.成形品の製造方法
製造システム10を用いた、成形品4bの製造方法について説明する。この方法は、搬入工程と、位置決め工程と、切断ライン決定工程と、バリ切断工程と、搬出工程と、バリ除去工程を備える。以下、各工程について説明する。
2-1.搬入工程
図2~図5に示すように、搬入工程では、ロボットハンド1を用いて成形体4をバリ処理台3に搬入する。具体的な工程は、以下の通りである。
初期状態では、図2Bに示すように、受け渡し吸着ユニット3bの吸着パッド3b2が上昇して、吸着パッド3b2の上面と成形体載置体3cの上面3c1の高さの差が、アーム1bと吸着パッド1cの合計高さよりも大きくなっている。
まず、バリ処理台3の外部に設けられた不図示の載置台に載置されている成形体4を、図2Aに示すロボットハンド1の吸着パッド1cで吸着し、その状態でロボットハンド1を移動させることによって成形体4を吸着パッド3b2上に移動させる。この際、図5Bに示すように、アーム1bが成形体4と成形体載置体3cの間に配置されるように、ロボットハンド1を移動させる。これによって、成形体4がアーム1bの上側に位置するので、成形体4が吸着パッド1cから意図せずして外れることが抑制される。
その後、成形体4を吸着パッド3b2で吸着すると共に、吸着パッド1cによる吸着を解除し、アーム1bを成形体4と成形体載置体3cの間の空間から離脱させる。
2-2.位置決め工程
図6~図7に示すように、位置決め工程では、バリ処理台3上で成形体4を移動させることによって成形体4の位置決めを行う。具体的な工程は、以下の通りである。
まず、図6Bに示すように、位置決めユニット3eの位置決めブロック3e3が後退した状態で、図2Bに図示されている駆動ユニット3b1を駆動して吸着パッド3b2を下降させ、成形体4を吸着パッド3d2に当接させ、吸着パッド3b2による吸着を解除する。この状態では、成形体4は、吸着パッド3d2上に載置された状態になっている。図5Bに示すように、吸着パッド3d2の上面3d21は、成形体載置体3cの上面3c1よりもわずかに高い位置にあるので、成形体4は、成形体載置体3cの上面3c1に非接触になっているか、又は成形体載置体3cの上面3c1に接触しているとしても成形体4の荷重の少なくとも一部が吸着パッド3d2に加わっている。
この状態で成形体4を面内方向(つまり、複数の吸着パッド3d2によって構成される面の面内方向)に移動させる際には、成形体4を吸着パッド3d2上で滑らせることになるが、成形体4の荷重が吸着パッド3d2に加わった状態では、成形体4と吸着パッド3d2の間の摩擦力が大きく、成形体4を移動する際に吸着パッド3d2が変形してしまう場合がある。吸着パッド3d2が変形すると吸着パッド3d2による成形体4の吸着固定が不十分になる場合がある。
そこで、本実施形態では、吸着パッド3d2の上面3d21から成形体4に向けてエアーを吹き出して成形体4から吸着パッド3d2に加わる荷重を低減した状態で成形体4を移動させている。これによって、成形体4と吸着パッド3d2の間の摩擦力が低減され、成形体4が移動する際に吸着パッド3d2が変形することが抑制される。
成形体4は、位置決めユニット3eを用いて移動させることができる。具体的には、図3Aに図示されている駆動ユニット3e2を駆動して位置決めブロック3e3を成形体4の周面4cに向けて前進させ、図7Bに示すように、位置決めブロック3e3の位置決め面3e31を成形体4の周面4cを当接させて周面4cを押すことによって、成形体4を移動させることができる。また、複数の位置決めユニット3eの位置決めブロック3e3で成形体4を挟むことによって、成形体4を位置決めすることができる。また、位置決めの際に、バリ4aは、干渉回避溝3e32に収容されるので、バリ4aが位置決めを阻害することが抑制される。
位置決めブロック3e3による位置決めが完了した後、吸着パッド3b2を上昇させて吸着パッド3b2で成形体4を持ち上げることによって成形体4を吸着パッド3d2から離間させ、その後に、吸着パッド3b2を下降させる工程を備えてもよい。この工程を行うことにより、成形体4の位置決め時に吸着パッド3d2が変形したとしても、成形体4を吸着パッド3b2で持ち上げたときに、吸着パッド3d2を元の形状に復帰させることができる。
次に、吸着パッド3d2によって成形体4を吸着して成形体4の位置を固定する。また、吸着パッド3d2が成形体4を吸着することによって成形体4は、成形体載置体3cの上面3c1に押し付けられる。このような構成によれば、成形体4が成形体載置体3cに上面3c1に安定的に保持される。
この後、図3Aに図示されている駆動ユニット3e2を駆動して位置決めブロック3e3を成形体4の周面4cから離れるように後退させる。この際、図10Bに示すように、位置決めブロック3e3の先端3e33がポール3gよりもバリ4aから離れた位置になるように位置決めブロック3e3を後退させる。これによって、後述のバリ切断工程で切断されたバリ4aが位置決めブロック3e3に引っかかることが抑制される。
2-3.切断ライン決定工程
切断ライン決定工程は、測定工程と、補正工程を含む。図8に示すように、測定工程では、成形体4が位置決めされた状態で、成形体4の周面4cの少なくとも1点の位置を測定し、補正工程では、測定工程での測定結果に基づいてマスター切断ラインL0を補正して補正後切断ラインL2を決定する。一例では、図8に示すように、切断ライン決定工程では、成形体4がバリ処理台3に固定された状態で、成形体4の周面4cに沿った複数の測定点の座標を測定し、測定した座標に基づいて成形体4の傾き量及び拡縮量を算出し、算出された傾き量及び拡縮量に基づいてバリ4aの切断を行う補正後切断ラインL2を決定する。
座標の測定は、測距装置2cを用いて行うことができる。測距装置2cは、自身の座標及び方位が既知であるので、測距装置2cから周面4c上の測定点までの距離を測定することによって、測定点の座標を得ることができる。
ここで、切断ライン決定方法を具体的に説明する。
ロボットハンド2が装着されているロボットには、図8Bに示すXY軸の座標に基づいて、基準となるマスター切断ラインL0がティーチングされて記憶されている。マスター切断ラインL0は、マスターワークを用いてロボットに切断ラインをティーチングすることによって決定することができる。マスターワークとしては、冷え切った成形体を用いてもよく、成形直後の成形体を用いてもよい。前者の場合、ティーチング作業中に寸法が変化しないという利点があり、後者の場合、バリ切断工程が実際に行われる際の成形体と温度や寸法が類似しているので、バリ切断の精度が向上するという利点がある。そこで、最初に冷え切った成形体を用いてティーチングを行ってマスター切断ラインを仮決定し、その後に、成形直後の成形体を用いて、仮決定されたマスター切断ラインを微調整して精度を高めることが好ましい。また、マスター切断ラインL0のうち、X軸に平行な直線とY軸に平行な直線の交点がXY座標の原点に一致するようにマスター切断ラインL0を配置することが好ましい。
また、過去のサイクルでの履歴データに基づいてマスター切断ラインL0を変更してもよい。例えば、直前の補正後切断ラインL2をマスター切断ラインL0として、次サイクルを実施したり、過去複数回の補正後切断ラインL2を平均して得られる切断ラインをマスター切断ラインL0として、次サイクルを実施してもよい。
マスター切断ラインL0は、成形体4が面内において傾くことなくバリ処理台3に固定されていて、且つ成形体4のサイズが標準サイズである場合の切断ラインである。しかし、実際には、成形体4は、バリ処理台3に固定する際に傾いてしまう場合があり、成形体4が成形後に冷却される際の拡縮量のばらつきもある。このため、マスター切断ラインL0に沿ってバリ4aを切断すると、バリ4aの除去が不十分になったり、成形品4bを損傷させたりする場合がある。このため、成形体4の傾き量及び拡縮量に基づいてマスター切断ラインL0を補正する必要がある。以下、成形体4が傾いた状態でバリ処理台3に固定されており、かつ成形体4が、標準サイズの成形体4dよりも小さい場合を例に挙げて、切断ラインの補正方法の一例を説明する。
まず、図8Aに図示する測定点A~Cの座標を取得する。測定点A~Cの座標に基づいて、測定点A及びBを結ぶ直線Lxと、測定点Cを通り且つ直線Lxに直交する直線Lyが求まる。
次に、図8Cに示すように、ロボットのXY軸が直線Lx,Lyに一致するように、ロボットのXY軸を回転させる。これによって、マスター切断ラインL0も回転して補正後切断ラインL1となる。
次に、図8Aに図示する測定点D及びEの座標を取得する。測定点D~Eの座標に基づいて、成形体4のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの拡縮量が求まる。
次に、図8Dに示すように、X軸方向及びY軸方向のそれぞれの拡縮量に基づいて、補正後切断ラインL1を拡縮させることによって、補正後切断ラインL2が得られる。なお、二軸のそれぞれの拡縮量を求める代わりに、1つの拡縮量を求め、その拡縮量に基づいて補正後切断ラインL1を相似的に拡縮させて補正後切断ラインL2を得てもよい。
補正後切断ラインL2は、成形体4の傾き量及び拡縮量に基づいて決定された切断ラインであるので、補正後切断ラインL2に沿ってバリ4aを切断することによって、バリ4aを適切に除去することができる。
上記説明では、成形体4の傾き量と拡縮量の両方を測定し、その測定結果に基づいて、マスター切断ラインL0の傾き量と拡縮量の両方を補正しているが、傾き量と拡縮量の一方のみを測定及び補正してもよい。
ところで、拡縮量の補正は、補正前の切断ライン(例:マスター切断ラインL0又は補正後切断ラインL1)を規定する点群のX座標及びY座標の値に拡縮量に対応した係数を掛けることによって行ってもよいが、制御プログラムによっては、X座標及びY座標の値を同時に変更することができなかったり、係数の乗算ができなかったりする場合がある。そのような場合、補正前の切断ラインの一部を平行移動させることによって拡縮量の補正を行ってもよい。
図9を用いて、平行移動による拡縮量の補正をさらに詳細に説明する。
図9Aは、補正前の切断ラインLを示す。切断ラインLは、点A~Tを滑らかに接続するラインであり、点A~Tが移動すると切断ラインLも移動する。図9A~図9Bの左右方向がX軸方向であり、上下方向がY軸方向である。切断ラインLは、Y軸に平行な2本のラインLy0,Ly1と、X軸に平行な2本のラインLx0,Lx1と、ラインLy0とLx1をつなぐ湾曲線Lc1と、ラインLy1とLx1を繋ぐ湾曲線Lc2で構成されている。
ここで、上述した方法によって成形体4の周面の位置を測定したところ、成形体4が標準サイズの成形体4dよりもX軸方向に0.2mm小さく、Y軸方向に0.1mm小さかったとする。
この場合、ラインLy0を移動させずに、ラインLy1をX軸方向に-0.2mm移動させることによって、X軸方向の拡縮を実現することができる。一例では、図9Bに示すように、ラインLy1に近接した点D~H(下線が引かれた点)のX座標を-0.2mm移動させることによってラインLy1を移動させることができる。移動される点は、適宜調整可能である。例えば、点Dを移動させないようにしたり、点Iを移動させたりするようにしてもよい。
また、ラインLx0を移動させずに、ラインLx1をY軸方向に-0.1mm移動させることによって、Y軸方向の拡縮を実現することができる。一例では、図9Bに示すように、ラインLx1に近接した点I~N(太字の点)のY座標を-0.1mm移動させることによってラインLx1を移動させることができる。移動される点は、適宜調整可能である。例えば、点Iを移動させないようにしたり、点Oを移動させたりするようにしてもよい。
このような方法によれば、拡縮量を容易に補正することができる。
一方、上記方法では、X軸・Y軸の何れにも平行でない部位(以下、非平行部位、例:湾曲線Lc1,Lc2)では、適切に補正がなされない場合がある。しかし、バリ4aの切断は、カッター2bを切断ラインが延びる方向(言い換えると、カッター2bの刃の幅方向)に直交する方向に付勢することによって、カッター2bを周面4b1に押し付けながら移動させることによって行うことができ、このような方法によれば、非平行部位においても、周面4b1に沿ってカッター2bを移動させることができ、バリ4aを精度良く切断することができる。
2-4.バリ切断工程
図10~図11に示すように、バリ切断工程では、成形体4の周面4cに設けられたバリ4aを切断してバリ処理台3上に落下させる。これによって、成形体4がバリ4aと成形品4bに分離される。
バリ4aは、切断ライン決定工程で決定された補正後切断ラインL2に沿って切断することができる。図11Bに示すように、バリ4aは、バリ受け3f上に落下する。成形品4bは、成形体載置体3c上に載置され、吸着パッド3d2によって吸着された状態となる。成形品4bの周面4b1は、成形体4の周面4cと一致する。
バリ4aは、環状と非環状のどちらであってもよい。切断されたバリ4aが細くて軽い場合、バリ4aが落下せずに、静電気等によって成形品4bに付着してしまう場合がある。このようなバリ4aは、成形品4bがバリ処理台3から搬出された後に意図しない場所で落下してしまう虞があるという問題がある。そこで、バリ4aの切断は、細くて軽いバリ4aが、それよりも太くて重いバリ4aから切り離されないように行うことが好ましい。
2-5.搬出工程
搬出工程では、バリ処理台3から成形品4bを搬出する。
具体的には、吸着パッド3d2による成形品4bの吸着を解除すると共に、吸着パッド3b2で成形品4bを吸着し、吸着パッド3b2を上昇させる。次に、吸着パッド1cが上側を向くようにアーム1bを成形品4bと成形体載置体3cの間の空間に挿入する(図4を参照)。次に、吸着パッド3b2による成形品4bの吸着を解除すると共に、吸着パッド1cで成形品4bを吸着する。次に、その状態で、ロボットハンド1を移動させることによって、バリ処理台3から成形品4bを搬出する。
2-6.バリ除去工程
図12に示すように、バリ除去工程では、バリ処理台3を回転させることによって、バリ4aをバリ処理台3から除去する。これによって、バリ受け3f上に載置されたバリ4aが重力の作用で落下して除去される。落下したバリ4aは、コンベア等で運ばれて再生又は廃棄処理される。
バリ処理台3は、軸受部3h2によって軸受された状態で、回転駆動部3h1によって駆動されて回転する。バリ処理台3の回転角度は、好ましくは、90度以上であり、例えば、90~270度であり、120~240度が好ましく、具体的には例えば、90、120、150、180、210、240、270度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような角度でバリ処理台3を回転させることによって、バリ4aが環状であったり、バリ4aが細長くて別の部材の引っかかりやすい形状であったりする場合であっても、バリ4aをバリ処理台3から落下させることができる。
バリ除去工程は、バリ切断工程を行う度に行ってもよく、バリ切断工程を複数回行うごとに行ってもよい。
1 :移動用ロボットハンド
1a :ベース
1b :アーム
1b1 :先端
1c :吸着パッド
2 :切断用ロボットハンド
2a :ベース
2b :カッター
2c :測距装置
3 :バリ処理台
3a :ベース
3b :受け渡し吸着ユニット
3b1 :駆動ユニット
3b11 :固定部
3b12 :移動部
3b2 :吸着パッド
3c :成形体載置体
3c1 :上面
3d :固定吸着ユニット
3d1 :支柱
3d2 :吸着パッド
3d21 :上面
3e :位置決めユニット
3e1 :台座
3e2 :駆動ユニット
3e21 :固定部
3e22 :移動部
3e3 :位置決めブロック
3e31 :位置決め面
3e32 :干渉回避溝
3e33 :先端
3f :バリ受け
3g :ポール
3g1 :上端
3h :回転ユニット
3h1 :回転駆動部
3h2 :軸受部
4 :成形体
4a :バリ
4b :成形品
4b1 :周面
4c :周面
4d :成形体
10 :製造システム
L0 :マスター切断ライン
L1 :補正後切断ライン
L2 :補正後切断ライン

Claims (9)

  1. 成形品の製造方法であって、
    測定工程と、補正工程と、バリ切断工程を備え、
    前記測定工程では、成形体が位置決めされた状態で、前記成形体の周面の少なくとも1点の位置を測定し、
    前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいてマスター切断ラインを補正して補正後切断ラインを決定し、
    前記バリ切断工程では、前記補正後切断ラインに従って前記成形体の周面に設けられたバリを切断し、
    前記測定工程では、前記成形体の拡縮量を測定し、
    前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいて前記マスター切断ラインの拡縮量を補正する、方法。
  2. 成形品の製造方法であって、
    測定工程と、補正工程と、バリ切断工程を備え、
    前記測定工程では、成形体が位置決めされた状態で、前記成形体の周面の少なくとも1点の位置を測定し、
    前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいてマスター切断ラインを補正して補正後切断ラインを決定し、
    前記バリ切断工程では、前記補正後切断ラインに従って前記成形体の周面に設けられたバリを切断し、
    前記測定工程では、前記成形体の傾き量と拡縮量の少なくとも一方を測定し、
    前記補正工程では、前記測定工程での測定結果に基づいて前記マスター切断ラインの傾き量と拡縮量の少なくとも一方を補正し、
    前記拡縮量の補正は、補正前の切断ラインの一部を平行移動させることによって行う、方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の方法であって、
    前記バリの切断は、前記バリを切断するためのカッターを前記周面に押し付けながら移動させることによって行う、方法。
  4. 成形品の製造方法であって、
    バリ切断工程と、バリ除去工程を備え、
    前記バリ切断工程では、成形体の周面に設けられたバリを切断してバリ処理台上に落下させ、
    前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を回転させることによって、前記バリを前記バリ処理台から除去し、
    前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を120度以上回転させる、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、
    前記バリ処理台は、成形体載置体と、バリ受けを備え、
    前記バリ受けは、前記成形体載置体に隣接した位置であって、前記成形体載置体の上面よりも低い位置に設けられ、
    前記バリ切断工程では、前記成形体を前記成形体載置体の上面に固定した状態で前記バリを切断して前記バリ受け上に落下させる、方法。
  6. 成形品の製造方法であって、
    バリ切断工程と、バリ除去工程を備え、
    前記バリ切断工程では、成形体の周面に設けられたバリを切断してバリ処理台上に落下させ、
    前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を回転させることによって、前記バリを前記バリ処理台から除去し、
    前記バリ処理台は、成形体載置体と、固定吸着ユニットを備え、
    前記固定吸着ユニットは、真空吸引によって前記成形体を吸着可能に構成された吸着パッドを備え、
    前記成形体は、前記固定吸着ユニットによって前記成形体載置体上に固定される、方法。
  7. 成形品の製造方法であって、
    バリ切断工程と、バリ除去工程を備え、
    前記バリ切断工程では、成形体の周面に設けられたバリを切断してバリ処理台上に落下させ、
    前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を回転させることによって、前記バリを前記バリ処理台から除去し、
    前記バリ切断工程の前に位置決め工程を備え、
    前記位置決め工程では、前記成形体を吸着パッド上に載置し且つ前記吸着パッドから前記成形体に向けてエアーを吹き出した状態で前記成形体を移動させることによって前記成形体の位置決めを行う、方法。
  8. 成形品の製造方法であって、
    バリ切断工程と、バリ除去工程を備え、
    前記バリ切断工程では、成形体の周面に設けられたバリを切断してバリ処理台上に落下させ、
    前記バリ除去工程では、前記バリ処理台を回転させることによって、前記バリを前記バリ処理台から除去し、
    前記バリ切断工程の前に位置決め工程を備え、
    前記位置決め工程では、前記成形体の周面を位置決めブロックで押して前記成形体を移動させることによって前記成形体の位置決めを行い、
    前記位置決めブロックは、前記成形体の周面に当接する位置決め面と、前記バリとの干渉を回避するための干渉回避溝を備える、方法。
  9. 請求項4請求項8の何れか1つに記載の方法であって、
    前記バリ切断工程では、前記成形体の傾き量及び拡縮量に基づいて決定された切断ラインに沿って前記バリを切断する、方法。
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